JPH08199234A - Fe▲3▼Al基合金製部材の製造方法 - Google Patents

Fe▲3▼Al基合金製部材の製造方法

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JPH08199234A
JPH08199234A JP1098995A JP1098995A JPH08199234A JP H08199234 A JPH08199234 A JP H08199234A JP 1098995 A JP1098995 A JP 1098995A JP 1098995 A JP1098995 A JP 1098995A JP H08199234 A JPH08199234 A JP H08199234A
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JP
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hot
based alloy
temperature
extrusion
base alloy
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JP1098995A
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Noriyuki Fujitsuna
宣之 藤綱
Atsuyuki Miyamoto
淳之 宮本
Yoshio Ashida
喜郎 芦田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過酷な高温腐食環境下であっても優れた耐食
性を示すFe3 Al基合金について、更にその常温延性
を向上することのできるFe3 Al基合金製部材(例え
ば、丸棒,管,板材等)の製造方法を提供する。 【構成】 Fe3 Al系金属間化合物を主要構成相とす
るFe3 Al基合金の鋳塊に、800℃以上で熱間加工
を施した予加工材を用いて、熱間押出または熱間圧延を
行うことを要旨とする。Fe3 Al基合金製の丸棒また
は管を製造するにあたっては、上記予加工材を1100
℃以下まで加熱し、押出速度10mm/秒以上で熱間押
出を行う方法が推奨され、Fe3 Al基合金製の板材を
製造するにあたっては、上記予加工材を900℃以下ま
で加熱して熱間圧延を行う方法が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Fe3 Al基合金製部
材(例えば、丸棒,管,板材等)の製造方法に関し、詳
細には極めて厳しい高温腐食環境下で使用される機器
(例えば、ごみ焼却炉,ごみ発電設備または自動車用マ
フラー等)に適用できるFe3 Al基合金製部材の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐食性合金としては、SCH13,SC
H11等の耐熱鋼や、ステンレス鋼が汎用されている。
しかしながら、例えばごみ焼却炉の火格子やごみ発電設
備のボイラ管などが使用される燃焼雰囲気は、特別に厳
しい腐食条件であり、高濃度のHCl,SOx ,NOx
などの腐食性ガスを含むと共に、硫酸塩や塩化物等を多
量に含有し、しかも高温雰囲気であることから上記耐食
性合金の有する高温耐食性程度では不十分である。
【0003】そこで上記耐食性合金より優れた高温耐食
性を有する合金として、Alloy825(22%Cr-42%Ni-3%Mo)や
Alloy625(22%Cr-62%Ni-9%Mo) 等のNi基合金も開発さ
れているが、非常に高価であって実用にそぐわない。
【0004】こうしたことから、前述のような厳しい腐
食環境下でも優れた耐食性を発揮すると共にそれ自体比
較的安価に提供できるFe3 Al系金属間化合物が注目
され始めている。しかしながらFe3 Al基合金は、N
3 AlやTiAl等の他の金属間化合物と同じく加工
性に乏しいという欠点がある。勿論上記Fe3 Al基合
金であっても、鋳塊を1200℃以上の高温領域まで加
熱すれば鋳塊から丸棒,管または板材を塑性加工(熱間
押出や熱間圧延)により製造することは可能であるが、
得られたFe3 Al基合金製の丸棒,管または板材の常
温延性が乏しいという問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に着目してなされたものであって、前述のような過
酷な高温腐食環境下であっても優れた耐食性を示すFe
3 Al基合金について、更にその常温延性を向上するこ
とのできるFe3 Al基合金製部材の製造方法を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明に係るFe3 Al基合金の製造方法とは、Fe3 Al
系金属間化合物を主要構成相とするFe3 Al基合金の
鋳塊に、800℃以上で熱間加工を施した予加工材を用
いて、熱間押出または熱間圧延を行うことを要旨とする
ものである。
【0007】Fe3 Al基合金製の丸棒または管を製造
するにあたっては、上記予加工材を1100℃以下まで
加熱し、押出速度10mm/秒以上で熱間押出を行う方
法が推奨され、Fe3 Al基合金製の板材を製造するに
あたっては、上記予加工材を900℃以下まで加熱して
熱間圧延を行う方法が好ましい。
【0008】尚、熱間押出または熱間圧延の終了時の材
料温度を750℃以下とすることが望ましく、更に上記
の製造方法で得られたFe3 Al基合金製部材を、60
0〜750℃で熱処理することにより常温延性の向上が
期待できる。
【0009】
【作用】本発明者らは、Fe3 Al基合金製部材の加工
性の改善と同時に、使用上重要な特性である常温延性の
改善を目的として研究を行った。Fe3 Al基合金の常
温延性が劣る原因は、空気中の水分と反応して、拡散性
水素が生成し、その水素の影響で脆化するためであると
考えられている。本発明者らが研究を重ねた結果、Fe
3 Al基合金の組織を等軸粒組織ではなく、伸長粒から
なる繊維状組織とすれば、水素による脆化を抑制するこ
とができ、常温延性が改善できることを見出した。
【0010】上記繊維状組織は熱間押出や熱間圧延等の
熱間加工中に生成されるが、例えば丸棒や管を製造する
場合を例にとると、Fe3 Al基合金の加工性が乏しい
ことからFe3 Al基合金製鋳塊を1200℃以上まで
加熱して熱間押出が行われている。これは再結晶温度を
はるかに超えた高温度域で熱間加工されていることを意
味する。Fe3 Al基合金の再結晶温度は700℃程度
であり、熱間加工中及び熱間加工後の冷却中に再結晶及
び結晶粒の粗大化が起こり、内部組織は粗大な等軸粒組
織となってしまい、結局常温延性に優れる繊維状組織は
得られなかった。そこで本発明者らは、熱間加工により
生成される繊維状組織をそのまま常温まで維持して優れ
た常温延性を発揮するFe3 Al基合金の製造方法に想
到した。
【0011】以下本発明者らが本発明方法を見出すに至
った過程に沿って本発明を詳細に説明する。Fe3 Al
基合金の変態温度は、組成により変化するが通常500
〜600℃の範囲内であり、該変態温度を超えると、六
方晶を基本格子とする金属間化合物相のFe3 Al相か
ら固溶体のα相に変態する。金属間化合物相では加工性
に乏しいFe3 Al基合金であっても、固溶体のα相で
は加工することが容易となる。
【0012】図1はFe3 Al基合金の温度による加工
性の変化を示すグラフであり、以下の様にして調べた。
まずAl含有率が20,25,30原子%である3種類
のFe3 Al基合金の50kg鋳塊を真空高周波溶解に
より溶製した。上記鋳塊に1200℃で24時間の均質
化処理を施した後、直径8mmφ、長さ15mmの平行
部形状を有する引張試験片を作製し、400〜1200
℃の範囲に加熱して、引張速度15mm/秒の高速引張
試験を行ない絞りを測定したものである。
【0013】また図2は、Cr,Nb,Cを含有するF
3 Al基合金のFe−28Al−5Cr−2Nb−
0.05C(組成は原子%)について、上述の方法と同
様にして絞りを測定したものである。
【0014】いずれのFe3 Al基合金も、600℃未
満では絞りが殆どあらわれず、加工性は非常に乏しい。
温度が600℃を超えると温度の上昇と共に絞りの値も
大きくなり、800℃以上ではいずれのFe3 Al基合
金も絞りが50%以上となり加工が十分可能な状態にな
ることが分かる。
【0015】次に本発明者らは、Fe−28Al−5C
r−2Nb−0.05Cを、1000℃に加熱し鍛造を
施した試験片を用いて、上記高速引張試験を行った。結
果は図2に併記した。800℃において、鋳造ままのF
3 Al基合金の絞りは約60%であるが、鍛造材では
約80%の絞りがみられ、加工性が改善されていること
が分かる。
【0016】また、図3にFe−28Al−5Cr−2
Nb−0.05Cの鋳塊と鍛造材の変形抵抗を示す。6
00℃より低い温度域では鍛造材より鋳塊の方が変形抵
抗は高いが、700℃以上ではむしろ鍛造材の変形抵抗
の方が小さいことが分かる。
【0017】さらに上記Fe−28Al−5Cr−2N
b−0.05Cの鋳造材(a)と鍛造材(b),(c)
の組織を図4に示す。鍛造により組織が細かくなってお
り、この組織の細粒化が鍛造材の700℃以上における
加工性の向上に寄与しているものと考えられる。
【0018】即ちFe3 Al基合金製鋳塊に800℃以
上での予加工を施すことによって、粗大な鋳造組織を破
壊し、より細かい結晶粒からなる組織とすれば、十分な
加工性を有するFe3 Al基合金製予加工材(以下、単
に予加工材ということがある)が得られる。従って、上
記予加工材を用いることによって、従来よりも低温度域
で熱間加工することができ、熱間加工終了後に再結晶及
び結晶粒の粗大化を起こすことのない様に熱間加工開始
温度を低く設定することによって繊維状組織を維持し、
常温延性に優れたFe3 Al基合金製部材を製造するこ
とができる。
【0019】本発明において、Fe3 Al基合金製鋳塊
に予加工を行うにあたっては上記鋳塊を800℃以上に
加熱することにより、十分加工することができる。加熱
温度が高くなるにつれて、加工性は向上し、加工開始温
度が1000℃以上であれば、加工材端面に微細割れ等
全く存在せず、安定した熱間加工を行うことができる。
但し、加熱温度が1100℃を超えると、加工により破
壊されて微細となった鋳造組織が、加工中または加工後
の温度低下時に結晶粒の粗大化が起こり、組織の微細化
効果が小さくなる。従って、加工開始温度は800〜1
100℃の範囲であることが好ましく、より好ましい温
度範囲は800〜1000℃である。
【0020】またFe3 Al基合金製鋳塊に予加工を施
すにあたって、加工率は熱間鍛造の場合では鋳造組織の
均質微細化を進めるという理由から30%以上が好まし
く、50%以上がより好ましい。熱間圧延の場合では圧
下率で30%以上が好ましく、50%以上であるとより
好ましい。尚、加工中に、温度低下が起こって加工が困
難になることがあるが、この場合には再度加熱して加工
を行えばよい。
【0021】この様に、Fe3 Al基合金製鋳塊に熱間
鍛造や熱間圧延等の予加工を施すことにより、Fe3
l基合金製部材の700℃以上における加工性が向上
し、熱間押出や熱間圧延などの熱間加工のための素材と
して好適な予加工材が得られるのである。
【0022】従って上記予加工材を用いれば、これまで
熱間押出が困難であるとされてきた1100℃以下の温
度域においてFe3 Al基合金製の丸棒や管を製造する
ことができる。上記予加工材を用いても加熱温度が11
00℃を超えると、加工中及び加工後冷却中の再結晶及
び結晶粒の粗大化が顕著となり、作製した丸棒や管の常
温延性が低下してしまう。実際、1200℃以上に加熱
して熱間押出を行った場合には、ほぼ全面に亘って再結
晶が進展している。これに対して、加熱温度が1100
℃以下の場合では、再結晶する領域もあるが、未再結晶
領域の方が十分に広く、繊維状組織の占める面積率の方
が大きくなる。従って本発明では予加工材の加熱温度を
1100℃以下に設定した。なお、全面に亘って繊維状
組織にするためには、加熱温度を1000℃以下にする
ことが望ましい。
【0023】但し、押出加工の場合には、上記予加工材
は加熱後コンテナに挿入されるため、温度低下が激しく
起こる。この様なコンテナとの接触による温度低下を考
慮すると、900℃以上に加熱することが好ましい。な
お安定した加工を行うためには、加熱温度を1000℃
以上に設定することがより望ましい。
【0024】また、押出速度も温度低下に影響を与え
る。押出速度が10mm/秒未満、例えば5mm/秒の
押出速度では、温度低下が激しいため割れが発生する
が、10mm/秒以上で熱間押出を行うと健全に加工で
きる。従って、押出速度は、10mm/秒以上にするこ
とが必要である。但し、押出速度が速すぎると、Fe3
Al基合金の変形能が追従せず、割れが発生しやすくな
るので、押出速度は20mm/秒以下にすることが望ま
しい。本発明は押出比を限定するものではないが、5以
上とすることが好ましく、より好ましくは7以上であ
る。
【0025】次に本発明に係るFe3 Al基合金製板材
の製造方法について述べる。熱間圧延でFe3 Al基合
金製板材を製造する場合には、圧延加工中のロールとの
接触による温度低下を考慮に入れて900℃を超える高
温度域まで加熱すればFe3 Al基合金の熱間圧延は可
能である。
【0026】しかしながら、900℃を超えて加熱する
と、熱間圧延中または圧延終了後に再結晶及び結晶粒の
粗大化が起こり、加工により生成された繊維状組織が等
軸粒になり、常温延性に優れた繊維状組織が得られな
い。Fe3 Al基合金の再結晶温度は約700℃である
から、加工中の温度低下を考慮に入れると加熱温度を9
00℃以下にすれば、再結晶が起こらない温度域で加工
が終了して繊維状組織を維持できる。但し、鋳塊では9
00℃以下での加工は非常に困難である。
【0027】本発明に係る製造方法では前記予加工材を
圧延素材として用いることにより、900℃以下の加熱
温度であっても熱間圧延を行うことができ、繊維状組織
からなる常温延性に優れた板材を製造できる。尚加熱温
度を900℃以下にすると、圧延加工性は低下して、1
回の圧延での圧下率40%以上の強圧下はできなくなる
が、再加熱を行いながら低加工率の圧延を繰り返すこと
により、常温延性に優れた板材を製造することができる
のである。但し、加熱温度を600℃未満にすると、加
工割れが発生するので600℃以上にすることが望まし
い。尚、加工性及び常温延性の双方の観点から望ましい
温度範囲は700〜800℃である。
【0028】この様に本発明に係る製造方法によれば、
熱間押出または熱間圧延のいずれの熱間加工方法を採用
する場合であっても、熱間加工中の温度低下を考慮に入
れて加熱温度を低めに設定し、加工終了温度を750℃
以下にすることによって繊維状組織を維持できる。上記
加工終了温度を再結晶温度以下に設定することが好まし
いが、多少の等軸粒組織を含んでいても差しつかえな
い。但し、加工ままの状態では、内部に加工歪みを含ん
でいるため、十分な伸びを示さない。そこで、熱処理を
施すことにより、繊維状組織を維持したままで、加工歪
みを開放させれば、より一層常温延性に優れたFe3
l基合金製部材を製造することができる。
【0029】即ち600℃以上で熱処理を行なうことに
よって、加工ままのFe3 Al基合金製部材の加工歪み
を開放することができる。但し、熱処理温度が高過ぎる
と、再結晶が起こり、組織が等軸粒化してしまうので熱
処理温度の上限は、750℃とすることが必要であり、
650〜750℃であるとより好ましい。また本発明
は、熱処理時間を限定するものではないが、15分から
2時間の範囲が好ましい。
【0030】
【実施例】実施例1 Fe−28Al−5Cr−2Nb−0.05Cの鋳塊を
真空誘導溶解により作製し、1200℃で24時間の均
質化処理を行った後、1000℃に加熱して、熱間鍛造
により直径を150mmから70mmとして予加工材を
得た。この予加工材を切り出して熱間押出用ビレットと
した。
【0031】まず押出速度が加工性に与える影響を調べ
ることを目的として、上記熱間押出用ビレットを100
0℃に加熱し、押出比5で、毎秒5,10,20mmの
押出速度で熱間押出を行い、割れ発生状況を調べた。結
果は表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】押出速度が速くなるにつれて最大押出圧力
は低下しており、押出速度が遅いほど、温度低下が顕著
になるものと考えられる。押出速度が5mm/秒の場合
には割れが発生するが、押出速度が10mm/秒以上で
は割れが発生せず健全な加工が行われた。
【0034】次に、前記熱間押出用ビレットを用いて、
表2に示す加熱温度及び押出比により、押出速度10m
m/秒の押出条件で熱間押出を行い、割れの発生状況を
調べた。結果は表2に併記する。
【0035】
【表2】
【0036】800℃に加熱したNo.1は大きな割れ
が発生しており、加熱温度を900℃以上にする必要が
あることが分かる。なお加熱温度900℃、押出比7の
No.4の場合には、後端部で若干割れが認められた
が、大部分が健全部であったため、本発明例とした。
【0037】ここで健全な押出材が得られたものについ
て、内部組織を調べた。その結果を図5に示す。図5の
(a)は、No.3(加熱温度1000℃、押出比5)
の内部組織であり、図5の(b)は、No.4(加熱温
度1100℃、押出比5)の内部組織であり、図5の
(c)は、No.7(加熱温度1200℃、押出比7)
の組織である。図5の(a)〜(c)より、1000℃
加熱の場合には、再結晶はほとんど起こっておらず繊維
状組織となっており、1100℃加熱では大部分は繊維
状組織であるが一部に等軸粒組織が見られ、1200℃
加熱の場合には、ほぼ全面に亘って再結晶が起こり等軸
粒組織となっていることが分かる。本発明においては、
これらの結果から常温延性に有利な繊維状組織を得るた
めの加熱温度を1100℃以下に設定した。尚、全面に
亘って繊維状組織とするためには、加熱温度を1000
℃以下にすることが望ましいことが分かる。
【0038】尚、熱間押出により管の製造ができるかど
うかを確認することを目的として、900〜1100℃
の温度範囲に加熱して、直径18mmのマンドレルを用
いて、外径30mm,内径20mmの管の熱間押出を行
った。その結果、健全な管が熱間押出により製造できる
ことを確認した。
【0039】更に、外管をFe3 Al基合金として内管
を炭素鋼とした二重管については、単管と同じ外径およ
び内径に加工するのであれば、単管の場合より各材料に
加わる押出比が小さくなるので、単管の押出が可能な条
件を用いれば二重管の製造は可能であると判断される。
【0040】実施例2 Fe3 Al基合金であるFe−28Al−5Cr(組成
は原子%)及びFe−28Al−5Cr−2Nb−0.
05Cの50kg鋳塊を真空誘導溶解により作製し、1
200℃で24時間の均質化処理を行なった。その後、
1000℃に加熱して熱間鍛造により直径を150mm
から75mmまで加工し、一辺が40mmおよび8mm
の角柱を切り出した。この角柱を素材として、加熱温度
500〜1000℃での圧延試験を行なった。圧延試験
後の割れ発生状況を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】この結果より、500℃以下では縦割れが
発生し、圧延できないことが分かる。600℃では側端
部に耳割れが認められるものの十分に圧延可能であり、
700℃以上では、図6に示すように、耳割れもなく健
全な板材の製造ができた。
【0043】図7の(a)〜(c)は予加工材を加熱し
て60%の圧下率で圧延した時の組織を示す図であり、
(a)は700℃、(b)は800℃、(c)は100
0℃に加熱したものである。(a)は全面が伸長粒から
なる繊維状組織であり、(b)は、一部に等軸粒組織が
認められるが、大部分は繊維状組織である。1000℃
に加熱した(c)では、等軸粒が主体の組織となってお
り、繊維状組織はほとんど見られない。
【0044】実施例3 Fe3 Al基合金であるFe−28Al−5Crおよび
Fe−28Al−5Cr−2Nb−0.05C(組成は
原子%)の50kg鋳塊を作製し、1200℃で24時
間の均質化処理を行なった後、1000℃に加熱し直径
150mmから75mmまで鍛造を行なった。その後、
700℃に加熱し、圧下率60%の圧延を行ない試験用
板材(以下、試験片という)を作製した。上記試験片を
用いて400〜1000℃の範囲で1時間の熱処理を行
なった。
【0045】図8は熱処理温度の違いによる各試験片の
ビッカース硬さの違いを示すグラフである。熱処理温度
が600℃以上になると硬さは低下しており、加工歪み
が開放されていることが分かる。
【0046】図9に、Fe−28Al−5Cr−2Nb
−0.05Cについて、圧延したままの試験片の組織
(a)と、熱処理を行った試験片の組織(b〜g)を示
す。圧延により得られた繊維状組織は、700℃におけ
る熱処理(d)では維持されている。750℃で熱処理
を行なった試験片(e)は、等軸粒組織が多少は認めら
れるものの、大部分は繊維状組織である。これに対し
て、800℃以上で熱処理を行なった試験片(f,g)
ものは、再結晶により等軸粒組織に変化している。尚、
熱処理温度と組織変化の関係はFe−28Al−5Cr
でも同様であった。
【0047】次に引張試験を行い、熱処理温度と常温延
性の関係を調べた。結果は図10にす。図10より、加
工歪みが存在する圧延ままの試験片に比べて700℃で
熱処理を行った試験片では常温延性が大きく向上してい
ることが分かる。これに対して400℃で熱処理を行っ
た試験片では効果が見られるが、800℃で熱処理を行
った試験片は効果がさほど大きくない。
【0048】実施例4 Fe3 Al基合金であるFe−28Al−5Cr(組成
は原子%)の50kg鋳塊を作製し、1200℃で24
時間の均質化処理を行なった後、1000℃に加熱し直
径150mmから75mmまで鍛造を行なった。その
後、1000℃に加熱し、熱間押出を行い丸棒を作製し
た。
【0049】実施例3と同様にして600〜1000℃
の範囲で熱処理を行い、組織の状態を圧延ままの押出材
と比較した。結果は図11に示す。図11より、実施例
3と同じく、加工(熱間押出)ままで繊維状組織であっ
たものが、800℃以上の熱処理により等軸粒組織に変
化することが分かる。従って、この場合も、加工後の熱
処理温度を600〜750℃にすることにより、歪みを
開放すると共に、繊維状組織を維持できることが確認で
きた。
【0050】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、過酷な高温腐食環境下であっても優れた耐食性を示
すFe3 Al基合金製部材の製造方法であって、しかも
常温延性に優れたFe3 Al基合金製部材が提供できる
こととなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】Fe3 Al基合金鋳塊の温度による加工性の変
化を示すグラフである。
【図2】Fe3 Al基合金の鋳塊及び鍛造材の温度によ
る加工性の変化を示すグラフである。
【図3】Fe3 Al基合金の鋳塊及び鍛造材の変形抵抗
を示すグラフである。
【図4】Fe3 Al基合金の鋳塊及び鍛造材の組織を示
す図面代用写真である。
【図5】熱間押出により製造されたFe3 Al基合金製
丸棒の組織を示す図面代用写真である。
【図6】本発明に係るFe3 Al基合金製板材の表面性
状を示す図面代用写真である。
【図7】熱間圧延により製造されたFe3 Al基合金製
板材の組織を示す図面代用写真である。
【図8】本発明に係るFe3 Al基合金製板材の熱処理
温度とビッカース硬さとの関係を示すグラフである。
【図9】Fe3 Al基合金製板材の圧延まま又は熱処理
後の組織を示す図面代用写真である。
【図10】本発明に係るFe3 Al基合金製板材の熱処
理温度と伸びの関係を示すグラフである。
【図11】Fe3 Al基合金製丸棒の押出まま又は熱処
理後の組織を示す図面代用写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe3 Al系金属間化合物を主要構成相
    とするFe3 Al基合金の鋳塊に、800℃以上で熱間
    加工を施した予加工材を用いて、熱間押出または熱間圧
    延を行うことを特徴とするFe3 Al基合金製部材の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 上記予加工材を1100℃以下まで加熱
    し、押出速度10mm/秒以上で熱間押出を行うことに
    よって丸棒または管を製造する請求項1に記載のFe3
    Al基合金製部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記予加工材を900℃以下まで加熱し
    て熱間圧延を行うことによって板材を製造する請求項1
    に記載のFe3 Al基合金製部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱間押出または熱間圧延の終了時の材料
    温度を750℃以下とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のFe3 Al基合金製部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方
    法で得られたFe3Al基合金製部材を、600〜75
    0℃で熱処理するFe3 Al基合金製部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1053927C (zh) * 1997-12-23 2000-06-28 冶金工业部钢铁研究总院 一种铁铝基合金丝材的制造方法

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