JPH08202489A - 位置検出装置及びその位置指示器 - Google Patents

位置検出装置及びその位置指示器

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JPH08202489A
JPH08202489A JP1200895A JP1200895A JPH08202489A JP H08202489 A JPH08202489 A JP H08202489A JP 1200895 A JP1200895 A JP 1200895A JP 1200895 A JP1200895 A JP 1200895A JP H08202489 A JPH08202489 A JP H08202489A
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tablet
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勇次 桂平
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁誘導作用を利用した位置検出装置及びそ
の位置指示器であって、位置指示器のタブレット面に対
する垂直方向の傾きが検出できる、位置検出装置及びそ
の位置指示器を提供する。 【構成】 位置検出装置は、前記位置指示器(120)
に、前記タブレットに垂直な面に平行に巻かれた傾き検
出用のコイル(27、28)を備え、前記タブレット
(1)に、前記傾き検出用のコイルから発生される傾斜
検出用信号を検出する検出回路と、該検出回路の検出内
容に基づいて前記位置指示器の傾斜角度を判別する制御
回路と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁誘導作用を利用し
た位置検出装置及びその位置指示器に関するものであ
り、特に、ペン形状の位置指示器のタブレット面に対す
る傾きが検出できる位置検出装置及びその位置指示器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、ペン形状の位置
指示器により文字や絵などを入力する用途に用いられる
が、この場合に座標値による入力だけでなく、使用者の
手のひねり具合や個人的癖等に基づくペンの傾きや回転
をデータとして入力したいという要求がある。
【0003】この要求に答えるために種々の位置検出装
置及び位置指示器が従来改良されている(例えば、特公
昭58−16506、特公昭61−1764、特開平3
−67320)。
【0004】特公昭58−16506あるいは特開平3
−67320では、タブレット側に設けられた複数のル
ープコイルを順次切り替えた際の検出電圧の第1ピーク
及び第2ピークからペンの傾きを検出しようとするもの
である。この場合、ペンがタブレット面に対して垂直に
近い角度で置かれているときには前述した第2ピーク値
は第1ピーク値と比べてはるかに小さいためペンの傾き
を正確に検出できない欠点や、また、ペン先がタブレッ
ト上の座標検出の有効エリアのエッジ付近に位置すると
きにはペンの傾きを検出できない欠点がある。特公昭6
1−1764では、ペンの軸方向に離れた2個のコイル
を設けることにより、ペンの傾きを検出可能とする構成
について示している。この場合、2個のコイルを遠ざけ
ると上方に置かれたコイルとタブレットとの間の距離が
離れすぎてしまうので、2個のコイル間の距離をある程
度近接させる必要がある。このため、効率の良い磁性体
コアに巻かれたコイルを用いることができないため、検
出信号が弱くなる欠点がある。
【0005】即ち、従来の装置は、傾斜検出のために位
置検出装置で検出される信号が小さいため、位置指示器
の傾き(傾斜角)を正確に検出できない。また、ペン先
がタブレット上の座標検出の有効エリア(座標検出が可
能である範囲)の周辺付近に位置するときにはペンの傾
斜角を検出できない欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの点を改良
するもので、位置指示器の傾斜角を正確に検出でき、且
つ位置検出装置のタブレット面の有効エリアの周辺付近
でも傾斜角を検出できる、位置検出装置および位置指示
器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、位置指示器内
にコイルを設けてタブレットとの電磁誘導を利用して位
置指示器の座標位置を検出する位置検出装置であり、位
置指示器を位置検出面(タブレットの上面)上で操作す
る時の最も標準的な状態に配置した際に、位置検出面に
対して垂直な面に巻かれた、傾斜角を検出するためのコ
イルを設けた位置指示器と、複数のループコイルを位置
検出方向に並設してなる位置検出部と、前記複数のルー
プコイルより検出される信号強度の分布より位置指示器
の位置検出方向に対する姿勢を検出する姿勢検出手段と
を設けたタブレットと、を備える。
【0008】また、位置指示器の位置検出面上での位置
を検出するために、位置指示器を位置検出面上で操作す
る時の最も標準的な状態に配置した際に、該位置検出面
に対して平行な面に巻かれたコイルを備える。
【0009】また、位置指示器の回転角を検出するため
に、位置指示器を位置検出面上で操作する時の最も標準
的な状態に配置した際に、該位置検出面に対して平行な
面に巻かれたコイルに加えて、該コイルと同一方向を軸
として巻かれた別のコイルを備える。
【0010】前記タブレットの一構成は、複数のループ
コイルを位置検出面上の直交する2方向に並設してなる
位置検出部と、前記複数のループコイルより検出される
信号強度の分布より位置指示器の位置検出面に対する姿
勢を検出する姿勢検出手段とを備える。
【0011】また、電磁誘導を利用するために、位置指
示器内にコイル選択手段を備え、このコイル選択手段に
より選択されたコイルをコンデンサと接続してタブレッ
トからの電波の周波数に共振させるようにする。
【0012】そして、複数のループコイルより検出され
る信号強度の分布において現れる2箇所のピーク値の比
率より位置指示器の位置検出方向に対する姿勢を検出す
るようにする。
【0013】位置、回転角及び傾斜角を検出する位置検
出装置の位置指示器の1つの構成では、該位置指示器を
位置検出面上で操作する時の最も標準的な状態に配置し
た際に、位置検出面に対して垂直な面に巻かれた第1の
コイルと、位置検出面に対して垂直でかつ第1のコイル
面に対して直交する面に巻かれた第2のコイルと、位置
検出面に対して平行な面に巻かれた第3のコイルと、第
3のコイルと同一方向を軸として巻かれた第4のコイル
および第5のコイルと、第3のコイルにコンデンサがあ
らかじめ接続して構成される共振回路と、該共振回路に
より受信される電波よりタブレットからのタイミング情
報を含んだ制御情報を抽出する制御情報抽出手段と、該
共振回路により受信される電波を整流して各回路を駆動
する電源を得る電源回路と、制御情報抽出手段により抽
出された制御情報に基づく特定のタイミングに、第1お
よび第2のコイルを開放または短絡とし、第4および第
5のコイルを開放とするようにして、第3のコイルを備
える共振回路がタブレットからの電波に共振できるよう
にし、且つ、制御情報抽出手段により抽出された制御情
報に基づく他の特定のタイミングに、第1および第2の
コイルを開放または短絡とし、第4または第5のいずれ
か一方のコイルを短絡とし他方を開放とするようにし
て、第3のコイルを備える共振回路がタブレットからの
電波に共振できるようにし、且つ、制御情報抽出手段に
より抽出された制御情報に基づくその他の特定のタイミ
ングに、第4および第5のコイルを短絡し、第1のコイ
ルをコンデンサと接続して共振回路を構成し、第2のコ
イルを開放または短絡とするようにして、第1のコイル
を備える共振回路がタブレットからの電波に共振できる
ようにし、且つ、制御情報抽出手段により抽出された制
御情報に基づくさらに他の特定のタイミングに、第4お
よび第5のコイルを短絡し、第2のコイルをコンデンサ
と接続して共振回路を構成し、第1のコイルを開放また
は短絡とするようにして、第2のコイルを備える共振回
路がタブレットからの電波に共振できるようにする、よ
うに制御する制御手段と、を備える。
【0014】また、2個の磁性体コアを用い、該コアの
一方に第4のコイルを巻き且つ他方に第5のコイルを巻
き、該2個のコアを束ねるように第3のコイルを巻き、
束ねた該コアに第1及び第2のコイルを巻いてもよい。
【0015】そして、上記の位置指示器を用いる場合の
タブレットの一構成は、位置指示器側で第1および第2
のコイルを開放または短絡とし、第4および第5のコイ
ルを開放とするような制御情報を出した際に、位置検出
方向に並設されたループコイルを順次切り替えて各ルー
プコイルから検出される信号強度の分布より位置指示器
中の2個のコアの中心座標位置を検出する座標位置検出
手段と、位置指示器側で第1および第2のコイルを開放
または短絡とし、第4または第5のいずれか一方のコイ
ルを短絡とし他方を開放とするような制御情報を出した
際に、位置検出方向に並設されたループコイルを順次切
り替えて各ループコイルから検出される信号強度の分布
より位置指示器中の第4または第5のいずれか一方のコ
イルを短絡したことによる座標位置を検出して、前記検
出された中心座標位置との関係より、位置指示器のタブ
レット面に垂直方向を軸とした回転角を検出する回転角
検出手段と、位置指示器側で第4および第5のコイルを
短絡し、第1のコイルまたは第2のコイルのうち一方を
コンデンサと接続して共振回路を構成し、他方のコイル
を開放または短絡とするような制御情報を出した際に、
位置検出方向に並設されたループコイルを順次切り替え
て各ループコイルから検出される信号強度の分布に現れ
る2箇所のピーク値の比率より位置指示器のタブレット
面と垂直方向に対する傾きを検出する傾き検出手段とを
設ける。
【0016】位置、回転角及び傾斜角を検出する位置検
出装置の位置指示器の別の構成では、該位置指示器を位
置検出面上で操作する時の最も標準的な状態に配置した
際に、位置検出面に対して垂直な面に巻かれた第1のコ
イルと、位置検出面に対して垂直でかつ第1のコイル面
に対して直交する面に巻かれた第2のコイルと、位置検
出面に対して平行な面に巻かれた第3のコイルと、該第
3のコイルと同一方向を軸として巻かれた第4のコイル
と、第3のコイルにコンデンサがあらかじめ接続して構
成される共振回路と、該共振回路により受信される電波
よりタブレットからのタイミング情報を含んだ制御情報
を抽出する制御情報抽出手段と、該共振回路により受信
される電波を整流して各回路を駆動する電源を得る電源
回路と、制御情報抽出手段により抽出された制御情報に
基づく特定のタイミングに、第1および第2のコイルを
開放または短絡とし、第4のコイルを開放とするように
して、第3のコイルを備える共振回路がタブレットから
の電波に共振できるようにし、且つ、制御情報抽出手段
により抽出された制御情報に基づく他の特定のタイミン
グに、第1および第2のコイルを開放または短絡とし、
第4のコイルを短絡とするようにして、第3のコイルを
備える共振回路がタブレットからの電波に共振できるよ
うにし、且つ、制御情報抽出手段により抽出された制御
情報に基づくその他の特定のタイミングに、第3のコイ
ルを短絡し、第1のコイルをコンデンサと接続して共振
回路を構成し、第2のコイルを開放または短絡とするよ
うにして、第1のコイルを備える共振回路がタブレット
からの電波に共振できるようにし、且つ、制御情報抽出
手段により抽出された制御情報に基づくさらに他の特定
のタイミングに、第3のコイルを短絡し、第2のコイル
をコンデンサと接続して共振回路を構成し、第1のコイ
ルを開放または短絡とするようにし、第2のコイルを備
える共振回路がタブレットからの電波に共振できるよう
にする、ように制御する制御手段と、備える。
【0017】また、2個の磁性体コアを用い、該コアの
一方に第4のコイルを巻き、該2個のコアを束ねるよう
に第3のコイルを巻き、束ねた該コアに第1及び第2の
コイル巻いてもよい。
【0018】そして、上記の位置指示器を用いる場合の
タブレットの一構成は、位置指示器側で第3のコイルを
共振可能な状態に設定するような制御情報を出した際
に、位置検出方向に並設されたループコイルを順次切り
替えて各ループコイルから検出される信号強度の分布よ
り位置指示器中の2個のコアの中心座標位置を検出する
座標位置検出手段と、位置指示器側で第3のコイルを共
振可能な状態かつ第4のコイルを短絡とするよに設定す
る制御情報を出した際に、位置検出方向に並設されたル
ープコイルを順次切り替えて各ループコイルから検出さ
れる信号強度の分布より位置指示器中の第4のコイルを
短絡したことによる座標位置を検出して、前記検出され
た中心座標位置との関係より、位置指示器のタブレット
面に垂直方向を軸とした回転角を検出する回転角検出手
段と、位置指示器側で第1のコイルまたは第2のコイル
のうち一方をコンデンサと接続して共振回路を構成し且
つ他方のコイルを開放または短絡とするように設定する
制御情報を出した際に、位置検出方向に並設されたルー
プコイルを順次切り替えて各ループコイルから検出され
る信号強度の分布に現れる2箇所のピーク値の比率より
位置指示器のタブレット面と垂直方向に対する傾きを検
出する傾き検出手段とを備える。
【0019】位置及び傾斜角を検出する位置検出装置の
位置指示器の構成は、該位置指示器を位置検出面上で操
作する時の最も標準的な状態に配置した際に、位置検出
面に対して垂直な面に巻かれた第1のコイルと、位置検
出面に対して垂直でかつ前記第1のコイル面に対して直
交する面に巻かれた第2のコイルと、位置検出面に対し
て平行な面に巻かれた第3のコイルと、前記複数のコイ
ルのうち1個を選択してタブレットとの電磁誘導に用い
るようにするコイル選択手段とを備える。
【0020】また、位置指示器内に1つの磁性体コアを
備え、該位置指示器内の複数のコイルを該磁性体コア上
に巻いてもよい。
【0021】また、電磁誘導を利用するために、位置指
示器内のコイル選択手段により選択されたコイルをコン
デンサと接続してタブレットからの電波の周波数に共振
させるようにする。
【0022】また、コイル選択手段により選択されたコ
イルをコンデンサと接続してタブレットからの電波の周
波数に共振させるとともに、その他のコイルを全て開放
または短絡とするようにする。
【0023】位置及び傾斜角を検出する位置検出装置の
位置指示器の別の構成は、位置指示器内のコアに巻かれ
た前記第3のコイルがあらかじめコンデンサと接続され
てタブレットからの電波に共振した共振回路と、該第3
のコイルを短絡する手段とを備え、該第3のコイルを所
定のタイミングに短絡するように制御するとともに、該
所定のタイミング中の特定のタイミングに前記第1のコ
イルをコンデンサと接続してタブレットからの電波の周
波数に共振させ、且つ、該所定のタイミング中の他の特
定のタイミングに前記第2のコイルをコンデンサと接続
してタブレットからの電波に共振させるようにする。
【0024】位置及び傾斜角を検出する位置検出装置の
位置指示器の更に別の構成は、位置指示器内のコアに巻
かれた前記第3のコイルが予めコンデンサと接続されて
タブレットからの電波の周波数に共振した共振回路と、
該第3のコイルと同じ範囲を囲む第4のコイル及び該第
4のコイルを短絡する手段を備え、該第4のコイルを所
定のタイミングに短絡することによって第3のコイルの
囲む範囲に磁界が発生しないようにし、該所定のタイミ
ング中の特定のタイミングに前記第1のコイルをコンデ
ンサと接続してタブレットからの電波の周波数に共振さ
せ、且つ、該所定のタイミング中の他の特定のタイミン
グに前記第2のコイルをコンデンサと接続してタブレッ
トからの電波の周波数に共振させるようにする。
【0025】そして、上記の位置指示器を用いる場合の
タブレットの一構成は、第3のコイルを備える共振回路
を共振可能に設定する制御情報を出した際に、位置検出
方向に並設されたループコイルを順次切り替えて各ルー
プコイルから検出される信号強度の分布より位置指示器
中の第3のコイルの中心座標位置を検出する座標位置検
出手段と、位置指示器側で第1および第2のコイルのう
ち一方をコンデンサと接続して共振回路を構成し、他方
のコイルを開放または短絡とするよう設定する制御情報
を出した際に、位置検出方向に並設されたループコイル
を順次切り替えて各ループコイルから検出される信号強
度の分布に現れる2箇所のピーク値の比率より位置指示
器のタブレット面と垂直方向に対する傾きを検出する傾
き検出手段とを設ける。
【0026】また、位置、回転角及び傾斜角を検出する
位置検出装置の位置指示器、及び位置及び傾斜角を検出
する位置検出装置の位置指示器は、該位置指示器中の共
振回路に発生する交流電圧を整流して各回路を駆動する
電源を得るための電源回路を備える。
【0027】また、位置検出装置は、位置指示器に対す
る制御情報をタブレットから2進コードとして送る。
【0028】
【作用】このように構成することによって、位置指示器
が太くなることがなくコンパクトな形状となり、且つ位
置指示器の傾きや位置検出装置のタブレット面に対する
垂直方向を軸とした回転角を位置検出装置の有効エリア
の周辺付近でも正確に検出可能となる。
【0029】また、位置指示器に対する制御情報を2進
コードとして送るようにしたため、位置指示器の回路構
成を簡単にすることができる。
【0030】
【実施例】
I. 第一実施例 第一実施例の装置は、位置指示器の傾斜角度及び傾斜方
向を検出する。位置指示器の傾斜方向は、位置指示器の
直交座標系における各座標系に対する傾斜方向である。
【0031】1. タブレットの構成 図1は本発明第一実施例の位置検出装置としてのタブレ
ット1の要部回路構成図を示す。即ち、図1において、
X軸に40本のループコイルX〜X40(以下、X軸ル
ープコイルという)が図示の如く配置され、Y軸に40
本のループコイルY〜Y40(以下、Y軸ループコイル
という)が検出方向に互いに平行に図示の如く配置され
ている。このループコイルは各々のループコイルを選択
する選択回路2に接続されいる。この選択回路2は送受
切替回路3に接続され、この送受切替回路3の受信側に
はアンプ5が接続され、このアンプ5は検波回路6に接
続されている。この検波回路6はローパス・フィルター
7に接続され、このローパス・フィルター7はサンプル
ホールド回路8に接続され、このサンプルホールド回路
8がA/D回路(アナログ・デジタル変換回路)9に接
続され、このA/D回路9はCPU(中央処理装置)1
0に接続されている。このCPU10から制御信号が前
記選択回路2、サンプルホールド回路8、A/D回路9
および送受切替回路3にそれぞれ接続されている。ま
た、図中11は位置指示器の共振回路の共振周波数に等
しい周波数の正弦波交流信号を発生する発信器を示し、
12は該交流信号を電流に変換する電流ドライバを示
す。
【0032】2. 位置指示器の構成 図2は、本実施例の位置検出装置の位置指示器の共振回
路部分の説明図である。
【0033】本実施例では、位置指示器20の外観はペ
ンの形状であり、ペンケース30が外殻を構成してい
る。位置指示器20のペン先21の付近に2個の磁性体
コア22及び23を、該2個の磁性体コアを組み合わせ
たときの長手方向の中心線上にペン先21がくるように
該2個の磁性体コアを並置し、この各磁性体コア22及
び23のそれぞれにコイル(以下、制御コイルと言う)
25および26を横に巻き、更に該2個の磁性体コア2
2及び23を束ねて1本のコイル24(以下、送信コイ
ルと言う)を横に巻く。この送信コイル24の中心線
と、ペン先21の位置と、位置指示器20の中心線と、
2個の束ねた磁性体コア22及び23の長手方向の中心
線とは、一致して配置されている。(以下、本明細書の
すべての実施例において、コイルの中心線とは、そのコ
イルの囲む範囲内の中心を通る直線をいいう。コアの長
手方向の中心線とは、そのコアの長手方向の中心を通る
直線をいう。)また、制御コイル25と26によって、
送信コイル24の囲む範囲と同一の範囲が囲まれてい
る。また、磁性体コア22、23を用いることにより、
タブレット1から送信される信号をより効率的に受信
し、かつ位置指示器からより強い信号を出力できるよう
になる。
【0034】更に、コイル27(以下、傾斜検出コイル
27という)が、上記の束ねた磁性体コア22及び23
に縦に、即ち、束ねたコアの長手方向に巻かれ、更にコ
イル28(以下、傾斜検出コイル28という)が、磁性
体コア22及び23に縦にコイル27と図示の如く直交
するように巻かれている。この点は本発明の特徴の一つ
である。
【0035】即ち、位置指示器20をタブレット1の検
出面(上面)に垂直に配置したときに該検出面に対して
垂直な面に平行に一方の傾斜検出コイル(27又は28
の一方)が巻かれ、該検出面に対して垂直かつ該一方の
コイルが巻かれた面に直交する面に平行に他方の傾斜検
出コイル(27又は28の他方)が巻かれ、該検出面に
対して平行な面に送信コイル24が巻かれている。該送
信コイル24の内部に、その中心線と平行な線を中心と
して制御コイル25および26が巻かれる。
【0036】更に好適には、位置指示器20の回転位置
を示すときの基準となる位置(本実施例では図2に示す
クリップ29の位置)と位置指示器20の中心線とを含
む平面と、傾斜検出コイル27(又は傾斜検出コイル2
8)が巻かれた面とが、一致するようにする。
【0037】図3は、本発明第一実施例の位置指示器の
要部回路構成図を示す。
【0038】送信コイル24にコンデンサ31が接続さ
れ、共振回路32が構成される。この共振回路32には
補償用のコンデンサ33が図示の如く接続されている。
この補償用のコンデンサ33は前記2個の制御コイル2
5、26のうち1個を閉じたときの共振回路32の共振
周波数が送信電波(送信信号)の周波数と一致するよう
にその容量が選択されている。
【0039】傾斜検出コイル27にはコンデンサ34が
接続されて共振回路63が構成され、傾斜検出コイル2
8にはコンデンサ35が接続されて共振回路64が構成
される。
【0040】共振回路32は電源回路36、検波回路3
7、検波回路38、検波回路39にそれぞれ接続されて
いる。該検波回路37は時定数が大の積分回路40に接
続され、検波回路38は時定数が中の積分回路41に接
続され、該検波回路39は時定数が小の積分回路42
に、それぞれ接続されている。積分回路40はコンパレ
ータ43に、積分回路41はコンパレータ44に、積分
回路42はコンパレータ45にそれぞれ接続されてい
る。このコンパレータ43はシリアルパラレル変換回路
46のリセット端子R、デコーダ47及びラッチ回路4
8に接続され、コンパレータ44は該シリアルパラレル
変換回路46のデータ端子Dに接続され、コンパレータ
45はシリアルパラレル変換回路46のクロック端子C
Lに接続されている。
【0041】このシリアルパラレル変換回路46のQ
出力およびQ出力は、デコーダ(2進10進デコー
ダ)47の入力端子AおよびBにそれぞれ接続されてい
る。
【0042】デコーダ47の出力端子Q、Q、Q
及びQは、ラッチ回路48の入力端子A、A、A
及びAに、それぞれ接続されている。
【0043】ラッチ回路48のQ出力は、コイル24
〜28の制御には用いられず、接続されていない。ラッ
チ回路48のQ出力は、送信コイル24に補償用のコ
ンデンサ33を接続するためのスイッチ53を閉路又は
開路とする制御のために該スイッチ53に接続され、か
つ、オア回路51の一方の入力に接続される。ラッチ回
路48のQ出力は、単安定マルチバイブレータ49に
接続される。単安定マルチバイブレータ49の出力は、
共振回路63を閉路又は開路とするスイッチ56の開閉
制御のために該スイッチ56に接続され、かつ、オア回
路52の一方の入力に接続される。ラッチ回路48のQ
出力は、単安定マルチバイブレータ50に接続され
る。単安定マルチバイブレータ50の出力は、共振回路
64を閉路又は開路とするスイッチ57の開閉制御のた
めに該スイッチ57に接続され、かつ、オア回路52の
他方の入力に接続される。オア回路52の出力は、制御
コイル26を閉路又は開路とするスイッチ55の開閉制
御のために該スイッチ55に接続され、かつ、オア回路
51の他方の入力に接続される。オア回路51の出力
は、制御コイル25を閉路又は開路とするスイッチ54
の開閉制御のために該スイッチ54に接続される。
【0044】ここで、検波回路37、積分回路40およ
びコンパレータ43は、シリアルパラレル変換回路46
の端子R、デコーダ47及びラッチ回路48に出力を供
給する第1の経路60を形成し、該積分回路40の時定
数と該コンパレータ43の基準値との関係は前記タブレ
ット1からの送信電波が第1の所定時間(本実施例で
は、350μs程度の時間)送信された場合に出力信号
を出力する様に構成されている。
【0045】検波回路38、積分回路41およびコンパ
レータ44は、シリアルパラレル変換回路46の端子D
に出力を供給する第2の経路61を形成し、該積分回路
41の時定数と該コンパレータ44の基準値との関係は
前記タブレット1からの送信電波が第2の所定時間(本
実施例では、150μs程度の時間)送信された場合に
出力信号を出力する様に構成されている。
【0046】検波回路39、積分回路42およびコンパ
レータ45は、シリアルパラレル変換回路46の端子C
Lに出力を供給する第3の経路62を形成し、該積分回
路42の時定数と該コンパレータ45の基準値との関係
は前記タブレット1からの送信電波が第3の所定時間
(本実施例では、40〜50μs程度の時間)送信され
た場合に出力信号を出力する様に構成されている。
【0047】3. 動作の説明 この様に構成した本発明第一実施例の動作を説明する。
【0048】本第一実施例では、図1に示した位置検出
装置(タブレット)を使用する。
【0049】第一実施例の装置は、最初に、位置指示器
20の位置を求め、次に、位置指示器20の回転角(θ
r)を求め、次に、位置指示器20の傾斜角(θx及び
θy)を求める。
【0050】本実施例において、位置指示器20の位置
は、タブレット1上におけるペン先21の指示する位置
の座標を表す。位置指示器20の回転角は、位置指示器
20が基準位置から何度回転しているかを表す。位置指
示器20の傾斜角は、位置指示器20が基準位置から何
度傾けられているかを表す。
【0051】本発明では、上記の座標位置及び角度(回
転角及び傾斜角)を表すために、2つの座標系を用い
る。1つはタブレット1を基にする座標系であり、他の
1つは位置指示器20を基にする座標系である。即ち、
タブレット上の位置指示器の位置に関する座標は、タブ
レットの座標系を基にして表され、位置指示器の姿勢に
関する数値(回転角、傾斜角)は、位置指示器の座標系
を基にして導き出される。
【0052】また、タブレット1の座標系は、タブレッ
ト1の横方向をX軸とし、縦方向をY軸とするものであ
る。この座標系は固定された座標系である。ただし、図
1に示すように、タブレット1のX軸ループコイルの番
号は、左から右に向かって大きくなっていく。Y軸ルー
プコイルの番号は、上から下に向かって大きくなってい
く。即ち、この座標系は、通常のXY座標系のY軸の値
が逆になったものである(図18参照)。
【0053】位置指示器20を基準とする座標系は、ペ
ン先21の位置に原点がある。即ち、位置指示器20が
移動すると原点の位置も移動する。X軸及びY軸は、タ
ブレットのX軸及びY軸を含む面(XY面)と同一の面
上にあり、回転角を求めるときの基準位置が予め決めら
れる。
【0054】位置指示器20の傾斜角は、回転後の位置
指示器20の座標系を基準として導き出すものであり、
その座標系のX軸方向に何度傾斜し且つY軸方向に何度
傾斜しているかを示す。傾斜角θxは、位置指示器20
を基準とする座標系における位置指示器20のX軸方向
の傾きであり、傾斜角θyは、Y軸方向の傾きである。
【0055】まず、本発明の傾斜角を求める方法の原理
を、図19、図20、図21及び図22を参照し、説明
する。
【0056】図19は、タブレットのループコイルと、
位置指示器の傾斜検出コイルと、該位置指示器の傾斜検
出コイルから出力される電波(磁束)とを示す。
【0057】図19において、傾斜検出コイル15は、
図2及び図3の傾斜検出コイル27又は28の何れかに
対応する。原理を説明する目的のため、図19では、位
置指示器20の一方の傾斜検出コイルのみを示し、他方
の傾斜検出コイルを示していない。
【0058】傾斜検出コイル15は、該コイル15の囲
む面が、タブレット面に垂直(即ち、傾斜角が0°)で
あり、且つ該コイル15の回転角(即ち、位置指示器の
回転角)は0°である位置にある。図19は、コイル1
5を側面から示している。
【0059】矢印を伴った点線は、コイル15からの磁
界(磁束)を示す。実線の矢印は、コイル15から真っ
すぐ出る磁束(または、コイルの中心線)を示す。図1
9においてすべての矢印は、磁束が1つの方向に向いて
いるように示しているが、これは原理を説明する目的の
ためであり、実施例の装置では、コイル15に流れる電
流は交流であり、従って、磁束の方向、即ち、矢印の方
向は時間とともに交互に変化する。
【0060】また、図19は原理を容易に理解させるた
めに、タブレット面は示していない。また、タブレット
のX軸ループコイル又はY軸ループコイルの片方のみを
示す。タブレットの一連のループコイルは、それらの断
面のそれぞれを小さい円で示し、その下にループコイル
番号を付している。
【0061】コイル15は、ループコイル6の中央を通
る線の真上近くにある。(本明細書のすべての実施例に
おいて、ループコイルの中央を通る線とは、X軸ループ
コイルの場合、そのX軸ループコイルの中央を通り、タ
ブレットのY軸に平行であり、X軸ループコイルを2分
する線をいう。Y軸ループコイルの場合、そのY軸ルー
プコイルの中央を通り、タブレットのX軸に平行であ
り、Y軸ループコイルを2分する線をいい、以下、本明
細書中、これを「中央線」という。)
【0062】図20は、図19の状態においてコイル1
5から各ループコイルが電波(磁束)を受信して、その
結果として各ループコイルから出力される信号の強度
と、該各ループコイルの中心位置との関係を表す説明図
である。
【0063】本発明はループコイルがコイル15から磁
束をうけたときの、ループコイルに誘導される誘導電圧
出力の大きさを基にして位置指示器の傾斜角を求めるも
のである。
【0064】横軸の1〜13は、図19のループコイル
1〜13のそれぞれの中心位置の座標を示している。例
えば、図19のコイル15が傾斜検出コイル27であり
且つループコイルがX軸ループコイルであるとすると、
図20の横軸はタブレットの座標系のX軸であり、1乃
至13の番号を付した位置は、X軸ループコイルの中心
位置のX座標置である。
【0065】縦軸は、コイル15からの電波を受けたと
きの各ループコイルに誘導される信号を電圧で示す。図
20では、ループコイル2乃至ループコイル10が、コ
イル15の検出可能な磁界の影響を受けている場合を示
す。
【0066】各ループコイルを構成するラインは、図1
に示すように、タブレットの縁部近くの部分以外では、
X軸ループコイルはY軸と平行に、Y軸ループコイルは
X軸と平行に、配置される。コイル15の磁界の影響を
受けたループコイルの出力の大きさは、そのループコイ
ルの受ける磁束によって決定される。即ち、コイル15
から発せられてループコイルの内側(即ち、ループコイ
ルの囲む面)を通り、そのループコイルの外側を通って
コイル15に戻る、又は、コイル15から発せられてル
ープコイルの外側を通り、そのループコイルの内側を通
ってコイル15に戻る磁束の量によって決定される。こ
のような磁束が、ループコイルに誘導電圧を発生させる
有効な磁束である。コイル15から発せられてループコ
イルの内側を通り、そのループコイルの内側を再び通っ
てコイル15に戻る磁束は、ループコイルの出力には影
響しない。また、コイル15から発せられてループコイ
ルの外側を通り、そのループコイルの外側を通ってコイ
ル15に戻る磁束も、ループコイルの出力には影響しな
い。
【0067】図20を再び参照すると、例えば、ループ
コイル2は、ループコイル2が囲む面で少量の検出可能
な磁束を受けるので、弱い信号が出力される。
【0068】ループコイル4や8は、コイル15から多
くの有効な磁束を受けるので、大きい信号が出力され
る。
【0069】ループコイル6は、該ループコイル6の中
央線の真上近くにコイル15があるため、受ける磁束の
殆どが、ループコイル6の囲む面から入り、その面を再
び通ってコイル15に戻るものと、ループコイル6の外
側を通り、外側からコイル15に戻るものとである。ル
ープコイル6の囲む面から入り、ループコイルの外側か
らコイル15に戻る(又は、その逆)ような有効な磁束
は僅かであるので、ごく僅かの信号がループコイル6か
ら出力される。
【0070】理論的には、コイル15の傾斜角が0°で
あり且つコイル15がループコイルの中央線の真上にあ
るときには、そのループコイルからの出力は零となる。
【0071】一般に、1つのループコイルの中央線に近
い位置にコイル15(即ち、位置指示器)があると、そ
のループコイルからの出力は小さくなる。コイル15か
ら適度に離れた位置のループコイルからの出力が最大と
なり、また、それ以上離れた位置にあるループコイルで
は受ける磁束の量が少なくなるため、出力が小さくな
る。
【0072】図20の点線は、コイル15から出力さ
れ、タブレットで受けられる磁束の強度と受信位置との
関係を、補間して示すものである。その関係は、各ルー
プコイルの出力信号の値を基にして計算した近似的な曲
線で示される。タブレットのループコイルで受けられる
磁束の強度と受信位置との関係を補間して計算したこの
近似的な曲線は、2つのピーク値をもつ(以下、すべて
の実施例において、図20と同様の波形における左方の
ピークを第1ピークといい、右方のピークを第2ピーク
という)。以後、すべての実施例において、第1、第2
ピーク及び第1、第2ピーク値等と言う場合には、ルー
プコイルの出力信号の値を言うのではではなく、近似的
な曲線から得られるピーク及びピーク値(極大値)を言
う。また、以下、すべての実施例において、第1ピーク
の位置に最も近い位置のループコイルからの出力を第1
最大値といい、第2ピークの位置に最も近い位置のルー
プコイルからの出力を第2最大値という。図20では、
ループコイル4の出力信号が第1最大値であり、ループ
コイル8の出力信号が第2最大値である。
【0073】ここで、図17を参照して、受信信号強度
の分布近似2次曲線からピーク値を求める方法を説明す
る。図17は3つの点(x,y)=(−d,Va)、
(0,Vp)、(d,Vb)を基にして決定した近似2
次曲線を示す。図17の縦軸(Y軸)は図20の信号強
度に対応し、図17の横軸(X軸)は図20のループコ
イルの中心位置に対応する。
【0074】第1ピーク値と第2ピーク値は、別個に計
算された近似2次曲線から求められる。即ち、第1最大
値とその前後の値から求めた近似2次曲線から第1ピー
ク値を、第2最大値とその前後の値から求めた近似2次
曲線から第2ピーク値を求める。
【0075】図17を参照すると、受信信号強度の分布
近似2次曲線での最大値はCであり、このCの値は、上
記のピーク値に対応する。この受信信号強度の分布近似
2次曲線を表す(1)式をCについて解くと、
【数1】 コイル15の傾斜角が0°である場合には、コイル15
を挟んでタブレット面の左側が受ける磁束量と右側が受
ける磁束量とが同じである。従って、この場合、タブレ
ットのループコイルで受けられる磁束の強度と受信位置
との関係を補間して計算した近似的な二次曲線は、谷を
挟んで対称となる。即ち、近似的な二次曲線から得られ
る第1及び第2ピーク値が同じとなる。
【0076】従って、「近似的な二次曲線は谷を挟んで
左右が対称、即ち、第1ピーク値と第2ピーク値とが同
じであるので傾斜角が0°である」ということがわか
る。
【0077】図21は、図19に示すコイル15が或る
角度だけ傾斜した状態を示す。コイル15の磁界は図1
9のものと同じであるが、図21では、コイル15が傾
斜しているので、コイル15の磁界もコイル15の傾斜
に従って移動している。
【0078】図22は、図21の状態において、各ルー
プコイルがコイル15の磁界に影響された結果として各
ループコイルから出力される信号と、各ループコイルの
中心位置との関係を表す。
【0079】図22の横軸の1〜13は、図20と同様
に、ループコイル1〜13のそれぞれの中心位置の座標
を示し、縦軸は各ループコイルの出力信号を電圧で示
す。ここでも、図20と同様に、ループコイル2乃至ル
ープコイル10から信号が出力されている。即ち、ルー
プコイル2乃至ループコイル10が、検出可能な磁束を
受けている。
【0080】ループコイルからは、図19及び図20の
説明で説明したのと同様の原理で信号が出力される。た
だし、図21の状態では、コイル15が左側に傾いてい
るため、コイル15を挟んでタブレット面の左側が受け
る磁束量が多くなり、タブレット面の右側が受ける磁束
量が少なくなる。
【0081】図22を参照すると、例えば、ループコイ
ル2は、ループコイル2が囲む面で少量の磁束を受ける
ので、弱い信号が出力される。
【0082】ループコイル4は、図21の状態において
コイル15から最も多くの有効な磁束を受けるので、最
も大きい信号(第1最大値)が出力される。
【0083】ループコイル6の出力は図19の状態では
最小となったが、コイル15が傾斜している図21の状
態では、図19の状態のときよりも多くの有効な磁束を
受けることとなり、図19の状態よりは出力が多くなっ
ている。
【0084】また、ループコイル7は、ループコイル6
とは逆に、有効な磁束の量が図19の状態のときよりも
減少するので、出力が小さくなっている。
【0085】ループコイル8及びループコイル9は、図
19の状態のときには出力が比較的大きいが、図21の
状態のときには、比較的小さい出力となっている。これ
は、コイル15が傾斜することによって、ループコイル
8及び9の受ける有効な磁束の量が減少するからであ
る。ループコイル9の出力信号は第2最大値である。
【0086】上述のように、コイル15を挟んでタブレ
ット面の左側が受ける磁束量が多くなり且つ右側が受け
る磁束量が少なくなる。従って、タブレットの左側のル
ープコイルが多くの磁束を受けるため、コイル15が図
21の状態のときの第1ピーク値は、コイル15が垂直
に位置する場合の第1ピーク値よりも大きくなる。反対
に、右側のループコイルは受ける磁束量が少なくなるた
め、第2ピーク値は、コイル15が垂直に位置する場合
の第2ピーク値よりも小さくなる。
【0087】図22の点線もまた、タブレットで受信す
る磁束の量と受信位置との関係を、補間して示すもので
あり、その関係は、各ループコイルの出力信号の値を基
にして計算した近似的な二次曲線で示されている。
【0088】この近似的な二次曲線が示すように、ルー
プコイルの出力は、谷の位置を挟んで左側のピークが高
くなり、右側のピークが低くなる。従って、図22か
ら、「第1ピークが第2ピークよりも大きいので、位置
指示器(コイル15)が左側に傾斜している」というこ
とがわかる。
【0089】位置指示器を左側により深く傾斜させる
と、タブレット面の左側がより多くの磁束を受け且つ右
側がより少ない磁束を受けることとなるので、第1ピー
クはより高くなり、第2ピークはより低くなる。
【0090】また、コイル15が右側に傾斜した場合に
は、上記の状態と逆の状態が起こる。即ち、第2ピーク
が高くなり、第1ピークが低くなる。
【0091】ここで、重要なことは、コイル15の傾斜
角度と2つのピーク値の比率(例えば、第1ピーク値を
第2ピーク値で割った値、又は第2ピーク値を第1ピー
ク値で割った値)との間には、相関関係があるというこ
とである。本発明は、この相関関係を利用して、2つの
ピーク値の比率から傾斜角を求める。
【0092】ここで、第1ピーク値をV1とし、第2ピ
ーク値をV2とする。例示的な具体的数値を用いて例を
あげると、傾斜角が0°のときには、即ち、図19に示
す状態のときには、V2/V1=1である。即ち、数値
(比率)1は傾斜角0°に対応する。また、V2/V1
>1のときには位置指示器が右側に傾斜しており、V2
/V1<1のときには左側に傾斜している状態である。
【0093】即ち、第1ピーク値と第2ピーク値の比率
と、傾斜角との相関関係を予め求めておくと、第1ピー
ク値と第2ピーク値の比率から、傾斜角を求めることが
できる。第一実施例のタブレット1と位置指示器20を
用いた場合の、予め求めた第1ピーク値と第2ピーク値
の比率と、傾斜角との相関関係の一例を図23に示す。
【0094】また、図19及び図21では位置指示器
(コイル15)の回転角は0°である。しかし、回転角
が加わったとしても、第1ピーク値と第2ピーク値の比
率は殆ど変化しない。位置指示器が回転すると、コイル
15から、即ち、コイル15の磁界もそれに連れて回転
する。その結果、ループコイルの電位に影響を及ぼす磁
束の量は減少する。しかし、この時、コイル15の一側
からの、一側のループコイルの電位に影響を及ぼす磁束
が減少すると同時に、コイル15の他側からの、他側の
ループコイルの電位に影響を及ぼす磁束も相関関係をも
って減少する。従って、ループコイルから出力される値
は、回転角が0°のときと比べて全体的に小さくなる
が、第1ピーク値と第2ピーク値との比率は殆ど変化し
ない。
【0095】回転角が所定の大きさの範囲を越えた場合
には、一方のループコイル(例えば、図19及び図21
に示すループコイル)で受ける磁束の量よりも、他方の
ループコイル(図19及び図21に示すループコイルと
直交するループコイル(図19及び図21には示さ
ず))で受信する磁束の量の方が多くなる。一般的に、
図1に示すようにX軸ループコイルとY軸ループコイル
とが同一の間隔で且つ直交するように配置されている場
合には、回転角が−45°乃至45°、135°乃至1
80°、及び−135°乃至−180°(180°と−
180°とは同じ角度である)の間、即ち、図1の領域
101及び103では、1つの傾斜検出コイルから電波
(磁束)が出力される場合に、X軸ループコイルとY軸
ループコイルのうちの何れか一方のループコイルが受け
る磁束量の方が多く、その他の回転角、即ち、図1の領
域102及び104では、他方のループコイルが受ける
磁束量の方が多くなる。また、回転角が−45°、45
°、135°及び−135°のとき、即ち、各領域の境
界では、一方のループコイルで受ける磁束の量と他方の
ループコイルで受ける磁束の量とが同じになる。
【0096】次に、第一実施例の動作について、図4及
び5と、図6、7、8、9、10及び11とを参照し
て、第1の場合について説明する。
【0097】図4および5は、前記CPU10内に記憶
された動作制御プログラムのフローチャートを示す。
【0098】ここでは、第1の場合として、位置指示器
20の位置がループコイルXとループコイルY11とが
交差する範囲にあり、回転角θr=30°、傾斜角θx
=20°、θy=30°である場合について説明する。
(ただし、ループコイル番号及びその他の数値はこの時
点では未知である。)
【0099】3.1 全面スキャン 本装置の動作は前記動作制御プログラムに基づいて行わ
れる。
【0100】まず、位置指示器20がタブレット1のど
の位置に置かれたかを検出する為のX軸全面スキヤンが
行われる(ステップ70)。
【0101】図6および図7を参照する。図6及び図7
は、全面スキャンのときの、図1及び図3に×印で示し
た点の出力を示す出力波形図である。図中、コイル番号
とは選択されたループコイルを示し、Tは送信モード
(位置検出装置からの送信期間)を示し、Rは受信モー
ド(位置検出装置の受信期間)を示す。ただし、図6お
よび図7は図面の寸法上図14に示す如く1つの図面を
2つに分けて示したものである。図14は図6と図7と
の結合関係を示す図である。
【0102】CPU10はループコイルXを選択回路
2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに接続さ
せ、ループコイルXに発信器11の正弦波交流信号を
供給する。これにより、ループコイルXから共振回路
32に共振周波数の送信電波(イ)が送信される。
【0103】CPU10は、この送信モードを所定時間
(例えばT=100μs)実行すると、次に選択回路2
はループコイルXを保持した状態で送受切替回路3を
受信側に切替えて位置指示器20からの信号を受信する
受信モードを所定時間(例えばR=100μs)実行す
る。
【0104】他方、位置指示器20は全面スキャンモー
ドのときは、スイッチ53、54、55、56、57は
開かれており、共振回路32のみが共振可能な状態とな
っており、該送信電波(イ)により共振回路32が励振
され誘導電圧が発生される。タブレット1が受信モード
中は、送信電波(イ)は停止されるが、前記誘導電圧に
より送信コイル24から電波が発生され、この電波はタ
ブレット1の選択されているループコイルを逆に励振す
るため、該ループコイルに誘導電圧を発生させる。この
誘導電圧は位置指示器20に最も近いループコイルにお
いて最大値となるので位置指示器20の座標値すなわち
位置指示器20の指示する位置が求まる。
【0105】CPU10は送信モードおよび受信モード
を各ループコイル、即ち、X軸方向のループコイルX
からX40の全部について行う。その一連の動作中の1つ
の動作として、ループコイルXが選択回路2に選択さ
れる。選択されたループコイルXから送信電波(イ)
が位置指示器20に送信される。この送信電波(イ)に
より位置指示器20の共振回路32が励振され誘導電圧
(ロ)が共振回路32に発生される。前記所定時間後
に、タブレット1は受信モードになり、送信電波(イ)
は消滅する。
【0106】しかし、該誘導電圧(ロ)が減衰するまで
この誘導電圧(ロ)により位置指示器20から電波が送
出され、この電波がループコイルXにより受信され
る。ループコイルXはこの電波で励振され、ループコ
イルXに誘導電圧が発生する。この誘導電圧がアンプ
5で増幅される。アンプ5で増幅された受信信号(a)
は検波回路6で検波され、ローパスフィルター7に送出
される。ローパスフィルター7は共振回路32の共振周
波数より充分低い遮断周波数を有しており、検波回路6
の出力信号を直流信号に変換し、この直流信号がサンプ
ルホールド回路7において信号(b)の如くサンプルホ
ールドされ、A/D回路9によりアナログ・デジタル変
換され、CPU10に送出される。CPU10は、この
デジタル値に変換された各受信信号のレベル分布に基づ
いて位置指示器20の位置を検出する。本実施例では、
上記のように、位置指示器20がループコイルX、Y
12の位置を指示している場合に関する。従って、本実施
例ではループコイルXからの受信信号レベルが最大値
となり、位置指示器20のX軸方向の位置が検出され
る。CPU10はループコイルXを位置指示器20の
X軸方向の位置として記憶する(ステップ72)。
【0107】X軸全面スキャンにおいて、タブレット1
での受信信号レベルがいずれも所定のしきい値以下であ
る場合にはCPU10は位置指示器20はタブレット1
上にないと判別してX軸全面スキャンを繰り返す(ステ
ップ71)。
【0108】CPU10はX軸全面スキャンが終了する
と、同様な動作でY軸方向の全面スキャンを実施する。
即ち、図7に示す如くY軸全面スキャンがX軸全面スキ
ャンと同様な動作で行われ、CPU10は位置指示器2
0のタブレット1上のY軸方向の位置としてループコイ
ルY12を記憶する(ステップ73〜74)。
【0109】3.2 部分スキャン(位置指示器の位置
及び回転角θrを求める) 次に、図8、9、10及び11を参照する。図8、9、
10、及び11もまた図1及び図3に×印で示した点の
出力を示す波形図である。これらの図もまた、図面の寸
法上、図15に示す如き1つの図面を4つに分けて示し
たものである。図15は、図8、9、10及び11の結
合関係を示す図である。
【0110】図8は位置指示の指示する位置を検出する
時の、図1及び図3に×印で示した点の出力波形図であ
る。
【0111】位置指示器20の指示したタブレット1上
のコイル番号(本実施例ではXおよびY12)が決定さ
れると、そのコイルとその前後の合わせて5本のループ
コイルについての部分スキャンが行われる。この部分ス
キャンは、タブレット1上に置かれた位置指示器20の
位置を検出するためのものであり、位置指示器20がタ
ブレット1上で移動された場合はその軌跡を追従し且つ
検出するためのものである。
【0112】CPU10は選択回路2にループコイルX
を選択させ、送受切替回路3を送信端子T側に接続さ
せる(図8)。
【0113】この状態で、CPU10は制御コイル25
及び制御コイル26を開路とし、共振回路63と共振回
路64とを開路とし、且つスイッチ53を開放状態にし
て送信コイル24とコンデンサ31とで構成される共振
回路32が共振可能な状態にする為のモード信号、即
ち、スイッチ53〜57を開放とするための信号“0
0”を位置指示器20に送信し、この“00”モード設
定ステップを実行する。
【0114】即ち、CPU10は送信時間T=100μ
s、受信時間R=100μs、送信時間T=100μ
s、受信時間R=100μs、送信時間T=600μ
s、受信時間R=600μsの送受信を位置指示器20
とタブレット1との間で行わせる(図4のステップ7
5、図8のI)。
【0115】CPU10は選択回路2でループコイルX
を選択し、送受切替回路3を送信端子T側に切替え
て、T=100μsの間送信電波(イ)を位置指示器2
0に送信する。この送信電波により、共振回路32に誘
導電圧(ロ)が発生する。この動作を2回繰り返す。こ
れにより、第3の経路62から出力(ハ)が出力され、
この出力(ハ)の最初の立ち下がりで、シリアルパラレ
ル変換回路46内で(ヘ)の出力を(ト)の出力にシフ
トし(即ち、QのデータをQに移す)、第2の経路
61の出力(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に
(ヘ)の出力とするように取り込む。出力(ハ)の最初
の立ち下がりの時の出力(ヘ)のレベルは“L”であ
り、出力(ニ)のレベルも“L”である。従って、出力
(ト)及び(ヘ)は“L”“L”、即ち、“0”“0”
となる。
【0116】次に、出力(ハ)の次の立ち下がりにおい
て、再び、シリアルパラレル変換回路46内で(ヘ)の
出力を(ト)の出力にシフトし、第2の経路61の出力
(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に(ヘ)の出力
として取り込む。この立ち下がりの時の出力(ヘ)及び
(ニ)のレベルは“L”であり、従って、出力(ト)及
び(ヘ)は“L”“L”、即ち、“0”“0”となる。
即ち、出力(ニ)から信号“L”“L”が得られる。こ
れにより、シリアルパラレル変換回路46からのデコー
ダ47への出力(ト)および(ヘ)は“0”“0”とな
る。
【0117】次いで、CPU10はこの“00”データ
をスイッチ制御信号に変換させるために、送信時間T=
600μsの間送信電波(イ)を位置指示器20に送信
する。
【0118】送信電波(イ)が600μs継続される
と、第3の経路62、第2の経路61、第1の経路60
の順で出力(ハ)、(ニ)、(ホ)が図示の如く発生す
る。出力(ホ)の立ち上がりでシリアルパラレル変換回
路46の出力“00”がデコーダ47に取り込まれる。
【0119】続いて、CPU10は受信時間R=600
μsの受信モードを実行する。これにより、誘導電圧
(ロ)は減衰し、出力(ハ)(ニ)(ホ)も“L”レベ
ルとなる。出力(ホ)の立ち下がりでシリアルパラレル
変換回路46はリセットされ、かつデコーダ47に取り
込まれた“00”を表すデータがラッチ回路48に取り
込まれる。この“00”を表すデータによって、ラッチ
回路48の出力Qが“H”になり、他の出力Q、Q
、Qは“L”を維持する。しかし、出力Qはスイ
ッチ53〜57の何れにも接続されおらず、かつ出力Q
、Q、Qが“L”であるため、スイッチ53、5
4、55、56、57は、開放の状態となる。
【0120】この動作により位置指示器20の各スイッ
チ53〜57を開放するための“00”モード設定が終
了する(ステップ75)。
【0121】CPU10は位置指示器20が“00”モ
ードとなると、位置指示器20の中心位置(即ち、位置
指示器が指示する位置)を求めるため部分スキャンに移
行する(ステップ76)。
【0122】この部分スキャンは、タブレット1側から
位置指示器20に対して、送信時間T=100μs、受
信時間R=100μsの送受信を行う。上記のように、
第1の経路60は、350μs程度の時間、信号が送信
された場合に信号を出力し、第2の経路61は、150
μs程度の時間、信号が送信された場合に信号を出力
し、第3の経路62は、40〜50μs程度の時間、信
号が送信された場合に信号を出力する様に構成されてい
るため、第3の経路62からのみ、信号が出力され、第
1及び第2の経路からは信号が出力されない。
【0123】まず、CPU10はループコイルXを選
択回路2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに
接続する。この状態で、ループコイルXは送信電波
(イ)を位置指示器20に送出する。
【0124】この送信電波(イ)により位置指示器20
の共振回路32が励振され誘導電圧(ロ)が共振回路3
2に発生される。この誘導電圧(ロ)によりコア22及
び23からは均等な交流磁界が発生される。
【0125】CPU10は送信モード時間を経過する
と、選択回路2にループコイルXを選択させ、送受切
替回路3を受信端子R側に切替える。このループコイル
の受信モードにおいて、前記ステップ70で説明し
たと同様な動作でタブレット1で受信信号(a)、
(b)が得られる。
【0126】この部分スキャン動作が、送信モードでは
ループコイルXを選択し、受信モードではループコイ
ルX、X、X、X10及びX11をそれぞれ選択して
順次行われる(ステップ76)。
【0127】前述の様に、本実施例では位置指示器20
がループコイルX、Y12を指示しているので、X軸方
向の部分スキャンではループコイルXの受信モードで
最大受信電圧Vp0を得、その前後のループコイルX
10の受信モードで受信電圧Va0、Vb0をそれぞれ得
る。
【0128】このX軸方向の部分スキャンに続いてY軸
方向の部分スキャンが行われる。
【0129】即ち、送信モードではループコイルY12
選択し、受信モードではループコイルY10、Y11
12、Y13およびY14をそれぞれ選択してY軸方向の部
分スキャンが、上述のX軸方向の部分スキャンと同様に
行われる(ステップ76)。
【0130】このY軸方向の部分スキャンではループコ
イルY12の受信モードで最大受信電圧V'p0を得、その
前後のループコイルY11、Y13の受信モードで受信電圧
V'a0、V'b0をそれぞれ得る。
【0131】位置指示器20の位置は、ペン先21の位
置に対応した位置(以下、中心座標X,Yと言う)
を示す。
【0132】CPU10は、この受信信号電圧(受信信
号強度)を基に次の(12)式および(13)式により位置
指示器20の中心座標(X、Y)を決定する(ステ
ップ76)。(12)式及び(13)式は、座標補間によっ
て受信信号強度の分布を2次曲線に近似させてこの2次
曲線に基づき、中心座標を求める式である。
【0133】
【数2】 ただし、Pは最大電圧が得られたタブレットのX軸ル
ープコイルの中央線のX座標値、Dは隣接するX軸ル
ープコイルの中央線間の距離を表す。
【0134】
【数3】 ただし、Pは最大電圧が得られたタブレットのY軸ル
ープコイルの中央線のY座標値、Dは隣接するY軸ル
ープコイルの中央線間の距離を表す。
【0135】ここで、上記の(12)式及び(13)式は、
位置指示器20の座標値を、最大電圧が得られたループ
コイルの中心座標とこのループコイルで検出された最大
電圧、該ループコイルの前後ループコイルで検出された
検出電圧に基づいて、受信信号強度の分布を2次曲線に
近似させ、この2次曲線に基づいて該ループコイルの中
心座標を補間するものである。
【0136】上記で説明したように、図17は3つの座
標位置を基にした近似2次曲線を示し、上述の座標補間
の原理を説明するための図である。
【0137】図17は、X軸上に各コイルの中心位置、
Y軸に受信信号強度を取ったものである。各コイルから
検出された受信信号強度の分布は図示する如き2次曲線
に近似でき、ループコイルの中心位置は、それぞれ、X
=−d、0、dにあり、V、V、Vは3つのコイ
ルのそれぞれから検出される受信検出電圧を示してい
る。dはコイル間の距離、即ち、隣接する中央線間の距
離に相当し、a,b,cを定数として図示の曲線は前記
(1)式で表され、前記(1)式をbについて解くと、
最大電圧が検出されたループコイルの中心座標値の補正
値bが前記(8)式のように求まる。
【0138】CPU10は、X軸方向およびY軸方向の
中心座標検出のための上記部分スキャンが終了すると
(ステップ76)、“01”モード設定動作を開始する
(ステップ77)。
【0139】即ち、CPU10は制御コイル25を閉
路、制御コイル26を開路、スイッチ53を閉路(制御
コイル25が閉じられたときに共振回路32が共振する
ようにする)、共振回路63及び64を開路の状態にす
る為の、即ち、スイッチ53及び54を閉路とし且つス
イッチ55、56、57を開路とするための“01”モ
ード信号を位置指示器20に送信し、“01”モード設
定ステップを実行する(ステップ77)。
【0140】図9は、位置指示器20の回転角を求める
ための座標値を求めるときの、図1及び図3に×印で示
した点の出力を示す波形図である。
【0141】CPU10は送信時間T=100μs、受
信時間R=100μs、送信時間T=200μs、受信
時間R=200μs、送信時間T=600μs、受信時
間R=600μsの送受信を位置指示器20とタブレッ
ト1間で行わせる(ステップ77、図9のII)。
【0142】CPU10は選択回路2でループコイルX
を選択し、送受切替回路3を送信端子T側に切替え
て、T=100μsの間送信電波(イ)を位置指示器2
0に送信する。この送信電波により、共振回路32に誘
導電圧(ロ)が発生する。これにより、第3の経路62
から出力(ハ)が出力され、この出力(ハ)の立ち下が
りで、シリアルパラレル変換回路46内で(ヘ)の出力
を(ト)の出力にシフトし、第2の経路61の出力
(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に(ヘ)の出力
として取り込む。出力(ハ)のこの立ち下がりの時の出
力(ヘ)のレベルは“L”であり、出力(ニ)のレベル
は“L”である。従って、この時点でのデコーダ47へ
の出力(ト)(ヘ)は“0”“0”となる。
【0143】次に、CPU10はT=200μsの送信
をタブレット1から位置指示器20に行わせる。この送
信により、共振回路32に誘導電圧(ロ)が発生する。
この送信時間T=200μsの送信動作により、第3の
経路62および第2の経路61から順に出力(ハ)、出
力(ニ)が出力され、この出力(ハ)の立ち下がりで、
シリアルパラレル変換回路46内で(ヘ)の出力を
(ト)の出力にシフトし、第2の経路61の出力(ニ)
をシリアルパラレル変換回路46に(ヘ)の出力として
取り込む。出力(ハ)のこの立ち下がりの時の出力
(ヘ)のレベルは“L”であり、出力(ニ)のレベルは
“H”である。従って、シリアルパラレル変換回路46
からデコーダ47への出力(ト)および(ヘ)は“0”
“1”となる。
【0144】次いで、CPU10はこの“01”データ
をスイッチ制御信号に変換させるために、送信時間T=
600μsの間、送信電波(イ)を位置指示器20に送
信する。
【0145】送信電波(イ)が600μs継続される
と、第3の経路62、第2の経路61、第1の経路60
の順で出力(ハ)、(ニ)、(ホ)を図示の如く発生す
る。出力(ホ)の立ち上がりでシリアルパラレル変換回
路46の出力“01”がデコーダ47に取り込まれる。
【0146】続いて、CPU10は受信時間R=600
μsの受信モードを実行する。これにより、誘導電圧
(ロ)は減衰し、出力(ハ)(ニ)(ホ)も“L”レベ
ルとなる。出力(ホ)の立ち下がりでシリアルパラレル
変換回路46はリセットされ、かつデコーダ47に取り
込まれた“01”を表すデータがラッチ回路48に取り
込まれる。この“01”を表すデータによって、ラッチ
回路48の出力Qが“H”になり、出力Q、Q
“L”を維持する。
【0147】これにより、スイッチ53、54、55、
56、57の制御信号(チ)(リ)(ヌ)(ル)(ヲ)
のうち、出力(ヌ)、(ル)、(ヲ)が“L”レベルと
なり、出力(チ)、(リ)は“H”レベルとなり、従っ
て、スイッチ55、56、57が開路状態となり、スイ
ッチ53、54は閉路状態となる。この動作により位置
指示器20の制御コイル26が開放とされ、共振回路6
3及び64が開放とされて共振しない状態とされ、制御
コイル25は短絡され、スイッチ53が閉じられて共振
回路32が共振可能な状態となる。ここで、“01”モ
ード設定が終了する(ステップ77)。
【0148】CPU10は位置指示器20が“01”モ
ードとなると、位置指示器20の回転位置を求めるため
の部分スキャンに移行する(ステップ78)。
【0149】即ち、CPU10はループコイルXを選
択回路2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに
接続する。この状態で、ループコイルXは送信電波
(イ)(100μs)を位置指示器20に送出する。
【0150】この送信電波(イ)により位置指示器20
の共振回路32が励振され誘導電圧(ロ)が共振回路3
2に発生される。スイッチ54が閉じて制御コイル25
が短絡され、かつスイッチ55が開いて制御コイル26
が開放された状態では、制御コイル26の磁性体コア2
3に磁束が集中する。即ち、共振回路32に発生された
前記誘導電圧(ロ)により磁性体コア23から交流磁界
が発生され、磁性体コア23の位置から前記タブレット
1に電波が送出される。
【0151】CPU10は送信モード時間を経過する
と、選択回路2にループコイルXを選択させ、送受切
替回路3を受信端子R側に切替える。このループコイル
の受信モード(100μs)において、前記ステッ
プ70で説明したと同様な動作でタブレット1で受信信
号(a)、(b)が得られる。
【0152】この部分スキャン動作が、送信モードでは
ループコイルXを選択し、受信モードではループコイ
ルX、X、X、X10およびX11をそれぞれ選択し
て順次行われる(ステップ78)。
【0153】このX軸方向の部分スキャンではループコ
イルXの受信モードで最大受信電圧Vp1を得、その前
後のループコイルX、X10の受信モードで受信電圧V
a1、Vb1をそれぞれ得る。
【0154】このX軸方向の部分スキャンに続いてY軸
方向の部分スキャンが行われる。
【0155】即ち、送信モードではループコイルY12
選択し、受信モードではループコイルY10、Y11
12、Y13およびY14をそれぞれ選択してY軸方向の部
分スキャンが上述のX軸方向の部分スキャンと同様に行
われる(ステップ78)。
【0156】このY軸方向の部分スキャンではループコ
イルY12の受信モードで最大受信電圧V'p1を得、その
前後のループコイルY11、Y13の受信モードで受信電圧
V'a1、V'b1をそれぞれ得る。
【0157】この位置指示器20の座標値は磁性体コア
23の位置(以下、回転座標X,Yと言う)を示
す。
【0158】CPU10は、この受信信号電圧により次
の(14)式および(15)式により回転座標(X
)を決定する(ステップ78)。
【0159】
【数4】 ただし、Pは最大電圧が得られたタブレットのX軸ル
ープコイルの中心位置を含む中央線のX座標値、D
隣接するX軸ループコイルの中央線間の距離を表す。
【0160】
【数5】 ただし、Pは最大電圧が得られたタブレットのY軸ル
ープコイルの中心位置を含む中央線のY座標値、D
隣接するY軸ループコイルの中央線間の距離を表す。
【0161】ここで、(14)式及び(15)式は、上記の
(12)式及び(13)式と同様に、位置指示器20の座標
値を、最大電圧が得られたループコイルの中心座標とこ
のループコイルで検出された最大電圧、該ループコイル
の前後ループコイルで検出された検出電圧に基づいて、
受信信号強度の分布を2次曲線に近似させ、この2次曲
線に基づいて該回転座標を補間し、補正された座標値を
求めるものである。
【0162】この座標値(X,Y)及び(X,Y
)に基づいて、図18に示される回転角測定の原理に
より、CPU10は位置指示器20の回転角θrを検出
する。本実施例では、回転角を求めるための位置指示器
20の基準位置を、該位置指示器20の座標系のX及び
Y軸が、タブレットのX及びY軸と平行となる位置とす
る。
【0163】即ち、測定結果を基に計算した中心座標を
原点として、タブレット1上のX軸およびY軸に平行な
XY座標系を設定し(図18)、このY軸の負方向を基
準(θr=0)としてθrの範囲を−180°<θr≦
+180°として、
【数6】 として決定される。
【0164】3.3 部分スキャン(傾斜角を求める) 3.3.1 傾斜角θxを求めるための部分スキャン 次に、CPU10は、傾斜検出コイル27及びコンデン
サ34で構成される共振回路63を共振可能状態とする
“10”モード設定動作を開始する(ステップ79)。
これは、傾斜角θxを求めるためのモードである。傾斜
検出コイル27は、位置指示器20の座標系におけるX
軸方向の傾き(傾斜角θx)を検出するように配置され
ている。
【0165】図10は傾斜角θxを求めるときの、図1
及び図3に×印で示した点の出力波形である。
【0166】“10”モードでは、CPU10は制御コ
イル25、26を短絡状態にし、共振回路63を閉路と
し、共振回路64を開路状態にし、スイッチ53を開放
状態にする、即ち、スイッチ54、55、56を閉じ且
つスイッチ53及び57を開く為の“10”モード信号
を位置指示器20に送信し、“10”モード設定ステッ
プを実行する(ステップ79)。
【0167】各コイルは磁界の影響を受けると、コア中
に、それぞれ異なった方向の磁界を発生させようとす
る。従って、1つのコイルを選択しているときに、他の
コイルがコア中の磁界に影響を与えないように、該他の
コイルを開放又は短絡するのがよい。即ち、共振回路6
3を共振可能状態とし、タブレット1と該共振回路63
とで信号の送受信をする時には、共振回路32及び共振
回路64が磁界を発生しないようにする必要がある。そ
のために、共振回路64を開放とし、かつ、制御コイル
25、26を、それぞれ短絡状態にする。制御コイル2
5と26とを短絡状態にすることにより、これらコイル
には交流磁界が通らなくなる。制御コイル25と26と
の囲む範囲は、送信コイル24の囲む範囲と同一である
ので、結果として、送信コイル24に交流磁界が通らな
くなる。従って、送信コイル24は磁界を発生しなくな
る。
【0168】CPU10は送信時間T=200μs、受
信時間R=200μs、送信時間T=100μs、受信
時間R=100μs、送信時間T=600μs、受信時
間R=600μsの送受信を位置指示器20とタブレッ
ト1間で行わせる(ステップ79、図10の III)。
【0169】CPU10は選択回路2でループコイルX
を選択し、送受切替回路3を送信端子T側に切替え
て、T=200μsの間、送信電波(イ)を位置指示器
20に送信する。この送信電波により、共振回路32に
誘導電圧(ロ)が発生する。この送信時間T=200μ
sの送信動作により、第3の経62および第2の経路6
1から出力(ハ)および(ニ)が出力され、この出力
(ハ)の立ち下がりで、シリアルパラレル変換回路46
内で(ヘ)の出力を(ト)の出力にシフトし、第2の経
路61の出力(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に
(ヘ)の出力として取り込む。この立ち下がりの時の出
力(ヘ)のレベルは“L”であり、出力(ニ)のレベル
は“H”であるので、これにより、この時点でのデコー
ダ47への出力(ト)(ヘ)は“0”“1”となる。
【0170】次に、CPU10はT=100μsの送信
をタブレット1から位置指示器20に行わせる。この送
信電波により、共振回路32に誘導電圧(ロ)が発生す
る。この送信時間T=100μsの送信動作により、第
3の経路62から出力(ハ)が出力され、この出力
(ハ)の立ち下がりで、シリアルパラレル変換回路46
内で(ヘ)の出力を(ト)の出力にシフトし、第2の経
路61の出力(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に
(ヘ)の出力として取り込む。この立ち下がりのとき
の、出力(ヘ)は“H”レベルであり、出力(ニ)は
“L”レベルであるので、シリアルパラレル変換回路4
6の出力(ト)(ヘ)は“1”“0”となる。
【0171】次いで、CPU10はこの“10”データ
をスイッチ制御信号に変換させるために、送信時間T=
600μsの間、送信電波(イ)を位置指示器20に送
信する。
【0172】送信電波(イ)が600μs継続される
と、第3の経路62、第2の経路61、第1の経路60
の順で出力(ハ)、(ニ)、(ホ)を図示の如く発生す
る。出力(ホ)の立ち上がりでシリアルパラレル変換回
路46の出力“10”がデコーダ47に取り込まれる。
【0173】続いて、CPU10は受信時間R=600
μsの受信モードを実行する。これにより、誘導電圧
(ロ)は減衰し、出力(ハ)(ニ)(ホ)も“L”レベ
ルとなる。出力(ホ)の立ち下がりでシリアルパラレル
変換回路46はリセットされ、かつ、“10”を表すデ
ータがデコーダ47からラッチ回路48に取り込まれ
る。これにより、ラッチ回路48の出力Qが“H”レ
ベルとなり、出力Q及びQが“L”レベルとなる。
【0174】出力Qが“H”レベルとなると、この信
号を受信した単安定マルチバイブレータ49は2600
μsの間オンになり、“H”レベルの信号を伝える。
【0175】これにより、スイッチ53、54、55、
56、57の制御信号(チ)(リ)(ヌ)(ル)(ヲ)
のうち、出力(チ)(ヲ)が“L”レベルとなり、他の
出力(リ)(ヌ)(ル)は“H”レベルとなり、従っ
て、スイッチ53、57が開路状態となり、スイッチ5
4、55、56は閉路状態となる。
【0176】この動作により位置指示器20の“10”
モード設定が終了する(ステップ79)。
【0177】前述のように、ここで説明する第1の場合
では、回転角θr=30°、傾斜角θx=20°、傾斜
角θy=30°の場合である。
【0178】CPU10は位置指示器20が“10”モ
ードとなると、傾斜角θxを求めるために受信電圧を検
出するための部分スキャンに移行する(ステップ8
0)。
【0179】まず、CPU10は、求められた回転角を
基にして、X軸ループコイル又はY軸ループコイルの何
れか一方を、共振回路63と電波を送受信するループコ
イルとして選択する。これは、第1及び第2ピーク値を
算出する場合及びそれらピーク値の比率を計算する時に
は、より明確な信号を用いる方が、より信頼性の高い結
果が得られるからである。
【0180】第一実施例の装置では、回転角が−45°
<θr<45°及び135°<θr≦180°及び−1
35°<θr≦−180°の範囲にあり、共振回路63
から電波が出力される場合には、X軸ループコイルの受
信する電波の方がY軸ループコイルの受信する電波より
も強くなる。即ち、X軸ループコイルの出力信号の方が
大きくなる。−45°、45°、135°及び−135
°の境界部分では、X軸ループコイルの受信する電波と
Y軸ループコイルの受信する電波とは同じとなる。逆
に、回転角が上記以外の範囲にあるときには、Y軸ルー
プコイルの受信する電波の方が強くなり、Y軸ループコ
イルの出力信号の方が大きくなる。
【0181】従って、本実施例では、回転角が−45°
≦θr≦45°及び135°≦θr≦180°及び−1
35°≦θr≦−180°の範囲にある場合には、X軸
ループコイルが送受信用として選択され、回転角が上記
の範囲にないときにはY軸ループコイルが送受信用とし
て選択される。
【0182】上記のように、この場合には回転角θr=
30°のときであるので、CPU10は、送受信用ルー
プコイルとしてX軸ループコイルを選択する。
【0183】この部分スキャンでは、上記の位置指示器
20の中心位置を求めるための部分スキャンにおいて見
つけられ且つ記憶されたループコイルXとその前後合
わせて9つ(前方の4つと後方の4つ)のループコイル
をスキャンする。
【0184】CPU10は、まず、タブレット1からの
送信のためのループコイルとしてループコイルXを選
択回路2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに
接続する。この状態で、ループコイルXは送信電波
(イ)を位置指示器20に100μs送出する。この送
信電波(イ)により位置指示器20の共振回路63が励
振され誘導電圧(ワ)が発生する。CPU10は、ルー
プコイルXから送信電波(イ)を送出した後、送受切
替回路3を受信端子R側に切替え、ループコイルX
100μsの間受信モードとする。
【0185】共振回路63に発生された前記誘導電圧に
より、束ねられた磁性体コア22、23の1組の側面か
ら、即ち、傾斜検出コイル27の囲む範囲から、交流磁
界が発生される。(束ねられた磁性体コア22、23
は、1つの磁性体コアと見なすことができ、以下、この
束ねられた磁性体コアを1つの磁性体コアとみなす場合
に、それを磁性体コアWという。)それによって、磁性
体コアWの該1組の側面から前記タブレット1に電波が
送出され、受信モードになっているループコイルX
その電波を受信する。
【0186】即ち、CPU10は、ループコイルX
ら電波を送信し、ループコイルXで電波を受信するよ
うに制御する。この結果、タブレット1で位置指示器2
0の磁性体コアWから出力される電波が検出され、この
ループコイルXの受信モードにおいて、前記ステップ
70で説明したと同様な動作でタブレット1で受信信号
(a)、(b)が得られる。
【0187】上記のような部分スキャン動作が、ループ
コイルX5、X、X、X、X、X10、X11、X
12及びX13をそれぞれ選択して順次行われる。その結
果、図10の(b)に示す信号が出力される。
【0188】CPU10は、タブレット1で得られたそ
れら信号の中から、第1最大値(Vx1p)及びその前後
の値(Vx1a、Vx1b)と、第2最大値(Vx2p)及びそ
の前後の値(Vx2a、Vx2b)とを抽出する。これらを抽
出するために、CPU10は、まず、ループコイルX
から、ループコイル番号の大きい方に向かって順に、1
つのループコイルの出力信号と、その隣りのループコイ
ルの出力信号とを比較して行き(Xの出力信号とX
の出力信号、Xの出力信号とXの出力信号、・・・
と比較していく)、該1つのループコイルの出力信号よ
りも該隣のループコイルの出力信号が小さくなったと
き、該隣のループコイルの出力信号をVx1bとし、該1
つのループコイルの出力信号をVx1pとし、該1つのル
ープコイルの1つ前のループコイルの出力信号をVx1a
と決定する。次に、CPU10は、ループコイルX13
ら、ループコイル番号の小さい方に向かって順に、1つ
のループコイルの出力信号と、その隣りのループコイル
の出力信号と比較して行き(X13の出力信号とX12の出
力信号、X12の出力信号とX11の出力信号、・・・と比
較していく)、該1つのループコイルの出力信号よりも
該隣のループコイルの出力信号が小さくなったとき、該
隣のループコイルの出力信号をVx2aとし、該1つのル
ープコイルの出力信号をVx2pとし、該1つのループコ
イルの1つ前のループコイルの出力信号をVx2bとす
る。
【0189】第1の場合(θr=30°θx=20°θ
y=30°)では、タブレット1において、X軸方向の
部分スキャンのループコイルXの受信モードで第1最
大値電圧Vx1p=0.79Vを得、その前後のループコ
イルX、Xの受信モードで電圧Vx1a=0.51
V、Vx1b=0.58Vをそれぞれ得、そして、ループ
コイルX10の受信モードで第2最大値電圧Vx2p=1.
18Vを得、その前後のループコイルX、X11の受信
モードで電圧Vx2a=0.45V、Vx2b=1.15Vを
それぞれ得る。即ち、ループコイルX、X、X
ら電圧Vx1a、Vx1p、Vx1b(0.51V、0.79
V、0.58V)を得、ループコイルX、X1 0、X11
から電圧Vx2a、Vx2p、Vx2b(0.45V、1.18
V、1.15V)を得る。
【0190】次に、CPU10は、待ち時間800μs
を実行する。この待ち時間の間に、単安定マルチバイブ
レータ49の上記の2600μsのオン期間が終了し、
単安定マルチバイブレータ49がオフになり、信号
(リ)(ヌ)及び(ヲ)が“L”となる。即ち、スイッ
チ53、54、55、56、57が開かれ、それによっ
て、傾斜検出コイル27及び28は開路となり共振不可
能となり、制御コイル25、26は開路となり電流が発
生しなくなり、送信コイル24とコンデンサ31とで構
成される共振回路32が共振可能な状態となる。
【0191】CPU10は位置指示器20の傾斜角θx
を決定するめの受信信号の信号強度の補正値Vx及び
Vx、即ち、第1ピーク値及び第2ピーク値を前記(1
1)式により求める。前記(11)式のCは第1ピーク値
及び第2ピーク値に対応する。即ち、(11)式のVa、
Vb、Vpに、Vx1a、Vx1b、Vx1pを代入してVx
を求め、同様にVx2a、Vx2b、Vx2pを代入してV
を求める。(ステップ80)。
【0192】その結果、第1ピーク値Vx=0.79
V、第2ピーク値Vx=1.26Vと求められる。
(本明細書におけるすべての実施例において、電圧値は
小数点第3位を四捨五入した値を示している。)
【0193】3.3.2 傾斜角θyを求めるための部
分スキャン CPU10は、次に、傾斜検出コイル28及びコンデン
サ35で構成される共振回路64を共振状態とする“1
1”モード設定動作を開始する(ステップ81)。即
ち、位置指示器20の傾斜角θyを求めるための設定を
する。共振回路64は、位置指示器20の座標系のY軸
方向の傾斜を検出するように配置されている。
【0194】図11は、傾斜角θyを求めるときの、図
1及び図3に×印で示した点の波形図である。
【0195】CPU10は、制御コイル25および26
を短絡状態にし、スイッチ53を開放状態にし、共振回
路63を開路状態にし、共振回路64を閉路状態にする
為に、スイッチ53及び56を開き且つスイッチ54、
55及び57を閉じるための“11”モード信号を位置
指示器20に送信し、“11”モード設定ステップを実
行する(ステップ81)。
【0196】CPU10は送信時間T=200μs、受
信時間R=200μs、送信時間T=200μs、受信
時間R=200μs、送信時間T=600μs、受信時
間R=600μsの送受信を位置指示器20とタブレッ
ト1間で行わせる(ステップ81、図11のIV)。
【0197】CPU10は選択回路2でループコイルX
を選択し、送受切替回路3を送信端子T側に切替え
て、T=200μsの間、送信電波(イ)を位置指示器
20に送信する。この送信電波により、共振回路32に
誘導電圧(ロ)が発生する。この送信時間T=200μ
sの送信動作により、第3の経路62および第2の経路
61から出力(ハ)および(ニ)が出力され、この出力
(ハ)の立ち下がりで、シリアルパラレル変換回路46
内で(ヘ)の出力を(ト)の出力にシフトし、第2の経
路61の出力(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に
(ヘ)の出力として取り込む。この立ち下がりのときの
出力(ヘ)のレベルは“L”であり、出力(ニ)のレベ
ルは“H”であり、これにより、この時点でのデコーダ
47への出力(ト)(ヘ)は“0”“1”となる。
【0198】次に、CPU10はT=200μsの送信
をタブレット1から位置指示器20に行わせる。この送
信電波により、共振回路32に誘導電圧(ロ)が発生す
る。この送信時間T=200μsの送信動作により、第
3の経路62および第2の経路61から出力(ハ)
(ニ)がそれぞれ出力され、この出力(ハ)の立ち下が
りで、シリアルパラレル変換回路46内で(ヘ)の出力
を(ト)の出力にシフトし、第2の経路61の出力
(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に(ヘ)の出力
として取り込む。この立ち下がりのときの出力(ヘ)の
レベルは“H”であり(ニ)のレベルも“H”である。
これより、シリアルパラレル変換回路46からのデコー
ダ47への出力(ト)および(ヘ)は“1”“1”とな
る。
【0199】次いで、CPU10はこの“11”データ
をスイッチ制御信号に変換させるために、送信時間T=
600μsの間、送信電波(イ)を位置指示器20に送
信する。
【0200】送信電波(イ)が600μs継続される
と、第3の経路62、第2の経路61、第1の経路60
の順で出力(ハ)、(ニ)、(ホ)が図示の如く発生さ
れる。出力(ホ)の立ち上がりでシリアルパラレル変換
回路46の出力“11”がデコーダ47に取り込まれ
る。
【0201】続いて、CPU10は受信時間R=600
μsの受信モードを実行する。これにより、誘導電圧
(ロ)は減衰し、出力(ハ)(ニ)(ホ)も“L”レベ
ルとなる。出力(ホ)の立ち下がりでシリアルパラレル
変換回路46はリセットされ、かつ、“11”を表すデ
ータがデコーダ47からラッチ回路48に取り込まれ
る。“11”を表すデータを取り込んだラッチ回路48
の出力Qは“H”レベルとなり、出力Q及びQ
“L”レベルとなる。
【0202】出力Qが“H”レベルとなると、この信
号を受信した単安定マルチバイブレータ50は2600
μsの間オンになり、“H”レベルの信号を伝える。
【0203】これにより、スイッチ53、54、55、
56、57の制御信号(チ)(リ)(ヌ)(ル)(ヲ)
のうち、出力(チ)及び(ル)が“L”レベルとなり、
出力(リ)(ヌ)(ヲ)は“H”レベルとなり、スイッ
チ53、56は開路状態となり、スイッチ54、55、
57が閉路状態となる。この動作により、位置指示器2
0の共振回路63が共振不可能となり、共振回路64が
共振可能となり、スイッチ53が開放され、制御コイル
25、26が短絡されて共振回路32が共振不可能にな
る“11”モード設定が終了する(ステップ116)。
制御コイル25、26を短絡するのは、上記の“10”
モードの場合と同様に、各コイルは、コア中に、それぞ
れ異なった方向の磁界を発生させようとするため、1つ
のコイルを選択しているときに、他のコイルがコア中の
磁界に影響を与えないように開放又は短絡とするのがよ
いからである。
【0204】CPU10は位置指示器20が“11”モ
ードとなると、この“11”モードにおける受信電圧を
検出するための部分スキャンに移行する(ステップ8
2)。
【0205】前記の“10”モードにおいて、傾斜検出
コイル27からの電波をX軸ループコイルが受信するこ
とをCPU10が決定した場合には、CPU10は、こ
の11”モードにおいて傾斜検出コイル28からの電波
をY軸ループコイルに受信させる。逆に、“10”モー
ドにおいて、CPU10が傾斜検出コイル27からの電
波をY軸ループコイルに受信させた場合には、“11”
モードにおいて傾斜検出コイル28からの電波をX軸ル
ープコイルに受信させる。
【0206】上記の“10”モードでX軸ループコイル
が送受信用のループコイルとして選択されたので、CP
U10は、このステップではY軸ループコイルを送受信
用ループコイルとして選択する。
【0207】この部分スキャンでは、上記の位置指示器
20の中心位置を求めるための部分スキャンにおいて求
められ且つ記憶されたループコイルY12とその前後合わ
せて9つ(前方の4つと後方の4つ)のループコイルを
スキャンする。
【0208】CPU10は、まず、タブレット1からの
送信のためのループコイルとしてループコイルYを選
択回路2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに
接続する。この状態で、ループコイルYは送信電波
(イ)を位置指示器20に100μs送出する。この送
信電波(イ)により位置指示器20の共振回路64が励
振され誘導電圧(カ)が発生される。CPU10は、ル
ープコイルYに送信電波(イ)を送出させた後、送受
切替回路3を受信端子R側に切替え、ループコイルY
を100μsの間受信モードとする。
【0209】共振回路64に発生された前記誘導電圧に
より磁性体コアWの他の1組の側面(共振回路63が共
振したときに交流磁界が発生する前記1組の側面と直交
する側面の組)から、即ち、傾斜検出コイル28の囲む
範囲から交流磁界が発生され、磁性体コアWから前記タ
ブレット1に電波が送出され、受信モードになっている
ループコイルYがその電波を受信し、前記ステップ7
0で説明したと同様な動作でタブレット1で受信信号
(a)、(b)が得られる。
【0210】この部分スキャン動作が、ループコイルY
、Y、Y10、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15及びY
16をそれぞれ選択して順次行われる。その結果、図11
の(b)に示す一連の信号が出力される。
【0211】CPU10は、これらの信号の中から、第
1最大値(Vy1p)及びその前後の値(Vy1a、Vy1b
と、第2最大値(Vy2p)及びその前後の値(Vy2a、V
y2b)とを抽出する。これらを抽出するために、CPU
10は、まず、ループコイルYから、ループコイル番
号の大きい方に向かって順に、1つのループコイル出力
信号と、その隣のループコイルの出力信号とを比較して
行き(Yの出力信号とYの出力信号、Yの出力信
号とY10の出力信号、・・・と比較して行く)、該1つ
のループコイルの出力信号よりも該隣のループコイルの
出力信号が小くなったとき、該隣のループコイルの出力
信号をVy1bとし、該1つのループコイルの出力信号を
Vy1pとし、該1つのループコイルの1つ前のループコ
イルの出力信号をVy1aとする。次に、CPU10は、
ループコイルY16から、ループコイル番号の小さい方に
向かって順に、1つのループコイル出力信号と、その隣
のループコイルの出力信号とを比較して行き(Y16の出
力信号とY15の出力信号、Y15の出力信号とY14の出力
信号、・・・と比較して行く)、該1つのループコイル
の出力信号よりも該隣のループコイルの出力信号が小く
なったとき、該隣のループコイルの出力信号をVy2a
し、該1つのループコイルの出力信号をVy2pとし、該
1つのループコイルの1つ前のループコイルの出力信号
をVy2bとする。
【0212】この第1の場合(θr=30°、θx=2
0°、θy=30°)では、タブレット1において、Y
軸方向の部分スキャンのループコイルY10の受信モード
で第1最大値電圧Vy1p=0.57Vを得、その前後の
ループコイルY、Y11の受信モードで電圧Vy1a
0.41V、Vy1b=0.40Vをそれぞれ得、そし
て、ループコイルY14の受信モードで第2最大値電圧V
y2p=1.09Vを得、その前後のループコイルY13
15の受信モードで電圧Vy2a=0.51V、Vy2b
1.04Vをそれぞれ得る。即ち、ループコイルY
10、Y11から電圧Vy1 a、Vy1p、Vy1b(0.41
V、0.57V、0.40V)を得、ループコイル
13、Y14、Y15から電圧Vy2a、Vy2p、Vy2b(0.
51V、1.09V、1.04V)を得る。
【0213】次に、CPU10は、待ち時間800μs
を実行する。この待ち時間の間に、単安定マルチバイブ
レータ50の上記の2600μsのオン期間が終了し、
単安定マルチバイブレータ50がオフになり、信号
(リ)、(ヌ)及び(ヲ)が“L”となる。即ち、スイ
ッチ53、54、55、56、57が開かれ、傾斜検出
コイル27、28は開路となり共振不可能となり、制御
コイル25、26は開路となり電流が発生しなくなり、
送信コイル24とコンデンサ31とで構成される共振回
路32が共振可能な状態となる。
【0214】CPUは、位置指示器20の傾斜角θyを
決定するための受信信号の信号強度の補正値Vy1とV
y2、即ち、第1ピーク値及び第2ピーク値を、前記(1
1)式により求める。即ち、Va、Vb、Vpに、Vy
1a、Vy1b、Vy1pを代入してVyを求め、同様にV
2a、Vy2b、Vy2pを代入してVyを求める(ステ
ップ82)。
【0215】計算された第1ピーク値Vy1=0.57V
であり、第2ピーク値Vy2=1.14Vである。
【0216】この部分スキャン動作(ステップ75〜8
2)で受信信号レベルが所定のしきい値以下であれば、
CPU10は位置指示器20はタブレット1上にないと
判別して、処理動作をステップ70に戻す(ステップ8
3)。
【0217】更に、CPU10は位置指示器20のタブ
レット1上の軌跡を追従するために、ステップ76で得
たループコイルの番号を記憶する(ステップ84)。
【0218】次に、CPU10は、VxとVxとの
比率から位置指示器20の傾斜角θxを求め、Vy
Vyとの比率から傾斜角θyを求める(ステップ8
5)。
【0219】CPU10はこの位置指示器20の傾きを
検出すると、部分スキャンを継続するためステップ75
以下のステップを繰り返す。
【0220】3.3.3 傾斜角θx及びθyを求める 次に、CPU10は傾斜角θx及びθyを求める(ステ
ップ85)。
【0221】図23はV1とV2の比率と、傾斜角との
関係を示すグラフである。V1は一方のピークの値、V
2は他方のピークの値を表す。即ち、このグラフは、第
一実施例の装置において検出されたピーク値VxとV
の比率と傾斜角との関係及びピーク値VyとVy
の比率と傾斜角との関係を表す。この実施例では、ピ
ーク値の比率と傾斜角との間に次の関係が成り立つ。
【0222】
【数7】 上記の(16)式は、回転角θrが−45°と+45°の
間にあり且つ第1ピーク値及び第2ピーク値をそれぞれ
V1及びV2とした場合についての式である。この式の
関係は、すべての回転角θrの場合に対して適合させる
ことが可能である。
【0223】上記(16)式の関係をすべての回転角θr
の場合に対して適合させるために、CPU10は、傾斜
角θxを求めるときに、回転角θrに基づいて、Vx
(第1ピーク値)とVx(第2ピーク値)の何れか一
方をV1とし且つ他方をV2と決定し、また、傾斜角θ
yを求めるときに、Vy(第1ピーク値)とVy
(第2ピーク値)の何れか一方をV1とし且つ他方を
V2と決定する。
【0224】位置指示器20の傾斜角θx及びθyは、
位置指示器20の座標系を基準として示される。そし
て、位置指示器20の座標系は、回転角θrと同じだけ
回転する。従って、位置指示器20が回転した場合に
は、傾斜検出コイルが、反対向になってループコイルに
対向する場合がある。その場合には、位置指示器20の
座標系における同じ方向への傾斜であっても、第1ピー
クの大きさと第2ピークの大きさが逆転する。従って、
ピーク値の比率を計算する際にV1の値とV2の値とを
入れ替える必要がある。
【0225】例えば、位置指示器20の回転角θrが0
°であり且つ位置指示器20の座標系のX軸の正(+)
の方向に傾斜している場合には、傾斜検出コイル27か
らの信号により、タブレット1のX軸ループコイルの小
さいループコイル番号の方に低いピークが発生し、大き
いループコイル番号の方に高いピークが発生する。しか
し、回転角θrが180°であり且つ上記と同様に位置
指示器20の座標系のX軸の正(+)の方向に傾斜して
いる場合には、傾斜検出コイル27からの信号により、
タブレット1のX軸ループコイルの小さいループコイル
番号の方に高いピークが発生し、大きいループコイル番
号の方に低いピークが発生する。以下、ループコイル番
号の小さい方に発生するピークを第1ピークといい、ル
ープコイル番号の大きい方に発生するピークを第2ピー
クという。
【0226】また、傾斜検出コイル27からの信号をY
軸ループコイルで受ける場合及び傾斜検出コイル28か
らの信号をX軸ループコイルで受ける場合にも、上記同
様に、ピークの出方が逆になる場合がある。
【0227】図24は、回転角θrの範囲と、傾斜角
(θx及びθy)及び傾斜方向(位置指示器の座標系の
軸の正の方向への傾斜を「+」、負の方向への傾斜を
「−」で表す)と、第1ピークの大きさ(第2ピークと
比較して高い場合には「高」、低い場合には「低」と表
す)と、第2ピークの大きさ(第1ピークと比較して高
い場合には「高」、低い場合には「低」と表す)と、傾
斜角を検出するのに用いられる傾斜検出コイル(27又
は28)と、傾斜検出コイルを共振させる信号を送り且
つ傾斜検出コイルから誘導電圧信号を受信するための、
前記の如く回転角に基づいて決定されるループコイル
と、の関係を示す。
【0228】ここで、図24に記載のデータのうちの、
−45°<θr<+45°の場合と、+45°<θr<
+135°の場合とにおける、「θy」が「+」の場合
(即ち、位置指示器の座標系のY軸の正の方向に傾斜し
ている場合)を例として、第1ピークと第2ピークとが
逆転する場合を示す。
【0229】−45°<θr<+45°の場合には、θ
yを求めるためにY軸ループコイルから傾斜検出コイル
28に信号が送られ、その信号を受信した傾斜検出コイ
ル28が共振し、傾斜検出コイル28からY軸ループコ
イルに信号が送り返される。θyが正の値(+)である
場合、即ち、位置指示器20が、位置指示器20の座標
系のY軸の正の方向に傾斜している場合には、タブレッ
トで受けられる信号の第1ピークが低くなり、第2ピー
クが高くなる。(前記(17)式は、−45°<θr<
+45°の場合を基準としているので、上記(17)式か
らθyを求めるために、Vy/Vyを計算する。)
【0230】これに対して、+45°<θr<+135
°の場合には、θyを求めるためにX軸ループコイルか
ら傾斜検出コイル28に信号が送られ、その信号を受信
した傾斜検出コイル28が共振し、コイル28からX軸
ループコイルに信号が送り返される。θyが正の値
(+)である場合、即ち、位置指示器20が、上記と同
じように、位置指示器20の座標系のY軸の正の方向に
傾斜している場合には、タブレットで受けられる信号の
第1ピークが高くなり、第2ピークが低くなる。(従っ
て、+45°<θr<+135°の場合において、上記
(17)式からθyを求めるためには、Vy/Vy
はなく、Vy/Vyを計算する必要がある。)
【0231】CPU10は、すべての場合に対して(1
7)式を適合させるために、θrの値を基に、第1ピー
ク値をV1とし且つ第2ピーク値をV2として用いる
か、又は第1ピーク値をV2とし且つ第2ピーク値をV
1として用いるかを決定する。本実施例では、各θrの
範囲においてθx及びθyを上記の(17)式から求める
ために以下のように第1ピーク値と第2ピーク値の比率
を計算する。
【0232】1)−45°≦θr≦+45°の範囲で
は、θxを求めるためにVx/Vxを計算し、θy
を求めるためにVy/Vyを計算する。
【0233】2)+45°<θr<+135°の範囲で
は、θxを求めるためにVx/Vxピーク値を計算
し、θyを求めるためにVy/Vyを計算する。
【0234】3)+135°≦θr≦+180°且つ−
135°≦θr<−180°の範囲では、θxを求める
ためにVx/Vxを計算し、θyを求めるためにV
/Vyを計算する。
【0235】4)−45°<θr<−135°の範囲で
は、θxを求めるためにVx/Vxを計算し、θy
を求めるためにVy/Vyを計算する。
【0236】第1の場合ではθr=30°、即ち、−4
5°≦θr≦+45°の範囲にあるため、CPU10
は、傾斜角θxを求めるために、VxをV1とし且つ
VxをV2とし、以下のように計算する。
【0237】V2/V1=Vx/Vx=1.26/
0.79=1.6 そして、V2/V1=1.6に対応する傾斜角を上記の
(17)式から算出する。その結果、傾斜角θx=20°
が算出される。
【0238】次に、CPU10は、傾斜角θyを求める
ために、VyをV1とし且つVyをV2とし、以下
のように計算する。
【0239】V2/V1=Vy/Vy=1.14/
0.57=2.0 そして、V2/V1=2.0に対応する傾斜角を上記の
(17)式から算出する。その結果、傾斜角θy=30°
が算出される。
【0240】CPU10はこの位置指示器20の傾斜角
θx及びθyを求めると、部分スキャンを継続するため
ステップ75以下のステップを繰り返す。
【0241】4. θr、θx、θyが別の値の場合の
第一実施例の動作 次に、第一実施例の動作の別の例として、図4及び図5
と、図8、図9、図12及び図13とを参照して、第2
の場合について説明する。図12及び13もまた、図1
及び図3に×印で示した点の出力を示す出力波形図であ
る。図8、図9、図12及び図13もまた図面の寸法
上、図16に示す如き1つの図面を4つに分けて示した
ものである。図16は、図8、図9、図12及び図13
の結合関係を示す図である。
【0242】ここでは第2の場合として、第1の場合と
同様に位置指示器20の位置がループコイルXとルー
プコイルY11とが交差する範囲にあるが、回転角θrが
60°であり、傾斜角θx=20°、θy=30°であ
る場合を説明する。
【0243】回転角θrを求めるステップまで(ステッ
プ70〜78)の動作は、上記の第1の場合と同じであ
る。ただし、第2の場合には、これらのステップを経て
求められた回転角θrは60°となる。
【0244】CPU10は、求められた回転角を基にし
て、X軸ループコイル又はY軸ループコイルの何れが、
傾斜検出コイル27及びコンデンサ34で構成される共
振回路63に電波を送り且つそこから返される電波を受
けるかを決定する。計算された回転角θrが60°、即
ち、45°<θr<135°の範囲にあるので、CPU
10は、タブレット1の送受信用ループコイルとしてY
軸ループコイルを選択する。
【0245】次に、傾斜角θxを求めるためのステップ
を行う。図12は傾斜角θxを求めるときの、図1及び
図3に×印で示した点の出力を示す波形図である。
【0246】まず、“10”モードの設定を行う(ステ
ップ79、図12の区間 III)。この動作もまた、前記
第1の場合における動作と同じである。この動作によ
り、傾斜検出コイル27とコンデンサ34で構成される
共振回路63が共振可能な状態となる。
【0247】“10”モードの設定が終了すると、部分
スキャンを開始する。この部分スキャンでは、上記の位
置指示器20の中心位置を求めるための部分スキャンに
おいて求められ且つ記憶されたループコイルY12とその
前後合わせて9つ(前方の4つと後方の4つ)のループ
コイルをスキャンする。
【0248】CPU10は、まず、タブレット1からの
送信のためのループコイルとしてループコイルYを選
択回路2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに
接続する。この状態で、ループコイルYは送信電波
(イ)を位置指示器20に100μs送出する。この送
信電波(イ)により位置指示器20の共振回路63が励
振され誘導電圧(ワ)が発生される。CPU10は、ル
ープコイルYに送信電波(イ)を送出させた後、送受
切替回路3を受信端子R側に切替え、ループコイルY
を100μsの間受信モードとする。
【0249】共振回路63に発生された前記誘導電圧に
より磁性体コアWの1組の側面から交流磁界が発生さ
れ、磁性体コアWから前記タブレット1に電波が送出さ
れ、受信モードになっているループコイルYがその電
波を受信する。
【0250】即ち、ループコイルYから傾斜検出コイ
ル27に電波を送信し、ループコイルYで傾斜検出コ
イル27からの電波を受信するようにする。この結果、
タブレット1で位置指示器20の磁性体コアWの1組の
側面から出力される電波がループコイルYで検出さ
れ、タブレット1で受信信号(a)、(b)が得られ
る。
【0251】この部分スキャン動作が、ループコイルY
、Y、Y10、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15及びY
16をそれぞれ選択して順次行われる。その結果、図12
の(b)に示す一連の信号が出力される。
【0252】CPU10は、これらの信号の中から、第
1最大値(Vx1p)及びその前後の値(Vx1a、Vx1b
と、第2最大値(Vx2p)及びその前後の値(Vx2a、V
x2b)とを抽出する。これらの値の抽出は、前記第1の
場合で説明したのと同様に行われる。
【0253】第2の場合(θr=60°、θx=20
°、θy=30°)では、この部分スキャンの、ループ
コイルY10の受信モードで第1最大値電圧Vx1p=0.
57Vを得、その前後のループコイルY、Y11の受信
モードで電圧Vx1a=0.40V、Vx1b=0.46Vを
それぞれ得、そして、ループコイルY15の受信モードで
第2最大値電圧Vx2p=0.91Vを得、その前後のル
ープコイルY14、Y16の受信モードで電圧Vx2a=0.
73V、Vx2b=0.61Vをそれぞれ得る。即ち、ル
ープコイルY、Y10、Y11から電圧Vx1a、Vx1p、V
x1b(0.40V、0.57V、0.46V)を得、ル
ープコイルY14、Y15、Y16から電圧Vx2 a、Vx2p、V
x2b(0.73V、0.91V、0.61V)を得る。
【0254】CPUは、位置指示器20の傾斜角θxを
決定するための受信信号の信号強度の補正値Vx1とV
x2、即ち、第1ピーク値及び第2ピーク値を、前記のよ
うに(11)式を用いて求める(ステップ80)。
【0255】計算された第1ピーク値Vx=0.57
Vであり、第2ピーク値Vx=0.91Vである。
【0256】次に、傾斜角θyを求めるためのステップ
を行う。図13は傾斜角θyを求めるときの、図1及び
図3に×印で示した点の出力を示す出力波形図である。
【0257】CPU10は、“10”モードにおける部
分スキャンにおいてY軸ループコイルを選択したので、
“11”モードにおいては、タブレット1の送受信用ル
ープコイルとしてX軸ループコイルを選択する。
【0258】まず、CPU10は“11”モードの設定
を行う(ステップ81、図13の区間 IV)。この動作
もまた、前記第1の場合における動作と同じである。こ
の動作によって、共振回路64が共振可能な状態とな
る。
【0259】この部分スキャンでは、上記の位置指示器
20の中心位置を求めるための部分スキャンにおいて求
められ且つ記憶されたループコイルXとその前後合わ
せて9つ(前方の4つと後方の4つ)のループコイルを
スキャンする。
【0260】CPU10は、まず、タブレット1からの
送信のためのループコイルとしてループコイルXを選
択回路2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに
接続する。この状態で、ループコイルXは送信電波
(イ)を位置指示器20に100μs送出する。この送
信電波(イ)により位置指示器20の傾斜検出コイル2
8とコンデンサ35とで構成される共振回路64が励振
され誘導電圧(カ)が発生される。CPU10は、ルー
プコイルXに送信電波(イ)を送出させた後、送受切
替回路3を受信端子R側に切替え、ループコイルX
100μsの間受信モードとする。
【0261】共振回路64に発生された前記誘導電圧に
より磁性体コアWの他の1組の側面から交流磁界が発生
され、磁性体コアWから前記タブレット1に電波が送出
され、受信モードになっているループコイルXがその
電波を受信する。
【0262】即ち、ループコイルXから傾斜検出コイ
ル28に電波を送信し、ループコイルXで傾斜検出コ
イル28からの電波を受信する。この結果、タブレット
1で位置指示器20の磁性体コアWの該他の1組の側面
から出力される電波がループコイルXで検出され、タ
ブレット1で受信信号(a)、(b)が得られる。
【0263】この部分スキャン動作が、ループコイルX
、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX
13をそれぞれ選択して順次行われる。その結果、図13
の(b)に示す一連の信号が出力される。
【0264】CPU10は、これらの信号の中から、第
1最大値(Vy1p)及びその前後の値(Vy1a、Vy1b
と、第2最大値(Vy2p)及びその前後の値(Vy2a、V
y2b)とを抽出する。これらの値の抽出は、前記第1の
場合で説明したのと同様に行われる。
【0265】第2の場合(θr=60°、θx=20
°、θy=30°)では、この部分スキャンの、ループ
コイルXの受信モードで第1最大値電圧Vy1p=1.
26Vを得、その前後のループコイルX、Xの受信
モードで電圧Vy1a=1.19V、Vy1b=0.53Vを
それぞれ得、そして、ループコイルX12の受信モードで
第2最大値電圧Vy2p=0.66Vを得、その前後のル
ープコイルX11、X13の受信モードで電圧Vx2a=0.
56V、Vy2b=0.43Vをそれぞれ得る。即ち、ル
ープコイルX、X、Xから電圧Vy1a、Vy1p、V
y1b(1.19V、1.26V、0.53V)を得、ル
ープコイルX11、X12、X13から電圧Vy2 a、Vy2p、V
y2b(0.56V、0.66V、0.43V)を得る。
【0266】CPUは、位置指示器20の傾斜角θyを
決定するための受信信号の信号強度の補正値Vy1とV
2、即ち、第1ピーク値及び第2ピーク値を、上記と
同様に、(11)式を用いて求める(ステップ82)。
【0267】計算された第1ピーク値Vy1=1.33
Vであり、第2ピーク値Vy2=0.67Vである。
【0268】この部分スキャン動作(ステップ75〜8
2)で受信信号レベルが所定のしきい値以下であれば、
CPU10は位置指示器20はタブレット1上にないと
判別して、処理動作をステップ70に戻す(ステップ8
3)。
【0269】更に、CPU10は位置指示器20のタブ
レット1上の軌跡を追従するために、ステップ76で最
大受信信号を得たループコイルの番号を記憶する(ステ
ップ84)。
【0270】次に、CPU10は、VxとVxとの
比率から位置指示器20の傾斜角θxを、VyとVy
との比率から傾斜角θyを求める(ステップ85)。
【0271】第2の場合にはθrは60°であり、即
ち、+45°<θr<+135°の範囲にあるので、θ
xを求めるためにVx/Vxを計算し、θyを求め
るためにVy/Vyを計算する。
【0272】V2/V1=Vx/Vx=0.91/
0.57=1.6 V2/V1=Vy/Vy=1.33/0.67=
2.0 そして、V2/V1=1.6に対応する傾斜角を上記
(17)式から算出し、その結果、傾斜角θx=20°が
得られれる。そして、V2/V1=2.0に対応する傾
斜角を上記(17)式から算出し、その結果、傾斜角θy
=30°が得られる。
【0273】CPU10はこの位置指示器20の傾斜角
θx及びθyを求めると、部分スキャンを継続するため
ステップ75以下のステップを繰り返す。
【0274】次に、更に、θr、θx、θyが別の値を
とる場合の例を示す。位置指示器20の位置が上記の例
と同様にループコイルXとループコイルY11とが交差
する範囲にあり、回転角θrが15°であり、傾斜角θ
x=20°、θy=30°とする。この場合には、θx
を求めるための値を得るために共振回路63及びX軸ル
ープコイルを用い、θyを求めるための値を得るために
共振回路64及びY軸ループコイルを用いる。
【0275】結果として、ループコイルX、X、X
から電圧Vx1a、Vx1p、Vx1b(0.75V、0.8
0V、0.30V)を得、ループコイルX10、X11、X
12から電圧Vx2a、Vx2p、Vx2b(0.92V、1.3
8V、0.77V)を得る。また、ループコイルY
10、Y11から電圧Vy1a、Vy1p、Vy1b(0.59
V、0.84V、0.62V)を得、ループコイル
13、Y14、Y15から電圧Vy2a、Vy2p、Vy2b(0.
65V、1.59V、1.44V)を得る。
【0276】上記の値からピーク値を計算すると、Vx
=0.85、Vx=1.38、Vy=0.84、
Vy=1.68となる。
【0277】第1ピーク値と第2ピーク値の比率は以下
のように計算する。
【0278】V2/V1=Vx/Vx=1.38/
0.85=1.6 V2/V1=Vy/Vy=1.68/0.84=
2.0 V2/V1=1.6からθx=20°が算出され、V2
/V1=2.0からθy=30°が算出される。
【0279】傾斜角θx=20°、θy=30°が同じ
であり、回転角θrが異なる3つの場合を上記で例示し
たが、上記のように、回転角θrが変化しても、傾斜角
θx及びθyが同じである場合には、常に同じ値(同じ
ピーク値の比率)が導きだされる。
【0280】次に、更に、θr、θx、θyの別の値を
とる場合の例を示す。位置指示器20の位置が上記の例
と同様にループコイルXとループコイルY11とが交差
する範囲にあり、回転角θrが30°であり、傾斜角θ
x=10°、θy=40°とする。この場合には、θx
を求めるための値を得るために共振回路63及びX軸ル
ープコイルを用い、θyを求めるための値を得るために
共振回路64及びY軸ループコイルを用いる。
【0281】結果として、ループコイルX、X、X
から電圧Vx1a、Vx1p、Vx1b(0.55V、0.8
2V、0.54V)を得、ループコイルX、X10、X
11から電圧Vx2a、Vx2p、Vx2b(0.35V、1.0
3V、0.81V)を得る。また、ループコイルY
10、Y11から電圧Vy1a、Vy1p、Vy1b(0.40
V、0.52V、0.41V)を得、ループコイル
13、Y14、Y15から電圧Vy2a、Vy2p、Vy2b(0.
52V、1.24V、1.21V)を得る。
【0282】上記の値からピーク値を計算すると、Vx
=0.82、Vx=1.06、Vy=0.52、
Vy=1.32となる。
【0283】第1ピーク値と第2ピーク値の比率は以下
のように計算する。
【0284】V2/V1=Vx/Vx=1.06/
0.82=1.3 V2/V1=Vy/Vy=1.32/0.52=
2.5 V2/V1=1.3からθx=10°が算出され、V2
/V1=2.5からθy=40°が算出される。
【0285】5. 変更可能な個所の例 なお、第一実施例の位置指示器20の電源回路36の充
電は任意の適切な方法で行うとよい。例えば、装置の始
動時に適当な充電期間を設け、その後は不足分について
送信コイル24で発生した誘導電圧の一部を随時取り込
むようにしてもよく、また、各モード設定期間において
又は各モードの動作の前や後に充電期間を設けて充電す
るようにしてもよく、また、上記の方法の組み合わせと
してもよい。
【0286】また、傾斜検出コイル27又は28が動作
状態にあるときに、共振回路32が磁界を発生しないよ
うに、共振回路32に制御コイル24を開放とする手段
を設け、送信コイル24を開放とするようにしてもよ
い。
【0287】また、傾斜検出コイル27又は28が動作
状態にあるときに、共振回路32が磁界を発生しないよ
うに、共振回路32に制御コイル24を短絡とする手段
を設け、送信コイル24を短絡とするようにしてもよ
い。
【0288】また、前記実施例のいずれの場合にも、ス
テップ75〜78では送信モードにループコイルX
選択回路2で選択する場合を示したが、ループコイルX
とループコイルYとは交差しており、位置指示器がルー
プコイルXとループコイルY12との交差する範囲内に
位置しており且つこれらのステップでは送信コイル24
が電波の受信及び送信を行うので、X軸方向の部分スキ
ャンの送信モードでループコイルY12を選択し、Y軸方
向の部分スキャンの送信モードでループコイルXを選
択してもよい。また、ステップ79及びステップ81の
モード設定期間においてループコイルXを選択回路2
で選択する場合を示したが、ループコイルY12を選択し
てもよい。
【0289】また、この実施例では、ピーク値の比率と
傾斜角との関係を数式で表し、その数式から傾斜角を求
めるようにしたが、ピーク値の各比率とそれに対応する
傾斜角とをテーブルに記憶し、そのテーブルから直接的
に傾斜角を求めるようにしてもよい。
【0290】また、傾斜角θx及びθyを求めた後に、
位置指示器のZ軸に対する傾斜角θzを、後に説明する
第三実施例で用いる式[θz=cos-1(cos θx
・cos θy)]を用いて求めるステップを加えても
よい。
【0291】II. 第二実施例 本第二実施例は、前記第一実施例の位置指示器主要部の
コイルの数を少なくし、構成をより簡単にしたものであ
る。
【0292】本第二実施例は前記第一実施例と比較する
と、図2に示す位置指示器20の磁性体コア22、23
のうち、磁性体コア22にのみ制御コイル25が横に巻
かれ、磁性体コア23には制御コイル26が巻かれない
点に特徴があり、図2に示す他の点は同様である。第二
実施例では、位置指示器20の外観は図2に示すものと
同じペンの形状であり、磁性体コア22、23、ペン先
21、クリップ29の配置は、第一実施例と同じであ
る。そして、第一実施例と同様に、該2個の磁性体コア
22及び23を束ねて1本のコイル24(以下、送信コ
イルと言う)が巻かれている。傾斜検出コイル27及び
傾斜検出コイル28もまた、第一実施例と同様に巻かれ
る。
【0293】図25は、本発明第二実施例の位置指示器
の要部回路の別の構成を示す。図25において、図3と
同一の符号は、図3に示したものとそれぞれ同一のもの
を示す。
【0294】送信コイル24にコンデンサ31が接続さ
れ、共振回路32が構成される。この共振回路32には
補償用のコンデンサ33が図示の如く接続されている。
この補償用のコンデンサ33は制御コイル25を閉じた
ときの共振回路32の共振周波数が送信電波(送信信
号)の周波数と一致するようにその容量が選択されてい
る。さらに、送信コイル24には、送信コイル24を短
絡するためのスイッチ58が設けられている。
【0295】傾斜検出コイル27にはコンデンサ34が
接続され共振回路63が構成され、傾斜検出コイル28
にはコンデンサ35が接続され共振回路64が構成され
る。
【0296】共振回路32は電源回路36、検波回路3
7、検波回路38、検波回路39にそれぞれ接続されて
いる。該検波回路37、積分回路40、コンパレータ4
3、及びそれらからなる第1の経路60と、検波回路3
8、積分回路41、コンパレータ44、及びそれらから
なる第2の経路61と、検波回路39、積分回路42、
コンパレータ45、及びそれらからなる第3の経路62
と、の構成も、第一実施例と同じである。
【0297】コンパレータ43、44、45のそれぞれ
からのシリアルパラレル変換回路46とデコーダ47と
ラッチ回路48への接続、シリアルパラレル変換回路4
6からデコーダ47への接続、及びデコーダ47からラ
ッチ回路48への接続も、第一実施例と同様である。
【0298】ラッチ回路48のQ出力は、コイル2
4、25、27、28の制御には用いられない。ラッチ
回路48のQ出力は、送信コイル24に補償用のコン
デンサ33を接続するためのスイッチ53を閉路又は開
路とする制御のために該スイッチ53に接続され、か
つ、制御コイル25を閉路又は開路とするスイッチ54
の開閉制御のために該スイッチ54に接続される。ラッ
チ回路48のQ出力は、単安定マルチバイブレータ4
9に接続される。単安定マルチバイブレータ49の出力
は、共振回路63を閉路又は開路とするスイッチ56の
開閉制御のために該スイッチ56に接続され、かつ、オ
ア回路52の一方の入力に接続される。ラッチ回路48
のQ出力は、単安定マルチバイブレータ50に接続さ
れる。単安定マルチバイブレータ50の出力は、共振回
路64を閉路又は開路とするスイッチ57の開閉制御の
ために該スイッチ57に接続され、かつ、オア回路52
の他方の入力に接続される。オア回路52の出力は、送
信コイル24を短絡とするためのスイッチ58の開閉制
御のために該スイッチ58に接続される。
【0299】次に、第二実施例の動作を説明する。
【0300】全面スキャン動作は、第一実施例と同じで
ある。全面スキャン動作が終了すると、部分スキャン動
作を開始する。
【0301】位置指示器20の位置を求めるための部分
スキャン動作を行うためのモード設定(“00”モー
ド)、回転角を求めるための部分スキャン動作を行うた
めのモード設定(“01”モード)、傾斜角θxを求め
るための部分スキャン動作を行うためのモード設定
(“10”モード)、及び傾斜角θyを求めるための部
分スキャン動作を行うためのモード設定(“11”モー
ド)を行うために、タブレット1から位置指示器20に
送られる信号は第一実施例のものと同じであり、その信
号を処理した結果としてラッチ回路48から出力される
信号も、第一実施例のものと同じである。各部分スキャ
ンにおいて使用するループコイルの選択、選択されたル
ープコイルから得られた信号からの必要な信号の選択、
選択された信号からのピーク値の計算、V2/V1の計
算、及び計算に用いるすべての式は、第一実施例と同じ
である。
【0302】従って、ここでは、第一実施例の動作と異
なる部分のみ説明する。
【0303】第一実施例では、共振回路63を共振可能
状態としたとき、及び共振回路64を共振可能状態とし
たときに、同時に、制御コイル25及び26の両方を閉
じる。それによって、送信コイル24に磁界が発生しな
いようにしている。
【0304】これに対して、第二実施例では、一方のコ
アにのみ制御コイル(25)が巻かれている。従って、
共振回路63を共振可能状態としたとき、及び共振回路
64を共振可能状態としたときに、同時に、送信コイル
24を短絡することによって、送信コイル24に磁界が
発生しないようにする。
【0305】即ち、第二実施例の構成では、第一実施例
と比較して、コイルの数が少ないため、より簡単な構成
となる。
【0306】以下に、ラッチ回路48以降の回路の動作
を簡単に説明する。
【0307】即ち、位置指示器の位置を求めるための部
分スキャン動作を行うための“00”モード設定動作に
おいて、ラッチ回路48のQ、Q、Q、Q出力
はそれぞれH、L、L、Lとなる。しかし、Q出力は
何れのコイルを制御するためにも用いられていないの
で、スイッチ58、53、54、56、57は開いた状
態である。従って、制御コイル25は開路となり、共振
回路63及び64もまた開路となり、送信コイル24と
コンデンサ31とで構成される共振回路32のみが共振
可能な状態となる。
【0308】回転角を求めるための部分スキャン動作を
行うための“01”モード設定動作において、ラッチ回
路48のQ、Q、Q、Q出力はそれぞれL、
H、L、Lとなる。Q出力がHになると、スイッチ5
3及び54が閉じられる。それによって、制御コイル2
5が短絡され、かつ、送信コイル24とコンデンサ31
とで構成される共振回路32に補償用のコンデンサ33
が接続されて共振回路32が共振可能な状態となる。Q
及びQ出力はLであるので、単安定マルチバイブレ
ータ49及び50はオフの状態となり、スイッチ56及
び57は開いた状態となる。
【0309】傾斜角θxを求めるための部分スキャン動
作を行うための“10”モード設定動作において、ラッ
チ回路48のQ、Q、Q、Q出力はそれぞれ
L、L、H、Lとなる。Q出力がHになると、単安定
マルチバイブレータ49が2600μsの間オンになり
H信号を出力する。このH信号によって、スイッチ56
が閉じられ、傾斜検出コイル27とコンデンサ34とが
接続され、共振回路63が共振可能となる。同時に、こ
のH信号はオア回路52の一方の入力に入力される。こ
のH信号を入力されたオア回路52はその出力部からH
信号を出力し、スイッチ58を閉じる。これによって送
信コイル24が短絡される。Q及びQ出力はLであ
るので、スイッチ54は開いた状態となり、かつ、単安
定マルチバイブレータ50はオフの状態となりスイッチ
57は開いた状態となる。
【0310】傾斜角θyを求めるための部分スキャン動
作を行うための“11”モード設定動作において、ラッ
チ回路48のQ、Q、Q、Q出力はそれぞれ
L、L、L、Hとなる。Q出力がHになると、単安定
マルチバイブレータ50が2600μsの間オンになり
H信号を出力する。このH信号によって、スイッチ57
が閉じられ、傾斜検出コイル28とコンデンサ35とが
接続され、共振回路64が共振可能となる。同時に、こ
のH信号はオア回路52の他方の入力に入力される。こ
のH信号を入力されたオア回路52はその出力部からH
信号を出力し、スイッチ58を閉じる。これによって送
信コイル24が短絡される。Q及びQ出力はLであ
るので、スイッチ54は開いた状態となり、かつ、単安
定マルチバイブレータ49はオフの状態となりスイッチ
56は開いた状態となる。
【0311】ここで説明していないその他の構成、信号
及び動作はすべて第一実施例と同じである。
【0312】III. 第三実施例 第三実施例の装置は、位置指示器の傾斜角度を検出す
る。
【0313】次に、本発明の第三実施例を図に基づいて
説明する。
【0314】1. 位置検出装置 第三実施例で用いる位置検出装置は、図1に示した第一
実施例の位置検出装置の回路構成と基本的に同じであ
る。ただし、CPU10の動作は第一実施例のものと部
分的に異なる。
【0315】2. 位置指示器の構成 図26は本発明第三実施例の位置指示器の共振回路部分
の説明図を示す。図26において、図2と同一符号は図
2示したものとそれぞれ同一のものを示す。
【0316】位置指示器(本実施例ではペン形の位置指
示器を示す)120のペン先21の付近に1個の磁性体
コア122を、その中心線上にペン先位置がくるように
配置し、この磁性体コア122に1本のコイル24(以
下、送信コイルと言う)が横に巻かれている。(第三実
施例のコア122と、第一実施例のコア22とコア23
とを合わせたものとは、機能上同等である。)このコイ
ル24の中心線と、ペン先21の位置と、位置指示器1
20の中心線と、磁性体コア122の長手方向の中心線
とは、一致するように構成されている。
【0317】そして、コイル27(傾斜検出コイル)
が、コア122に縦に、即ち、コア122の長手方向に
巻かれ、コイル28(傾斜検出コイル)が、傾斜検出コ
イル27と直交するように、コア122に縦に、即ち、
長手方向に図示の如く巻かれている。
【0318】即ち、位置指示器120をタブレット1の
検出面(上面)に垂直に配置したときに該検出面に対し
て垂直な面に一方の傾斜検出コイル(27又は28の一
方)が平行に巻かれ、該検出面に対して垂直かつ該一方
のコイルが巻かれた面に直交する面に平行に他方の傾斜
検出コイル(27又は28の他方)が巻かれ、該検出面
に対して平行な面に平行に送信コイル24が巻かれてい
る。
【0319】更に好適には、位置指示器120の回転を
目測で判断するときの基準の1つとなる位置(本実施例
では図26に示すクリップの位置)と位置指示器120
の中心線とを含む平面と、傾斜検出コイル27(又は傾
斜検出コイル28)が巻かれた面とが、一致するように
する。
【0320】図27は、該位置指示器の要部回路構成図
を示す。図27において、図3と同一符号は図3に示し
たものとそれぞれ同一のものを示す。
【0321】送信コイル24にコンデンサ31が接続さ
れ、共振回路32が構成される。そして、共振回路32
には、送信コイル24を短絡するためのスイッチ90が
接続される。
【0322】傾斜検出コイル27にはコンデンサ34が
接続され共振回路63が構成され、傾斜検出コイル28
にはコンデンサ35が接続され共振回路64が構成され
る。
【0323】共振回路32は電源回路36、検波回路3
7、検波回路38、検波回路39にそれぞれ接続されて
いる。該検波回路37は時定数が大の積分回路40に接
続され、検波回路38は時定数が中の積分回路41に接
続され、該検波回路39は時定数が小の積分回路42に
接続されている。該積分回路40はコンパレータ43
に、積分回路41はコンパレータ44に、積分回路42
はコンパレータ45にそれぞれ接続されている。このコ
ンパレータ43はシリアルパラレル変換回路86のリセ
ット端子R、デコーダ47及びラッチ回路48に接続さ
れ、コンパレータ44は該シリアルパラレル変換回路4
6のデータ端子Dに接続され、コンパレータ45はシリ
アルパラレル変換回路46のクロック端子CLに接続さ
れている。これらの構成は第一実施例と同じである。
【0324】シリアルパラレル変換回路46のQ出力
およびQ出力は、デコーダ(2進10進デコーダ)4
7の入力端子AおよびBにそれぞれ接続されている。
【0325】デコーダ47の出力端子Q、Q、Q
及びQは、ラッチ回路48の入力端子A、A、A
及びAに、それぞれ接続されている。ラッチ回路4
8のQ出力は、単安定マルチバイブレータ49に接続
される。単安定マルチバイブレータ49の出力は、共振
回路63を閉路又は開路とするスイッチ56の開閉制御
のためにスイッチ56に接続され、かつ、オア回路52
の一方の入力に接続される。ラッチ回路48のQ出力
は、単安定マルチバイブレータ50に接続される。単安
定マルチバイブレータ50の出力は、共振回路64を閉
路又は開路とするスイッチ57の開閉制御のために該ス
イッチ57に接続され、かつ、オア回路52の他方の入
力に接続される。オア回路52の出力は、制御コイル2
4を短絡するためのスイッチ90の開閉制御のために該
スイッチ90に接続される。
【0326】ここで、前記検波回路37、積分回路40
およびコンパレータ43は、前記シリアルパラレル変換
回路46の端子Rに出力を供給する第1の経路60を形
成し、該積分回路40の時定数と該コンパレータ43の
基準値との関係は前記タブレット1からの送信電波が第
1の所定時間(本実施例では、350μs程度の時間)
送信された場合に出力信号を出力する様に構成されてい
る。
【0327】前記検波回路38、積分回路41およびコ
ンパレータ44は、前記シリアルパラレル変換回路46
の端子Dに出力を供給する第2の経路61を形成し、該
積分回路41の時定数と該コンパレータ44の基準値と
の関係は前記タブレット1からの送信電波が第2の所定
時間(本実施例では、150μs程度の時間)送信され
た場合に出力信号を出力する様に構成されている。
【0328】前記検波回路39、積分回路42およびコ
ンパレータ45は、前記シリアルパラレル変換回路46
の端子CLに出力を供給する第3の経路62を形成し、
該積分回路42の時定数と該コンパレータ45の基準値
との関係は前記タブレット1からの送信電波が第3の所
定時間(本実施例では、40〜50μs程度の時間)送
信された場合に出力信号を出力する様に構成されてい
る。これらの経路の構成は第一実施例のものと同じであ
る。
【0329】この様に構成した本発明第三実施例の動作
を、図28、図29、図30、図31、図32、図33
及び図34を参照して説明する。
【0330】第三実施例の装置では、最初に、位置指示
器120の指示する位置を求め、次に、位置指示器12
0の傾斜角を求める。
【0331】図28および図29は、タブレット1のC
PU10内に記憶された動作制御プログラムのフローチ
ャートを示す。
【0332】本発明では、第一実施例と同様の2つの座
標系を用いる。1つはタブレット1の座標系であり、他
の1つは位置指示器120の座標系である。
【0333】第三実施例の装置は回転角を求めないの
で、位置指示器120の座標系の基準位置(回転前の所
定の位置)を定める必要がない。また、回転角を求めな
いので、位置指示器120がどの方向に傾斜しているか
を示さない。傾斜角は、単に、Z軸から何度傾斜してい
るかを表すようにする。
【0334】第三実施例における傾斜角を求めるための
原理は、第一実施例における傾斜角を求めるための原理
と同じである。
【0335】3. 動作の説明 3.1 全面スキャン 本装置の動作は前記動作制御プログラムに基づいて行わ
れる。
【0336】まず、位置指示器120がタブレット1の
どの位置に置かれたかを検出する為のX軸全面スキャン
が行われる(ステップ150)。
【0337】図30及び図31は、全面スキャン時の、
図1及び図27に×印で示した点の出力を示す波形図で
ある。ただし、図30および図31は図面の寸法上図3
7に示す如く1つの図面を2つに分けて示したものであ
る。図37は、図30と図31との結合関係を示す図で
ある。
【0338】図30を参照すると、CPU10はループ
コイルXを選択回路2に選択させ、送受切替回路3を
送信側端子Tに接続させ、前記ループコイルXに発信
器11の正弦波交流信号を供給する。これにより、ルー
プコイルXから共振回路32に共振周波数の送信電波
(イ)が送信される。
【0339】CPU10は、この送信モードを所定時間
(例えばT=100μs)実行すると、次に選択回路2
はループコイルXを保持した状態で送受切替回路3を
受信側に切替えて位置指示器120からの信号を受信す
る受信モードを所定時間(例えばR=100μs)実行
する。
【0340】他方、位置指示器120は全面スキャンモ
ードのときは、スイッチ56、57、90は開かれてお
り、該送信電波(イ)により共振回路32が励振され誘
導電圧が発生される。受信モード中は、送信電波(イ)
は停止されるが、該誘導電圧により送信コイル24から
電波が発生され、この電波はタブレット1の選択されて
いるループコイルを逆に励振するため、該ループコイル
に誘導電圧を発生させる。この誘導電圧は位置指示器1
20に最も近いループコイルにおいて最大値となるの
で、位置指示器120の座標値すなわち位置指示器12
0の位置が求まる。
【0341】本実施例では、位置指示器120がループ
コイルX、Y12の位置を指示している場合に関して説
明する。
【0342】CPU10は送信モードおよび受信モード
を各ループコイル、即ち、X軸方向のループコイルX
からX40の全部、について繰り返す。その動作中の1つ
の動作としてループコイルXを選択回路2に選択さ
せ、ループコイルXから送信電波(イ)が位置指示器
120に送信される。この送信電波(イ)により位置指
示器120の共振回路32が励振され誘導電圧(ロ)が
共振回路32に発生される。前記所定時間後に、タブレ
ット1は受信モードになり、送信電波(イ)の送信は停
止される。
【0343】しかし、該誘導電圧(ロ)が減衰するまで
この誘導電圧(ロ)により位置指示器120から電波が
送出され、この電波がループコイルXにより受信され
る。ループコイルXはこの電波で励振され、ループコ
イルXに誘導電圧が発生する。この誘導電圧がアンプ
5で増幅される。アンプ5で増幅された受信信号(a)
は検波回路6で検波され、ローパスフィルター7に送出
される。ローパスフィルター7は共振回路32の共振周
波数より充分低い遮断周波数を有しており、検波回路6
の出力信号を直流信号に変換し、この直流信号がサンプ
ルホールド回路7において信号(b)の如くサンプルホ
ールドされ、A/D回路9によりアナログ・デジタル変
換され、CPU10に送出される。CPU10は、この
デジタル値に変換された各受信信号のレベル分布に基づ
いて位置指示器120の位置を検出するが、本実施例で
はループコイルXからの受信信号レベルが最大値とな
り、位置指示器120のX軸方向の位置が検出される。
CPU10はループコイルXを位置指示器120のX
軸方向の位置として記憶する(ステップ152)。
【0344】X軸全面スキャンにおいて、タブレット1
での受信信号レベルがいずれも所定のしきい値以下であ
る場合にはCPU10は位置指示器120はタブレット
1上にないと判別してX軸全面スキャンを繰り返す(ス
テップ151)。
【0345】CPU10はX軸全面スキャンが終了する
と、同様な動作でY軸方向の全面スキャンを実施する。
即ち、図31に示す如くY軸全面スキャンがX軸全面ス
キャンと同様な動作で行われ、CPU10は位置指示器
120のタブレット1上のY軸方向の位置としてループ
コイルY12を記憶する(ステップ153〜154)。上
記のステップ150〜154は第一実施例のステップ7
0〜74と同じである。
【0346】3.2 部分スキャン(位置指示器の位置
を求める) 位置指示器120の指示したタブレット1上のコイル番
号(本実施例ではXおよびY12)が決定されると、そ
のコイル及びその前後(前の2本と後ろの2本)合わせ
て5本のループコイルについての部分スキャンが行われ
る。この部分スキャンは、タブレット1上に置かれた位
置指示器120の位置を検出するためのものであり、位
置指示器120がタブレット1上で移動された場合はそ
の軌跡を追従且つ検出するためのものである。
【0347】図32は位置指示器120の指示する位置
を検出するときの、図1及び図27に×印で示した点の
出力を示す波形図である。
【0348】CPU10は選択回路2にループコイルX
を選択させ、送受切替回路3を送信端子T側に接続さ
せる。
【0349】この状態で、CPU10は傾斜検出コイル
27及びコンデンサ34で構成される共振回路63及び
傾斜検出コイル28及びコンデンサ35で構成される共
振回路64を開路状態にし且つスイッチ90を開放状態
にして、送信コイル24とコンデンサ31とで構成され
る共振回路32が共振可能な状態にする為のモード信
号、即ち、スイッチ90、56及び57を開くための信
号“00”を位置指示器20に送信し、この“00”モ
ード設定ステップを実行する。
【0350】すなわち、CPU10は送信時間T=10
0μs、受信時間R=100μs、送信時間T=100
μs、受信時間R=100μs、送信時間T=600μ
s、受信時間R=600μsの送受信を位置指示器12
0とタブレット1との間で行わせる(図28のステップ
155、図32のI)。
【0351】CPU10は選択回路2でループコイルX
を選択し、送受切替回路3を送信端子T側に切替え
て、T=100μsの間送信電波(イ)を位置指示器1
20に送信する。この送信電波により、共振回路32に
誘導電圧(ロ)が発生する。この送信時間T=100μ
sの送信動作を2回繰り返す。これにより、第3の経路
62から出力(ハ)が出力され、最初の出力(ハ)の立
ち下がりで、シリアルパラレル変換回路46内で(ヘ)
の出力を(ト)の出力にシフトし、第2の経路61の出
力(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に(ヘ)の出
力として取り込む。出力(ハ)の最初の立ち下がりの時
の出力(ヘ)のレベルは“L”であり、出力(ニ)のレ
ベルも“L”であるので、この時点で、シリアルパラレ
ル変換回路46の出力(ト)(ヘ)は“0”“0”であ
る。
【0352】そして、出力(ハ)の次の立ち下がりの時
に、シリアルパラレル変換回路46内で(ヘ)の出力を
(ト)の出力にシフトし、第2の経路61の出力(ニ)
をシリアルパラレル変換回路46に(ヘ)の出力として
取り込む。この立ち下がりの時の出力(ヘ)のレベルは
“L”であり、出力(ニ)のレベルも“L”である。即
ち、出力(ニ)から得られた信号は“L”“L”であ
る。これにより、シリアルパラレル変換回路46からの
デコーダ47への出力(ト)および(ヘ)は“0”
“0”となる。
【0353】次いで、CPU10はこの“00”データ
をスイッチ制御信号に変換させるために、送信時間T=
600μsの間送信電波(イ)を位置指示器120に送
信する。
【0354】送信電波(イ)が600μs継続される
と、第3の経路62、第2の経路61、第1の経路60
の順で出力(ハ)、(ニ)、(ホ)が図示の如く発生す
る。出力(ホ)の立ち上がりでシリアルパラレル変換回
路46の出力“00”がデコーダ47に取り込まれる。
【0355】続いて、CPU10は受信時間R=600
μsの受信モードを実行する。これにより、誘導電圧
(ロ)は減衰し、出力(ハ)(ニ)(ホ)も“L”レベ
ルとなる。出力(ホ)の立ち下がりでシリアルパラレル
変換回路46はリセットされ、かつデコーダ47に取り
込まれた“00”を表すデータがラッチ回路48に取り
込まれる。この“00”を表すデータによって、ラッチ
回路48の出力Qが“H”になり、他の出力Q、Q
、Qは“L”を維持する。しかし、出力Qはスイ
ッチ56、57、90の何れにも接続されおらず、かつ
出力Q、Q、Qが“L”であるため、スイッチ5
6、57、90は、開放の状態となる。(出力Qもま
た、スイッチ56、57、90の何れにも接続されてい
ない。)
【0356】この動作により、位置指示器120のスイ
ッチ90を開放し、共振回路63及び64を開路とする
ための“00”モード設定が終了する(ステップ15
5)。
【0357】CPU10は位置指示器120が“00”
モードとなると、位置指示器120の中心位置を求める
ため部分スキャンに移行する(ステップ156)。
【0358】この部分スキャンはタブレット1側から位
置指示器120に対して、送信時間T=100μs、受
信時間R=100μsの送受信を行う。
【0359】まず、CPU10はループコイルXを選
択回路2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに
接続する。この状態で、ループコイルXは送信電波
(イ)を位置指示器120に送出する。
【0360】この送信電波(イ)により位置指示器12
0の共振回路32が励振され誘導電圧(ロ)が共振回路
32に発生される。この誘導電圧(ロ)によりコア12
2から交流磁界が発生される。
【0361】CPU10は送信モード時間を経過する
と、選択回路2にループコイルXを選択させ、送受切
替回路3を受信端子R側に切替える。このループコイル
の受信モードにおいて、前記ステップ150で説明
したと同様な動作でタブレット1で受信信号(a)、
(b)が得られる。
【0362】この部分スキャン動作が、送信モードでは
ループコイルXを選択し、受信モードではループコイ
ルX、X、X、X10およびX11をそれぞれ選択し
て順次行われる(ステップ156)。
【0363】前述の様に、本実施例では位置指示器12
0がループコイルX、Y12を指示しているので、X軸
方向の部分スキャンではループコイルXの受信モード
で最大受信電圧Vp0を得、その前後のループコイル
、X10の受信モードで受信電圧Va0、Vb0をそれぞ
れ得る。
【0364】このX軸方向の部分スキャンに続いてY軸
方向の部分スキャンが行われる。
【0365】即ち、送信モードではループコイルY12
選択し、受信モードではループコイルY10、Y11
12、Y13およびY14をそれぞれ選択してY軸方向の部
分スキャンが上述のX軸方向の部分スキャンと同様に行
われる(ステップ156)。
【0366】このY軸方向の部分スキャンではループコ
イルY12の受信モードで最大受信電圧V'p0を得、その
前後のループコイルY11、Y13の受信モードで受信電圧
V'a0、V'b0をそれぞれ得る。
【0367】この位置指示器120の位置は、送信コイ
ル24の中心位置に対応した位置(以下、中心座標
,Yと言う)を示す。
【0368】CPU10は、この受信信号電圧(受信信
号強度)により前記(12)式および(13)式により
位置指示器120の中心座標(X、Y)を決定する
(ステップ156)。
【0369】上記のステップ155及び156は第一実
施例のステップ75及び76と基本的に同じである。
【0370】3.3 部分スキャン(傾斜角を求める) 前述のように、第三実施例では、位置指示器120がZ
軸から何度傾斜角しているかを求める。以下、この傾斜
角をθzという。傾斜角θzを求めるためには、まず、
傾斜角θx及びθyを求め、それらの値から傾斜角θz
を計算する。
【0371】図40はXYZ座標系におけるθx、θy
及びθzの関係を表す。
【0372】図40を参照して、傾斜角θx及びθyか
ら傾斜角θzを求める方法を説明する。点Pを座標値が
(x,y,z)であり且つ原点O(位置指示器のペン先
の位置に対応)から距離Lだけ離れた位置にある点とす
る。この点Pと原点Oを結ぶ直線OP(位置指示器の中
心線に対応)とZ軸とのなす角度が傾斜角θzである。
点PからYZ面に垂直に下ろした点Bの座標値は(0,
y,z)である。点Bと原点Oとを結ぶ直線OBとZ軸
とのなす角度が傾斜角θyである。この直線OBの長さ
をL’とする。そして、直線OPと直線OBとのなす角
度が傾斜角θxである。
【0373】上記の値を基に、傾斜角θzを求める1つ
の計算法を示す。
【0374】
【数8】 なお、θx及びθyは−90°から+90°の範囲であ
るから、式(24)から求められるθzの値は、θx及
びθyの符号とは無関係となる。即ち、θzの値は常に
正となる。
【0375】3.3.1 傾斜角θxを求める 次に、第三実施例の傾斜角を求める動作を、図33及び
図34とを参照して、第1の場合について説明する。
【0376】図33は傾斜角θxを求める時の、図1及
び図27に×印で示した点の出力を示す波形図である。
【0377】この第1の場合は、位置指示器120の位
置がループコイルXとループコイルY11とが交差する
範囲にあり、回転角θrが30°であり、傾斜角θx=
20°、θy=30°であり、傾斜角θzは36°であ
る場合を示す。
【0378】まず、CPU10は傾斜角θxを求めるス
テップを開始する。
【0379】CPU10は、傾斜検出コイル27及びコ
ンデンサ34で構成される共振回路63を共振状態とす
る“01”モード設定動作を開始する(ステップ15
7)。
【0380】即ち、CPU10は、送信コイル24を短
絡、傾斜検出コイル27及びコンデンサ34で構成され
る共振回路63を閉路、かつ傾斜検出コイル28及びコ
ンデンサ35で構成される共振回路64を開路の状態と
する“01”モード設定動作を開始する。即ち、コイル
24を短絡として共振回路32が共振しない状態にし、
共振回路63を共振可能な状態にし、共振回路64を共
振しない状態にする。
【0381】即ち、CPU10はスイッチ90を閉路、
スイッチ56を閉路、かつスイッチ57を開路の状態に
する為の“01”モード信号を位置指示器120に送信
し、“01”モード設定ステップを実行する(ステップ
157)。
【0382】CPU10は送信時間T=100μs、受
信時間R=100μs、送信時間T=200μs、受信
時間R=200μs、送信時間T=600μs、受信時
間R=600μsの送受信を位置指示器120とタブレ
ット1間で行わせる(ステップ157、図33の区間 I
I)。この“01”モード設定ステップにおける、タブ
レット1から送られる信号及び位置指示器120におけ
る該信号の処理は、基本的に第1実施例の“01”モー
ド設定ステップと同じである。
【0383】CPU10は選択回路2でループコイルX
を選択し、送受切替回路3を送信端子T側に切替え
て、T=100μsの間送信電波(イ)を位置指示器1
20に送信する。この電波により、共振回路32に誘導
電圧(ロ)が発生する。これにより、第3の経路62か
ら出力(ハ)が出力され、この出力(ハ)の立ち下がり
で、シリアルパラレル変換回路46内において(ヘ)の
出力を(ト)の出力とするようにシフトし、第2の経路
61の出力(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に
(ヘ)の出力として取り込む。出力(ハ)のこの立ち下
がりの時の出力(ヘ)のレベルは“L”であり、出力
(ニ)のレベルは“L”である。従って、デコーダ47
の出力(ト)及び(ヘ)はこの時点では“0”“0”と
なる。
【0384】次に、CPU10はT=200μsの送信
をタブレット1から位置指示器120に行わせる。これ
により、共振回路32に誘導電圧(ロ)が発生する。こ
の送信時間T=200μsの送信動作により、第3の経
路62および第2の経路61から順に出力(ハ)、出力
(ニ)が出力され、この出力(ハ)の立ち下がりで、シ
リアルパラレル変換回路46内において(ヘ)の出力を
(ト)の出力とするようにシフトし、第2の経路61の
出力(ニ)を(ヘ)の出力として取り込む。出力(ハ)
のこの立ち下がりの時の出力(ヘ)のレベルは“L”で
あり、出力(ニ)のレベルは“H”である。従って、こ
の時点で、デコーダ47への出力(ト)および(ヘ)は
“0”“1”となる。
【0385】次いで、CPU10はこの“01”データ
をスイッチ制御信号に変換させるために、送信時間T=
600μsの間、送信電波(イ)を位置指示器120に
送信する。
【0386】送信電波(イ)が600μs継続される
と、第3の経路62、第2の経路61、第1の経路60
の順で出力(ハ)、(ニ)、(ホ)を図示の如く発生す
る。出力(ホ)の立ち上がりでシリアルパラレル変換回
路46の出力“01”がデコーダ47に取り込まれる。
【0387】続いて、CPU10は受信時間R=600
μsの受信モードを実行する。
【0388】これにより、誘導電圧(ロ)は減衰し、出
力(ハ)(ニ)(ホ)も“L”レベルとなる。出力
(ホ)の立ち下がりでシリアルパラレル変換回路46は
リセットされ、かつデコーダ47に取り込まれた“0
1”を表すデータがラッチ回路48に取り込まれる。こ
の“01”を表すデータによって、ラッチ回路48の出
力Qが“H”になり、他の出力は“L”となる。
【0389】出力Qが“H”レベルとなると、この信
号を受信した単安定マルチバイブレータ49は4400
μsの間オンになり、“H”レベルの信号を伝える。出
力Qは“L”レベルであるので、単安定マルチバイブ
レータ50はオフのままでいる。
【0390】これにより、スイッチ56、57、90の
制御信号(リ)(ル)(ヲ)のうち、出力(ル)が
“L”レベルとなり、他の出力(リ)、(ヲ)は“H”
レベルとなり、スイッチ56、90は閉路状態となり、
スイッチ57が開路状態となる。ここで、“01”モー
ド設定が終了する(ステップ157)。
【0391】前記のように、各コイルは、コア中に、そ
れぞれ異なった方向の磁界を発生させようとする。従っ
て、1つのコイルを選択しているときに、他のコイルが
コア中の磁界に影響を与えないように開放又は短絡とす
るのがよいので、送信コイル24に交流磁界が通りにく
くなるように該送信コイル24を短絡状態にする。
【0392】CPU10は位置指示器120が“01”
モードとなると、X方向の傾斜角θxを求めるためにタ
ブレット1の受信電圧を検出するための部分スキャンに
移行する(ステップ158)。
【0393】この部分スキャンでは、上記の位置指示器
120の中心位置を求めるための部分スキャンにおいて
見つけられ且つ記憶されたループコイル(X及び
12)及びそれらそれぞれの前後合わせて9つ(前方の
4つと後方の4つ)のループコイルをスキャンする。そ
の時には、傾斜検出コイル27及びコンデンサ34で構
成される共振回路63が、選択されたX軸ループコイル
及びY軸ループコイルからの電波を受け且つその電波に
応答して電波を送り返す。
【0394】まず、ループコイルX及びその前後合わ
せて9つのループコイルをスキャンする。
【0395】CPU10は、まず、タブレット1からの
送信のためのループコイルとしてループコイルXを選
択回路2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに
接続する。この状態で、ループコイルXは送信電波
(イ)を位置指示器120に送出する。この送信電波
(イ)により位置指示器120の共振回路63が励振さ
れ誘導電圧(ワ)が発生される。
【0396】そして、前記誘導電圧により磁性体コア1
22の1組の側面から、即ち、傾斜検出コイル27の囲
む範囲から交流磁界が発生され、磁性体コア122の該
1組の側面から前記タブレット1に電波が送出される。
【0397】CPU10は送信モード時間を経過する
と、送受切替回路3を受信端子R側に切替える。ループ
コイルXは、この受信モードにおいて、共振回路63
で発生した磁束(電波)を受ける。そして、前記ステッ
プ150で説明したと同様な動作でタブレット1で受信
信号(a)、(b)が得られる。
【0398】即ち、ループコイルXから共振回路63
の傾斜検出コイル27に電波を送信し、該コイル27か
ら返される電波をループコイルXが受ける。
【0399】この部分スキャン動作が、送信モード及び
受信モードでループコイルX、X、X、X、X
、X10、X11、X12及びX13を順次選択して行われ
る。
【0400】CPU10は、タブレット1で得られたそ
れら信号の中から、第1最大値(Vx1p)及びその前後
の値(Vx1a、Vx1b)と、第2最大値(Vx2p)及び
その前後の値(Vx2a、Vx2b)とを抽出する(図33
の(b))。これらの値の抽出方法は、第1実施例と同
様である。
【0401】ここでは、X軸ループコイルの部分スキャ
ンにおいてループコイルXの受信モードで第1最大値
電圧Vx1p=0.79Vを得、その前後のループコイル
、Xの受信モードで電圧Vx1a=0.51V、V
1b=0.58をそれぞれ得、そして、ループコイルX
10の受信モードで第2最大値電圧Vx2p=1.18Vを
得、その前後のループコイルX、X11の受信モードで
電圧Vx2a=0.45V、Vx2b=1.15Vをそれぞ
れ得る。即ち、ループコイルX、X、Xから電圧
Vx1a、Vx1p、Vx1b(0.51V、0.79V、
0.58V)を得、ループコイルX、X10、X11から
電圧Vx2a、Vx2p、Vx2b(0.45V、1.18
V、1.15V)を得る。
【0402】X軸ループコイルの部分スキャンが終了す
ると、CPU10は続いてY軸ループコイルの部分スキ
ャンを続いて開始する。
【0403】CPU10は、タブレット1からの送信の
ためのループコイルとして、まず、ループコイルY
ら送信電波(イ)を位置指示器120に送出する。この
送信電波(イ)により位置指示器120の傾斜検出コイ
ル27及びコンデンサ34で構成される共振回路63が
励振され誘導電圧(ワ)が発生し、磁性体コア122の
前記1組の側面から交流磁界が発生され、磁性体コア1
22の該1組の側面から前記タブレット1に電波が送出
される。CPU10は送信モード時間を経過すると、送
受切替回路3を受信端子R側に切替える。このループコ
イルYの受信モードにおいて、前記ステップ150で
説明したと同様な動作でタブレット1で受信信号
(a)、(b)が得られる。
【0404】この部分スキャン動作が、送信モード及び
受信モードで、上述のX軸ループコイルの部分スキャン
と同様に、ループコイルY、Y、Y10、Y11
12、Y13、Y14、Y15及びY16を順次選択して行われ
る。
【0405】CPU10は、タブレット1で得られた信
号の中から、第1最大値(Vx1p’)及びその前後の値
(Vx1a’、Vx1b’)と、第2最大値(Vx2p’)及
びその前後の値(Vx2a’、Vx2b’)とを抽出する
(図33)。これらの値の抽出方法は、第1実施例と同
様である。以下、タブレット1のY軸ループコイルから
得られる信号に関する記号には「’」を付す。
【0406】ここでは、ループコイルY10の受信モード
で第1最大値電圧Vx1p’=0.25Vを得、その前後
のループコイルY、Y11の受信モードで電圧Vx1a
=0.17V、Vx1b’=0.14Vをそれぞれ得、そ
して、ループコイルY14の受信モードで第2最大値電圧
Vy2p’=0.37Vを得、その前後のループコイルY
13、Y15の受信モードで電圧Vx2a’=0.15V、V
2b’=0.35Vをそれぞれ得る。即ち、ループコイ
ルY、Y10、Y11で電圧Vx1a’、Vx1p’、V
1b’(0.17V、0.25V、0.14V)を得、
ループコイルY13、Y14、Y15で電圧Vx2a’、V
2p’、Vx2b’(0.15V、0.37V、0.35
V)を得る。
【0407】次に、CPU10は、待ち時間800μs
を実行する。この待ち時間の間に、単安定マルチバイブ
レータ49の上記の4400μsのオン期間が終了し、
単安定マルチバイブレータ49がオフになり、信号
(リ)及び(ヲ)が“L”となる。即ち、スイッチ5
6、57、90が開かれ、それによって、共振回路63
及び64が共振不可能な状態となり、共振回路32が共
振可能な状態となる。
【0408】CPU10は、傾斜角θxを求めるため
に、X軸ループコイルから出力された値の組を用いるか
又はY軸ループコイルから出力された値の組を用いるか
を決定する。CPU10は、X軸及びY軸ループコイル
から得られた第1及び第2最大値(Vx1p、Vx2p、V
1p’、Vx2p’)を比較して一番大きいものを選択
し、その値を含む出力値の組を用いる。
【0409】上記のデータではVx2p(1.18V)が
最大であるので、X軸ループコイルの出力値を用いて傾
斜角θxを前記(17)式から求める。タブレット1が第
1実施例のものと同じであり、共振回路63及び64も
第1実施例のものと同じであり、且つ、第3実施例のコ
ア122は、第1実施例のコア22とコア23とを合わ
せたものと寸法上及び機能上同じであるので、傾斜角と
ピーク値の比率との関係は、第1実施例における関係と
同じとなる。
【0410】傾斜角を計算するために、まず、Vx
Vxとを求める。前記(11)式から、Vx1=0.7
9V、Vx2=1.26Vと求められる。
【0411】第3実施例の装置は、Z軸からの傾斜角の
みを絶対値で表すのようにするため、傾斜角θx及びθ
yが正の値か負の値かについて考慮しない。従って、例
えば、θx=+20°であってもθx=−20°であっ
ても、計算される傾斜角θzは同じとなる。従って、第
1ピーク値と第2ピーク値との比率を計算する場合に、
常に、大きい方の値をV2とし且つ小さい方の値をV1
として計算する。こうすれば、(17)式から常に正の値
が計算される。
【0412】即ち、VxとVxとのうちの大きい方
をV2とし且つ小さい方をV1として傾斜角θxを計算
すると、[Vx/Vx=1.6]となり、(17)式
から、傾斜角θx=20°と計算される。
【0413】3.3.2 傾斜角θyを求める 次に、CPUは傾斜角θyを求めるステップを開始す
る。
【0414】CPU10は、傾斜検出コイル28及びコ
ンデンサ35で構成される共振回路64を共振状態とす
る“10”モード設定動作を開始する(ステップ15
9)。
【0415】即ち、CPU10は、コイル24を短絡、
共振回路63を開路、共振回路64を閉路の状態とする
“10”モード設定動作を開始する。即ち、コイル24
を閉路として共振回路32が共振しない状態にし、共振
回路63を共振しない状態にし、共振回路64を共振可
能な状態にする。
【0416】即ち、CPU10はスイッチ90を閉路、
スイッチ56を開路、かつスイッチ57を閉路の状態に
する為の“10”モード信号を位置指示器120に送信
し、“10”モード設定ステップを実行する(ステップ
159)。
【0417】図34は傾斜角θyを求めるときの、図1
及び図27に×印で示した点の出力を示す波形図であ
る。
【0418】CPU10は送信時間T=200μs、受
信時間R=200μs、送信時間T=100μs、受信
時間R=100μs、送信時間T=600μs、受信時
間R=600μsの送受信を位置指示器120とタブレ
ット1間で行わせる(ステップ159、図34の区間II
I)。この“10”モード設定ステップにおけるタブレ
ット1から送られる処理及び位置指示器120における
該信号の処理は、基本的に、第一実施例の“10”モー
ド設定ステップと同じである。
【0419】CPU10は選択回路2でループコイルX
を選択し、送受切替回路3を送信端子T側に切替え
て、T=200μsの間送信電波(イ)を位置指示器1
20に送信する。これにより、共振回路32に誘導電圧
(ロ)が発生する。これにより、第3の経路62から出
力(ハ)が出力され、この出力(ハ)の立ち下がりで、
シリアルパラレル変換回路46内において(ヘ)の出力
を(ト)の出力とするようにシフトし、第2の経路61
の出力(ニ)をシリアルパラレル変換回路46に(ヘ)
の出力として取り込む。出力(ハ)のこの立ち下がりの
時の出力(ヘ)のレベルは“L”であり、出力(ニ)の
レベルは“H”である。従って、デコーダ47の出力
(ト)及び(ヘ)はこの時点では“0”“1”となる。
【0420】次に、CPU10はT=100μsの送信
をタブレット1から位置指示器120に行わせる。これ
により、共振回路32に誘導電圧(ロ)が発生する。こ
の送信時間T=100μsの送信動作により、第3の経
路62および第2の経路61から順に出力(ハ)、出力
(ニ)が出力され、この出力(ハ)の立ち下がりで、シ
リアルパラレル変換回路46内において(ヘ)の出力を
(ト)の出力とするようにシフトし、第2の経路61の
出力(ニ)を(ヘ)の出力として取り込む。出力(ハ)
のこの立ち下がりの時の出力(ヘ)のレベルは“H”で
あり、出力(ニ)のレベルは“L”である。従って、こ
の時点で、デコーダ47への出力(ト)および(ヘ)は
“1”“0”となる。
【0421】次いで、CPU10はこの“10”データ
をスイッチ制御信号に変換させるために、送信時間T=
600μsの間、送信電波(イ)を位置指示器120に
送信する。
【0422】送信電波(イ)が600μs継続される
と、第3の経路62、第2の経路61、第1の経路60
の順で出力(ハ)、(ニ)、(ホ)を図示の如く発生す
る。出力(ホ)の立ち上がりでシリアルパラレル変換回
路46の出力“10”がデコーダ47に取り込まれる。
【0423】続いて、CPU10は受信時間R=600
μsの受信モードを実行する。
【0424】これにより、誘導電圧(ロ)は減衰し、出
力(ハ)(ニ)(ホ)も“L”レベルとなる。出力
(ホ)の立ち下がりでシリアルパラレル変換回路46は
リセットされ、かつデコーダ47に取り込まれた“1
0”を表すデータがラッチ回路48に取り込まれる。こ
の“10”を表すデータによって、ラッチ回路48の出
力Qが“H”になり、他の出力は“L”となる。
【0425】出力Qが“H”レベルとなると、この信
号を受信した単安定マルチバイブレータ50は4400
μsの間オンになり、“H”レベルの信号を伝える。出
力Qは“L”レベルであるので、単安定マルチバイブ
レータ49はオフのままでいる。
【0426】これにより、スイッチ56、57、90の
制御信号(リ)(ル)(ヲ)のうち、出力(リ)が
“L”レベルとなり、他の出力(ル)、(ヲ)は“H”
レベルとなり、スイッチ57、90は閉路となり、スイ
ッチ56が開路となる。ここで、“10”モード設定が
終了する(ステップ159)。
【0427】CPU10は位置指示器120が“10”
モードとなると、Y方向の傾斜角θyを求めるためのタ
ブレット1の受信電圧を検出するための部分スキャンに
移行する(ステップ160)。
【0428】この部分スキャンでもまた、上記の位置指
示器120の中心位置を求めるための部分スキャンにお
いて見つけられ且つ記憶されたループコイル(X及び
12)及びそれらのそれぞれの前後合わせて9つ(前方
の4つと後方の4つ)のループコイルをスキャンする。
この時には、傾斜検出コイル28及びコンデンサ35で
構成される共振回路64が、選択されたX軸ループコイ
ル及びY軸ループコイルからの電波を受け且つその電波
に応答して電波を送り返す。
【0429】まず、傾斜角θxを求めるための前記部分
スキャンと同様に、ループコイルXとその前後合わせ
て9つのループコイルをスキャンする。
【0430】CPU10は、まず、タブレット1からの
送信のためのループコイルとしてループコイルXを選
択回路2に選択させ、送受切替回路3を送信側端子Tに
接続する。この状態で、ループコイルXは送信電波
(イ)を位置指示器120に送出する。この送信電波
(イ)により位置指示器120の共振回路64が励振さ
れ誘導電圧(カ)が発生される。
【0431】即ち、前記誘導電圧により磁性体コア12
2の他の1組の側面(傾斜角θxを求めるための前記部
分スキャンのときに電波を出力した側面の組と直交する
側面の組)、即ち、傾斜検出コイル28の囲む範囲から
交流磁界が発生され、磁性体コア122の該他の1組の
側面から前記タブレット1に電波が送出される。
【0432】CPU10は送信モード時間を経過する
と、CPU10は送受切替回路3を受信端子R側に切替
える。ループコイルXのこの受信モードにおいて、前
記ステップ150で説明したと同様な動作でタブレット
1で受信信号(a)、(b)が得られる。
【0433】即ち、この過程では、ループコイルX
ら共振回路64に電波を送信し、該共振回路64から返
される電波をループコイルXが受ける。
【0434】この部分スキャン動作が、送信モード及び
受信モードでループコイルX、X、X、X、X
、X10、X11、X12及びX13を順次選択して行われ
る。
【0435】CPU10は、タブレット1で得られたそ
れら信号の中から、第1最大値(Vy1p)及びその前後
の値(Vy1a、Vy1b)と、第2最大値(Vy2p)及び
その前後の値(Vy2a、Vy2b)とを抽出する(図3
4)。これらの値の抽出方法は、第一実施例と同様であ
る。
【0436】ここでは、X軸ループコイルの部分スキャ
ンではループコイルXの受信モードで第1最大値電圧
Vy1p=0.92Vを得、その前後のループコイル
、Xの受信モードで電圧Vy1a=0.67V、V
1b=0.60をそれぞれ得、そして、ループコイルX
12の受信モードで第2最大値電圧Vy2p=0.44Vを
得、その前後のループコイルX11、X13の受信モードで
電圧Vy2a=0.16V、Vy2b=0.40Vをそれぞ
れ得る。即ち、ループコイルX、X、Xから電圧
Vy1a、Vy1p、Vy1b(0.67V、0.92V、
0.60V)を得、ループコイルX11、X12、X13から
電圧Vy2a、Vy2p、Vy2b(0.16V、0.44
V、0.40V)を得る。
【0437】X軸ループコイルの部分スキャンが終了す
ると、CPU10はY軸ループコイルの部分スキャンを
続いて開始する。
【0438】CPUは、タブレット1からの送信のため
のループコイルとして、まず、ループコイルYから送
信電波(イ)を位置指示器120に送出する。この送信
電波(イ)により位置指示器120の共振回路64が励
振され誘導電圧(カ)が発生し、磁性体コア122の前
記他の1組の側面から交流磁界が発生され、磁性体コア
122の該他の1組の側面から前記タブレット1に電波
が送出される。CPU10は送信モード時間を経過する
と、送受切替回路3を受信端子R側に切替える。ループ
コイルYのこの受信モードにおいて、前記ステップ1
50で説明したと同様な動作でタブレット1で受信信号
(a)、(b)が得られる。
【0439】この部分スキャン動作が、送信モード及び
受信モードで、上述のX軸ループコイルの部分スキャン
と同様に、ループコイルY、Y、Y10、Y11
12、Y13、Y14、Y15及びY16を順次選択して行われ
る。
【0440】Y軸方向の部分スキャンではループコイル
10の受信モードで第1最大値電圧Vy1p’=0.57
Vを得、その前後のループコイルY、Y11の受信モー
ドで電圧Vy1a’=0.41V、Vy1b’=0.40V
をそれぞれ得、そして、ループコイルY14の受信モード
で第2最大値電圧Vy2p’=1.09Vを得、その前後
のループコイルY13、Y15の受信モードで電圧Vy2a
=0.51V、Vy2b’=1.04Vをそれぞれ得る。
即ち、ループコイルY、Y10、Y11から電圧V
1a’、Vy1p’、Vy1b’(0.41V、0.57
V、0.40V)を得、ループコイルY13、Y14、Y15
から電圧Vy2a’、Vy2p’、Vy2b’(0.51V、
1.09V、1.04V)を得る。
【0441】次に、CPU10は、待ち時間800μs
を実行する。この待ち時間の間に、単安定マルチバイブ
レータ50の上記の4400μsのオン期間が終了し、
単安定マルチバイブレータ50がオフになり、信号
(ル)及び(ヲ)が“L”となる。即ち、スイッチ5
6、57、90が開かれ、それによって、共振回路63
及び64が共振不可能な状態となり、共振回路32が共
振可能な状態となる。
【0442】CPU10は、傾斜角θyを求めるため
に、X軸ループコイルから出力された値の組を用いるか
又はY軸ループコイルから出力された値の組を用いるか
を決定する。前述のようにX軸及びY軸ループコイルか
らの第1及び第2最大値(Vy1p、Vy2p、Vy1p’、
Vy2p’)を比較して一番大きいものを選択し、その値
を含む出力値の組を用いる。
【0443】上記のデータではVy2p’(1.09V)
が最大であるので、Y軸ループコイルの出力値を用いて
傾斜角θyを(17)式から求める。
【0444】まず、VyとVyとを求める。前記
(11)式から、Vy1=0.57V、Vy2=1.14V
と求められる。
【0445】そして、上記と同様に、常にVyとVy
とのうちの大きい方をV2とし且つ小さい方をV1と
して傾斜角θyを計算する。[Vy/Vy=2.
0]であるので、(17)式から、傾斜角θy=30°と
計算される。
【0446】3.3.3 傾斜角θzを求める CPU10は、次に(24)式を用いて傾斜角θzを計算
する。θx=20°且つθy=30°であるので、[θ
z=cos-1(cos 20°・cos 30°)=36
°]と計算される。
【0447】4. θr、θx、θyが別の値である場
合の第三実施例の動作 次に、第三実施例の動作の別の例、即ち、第2の場合に
ついて説明する。図30及び図31と、図32、図35
及び図36とは、第2の場合における動作の流れに対応
する。
【0448】第2の場合は、第1の場合と同様に、位置
指示器120の位置がループコイルXとループコイル
12とが交差する範囲にあるが、回転角θrが60°で
あり、傾斜角θx=20°、θy=30°であり、傾斜
角θzは第1の場合と同じく36°である場合である。
【0449】全ての動作ステップ(ステップ150〜1
62)は、基本的に、第1の場合についての動作と同じ
である。
【0450】しかし、例えば、傾斜角θxを求めるため
の部分スキャンにおいて、第1の場合は回転角が30°
であったので、共振回路63から電波が送り返されたと
きに、X軸ループコイルの方がより強い電波を受信した
が、第2の場合には、回転角が60°であるため、共振
回路63から電波が送り返されたときに、Y軸ループコ
イルの方がより強い電波を受信する。これは、第一実施
例で説明したように、或る範囲の回転角では、1つの傾
斜検出コイルから電波が送り返されるときに、X軸ルー
プコイル又はY軸ループコイルの何れか一方のループコ
イルの方がより強い電波を受信し、その他の回転角で
は、他方のループコイルの方がより強い電波を受信する
からである。第三実施例においても第一実施例と同様
に、回転角の範囲は、+45°、−45°、+135°
及び−135°を境界とする4つの範囲(ゾーン)に分
けられ得る。ただし、第三実施例の装置は回転角を求め
ないので、X軸ループコイルの出力とY軸ループコイル
の出力とを比較して、何れのループコイルの出力を用い
るかを決定する。
【0451】傾斜角θxを求めるステップにおける、X
軸ループコイルの部分スキャンでは(図35)、ループ
コイルXの受信モードで第1最大値電圧Vx1p=0.
44Vを得、その前後のループコイルX、Xの受信
モードで電圧Vx1a=0.40V、Vx1b=0.16を
それぞれ得、そして、ループコイルX10の受信モードで
第2最大値電圧Vx2p=0.75Vを得、その前後のル
ープコイルX、X11の受信モードで電圧Vx2a=0.
35V、Vx2b=0.36Vをそれぞれ得る。即ち、ル
ープコイルX、X、Xから電圧Vx1a、Vx1p
Vx1b(0.40V、0.44V、0.16V)を得、
ループコイルX、X10、X11から電圧Vx2a、V
2p、Vx2b(0.35V、0.75V、0.36V)
を得る。
【0452】傾斜角θxを求めるステップにおける、Y
軸ループコイルの部分スキャンでは、ループコイルY10
の受信モードで第1最大値電圧Vx1p’=0.57Vを
得、その前後のループコイルY、Y11の受信モードで
電圧Vx1a’=0.40V、Vx1b’=0.46Vをそ
れぞれ得、そして、ループコイルY15の受信モードで第
2最大値電圧Vx2p’=0.91Vを得、その前後のル
ープコイルY14、Y16の受信モードで電圧Vx2a’=
0.73V、Vx2b’=0.61Vをそれぞれ得る。即
ち、ループコイルY、Y10、Y11から電圧Vx1a’、
Vx1p’、Vx1b’(0.40V、0.57V、0.4
6V)を得、ループコイルY14、Y15、Y16から電圧V
2a’、Vx2p’、Vx2b’(0.73V、0.91
V、0.61V)を得る。
【0453】CPU10は、傾斜角θxを求めるため
に、Xループコイルから出力された値の組を用いるか又
はYループコイルから出力された値の組を用いるかを決
定する。上記のデータではVx2p’(0.91V)が最
大であるので、Y軸ループコイルの出力値を用いて傾斜
角θxを前記(17)式から求める。
【0454】傾斜角を計算するために、まず、Vx
Vxとを求める。前記(11)式から、Vx=0.5
7V、Vx=0.91Vと求められる。
【0455】上記の様に、Vx1とVx2とのうちの大き
い方をV2とし且つ小さい方をV1とすると、[Vx
/Vx=1.6]となり、(17)式から、傾斜角θx
=20°と計算される。
【0456】傾斜角θyを求めるステップにおける、X
軸ループコイルの部分スキャンでは、ループコイルX
の受信モードで第1最大値電圧Vy1p=1.26Vを
得、その前後のループコイルX、Xの受信モードで
電圧Vy1a=1.19V、Vy1b=0.53をそれぞれ
得、そして、ループコイルX12の受信モードで第2最大
値電圧Vy2p=0.66Vを得、その前後のループコイ
ルX11、X13の受信モードで電圧Vy2a=0.56V、
Vy2b=0.43Vをそれぞれ得る。即ち、ループコイ
ルX、X、Xから電圧Vy1a、Vy1p、Vy
1b(1.19V、1.26V、0.53V)を得、ルー
プコイルX11、X12、X13から電圧Vy2a、Vy2p、V
2b(0.56V、0.66V、0.43V)を得る。
【0457】傾斜角θyを求めるステップにおける、Y
軸方向の部分スキャンではループコイルYの受信モー
ドで第1最大値電圧Vy1p’=0.29Vを得、その前
後のループコイルY、Y10の受信モードで電圧V
1a’=0.17V、Vy1b’=0.21Vをそれぞれ
得、そして、ループコイルY14の受信モードで第2最大
値電圧Vy2p’=0.58Vを得、その前後のループコ
イルY13、Y15の受信モードで電圧Vy2a’=0.50
V、Vy2b’=0.37Vをそれぞれ得る。即ち、ルー
プコイルY、Y、Y10から電圧Vy1a’、V
1p’、Vy1b’(0.17V、0.29V、0.21
V)を得、ループコイルY13、Y14、Y15から電圧Vy
2a’、Vy2p’、Vy2b’(0.50V、0.58V、
0.37V)を得る。
【0458】CPU10は、傾斜角θyを求めるため
に、Xループコイルから出力された値の組を用いるか又
はYループコイルから出力された値の組を用いるかを決
定する。
【0459】上記のデータではVy1p(1.26V)が
最大であるので、X軸ループコイルの出力値を用いて傾
斜角θyを前記(17)式から求める。
【0460】まず、VyとVyとを求める。前記
(11)式から、Vy=1.33V、Vy=0.67
Vと求められる。
【0461】そして、上記と同様に、VyとVy
のうちの大きい方をV2とし且つ小さい方をV1とする
と[Vy/Vy=2.0]となり、(17)式から、
傾斜角θy=30°と計算される。
【0462】CPU10は、次に(24)式を用いて傾斜
角θzを計算する。θx=20°且つθy=30°であ
るので、[θz=cos-1(cos 20°・cos 3
0°)=36°]と計算される。
【0463】次に、更に別の例を参考として示す。位置
指示器120の位置がループコイルXとループコイル
12とが交差する範囲にあり、θr=20°、θx=1
0°、θy=40°であり、傾斜角θzは41°である
場合である。
【0464】この場合には、傾斜角θxを求めるステッ
プにおけるX軸ループコイルの部分スキャンにおいて、
ループコイルX、X、Xから電圧Vx1a、V
1p、Vx1b(0.78V、0.84V、0.22V)
を得、ループコイルX10、X11、X12から電圧Vx2a
Vx2p、Vx2b(0.77V、1.17V、0.73
V)を得る。そして、Y軸ループコイルの部分スキャン
において、ループコイルY、Y10、Y11から電圧Vx
1a’、Vx1p’、Vx1b’(0.14V、0.27V、
0.14V)を得、ループコイルY13、Y14、Y15から
電圧Vx2a’、Vx2p’、Vx2b’(0.15V、0.
33V、0.31V)を得る。
【0465】上記のデータではVx2p(1.17V)が
最大であるので、X軸ループコイルの出力値を用いて傾
斜角θxを前記(17)式から求める。
【0466】VxとVxとは前記(11)式から、V
=0.90V、Vx=1.17Vと求められる。
【0467】上記の様に、VxとVxとのうちの大
きい方をV2とし且つ小さい方をV1とすると、[Vx
/Vx=1.3]となり、(17)式から、傾斜角θ
x=10°と計算される。
【0468】また、傾斜角θyを求めるステップにおけ
るX軸ループコイルの部分スキャンにおいて、ループコ
イルX、X、X10から電圧Vy1a、Vy1p、Vy1b
(0.48V、0.86V、0.73V)を得、ループ
コイルX12、X13、X14から電圧Vy2a、Vy2p、Vy
2b(0.20V、0.35V、0.22V)を得る。そ
して、Y軸ループコイルの部分スキャンにおいて、ルー
プコイルY、Y、Y10から電圧Vy1a’、V
1p’、Vy1b’(0.31V、0.54V、0.50
V)を得、ループコイルY13、Y14、Y15から電圧Vy
2a’、Vy2p’、Vy2b’(0.97V、1.40V、
1.02V)を得る。
【0469】上記のデータではVy2p’(1.40V)
が最大であるので、Y軸ループコイルの出力値を用いて
傾斜角θyを前記(17)式から求める。
【0470】VyとVyは前記(11)式から、Vy
=0.56V、Vy=1.40Vと求められる。
【0471】上記と同様に、VyとVyとのうちの
大きい方をV2とし且つ小さい方をV1とすと[Vy
/Vy=2.5]となり、(17)式から、傾斜角θy
=40°と計算される。
【0472】CPU10は、次に(24)式を用いて傾斜
角θzを計算する。θx=10°且つθy=40°であ
るので、[θz=cos-1(cos 10°・cos 4
0°)=41°]と計算される。
【0473】次に、更に別の例を参考として示す。位置
指示器120の位置がループコイルXとループコイル
12とが交差する範囲にあり、回転角θrが70°であ
り、傾斜角θx=−20°、θy=−30°であるもの
とする。即ち、位置指示器120の座標系におけるX軸
の負の方向に20°且つY軸の負の方向に30°傾斜し
ているものとする。しかし、上記で説明した通り、第三
実施例の装置はθx及びθyの値が正か負かを考慮しな
い。この装置では、傾斜角θzが常に正の値となるよう
にする。従って、この場合もまた第1の場合と同じく、
傾斜角θzは36°である。
【0474】この場合には、傾斜角θxを求めるステッ
プにおけるX軸ループコイルの部分スキャンにおいて、
ループコイルX、X、Xから電圧Vx1a、V
1p、Vx1b(0.32V、0.66V、0.31V)
を得、ループコイルX、X10、X11から電圧Vx2a
Vx2p、Vx2b(0.14V、0.39V、0.36
V)を得る。そして、Y軸ループコイルの部分スキャン
において、ループコイルY、Y10、Y11から電圧Vx
1a’、Vx1p’、Vx1b’(1.11V、1.15V、
0.55V)を得、ループコイルY13、Y14、Y15から
電圧Vx2a’、Vx2p’、Vx2b’(0.47V、0.
76V、0.48V)を得る。
【0475】上記のデータではVx1p’(1.15V)
が最大であるので、Y軸ループコイルの出力値を用いて
傾斜角θxを前記(17)式から求める。
【0476】VxとVxとは前記(11)式から、V
=1.21V、Vx=0.76Vと求められる。
【0477】上記と同様に、VxとVxとのうちの
大きい方をV2とし且つ小さい方をV1とすると[Vx
/Vx=1.6]となり、(17)式から、傾斜角θ
x=20°と計算される。
【0478】また、傾斜角θyを求めるステップにおけ
るX軸ループコイルの部分スキャンにおいて、ループコ
イルX、X、Xから電圧Vy1a、Vy1p、Vy1b
(0.46V、0.70V、0.59V)を得、ループ
コイルX11、X12、X13から電圧Vy2a、Vy2p、Vy
2b(0.57V、1.34V、1.27V)を得る。そ
して、Y軸ループコイルの部分スキャンにおいて、ルー
プコイルY、Y、Y10から電圧Vy1a’、V
1p’、Vy1b’(0.33V、0.51V、0.44
V)を得、ループコイルY13、Y14、Y15から電圧Vy
2a’、Vy2p’、Vy2b’(0.18V、0.26V、
0.15V)を得る。
【0479】上記のデータではVy2p(1.34V)が
最大であるので、X軸ループコイルの出力値を用いて傾
斜角θyを前記(17)式から求める。
【0480】VyとVyとを求める。前記(11)式
から、Vy=0.71V、Vy=1.41Vと求め
られる。
【0481】上記と同様に、VyとVyとのうちの
大きい方をV2とし且つ小さい方をV1とすると[Vy
/Vy=2.0]となり、(17)式から、傾斜角θ
y=30°と計算される。
【0482】CPU10は、次に(24)式を用いて傾斜
角θzを計算する。θx=20°且つθy=30°であ
るので[θz=cos-1(cos 20°・cos 30
°)=36°]と計算される。
【0483】5. 変更可能な個所の例 なお、第三実施例の位置指示器120の電源回路36の
充電は任意の適切な方法で行うとよい。例えば、装置の
始動時に適当な充電期間を設け、その後は不足分につい
て送信コイル24で発生した誘導電圧の一部を随時取り
込むようにしてもよく、また、各モード設定期間におい
て又は各モードの動作の前や後に充電期間を設けて充電
するようにしてもよく、また、上記の方法の組み合わせ
としてもよい。
【0484】また、傾斜検出コイル27または28が動
作状態にあるとき、共振回路32が磁界を発生しないよ
うに、共振回路32に制御コイル24を開放とする手段
を設け、送信コイル24を開放とするようにしてもよ
い。
【0485】また、前記実施例のいずれの場合にも、ス
テップ155〜156では送信モードにループコイルX
を選択回路2で選択する場合を示したが、X軸ループ
コイルとY軸ループコイルとは交差しており、位置指示
器は、ループコイルXとループコイルY12との交差す
る範囲内に位置しているので、X軸方向の部分スキャン
の送信モードでループコイルY12を選択し、Y軸方向の
部分スキャンの送信モードでループコイルXを選択し
てもよい。また、ステップ157及びステップ159の
モード設定期間においてループコイルXを選択回路2
で選択する場合を示したが、ループコイルY12を選択し
てもよい。
【0486】また、この実施例では、ピーク値の比率と
傾斜角との関係を数式で表し、その数式から傾斜角を求
めるようにしたが、ピーク値の各比率とそれに対応する
傾斜角とを記述するテーブルを記憶し、そのテーブルか
ら傾斜角を求めるようにしてもよい。
【0487】また、上記の実施例では、何れのループコ
イルから出力される値の組を、傾斜角を求めるためのデ
ータとして用いるかを決定するために、X軸及びY軸ル
ープコイルから出力される第1最大値と第2最大値とを
比較した。しかし、別の方法として、まず、X軸及びY
軸ループコイルから出力される値を基にしてそれぞれの
第1ピーク値及び第2ピーク値を求め、それらピーク値
を比較して、最大のピーク値と該ピーク値と対のピーク
値とを用いて傾斜角を求めるようにしてもよい。
【0488】また、傾斜角を計算するためにV2及びV
1に対応する値を決定するときに、常に、第1ピーク値
をV1とし且つ第2ピーク値をV2とする(又はその反
対とする)ようにし、前記(17)式から計算された値を
絶対値で表すようにしてもよい。
【0489】また、上記の実施例では、傾斜角θx及び
傾斜角θyを求めるための何れの部分スキャンにおいて
も、X軸及びY軸ループコイルの両方をスキャンした
が、別の方法として、傾斜角θyを求めるための部分ス
キャンにおいて、傾斜角θxを求めるための部分スキャ
ンにおいて最大の値を出力したループコイルと別の方の
ループコイルのみをスキャンするようにしてもよい。
(例えば、傾斜角θxを求めるための部分スキャンにお
いて最大の値を出力したループコイルがX軸ループコイ
ルである場合には、傾斜角θyを求めるための部分スキ
ャンにおいてはY軸ループコイルのみをスキャンす
る。)傾斜角θyを求めるステップにおいて一方のルー
プコイルをスキャンする必要がなくなると、θxを求め
る過程で行った第1及び第2最大値を比較するステップ
も省略される。
【0490】IV. 第四実施例 第四実施例は、第三実施例の位置指示器主要部に更にコ
イルを設け、共振回路31の調整がより容易にできるよ
うにしたものである。第三実施例の構成では、共振回路
31に送信コイル24を短絡するためのスイッチ90を
設けており、このスイッチ90の端子間容量が共振回路
31の共振周波数に影響するため、共振回路31の調整
が複雑になる。第四実施例の構成では、共振回路31の
調整がより容易にできるようにするために、新たにコイ
ル91を設け、それを短絡することによって送信コイル
24を短絡したのと同じ状態を作り出す。
【0491】第四実施例は、第三実施例と比較して、コ
イル24と同じ範囲を囲むように、磁性体コア122に
コイル91が横に巻かれることを特徴とする。第四実施
例では、位置指示器120の外観は図26に示すものと
同じペンの形状であり、磁性体コア122、ペン先2
1、クリップ29の配置も第三実施例と同様であり、コ
イル24(送信コイル)、コイル27及び28(傾斜検
出コイル)もまた、第三実施例と同様に巻かれる。
【0492】図41は、第四実施例の要部回路構成図を
示す。図41において、図27と同一の符号は図27と
同一のものをそれぞれ表す。
【0493】送信コイル24にコンデンサ31が接続さ
れ、共振回路32が構成される。
【0494】傾斜検出コイル27にはコンデンサ34が
接続され共振回路63が構成され、傾斜検出コイル28
にはコンデンサ35が接続され共振回路64が構成され
る。
【0495】送信コイル24が囲む範囲を囲むように巻
かれたコイル91には、該コイル91を短絡するための
スイッチ92が設けられている。このコイル91は、共
振回路63又は共振回路64が共振状態となったときに
短絡され、共振回路63又は64の共振を妨害するよう
な磁束がコイル24(共振回路32)から発生しないよ
うにするためのものである。
【0496】共振回路32は電源回路36、検波回路3
7、検波回路38、検波回路39にそれぞれ接続されて
いる。該検波回路37と積分回路40とコンパレータ4
3及びそれらからなる第1の経路60、検波回路38と
積分回路41とコンパレータ44及びそれらからなる第
2の経路61、検波回路39と積分回路42とコンパレ
ータ45及びそれらからなる第3の経路62の構成も、
第三実施例と同様である。
【0497】コンパレータ43からのシリアルパラレル
変換回路46とデコーダ47とラッチ回路48への接
続、コンパレータ44、45のそれぞれからのシリアル
パラレル変換回路46への接続、シリアルパラレル変換
回路46からデコーダ47への接続、及びデコーダ47
からラッチ回路48への接続も、第三実施例と同様であ
る。
【0498】ラッチ回路48のQ出力は、単安定マル
チバイブレータ49に接続される。単安定マルチバイブ
レータ49の出力は、共振回路63を閉路又は開路とす
るスイッチ56の開閉制御のためにスイッチ56に接続
され、かつ、オア回路52の一方の入力に接続される。
ラッチ回路48のQ出力は、単安定マルチバイブレー
タ50に接続される。単安定マルチバイブレータ50の
出力は、共振回路64を閉路又は開路とするスイッチ5
7の開閉制御のために該スイッチ57に接続され、か
つ、オア回路52の他方の入力に接続される。オア回路
52の出力は、コイル91を閉路又は開路とするスイッ
チ92の開閉制御のために該スイッチ92に接続され
る。
【0499】第三実施例の構成では、共振回路31に送
信コイル24を短絡するためのスイッチ90を設けてい
る。このスイッチ90の端子間容量が共振回路31の共
振周波数に影響するため、共振回路31の調整が複雑に
なる。第四実施例の構成では、コイル91を短絡するこ
とによって送信コイル24を短絡したのと同じ状態を作
り出すように構成しているので、共振回路31の調整が
より容易にできる。
【0500】次に、第四実施例の動作を説明する。第四
実施例の全面スキャン動作は第三実施例と同じである。
また、位置指示器120の指示する位置を求めるための
部分スキャン動作を行うためのモード設定(“00”モ
ード)、傾斜角θxを求めるための部分スキャン動作を
行うためのモード設定(“01”モード)、及び傾斜角
θyを求めるための部分スキャン動作を行うためのモー
ド設定(“10”モード)をするための、タブレット1
から位置指示器120送られる信号及びそれらの信号の
処理は、第三実施例と同じであり、その結果としてラッ
チ回路48から出力される信号も、第三実施例と同じで
ある。ここでは、第三実施例と異なる部分のみ説明す
る。
【0501】第三実施例では、共振回路63を共振可能
状態としたときに、及び、共振回路64を共振可能状態
としたときに、それと同時に、送信コイル24を短絡す
ることによって、送信コイル24に磁界が発生しないよ
うにする。
【0502】これに対して、第四実施例ではコイル91
を短絡することによって、送信コイル24及びコンデン
サ31で構成される共振回路32に磁界が発生しないよ
うにする。
【0503】以下に、ラッチ回路48以降の回路の動作
を説明する。
【0504】位置指示器120の指示する位置を求める
ための部分スキャン動作を行うための“00”モード設
定動作において、ラッチ回路48のQ、Q、Q
出力はH、L、L、Lとなる。しかし、Q出力は
何れのコイルを制御するためにも用いられていないの
で、スイッチ92、56、57は開いた状態である。従
って、コイル91は開路となり、共振回路63及び64
もまた開路となり、送信コイル24とコンデンサ31と
で構成される共振回路32のみが共振可能な状態とな
る。
【0505】傾斜角θxを求めるための部分スキャン動
作を行うための“01”モード設定動作において、ラッ
チ回路48のQ、Q、Q、Q出力はL、H、
L、Lとなる。Q出力がHになると、単安定マルチバ
イブレータ49が4400μsの間オンになり、H信号
を出力する。このH信号によってスイッチ56が閉じら
れ、傾斜検出コイル27とコンデンサ56とが接続さ
れ、共振回路63が共振可能となる。同時に、このH信
号はオア回路52の一方の入力に入力される。このH信
号を入力されたオア回路52はその出力部からH信号を
出力し、スイッチ92を閉じる。これによってコイル9
1が短絡される。Q出力はLであるので、スイッチ5
7は開いた状態となるため、共振回路64は共振しな
い。
【0506】傾斜角θyを求めるための部分スキャン動
作を行うための“10”モード設定動作において、ラッ
チ回路48のQ、Q、Q、Q出力はL、L、
H、Lとなる。Q出力がHになると、単安定マルチバ
イブレータ50が4400μsの間オンになり、H信号
を出力する。このH信号によってスイッチ57が閉じら
れ、傾斜検出コイル28とコンデンサ57とが接続さ
れ、共振回路63が共振可能となる。同時に、このH信
号はオア回路52の他方の入力に入力される。このH信
号を入力されたオア回路52はその出力部からH信号を
出力し、スイッチ92を閉じる。これによってコイル9
1が短絡される。Q出力はLであるので、スイッチ5
6は開いた状態となるため、共振回路63は共振しな
い。
【0507】上記で説明していないその他の構成、信号
及び動作はすべて第三実施例と同じである。
【0508】
【発明の効果】本発明は、電磁誘導を利用した位置検出
装置において、位置指示器が、該位置指示器をタブレッ
トの検出面上で基準となる状態に配置したとき、前記検
出面に対して垂直な面に平行に巻かれた、傾斜角を検出
するためのコイルを備え、そして、タブレットが、前記
位置指示器のコイルから送信される信号を受信して該信
号の前記タブレット上での受信信号の分布を検出し、検
出された値に基づいて、前記位置指示器の傾斜角を求め
る手段を備えるように構成した。
【0509】従って、位置指示器の傾斜角を正確に検出
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の位置検出装置としてのタブ
レット1の要部回路構成図を示す。
【図2】第一実施例の位置指示器の外観及び共振回路部
分の説明図を示す。
【図3】本発明第一実施例の位置指示器の要部回路構成
図を示す。
【図4】タブレットのCPU内に記憶された動作制御プ
ログラムのフローチャートを示す。
【図5】図4に続く、前記CPU内に記憶された動作制
御プログラムのフローチャートを示す。
【図6】X軸ループコイルの全面スキャン時の、図1及
び図2に×印で示した点の出力を示す出力波形図であ
る。
【図7】Y軸ループコイルの全面スキャン時の、図1及
び図2に×印で示した点の出力を示す出力波形図であ
る。
【図8】位置指示器の指示する位置の座標値を検出する
時の、図1及び図2に×印で示した点の出力を示す出力
波形図である。
【図9】位置指示器の回転角を求めるための座標値を検
出する時の、図1及び図2に×印で示した点の出力を示
す出力波形図である。
【図10】位置指示器の傾斜角θxを求める時の、図1
及び図2に×印で示した点の出力を示す出力波形図であ
る。
【図11】位置指示器の傾斜角θyを求める時の、図1
及び図2に×印で示した点の出力を示す出力波形図であ
る。
【図12】位置指示器の傾斜角θxを求める時の、図1
及び図2に×印で示した点の出力を示す出力波形図であ
る。
【図13】位置指示器の傾斜角θyを求める時の、図1
及び図2に×印で示した点の出力を示す出力波形図であ
る。
【図14】図6と図7との結合関係を示す図である。
【図15】図8、図9、図10及び図11の結合関係を
示す図である。
【図16】図8、図9、図12及び図13の結合関係を
示す図である。
【図17】X軸上に各コイルの中心位置、Y軸に受信信
号強度を取ったものであり、3つの点(x,y)=(−
d,Va)、(0,Vp)、(d,Vb)を基にして決
定した近似2次曲線を示す。
【図18】座標値(X,Y)及び(X,Y)に
基づいて回転角を求める原理を説明するための図であ
る。
【図19】タブレットのループコイルと、位置指示器の
傾斜検出コイルと、該位置指示器の傾斜検出コイルから
出力される電波(磁束)とを示す。
【図20】図19の状態においてコイル15から各ルー
プコイルが電波(磁束)を受信して、その結果として各
ループコイルから出力される信号の強度と、該各ループ
コイルの中心位置との関係を示す。
【図21】図19に示すコイル15が或る角度だけ傾斜
した状態を示す。
【図22】図21の状態において、各ループコイルがコ
イル15の磁界に影響された結果として各ループコイル
から出力される信号と、各ループコイルの中心位置との
関係を表す。
【図23】V1とV2の比率と、傾斜角との関係を示す
グラフである。
【図24】回転角θrの範囲と、傾斜角及び傾斜方向
と、第1ピークの大きさと、第2ピークの大きさと、ル
ープコイルからの信号を受けて対応する信号を送り返す
傾斜検出コイルと、傾斜検出コイルに信号を送り且つそ
こから送り返される信号を受信するループコイルとの関
係を示す。
【図25】図25は、第二実施例の位置指示器の要部回
路の別の構成を示す。
【図26】第三実施例の位置指示器の外観及び共振回路
部分の説明図を示す。
【図27】第三実施例の位置指示器の要部回路構成図を
示す。
【図28】タブレットのCPU内に記憶された動作制御
プログラムのフローチャートを示す。
【図29】図28に続く、前記CPU内に記憶された動
作制御プログラムのフローチャートを示す。
【図30】X軸ループコイルの全面スキャン時の、図1
及び図27に×印で示した点の出力を示す出力波形図で
ある。
【図31】Y軸ループコイルの全面スキャン時の、図1
及び図27に×印で示した点の出力を示す出力波形図で
ある。
【図32】位置指示器の指示する位置の座標値を検出す
る時の、図1及び図27に×印で示した点の出力を示す
出力波形図である。
【図33】位置指示器の傾斜角θxを求める時の、図1
及び図27に×印で示した点の出力を示す出力波形図で
ある。
【図34】位置指示器の傾斜角θyを求める時の、図1
及び図27に×印で示した点の出力を示す出力波形図で
ある。
【図35】位置指示器の傾斜角θxを求める時の、図1
及び図27に×印で示した点の出力を示す出力波形図で
ある。
【図36】位置指示器の傾斜角θyを求める時の、図1
及び図27に×印で示した点の出力を示す出力波形図で
ある。
【図37】図37は、図30と図31との結合関係を示
す図である。
【図38】図32、図33及び図34の結合関係を示す
図である。
【図39】図32、図35及び図36の結合関係を示す
図である。
【図40】XYZ座標系における傾斜角θx、θy及び
θzの関係を表す。
【図41】第四実施例の位置指示器の要部の回路構成を
示す。
【符号の説明】 1 タブレット 2 選択回路 3 送受切替回路 5 アンプ 6 検波回路 7 ローパスフィルタ 8 サンプルホールド回路 9 アナログ・デジタル変換回路 10 CPU 11 発信器 12 電流ドライバ 20、120 位置指示器 21 ペン先 22、23、122 磁性体コア 24 送信コイル 25、26、91 制御コイル 27、28 傾斜検出コイル 29 クリップ 30 ペンケース 32、63、64 共振回路 33 補償用コンデンサ 36 電源回路 37、38、39 検波回路 40、41、42 積分回路 43、44、45 コンパレータ 46 シリアルパラレル変換回路 47 デコーダ 48 ラッチ回路 49、50 単安定マルチバイブレータ 51、52 オア回路

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置指示器にコイルを設けてタブレット
    との電磁誘導を利用して位置指示器の座標位置を検出す
    る位置検出装置において、 前記位置指示器に、 前記タブレットに垂直な面に平行に巻かれた傾き検出用
    のコイルを備え、 前記タブレットに、 前記傾き検出用のコイルから発生される傾斜検出用信号
    を検出する検出回路と、 該検出回路の検出内容に基づいて前記位置指示器の傾斜
    角度を判別する処理回路と、を備える、ことを特徴とす
    る位置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記検出回路は、前記傾斜検出用信号
    の、タブレットの上面における信号強度分布を検出する
    回路を備え、 前記処理回路は、前記検出回路で検出された前記傾斜検
    出用信号の信号強度分布から前記位置指示器の傾斜角度
    を判別する回路を備える、ことを特徴とする請求項1に
    記載の位置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記処理回路は、前記信号強度分布から
    2つのピーク値を求め、前記2つのピーク値の比率を基
    にして前記位置指示器の傾斜角度を判別する回路を備え
    る、ことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記位置指示器は、 前記傾き検出用のコイルと更に設けたコンデンサとで構
    成される、前記タブレットから送信される電波によって
    共振され、前記傾斜検出用信号を電波として発生する共
    振回路を備え、 前記タブレットは、 前記共振回路の共振周波数の電波を前記位置指示器に送
    信する回路を備えた、ことを特徴とする請求項1、2又
    は3に記載の位置検出装置。
  5. 【請求項5】 位置指示器にコイルを設けてタブレット
    との電磁誘導を利用して位置指示器の座標位置を検出す
    る位置検出装置において、 前記タブレットに垂直な面に平行に巻かれた傾き検出用
    のコイルを備える、ことを特徴とする位置指示器。
  6. 【請求項6】 前記傾き検出用のコイルと更に設けたコ
    ンデンサとで構成される、前記タブレットから送信され
    る電波によって共振されて、傾斜検出用信号を電波とし
    て発生する共振回路を備える、ことを特徴とする請求項
    5に記載の位置指示器。
  7. 【請求項7】 位置指示器にコイルを設けてタブレット
    との電磁誘導を利用して位置指示器の座標位置を検出す
    る位置検出装置において、 前記位置指示器に、 前記タブレットに垂直な面に平行に巻かれた傾き検出用
    の第一のコイルと、 前記タブレットに垂直な面に平行に、前記第一のコイル
    と直交するように巻かれた傾き検出用の第二のコイル
    と、を備え、 前記タブレットに、 前記第一のコイルを第1の所定のタイミングで動作状態
    にするための制御信号と、前記第二のコイルを第2の所
    定のタイミングで動作状態にするための制御信号とを前
    記位置指示器に送出する回路と、 前記第一のコイル又は前記第二のコイルから発生される
    傾斜検出用信号の、前記タブレットの上面における信号
    強度分布を検出する検出回路と、 前記検出回路で検出された前記第一のコイルからの傾斜
    検出用信号の信号強度分布に基づいて直交座標系の一方
    の傾斜角度を判別し、前記第二のコイルからの傾斜検出
    用信号の信号強度分布に基づいて前記直交座標系の他方
    の傾斜角度を判別する処理回路と、を備える、ことを特
    徴とする位置検出装置。
  8. 【請求項8】 前記位置指示器に、 前記第一のコイルと更に設けたコンデンサとで構成され
    る、前記タブレットから送信される電波によって共振さ
    れ、前記傾斜検出用信号を電波として発生する第一の共
    振回路と、 前記第二のコイルと更に設けたコンデンサとで構成され
    る、前記タブレットから送信される電波によって共振さ
    れ、前記傾斜検出用信号を電波として発生する第二の共
    振回路と、を備え、 前記タブレットに、 前記電波を前記位置指示器に送信する回路を備える、こ
    とを特徴とする請求項7に記載の位置検出装置。
  9. 【請求項9】 前記位置指示器に、 座標位置を検出するための、前記タブレットに垂直な軸
    方向を中心として巻かれた位置検出用の第三のコイルを
    備え、 前記タブレットに、 前記第三のコイルから発生される位置検出用信号の、前
    記タブレットの上面における信号強度分布を検出する検
    出回路と、 該検出回路で検出された前記位置検出用信号の信号強度
    分布に基づいて、前記タブレットの上面における前記位
    置指示器の指示する位置を判別する処理回路と、 前記第三のコイルを所定のタイミングで動作状態にする
    ための制御信号を前記位置指示器に送出する回路と、を
    備える、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の位置
    検出装置。
  10. 【請求項10】 前記位置指示器に、 前記第三のコイルと更に設けたコンデンサとで構成され
    る、前記タブレットから送信される電波によって共振さ
    れ、前記位置検出用信号を電波として発生する第三の共
    振回路を備える、ことを特徴とする請求項9に記載の位
    置検出装置。
  11. 【請求項11】 ペン形状の位置指示器の位置指示部に
    磁性体コアに巻かれたコイルを設けてタブレットとの電
    磁誘導を利用して位置指示器の指示位置を検出する位置
    検出装置において、 前記位置指示器に、 前記位置指示器の長手方向に垂直な方向を軸方向として
    前記磁性体コアに巻かれた第一のコイルと第一のコンデ
    ンサとで構成され、前記タブレットから送信される電波
    によって共振され、傾斜検出用信号を前記第一のコイル
    より電波として発生する第一の共振回路と、 前記第一のコイルと直交し、かつ前記位置指示器の長手
    方向に垂直な方向を軸方向として前記磁性体コアに巻か
    れた第二のコイルと第二のコンデンサとで構成され、前
    記タブレットから送信される電波によって共振され、傾
    斜検出用信号を前記第二のコイルより電波として発生す
    る第二の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記磁性体コ
    アに巻かれた第三のコイルと第三のコンデンサとで構成
    され、前記タブレットから送信される電波によって共振
    され、位置検出用信号を前記第三のコイルより電波とし
    て発生する第三の共振回路と、 前記第一の共振回路の動作を制御する第一の制御回路
    と、 前記第二の共振回路の動作を制御する第二の制御回路
    と、 前記第三の共振回路の動作を制御する第三の制御回路
    と、を備え、 前記タブレットに、 第1の所定のタイミングで前記第一の共振回路を動作状
    態にし且つ前記第三の共振回路を非動作状態にするため
    の第一の制御信号と、第2の所定のタイミングで前記第
    二の共振回路を動作状態にし且つ前記第三の共振回路を
    非動作状態にするための第二の制御信号と、第3の所定
    のタイミングで前記第三の共振回路を動作状態にし且つ
    前記第一の共振回路及び前記第二の共振回路を非動作状
    態にするための第三の制御信号と、を前記位置指示器に
    送出する回路と、 前記第一のコイルまたは前記第二のコイルから発生され
    る傾斜検出用信号の、前記タブレットの上面における信
    号強度分布を検出する検出回路と、 前記検出回路で検出された前記第一のコイルからの傾斜
    検出用信号の信号強度分布に基づいて直交座標系の一方
    の傾斜角度を判別し、前記第二のコイルからの傾斜検出
    用信号の信号強度分布に基づいて直交座標系の他方の傾
    斜角度を判別する処理回路と、 前記第三のコイルから発生される位置検出用信号の、前
    記タブレットの上面における信号強度分布を検出する検
    出回路と、 該検出回路で検出された前記位置検出用信号の信号強度
    分布に基づいて、前記タブレットの上面における前記位
    置指示器の指示する位置を判別する回路と、備える、こ
    とを特徴とする位置検出装置。
  12. 【請求項12】 前記処理回路は、前記第一のコイルか
    らの前記傾斜検出用信号の前記信号強度分布から2つの
    ピーク値を求め、該2つのピーク値の比率を基にして前
    記直交座標系の一方の傾斜角度を判別し、かつ、前記第
    二のコイルからの前記傾斜検出用信号の前記信号強度分
    布から2つのピーク値を求め、該2つのピーク値の比率
    を基にして前記直交座標系の他方の傾斜角度を判別する
    回路を備える、ことを特徴とする請求項7、8、9、1
    0又は11に記載の位置検出装置。
  13. 【請求項13】 位置指示器にコイルを設けてタブレッ
    トとの電磁誘導を利用して位置指示器の座標位置を検出
    する位置検出装置において、 前記タブレットに垂直な面に平行に巻かれた傾き検出用
    の第一のコイルと、 前記タブレットに垂直な面に平行に、前記第一のコイル
    と直交するように巻かれた傾き検出用の第二のコイル
    と、を備えることを特徴とする位置指示器。
  14. 【請求項14】 前記第一のコイルと更に設けたコンデ
    ンサとで構成される、前記タブレットから送信される電
    波によって共振され、信号を電波として発生する第一の
    共振回路と、 前記第二のコイルと更に設けたコンデンサとで構成され
    る、前記タブレットから送信される電波によって共振さ
    れ、信号を電波として発生する第二の共振回路と、を備
    えることを特徴とする請求項13に記載の位置指示器。
  15. 【請求項15】 座標位置を検出するための、前記タブ
    レットに垂直な軸方向を中心として巻かれた位置検出用
    の第三のコイルを備える、ことを特徴とする請求項13
    又は14の何れかに記載の位置指示器。
  16. 【請求項16】 前記第三のコイルと更に設けたコンデ
    ンサとで構成される、前記タブレットから送信される電
    波によって共振され、信号を電波として発生する第三の
    共振回路を備える、ことを特徴とする請求項15に記載
    の位置指示器。
  17. 【請求項17】 ペン形状の位置指示器の位置指示部に
    磁性体コアに巻かれたコイルを設けてタブレットとの電
    磁誘導を利用して位置指示器の指示位置を検出する位置
    検出装置において、 前記位置指示器の長手方向に垂直な方向を軸方向として
    前記磁性体コアに巻かれた第一のコイルと第一のコンデ
    ンサとで構成され、前記タブレットから送信される電波
    によって共振され、傾斜検出用信号を前記第一のコイル
    より電波として発生する第一の共振回路と、 前記第一のコイルと直交し、かつ前記位置指示器の長手
    方向に垂直な方向を軸方向として前記磁性体コアに巻か
    れた第二のコイルと第二のコンデンサとで構成され、前
    記タブレットから送信される電波によって共振され、傾
    斜検出用信号を前記第二のコイルより電波として発生す
    る第二の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記磁性体コ
    アに巻かれた第三のコイルと第三のコンデンサとで構成
    され、前記タブレットから送信される電波によって共振
    され、位置検出用信号を前記第三のコイルより電波とし
    て発生する第三の共振回路と、 前記タブレットから送信される第一の制御信号に応答
    し、第1の所定のタイミングで前記第一の共振回路を動
    作状態にし且つ前記第三の共振回路を非動作状態にする
    ように制御する第一の制御回路と、 前記タブレットから送信される第二の制御信号に応答
    し、第2の所定のタイミングで前記第二の共振回路を動
    作状態にし且つ前記第三の共振回路を非動作状態にする
    ように制御する第二の制御回路と、 前記タブレットから送信される第三の制御信号に応答
    し、第3の所定のタイミングで前記第三の共振回路を動
    作状態にし且つ前記第一の共振回路及び前記第二の共振
    回路を非動作状態にするように制御する第三の制御回路
    と、を備える、ことを特徴とする位置指示器。
  18. 【請求項18】 位置指示器にコイルを設けてタブレッ
    トとの電磁誘導を利用して位置指示器の座標位置を検出
    する位置検出装置において、 前記位置指示器に、 前記タブレットに垂直な面に平行に巻かれた傾き検出用
    の第一のコイルと、 前記タブレットに垂直な面に平行に、前記第一のコイル
    と直交するように巻かれた傾き検出用の第二のコイル
    と、を備え、 前記タブレットに、 前記第一のコイルを第1の所定のタイミングで動作状態
    にするための制御信号と、前記第二のコイルを第2の所
    定のタイミングで動作状態にするための制御信号とを前
    記位置指示器に送出する回路と、 前記位置指示器の前記タブレット面に対する回転角を検
    出する回転角検出回路と、 前記第一のコイル又は前記第二のコイルから発生される
    傾斜検出用信号の、前記タブレットの上面における信号
    強度分布を検出する検出回路と、 該検出回路で検出された前記第一のコイルからの傾斜検
    出用信号の信号強度分布と前記回転角に基づいて直交座
    標系の一方の傾斜角度及び傾斜方向を判別し、前記第二
    のコイルからの傾斜検出用信号の信号強度分布と前記回
    転角に基づいて前記直交座標系の他方の傾斜角度及び傾
    斜方向を判別する処理回路と、を備える、ことを特徴と
    する位置検出装置。
  19. 【請求項19】 前記位置指示器に、 前記第一のコイルと更に設けたコンデンサとで構成され
    る、前記タブレットから送信される電波によって共振さ
    れ、前記傾斜検出用信号を電波として発生する第一の共
    振回路と、 前記第二のコイルと更に設けたコンデンサとで構成され
    る、前記タブレットから送信される電波によって共振さ
    れ、前記傾斜検出用信号を電波として発生する第二の共
    振回路と、を備え、 前記タブレットに、 前記電波を前記位置指示器に送信する回路を備える、こ
    とを特徴とする請求項18に記載の位置検出装置。
  20. 【請求項20】 前記位置指示器に、 前記位置指示器の指示する前記タブレットの上面の座標
    位置を検出するための、前記タブレットに垂直な軸方向
    を中心として巻かれた位置検出用の第三のコイルを備
    え、 前記タブレットに、 前記第三のコイルから発生される位置検出用信号の、前
    記タブレットの上面における信号強度分布を検出する検
    出回路と、 該検出回路で検出された前記位置検出用信号の信号強度
    分布に基づいて、前記タブレットの上面における前記位
    置指示器の指示する位置を判別する回路と、 前記第三のコイルを所定のタイミングで動作状態にする
    ための制御信号を前記位置指示器に送出する回路と、を
    備える、ことを特徴とする請求項18又は19の何れか
    に記載の位置検出装置。
  21. 【請求項21】 前記位置指示器に、 前記第三のコイルと更に設けたコンデンサとで構成され
    る、前記タブレットから送信される電波によって共振さ
    れ、前記位置検出用信号を電波として発生する第三の共
    振回路を備える、ことを特徴とする請求項20に記載の
    位置検出装置。
  22. 【請求項22】 ペン形状の位置指示器の位置指示部に
    磁性体コアに巻かれたコイルを設けてタブレットとの電
    磁誘導を利用して位置指示器の指示位置を検出する位置
    検出装置において、 前記位置指示器に、 並設した2個の磁性体コアと、 前記位置指示器の長手方向に垂直な方向を軸方向として
    前記2個の磁性体コアを囲んで巻かれた第一のコイルと
    第一のコンデンサとで構成され、前記タブレットから送
    信される電波によって共振され、傾斜検出用信号を前記
    第一のコイルより電波として発生する第一の共振回路
    と、 前記第一のコイルと直交し、かつ前記位置指示器の長手
    方向に垂直な方向を軸方向として前記2個の磁性体コア
    を囲んで巻かれた第二のコイルと第二のコンデンサとで
    構成され、前記タブレットから送信される電波によって
    共振され、傾斜検出用信号を前記第二のコイルより電波
    として発生する第二の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアを囲んで巻かれた第三のコイルと第三のコンデ
    ンサとで構成され、前記タブレットから送信される電波
    によって共振され、位置検出用信号を前記第三のコイル
    より電波として発生する第三の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアのうちの一方に巻かれ、前記第三のコイルが発
    生する電波を制御するための第四のコイルと、 前記第一の共振回路の動作を制御する回路と、前記第二
    の共振回路の動作を制御する回路と、前記第三の共振回
    路の動作を制御する回路と、前記第四のコイルを開閉す
    る回路及び前記第四のコイルの開閉に応じて前記第三の
    共振回路の共振周波数を調節する回路と、を含む制御回
    路と、を備え、 前記タブレットに、 第1の所定のタイミングで前記第一の共振回路を動作状
    態にし且つ前記第三の共振回路を非動作状態にするため
    の第一の制御信号と、第2の所定のタイミングで前記第
    二の共振回路を動作状態にし且つ前記第三の共振回路を
    非動作状態するための第二の制御信号と、第3の所定の
    タイミングで前記第三の共振回路を動作状態にし且つ前
    記第一の共振回路及び前記第二の共振回路を非動作状態
    にし且つ前記第四のコイルを開くための第三の制御信号
    と、第4の所定のタイミングで前記第三の共振回路を動
    作状態にし且つ前記第一の共振回路及び前記第二の共振
    回路を非動作状態にし且つ前記第四のコイルを閉じるた
    めの第四の制御信号と、を前記位置指示器に送出する回
    路と、 前記第一のコイルまたは前記第二のコイルから発生され
    る傾斜検出用信号の、前記タブレットの上面における信
    号強度分布を検出する検出回路と、 前記検出回路で検出された前記第一のコイルからの傾斜
    検出用信号の信号強度分布に基づいて直交座標系の一方
    の傾斜角度を判別し、前記第二のコイルからの傾斜検出
    用信号の信号強度分布に基づいて直交座標系の他方の傾
    斜角度を判別する処理回路と、 前記第四のコイルが開いた状態で前記第三のコイルから
    発生される、第1の位置検出用信号の、前記タブレット
    の上面における信号強度分布を検出する検出回路と、 該検出回路で検出された前記第1の位置検出用信号の信
    号強度分布に基づいて、前記タブレットの上面における
    前記位置指示器の指示する位置を判別する回路と、 前記第四のコイルが閉じた状態で前記第三のコイルから
    発生される、第2の位置検出用信号の、前記タブレット
    の上面における信号強度分布を検出する検出回路と、 該検出回路で検出された前記第2の位置検出用信号の信
    号強度分布に基づいて、前記タブレットの上面における
    前記位置指示器の指示する回転角判別用の位置を判別す
    る回路と、を備える、ことを特徴とする位置検出装置。
  23. 【請求項23】 ペン形状の位置指示器の位置指示部に
    磁性体コアに巻かれたコイルを設けてタブレットとの電
    磁誘導を利用して位置指示器の指示位置を検出する位置
    検出装置において、 前記位置指示器に、 並設した2個の磁性体コアと、 前記位置指示器の長手方向に垂直な方向を軸方向として
    前記2個の磁性体コアを囲んで巻かれた第一のコイルと
    第一のコンデンサとで構成され、前記タブレットから送
    信される電波によって共振され、傾斜検出用信号を前記
    第一のコイルより電波として発生する第一の共振回路
    と、 前記第一のコイルと直交し、かつ前記位置指示器の長手
    方向に垂直な方向を軸方向として前記2個の磁性体コア
    を囲んで巻かれた第二のコイルと第二のコンデンサとで
    構成され、前記タブレットから送信される電波によって
    共振され、傾斜検出用信号を前記第二のコイルより電波
    として発生する第二の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアを囲んで巻かれた第三のコイルと第三のコンデ
    ンサとで構成され、前記タブレットから送信される電波
    によって共振され、位置検出用信号を前記第三のコイル
    より電波として発生する第三の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアの一方に巻かれ、前記第三のコイルが発生する
    電波を制御するための第四のコイルと、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアの他方に巻かれ、前記第三のコイルが発生する
    電波を制御するための第五のコイルと、 前記第一の共振回路の動作を制御する回路と、前記第二
    の共振回路の動作を制御する回路と、前記第四のコイル
    及び前記第五のコイルの両方を開閉することによって前
    記第三の共振回路の動作を制御する回路と、前記第四の
    コイル又は前記第五のコイルのうちの所定の一方のコイ
    ルを開閉する回路と、前記所定の一方のコイルの開閉に
    応じて前記第三の共振回路の共振周波数を調節する回路
    と、を含む制御回路と、を備え、 前記タブレットに、 第1の所定のタイミングで前記第一の共振回路を動作状
    態にし且つ前記第四のコイル及び前記第五のコイルの両
    方を閉じることによって前記第三の共振回路を非動作状
    態にするための第一の制御信号と、第2の所定のタイミ
    ングで前記第二の共振回路を動作状態にし且つ前記第四
    のコイル及び前記第五のコイルの両方を閉じることによ
    って前記第三の共振回路を非動作状態するための第二の
    制御信号と、第3の所定のタイミングで前記第四のコイ
    ル及び前記第五のコイルの両方を開くことによって前記
    第三の共振回路を動作状態にし且つ前記第一の共振回路
    及び前記第二の共振回路を非動作状態にするための第三
    の制御信号と、第4の所定のタイミングで前記第三の共
    振回路を動作状態にし且つ前記第四のコイル又は前記第
    五のコイルのうちの前記所定の一方のコイルを閉じ且つ
    他方のコイルを開き且つ前記第一の共振回路及び前記第
    二の共振回路を非動作状態にするための第四の制御信号
    と、を前記位置指示器に送出する回路と、 前記第一のコイルまたは前記第二のコイルから発生され
    る傾斜検出用信号の、前記タブレットの上面における信
    号強度分布を検出する検出回路と、 前記検出回路で検出された前記第一のコイルからの傾斜
    検出用信号の信号強度分布に基づいて直交座標系の一方
    の傾斜角度を判別し、前記第二のコイルからの傾斜検出
    用信号の信号強度分布に基づいて直交座標系の他方の傾
    斜角度を判別する処理回路と、 前記第四のコイル及び前記第五のコイルの両方が開いた
    状態で前記第三のコイルから発生される、第1の位置検
    出用信号の、前記タブレットの上面における信号強度分
    布を検出する検出回路と、 該検出回路で検出された前記第1の位置検出用信号の信
    号強度分布に基づいて、前記タブレットの上面における
    前記位置指示器の指示する位置を判別する回路と、 前記第四のコイル又は前記第五のコイルのうちの前記所
    定の一方のコイルが閉じ且つ他方のコイルが開いた状態
    で前記第三のコイルから発生される、第2の位置検出用
    信号の、前記タブレットの上面における信号強度分布を
    検出する検出回路と、 該検出回路で検出された前記第2の位置検出用信号の信
    号強度分布に基づいて、前記タブレットの上面における
    前記位置指示器の指示する回転角判別用の位置を判別す
    る回路と、を備える、ことを特徴とする位置検出装置。
  24. 【請求項24】 前記処理回路は、前記第一のコイルか
    らの前記傾斜検出用信号の前記信号強度分布から2つの
    ピーク値を求め、前記回転角に基づいて該2つのピーク
    値の比率を求め、該比率を基にして前記直交座標系の一
    方の傾斜角度を判別し、かつ、前記第二のコイルからの
    前記傾斜検出用信号の前記信号強度分布から2つのピー
    ク値を求め、前記回転角に基づいて該2つのピーク値の
    比率を求め、該比率を基にして前記直交座標系の他方の
    傾斜角度を判別する回路を備える、ことを特徴とする請
    求項18、19、20、21、22又は23に記載の位
    置検出装置。
  25. 【請求項25】 ペン形状の位置指示器の位置指示部に
    磁性体コアに巻かれたコイルを設けてタブレットとの電
    磁誘導を利用して位置指示器の指示位置を検出する位置
    検出装置において、 並設した2個の磁性体コアと、 前記位置指示器の長手方向に垂直な方向を軸方向として
    前記2個の磁性体コアを囲んで巻かれた第一のコイルと
    第一のコンデンサとで構成され、前記タブレットから送
    信される電波によって共振され、傾斜検出用信号を前記
    第一のコイルより電波として発生する第一の共振回路
    と、 前記第一のコイルと直交し、かつ前記位置指示器の長手
    方向に垂直な方向を軸方向として前記2個の磁性体コア
    を囲んで巻かれた第二のコイルと第二のコンデンサとで
    構成され、前記タブレットから送信される電波によって
    共振され、傾斜検出用信号を前記第二のコイルより電波
    として発生する第二の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアを囲んで巻かれた第三のコイルと第三のコンデ
    ンサとで構成され、前記タブレットから送信される電波
    によって共振され、位置検出用信号を前記第三のコイル
    より電波として発生する第三の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアのうちの一方に巻かれ、前記第三のコイルが発
    生する電波を制御するための第四のコイルと、 前記タブレットから送信される第一の制御信号に応答し
    て、第1の所定のタイミングで前記第一の共振回路を動
    作状態にし且つ前記第三の共振回路を非動作状態にし、
    前記タブレットから送信される第二の制御信号に応答し
    て、第2の所定のタイミングで前記第二の共振回路を動
    作状態にし且つ前記第三の共振回路を非動作状態にし、
    前記タブレットから送信される第三の制御信号に応答し
    て、第3の所定のタイミングで前記第三の共振回路を動
    作状態にし且つ前記第一の共振回路及び前記第二の共振
    回路を非動作状態にし且つ前記第四のコイルを開き、前
    記タブレットから送信される第四の制御信号に応答し
    て、第4の所定のタイミングで前記第三の共振回路を動
    作状態にし且つ前記第一の共振回路及び前記第二の共振
    回路を非動作状態にし且つ前記第四のコイルを閉じるよ
    うに制御する制御回路と、を備える、ことを特徴とする
    位置指示器。
  26. 【請求項26】 ペン形状の位置指示器の位置指示部に
    磁性体コアに巻かれたコイルを設けてタブレットとの電
    磁誘導を利用して位置指示器の指示位置を検出する位置
    検出装置において、 並設した2個の磁性体コアと、 前記位置指示器の長手方向に垂直な方向を軸方向として
    前記2個の磁性体コアを囲んで巻かれた第一のコイルと
    第一のコンデンサとで構成され、前記タブレットから送
    信される電波によって共振され、傾斜検出用信号を前記
    第一のコイルより電波として発生する第一の共振回路
    と、 前記第一のコイルと直交し、かつ前記位置指示器の長手
    方向に垂直な方向を軸方向として前記2個の磁性体コア
    を囲んで巻かれた第二のコイルと第二のコンデンサとで
    構成され、前記タブレットから送信される電波によって
    共振され、傾斜検出用信号を前記第二のコイルより電波
    として発生する第二の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアを囲んで巻かれた第三のコイルと第三のコンデ
    ンサとで構成され、前記タブレットから送信される電波
    によって共振され、位置検出用信号を前記第三のコイル
    より電波として発生する第三の共振回路と、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアの一方に巻かれ、前記第三のコイルが発生する
    電波を制御するための第四のコイルと、 前記位置指示器の長手方向を軸方向として前記2個の磁
    性体コアの他方に巻かれ、前記第三のコイルが発生する
    電波を制御するための第五のコイルと、 前記タブレットから送信される第一の制御信号に応答し
    て、第1の所定のタイミングで前記第一の共振回路を動
    作状態にし且つ前記第四のコイル及び前記第五のコイル
    の両方を閉じることによって前記第三の共振回路を非動
    作状態にし、前記タブレットから送信される第二の制御
    信号に応答して、第2の所定のタイミングで前記第二の
    共振回路を動作状態にし且つ前記第四のコイル及び前記
    第五のコイルの両方を閉じることによって前記第三の共
    振回路を非動作状態にし、前記タブレットから送信され
    る第三の制御信号に応答して、第3の所定のタイミング
    で前記第一の共振回路及び前記第二の共振回路を非動作
    状態にし且つ前記第四のコイル及び前記第五のコイルの
    両方を開くことによって前記第三の共振回路を動作状態
    にし、前記タブレットから送信される第四の制御信号に
    応答して、第4の所定のタイミングで前記第一の共振回
    路及び前記第二の共振回路を非動作状態にし且つ前記第
    三の共振回路を動作状態にし且つ前記第四のコイル又は
    前記第五のコイルのうちの所定の一方のコイルを閉じ且
    つ他方のコイルを開くようにする制御回路と、を備え
    る、ことを特徴とする位置指示器。
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