JPH08206483A - 架橋性ノニオン界面活性剤 - Google Patents

架橋性ノニオン界面活性剤

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JPH08206483A
JPH08206483A JP7015043A JP1504395A JPH08206483A JP H08206483 A JPH08206483 A JP H08206483A JP 7015043 A JP7015043 A JP 7015043A JP 1504395 A JP1504395 A JP 1504395A JP H08206483 A JPH08206483 A JP H08206483A
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善信 石川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳化、分散、湿潤性等の界面活性が要求され
る工程においては良好な界面活性能を発揮するが、界面
活性能が不必要な後工程の段階に至ると界面活性剤とし
ての性質を完全に失う界面活性剤の提供。 【構成】 ポリオキシアルキレンエーテル型界面活性剤
の末端に、−CONH2 基、−CONHCH2OH 基、−CONHCH2OR
基(Rは炭素数1〜4の炭化水素基)等の熱架橋性基が導
入されてなる架橋性ノニオン界面活性剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は色材工業や合成樹脂工業
等の分野において、分散剤または乳化剤等として使用さ
れる新規な界面活性剤に関し、詳しくは、界面活性剤の
役割を終えた段階において界面活性剤的な性質を失活す
る架橋性ノニオン界面活性剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】界面活性剤は乳化、分散、洗浄、湿潤等
の機能を有し、色材工業、合成樹脂工業等の多くの分野
で使用されている。これらの用途において、界面活性剤
の残存が製品の品質を低下させることが多い。たとえ
ば、乳化重合において界面活性剤は乳化剤として使用さ
れるが、重合体中に残存する界面活性剤は塗膜の耐水性
を悪くする。また、粘着剤用途においては重合体中に残
存する界面活性剤は粘着性能を低下させる等の障害を生
じる。これらの問題を解決する方法として、ラジカル重
合性の二重結合を有する界面活性剤を使用し、重合体に
ラジカル共重合させて界面活性剤の悪影響を低減する方
法、すなわち、重合性界面活性剤の使用が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、重合性界面活
性剤の使用は乳化重合等の重合反応の関与する用途に限
られ、重合反応が関与しない顔料分散等の用途では効果
を発揮することができない。また、乳化重合用途で重合
性界面活性剤を用いた場合には塗膜の耐水性を改善する
効果はあるが、必ずしも効果が充分でなく、界面活性剤
が重合体に化学結合することによって吸湿性が高くなる
等、重合体の性質を大きく変えるという別の問題を生じ
る場合があった。すなわち、重合性界面活性剤の使用は
根本的な解決にはなりえず、界面活性剤の役割を終えた
段階において界面活性剤としての性質を完全に失う界面
活性剤が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意研究した結果、ポリオキシアルキ
レンエーテル型界面活性剤の末端が、熱架橋性基で封鎖
されている架橋性ノニオン界面活性剤が、界面活性剤の
役割を終えた段階、すなわち乾燥や加熱で塗膜形成を行
う段階において架橋反応を起こし、界面活性剤的な性質
が失活する理想的な界面活性剤であることを見い出し本
発明を完成した。すなわち本発明は、ポリオキシアルキ
レンエーテル型界面活性剤の末端に熱架橋性基が導入さ
れてなる架橋性ノニオン界面活性剤を提供するものであ
る。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、熱架橋性基としては、−CONH2 基、−CONHCH2O
H 基、−CONHCH2OR 基(Rは炭素数1〜4の炭化水素基)
等が挙げられる。
【0006】本発明に係わる架橋性ノニオン界面活性剤
は、それ自身もしくはメチロール基やアミド基を有する
化合物と容易に架橋して親水性を失い界面活性剤的な性
質を示さなくなる。本発明に係わるポリオキシアルキレ
ンエーテル型界面活性剤の末端が、−CONHCH2OH 基およ
び−CONHCH2OR 基(R は前記の意味を示す)である場
合、下記式および式で示される結合体を生成する。
またポリオキシアルキレンエーテル型界面活性剤の末端
が−CONH2 基の場合、−CONHCH2OH 基、−CONHCH2OR 基
(R は前記の意味を示す)を持つ化合物と容易に架橋し
て下記式で示される結合体を生成する。
【0007】 → −CONHCH2OCH2NHCO− (エーテル結合体) … → −CONHCH2NHCO− (メチレン結合体) … 上記式および式で示される結合体は、ポリオキシア
ルキレンエーテル基の構造を適切に設定すれば水に対し
て不溶となり界面活性剤的性質を示さなくなる。すなわ
ち、本発明に係わる架橋性ノニオン界面活性剤は、乳
化、分散、湿潤性等の界面活性が要求される工程におい
ては良好な界面活性能を発揮するが、界面活性能が不必
要な後工程の段階に至ると、乾燥や加熱によって界面活
性能が失活する画期的な界面活性剤である。
【0008】本発明に係わる架橋性ノニオン界面活性剤
としては、一般式(I)で表される化合物が挙げられ
る。
【0009】 R1−〔−X −(R2O)n−(CO)p−Y−CONHZ〕q …(I) 〔式中、R1は炭素数1〜50の有機基、X はO 、COO また
はCONH基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基またはアリ
ール置換アルキレン基、n は酸化アルキレン基の平均付
加モル数を示す1〜200 の数であり、n 個のR2は同一で
も異なっていても良い。p は0または1の数、q は1〜
4の数、Y は炭素数1〜8の2価の炭化水素基、Z はH
、-CH2OHまたは-CH2OR (R は前記の意味を示す)を示
す。〕 一般式(I)において、R1は炭素数1〜50の有機基を示
すが、有機基としては、1価または多価アルコール残
基、フェノールまたはアルキルフェノール残基、1価ま
たは多価カルボン酸残基、1価または多価カルボン酸ア
ミド残基が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜22、より
好ましくは4〜18のアルコール、特に1価アルコールか
らOH基を除いた残基、又はフェノールもしくはアルキル
基の炭素数が1〜18、より好ましくは4〜12のアルキル
フェノールからOH基を除いた残基が好ましい。
【0010】また、R2は炭素数2〜4のアルキレン基ま
たはアリール置換アルキレン基を示すが、炭素数2〜4
のアルキレン基としてはエチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基を挙げることができ、アリール置換アルキレン
基としてはフェニルエチレン基、フェニルメチルエチレ
ン基を挙げることができる。また、n は酸化アルキレン
基(R2O) の平均付加モル数を示す1〜200の数であり、
好ましくは3〜100であり、更に好ましくは3〜50であ
る。またn 個のR2は同一でも異なっていてもよく、異種
の場合にはブロック、ランダム結合のいずれでもよい。
(R2O)n として好ましいものはエチレンオキサイドが単
独付加したもの、またはエチレンオキサイドとプロピレ
ンオキサイドがブロックまたはランダムに付加したもの
である。
【0011】更に、p は0または1の数を示すが、 p=
0が好ましい。また、Y は炭素数1〜8の2価の炭化水
素基を示すが、炭素数1〜8のアルキレン基、特にメチ
レン基が好ましい。Z はH 、-CH2OHまたは-CH2OR (R は
炭素数1〜4の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4の
アルキル基)を示すが、-CH2OHが好ましい。
【0012】本発明に係わる架橋性のノニオン界面活性
剤は、例えば次に示す方法により製造される。出発原料
としては、例えば一般式(II)で表されるポリオキシア
ルキレンエーテル型界面活性剤を用いることができる。 R1−〔−X −(R2O)n−H〕q …(II) (式中、R1 , R2, X, nおよび qは前記の意味を示す。) この出発原料を用い、例えば下記式に従い、本発明に係
わる架橋性のノニオン界面活性剤を得ることができる。
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1,R2, R, X, n および qは前記
の意味を示す。) 出発原料の上記一般式(II)で表されるポリオキシアル
キレンエーテル型界面活性剤としては、1価または多価
アルコール類、またはフェノール類のアルキレンオキサ
イド付加物が挙げられる。例えば1価または多価アルコ
ール類のアルキレンオキサイド付加物としては、メタノ
ールのプロピレンオキサイド・エチレンオキサイドブロ
ック付加物、エタノールのプロピレンオキサイド・エチ
レンオキサイドブロック付加物、プロパノールのプロピ
レンオキサイド・エチレンオキサイドブロック付加物、
ブタノールのプロピレンオキサイド・エチレンオキサイ
ドブロック付加物、ヘキサノールのプロピレンオキサイ
ド・エチレンオキサイドブロック付加物、オクタノール
のプロピレンオキサイド・エチレンオキサイドブロック
付加物、デカノールのプロピレンオキサイド・エチレン
オキサイドブロック付加物、ドデシルアルコールのエチ
レンオキサイド付加物、ヘキサデシルアルコールのエチ
レンオキサイド付加物、オクタデシルアルコールのエチ
レンオキサイド付加物、オレイルアルコールのエチレン
オキサイド付加物、エチレングリコールのプロピレンオ
キサイド・エチレンオキサイドブロック付加物、プロピ
レングリコールのプロピレンオキサイド・エチレンオキ
サイドブロック付加物、ヘキシレングリコールのプロピ
レンオキサイド・エチレンオキサイドブロック付加物、
ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド・エチレ
ンオキサイドブロック付加物、高級脂肪酸モノエタノー
ルアミドのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪
酸エステルのエチレンオキサイド付加物等を挙げること
ができる。また、フェノール類のアルキレンオキサイド
付加物としては、フェノールのプロピレンオキサイド・
エチレンオキサイドブロック付加物、ブチルフェノール
のプロピレンオキサイド・エチレンオキサイドブロック
付加物、ジブチルフェノールのプロピレンオキサイド・
エチレンオキサイドブロック付加物、オクチルフェノー
ルのエチレンオキサイド付加物、ノニルフェノールのエ
チレンオキサイド付加物、ドデシルフェノールのエチレ
ンオキサイド付加物、ブチルナフトールのプロピレンオ
キサイド・エチレンオキサイドブロック付加物、ビスフ
ェノールのプロピレンオキサイド・エチレンオキサイド
ブロック付加物、スチレン化フェノールのエチレンオキ
サイド付加物等を挙げることができる。
【0015】また、出発原料の上記一般式(II)で表さ
れるポリオキシアルキレンエーテル型界面活性剤として
は、1価または多価カルボン酸類のアルキレンオキサイ
ド付加物も挙げられ、例えば、ラウリン酸のエチレンオ
キサイド付加物、ミリスチン酸のエチレンオキサイド付
加物、パルミチン酸のエチレンオキサイド付加物、ステ
アリン酸のエチレンオキサイド付加物、オレイン酸のエ
チレンオキサイド付加物、アジピン酸のプロピレンオキ
サイド・エチレンオキサイドブロック付加物等を挙げる
ことができる。
【0016】さらに、出発原料の上記一般式(II)で表
されるポリオキシアルキレンエーテル型界面活性剤とし
ては、1価または多価カルボン酸アミド類のアルキレン
オキサイド付加物類も挙げられ、例えば、ラウリン酸ア
ミドのエチレンオキサイド付加物、ミリスチン酸アミド
のエチレンオキサイド付加物、パルミチン酸アミドのエ
チレンオキサイド付加物、ステアリン酸アミドのエチレ
ンオキサイド付加物、オレイン酸アミドのエチレンオキ
サイド付加物、アジピン酸ジアミドのプロピレンオキサ
イド・エチレンオキサイドブロック付加物等を挙げるこ
とができる。
【0017】本発明に係わる架橋性ノニオン界面活性剤
の2重量%水溶液の曇点は0〜105℃が好ましく、更に
好ましくは30〜103 ℃である。曇点が0℃未満の場合に
は水溶液中で界面活性能を示さず、また 105℃を超える
場合においては架橋反応による界面活性能の失活が不十
分となる。架橋性のノニオン界面活性剤の曇点は、出発
原料の上記一般式(II)で表されるノニオン界面活性剤
の曇点に関係するため、出発原料のノニオン界面活性剤
は適切な曇点を持つものを選択する必要がある。
【0018】出発原料の上記一般式(II)で表されるポ
リオキシアルキレンエーテル型界面活性剤の末端にカル
ボキシ基を導入する方法としては、モノクロル酢酸塩を
反応させる方法(上記式)の他に、例えば直接酸化し
てカルボキシル基を導入する方法、コハク酸(または無
水物)やアジピン酸等の2塩基酸でハーフエステル化す
る方法、アクリル酸エステルやアクリロニトリルを付加
させて加水分解する方法等を挙げることができる。これ
らの方法で導入したカルボキシ基を公知の方法でアミド
化すると、末端に−CONH2 基を有する架橋性ノニオン界
面活性剤を得ることができる。アミド化の方法として
は、例えば、シリカ等の固体酸触媒の存在下にアンモニ
アで直接アミド化する方法(上記式)、アンモニアに
かえて炭酸アンモニウムや尿素を反応させる方法等を挙
げることができる。このカルボン酸アミド基にホルマリ
ンを弱アルカリ性(pH 8.8〜9.0)の条件下で反応(上記
式)させると容易に末端に−CONHCH2OH 基を有する架
橋性ノニオン界面活性剤を得ることができる。さらに、
これに酸性触媒の条件下で、メタノールやエタノール等
のアルコールを反応(上記式)させると末端に−CONH
CH2OR 基(R は前記の意味を示す)を有する架橋性ノニ
オン界面活性剤を得ることができる。
【0019】本発明に係わる架橋性ノニオン界面活性剤
は水溶液の状態では界面活性能を示すが、酸性の条件下
で脱水もしくは乾燥させると、それ自身もしくはメチロ
ール基やアミド基を有する化合物との架橋反応によって
水不溶物に変化し界面活性を示さなくなる。したがっ
て、本発明の架橋性ノニオン活性剤は、界面活性剤の残
存が性能に重大な影響を及ぼす分野において好適に使用
することができる。たとえば、乳化重合用乳化剤として
用いれば耐水性に優れたフィルムを形成するポリマーエ
マルジョンが得られる。また、粘着剤用のポリマーエマ
ルジョンの製造に用いれば粘着性能が優れる。さらに、
塗料に配合される顔料の分散剤に用いれば耐水性に優れ
た塗料を得ることができる。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0021】実施例1 攪拌機を備えた2リットルのガラス製反応容器に、式 C12H25O(C2H4O)4.5CH2COOH で表される化合物(AKYPO RLM45, CHEM-Y 社製品, 脱水
品)を 1.0モルと尿素 2.0モルを仕込み、窒素雰囲気の
もとに 170℃で7時間反応させた。この反応物にn−ヘ
キサン 500mlを加えて不溶分を除去した後、電位差滴定
法でアミド化率を測定した。この反応物を界面活性剤A
と略称し、その化学式を以下に示した。
【0022】界面活性剤A C12H25O(C2H4O)4.5CH2CONH2 実施例2 攪拌機を備えた2リットルのガラス製反応容器に、実施
例1で得た界面活性剤A 0.5モルと水 500g、40%ホル
マリン 1.0モルを仕込み、0.1N-NaOH で反応系のpHを
8.5〜8.8 に調整しながら温度80℃で6時間反応させ
た。この反応物は弱アルカリ性(pH 8.0〜8.5)の条件下
で凍結減圧乾燥し、水および過剰のホルマリンを除去し
た。このメチロール化物を界面活性剤Bと略称し、その
化学式を以下に示した。
【0023】界面活性剤B C12H25O(C2H4O)4.5CH2CONHCH2OH 実施例3 攪拌機を備えた2リットルのガラス製反応容器に式
【0024】
【化2】
【0025】で表される化合物(AKYPO NP70, CHEM-Y社
製品, 脱水品)を 1.0モルと尿素 2.0モルを仕込み、窒
素雰囲気のもとに 170℃で7時間反応させた。この反応
物にn−ヘキサン 500mlを加えて不溶分を除去した後、
電位差滴定法でアミド化率を測定した。この反応で得た
アミド化物を界面活性剤Cと略称し、その化学式を以下
に示した。界面活性剤C
【0026】
【化3】
【0027】実施例4 攪拌機を備えた2リットルのガラス製反応容器に、実施
例3で得た界面活性剤C 0.5モルと水 500g、40%ホル
マリン 1.0モルを仕込み、0.1N-NaOH で反応系のpHを
8.5〜8.8 に調整しながら温度80℃で6時間反応させ
た。この反応物は弱アルカリ性(pH 8.0〜8.5)の条件下
で凍結減圧乾燥し、水および過剰のホルマリンを除去し
た。このメチロール化物を界面活性剤Dと略称し、その
化学式を以下に示した。界面活性剤D
【0028】
【化4】
【0029】実施例5 攪拌機を備えた2リットルのガラス製反応容器に、式 C4H9O(C3H6O)20(C2H4O)15H で表される化合物(エマルゲンV−40, 花王(株)製)
0.5モルを仕込み70℃に昇温した。温度70〜80℃でこれ
にNaOH 0.7モルとモノクロル酢酸Na 0.7モルを30分間隔
で4回に分けて添加して反応させた。その後、この反応
物に6N−塩酸を徐々に加えて(pH2以下)油層と水層に
分離した。油層部はエマルゲンV−40のカルボキシメチ
ル化物であり下記の化学式で示される。油脂分析による
カルボキシメチル化率は98.7%であった。 エマルゲンV−40のカルボキシメチル化物 C4H9O(C3H6O)20(C2H4O)15CH2COOH 実施例1と同様にして、このカルボキシメチル化物に尿
素を反応させてアミド化物を得た。このアミド化物を界
面活性剤Eと略称し、その化学式を以下に示した。
【0030】界面活性剤E C4H9O(C3H6O)20(C2H4O)15CH2CONH2 実施例6 実施例2と同様にして実施例5の界面活性剤Eに40%ホ
ルマリンを反応させた後、弱アルカリ性(pH 8.0〜8.5)
の条件下で凍結減圧乾燥して水および過剰のホルマリン
を除去しメチロール化物を得た。このメチロール化物を
界面活性剤Fと略称し、その化学式を以下に示した。
【0031】界面活性剤F C4H9O(C3H6O)20(C2H4O)15CH2CONHCH2OH 実施例7 実施例5と同様にして、式 C11H23CONH(C2H4O)5H で表される化合物(アミゼット5C, 川研ファインケミカ
ル製)をカルボキシメチル化した。その後、尿素を反応
させてアミド化し、これに40%ホルマリンを反応させて
メチロール化物を得た。このメチロール化物を界面活性
剤Gと略称し、その化学式を以下に示した。
【0032】界面活性剤G C11H23CONH(C2H4O)5CH2CONHCH2OH 実施例8 実施例1と同様にして、式
【0033】
【化5】
【0034】で表される化合物(AKYPO OP190, CHEM-Y
社製, 脱水品) をアミド化した後、実施例2と同様にし
て下記の化学式で表されるメチロール化物を得た。 AKYPO OP190 のメチロール化物
【0035】
【化6】
【0036】このメチロール化物 0.5モルにメタノール
1000mlを加えて溶解し、これに濃硫酸を1g添加して還
流温度で10時間加熱した。その後、0.1N-NaOH で中和
(pH8〜8.5)した後、メタノールを減圧留去してメチル
エーテル化物を得た。このメチルエーテル化物を界面活
性剤Hと略称し、その化学式を以下に示した。界面活性剤H
【0037】
【化7】
【0038】実施例1〜8で得られた界面活性剤A〜H
について、原料のノニオン活性剤に対する架橋性基(−
CONH2 、−CONHCH2OH 、−CONHCH2OR )の反応収率を下
記の方法で測定し、表1に示した。 アミド化率:電位差滴定法で残存カルボン酸基を測定
し、下式でアミド化率を算出した。
【0039】
【数1】
【0040】メチロール化率:炭酸グアニジンとの縮合
吸光度定量法(Z. Physiol. chem., 349, 920, 1968)で
メチロール基を測定し、下式でメチロール化率を算出し
た。
【0041】
【数2】
【0042】メチルエーテル化率:1H-NMRでCONHCH2OCH
3 基のCH3 プロトン (3.2ppm) よりCONHCH2OCH3 基を測
定し、下式でメチルエーテル化率を算出した。
【0043】
【数3】
【0044】また、界面活性剤A〜Hの水溶液の界面活
性能として、曇点、表面張力、起泡力を下記の方法で測
定し、表1に示した。尚、比較の界面活性剤として、式
C12H25O(C2H4O)9Hで表される化合物(エマルゲン109
P, 花王(株)製)についても同様に界面活性能を測定
し、表1に示した。
【0045】<界面活性能の測定方法> ・曇点の測定 2重量%水溶液を全体が白濁するまで加熱した後、攪拌
しながら徐々に冷却して透明水溶液になる温度を測定し
た。、曇点が 100℃を超える場合は加圧下で測定した。 ・表面張力の測定 0.01重量%水溶液の表面張力をウィルヘルミイ法で測定
した(25℃、単位はdyne/cm)。 ・起泡力の測定 0.01重量%水溶液の起泡力をロスマイルス法(25℃、5
分経過後の泡高さ、単位はmm)で測定した。
【0046】
【表1】
【0047】試験例:架橋性ノニオン界面活性剤の架橋
試験 実施例1〜8で得られた架橋性ノニオン界面活性剤およ
び比較品のエマルゲン109Pを用い、表2に示すような水
溶液を調製した。この水溶液に0.1N−塩酸一滴を加えて
酸性(pH1以下)にし、熱風乾燥機で乾燥(100℃/30
分) させた。この乾燥物の水溶性を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の架橋性ノニオン界面活性剤は水
溶液系で優れた界面活性能を示すが、脱水もしくは乾燥
させると、それ自身もしくはメチロール基やアミド基を
有する化合物と架橋反応して水不溶物に変化し界面活性
を示さなくなる。すなわち、本発明の架橋性ノニオン活
性剤は、乳化、分散、湿潤性等の界面活性が要求される
工程においては良好な界面活性能を発揮するが、界面活
性能が不必要な後工程の段階に至ると、乾燥や加熱によ
って界面活性能が失活する画期的な界面活性剤である。
従って、界面活性剤の残存が性能に重大な影響を及ぼす
応用分野において好適に使用することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシアルキレンエーテル型界面活
    性剤の末端に熱架橋性基が導入されてなる架橋性ノニオ
    ン界面活性剤。
  2. 【請求項2】 熱架橋性基が、−CONH2 基、−CONHCH2O
    H 基、−CONHCH2OR基(Rは炭素数1〜4の炭化水素基)
    のいずれかである請求項1記載の架橋性ノニオン界面活
    性剤。
  3. 【請求項3】 一般式(I) R1−〔−X −(R2O)n−(CO)p−Y−CONHZ〕q …(I) 〔式中、R1は炭素数1〜50の有機基、X はO 、COO また
    はCONH基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基またはアリ
    ール置換アルキレン基、n は酸化アルキレン基の平均付
    加モル数を示す1〜200 の数であり、n 個のR2は同一で
    も異なっていても良い。p は0または1の数、q は1〜
    4の数、Y は炭素数1〜8の2価の炭化水素基、Z はH
    、-CH2OHまたは-CH2OR (R は前記の意味を示す)を示
    す。〕で表される請求項1または2記載の架橋性ノニオ
    ン界面活性剤。
  4. 【請求項4】 Zが-CH2OHである請求項3記載の架橋性ノ
    ニオン界面活性剤。
  5. 【請求項5】 R1が炭素数1〜22のアルコールからOH基
    を除いた残基、又はフェノールもしくはアルキル基の炭
    素数が1〜18のアルキルフェノールからOH基を除いた残
    基である請求項3または4記載の架橋性ノニオン界面活
    性剤。
  6. 【請求項6】 R2がエチレン基である請求項3〜5のい
    ずれか一項に記載の架橋性ノニオン界面活性剤。
  7. 【請求項7】 n 個のR2がプロピレン基とエチレン基の
    混合アルキル基である請求項3〜5のいずれか一項に記
    載の架橋性ノニオン界面活性剤。
  8. 【請求項8】 2重量%水溶液の曇点が0〜105 ℃であ
    る請求項1〜7のいずれか一項に記載の架橋性ノニオン
    界面活性剤。
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