JPH08200467A - ボールねじ - Google Patents
ボールねじInfo
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- JPH08200467A JPH08200467A JP840295A JP840295A JPH08200467A JP H08200467 A JPH08200467 A JP H08200467A JP 840295 A JP840295 A JP 840295A JP 840295 A JP840295 A JP 840295A JP H08200467 A JPH08200467 A JP H08200467A
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- nut
- peripheral surface
- spiral groove
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Abstract
び低回転トルク特性を兼ね備えるようにすること。 【構成】外周面に螺旋溝11を有するねじ軸1と、内周
面にねじ軸1の螺旋溝21を有するナット2と、これら
の両螺旋溝11,21の間に転動自在に介装される複数
のボール3とを備えたボールねじAにおいて、少なくと
も、螺旋溝11を含むねじ軸1の外周面およびナット2
の内周面に二硫化モリブデンからなる被膜6がコーティ
ングされているとともに、被膜6の表面の少なくとも螺
旋溝11,21部分に低蒸気圧のふっ素系グリース7が
塗布されている。
Description
食といった環境で好適に用いられるボールねじに関す
る。
置が挙げられ、その搬送系(半導体ウエハを真空中のチ
ャンバ内に出し入れするX−Yテーブル)などにボール
ねじが用いられる。
ねじにおいてねじ軸の螺旋溝、ナットの螺旋溝やボール
の表面に、二硫化モリブデンなどからなる潤滑膜や、ふ
っ素系合成樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTF
Eなど)を分散混合してなる潤滑膜をコーティングする
ようにしている。
ールねじでは、ボールの転動に伴い潤滑膜が摩耗してこ
の摩耗粉が螺旋溝へ転移供給されることにより潤滑を行
うが、前者の潤滑膜は、後者の潤滑膜に比べて発塵性に
関して劣り、耐荷重性に関して優れている。
ものの金属からなるねじ軸、ナットに対する付着強度が
小さいため付着強度を向上させる工夫が必要となる他、
ボールの転動時の抵抗を小さくするために硬質とする工
夫が必要となることが指摘される。
て、低発塵性、耐荷重性および低回転トルク特性を兼ね
備えるようにすることを目的としている。
溝を有するねじ軸と、内周面に前記ねじ軸の螺旋溝に対
応する螺旋溝を有するナットと、これらの両螺旋溝間に
転動自在に介装される複数のボールとを備えたボールね
じにおいて、次のように構成する。
むねじ軸の外周面およびナットの内周面に二硫化モリブ
デンからなる被膜がコーティングされているとともに、
該被膜の表面の少なくとも螺旋溝部分に低蒸気圧のふっ
素系グリースが塗布されている構成とした。
やすい二硫化モリブデンからなるコーティング被膜の耐
荷重性を有効に発揮させつつ、当該コーティング被膜か
らの摩耗粉については、真空雰囲気など特殊な環境にお
いても発塵しにくい低蒸気圧のふっ素系グリースで捕獲
させるようにしている。
のコーティング対象に対する付着強度が高いから回転初
期にはがれにくくなるし、硬質であるからボールの転動
抵抗が小さくなるとともに、ボールをねじ軸およびナッ
ト間にある程度、負隙間で配設することが可能となり、
ボールねじの高精度化に寄与できる。
となって長寿命化につながる。
実施例に基づいて説明する。図1および図2は本発明の
一実施例にかかり、図1は、ボールねじの概略構成を示
す縦断面図、図2は、図1のB部拡大図である。
ナット、3は複数のボール、4はサーキュレータチュー
ブである。
成されている。ナット2は、ねじ軸1に外嵌されてお
り、その内周面にねじ軸1の螺旋溝11に対応する螺旋
溝21が形成されている。複数のボール3は、ねじ軸1
の螺旋溝11と、ナット2の螺旋溝21との間に介装さ
れている。サーキュレータチューブ4は、ねじ軸1また
はナット2のいずれか一方の回転により両螺旋溝11,
21間に介装されるボール3を転動循環させるためのも
ので、ナット2に取り付けられている。
旋溝21の断面形状は、ゴチックアーチ状、すなわち二
つの曲率中心の異なる円弧の組み合わせによりほぼV字
形に形成されている。なお、両螺旋溝11,21の断面
形状は、図3に示すような円弧とすることもできる。
ては、例えばJIS規格SUS440Cなどのマルテン
サイト系ステンレス鋼に適当な硬化熱処理を施したもの
や、JIS規格SKH4、AISI規格M−50材など
の耐熱鋼とすることができる。また、ボール3は、前述
と同様の鋼材の他、セラミックス材とすることができ
る。さらに、サーキュレータチューブ4は、例えばSU
S304などのステンレス鋼で形成される。なお、前述
のセラミックス材としては、焼結助剤として、イットリ
ア(Y2O3)およびアルミナ(Al2O3)、その他、適
宜、窒化アルミ(AlN)、酸化チタン(TiO2)、
スピネル(MgAl2O4)を用いた窒化けい素(Si3
N4)を主体とするものの他、アルミナ(Al2O3)や
炭化けい素(SiC)、ジルコニア(ZrO2)、窒化
アルミ(AlN)などが好ましい。
素を形成すれば、ボールねじAを、例えば半導体製造装
置などにおいて用いられるハロゲン系腐食性ガスに対し
ても、腐食せずに済む。
周面およびサーキュレータチューブ4の内周面には、二
硫化モリブデンからなる被膜6がそれぞれ周知の成膜方
法(例えばスプレー後に焼成)によりコーティングされ
ている。ねじ軸1およびナット2の少なくとも螺旋溝1
1,21やサーキュレータチューブ4の内周面において
被膜6の表面には、低蒸気圧のふっ素系グリース7が塗
布されている。このふっ素系グリース7としては、例え
ばモンテカチーニ(株)製のフォンブリングリース、ダ
イキン工業(株)製のデムナムグリースやデュポン製の
クライトックスグリースなどが挙げられる。これらのふ
っ素系グリース7は、蒸気圧が10-3〜10-6Torr
と低蒸気圧を示し、一般に、大気圧〜10-6Torr、
また室温〜200℃の範囲で、オイル成分の発塵が少な
いという特徴を有している。
ット2に対して2〜10μm好ましくは5μm前後に、
サーキュレータチューブ4に対して5〜20μm好まし
くは8μm前後にそれぞれ設定される。ねじ軸1および
ナット2に関しては、サーキュレータチューブ4と異な
り負荷を受けやすくて外部に直接連通しているため、被
膜6の膜厚について規定することが意味を持つ。つま
り、2μmを下回ると、寿命面においてマイナスとな
り、10μmを超えると、発塵量が増大する。グリース
7の量は、例えば1〜10μm程度と設定するのが被膜
6からの発塵捕獲および飛散防止の面から好ましいと言
える。
て試験を行ったので、図4および図5を用いて説明す
る。図4は、試験装置の概略構成を示す縦断面図、図5
は、発塵試験の結果を示すグラフである。
404、7TS3、5C7で、ねじ軸1の軸径を14m
m、ボール3の径を2mm(3.5巻、1列)、リード
を3/16″(4.763mm)としている。
ト2の内周面およびサーキュラーチューブ4の内面に被
膜6をコーティングするとともにふっ素系グリース7を
塗布した実施例と、ねじ軸1の外周面およびナット2の
内周面に二硫化モリブデンからなる潤滑膜を被覆した比
較例1と、ねじ軸1の外周面およびナット2の内周面に
PTFEを分散混合した潤滑膜を塗布、焼成により被覆
した比較例2とを用意している。
ねじ軸1およびナット2は約5μm、サーキュレータチ
ューブは約10μmに、また、比較例1での潤滑膜の膜
厚は、約5μm、比較例2での潤滑膜の膜厚は、約5μ
mに設定してある。実施例での使用グリースは、ダイキ
ン工業(株)製のデムナムグリースである。
中、60はボールねじAのねじ軸、61はボールねじA
のサポート軸受、62は負荷用ばね、63はパーティク
ルカウンター、64はボールねじAのナット、65は支
持板、66はナット64のハウジング、67はハウジン
グの回転止め、68はモータ、69はモータ68とねじ
軸60とのカップリングである。
490N、ストロークを50mm、回転速度を120r
pm、試験時間を250時間としている。発塵量は、試
験装置のクリーンベンチケース内において0.1ctに
存在する粒子径0.1μm以上の塵埃をパーティクルカ
ウンター63で計測する。計測は10分間隔とする。前
記ケース内雰囲気は大気中クラス10の清浄度に、また
環境温度は室温に設定される。
較例1に比べると回転初期からある程度の時間が経過す
るまで1桁以上も発塵量が少なくなるが、本実施例品で
は比較例2に比べてもさらに1桁もの発塵量が少なくな
るだけでなく、時間経過が長くなっても発塵量が増加し
なくなる。このように、本実施例品では、比較例1,2
に示す従来品に比べて格段に優れた効果を発揮すること
が判るであろう。これは、ボール3の転動に伴いコーテ
ィング被膜6から発生する摩耗粉を低蒸気圧のふっ素系
グリース7でもって捕獲するようになっていて、外部へ
の放出を阻止するようになっているからと考えられ、低
発塵性が要求される環境において本発明がきわめて有効
となると言える。
れるものでなく、種々な応用や変形が考えられる。
の内周面全面とに被膜6をコーティングしていれば、こ
れらねじ軸1とナット2とを必ずしも上述したような耐
食材料で形成しなくてもよい。この場合には、コスト面
において有利となる。
向両端には、必要に応じねじ軸1の螺旋溝11に対して
近接する非接触タイプのシールを設けてもよく、この場
合には低発塵性により貢献できる。このシールとして
は、合成ゴムなどの弾性体により円筒形に形成されてお
り、内周面の所要角度範囲にねじ軸1の螺旋溝11に近
似する断面形状の凸部を有するものが考えられる。
境のみに限定されず、大気環境でも使用することができ
る。
摩耗しやすい二硫化モリブデンからなるコーティング被
膜の耐荷重性を有効に発揮させつつ、当該コーティング
被膜からの摩耗粉については、真空雰囲気など特殊な環
境においても発塵しにくい低蒸気圧のふっ素系グリース
で捕獲させるようにしているから、ボールねじの使用環
境を清浄に保つ上で効果を発揮するとともに、潤滑膜の
長寿命化が達成されるようになる。
のコーティング対象に対する付着強度が高いから回転初
期にはがれにくくなるし、硬質であるからボールの転動
抵抗が小さくなるとともに、ボールをねじ軸およびナッ
ト間にある程度、負隙間で配設することが可能となり、
ボールねじの高精度化に寄与できる。
図。
Claims (1)
- 【請求項1】 外周面に螺旋溝を有するねじ軸と、内周
面に前記ねじ軸の螺旋溝に対応する螺旋溝を有するナッ
トと、これらの両螺旋溝間に転動自在に介装される複数
のボールとを備えたボールねじであって、 少なくとも、前記螺旋溝を含むねじ軸の外周面およびナ
ットの内周面に二硫化モリブデンからなる被膜がコーテ
ィングされているとともに、該被膜の表面の少なくとも
螺旋溝部分に低蒸気圧のふっ素系グリースが塗布されて
いる、ことを特徴とするボールねじ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP840295A JPH08200467A (ja) | 1995-01-23 | 1995-01-23 | ボールねじ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP840295A JPH08200467A (ja) | 1995-01-23 | 1995-01-23 | ボールねじ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08200467A true JPH08200467A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11692190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP840295A Pending JPH08200467A (ja) | 1995-01-23 | 1995-01-23 | ボールねじ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08200467A (ja) |
-
1995
- 1995-01-23 JP JP840295A patent/JPH08200467A/ja active Pending
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A02 | Decision of refusal |
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A521 | Written amendment |
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