JPH08201161A - 圧電型振動センサ - Google Patents

圧電型振動センサ

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JPH08201161A
JPH08201161A JP7012052A JP1205295A JPH08201161A JP H08201161 A JPH08201161 A JP H08201161A JP 7012052 A JP7012052 A JP 7012052A JP 1205295 A JP1205295 A JP 1205295A JP H08201161 A JPH08201161 A JP H08201161A
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JP
Japan
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electrode
axis
divided
vibration sensor
piezoelectric
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JP7012052A
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English (en)
Inventor
Takayuki Imai
隆之 今井
Katsuhiko Takahashi
克彦 高橋
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易で、感度および指向性に優れ、か
つ機械的強度に優れた圧電型振動センサを提供する。 【構成】 台座上に圧電体の両面に電極を設けた検知部
を剛に取り付け、さらにこの検知部上に荷重体を剛に取
り付けてなる圧電型振動センサにおいて、検知部の一方
の電極は4分割された分割電極58a、58b、59
a、59bからなる分割電極群57、検知部の他方の電
極は分割されていない共通電極となっている。また、前
記分割電極58a、58b、59a、59bは、圧電体
の中心を交点として直交する2直線を検知軸としたと
き、前記交点に対して点対称、検知軸に対して線対称に
分割されている。また、前記分割電極58a、58b、
59a、59bは、いずれも適宜な処理回路62に電気
的に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機の監視、衝撃ス
イッチなどに利用される圧電型振動センサにおいて、特
に製造が容易で、指向性、感度、耐衝撃性に優れた圧電
型振動センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、汎用性に富み、方向性のある
振動を分離測定できる圧電型振動センサとして、例え
ば、本発明者によって、特願平6−4882号に記載さ
れている構造のものが提案されている。このものは、図
6に示すように、基板1上に形成された電極回路用電極
上に検知部2が、さらに前記検知部2上に荷重体3が配
設されたものである。前記検知部2は、図7に分解して
示すように、基板1の電気回路用電極上に、第1の積層
電極4、圧電体5、第2の積層電極6が順に積み重ねら
れた積層構造をなしているものである。
【0003】前記第2の積層電極6の一例を図8に示
す。これは、圧電体5上に配設された圧電体上電極群7
と、この圧電体上電極群7上に配設された絶縁板8と、
この絶縁板8上に配設された中層電極群9と、この中層
電極群9上に配設された絶縁板10と、この絶縁板10
上に配設された上層電極群11とが重着された積層構造
をなしているものである。
【0004】この圧電体上電極群7は、圧電体5の表面
の中心を交点として直交する2本の直線をX軸、Y軸と
したとき、X軸上前記交点に対して点対称に配された一
対のX軸用分割電極12a、12bと、Y軸上に前記交
点に対して点対称に配された一対のY軸用分割電極13
a、13bとからなるものである。このX軸用分割電極
12a、12bとはX軸の変位を、Y軸用分割電極13
a、13bとはY軸の変位を検出するものである。
【0005】また、前記中層電極群9は、X軸上に前記
交点に対して点対称に配された一対のX軸用分割電極1
4a、14bと、Y軸上に配され、Y軸用分割電極同士
を短絡させたY軸用接続電極15とからなるものであ
る。さらに、上層電極群11は、X軸上に配され、X軸
用分割電極同士を短絡させたX軸用接続電極16からな
るものである。
【0006】また、圧電体上電極群7と、中層電極群9
と、上層電極群11と、絶縁板8、10とにはこれらを
貫通する金属メッキ層を有するスルーホール17が形成
され、このスルーホール17を介して、同一検知軸上の
各分割電極と、各接続電極とが電気的に接続されてい
る。
【0007】一方、第1の積層電極4は、図9に分解し
て示すように、基板1上の電気回路用電極に接続される
出力電極群18と、この出力電極群18上に配設された
絶縁板19と、この絶縁板19上に配設された圧電体下
電極群20とが重着して積層構造をなしているものであ
る。
【0008】この圧電体下電極群20は、圧電体5の裏
面の中心を交点として直交する2本の直線をX軸、Y軸
としたとき、X軸上に前記交点に対して点対称に配され
た一対のX軸用分割電極21a、21bと、Y軸上に前
記交点に対して点対称に配された一対のY軸用分割電極
22a、22bとからなるものである。これら、圧電体
下電極群20のX軸用分割電極21a、21bとY軸用
分割電極22a、22bとは、前記圧電体上電極群7の
X軸用分割電極12a、12bとY軸用分割電極13
a、13bを、それぞれ圧電体5を挟んで投影した位置
に形成されている。
【0009】また、出力電極群18は圧電体下電極群2
0に形成されたX軸用分割電極21a、21b、Y軸用
分割電極22a、22bを投影した位置に配されたX軸
用分割電極23a、23bと、Y軸用分割電極24a、
24bとからなるものである。これら、出力電極群18
と、圧電体下電極群20と、絶縁板19とには、第2の
積層電極6と同様のスルーホール17が形成され、この
スルーホール17を介して同一検知軸上の各分割電極が
電気的に接続されている。
【0010】このような圧電型振動センサでは、圧電体
5の両面に生ずる電荷は、第1の積層電極4および第2
の積層電極6とに伝達される。第1の積層電極4は、圧
電体5の裏面の電荷を圧電体下電極群20のX軸用分割
電極群21a、21bとY軸用分割電極群22a、22
bとに伝達し、これらX軸用分割電極21a、21bと
Y軸用分割電極22a、22bの電荷を、スルーホール
17を介してさらに出力電極群18のX軸用分割電極2
3a、23b、Y軸用分割電極24a、24bとにそれ
ぞれ伝達する。
【0011】一方、第2の積層電極6は、圧電体5上の
表面の電荷を圧電体上電極群7のX軸用分割電極12
a、12bとY軸用分割電極13a、13bとに伝達
し、これらX軸用分割電極12a、12bとY軸用分割
電極13a、13bの電荷を、中層電極群9のX軸用分
割電極14a、14b、Y軸用接続電極15に伝達す
る。また、前記中層電極群9のX軸用分割電極14a、
14bの電荷を、さらに上層電極群11のX軸用接続電
極16に伝達する。よって、電極の短絡が第2の積層電
極6で行うことが可能となり、2方向の出力とも、第1
の積層電極4から取り出すことが可能となっている。
【0012】ところで、前記圧電体上電極群7、中層電
極群9、上層電極群11を絶縁板810を介して第2の
積層電極6とするには、通常、導電性または非導電性の
接着剤にて接着する方法が用いられている。これは、圧
電体下電極群20、出力電極群18を絶縁板19を介し
て第1の積層電極4とする場合も同様である。そして、
前記接着剤からなる接着層25は弾性体としての役割を
果たし、温度変化によって生じる焦電ノイズを吸収する
などの利点を有する。
【0013】しかしながら、この圧電型振動センサにお
いては、電極の短絡のために複数の電極群7、9、11
を積層させているので、前記接着層25が何層も積層さ
れることとなり、結果として、焦電ノイズを吸収する以
上に、必要な振動まで吸収してしまい、高い共振周波数
が得られず、測定可能周波数範囲が狭くなるなどの欠点
があった。また、第1の積層電極4、第2の積層電極6
を圧電体5に接着したり、第2の積層電極6上に荷重体
3を接着したり、第1の積層電極4を基板1に接着した
りすることで、接着層25の数はさらに増すことにな
り、前記欠点がより顕著になる。また、接着層25は機
械的な衝撃に弱く、接着層25の数が多いと、結果的に
圧電型振動センサそのものの耐衝撃性が低下するなどの
問題があった。
【0014】また、前記第1の積層電極4および第2の
積層電極6を構成する各電極群7、9、11、18、2
0は、いずれも複数の分割電極12a、12b、13
a、13b、14a、14b、21a、21b、22
a、22b、23a、23b、24a、24bまたは接
続電極15、16を有するものであり、これらの電極パ
ターンを作製するのは煩雑であった。さらに、各電極群
7、9、11、18、20において、異方向の分割電極
同士、または異方向の分割電極および接続電極とが近接
しており、X軸、Y軸出力が電気的に干渉し合ってしま
うため、それぞれの出力の指向性が低下するといった問
題もあった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの事
情に鑑みてなされたものであって、製造が容易で、感度
および指向性に優れ、かつ、機械的強度に優れた圧電型
振動センサを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、台座上
に、圧電体の両面に電極を設けた検知部を剛に取り付
け、さらにこの検知部上に荷重体を剛に取り付けてなる
圧電型振動センサにおいて、検知部の一方の電極は4分
割された分割電極からなる分割電極群であり、検知部の
他方の電極は分割されていない共通電極であり、前記分
割電極群は、圧電体の中心を交点として直交する2直線
をX軸、Y軸としたとき、X軸上に前記交点に対して点
対称、かつX軸、Y軸に対して線対称に配された第1X
軸用分割電極と第2X軸用分割電極、およびY軸上に前
記交点に対して点対称、かつX軸、Y軸に対して線対称
に配された第1Y軸用分割電極と第2Y軸用分割電極と
からなる圧電型振動センサによって解決できる。また、
前記第1X軸用分割電極、第2X軸用分割電極、および
第1Y軸用分割電極、第2Y軸用分割電極が、処理回路
に電気的に接続されている。さらに、前記圧電型振動セ
ンサにおいて、少なくとも前記分割電極群を各分割電極
に分割する2本の線分上に、ガード電極を形成すること
が好ましい。
【0017】
【作用】本発明の圧電型振動センサにあっては、X軸方
向の振動の大きさを第1X軸用分割電極と共通電極との
間に生じる電位差と、第2X軸用分割電極と共通電極と
の間に生じる電位差との差動出力によって、Y軸方向の
振動の大きさを第1Y軸用分割電極と共通電極との間に
生じる電位差と、第2Y軸用分割電極と共通電極との間
に生じる電位差との差動出力によって評価、測定され
る。また、第1X軸用分割電極、第2X軸用分割電極、
第1Y軸用分割電極、第2Y軸用分割電極との間に形成
されたガード電極により、互いの電極間の電気的干渉が
緩和される。
【0018】
【実施例】次に、本発明の圧電型振動センサの一例につ
いて詳しく説明する。この圧電型振動センサは、図1に
示すように、台座50と、この台座50上に接着剤から
なる接着層51を介して剛に取り付けられた検知部52
と、この検知部52上に前記接着層53を介して剛に取
り付けられた荷重体54とから、概略構成されている。
【0019】台座50は、十分な剛性を有するものであ
り、検知部52からの電気的出力を処理する処理回路6
2(図2参照)が搭載された基板や圧電型振動センサを
収納するパッケージなどが挙げられる。
【0020】検知部52は、圧電性を有する材料からな
る圧電体64を金属箔からなる第1の電極55と第2の
電極56で挟んでなるものである。前記圧電性を有する
材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、チ
タン酸バリウムなどの無機質圧電材料や、ポリフッ化ビ
ニリデンなどの強誘電性高分子材料などが用いられる。
【0021】第1の電極55は、台座50と圧電体64
との間にあるものであり、図2に示すように、圧電体6
4の裏面の中心を交点として直交する2直線をX軸、Y
軸としたとき、このX軸、Y軸上に形成された4つの電
極からなる分割電極群57である。ここで、前記X軸上
に前記交点に対して点対称、かつX軸、Y軸に対して線
対称に配された2つの分割電極を第1X軸用分割電極5
8a、第2X軸用分割電極58bとする。また、Y軸上
に前記交点に対して点対称、かつX軸、Y軸に対して線
対称に配された2つの分割電極を第1Y軸用分割電極5
9a、第2Y軸用分割電極59bとする。そして、この
第1X軸用分割電極58a、第2X軸用分割電極58
b、第1Y軸用分割電極59a、第2Y軸用分割電極5
9bは、いずれも同面積で、その形状が正方形である。
一方、第2の電極56は、圧電体64と荷重体54との
間にあり、図3に示すように、分割されていないもの
で、アースに接続されている。以下、この第2の電極5
6を共通電極60とする。
【0022】そして、第1X軸用分割電極58aと第2
X軸用分割電極58bとは、共通電極60を介して電気
的に直列に接続されている。また、第1X軸用分割電極
58a、第2X軸用分割電極58bのそれぞれには出力
を取り出すためのリード線61の一端部が接続されてい
る。また、これらのリード線61の他端部は、出力を処
理する適宜な処理回路62、例えば差動増幅器などの接
続端子に接続されている。また、第1Y軸用分割電極5
9a、第2Y軸用分割電極59bについても同様であ
る。
【0023】また、接着層51、53は、その弾性率が
1×106 〜1×109 Pa、特に5×107 〜5×1
8 Paであることが好ましい。これは、1×109
aを越えると接着層51、53が硬くなり過ぎて、温度
衝撃が加えられた場合、台座50と圧電体64の熱膨張
係数の違いによる歪を吸収することができず、結果、温
度特性が悪化するからである。一方、1×106 Pa未
満であると、接着層が軟らかくなりすぎて高い共振周波
数を得ることが困難になるからである。さらに前記接着
層51、53の厚みは5〜100μm、特に10〜30
μmであることが好ましい。これは、5μm以下である
と、台座50と圧電体64の熱膨張係数の違いによる歪
を吸収することができず、また100μmを越えると、
高い共振周波数を得ることが困難になるからである。
【0024】このような接着層51、53は、導電性接
着剤または非導電性接着剤など任意の接着剤からなるも
ので、前記接着剤としては、例えばエポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、アクリル樹脂などを挙げることができる。
さらに、前記接着層51、53に要求される弾性率、厚
みなどの条件は、検知部52において、圧電体64に金
属薄膜からなる共通電極60、第1X軸用分割電極58
a、第2X軸用分割電極58b、第1Y軸用分割電極5
9a、第2Y軸用分割電極59bを接着する際にも同様
である。
【0025】このような、圧電型振動センサが振動を受
けた場合、この振動の大きさは出力によって評価でき、
この出力は、差動出力により得ることができる。例え
ば、前記振動のX軸方向の成分は、第1X軸用分割電極
58aと共通電極60との間に生じる電位差と、第2X
軸用分割電極58bと共通電極60との間に生じる電位
差との差動出力に基づいて評価、測定される。また、Y
軸方向の成分は、第1Y軸用分割電極59aと共通電極
60との間に生じる電位差と、第2Y軸用分割電極59
bと共通電極60との間に生じる電位差との差動出力に
基づいて評価、測定される。さらに、通常、前記X軸方
向の成分およびY軸方向の成分は差動増幅器によってそ
れぞれ増幅され、適宜な出力装置より取り出すことがで
きる。また、X軸方向、Y軸方向に直交する方向をZ軸
方向とすると、前記圧電型振動センサがZ軸方向に振動
を受けた場合、荷重体54の慣性力により、圧電体64
にはほぼ一様に応力が生じ、第1X軸用分割電極58a
と共通電極60との間に生じる電位差と、第2X軸用分
割電極58bと共通電極60との間に生じる電位差は互
いに打ち消され出力は得られない。また、第1Y軸用分
割電極59aと共通電極60との間に生じる電位差と、
第2Y軸用分割電極59bと共通電極60との間に生じ
る電位差も互いに打ち消され出力は得られない。よっ
て、この圧電型振動センサの検知軸はX軸方向と、Y軸
方向となる。
【0026】また、本発明の圧電型振動センサは、先の
例に限られるものではなく、第1X軸用分割電極58
a、第2X軸用分割電極58b、第1Y軸用分割電極5
9a、第2Y軸用分割電極59bの形状などは任意であ
る。例えば、前記第1X軸用分割電極58a、第2X軸
用分割電極58b、第1Y軸用分割電極59a、第2Y
軸用分割電極59bの形状は、図4に示す三角形でもよ
いし、円であってもよい。また、前記4つの分割電極
は、すべて同じ形状、同じ面積とする必要はないが、形
状、面積は同一に統一したもののほうが良好な結果が得
られて好ましい。
【0027】前記接着層51、53は、必ずしも形成し
なくてもよく、例えば、圧電体64に銀ペーストからな
る電極を形成させ、これを介して台座50、荷重体54
などに貼着してもよい。また、第1の電極55が共通電
極60、第2の電極56が分割電極群57であってもよ
い。
【0028】このような圧電型振動センサにおいては、
差動出力によりX軸方向、Y軸方向の出力が分離して得
られるため、複雑な電極パターンを形成する必要がなく
製造工程が簡略化できる。また、余分な接着層などの弾
性体を省略することができ、高い共振周波数が得られ、
周波数特性が良好なものとなる。また、対衝撃性も向上
する。
【0029】次に本発明の圧電型振動センサの第2の例
を説明する。この圧電型振動センサは図5に示すよう
に、第1の電極55において、X軸用分割電極58a、
58b同士、およびY軸用分割電極59a、59b同
士、およびX軸用分割電極58a、58bとY軸用分割
電極59a、59bを分割する線分65上、および第1
の電極55の周縁部に、これと接触しないように、ガー
ド電極63が形成されてなる他は、先の例の圧電型振動
センサと同様のものである。
【0030】前記ガード電極63は、金属箔からなるも
ので、この金属の種類としては特に限定されるものでは
ない。さらに、このガード電極63はアースに接続され
ている。前記ガード電極63の形成方法は任意であり、
例えば、金属箔を任意の接着剤を用いて接着する、銀ペ
ーストで印刷するなどの方法が挙げられる。また、本発
明の第2の例の圧電型振動センサは、先の例に限られる
ものではなく、ガード電極63が前記2本の線分65上
にのみ形成されたものであってもよい。
【0031】このような圧電形振動センサでは、少なく
とも分割電極群57を各分割電極に分割する2本の線分
65上に、ガード電極63が形成されたものであるの
で、X軸分割電極58a、58bとY軸用分割電極59
A、59bとの間の電気的干渉が低減されるため、振動
の成分のX軸方向、Y軸方向の指向性を良好に保つこと
ができる。特に高温における電極間漏れ電流による低周
波特性の悪化を緩和することができる。
【0032】以下、具体例を示し、本発明の効果を明ら
かにする。 (実施例1)図2に示すパターンの分割電極群57、お
よび差動増幅回路が形成された、セラミックスからなる
ハイブリットICの前記分割電極群57上に、予め共通
電極60が形成された圧電体64を、エポキシ系接着剤
にて接着した。前記圧電体64は、PZT(チタン酸ジ
ルコン酸鉛)からなるもので、一辺が3mm、厚さが
0.5mmで、その形状が正方形のものを使用した。ま
た、前記共通電極60はAgーPb箔からなるもので、
形状は正方形であり、一辺が1.2mmの大きさのもの
を使用した。さらに、前記圧電体64上に一辺が3mm
で、厚さが1mmの真鍮製の荷重体54を、エポキシ系
接着剤にて接着して、図1に示す構造の圧電型振動セン
サを作製した。また、前記エポキシ系接着剤からなる接
着層51、53の厚みは20μm、弾性率は3×108
Paであった。
【0033】(実施例2)図4に示すパターンの分割電
極群57が形成されたハイブリットICを用いた他は、
実施例1と同様の圧電型振動センサを作製した。
【0034】(実施例3)図5に示す形状のAgーPb
からなるガード電極63を有するハイブリッドICを用
いた他は、実施例1と同様の圧電型振動センサを作製し
た。
【0035】(従来例)電気回路用電極、および非反転
増幅回路が形成された、セラミックスからなるハイブリ
ットICの電気回路用電極上に、図9に示す構造の第1
の積層電極4を半田で固定し、さらにこの上に、実施例
1と同様の圧電体5を接着した。さらにこの圧電体5上
に、図8に示す構造の第2の積層電極6を接着し、さら
にこの上に、実施例1と同様の荷重体3を接着した。ま
た、第1の積層電極4、第2の積層電極6は、いずれも
これらを構成する各電極群同士を、絶縁板8、10、1
9を介して接着したものである。このような接着にはす
べて、エポキシ系接着剤を使用した。また、前記エポキ
シ系接着剤からなる接着層25の厚みは20μm、弾性
率は3×108 Paであった。
【0036】(試験例1)実施例1ないし実施例3の圧
電型振動センサ、および従来例の圧電型振動センサをそ
れぞれ100個試作し、測定可能周波数範囲を測定し
た。この測定可能周波数範囲は、100Hz、1Gの電
圧出力を1としたときに、±20%以内の変動幅に収ま
る周波数を測定可能なものとして評価した。また、測定
時の室温は25℃になるよう調節した。結果を表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、本発明の圧電型
振動センサは、従来のものよりも測定可能周波数範囲
が、倍になっており、周波数特性が良好であることがわ
かる。
【0039】(試験例2)実施例1ないし実施例3の圧
電型振動センサ、および従来例の圧電型振動センサをそ
れぞれ100個試作し、耐衝撃性を評価した。この耐衝
撃性は、各圧電型振動センサに、約5000Gの衝撃を
1000回与えたときの故障の発生率で評価した。ま
た、故障とは、衝撃を与える前の初期出力に対して、±
10%を越える出力変化があったものを故障とした。結
果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、本発明の圧電型
振動センサは、故障発生率が著しく低下し、耐衝撃性が
向上していることがわかる。
【0042】(試験例3)実施例1ないし実施例3の圧
電型振動センサ、および従来例の圧電型振動センサをそ
れぞれ50個試作し、指向性を評価した。指向性は、X
軸方向、Y軸方向、Z軸方向に、80Hz、1Gの振動
を加えたときの電圧出力を測定することで評価できる。
結果を表3に示す。また、表3中の数値は、各振動を与
えたときの電力出力の平均と、偏差である。
【0043】
【表3】
【0044】表3から明らかなように、実施例3のガー
ド電極63を設けたものは、X軸方向に加振した時のX
軸方向の出力、Y軸方向に加振したときのX軸方向の出
力をX−Y軸間の分離比とすると、実施例1、実施例2
および従来例のものよりも良好であることがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧電型振
動センサは、台座上に、圧電体の両面に電極を設けた検
知部を剛に取り付け、さらにこの検知部上に荷重体を剛
に取り付けてなる圧電型振動センサにおいて、検知部の
一方の電極は4分割された分割電極からなる分割電極群
であり、検知部の他方の電極は分割されていない共通電
極であり、前記分割電極群は、圧電体の中心を交点とし
て直交する2直線をX軸、Y軸としたとき、X軸上に前
記交点に対して点対称、かつX軸、Y軸に対して線対称
に配された第1X軸用分割電極と第2X軸用分割電極、
およびY軸上に前記交点に対して点対称、かつX軸、Y
軸に対して線対称に配された第1Y軸用分割電極と第2
Y軸用分割電極とからなるものであり、また、前記第1
X軸用分割電極、第2X軸用分割電極、および第1Y軸
用分割電極、第2Y軸用分割電極が、処理回路に電気的
に接続されているものであるので、差動出力によりX軸
方向、Y軸方向の出力が分離して得られるため、複雑な
電極パターンを形成する必要がなく製造工程が簡略化で
きる。また、余分な接着層などの弾性体を省略すること
ができ、高い共振周波数が得られ、周波数特性が良好な
ものとなる。また、対衝撃性も向上する。さらに、少な
くとも前記分割電極群を各分割電極に分割する2本の線
分上に、ガード電極が形成されたものは、X軸用分割電
極とY軸用分割電極間の電気的干渉が低減されるため、
振動の成分のX軸方向、Y軸方向の指向性を良好に保つ
ことができる。特に高温における電極間漏れ電流による
低周波特性の悪化を緩和することができるなどの効果も
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電型振動センサの一実施例を示す
概略構成図である。
【図2】 本発明の圧電型振動センサの圧電体の一面に
設けられた分割電極群の一実施例を示すパターン図であ
る。
【図3】 本発明の圧電型振動センサの圧電体の一面に
設けられた共通電極の一実施例を示すパターン図であ
る。
【図4】 本発明の圧電型振動センサの圧電体の一面に
設けられた分割電極群の他の例を示すパターン図であ
る。
【図5】 本発明の圧電型振動センサの圧電体の一面に
設けられた分割電極群およびガード電極の一実施例を示
すパターン図である。
【図6】 従来の圧電型振動センサの一実施例を示す概
略構成図である。
【図7】 従来の圧電型振動センサの検知部の一実施例
を示す概略構成図である。
【図8】 従来の圧電型振動センサの第2の積層電極の
一実施例を示す概略構成図である。
【図9】 従来の圧電型振動センサの第1の積層電極の
一実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
51・53…接着層、52…検知部、54…荷重体、5
5…第1の電極、56…第2の電極、57…分割電極
群、58a…第1X軸用分割電極、58b…第2X軸用
分割電極、59a…第1Y軸用分割電極、59b…第2
Y軸用分割電極、60…共通電極、61…リード線、6
2…処理回路、63…ガード電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台座上に、圧電体の両面に電極を設けた
    検知部を剛に取り付け、さらにこの検知部上に荷重体を
    剛に取り付けてなる圧電型振動センサにおいて、 検知部の一方の電極は4分割された分割電極からなる分
    割電極群であり、検知部の他方の電極は分割されていな
    い共通電極であり、 前記分割電極群は、圧電体の中心を交点として直交する
    2直線をX軸、Y軸としたとき、X軸上に前記交点に対
    して点対称、かつX軸、Y軸に対して線対称に配された
    第1X軸用分割電極と第2X軸用分割電極、およびY軸
    上に前記交点に対して点対称、かつX軸、Y軸に対して
    線対称に配された第1Y軸用分割電極と第2Y軸用分割
    電極とからなることを特徴とする圧電型振動センサ。
  2. 【請求項2】 前記第1X軸用分割電極、第2X軸用分
    割電極、および第1Y軸用分割電極、第2Y軸用分割電
    極が、処理回路に電気的に接続されていることを特徴と
    する請求項1に記載の圧電型振動センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の圧電型振動セン
    サにおいて、少なくとも前記分割電極群を各分割電極に
    分割する2本の線分上に、ガード電極が形成されたこと
    を特徴とする圧電型振動センサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003065053A1 (fr) * 2002-01-31 2003-08-07 Fujitsu Media Devices Limited Capteur d'acceleration
CN100403001C (zh) * 2006-05-19 2008-07-16 重庆大学 差动式压电三维力传感器
CN100416274C (zh) * 2006-07-06 2008-09-03 重庆大学 差动式压电二维加速度传感器

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