JPH0820142B2 - 水素吸蔵合金を用いた熱回収方法 - Google Patents

水素吸蔵合金を用いた熱回収方法

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JPH0820142B2
JPH0820142B2 JP61119141A JP11914186A JPH0820142B2 JP H0820142 B2 JPH0820142 B2 JP H0820142B2 JP 61119141 A JP61119141 A JP 61119141A JP 11914186 A JP11914186 A JP 11914186A JP H0820142 B2 JPH0820142 B2 JP H0820142B2
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  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)
  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は廃熱や地熱を回収し、有効にそれを活用する
熱回収方法に関し、具体的には蓄熱、ヒートポンプ(昇
温モード、熱増幅モード、冷凍モード)への利用に係る
水素吸蔵合金を用いた熱回収方法に関する。
〔従来の技術〕
金属水素化物を用いたヒートポンプの従来例を第2図
に示す。11は水素吸蔵合金Aの水素化物(以下、単にAH
と称する)の微粉末が充填された耐圧容器、12は水素吸
蔵合金Bの微粉末が充填された耐圧容器である。耐圧容
器11と12はラインaで連結されていて水素ガスが移動で
きるようになつている、13は温度TM1の熱源、14は温度T
Hの熱取出部、15は温度TLの熱源、16は温度TM2の熱源で
ある。
今バルブa1とa2、a5とa6を開き、一方、バルブa3
a4、a7とa8を閉じて熱源13から耐圧容器11へ温度TM1
熱を送り、この耐圧容器11内で次の反応式(イ)により
水素を発生させる。
AH→A+1/2 H2 …(イ)(△HAの反応熱を吸収する) 発生した水素はラインaを通つて耐圧容器12に導き、
次式(ロ)により合金Bに吸蔵させ、水素吸蔵合金Bの
水素化物(以下、単にBHと称する)とする。
B+1/2 H2→BH …(ロ)(△HBの反応熱を発生する) この時の発熱を吸収するため熱源15から温度TLの低温
熱を送る。
熱を発生させる時はバルブa3とa4、a7とa8を開き、一
方、バルブa1とa2、a5とa6を閉じて熱源16から耐圧容器
12へ温度TM2の熱を送り次の反応式(ハ)により水素を
発生させる。
BH→B+1/2 H2 …(ハ)(△HBの反応熱を吸収する) 発生した水素はラインaを通つて耐圧容器11に導き、
次式(ニ)により合金Aに吸蔵させる。
A+1/2 H2→AH …(ニ)(△HAの反応熱を発生する) この時の反応熱を熱取出部14から取出す。即ち熱源13
から△HAの熱を供給し、熱取出部14から同一の熱量を取
出すことになる。この間の反応を合金A,Bの水素化物(A
H,BH)の分解平衡水素圧と温度の関係図上で説明したの
が第4図である。温度TM1の熱を供給してAHを分解して
水素を発生し、この水素を温度TLで合金Bに吸蔵させBH
とし、BHをTM2の温度まで昇温して再び水素を発生さ
せ、合金Aに吸蔵させる。この時の温度はTM1より高いT
Hと昇温した状態で取り出せる。第3図はTM1=TM2(=T
M)のケースを示したものである。これらはTMの温度の
熱を入れてそれより高い温度THの熱を取り出すモード
で、昇温モードと言われる。
更に第5図は熱増幅モードと呼ばれるもので温度TH
高温の熱をAHに与えてAHを分解して水素を発生し、この
水素を合金Bに吸蔵させBHとし、THより低温のTMの熱を
取り出す。BHにTLなる低温の熱を加えてBHを分解し、発
生した水素を合金Aに吸蔵させAHとし、THより低温のTM
熱を取り出す。即ちTHの高温熱源を入れて、それより低
温のTMなる熱を二ケ所から取り出すモードである。
第6図は第5図と同じ流れであるが、BHを温度TLにす
るための熱媒をBH分解時の吸熱反応で冷却し、この冷温
を出力とするもので、冷凍モードと呼ばれる。
その他にA、B、Cと三種類の合金を使つた熱増幅モ
ード(図示せず)も提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで上記従来の微粉末充填方式では次の欠点があ
つた。
(1) 熱の流れが間欠的であるため実装置では3連以
上を並べる必要があつた。
(2) 合金が水素を吸蔵し金属水素化物に変化する
と、その熱伝導性が極端に低下し、加熱して水素を放出
させる時に熱が伝わり難く、水素放出に時間がかかり、
しかも体積膨張が起り、容器の変形、破損の恐れがあ
る。
(3) 水素を放出する際充填した微粉末が同伴するた
め、容器のガス出入口にフイルターが設置されるが、こ
のフイルターの目詰りによるトラブルが発生する。
〔目的〕
本発明は、上記従来方式の欠点を解消する水素吸蔵合
金を用いた熱回収方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そして、本発明は、上記目的を達成する手段として、
水素吸蔵合金粉末を溶媒中に懸濁させてスラリー状とし
て使用する点にある。すなわち、本発明は、炭素と水素
のみで構成された飽和炭化水素、芳香族炭化水素、およ
び脂環式飽和炭化水素からなる群およびアルコール類か
らなる群から選ばれた溶媒に水素吸蔵合金Aを懸濁した
スラリーと水素を接触させ、AHスラリーを得る第1工程
と、第1工程から送られたAHスラリーを水素吸蔵合金A
と水素に分解して水素吸蔵合金Aのスラリーを第1工程
に循環させる第2工程と、該溶媒に水素吸合金Bを懸濁
したスラリーと第2工程で発生した水素とを接触させ、
BHスラリーを得る第3工程と、第3工程から送られたBH
スラリーを水素吸蔵合金Bと水素に分解して水素吸蔵合
金Bのスラリーを第3工程に循環させる第4工程から成
り、第4工程で発生した水素を第1工程へ循環させるこ
とを特徴とする熱回収方法である。
本発明では、水素吸蔵合金粉末を溶媒中に懸濁させて
スラリー状として使用するものであるが、この溶媒とし
ては、合金と反応するものは不可であるので、有機溶媒
を使用する。この中で炭素と水素で構成された飽和炭化
水素、芳香族炭化水素、脂環式飽和炭化水素が選定でき
る。更にCa,Mg,Li,Alを含まない合金に対してはアルコ
ール類(例えばポリエチレングリコール)も使用でき
る。(Ca,Mg,Li,Alはアルコールと反応して金属アルコ
キシドを生成し易いので、このような金属を含む合金の
場合、アルコール類は溶媒として使用できない。) 本発明では、上記したように、水素吸蔵合金粉末を溶
媒中に懸濁させてスラリー状として使用するものである
から、ポンプ輸送が可能となり連続的に高温熱を取り出
せるヒートポンプシステムが完成する。また、溶媒が熱
媒体となり、熱伝導性が向上し、その上、合金の膨張に
よる支障や飛散による支障が無い作用効果を奏する。
〔実施例〕
第1図に基づいて本発明を詳細に説明する。第1図は
本発明の実施例を説明するための図であつて、ヒートポ
ンプの概略全体図である。また、本発明における水素吸
蔵合金AとしてLaNi5を用い、これを懸濁させるための
溶媒として平均分子量400のポリエチレングリコール
(以下PEGと略記する。)を使用し、一方、水素吸蔵合
金BとしてMnNi5(Mmはミツシユメタルを表わし、希土
類金属の混合したメタルを示す。)を用い、これを懸濁
させるための溶媒としてプロピルベンゼン(以下PBと略
記する。)を使用する。そして、LaNi5/PEGスラリーとM
mNi5/PBスラリー(各々スラリー濃度30wt%)を用いた
ヒートポンプ例(昇温モード)を第1図に基づいて説明
する。
第1図において、1は高温熱回収槽で、熱交換エレメ
ント2により高温の熱を取り出す。この高温熱回収槽1
にはライン(イ)を介して水素ガスが、またライン
(ロ)を介してLaNi5/PEGスラリーが供給され、次式に
よりLaNi5の水素化物が生成し反応熱を出す。
LaNi5+3H2→LaNi5H6 (△H1の反応熱を発生する) LaNi5H6/PEGスラリーはライン(ハ)を介して熱回収
槽3に導かれ、ライン(ニ)から供給される75℃の熱源
によつて加熱され、次式により水素を放出する。
LaNi5H6→LaNi5+3H2 (△H1の反応熱を吸収する) LaNi5/PEGスラリーはポンプ4によりライン(ロ)を
介して高温熱回収槽1へ再循環させる。発生した水素は
ライン(ホ)を介して水素貯槽5へ導かれ、MmNi5/PBス
ラリーに次式により水素が貯蔵される。
MmNi5+3H2→MmNi5H6 (△H2の反応熱を発生する) この時の発熱を吸収し、水素の貯蔵を進行させるため
ライン(ヘ)から0℃の熱源が供給される。MmNi5H6/PB
スラリーはライン(ト)を介して水素発生槽6へ導入さ
れ、ライン(チ)から供給される45℃の熱源により加熱
され、次式により水素を放出する。
MmNi5H6→MmNi5+3H2 (△H2の反応熱を発生する) MmNi5/PBスラリーはポンプ7によりライン(リ)を介
して水素貯槽5へ再循環され発生水素はライン(イ)を
介して高温熱回収槽1へ導入される。
水素発生槽6を40℃に保持したところ、発生水素圧力
は30atmであつた。この水素をライン(イ)を介して高
温熱回収槽1に供給した。高温熱回収槽1の温度は100
℃となるよう熱交換エレメント2の操作条件を調整し
た。高温熱回収槽1内の圧力は25atmであつた。熱回収
槽3の温度を70℃に維持したところ発生水素圧力は10at
mであつた。この水素を水素貯槽5に供給した。この水
素貯槽5を1℃に維持したところ、水素貯槽5内の圧力
は8atmとなつた。このようにして75℃の熱源から高温熱
回収槽1内に100℃の熱源を得ることができた。
このようなヒートポンプ例は既に公知であるが、本発
明ではスラリーを使用することにより(第1図と第2図
の比較)連続的に熱を取り出すことが可能となつた。ま
た第1図において蓄熱の場合は、水素発生槽6を昇温せ
ずライン(イ)を介しての水素の供給を停止してMmNi5H
6のPBスラリーを水素貯槽5および水素発生槽6に貯蔵
することにより目的を達することができる。
更に第5図、第6図に示した熱増幅モードや冷凍モー
ドも本発明において合金の組合せや加熱、冷却の温度条
件を変えることにより、また、熱の取り出し場所を変え
ることにより容易に実施できることは言うまでもなく、
これらも本発明に包含されるものである。
〔発明の効果〕
本発明は、以上詳記したように、水素吸蔵合金をスラ
リー変し、水素を吸・脱蔵する際の反応熱を利用してヒ
ートポンプシステムや蓄熱システムに利用することがで
きるものであり、この際水素吸蔵合金粉末の飛散が防止
でき、また、この合金の膨張、収縮による障害がなく、
その上、連続的な熱回収プロセスを組むことができ、し
かも、金属水素化物に対する熱伝導性が向上するなど顕
著な効果が生ずる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例であるヒートポンプシステムを
示す概略の全体図である。第2図は従来のヒートポンプ
システムを示す概略の全体図である。第3〜第6図は、
水素化物の分解平衡水素圧と温度との関係図であつて、
ヒートポンプの作動モードを示す図であり、この内第3
図、第4図は昇温モードを示す図、第5図は熱増幅モー
ドを示す図、第6図は冷凍モードを示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素と水素のみで構成された飽和炭化水
    素、芳香族炭化水素、および脂環式飽和炭化水素からな
    る群およびアルコール類からなる群から選ばれた溶媒に
    水素吸蔵合金Aを懸濁したスラリーと水素を接触させ、
    水素吸蔵合金Aの水素化物スラリーを得る第1工程と、
    第1工程から送られた前記水素化物スラリーを水素吸蔵
    合金Aと水素に分解して水素吸蔵合金Aのスラリーを第
    1工程に循環させる第2工程と、該溶媒に水素吸蔵合金
    Bを懸濁したスラリーと第2工程で発生した水素とを接
    触させ、水素吸蔵合金Bの水素化物スラリーを得る第3
    工程と、第3工程から送られた前記水素化物スラリーを
    水素吸蔵合金Bと水素に分解して水素吸蔵合金Bのスラ
    リーを第3工程に循環させる第4工程から成り、第4工
    程で発生した水素を第1工程へ循環させることを特徴と
    する熱回収方法。
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JPH06234502A (ja) * 1993-02-10 1994-08-23 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 水素吸蔵合金スラリを用いたエネルギ貯蔵方法
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JP2018077001A (ja) * 2016-11-09 2018-05-17 東洋エンジニアリング株式会社 ケミカルヒートポンプシステム

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