JPH08207645A - ルーバーに物品を支持するための取付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、自動車用エアコンの吹き出し口の
ルーバーに固定するための取り付け装置であって、特
に、確実に固定して振動等で落下することがなく、他
方、脱着の容易性を実現すること。 【構成】 本発明は、先端に鈎状の係止部を形成したフ
ックを配設した杆体と、上記杆体に挿通しスライド移動
可能でその前端をルーバーに当接するスライダと、杆体
に支持され、一端をスライダに他端をベースプレートに
それぞれ当接したコイルスプリングと、杆体の後端に固
定し、ホルダー類を支持するベースプレートとで形成し
たことを特徴とするルーバーに物品を支持するための取
り付け装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エアコンの吹
き出し口などのルーバーに物品を支持するために使用さ
れるホルダー類を固定する取付け装置に係る。

【０００２】

【従来の技術】従来から自動車のルーム内でジュース缶
などを保持して飲用できるようにしたカップホルダーが
知られている。図示を省略するが、一例として、このホ
ルダーは、内側のドアパネルとウインドウとの間隙を利
用し、金属製平板に樹脂を被覆した保持片をコ字形に折
り曲げ、前記間隙へ挿入してドアパネル側に支持する構
造であり、低価格で取り付けが簡単なタイプである。

【０００３】しかしながら、前記カップホルダーは、利
用者の姿勢に対して不自然な幅方向（左右方向）に取り
付けており、使用時には体の向きを変えたり、無理に腕
を縮めて缶体を把持するなど、使い勝手に問題があっ
た。

【０００４】一方、自動車用エアコンのベンチレーター
に配置し、冷風又は温風を利用して飲料の温度を調節で
きるようにした取り付け手段が知られている。

【０００５】このホルダーは、風向を調節するルーバー
Ｌに固定してコップやジュースなどの缶体を保持するタ
イプである。ちなみに、ルーバーＬは、一般に剛性のあ
る合成樹脂で製造され、上下方向に向きを可変できる横
桟Ｌａと、左右方向に向きを可変できる縦桟とで形成し
ている。

【０００６】図９は、取付け手段としてクリップを使用
した例を示すホルダー９０であり、ホルダー９０の上部
２箇所に金属製クリップ９１を配設し、その先端をルー
バーＬの横桟Ｌａに押し当てながら前方へ押圧してクリ
ップ９１をルーバーＬの厚み分だけ強制的に拡幅してク
リップ９１の把持片９１ａによってルーバーＬを摩擦力
で係合固定している。

【０００７】上記ホルダー９０は、プラスチック成形で
形成し、その胴部に鰐口状の金属製クリップ９１を一体
に固定し、さらに、缶体の底部を支持する凹陥部９０ａ
や胴部を当接する胴枠９０ｂを付設している。

【０００８】そして、不使用時には、ホルダー９０を手
前に引いてクリップ９１とルーバーＬとの係合状態を解
除する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】前記従来例は、取付け
時にルーバーと接触する部材を金属で構成しないと充分
なバネ性が確保できず、また、強度を保つことができな
いことから金属板を使用しているために、取付け時に金
属板よりも柔軟な材質のルーバーを傷付けることがあっ
た。

【００１０】また、ルーバーとクリップは、摩擦接合し
ているだけなので走行時の振動などによってルーバーと
の係止箇所にズレが生じ、外れて落下することがあっ
た。さらに、クリップ位置によってはルーバーの形状に
対応できず、ルーバーの奥行きやルーバー間の寸法に適
合したクリップを個別に用意する必要があり、汎用性に
欠けていた。

【００１１】さらにまた、ルーバーをクリップで上下か
ら挟んで固定しなければならず、取り付けにくいという
課題があった。

【００１２】そこで、本発明は、ワンタッチでルーバー
に脱着でき、しかも確実に固定するためにコイルスプリ
ングを使用したルーバーなどに物品を支持するための取
付け装置を提供するものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、ルーバーに係
止フックを形成した杆体と、上記杆体にスライド移動自
在に支持され、前端部にルーバーと当接する傾斜片を形
成したスライダーと、上記杆体に懸架され、前端をスラ
イダーに後端をベースプレートにそれぞれ当接して配設
したコイルスプリングと、杆体の後端に固定され、かつ
ホルダーを支持可能なベースプレートと、で形成したこ
とを特徴とするルーバーに物品を支持するための取付け
装置である。

【００１４】さらに、上記杆体は、平面半円形状の後端
部に割りピン状のスリットと段差とを形成した係止部を
具備し、また、上記スライダーは、傾斜片の上方に凹部
を形成すると共に杆体の断面形状と相似する透孔を形成
し、さらに、上記ベースプレートは、コイルスプリング
の一端を保持可能な凸部を備えた主壁並びにこの主壁と
一体でかつ杆体が挿通可能な透孔と透孔の外周壁から連
なる嵌合凸部とで形成している。

【００１５】

【作用】前記自動車用エアコンの吹き出し口用ルーバー
にスライダー前端の傾斜片を当接しながら、ベースプレ
ート（ホルダー）を押圧して杆体に懸架したスプリング
を圧縮し、ルーバーとルーバーとの透き間からフックを
挿入する。

【００１６】次いで、フックをルーバーの背面に係止し
てから前記コイルスプリングの圧縮を解除（ベースプレ
ートの押圧解除）すれば、コイルスプリングが元の形状
に戻ろうとする弾性力により、フックとスライダーとで
ルーバーの横桟を挟持して杆体を固定する。

【００１７】一方、取り外す時は、ベースプレート（ホ
ルダー）を押圧して、フックとルーバーとの係合を解除
し、ルーバーの透き間からフックを抜くことにより行
う。

【００１８】また、コイルスプリングを使用し、杆体も
適宜の長さがあるのでホルダーをルーバーと離れた位置
に保持できるので、ルーバー間にフックが挿通する透き
間があれば、ダッシュボードの形状に左右されず、どの
ような種類のルーバーでも取り付けられる。

【００１９】杆体は、スライダーの透孔に挿通するだけ
で不用な回転を抑制されてスライド移動がスムーズとな
り、一方、半円状の後端部とスリットによってベースプ
レートの透孔に嵌合固定する動作を容易に行える。

【実施例】図１は本発明の使用例の一例を示す斜視図、
図２は取付け装置を分解して示す斜視図、図３のａは取
付け装置の正面図、ｂはスライダーの斜視図、ｃはベー
スプレートの斜視図である。図４〜図７は動作状態の平
面と正面図であり、図６と図７はルーバーに取り付ける
直前状態を示す平面図並びに正面図である。更に、図８
は、ホルダーの側面図である。

【００２０】本発明の取付け装置Ｆは、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ジュラコン、ＡＢＳ樹脂などの剛性
プラスチックあるいはアルミニウム、鉄又はそれらの合
金などの金属で杆体１を形成している。杆体１は、一端
にルーバーを係止する鈎状のフック２を、他端にスリッ
ト３ａと段差３ｂとを施した割りピン状の係止部３をそ
れぞれ具備し、また、天地方向にリブ４を立ち上げてい
る。

【００２１】さらに、本発明は、ルーバーＬの前面に係
止する凹部５を備えた傾斜片６と、前記杆体１を挿通可
能とする凸形（逆Ｔ字形）の透孔７と、コイルスプリン
グ８の一端を保持する環状の凸部９を備えた主壁１０と
を具備したスライダー１１を形成し、また、前記凸部９
は、前記リブ４を挿通可能とする溝９ａを施している。

【００２２】一方、前記杆体１の係止部３には、ベース
プレート１２が固定される。すなわち、ベースプレート
１２は、係止部３よりも若干細幅の透孔１３を施してお
り、この透孔１３に係止部３が挿通して杆体１に係止さ
れる。なお、係止部３は、その端部を半円状に形成して
おり、透孔１３の壁に当接すると杆体１のバネ性によっ
てスリット幅が小さくなり、透孔１３を通過可能とな
る。

【００２３】さらに、ベースプレート１２は、コイルス
プリング８の一端を保持可能な環状の凸部１３ａを備え
た主壁１４並びにこの主壁１４と一体でかつ上記透孔１
３の外周壁から連なる嵌合凸部１５とを具備している。

【００２４】また、嵌合凸部１５は、主壁１４との間に
係止凹部１６を形成し、後述するスライドアーム２０側
に設けられる透孔２１に挿脱可能である。

【００２５】スライドアーム２０は、平面コ字形を呈
し、前面には、上記嵌合凸部１５と相似形の透孔２１を
穿設し、その両脇には長溝２３を透孔２１と一連に穿設
している。さらに、その両側に延設したアーム２２の内
側には、鋸歯状の係止部２４を刻設している。なお、透
孔２１の高さは嵌合凸部１５よりも、また、長溝２３の
高さは前記係止凹部１６よりも若干高い形状である。

【００２６】このスライドアーム２０は、ホルダー３０
に係止される。ホルダー３０は、缶体の胴部と底部とを
保持する胴壁３１と凹陥部３２並びに缶体の直径に適合
してその胴部を押さえる作用をするフラップ３３とを具
備している。

【００２７】さらに、ホルダー３０は、前面の両側に前
記スライドアーム２０を保持する嵌合溝３４を穿設して
おり、その両側に前記係止部２３に嵌合する鋸歯状の係
止部３５を設けている。スライドアーム２０を調節する
には、ボタンＢを押すことにより、係止部２３，３５の
かみ合いが解除されて自由に動けるようになる。

【００２８】使用時には、２個の取付け装置Ｆをホルダ
ー３０に固定して使用する。すなわち、取付け装置Ｆの
嵌合凸部１５をスライドアーム２０の透孔２１内に挿通
した後、係止凹部１６を長溝２２に沿って移動して両者
間の距離を調節した後、適宜の位置で係止することによ
りホルダー２０に一体化される。

【００２９】ちなみに、スライドアーム２０は、係止部
３５との摩擦係合により係止されているだけなので、そ
れを解除することによりスライドアーム２０の前端部と
ホルダー３０との距離間を調節可能である。

【００３０】前記のように、取付け装置Ｆは、ホルダー
３０と一体化した後、まず、ルーバーＬの横桟の前面Ｌ
１にスライダー１１の凹部５（傾斜片６）を当接し、ベ
ースプレート１２を押圧してコイルスプリング８を圧縮
させてフック２をルーバーＬの横桟が配置された透き間
から前方に突出させる。

【００３１】次いで、フック２をルーバーＬの横桟の背
面Ｌ２に係止し、圧縮を緩めると、コイルスプリング８
の反発力により横桟をフック２と傾斜片６とで把持して
杆体１を固定する。

【００３２】なお、図示しないが金属などでルーバーよ
りも硬い材質で杆体１やスライダー１１を形成した場合
には、前記フック２や傾斜片６に天然ゴムや合成ゴム又
はプラスチック製のクッション材を配置する。

【００３３】杆体１は、その断面形状が、長円形、楕円
形などの円形状又は三角形、矩形などの多角形状のいず
れかであって、前記透孔７の形状より若干小さめの断面
形状を呈する。

【００３４】また、杆体１の断面形状が真円形の場合
は、杆体１の胴部に凹溝又は突条を形成し、一方の透孔
７側には、それに見合った突条又は凹溝を形成し、杆体
１が円周方向に回転せずにスライド移動可能に係合す
る。

【００３５】さらにまた、タバコなどの物品を保持する
には、物品に適合したホルダーをベースプレートに配設
して使用するか、あらかじめベースプレートとホルダー
とを一体化して形成したものを使用する。

【００３６】本発明は、ホルダーの種類を問わず使用可
能であり、前記した缶体、コップ、ボトルなどの他に図
示を省略するが香水、灰皿、携帯電話機、液晶テレビ、
タバコなどのホルダー類を使用可能である。その場合に
もホルダーとベースプレートとを一体に成形するか、ベ
ースプレートをホルダーのスライドアームと着脱自在に
形成するかのいずれでも差し支えない。

【００３７】また、本発明の取付け装置は、ルーバー及
びダッシュボードとの取り付け角度が著しく異なるため
にホルダーを水平に支持できない場合には、スライダー
の前後により水平を保つことができるが、それでも補え
ない時は、ホルダー（凹陥部）の下方にスライド移動自
在のスペーサ（図示省略）を配設し、その先端をダッシ
ュボードに当接してホルダーを水平に保つように形成可
能である。

【００３８】

【発明の効果】本発明は、杆体とコイルスプリングとを
利用した取付け手段により、ルーバーとホルダーとの距
離を離すことができ、ダッシュボードやルーバーの配置
状態にかかわらず使用可能な汎用性を実現した。

【００３９】また、フックの材質をプラスチックにする
ことによってルーバーへ傷を付けることもなくなった。

【００４０】さらに、ルーバーに対して前後からフック
で挟持し、しかも常時スプリングの弾性力を作用させる
手段により強固にルーバーを保持するので振動などで脱
落することがない。

【００４１】それによって、耐荷重性が大幅に向上し、
従来よりも重量がかさむ物品を支持することができ、使
用対象物品の範囲が拡大した。また、効率よく組み立て
られるように配慮したので生産性がよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図。

【図２】取付け装置を分解して示す斜視図。

【図３】ａは取付け装置を示す正面図、ｂはスライダー
の斜視図、ｃはベースプレートの斜視図。

【図４】ルーバーに固定する状態を示す平面図。

【図５】ルーバーに固定する状態を示す正面図。

【図６】同上ルーバーに固定する直前の状態を示す平面
図。

【図７】同上正面図。

【図８】ホルダーの側面図。

【図９】従来例を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 缶体 ２ フック ３ 係止部、３ａ スリット、３ｂ 段差 ４ リブ ５ 凹部 ６ 傾斜片 ７ 透孔 ８ コイルスプリング ９ 凸部、９ａ 溝 １０ 主壁 １１ スライダー １２ ベースプレート １３ 透孔、１３ａ 凸部 １４ 主壁 １５ 係止凸部 １６ 係止凹部 ２０ スライドアーム ２１ 透孔 ２２ アーム ２３ 長溝 ２４ 係止部 ３０ ホルダー ３１ 胴壁 ３２ 凹陥部 ３３ フラップ Ｌ ルーバー Ｆ 取付け装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ルーバーと係止可能なフックを前端部に
   形成した杆体と、 上記杆体にスライド移動自在に支持され、前端部にルー
   バーと当接する傾斜片を形成したスライダーと、 上記杆体に懸架され、前端をスライダーに後端をベース
   プレートにそれぞれ当接して配設されたコイルスプリン
   グと、 杆体の後端に固定され、かつホルダーを支持可能なベー
   スプレートと、 で形成したことを特徴とするルーバーに物品を支持する
   ための取付け装置。
2. 【請求項２】 上記杆体は、平面半円形状の後端部に割
   りピン状のスリットと段差とを形成した係止部を具備し
   たことを特徴とする請求項１記載のルーバーに物品を支
   持するための取付け装置。
3. 【請求項３】 上記スライダーは、傾斜片の上方に凹部
   を形成すると共に杆体の断面形状と相似する透孔を形成
   したことを特徴とする請求項１記載のルーバーに物品を
   支持するための取付け装置。
4. 【請求項４】 上記ベースプレートは、コイルスプリン
   グの一端を保持可能な凸部を備えた主壁並びにこの主壁
   と一体でかつ杆体が挿通可能な透孔と透孔の外周壁から
   連なる嵌合凸部とで形成したことを特徴とするルーバー
   に物品を支持するための取付け装置。