JPH10286602A - チタン製継目無し管およびその製造方法 - Google Patents
チタン製継目無し管およびその製造方法Info
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- JPH10286602A JPH10286602A JP9867597A JP9867597A JPH10286602A JP H10286602 A JPH10286602 A JP H10286602A JP 9867597 A JP9867597 A JP 9867597A JP 9867597 A JP9867597 A JP 9867597A JP H10286602 A JPH10286602 A JP H10286602A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、長さ方向と周方向の両方向にて、高
い強度・延性を有し、かつ両方向の特性差が小さい、工
業用純チタンからなる継目無し管およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】工業用純チタンからなり、圧延方式により
製造され、圧延ままの状態で、双晶を10〜25%の体
積分率に規定する。あるいは、焼鈍した状態で、3〜2
0%の体積分率の双晶に規定することによって異方性の
小さいチタン製継目無し管が得られる。その製造は、最
終圧延工程を定型圧延機で実施し、その際、圧延機出口
温度を80℃以上200℃未満、減面率を3〜15%に
規定して製造する。
い強度・延性を有し、かつ両方向の特性差が小さい、工
業用純チタンからなる継目無し管およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】工業用純チタンからなり、圧延方式により
製造され、圧延ままの状態で、双晶を10〜25%の体
積分率に規定する。あるいは、焼鈍した状態で、3〜2
0%の体積分率の双晶に規定することによって異方性の
小さいチタン製継目無し管が得られる。その製造は、最
終圧延工程を定型圧延機で実施し、その際、圧延機出口
温度を80℃以上200℃未満、減面率を3〜15%に
規定して製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用純チタンか
らなる継目無し管およびその製造方法に関する。
らなる継目無し管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンおよびチタン合金は軽量、高強
度、高耐食性を有しており、近年、地熱開発、海底油田
・ガス田開発などの、大深度、高温、高圧、高腐食の極
限環境に適した素材として期待されている。中でも、化
学工業や発電所等の腐食環境で高い信頼性が得られてい
る工業用純チタンや、これらに少量のPdやRuなどの
白金族を添加し耐食性をさらに高めた高耐食性工業用純
チタンは、特に耐食性に優れた極限環境用素材として有
望視されている。
度、高耐食性を有しており、近年、地熱開発、海底油田
・ガス田開発などの、大深度、高温、高圧、高腐食の極
限環境に適した素材として期待されている。中でも、化
学工業や発電所等の腐食環境で高い信頼性が得られてい
る工業用純チタンや、これらに少量のPdやRuなどの
白金族を添加し耐食性をさらに高めた高耐食性工業用純
チタンは、特に耐食性に優れた極限環境用素材として有
望視されている。
【0003】上記用途においては、管が主要製品形状で
あるが、チタン製管材の製造方法として、板を曲げ加
工し溶接する方法(溶接管)、熱間押し出しによる方法
(継ぎ目無し管)、熱間プレスや穿孔圧延機により中実
ビレットまたはブルームを穿孔し、さらに延伸、絞り、
磨管、定型等の圧延工程を順次行い造管する方法(継ぎ
目無し管)などが検討されている。
あるが、チタン製管材の製造方法として、板を曲げ加
工し溶接する方法(溶接管)、熱間押し出しによる方法
(継ぎ目無し管)、熱間プレスや穿孔圧延機により中実
ビレットまたはブルームを穿孔し、さらに延伸、絞り、
磨管、定型等の圧延工程を順次行い造管する方法(継ぎ
目無し管)などが検討されている。
【0004】このうち、は、「圧延方式」と呼ばれ、
特性の劣化が懸念される溶接部のない継ぎ目無し管が製
造できるので、補修や部品交換等が極めて困難な上述の
極限環境用途でも、長期間安定して使用できる利点を有
しており、さらに、同方法は、材料歩留りが高く、製造
効率も高いことから、材料そのものが高価なチタン材料
では特に有利な方法である。
特性の劣化が懸念される溶接部のない継ぎ目無し管が製
造できるので、補修や部品交換等が極めて困難な上述の
極限環境用途でも、長期間安定して使用できる利点を有
しており、さらに、同方法は、材料歩留りが高く、製造
効率も高いことから、材料そのものが高価なチタン材料
では特に有利な方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、工業用純チタン
は、熱間での変形抵抗が小さく熱間加工性も良いことか
ら、この圧延方式による継ぎ目無し管は形状的には比較
的容易に製造可能であるが、特にβ変態点以下の温度域
で主として熱間加工された場合には、強い集合組織が発
達し、その結果、長さ方向と周方向の強度や延性に大き
な差、すなわち異方性を生じやすいという問題点があっ
た。[従来の技術]項で述べた極限環境下では、管の内
外から強い静水圧を受けることが多く、長さ方向および
周方向の両方向の強度差や延性差はできるだけ小さいこ
とが望まれている。
は、熱間での変形抵抗が小さく熱間加工性も良いことか
ら、この圧延方式による継ぎ目無し管は形状的には比較
的容易に製造可能であるが、特にβ変態点以下の温度域
で主として熱間加工された場合には、強い集合組織が発
達し、その結果、長さ方向と周方向の強度や延性に大き
な差、すなわち異方性を生じやすいという問題点があっ
た。[従来の技術]項で述べた極限環境下では、管の内
外から強い静水圧を受けることが多く、長さ方向および
周方向の両方向の強度差や延性差はできるだけ小さいこ
とが望まれている。
【0006】異方性の少ない等方的材質は、集合組織を
弱めることで達成されるが、その方法としては、熱間加
工をβ変態点以上のβ単相温度域で行い、同時にβ相を
再結晶させると、その後の冷却中に析出するα相の集合
組織がランダムなものとなることが例えば、R&D神戸
製鋼技報vol.31 P48〜51(1982)に記載されている。ま
た、圧延温度は問わないが、熱間圧延終了後にβ変態点
以上で熱処理を行い、β相をいったん再結晶させて、そ
の後の冷却中に析出するα相の結晶方位をランダムなも
のとする方法が特開昭63−270449に記載されて
いる。このような方法を圧延方式により製造したチタン
管に適用することにより、等方的な材質は得られるが、
両方向とも延性が低下してしまうという問題点があっ
た。これは、β単相域は拡散が速いためβ粒が粗大化す
ること、および冷却中にβ粒界およびβ粒内に各々延性
に乏しい板状α相および針状α相が析出するためであ
る。
弱めることで達成されるが、その方法としては、熱間加
工をβ変態点以上のβ単相温度域で行い、同時にβ相を
再結晶させると、その後の冷却中に析出するα相の集合
組織がランダムなものとなることが例えば、R&D神戸
製鋼技報vol.31 P48〜51(1982)に記載されている。ま
た、圧延温度は問わないが、熱間圧延終了後にβ変態点
以上で熱処理を行い、β相をいったん再結晶させて、そ
の後の冷却中に析出するα相の結晶方位をランダムなも
のとする方法が特開昭63−270449に記載されて
いる。このような方法を圧延方式により製造したチタン
管に適用することにより、等方的な材質は得られるが、
両方向とも延性が低下してしまうという問題点があっ
た。これは、β単相域は拡散が速いためβ粒が粗大化す
ること、および冷却中にβ粒界およびβ粒内に各々延性
に乏しい板状α相および針状α相が析出するためであ
る。
【0007】以上のような問題点に鑑み、本発明は、長
さ方向および周方向の両方向にて、高い強度・延性を有
し、かつ両方向の特性差が小さい、工業用純チタンから
なる継目無し管およびその製造方法を提供しようとする
ものである。
さ方向および周方向の両方向にて、高い強度・延性を有
し、かつ両方向の特性差が小さい、工業用純チタンから
なる継目無し管およびその製造方法を提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、下記の(1)〜(6)である。すなわち、 (1)工業用純チタンからなり、圧延ままの状態で、10
〜25%の体積分率の双晶を含有することを特徴とする、
チタン製継目無し管。
に本発明は、下記の(1)〜(6)である。すなわち、 (1)工業用純チタンからなり、圧延ままの状態で、10
〜25%の体積分率の双晶を含有することを特徴とする、
チタン製継目無し管。
【0009】(2)工業用純チタンからなり、焼鈍した
状態で、3〜20%の体積分率の双晶を含有することを
特徴とする、チタン製継目無し管。
状態で、3〜20%の体積分率の双晶を含有することを
特徴とする、チタン製継目無し管。
【0010】(3)工業用純チタンからなる継目無し管
を圧延方式で製造する方法において、最終圧延工程が定
型圧延機により実施され、その際、圧延機出口温度が80
℃以上200℃未満であり、減面率が3〜15%であることを
特徴とする、チタン製継目無し管の製造方法。
を圧延方式で製造する方法において、最終圧延工程が定
型圧延機により実施され、その際、圧延機出口温度が80
℃以上200℃未満であり、減面率が3〜15%であることを
特徴とする、チタン製継目無し管の製造方法。
【0011】(4)圧延後、600℃以上β変態点以下の
温度域で10分以上の焼鈍を行うことを特徴とする、
(3)記載のチタン製継目無し管の製造方法。
温度域で10分以上の焼鈍を行うことを特徴とする、
(3)記載のチタン製継目無し管の製造方法。
【0012】(5)延伸圧延機の入り側温度が、当該工
業用純チタンのβ変態点以下であることを特徴とする、
(3)または(4)記載の、チタン製継目無し管の製造
方法。
業用純チタンのβ変態点以下であることを特徴とする、
(3)または(4)記載の、チタン製継目無し管の製造
方法。
【0013】(6)ビレットまたはブルームの加熱温度
が、当該工業用純チタンのβ変態点以下であることを特
徴とする、(5)記載の、チタン製継目無し管の製造方
法。
が、当該工業用純チタンのβ変態点以下であることを特
徴とする、(5)記載の、チタン製継目無し管の製造方
法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者等は、純チタンの変形様
式と、継目無し管の製造方法に関して研究を重ねた結
果、三つの重要な知見を見い出した。すなわち、 工業用純チタンのように、Alを含有せず、実質的
に酸素、窒素、場合によってはFeにより強度を付与した
チタン材では、体積分率で10〜25%の双晶を変形に
より付与し、変形前の方位と著しく異なる方位の結晶粒
を混在させると、材質異方性が著しく低減する。
式と、継目無し管の製造方法に関して研究を重ねた結
果、三つの重要な知見を見い出した。すなわち、 工業用純チタンのように、Alを含有せず、実質的
に酸素、窒素、場合によってはFeにより強度を付与した
チタン材では、体積分率で10〜25%の双晶を変形に
より付与し、変形前の方位と著しく異なる方位の結晶粒
を混在させると、材質異方性が著しく低減する。
【0015】 工業用純チタンのように、Alを含有
せず、実質的に酸素、窒素、場合によってはFeの添加に
より強度を付与したチタン材では、上記10〜25%の
体積分率の双晶は、80〜200℃の温度域において、定型
圧延機を用いて減面率で3〜15%の加工を行うことによ
り、割れを生じることなく、付与できる。
せず、実質的に酸素、窒素、場合によってはFeの添加に
より強度を付与したチタン材では、上記10〜25%の
体積分率の双晶は、80〜200℃の温度域において、定型
圧延機を用いて減面率で3〜15%の加工を行うことによ
り、割れを生じることなく、付与できる。
【0016】 で行った加工により生じた残留応力
は、600℃以上の温度域で10分以上焼鈍することによ
り解消する。このとき、再結晶により、双晶の組織的特
徴の一部が消失する場合があるが、で付与された異方
性低減効果は保持される。
は、600℃以上の温度域で10分以上焼鈍することによ
り解消する。このとき、再結晶により、双晶の組織的特
徴の一部が消失する場合があるが、で付与された異方
性低減効果は保持される。
【0017】本発明は、上記知見を基になされたもの
で、双晶変形という工業用純チタンの冶金的特徴と、定
型圧延機特有の変形様式を活用したものである。
で、双晶変形という工業用純チタンの冶金的特徴と、定
型圧延機特有の変形様式を活用したものである。
【0018】まず、本発明(1)では、圧延方式により製
造された、工業用純チタンからなる継ぎ目無し管におい
て、圧延ままの状態で、10〜25%の体積分率の双晶を含
有することとした。これは、まさに上記の知見に基づ
くものであり、この双晶の導入により、継ぎ目無し管の
材質異方性を低減することができる。ここで、双晶の体
積分率を、10〜25%としたのは、下記の理由による。す
なわち、10%未満の双晶では、異方性改善効果が小さい
ためであり、25%を越える体積分率の双晶は、加工中に
割れなどの欠陥を生じさせることなく付与することは不
可能で、実際的でないからである。
造された、工業用純チタンからなる継ぎ目無し管におい
て、圧延ままの状態で、10〜25%の体積分率の双晶を含
有することとした。これは、まさに上記の知見に基づ
くものであり、この双晶の導入により、継ぎ目無し管の
材質異方性を低減することができる。ここで、双晶の体
積分率を、10〜25%としたのは、下記の理由による。す
なわち、10%未満の双晶では、異方性改善効果が小さい
ためであり、25%を越える体積分率の双晶は、加工中に
割れなどの欠陥を生じさせることなく付与することは不
可能で、実際的でないからである。
【0019】このような、継ぎ目無し管は、本発明
(3)記載の方法により製造することができる。すなわ
ち、工業用純チタンからなる継目無し管を圧延方式によ
り製造するに際し、最終圧延工程を定型圧延機により実
施し、その際の圧延機出口温度を80℃以上200℃未満と
し、このときの加工率を減面率で3〜15%とすることに
より達成される。これは、まさに知見を活用したもの
である。
(3)記載の方法により製造することができる。すなわ
ち、工業用純チタンからなる継目無し管を圧延方式によ
り製造するに際し、最終圧延工程を定型圧延機により実
施し、その際の圧延機出口温度を80℃以上200℃未満と
し、このときの加工率を減面率で3〜15%とすることに
より達成される。これは、まさに知見を活用したもの
である。
【0020】最終圧延工程を定型圧延機で行うこととし
たのは、これ以外の、例えば、所望の径に縮径するため
に用いる絞り圧延機などにより最終圧延工程を行うと、
200℃以下の低温域で圧延を行っても双晶が発生しない
ばかりか、200℃以下の低い温度では極少量の加工でも
割れを生じるため、事実上圧延できなくなるからであ
る。しかし、定型圧延機により最終圧延工程を行うと、
その特殊な加工により、工業用純チタンのように、Al
を含有せず実質的に酸素、窒素、あるいは場合によって
はさらにFeの添加により強度を付与したチタン材では、
すべり変形に加え双晶変形が誘発され、ある加工量まで
は割れを生じることなく加工が可能となる。
たのは、これ以外の、例えば、所望の径に縮径するため
に用いる絞り圧延機などにより最終圧延工程を行うと、
200℃以下の低温域で圧延を行っても双晶が発生しない
ばかりか、200℃以下の低い温度では極少量の加工でも
割れを生じるため、事実上圧延できなくなるからであ
る。しかし、定型圧延機により最終圧延工程を行うと、
その特殊な加工により、工業用純チタンのように、Al
を含有せず実質的に酸素、窒素、あるいは場合によって
はさらにFeの添加により強度を付与したチタン材では、
すべり変形に加え双晶変形が誘発され、ある加工量まで
は割れを生じることなく加工が可能となる。
【0021】そして、定型圧延機出側温度が80℃以上20
0℃未満となるような温度域で、減面率で3〜15%の加工
を行うと、誘発される双晶は10〜25%の範囲とな
る。ここで、定型圧延機出側温度を80℃以上200℃未満
としたのは、次の理由による。
0℃未満となるような温度域で、減面率で3〜15%の加工
を行うと、誘発される双晶は10〜25%の範囲とな
る。ここで、定型圧延機出側温度を80℃以上200℃未満
としたのは、次の理由による。
【0022】すなわち、80℃未満の温度では、温度が低
すぎて少量の加工でも割れを生じてしまい、事実上圧延
できないからであり、200℃以上の温度では,温度が高す
ぎて双晶が誘発されない。また、加工率を3〜15%の
減面率としたのは、3%未満の加工では、10%以上の
十分な双晶が誘発されず異方性改善効果が不十分である
からで、15%を越える減面率で加工すると、双晶は十
分発生するも、加工量が大きすぎ割れが発生するため、
事実上15%を越える減面率の圧延は、200℃以下の低
温域では不可能であることによる。
すぎて少量の加工でも割れを生じてしまい、事実上圧延
できないからであり、200℃以上の温度では,温度が高す
ぎて双晶が誘発されない。また、加工率を3〜15%の
減面率としたのは、3%未満の加工では、10%以上の
十分な双晶が誘発されず異方性改善効果が不十分である
からで、15%を越える減面率で加工すると、双晶は十
分発生するも、加工量が大きすぎ割れが発生するため、
事実上15%を越える減面率の圧延は、200℃以下の低
温域では不可能であることによる。
【0023】次に、本発明(2)では,圧延方式により
製造された、工業用純チタンからなる継ぎ目無し管にお
いて、焼鈍状態で、3〜20%の体積分率の双晶を含有
することとした。これは、まさに上記の知見に基づく
ものでる。
製造された、工業用純チタンからなる継ぎ目無し管にお
いて、焼鈍状態で、3〜20%の体積分率の双晶を含有
することとした。これは、まさに上記の知見に基づく
ものでる。
【0024】本発明(1)の、工業用純チタンからな
り、圧延方式により製造され、圧延ままの状態で、10〜
25%の体積分率の双晶を含有するチタン製継目無し管
を、残留応力除去のため焼鈍すると、再結晶により双晶
の組織的特徴の一部が消失し、3〜20%の体積分率の
双晶となる。しかし、加工時に導入された双晶の結晶方
位は引き継がれるため、この範囲の体積分率の双晶が残
存していれば、異方性低減効果は保持される。
り、圧延方式により製造され、圧延ままの状態で、10〜
25%の体積分率の双晶を含有するチタン製継目無し管
を、残留応力除去のため焼鈍すると、再結晶により双晶
の組織的特徴の一部が消失し、3〜20%の体積分率の
双晶となる。しかし、加工時に導入された双晶の結晶方
位は引き継がれるため、この範囲の体積分率の双晶が残
存していれば、異方性低減効果は保持される。
【0025】このような、継ぎ目無し管は、本発明
(4)記載の方法により製造することができる。すなわ
ち、本発明(3)の方法で製造した、工業用純チタンか
らなるチタン製継ぎ目無し管を、600℃以上β変態点以
下の温度域で10分以上の焼鈍を行うことにより達成され
る。ここで、600℃以上の焼鈍温度および10分以上の焼
鈍時間は、残留歪みを解消する焼鈍効果を得るために必
要である。焼鈍時間については、特に上限を設けなかっ
たが、これは要求される残留歪みの解消の程度によって
設定すればよいからであり、本発明は特にこれを規制す
るものではない。また、焼鈍温度をβ変態点以下とした
のは、これより高い温度域で焼鈍すると、長さ方向、周
方向の両方向とも延性が低下してしまうからである。
(4)記載の方法により製造することができる。すなわ
ち、本発明(3)の方法で製造した、工業用純チタンか
らなるチタン製継ぎ目無し管を、600℃以上β変態点以
下の温度域で10分以上の焼鈍を行うことにより達成され
る。ここで、600℃以上の焼鈍温度および10分以上の焼
鈍時間は、残留歪みを解消する焼鈍効果を得るために必
要である。焼鈍時間については、特に上限を設けなかっ
たが、これは要求される残留歪みの解消の程度によって
設定すればよいからであり、本発明は特にこれを規制す
るものではない。また、焼鈍温度をβ変態点以下とした
のは、これより高い温度域で焼鈍すると、長さ方向、周
方向の両方向とも延性が低下してしまうからである。
【0026】さて、本発明(5)記載の方法では、本発
明(3)または(4)記載の方法において、延伸圧延機
の入り側温度が、当該工業用純チタンのβ変態点以下で
あることとした。これは、延伸圧延工程以降の工程をα
域あるいはα+β域で行うことを意味しており、特に延
性の優れた、チタン製継ぎ目無し管を製造するための方
法である。
明(3)または(4)記載の方法において、延伸圧延機
の入り側温度が、当該工業用純チタンのβ変態点以下で
あることとした。これは、延伸圧延工程以降の工程をα
域あるいはα+β域で行うことを意味しており、特に延
性の優れた、チタン製継ぎ目無し管を製造するための方
法である。
【0027】また、本発明(6)記載の方法では、本発
明(5)記載の方法において、ビレットまたはブルーム
の加熱温度が、当該工業用純チタンのβ変態点以下であ
ることとした。これは、圧延方式による継ぎ目無し管製
造の全圧延工程を、β変態点以下のα域あるいはα+β
域で行うことを意味しており、さらに延性の優れた、チ
タン製継ぎ目無し管を製造することができる。
明(5)記載の方法において、ビレットまたはブルーム
の加熱温度が、当該工業用純チタンのβ変態点以下であ
ることとした。これは、圧延方式による継ぎ目無し管製
造の全圧延工程を、β変態点以下のα域あるいはα+β
域で行うことを意味しており、さらに延性の優れた、チ
タン製継ぎ目無し管を製造することができる。
【0028】なお、本発明において、工業用純チタンと
は、いわゆるASTMのGrade1〜4、JISの1種〜4種に相
当する成分系を指し、加えて、微量の白金族元素を添加
した ASTM Grade 7,11なども含まれる。また、本発明
は、造管後の矯正、精整などの工程について、これらを
規制するものではない。すなわち冷間での矯正や、研
削、切削、酸洗等の種々の精整工程を行うことが可能で
ある。
は、いわゆるASTMのGrade1〜4、JISの1種〜4種に相
当する成分系を指し、加えて、微量の白金族元素を添加
した ASTM Grade 7,11なども含まれる。また、本発明
は、造管後の矯正、精整などの工程について、これらを
規制するものではない。すなわち冷間での矯正や、研
削、切削、酸洗等の種々の精整工程を行うことが可能で
ある。
【0029】
【実施例】以下に,実施例を用いて本発明をさらに詳し
く説明する。 試験1 工業用純チタンASTM Grade 4 (β変態点:950℃)を真
空アーク2回溶解し、分塊圧延により、170mm直径の円
形断面のビレットとし、傾斜圧延ロールを有する穿孔圧
延機、プラグミル延伸圧延機、絞り圧延機または定型圧
延機により、外径161.4mm、厚さ7.0mmの継ぎ目無し管を
造管した。この管から、長さ方向、周方向に、厚さ2.5m
m、ゲージ長さ20mm、幅7mmの板状引張試験片を切り出
し、引張試験を行い、0.2%耐力および伸びを測定し
た。同時に、組織観察により圧延ままでの双晶の体積分
率を測定した。管の製造条件および試験・測定結果を表
1に示す。
く説明する。 試験1 工業用純チタンASTM Grade 4 (β変態点:950℃)を真
空アーク2回溶解し、分塊圧延により、170mm直径の円
形断面のビレットとし、傾斜圧延ロールを有する穿孔圧
延機、プラグミル延伸圧延機、絞り圧延機または定型圧
延機により、外径161.4mm、厚さ7.0mmの継ぎ目無し管を
造管した。この管から、長さ方向、周方向に、厚さ2.5m
m、ゲージ長さ20mm、幅7mmの板状引張試験片を切り出
し、引張試験を行い、0.2%耐力および伸びを測定し
た。同時に、組織観察により圧延ままでの双晶の体積分
率を測定した。管の製造条件および試験・測定結果を表
1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1において、試験番号1,2は、各々100
0℃、900℃に加熱したビレットを、単純に穿孔、延伸、
定型の各圧延工程を通管させた比較例であり、定型圧延
機出側の温度は、それぞれ400,300℃であった。長さ方
向には、20%以上の高い伸びが得られているが、周方向
の伸びは15%以下であり、0.2%耐力も50MPa以上周方向
の方が高く、材質異方性が顕著である。
0℃、900℃に加熱したビレットを、単純に穿孔、延伸、
定型の各圧延工程を通管させた比較例であり、定型圧延
機出側の温度は、それぞれ400,300℃であった。長さ方
向には、20%以上の高い伸びが得られているが、周方向
の伸びは15%以下であり、0.2%耐力も50MPa以上周方向
の方が高く、材質異方性が顕著である。
【0032】これに対し、本発明例の、試験番号5,6,
9,10,12,13は、いずれも、圧延ままの状態で、1
0〜25%の体積分率の双晶を含有しており、長さ方向と
周方向の0.2%耐力の差が縮小しており、また長さ方向
は20%以上の高い伸び値を維持しながら、周方向の伸び
も15%以上の高い値となっている。また、試験番号13
に比べて、試験番5,6,9,10は、伸びが両方向とも
高くなっており、本発明(5)の効果が特に現われてい
る。また、試験番号12は、さらに両方向の伸びが高く
なっており、本発明(6)の効果が現われている。
9,10,12,13は、いずれも、圧延ままの状態で、1
0〜25%の体積分率の双晶を含有しており、長さ方向と
周方向の0.2%耐力の差が縮小しており、また長さ方向
は20%以上の高い伸び値を維持しながら、周方向の伸び
も15%以上の高い値となっている。また、試験番号13
に比べて、試験番5,6,9,10は、伸びが両方向とも
高くなっており、本発明(5)の効果が特に現われてい
る。また、試験番号12は、さらに両方向の伸びが高く
なっており、本発明(6)の効果が現われている。
【0033】一方、比較例の試験番号3,8は、異方性
の改善程度が低く、依然として、0.2%耐力の差は50MPa
以上で、周方向の伸びは15%にも満たなかった。これ
は、試験番号3では、最終圧延機(定型圧延機)の出口温
度が、本発明の方法で規定した200℃未満を超えたた
め、異方性低減に必要な双晶の体積分率10%が達成され
なかったからであり、試験番号8では、最終圧延(定型
圧延)工程の加工率が、本発明の方法で規定した3%以
上を満たさなかったため、異方性低減に必要な双晶の体
積分率10%が達成されなかったためである。
の改善程度が低く、依然として、0.2%耐力の差は50MPa
以上で、周方向の伸びは15%にも満たなかった。これ
は、試験番号3では、最終圧延機(定型圧延機)の出口温
度が、本発明の方法で規定した200℃未満を超えたた
め、異方性低減に必要な双晶の体積分率10%が達成され
なかったからであり、試験番号8では、最終圧延(定型
圧延)工程の加工率が、本発明の方法で規定した3%以
上を満たさなかったため、異方性低減に必要な双晶の体
積分率10%が達成されなかったためである。
【0034】また、試験番号4,7,11は、長さ方向と
周方向の特性差はあまり大きくないが、両方向とも伸び
が15%を下回ってしまった。これは下記の理由によるも
のである。試験番号4では、最終圧延工程を定型圧延で
はなく絞り圧延により行ったため、17%の加工率でも、
双晶が誘発されず加工中に割れを生じ、両方向とも伸び
が低下してしまった。試験番号7では、最終圧延機(定
型圧延機)出側の温度が、本発明で規する下限値80℃よ
り低かったため、多量の双晶が誘発されたにもかかわら
ず、加工中に割れを生じ、両方向とも伸びが低下してし
まった。試験番号11では、最終圧延(定型圧延)工程の
加工率が、本発明で規定する上限値15%を超えたため、
多量の双晶が誘発されたにもかかわらず、加工中に割れ
を生じ、両方向とも伸びが低下してしまった。
周方向の特性差はあまり大きくないが、両方向とも伸び
が15%を下回ってしまった。これは下記の理由によるも
のである。試験番号4では、最終圧延工程を定型圧延で
はなく絞り圧延により行ったため、17%の加工率でも、
双晶が誘発されず加工中に割れを生じ、両方向とも伸び
が低下してしまった。試験番号7では、最終圧延機(定
型圧延機)出側の温度が、本発明で規する下限値80℃よ
り低かったため、多量の双晶が誘発されたにもかかわら
ず、加工中に割れを生じ、両方向とも伸びが低下してし
まった。試験番号11では、最終圧延(定型圧延)工程の
加工率が、本発明で規定する上限値15%を超えたため、
多量の双晶が誘発されたにもかかわらず、加工中に割れ
を生じ、両方向とも伸びが低下してしまった。
【0035】試験2 試験1で製造した管の一部(試験番号3,5,7,10,1
2,13)を焼鈍し、その後、試験1と同様の試験、測定
を行った。焼鈍条件および焼鈍後の試験・測定結果を表
2に示す。
2,13)を焼鈍し、その後、試験1と同様の試験、測定
を行った。焼鈍条件および焼鈍後の試験・測定結果を表
2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】さて、表2において,本発明(2)の例で
ある、試験番号16,17,18,19,23,24,25で
は、焼鈍により残留応力が解放され、圧延まま材に比べ
て、長さ方向、周方向の両方向の伸びが3%以上向上し
ている。この時、双晶の体積分率は、再結晶により減少
し、3〜20%の範囲となっている。このように双晶が
焼鈍中に減少しているが、加工時に導入された双晶の結
晶方位は引き継がれるため、異方性低減効果は保持され
ており、周方向、長さ方向の特性差は小さい。
ある、試験番号16,17,18,19,23,24,25で
は、焼鈍により残留応力が解放され、圧延まま材に比べ
て、長さ方向、周方向の両方向の伸びが3%以上向上し
ている。この時、双晶の体積分率は、再結晶により減少
し、3〜20%の範囲となっている。このように双晶が
焼鈍中に減少しているが、加工時に導入された双晶の結
晶方位は引き継がれるため、異方性低減効果は保持され
ており、周方向、長さ方向の特性差は小さい。
【0038】なお、試験番号25に比べて、試験番号1
6,17,18,19,23は、伸びが両方向とも高くなっ
ており、本発明(5)の効果が特に現われている。ま
た、試験番号24は、さらに両方向の伸びが高くなって
おり、本発明(6)の効果が表れている。
6,17,18,19,23は、伸びが両方向とも高くなっ
ており、本発明(5)の効果が特に現われている。ま
た、試験番号24は、さらに両方向の伸びが高くなって
おり、本発明(6)の効果が表れている。
【0039】これに対し、圧延ままの状態で、双晶の体
積分率が10%未満で、大きな材質異方性を有していた、
試験番号3を焼鈍した試験番号14は、焼鈍効果で両方
向の延性は向上しているが、依然として50MPa以上の0.2
%耐力差があり、周方向の伸びも20%未満で焼鈍後にし
ては小さい。この時の双晶の体積分率は1%で、本発明
(2)で規定した3%以上を満たしていない。
積分率が10%未満で、大きな材質異方性を有していた、
試験番号3を焼鈍した試験番号14は、焼鈍効果で両方
向の延性は向上しているが、依然として50MPa以上の0.2
%耐力差があり、周方向の伸びも20%未満で焼鈍後にし
ては小さい。この時の双晶の体積分率は1%で、本発明
(2)で規定した3%以上を満たしていない。
【0040】試験番号15,20は、材質異方性も小さ
く、両方向の伸びも比較的高い値であるが、圧延ままの
状態であった試験番号5に比べて、ほとんど特性が変化
しておらず、残留応力解放を目的とした焼鈍の効果が現
われていない。これは、焼鈍温度が、本発明で規定し
た、600℃に満たない(試験番号15)、あるいは焼鈍時
間が、本発明で規定した、10分に満たなかった(試験番
号20)ためである。また、試験番号21は、材質異方
性は小さいが、長さ方向、周方向ともに延性が焼鈍によ
り低くなっている。これは、焼鈍温度が本発明で規定し
たβ変態点以下を超えたためである。
く、両方向の伸びも比較的高い値であるが、圧延ままの
状態であった試験番号5に比べて、ほとんど特性が変化
しておらず、残留応力解放を目的とした焼鈍の効果が現
われていない。これは、焼鈍温度が、本発明で規定し
た、600℃に満たない(試験番号15)、あるいは焼鈍時
間が、本発明で規定した、10分に満たなかった(試験番
号20)ためである。また、試験番号21は、材質異方
性は小さいが、長さ方向、周方向ともに延性が焼鈍によ
り低くなっている。これは、焼鈍温度が本発明で規定し
たβ変態点以下を超えたためである。
【0041】試験番号22は、圧延ままの状態で、双晶
の体積分率が25%を超え、加工中に生じた割れのため、
長さ方向、周方向ともに低延性であった試験番号7を焼
鈍した場合であり、依然として両方向の延性は低いまま
である。この時の双晶の体積分率は22%で、本発明
(2)で規定した20%以下を超えている。
の体積分率が25%を超え、加工中に生じた割れのため、
長さ方向、周方向ともに低延性であった試験番号7を焼
鈍した場合であり、依然として両方向の延性は低いまま
である。この時の双晶の体積分率は22%で、本発明
(2)で規定した20%以下を超えている。
【0042】試験3 工業用純チタンASTM Grade 2(β変態点:910℃), 同じ
くASTM Grade 7 (β変態点910℃)を、真空アーク2回溶
解し、鍛造により、210mm×210mmの矩形断面のブルーム
とし、プレスロール穿孔機による穿孔、傾斜ロール圧延
機による延伸圧延、プラグミル圧延機による延伸圧延を
順次実施、さらに850℃に再加熱後、定型圧延機により
圧延を行い、外径200mm、厚さ12mmの継ぎ目無し管を造
管した。
くASTM Grade 7 (β変態点910℃)を、真空アーク2回溶
解し、鍛造により、210mm×210mmの矩形断面のブルーム
とし、プレスロール穿孔機による穿孔、傾斜ロール圧延
機による延伸圧延、プラグミル圧延機による延伸圧延を
順次実施、さらに850℃に再加熱後、定型圧延機により
圧延を行い、外径200mm、厚さ12mmの継ぎ目無し管を造
管した。
【0043】さらに、700℃、1hの焼鈍を行った後、長
さ方向、周方向に、ゲージ長さ25mm、径6.25mmの丸棒試
験片を切り出し、引張試験片を切り出し、引張試験を行
い、0.2%耐力および伸びを測定した。同時に、組織観
察により双晶の体積分率を測定した。造管条件および試
験・測定結果を表3に示す。
さ方向、周方向に、ゲージ長さ25mm、径6.25mmの丸棒試
験片を切り出し、引張試験片を切り出し、引張試験を行
い、0.2%耐力および伸びを測定した。同時に、組織観
察により双晶の体積分率を測定した。造管条件および試
験・測定結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】試験番号29,30,31,32,33は、本
発明の例であり、焼鈍状態における、双晶の体積分率が
3〜20%の範囲にあり、長さ方向の伸びが30%以上、周
方向の伸びも25%以上の高い値であり、0.2%耐力の2
方向の差も30MPa未満の小さい値であり、材質異方性の
小さい、チタン製継ぎ目無し管となっている。ここで、
試験番号33に比べて、試験番号29,30,31は、伸
びが両方向とも高くなっており、本発明5の効果が特に
現われている。また、試験番号32は、さらに両方向の
伸びが高くなっており、本発明(6)の効果が特に表れ
ている。
発明の例であり、焼鈍状態における、双晶の体積分率が
3〜20%の範囲にあり、長さ方向の伸びが30%以上、周
方向の伸びも25%以上の高い値であり、0.2%耐力の2
方向の差も30MPa未満の小さい値であり、材質異方性の
小さい、チタン製継ぎ目無し管となっている。ここで、
試験番号33に比べて、試験番号29,30,31は、伸
びが両方向とも高くなっており、本発明5の効果が特に
現われている。また、試験番号32は、さらに両方向の
伸びが高くなっており、本発明(6)の効果が特に表れ
ている。
【0046】これに対し、試験番号26,27,28はい
ずれも、最終圧延機(定型圧延機)の出側温度が200℃を
超えているため、双晶の体積分率が低く、異方性が改善
されておらず、両方向の0.2%耐力差は30MPa以上で、周
方向の伸びも、20%程度で、Grade 2や7としては低い値
になってしまった。
ずれも、最終圧延機(定型圧延機)の出側温度が200℃を
超えているため、双晶の体積分率が低く、異方性が改善
されておらず、両方向の0.2%耐力差は30MPa以上で、周
方向の伸びも、20%程度で、Grade 2や7としては低い値
になってしまった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、長
さ方向と周方向の両方向にて、高い強度・延性を有し、
かつ両方向の特性差が小さい、工業用純チタンからなる
継目無し管およびその製造方法を提供することができ
る。
さ方向と周方向の両方向にて、高い強度・延性を有し、
かつ両方向の特性差が小さい、工業用純チタンからなる
継目無し管およびその製造方法を提供することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 626 C22F 1/00 626 683 683 684 684C 691 691B 691C 694 694A 694B
Claims (6)
- 【請求項1】工業用純チタンからなり、圧延ままの状態
で、10〜25%の体積分率の双晶を含有することを特徴と
する、チタン製継目無し管。 - 【請求項2】工業用純チタンからなり、焼鈍した状態
で、3〜20%の体積分率の双晶を含有することを特徴
とする、チタン製継目無し管。 - 【請求項3】工業用純チタンからなる継目無し管を圧延
方式で製造する方法において、最終圧延工程が定型圧延
機により実施され、その際、圧延機出口温度が80℃以上
200℃未満であり、減面率が3〜15%であることを特徴と
する、チタン製継目無し管の製造方法。 - 【請求項4】圧延後、600℃以上β変態点以下の温度域
で10分以上の焼鈍を行うことを特徴とする、請求項3記
載のチタン製継目無し管の製造方法。 - 【請求項5】延伸圧延機の入り側温度が、当該工業用純
チタンのβ変態点以下であることを特徴とする、請求項
3または4記載の、チタン製継目無し管の製造方法。 - 【請求項6】ビレットまたはブルームの加熱温度が、当
該工業用純チタンのβ変態点以下であることを特徴とす
る、請求項5記載の、チタン製継目無し管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9867597A JPH10286602A (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | チタン製継目無し管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9867597A JPH10286602A (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | チタン製継目無し管およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10286602A true JPH10286602A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14226097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9867597A Withdrawn JPH10286602A (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | チタン製継目無し管およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10286602A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013079414A (ja) * | 2011-10-03 | 2013-05-02 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 造管性に優れた溶接管用α+β型チタン合金板およびその製造方法、管長手方向の強度、剛性に優れたα+β型チタン合金溶接管製品 |
CN103128102A (zh) * | 2013-03-18 | 2013-06-05 | 天津钢管集团股份有限公司 | 一种钛合金油井管的生产方法 |
CN103173652A (zh) * | 2011-12-20 | 2013-06-26 | 北京有色金属研究总院 | Ti5Mo5V6Cr3Al钛合金厚壁管及其加工方法 |
CN104498849A (zh) * | 2014-12-05 | 2015-04-08 | 宁夏东方钽业股份有限公司 | 一种Ti662钛合金管材的制备工艺 |
JP2016140895A (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-08 | 新日鐵住金株式会社 | チタン管及びチタン管の製造方法 |
CN109234555A (zh) * | 2018-10-24 | 2019-01-18 | 成都先进金属材料产业技术研究院有限公司 | 小口径ta18钛合金无缝管的制备方法 |
-
1997
- 1997-04-16 JP JP9867597A patent/JPH10286602A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013079414A (ja) * | 2011-10-03 | 2013-05-02 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 造管性に優れた溶接管用α+β型チタン合金板およびその製造方法、管長手方向の強度、剛性に優れたα+β型チタン合金溶接管製品 |
CN103173652A (zh) * | 2011-12-20 | 2013-06-26 | 北京有色金属研究总院 | Ti5Mo5V6Cr3Al钛合金厚壁管及其加工方法 |
CN103128102A (zh) * | 2013-03-18 | 2013-06-05 | 天津钢管集团股份有限公司 | 一种钛合金油井管的生产方法 |
CN104498849A (zh) * | 2014-12-05 | 2015-04-08 | 宁夏东方钽业股份有限公司 | 一种Ti662钛合金管材的制备工艺 |
JP2016140895A (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-08 | 新日鐵住金株式会社 | チタン管及びチタン管の製造方法 |
CN109234555A (zh) * | 2018-10-24 | 2019-01-18 | 成都先进金属材料产业技术研究院有限公司 | 小口径ta18钛合金无缝管的制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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