JPH08206260A - ゴルフ用アイアンクラブヘッド及びその製法 - Google Patents

ゴルフ用アイアンクラブヘッド及びその製法

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JPH08206260A JP7037793A JP3779395A JPH08206260A JP H08206260 A JPH08206260 A JP H08206260A JP 7037793 A JP7037793 A JP 7037793A JP 3779395 A JP3779395 A JP 3779395A JP H08206260 A JPH08206260 A JP H08206260A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッド打球面の薄肉化と共にヘッド全体重量
の軽量化、低重心化あるいはスイートスポットの拡大化
を図るとともに、ライ角及びロフト角の修正調整を容易
に行なうことができるようにする 【構成】 軟鉄素材にて所望のヘッド形状に形成された
ヘッド本体１の打球部２における打球面２１の肉厚ｔを
１．０〜３．０ｍｍの範囲の薄肉に形成する。ヘッド本
体１の打球部２との境界部４及びシャフト差込み部３を
除く範囲Ｗの打球部２の表面に浸炭または窒化等による
表面硬化処理を施して浸炭層または窒化層等の浸透層か
らなる表面硬化層２ａを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、軟鉄素材からなるゴ
ルフ用アイアンクラブヘッド及びその製法に関し、特
に、ヘッド本体の表面に浸炭または窒化等による表面硬
化処理を施すことにより、ヘッド打球面の薄肉化と共に
ヘッド全体重量の軽減化、低重心化あるいはスイートス
ポットの拡大化を図るとともに、ライ角及びロフト角の
修正調整を容易に行なえるようにしたものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、この種のゴルフ用アイアンクラブ
ヘッドにおいては、図４及び図５に示すように、ヘッド
本体ａの打球部ｂとシャフト差込み部ｃとがステンレス
素材にて鍛造により成形したり、あるいは、軟鉄素材
（例えばＳ２０Ｃ、Ｓ２５Ｃ）などにて鍛造成形により
一体に形成されているとともに、ヘッド全体重量を各番
手の所望のヘッド形状に応じて２３０〜３１０ｇの範囲
に設定してなる構成を有するものがある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のゴルフ用アイアンクラブヘッドにあっては、
ヘッド本体ａがステンレス素材からなるものの場合、素
材の強度が大きいために、打球部ｂの打球面ｂ１の肉厚
ｔを比較的薄くすることができ、錆びないという利点を
有する反面、ヘッド全体重量が重く、しかも、シャフト
差込み部ｃあるいは打球部ｂとシャフト差込み部ｃとの
境界部ｄの曲げ変形が困難なことから、ライ角及びロフ
ト角の修正調整が不可能であるという不具合がある。
【０００４】一方、ヘッド本体ａが軟鉄素材からなるも
のの場合には、素材の強度がステンレス素材よりもやや
低く、シャフト差込み部ｃあるいは打球部ｂとシャフト
差込み部ｃとの境界部ｄの曲げ変形が可能であるため
に、ライ角及びロフト角の修正調整が行なえるという利
点を有する反面、打球時の衝撃に耐えるような構造に設
計するには、打球部ｂの打球面ｂ１の肉厚ｔを厚く
（４．０〜６．０ｍｍ）する必要があり、ヘッド全体重
量が重くなるという問題があった。
【０００５】
【発明の目的】この発明の目的は、ヘッド打球面の薄肉
化と共にヘッド全体重量の軽量化、低重心化あるいはス
イートスポットの拡大化を図るとともに、ライ角及びロ
フト角の修正調整を容易に行なうことができるようにし
たゴルフ用アイアンクラブヘッド及びその製法を提供す
ることにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、打球部とシャフト差込み部とを形
成したヘッド本体からなるゴルフ用アイアンクラブヘッ
ドにおいて、前記ヘッド本体の打球部における打球面の
肉厚を１．０〜３．０ｍｍの範囲に形成してなる構成と
したもので、この場合、前記ヘッド本体を軟鉄素材にて
形成してなるものである。
【０００７】また、この発明は、上記した構成のゴルフ
用アイアンクラブヘッドを製造するにおいて、軟鉄素材
にて打球部の打球面の肉厚が１．０〜３．０ｍｍ、好ま
しくは１．５〜２．８ｍｍ、更に好ましくは２．０〜
２．５ｍｍの範囲に形成したヘッド本体を所望のヘッド
形状に成形する工程と、このヘッド本体の表面に浸炭ま
たは窒化等による表面硬化処理を施す工程とからなるこ
とを特徴とするものであり、この場合、表面硬化処理を
施してなる部位は、ヘッド本体の打球部との境界部を含
むシャフト差込み部を除く範囲の打球部の少なくとも打
球面側の表面に施される。
【０００８】
【作用】すなわち、この発明は、上記の構成を採用する
ことによって、軟鉄素材にて所望のヘッド形状に形成さ
れたヘッド本体の表面に浸炭または窒化等による表面硬
化処理を施してなるために、ヘッド本体の表面に浸炭層
または窒化層等の浸透層からなる表面硬化層が形成さ
れ、これによって、ヘッド打球部の打球面の肉厚を１．
０〜３．０ｍｍの範囲の薄肉に形成することが可能にな
るとともに、従前のものよりもヘッド打球部の重量が２
０ｇから３０ｇの範囲で軽減し、ヘッド全体重量の軽減
化が図れる。
【０００９】しかも、ヘッド打球面が高剛性のバネ材と
して機能するために、ボールに対する反発特性が向上
し、ボールの飛距離が高めらるとともに、打球感の改善
が図れる一方、ヘッド打球面及びソール面の耐摩耗性が
向上する。
【００１０】あるいは、従前のものと同一のヘッド重量
にすれば、ヘッド打球部における打球面の肉厚を軽減し
た重量分を、ヘッドソール面部あるいはヘッド打球部の
周辺に重量配分することにより、低重心設計あるいはス
イートスポットの拡大化に伴う高慣性モーメント設計等
におけるユーザの技術レベルに合わせたヘッド設計の自
由度が得られる。
【００１１】さらに、ヘッド本体の打球部との境界部を
含むシャフト差込み部を除く範囲の打球部の部位にのみ
表面硬化処理を施してなるために、シャフト差込み部及
び打球部との境界部が軟鉄状態を維持し、これによっ
て、ライ角及びロフト角の修正調整が容易に行なえる。
【００１２】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図１から図３に
示す図面に基づいて詳細に説明すると、図１に示すよう
に、図中１はこの発明に係るゴルフ用アイアンクラブの
ヘッド本体で、このヘッド本体１は、例えばＳ２０Ｃあ
るいはＳ２５Ｃなどの軟鉄素材にて打球部２とシャフト
差込み部３とが鍛造による成形にて一体に形成されてい
る。
【００１３】なお、図中４は前記ヘッド本体１の打球部
２とシャフト差込み部３との境界部を示し、５は前記ヘ
ッド本体１の打球部２における打球面２１の表面２１ａ
のトウ側バーチカルラインＬ１とヒール側バーチカルラ
インＬ２との間に刻設したスコアリングを示すものであ
る。
【００１４】そして、図２に示すように、前記ヘッド本
体１の打球部２における打球面２１の肉厚ｔは、１．０
〜３．０ｍｍ、好ましくは１．５〜２．８ｍｍ、更に好
ましくは２．０〜２．５ｍｍの範囲の薄肉に形成されて
いるとともに、前記ヘッド本体１の打球部２との境界部
４を含むシャフト差込み部３を除くトウ側からヒール側
の範囲Ｗの打球部２の表面には、浸炭層または窒化層等
の浸透層からなる表面硬化層２ａが形成されている。
【００１５】すなわち、上記したこの発明に係るアイア
ンクラブヘッドを製造するには、軟鉄素材にて打球部２
の打球面２１の肉厚ｔが１．０〜３．０ｍｍの範囲に形
成した所望のヘッド形状のヘッド本体１を鍛造にて成形
する。
【００１６】次いで、このヘッド本体１の打球部２との
境界部４を含むシャフト差込み部３を除くトウ側からヒ
ール側の範囲Ｗにおける打球部２の表面に、浸炭または
窒化等による表面硬化処理を施してなるものである。
【００１７】なお、上記の実施例においては、ヘッド本
体１への表面硬化処理部位を、打球部２との境界部４及
びシャフト差込み部３を除く範囲Ｗの打球部２の全周面
に施したが、図３に他の実施例として示すように、打球
部２の背面側表面２１ｂを除いて、打球面２１側の表面
２１ａ（上部側表面２１ｃ及びソール部側表面２１ｄを
含む）にのみ施しても、この発明の作用効果が得られ
る。
【００１８】また、上記の実施例において、ヘッド本体
１の打球部２における打球面２１の肉厚ｔを１．０〜
３．０ｍｍの範囲に設定した理由は、肉厚ｔが１．０ｍ
ｍ以下では、薄肉過ぎ、打球時の衝撃に耐えることが困
難となり、肉厚ｔが３．０ｍｍ以上では、この発明の目
的であるヘッド打球部の重量の軽減によるヘッド全体重
量の軽減化、低重心化あるいはスイートスポットの拡大
化などの作用効果を充分に得られないからである。
【００１９】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、軟鉄素材にて所望のヘッド形状に形成されたヘッ
ド本体の表面に浸炭または窒化等による表面硬化処理を
施してなることから、ヘッド本体の表面に浸炭層または
窒化層等の浸透層からなる表面硬化層が形成されるため
に、ヘッド打球部の打球面の肉厚を１．０〜３．０ｍｍ
の範囲の薄肉に形成することができ、これによって、従
前のものよりもヘッド打球部の重量を２０ｇから３０ｇ
の範囲で軽減させることができ、ヘッド全体重量の軽減
化を図ることができる。
【００２０】しかも、ヘッド打球面が高剛性のバネ材と
して機能することから、ボールに対する反発特性を向上
させることができ、ボールの飛距離を高めることができ
るとともに、打球感の改善を図ることができる一方、ヘ
ッド打球面及びソール面の耐摩耗性を向上させることが
でき、特に、打球面に刻設されるスコアリングの形状を
長年に亘って維持することができる。
【００２１】あるいは、従前のものと同一のヘッド重量
にすれば、ヘッド打球部における打球面の肉厚を軽減し
た重量分を、ヘッドソール面部あるいはヘッド打球部の
周辺に重量配分することにより、低重心設計あるいはス
イートスポットの拡大化に伴う高慣性モーメント設計等
におけるユーザの技術レベルに合わせたヘッド設計の自
由度を得ることができる。
【００２２】さらに、ヘッド本体の打球部との境界部を
含むシャフト差込み部を除く範囲の打球部の部位にのみ
表面硬化処理を施してなるために、シャフト差込み部及
び打球部との境界部を軟鉄状態に維持することができ、
これによって、ライ角及びロフト角の修正調整を容易に
行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明に係るゴルフ用アイアンクラブヘッ
ドの一実施例を示す正面明図。
【図２】 同じく図１のＩ−Ｉ線における拡大断面図。
【図３】 この発明に係るゴルフ用アイアンクラブヘッ
ドの他の実施例を示す拡大断面図。
【図４】 従来のゴルフ用アイアンクラブヘッドを示す
正面図。
【図５】 同じく従来のゴルフ用アイアンクラブヘッド
の拡大断面図。
【符号の説明】
１・・・ヘッド本体、 ２・・・打球部、 ２ａ・・・表面硬化層、 ２１・・・打球面、 ２１ａ・・・打球面側表面、 ３・・・シャフト差込み部、 ４・・・打球部とシャフト差込み部との境界部、 ｔ・・・打球面の肉厚、 Ｗ・・・表面硬化処理部位（境界部及びシャフト差込み
部を除く打球部の範囲）。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 打球部とシャフト差込み部とを形成した
    ヘッド本体からなるゴルフ用アイアンクラブヘッドにお
    いて、 前記ヘッド本体の打球部における打球面の肉厚を１．０
    〜３．０ｍｍの範囲に形成したことを特徴とするゴルフ
    用アイアンクラブヘッド。
  2. 【請求項２】 軟鉄素材にて打球部の打球面の肉厚が
    １．０〜３．０ｍｍの範囲に形成したヘッド本体を成形
    する工程と、 このヘッド本体の表面に表面硬化処理を施す工程とから
    なることを特徴とするゴルフ用アイアンクラブヘッドの
    製法。
  3. 【請求項３】 ヘッド本体の少なくとも打球部の打球面
    側の表面に表面硬化処理を施すことを特徴とする請求項
    ２に記載のゴルフ用アイアンクラブヘッドの製法。
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