JPH08198936A - 有機質基材用樹脂組成物および硬化皮膜 - Google Patents

有機質基材用樹脂組成物および硬化皮膜

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JPH08198936A
JPH08198936A JP7010605A JP1060595A JPH08198936A JP H08198936 A JPH08198936 A JP H08198936A JP 7010605 A JP7010605 A JP 7010605A JP 1060595 A JP1060595 A JP 1060595A JP H08198936 A JPH08198936 A JP H08198936A
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JP
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resin
weight
acid
epoxy resin
resin composition
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JP7010605A
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English (en)
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Shiro Sakatani
史郎 酒谷
Norio Kobayashi
紀男 小林
Kazuyuki Onodera
和之 小野寺
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂の末端エポ
キシ基をカプリル酸等の長鎖脂肪族カルボン酸で封鎖し
た樹脂と、ポリイソシアネートと、有機溶剤とを配合し
た組成物を、有機質基材に塗布。 【効果】 溶剤との相溶性に優れ、基材との密着性並び
に耐食性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低粘度で溶剤との相溶
性を向上させ、更にプラスチック基材、木材等の有機質
基材への密着性、耐衝撃性に優れる樹脂組成物、並びに
硬化皮膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで木材、樹脂成形物、金属表面に
塗装材料をコーティングした塗膜などの有機質基材への
塗装用樹脂組成物としてエポキシ樹脂を低級脂肪酸類で
変性したポリエーテルポリオール樹脂を有機溶剤に溶解
したものに、瀝青物質、有機充填剤及び硬化剤を配合し
た樹脂組成物が、被塗物表面との密着性に優れる等の点
から広い分野において利用されている。
【0003】しかし上記組成物は、有機質基材との密着
性および耐衝撃性等のより厳しい条件下では、未だ充分
な特性は得られいない。そこで従来より、この被覆用樹
脂の粘度低減により溶剤との相溶性を向上させたポリエ
ーテルポリオールとして、例えば、ビスフェノールとポ
リアルキレンオキサイド変性ビスフェノール型エポキシ
樹脂とを反応して得られるエポキシ樹脂の末端基エポキ
シ基にアルカノールアミン等で反応させて得られるポリ
エーテルポリオールが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のポリエ
ーテルポリオールは、ある程度の粘度低減効果は見られ
るものの、やはり有機溶剤との充分な相溶性が得られな
いために塗装金属鋼板に代表される有機質基材に対する
密着性や耐衝撃性の低下を招来するものであった。
【0005】また、被覆用樹脂組成物として瀝青物質や
石油樹脂を併用する場合には、相分離を生じ、塗膜の白
化や可撓性の劣化を生ずるものであった。本発明が解決
しようとする課題は、低粘度であって溶剤との溶解性に
優れ、また、有機質基材に対して密着性や耐衝撃性に優
れ、更に、瀝青物質や石油樹脂を併用する場合にはそれ
らとの相溶性が著しく良好で塗膜外観並びに可撓性が良
好となる有機質基材塗装用樹脂組成物を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、多価フェノール型エ
ポキシ樹脂のエポキシ基を長鎖脂肪族カルボン酸で変性
した構造を有するポリエーテルポリオールと、有機溶剤
と、水酸基と反応し得る官能基を複数有する化合物とを
併用することにより、上記課題を解決できることを見い
だし本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は多価フェノール型エポキシ
樹脂のエポキシ基を長鎖脂肪族カルボン酸で変性した構
造を有するポリエーテルポリオールと、水酸基と反応し
得る官能基を1分子あたり2個以上有する化合物と、有
機溶剤とを必須成分とすることを特徴とする有機質基材
用樹脂組成物、並びに、有機質基材上に塗布、次いで乾
燥して得られることを特徴とする硬化皮膜に関する。
【0008】本発明で用いる多価フェノール型エポキシ
樹脂としては、特にその構造が限定されるものではない
が、具体的にはビスフェノール類、フェノールノボラッ
ク樹脂、クレゾールノボラック樹脂などの多価フェノー
ルとエピクロルヒドリンとの縮合物が好ましく、特に有
機質基材との密着性、および、炭化水素系溶剤との相溶
性に優れる点からビスフェノール類とエピハロヒドリン
との縮合物が好ましい。
【0009】また、上記の多価フェノールとエピハロヒ
ドリンとの重縮合物は、更に詳述すると、多価フェノー
ルとエピハロヒドリンとが反応したグリシジルエーテル
化物に更に多価フェノールを反応させることにより適切
なエポキシ当量に調節することができる。例えば、多価
フェノールとしてビスフェノール類を用いる場合には、
ビスフェノール類のジグリシジルエーテルにビスフェノ
ール類を反応させ分子量を調節することができる。
【0010】ここで、多価フェノールとして好ましく使
用できるビスフェノール類としては、例えばビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールADおよび
ビスフェノールS等が挙げられる。一方、エピハロヒド
リンとしては、エピクロルヒドリン及びエピブロモヒド
リン等が挙げられる。
【0011】この多価フェノール型エポキシ樹脂の製造
触媒、即ち、多価フェノールとエピハロヒドリンとの反
応、および、多価フェノールのグリシジルエーテルと多
価フェノールとの反応において用いられる触媒として
は、特に限定されるものではないが、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ジメチ
ルベンジルアミン等の第3級アミン、2−エチル−4−
メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリエチルベ
ンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニ
ウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、テトラブチ
ルホスフォニウムクロライド、エチルトリフェニルホス
フォニウムイオダイド等のホスホニウム塩、トリフェニ
ルホスフィン等のホスフィン類等が挙げられる。
【0012】この様にして得られる多価フェノール型エ
ポキシ樹脂のエポキシ当量等は特に制限されるものでは
ないが、エポキシ当量が200g/eq〜3000g/
eqであることが好ましい。
【0013】即ち、多価フェノール型エポキシ樹脂のエ
ポキシ当量が200g/eq以上にすることにより、当
該エポキシ樹脂と反応させる長鎖脂肪族カルボン酸の含
有率が高くなり過ぎず、相対的に多価フェノール型エポ
キシ樹脂の骨格の含有率を高められ、硬化塗膜の強度が
より良好なものとなる。
【0014】一方、エポキシ当量を3000g/eq以
下とすることにより、前述の長鎖脂肪族カルボン酸の反
応量の量が少なりすぎず、有機溶剤との溶解性がより良
好なものとなる他、瀝青物質や石油樹脂を併用する場合
におけるそれらの成分との相溶性も良好となり、可撓性
も向上する。
【0015】これらの有機質基材との密着性、使用粘
度、乾燥性および可撓性のバランスに優れる点からエポ
キシ当量が350g/eq〜650g/eqであること
が更に好ましい。
【0016】上記した多価フェノール型エポキシ樹脂の
エポキシ基と反応させる長鎖脂肪族カルボン酸として
は、特に制限するものではないが、炭素原子数8〜21
のアルキルモノカルボン酸若しくはアルケニルモノカル
ボン酸であることが好ましい。
【0017】即ち、炭素原子数を8以上とすることによ
り、有機溶剤との相溶性が良好なものとなり、一方21
以下のすることにより硬化塗膜の耐食性が良好なものと
なる。
【0018】この様な長鎖脂肪族カルボン酸としては、
具体的には特に限定されるものでないが、例えば、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、マルガリン酸、アラキジン酸、ネオデカン
酸、バーサティック酸、などの飽和カルボン酸やデセン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノオレ
イン酸、などの不飽和カルボン酸、及び、その構造異性
体のカルボン酸、または、アマニ油脂肪酸、キリ油脂肪
酸、大豆油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、
パーム油脂肪酸などが挙げられる。これらのカルボン酸
のなかで、特にバーサティック酸やネオデカン酸に代表
される3級アルキルカルボン酸が、樹脂骨格内のエステ
ル基が加水分解を受けにくく、硬化塗膜の耐食性が著し
く優れたものとなり特に好ましい。
【0019】本発明に用いられるポリエーテルポリオー
ルにおいて、多価フェノール型エポキシ樹脂とカルボン
酸との反応比率は、特に制限されるものではないが、多
価フェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基の当量数を
(x)、一方、カルボン酸の酸当量数(y)とすると、
(x)/(y)=1/(0.5〜1.2)となる範囲で
あることが好ましい。
【0020】即ち、エポキシ樹脂とカルボン酸の反応比
率が、上記の(x)/(y)=1/(0.5以上)にす
ることにより、カルボン酸導入に伴う溶剤溶解性向上、
更にその他の成分として好ましく使用できる瀝青物質ま
たは石油樹脂との相溶性向上の効果が顕著となり、一
方、エポキシ樹脂とカルボン酸の反応比率が、上記の
(x)/(y)=1/(1.2以下)にすることによ
り、ポリエーテルポリオール中の多価フェノール型エポ
キシ樹脂構造部分の含有量が適性な範囲となり、硬化塗
膜の密着性、耐食性が良好となる。また、特に硬化剤と
してイソシアネート化合物を用いる際には、更に硬化反
応が促進されるという効果をも発現する。
【0021】これらの効果が顕著である点からなかで
も、(x)/(y)=1/0.8〜1/1.0であること
が好ましい。
【0022】この多価フェノール型エポキシ樹脂とカル
ボン酸とを反応させる際に用いられる触媒としては、特
に限定されるものではないが、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ジメチルベ
ンジルアミン等の第3級アミン、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール等のイミダゾール類、トリエチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウム
クロライド等の第4級アンモニウム塩、テトラブチルホ
スフォニウムクロライド、エチルトリフェニルホスフォ
ニウムイオダイド等のホスホニウム塩、トリフェニルホ
スフィン等のホスフィン類等が挙げられる。
【0023】また、多価フェノール型エポキシ樹脂のエ
ポキシ基と反応させる化合物として、前記カルボン酸の
他に、本発明の効果を損なわない範囲で1価フェノール
を反応させてもよい。
【0024】即ち、1価フェノールを多価フェノール型
エポキシ樹脂の製造時に一部用いて反応させることによ
り、容易に多価フェノール型エポキシ樹脂の分子量を調
節することができる。1価フェノールと反応させる方法
としては、特に制限されないが、多価フェノールとエピ
ハロヒドリンとを反応する際、或いは、反応後グリシジ
ルエーテルに更に多価フェノールを反応させる際に、1
価フェノールを反応させて分子量を調整し、次いで、カ
ルボン酸と反応させることが好ましい。
【0025】1価フェノールの使用割合は、特に限定さ
れるものではないが、カルボン酸と反応させる直前の状
態において、前エポキシ基の2〜15%が1価フェノー
ルで封鎖された構造となるように用いることが好まし
い。
【0026】ここで用いる1価フェノールとしては、特
に限定されないが、例えば、フェノールまたは置換フェ
ノール、例えば、エチルフェノール、イソプロピルフェ
ノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシ
ルフェノール等が挙げられる。とくに、炭素数3個以上
10個以下のアルキル基で置換されたフェノール化合
物、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、ノニ
ルフェノール等が好ましい。
【0027】本発明で用いるポリエーテルポリオール
は、詳述した方法によって得られる分子構造を有するも
のであり、その具体的骨格が特定されるものではない
が、多価フェノール構造を繰り返し単位とする多価フェ
ノール型エポキシ樹脂の末端エポキシ基と長鎖脂肪族カ
ルボン酸との反応によって、エステル結合並びに水酸基
を生成した構造を有するものが挙げられる。
【0028】例えば、多価フェノールとして前記したビ
スフェノール類を用いる場合には、ビスフェノール類と
エポキシ基との反応によって、ビスフェノキシ構造を繰
り返し単位として、2−ヒドロキシ−1,3−アルキレ
ン結合によって結接されたポリエーテル構造を有してお
り、その分子末端はエポキシ基と長鎖脂肪族カルボン酸
との反応によって生成するエステル結合を介して長鎖脂
肪炭化水素基を有しており、更に当該反応におけるエポ
キシ基の開環に伴って生成する水酸基を有する構造のも
のが挙げられる。
【0029】この様なポリエーテルポリオールは、特に
その分子量等は制限されるものはないが、重量平均分子
量が800〜2,000であることが、硬化塗膜の密着
性、耐衝撃性、耐食性、可撓性に優れる点から好まし
い。
【0030】本発明で用いる有機溶剤は特に限定される
ものではなく、あらゆる有機溶剤にたして優れた相溶性
を発現する。即ち、従来のポリエーテルポリオール樹脂
の場合は、既述の通り有機溶剤との相溶性が劣るため、
その使用に中っては樹脂との親和性に比較的良好なもの
を選択して使用しなければないが、選択された有機溶剤
は一般に有機質基材に対しても親和性が良好である為、
有機質基材表面がこの有機溶剤によって浸食され、塗膜
外観劣化、透明性劣化等の問題を有してした。これに対
して本発明で用いるポリエーテルポリオールは、如何な
る有機溶剤に対しても優れた相溶性を有するので有機質
基材に対して非親和性の有機溶剤を選択的に使用するこ
とができる。
【0031】使用し得る有機溶剤としては、例えばトル
エン、キシレン、芳香族石油ナフサ(例えば、エクソン
化学(株)製「ソルベッソ100」、エクソン化学
(株)製「ソルベッソ150」、丸善石油化学(株)
「スワゾール#100」、三菱石油(株)「スーパーゾ
ール1500」)などの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘ
キサン、シクロヘキサン、ミネラルスピリットなどの脂
肪族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブア
セテート、メトキシプロピルアセテート等のエステル類
などが挙げられるが、なかでも前記した有機質基材との
非親和性の点、乾燥性が良好であって耐食性を著しく向
上できる点から脂肪族炭化水素系溶剤が好ましい。
【0032】脂肪族炭化水素系溶剤のなかでも特に、乾
燥性、溶解性、安全性に優れる点から、トルエン、キシ
レン、芳香族石油ナフサ類が好ましい。
【0033】また、上記の炭化水素系溶剤を使用する場
合には、上記したケトン類及びエステル類などを、組成
物の粘度、濃度、塗膜の乾燥速度等の調整するため、炭
化水素系溶剤と併用することが好ましい。
【0034】上記有機溶剤の使用割合は、目的とする樹
脂粘度に合わせて適宜設定でき、特に限定されるもので
ないが、通常、組成物の不揮発分が30〜90重量%、
なかでも特に使用粘度と乾燥性とのバランスの点から不
揮発分40〜80重量%となる様な割合で使用すること
が好ましい。また、炭化水素系溶剤の他の溶剤を併用す
る場合には、重量比で、炭化水素系溶剤/その他の溶剤
=(100/50)〜(100/200)で用いること
が好ましい。
【0035】本発明で用いる水酸基と反応性を有する官
能基を1分子あたり2個以上有する化合物(以下、単に
「硬化剤」と略記する)とは、ポリエーテルポール中の
水酸基と反応して硬化塗膜を形成するものであり、特に
限定されるものではないが、例えばメラミン樹脂、グア
ナミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂;トリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリ
フェニレンポリイソシアネート等のポリイソシアネート
化合物に多官能のアルコール類等をイソシアネート過剰
の条件で反応させて得られるイソシアネート化合物;該
イソシアネート化合物にモノアルコールを反応させたブ
ロックイソシアネート化合物;レゾール型フェノール樹
脂等が挙げられる。
【0036】これらの中でも特に常温での硬化が可能で
あり、被覆用組成物としての適用範囲が広がる点からイ
ソシアネート化合物若しくはブロックイソシアネート化
合物が好ましい。このイソシアネート化合物若しくはブ
ロックイソシアネート化合物としては特に限定されるも
のではないが、イソシアネート当量で100〜500g
/eqであることが相溶性に優れ、かつ、樹脂組成物調
整時の作業性に優れる点から好ましい。
【0037】また、硬化剤1分子あたりの、水酸基と反
応しうる官能基の数は、特に制限されるものではない
が、通常、2〜6個であり、特にポリエーテルポリオー
ルの架橋が適度に進行し、密着性、耐衝撃性、耐食性等
の物性のバランスが良好となる点から2〜4個であるこ
とが好ましい。
【0038】また、硬化剤の使用割合は、特に制限され
ないが、ポリエーテルポリオールと硬化剤中の水酸基と
反応し得る官能基との比率で[ポリエーテルポリオール
の水酸基当量]/[水酸基と反応し得る官能基の当量]
=0.4〜1.2であることが好ましい。即ち、上記の
配合比が0.4以上であれば、硬化塗膜の架橋密度が高
まり、耐溶剤性、耐食性が著しく向上し、一方、1.2
以下であれば有機質基材との密着性がより向上する。な
かでも0.5〜1.0であることが好ましい。
【0039】上述したポリエーテルポリオール、硬化
剤、及び、炭化水素系溶剤とを必須成分とする組成物
は、更に、瀝青物質、または、石油樹脂を併用すること
により、最終的に得られる硬化塗膜に優れた可撓性、並
びに撥水性を付与することができる。特に本発明におい
ては、ポリエーテルポリオール溶液と瀝青物質若しくは
石油樹脂とが極めて優れた相溶性を有するので、上述し
た可撓性や、撥水性は極めて優れたものとなる。
【0040】瀝青物質としては、コールタール類、コー
ルタールピッチ等が挙げられ、また、石油樹脂として
は、たとえばトルエン樹脂、キシレン樹脂、脂環族系炭
化水素樹脂、スチレンオリゴマー、芳香族系炭化水素樹
脂、芳香族変性脂肪族系石油樹脂、水添石油樹脂等が挙
げられる。特に、石油樹脂を用いる場合、相溶性、可撓
性、撥水性の向上効果は著しく顕著なものとなる他、安
全性の面からも好ましい。
【0041】また、本発明の有機質基材被覆用樹脂組成
物には、更に充填剤を併用してもよい。充填剤としては
特に限定されないが、顔料として、亜鉛、チタン、鉛、
鉄、銅、クロム、アルミニウム、珪素バリウムなどの酸
化物、水酸化物、硫酸塩、クロム酸塩、リン酸塩やカー
ボン黒などが挙げられる。たとえば、酸化亜鉛、チタン
ホワイト、沈降性硫酸ナトリウム、タルクなどである。
また、必要に応じて、有機顔料を配合しても良い。
【0042】これらの、瀝青物質若しくは石油樹脂、及
び、充填剤の配合割合は特に限定されるものではない
が、ポリエーテルポリオール/ 瀝青物質若しくは石油
樹脂/充填剤の重量基準でこれら3成分の合計を100
とした場合に(100〜20)/(100〜20)/
(100〜20)であることが、それぞれの配合物の添
加による効果が顕著となる点から好ましい。
【0043】本発明の塗膜の形成方法は、用いる硬化剤
の種類によって異なり、例えば、アミノ樹脂、ブロック
イソシアネート化合物、レゾール型フェノール樹脂等の
加熱硬化型硬化剤を用いる場合には、予め、ポリエーテ
ルポリオールの有機溶剤希釈液に均一混合溶解してお
き、有機質基材に塗布後、100〜250℃に加熱する
ことにより硬化塗膜を形成できる。
【0044】また、硬化剤としてイソシアネート化合物
を用いる場合には、イソシアネート化合物を、ポリエー
テルポリオールの炭化水素系溶剤溶液に塗工直前に配合
し、有機質基材上に塗布、乾燥して本発明の硬化塗膜を
形成できる。この場合は、常温で硬化するため、特にそ
の温度条件は限定されないが、好ましくは−20〜30
℃の温度条件で乾燥させることが好ましい。
【0045】また、本発明の有機質基材被覆用樹脂組成
物には、硬化性調整用にイソシアネートと水酸基の反応
を促進させる物質を添加しても良い。たとえば、ジブチ
ル錫ジラウレートなどの錫化合物、アルカノールアミン
等のアミン類、4級アンモニウム塩などのオニウム塩な
どが適している。
【0046】本発明の硬化塗膜において、被覆物である
有機質基材としては、特に限定されるものではないが、
金属鋼板、石材、スレート・コンクリートまたはモルタ
ル、陶器、磁器、ガラス等に有機質塗料を塗装した基
材、木材、または、熱硬化性樹脂もしくは熱可塑性樹脂
などの有機物の成形体に対して極めて有用であるが、と
りわけ本発明の被覆用組成物は金属鋼板に塗料等を塗装
した基材の被覆材として好適なものである。
【0047】また、塗膜形成方法としては、特に限定さ
れないが、例えば、有機質基材表面に刷毛塗り、スプレ
ー、浸漬、ロールコート、ブレードコート、フローコー
トまたは静電塗装その他の方法で被覆ないしは浸漬して
塗膜を形成できる。
【0048】また、硬化塗膜の膜厚としては、特に制限
されないが10〜1000μm、なかでも密着性、耐食
性および可撓性に優れる点から50〜800μmである
ことが好ましい。
【0049】
【実施例】以下、実施例により詳細に本発明を説明す
る。各種試験は以下の方法に従って評価した。
【0050】(粘度)下記の各実施例並びに比較例で製
造したポリエーテルポリオール溶液に、シンナーとして
MIBK/トルエン=1/1(重量比)の混合溶液を用
いて、不揮発分50%に調合して、25℃の回転粘度を
測定した。
【0051】(相溶性)下記の各実施例並びに比較例で
製造したポリエーテルポリオール溶液と石油樹脂とし
て、「クイントン1500」(日本ゼオン製シクロペン
タジエン系樹脂)と硬化剤として「バーノックD−75
0」(イソシアネート含有率13%、大日本インキ化学工業製
TDI系ポリイソシアネート)を用いて下記の配合で調
合した後、ガラス板に塗布し、25℃で48時間後硬化
塗膜の濁りの度合いを目視で評価した。
【0052】 [配合比] ポリエーテルポリオール L重量部 固形分換算重量比で クイントン1500 M重量部 L/M=1/1 ハ゛ーノック D-750 N重量部 混合溶剤(トルエン/MIBK=1/1重量比)を用いて不揮発
分を70%に調製した。なお、「バーノック D−75
0」は下記の式を満足するように配合する。
【0053】0.8 M/[ホ゜リオールの水酸基当量]=N
/[D-750のイソシアネート当量] [目視評価基準]上記の条件で調整した配合物をガラス
板に乾燥膜厚100μmになるように塗り5℃で7日間
静置した。その後塗布したガラス板を4号の活字を印刷
した紙の上に置き、ガラス板の下の文字が判別できるか
否かで透明性を、また塗膜を指で押したときの粘着性を
(タック)の有無を調べ以下の基準で評価した。
【0054】 ○ : 透明で判読可能、タックなし。 △ : 文字は見えるが判読不能、タックがあり指紋が
付く。 × : 文字が全く見えない、タックがあり指紋が付
く。
【0055】(耐衝撃性−1)第2表と第5表の配合、
及び、温度条件で乾燥膜厚を300μmとなるように塗
装した試験片をJIS K 5400 6.13.3 記載の方
法(B法)で評価した。
【0056】加重500gで50cmの高さ重りを落下さ
せたときの塗膜の状態を調べ、以下の基準で評価した。 塗膜の割れ 無し=○ 有り=× 塗膜の剥離 無し=○ 有り=×
【0057】(耐衝撃性−2)第2表と第5表の配合、
及び、温度条件で乾燥膜厚を300μmとなるように塗
装した試験片をJIS G 3492-1977 6.3.3 (4)記
載の(a法)方法で評価した。
【0058】(密着性)第2表と第5表の配合、及び、
温度条件で乾燥膜厚を300μmとなるように塗装した
試験片を40℃で5%塩水に2週間浸積し、浸積前と浸
積後の剥離強度をエルコメータ製アドヒージョンテスタ
にて測定した。
【0059】(耐水性)第2表の配合、及び、温度条件
で乾燥膜厚を300μmとなるように塗装した試験片を
JIS K 5400 8.19 記載の方法で評価し
た。
【0060】浸漬条件は、40℃で30日間行った。 判定条件 ○ ;塗膜上に しわ、ふくれ 無
し しわ ;塗膜上に しわ、ふくれ あり はがれ ;塗膜が剥離していた
【0061】実施例1 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)375重量部供給し、キシ
レン110重量部に混合攪拌しながら、カプリル酸27
0重量部を加え、触媒としてトリブチルアミン1重量部
を加え150℃で8時間反応させた。この際、樹脂のエ
ポキシ当量は15,000g/eqであった。その後、
キシレンを加え不揮発分70%になるように樹脂組成物
を調製した。
【0062】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、第2
表および第5表の配合に従って被覆用組成物を調整後、
ブナ合板(日本農林規格の普通合板2類1等3枚合せ)
に300μmで塗布し、25℃で7日間乾燥して硬化皮
膜を得、屈曲性、耐衝撃性−1、耐水性、密着性の評価
を行った。粘度測定および相溶性の結果を第1表に、耐
衝撃性、耐水性、密着性の結果を第3表および第6表に
示す。
【0063】実施例2 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 860」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量250g/eq)500重量部供給し、キシ
レン110重量部に混合攪拌しながら、バーサティック
酸330重量部を加え、触媒として塩化テトラブチルア
ンモニウム1重量部を加え150℃で8時間反応させ
た。この際、樹脂のエポキシ当量は50,000g/e
qであった。その後、キシレンを加え不揮発分70%に
なるように樹脂組成物を調製した。
【0064】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性、耐水性、密
着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結果を第
1表に、耐衝撃性−1、耐水性、密着性の結果を第3表
および第6表に示す。
【0065】実施例3 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA40重量部を加えに混合攪拌しながら、触
媒として臭化テトラブチルホスホニウム1重量部を加え
140℃で、2時間反応させ、エポキシ当量が352の
とき、バーサティック酸150重量部と、ハ゜ラターシャリーフ゛チ
ルフェノールを43重量部加え、触媒として塩化テトラブチル
アンモニウム1重量部を加え150℃で8時間反応させ
た。この際、樹脂のエポキシ当量は40,000g/e
qであった。その後、キシレンを加え不揮発分70%に
なるように樹脂組成物を調製した。
【0066】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性、耐水性、密
着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結果を第
1表に、耐衝撃性−1、耐水性、密着性の結果を第3表
および第6表に示す。
【0067】実施例4 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA56重量部を加えに混合攪拌しながら、触
媒として臭化テトラブチルアンモニウム1重量部を加え
140℃で、3時間反応させ、エポキシ当量が462の
とき、バーサティック酸86重量部を加え、触媒として
塩化テトラブチルアンモニウム1重量部を加え150℃
で8時間反応させた。この際、樹脂のエポキシ当量は8
0,000g/eqであった。その後、キシレンを加え
不揮発分70%になるように樹脂組成物を調製した。
【0068】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性−1、耐水
性、密着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結
果を第1表に、耐衝撃性、耐水性、密着性の結果を第3
表および第6表に示す。
【0069】実施例5 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA56重量部を加えに混合攪拌しながら、触
媒として臭化テトラブチルアンモニウム1重量部を加え
140℃で、3時間反応させ、エポキシ当量が462の
とき、大豆油脂肪酸150重量部を加え、触媒として塩
化テトラブチルアンモニウム1重量部を加え150℃で
8時間反応させた。この際、樹脂のエポキシ当量は7
0,000であった。その後、キシレンを加え不揮発分
70%になるように樹脂組成物を調製した。
【0070】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、屈曲性、耐衝撃性−
1、耐塩水性、密着性の評価を行った。粘度測定および
相溶性の結果を第1表に、耐衝撃性、耐水性、密着性の
結果を第3表および第6表に示す。
【0071】実施例6 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA52重量部とp-tBuフェノール5重量部を
加えに混合攪拌しながら、触媒として臭化テトラブチル
アンモニウム1重量部を加え140℃で、3時間反応さ
せ、エポキシ当量が481g/eqのとき、酸当量29
5g/eqの大豆油脂肪酸150重量部を加え、触媒と
して臭化テトラブチルアンモニウム1重量部を加え15
0℃で8時間反応させた。この際、樹脂のエポキシ当量
は90,000であった。その後、キシレンを加え不揮
発分70%になるように樹脂組成物を調製した。
【0072】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性、耐水性、密
着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結果を第
1表に、耐衝撃性−1、耐水性、密着性の結果を第3表
および第6表に示す。
【0073】実施例7 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA69重量部を加えに混合攪拌しながら、触
媒として臭化テトラブチルホスホニウム1重量部を加え
140℃で、3時間反応させ、エポキシ当量が652の
とき、ネオデカン酸62重量部を加え、触媒として塩化
テトラブチルアンモニウム1重量部を加え150℃で8
時間反応させた。この際、樹脂のエポキシ当量は10,
000g/eqであった。その後、キシレンを加え不揮
発分70%になるように樹脂組成物を調製した。
【0074】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、第2
表および第4表の配合に従って被覆用組成物を調整後、
JIS K2236-1985 7.2.1(1)に記載のア
ミノアルキト゛樹脂エナメル塗装板に300μmで塗布し、2
5℃で7日間乾燥して硬化皮膜を得、屈曲性、耐衝撃性
−2、耐塩水性、密着性の評価を行った。粘度測定およ
び相溶性の結果を第1表に、耐衝撃性−2、耐水性、密
着性の結果を第4表および第7表に示す。
【0075】実施例8 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA76重量部、ハ゜ラターシャリーフ゛チルフェノール7重量部
を加えに混合攪拌しながら、触媒として臭化テトラブチ
ルホスホニウム1重量部を加え140℃で、3時間反応
させ、エポキシ当量が796のとき、大豆油脂肪酸97
重量部を加え、触媒として塩化テトラブチルアンモニウ
ム1重量部を加え150℃で8時間反応させた。この
際、樹脂のエポキシ当量は120,000g/eqであ
った。その後、メチルエチルケトン77重量部とトルエ
ン78重量部を加え不揮発分70%になるように樹脂組
成物を調製した。
【0076】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、屈曲性、耐衝撃性−
2、耐塩水性、密着性の評価を行った。粘度測定および
相溶性の結果を第1表に、耐衝撃性−2、耐水性、密着
性の結果を第4表および第7表に示す。
【0077】実施例9 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA82重量部を加えに混合攪拌しながら、触
媒として臭化テトラブチルホスホニウム1重量部を加え
150℃で、3時間反応させ、エポキシ当量が462の
とき、キシレン100重量部、ヒマシ油脂肪酸86重量
部を加え、触媒として塩化テトラブチルアンモニウム1
重量部を加え150℃で8時間反応させた。この際、樹
脂のエポキシ当量は70,000g/eqであった。そ
の後、メチルエチルケトン68重量部とトルエン69重
量部を加え不揮発分60%になるように樹脂組成物を調
製した。
【0078】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性、耐水性、密
着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結果を第
1表に、耐衝撃性−2、耐水性、密着性の結果を第4表
および第7表に示す。
【0079】実施例10 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 830」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量168g/eq)168重量部供給し、ビス
フェノールA45重量部を加えに混合攪拌しながら、触
媒として臭化テトラブチルアンモニウム1重量部を加え
140℃で、3時間反応させ、エポキシ当量が362の
とき、大豆油脂肪酸150重量部を加え、触媒として塩
化テトラブチルアンモニウム1重量部を加え150℃で
8時間反応させた。この際、樹脂のエポキシ当量は10
0,000g/eqであった。キシレンを加え不揮発分
70%になるように樹脂組成物を調製した。
【0080】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、屈曲性、耐衝撃性、耐
塩水性、密着性の評価を行った。粘度測定および相溶性
の結果を第1表に、耐衝撃性−2、耐水性、密着性の結
果を第4表および第7表に示す。
【0081】実施例11 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA97重量部を加えに混合攪拌しながら、触
媒として臭化テトラブチルホスホニウム1重量部を加え
200℃で、3時間反応させ、エポキシ当量が1910
のとき、キシレン100重量部、ヒマシ油脂肪酸46重
量部を加え、触媒として塩化テトラブチルホスホニウム
1重量部を加え180℃で8時間反応させた。この際、
樹脂のエポキシ当量は70,000g/eqであった。
その後、冷却しながら、キシレン197重量部、メチル
エチルケトン68重量部とトルエン69重量部を加え不
揮発分50%になるように樹脂組成物を調製した。
【0082】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性、耐水性、密
着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結果を第
1表に、耐衝撃性−2、耐水性、密着性の結果を第4表
および第7表に示す。
【0083】実施例12 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA102重量部を加えに混合攪拌しながら、
触媒として臭化テトラブチルホスホニウム1重量部を加
え200℃で、3時間反応させ、エポキシ当量が295
0のとき、キシレン100重量部、ヒマシ油脂肪酸30
重量部を加え、触媒として塩化テトラブチルホスホニウ
ム1重量部を加え170℃で8時間反応させた。この
際、樹脂のエポキシ当量は70,000g/eqであっ
た。その後、冷却しながら、キシレン183重量部、メ
チルエチルケトン68重量部とトルエン69重量部を加
え不揮発分50%になるように樹脂組成物を調製した。
【0084】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性、耐水性、密
着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結果を第
1表に、耐衝撃性−2、耐塩水性、密着性の結果を第4
表および第7表に示す。
【0085】比較例1 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 1050」(大日本インキ化学工業(株)製、
エポキシ当量475g/eq)475重量部供給し、キ
シレン110重量部に混合攪拌しながら後、ジイソプロ
パノールアミン130重量部を加え、150℃で8時間
反応させた。この際、樹脂のエポキシ当量は80,00
0g/eqであった。この樹脂溶液にメチルイソブチル
ケトンを加え不揮発分60%の樹脂組成物を調整した。
【0086】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性−1、耐水
性、密着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結
果を第1表に、耐衝撃性−1、耐水性、密着性の結果を
第3表および第5表に示す。
【0087】比較例2 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部供給し、ビス
フェノールA69重量部を加えに混合攪拌しながら、触
媒として臭化テトラブチルアンモニウム1重量部を加え
140℃で、3時間反応させ、エポキシ当量が652の
とき、ジエタノールアミン42重量部を加え、150℃
で8時間反応させた。この際、樹脂のエポキシ当量は1
00,000g/eqであった。その後、キシレンを加
え不揮発分70%になるように樹脂組成物を調製した。
【0088】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例7と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性−2、耐水
性、密着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結
果を第1表に、耐衝撃性−2、耐水性、密着性の結果を
第4表および第7表に示す。
【0089】比較例3 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量188g/eq)188重量部とビスフェノ
ールAに4モルのプロピレンオキサイドが付加したアル
コールのグリジルエーテル(エポキシ当量330)を3
30重量部、ビスフェノールA151重量部供給し、混
合攪拌しながら、触媒として臭化テトラブチルアンモニ
ウム1重量部を加え140℃で、3時間反応させ、エポ
キシ当量が1012g/eqのとき、ジエタノールアミ
ン69重量部を加え、150℃で8時間反応させた。こ
の際、樹脂のエポキシ当量は100,000であった。
その後、キシレンを加え不揮発分70%になるように樹
脂組成物を調製した。
【0090】次いで、粘度の測定および相溶性の評価を
行なった。その一方、得られた樹脂組成物を用い、実施
例7と同様にして硬化皮膜を得、耐衝撃性−2、耐水
性、密着性の評価を行った。粘度測定および相溶性の結
果を第1表に、耐衝撃性−2、耐水性、密着性の結果を
第4表および第7表に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】(第2表中、a〜fは、a:実施例、及
び、比較例で製造したポリエーテルポリオール、b:石
油樹脂 クイントン1500溶液 クイントン1500/MIBK/
トルエン=70/15/15(重量比)、c:チタン
白、d:タルク、e:シンナー MIBK/トルエン=
1/1(重量比)、f:硬化剤「バーノック D−75
0」(但し、「バーノック D−750」は下記の式を
満足するように配合する0.8 a/[ホ゜リオールの水酸基
当量]=f/[D-750のイソシアネート当量])、をそ
れぞれ示し、また、表中の数値は、重量基準である。)
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】 (第5表中、a〜fは、a:実施例、及び、比較例で製
造したポリエーテルポリオール、b:瀝青物質「ターク
ロン800S」(吉出製油所製コールタール)のトルエ
ン溶液(不揮発分65重量%)、c:チタン白、d:タ
ルク、e:シンナー MIBK/トルエン=1/1(重
量比)、f:硬化剤「バーノック D−750」(但
し、「バーノック D−750」は下記の式を満足する
ように配合する0.8 a/[ホ゜リオールの水酸基当量]=
f/[D-750のイソシアネート当量])、をそれぞれ示
し、また、表中の数値は、重量基準である。)
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、低粘度であって溶剤と
の溶解性に優れ、更に瀝青物質や石油樹脂との相溶性に
優れる有機質基材塗装用樹脂組成物、並びに、有機質基
材に対して密着性や耐食性に優れ、更に、瀝青物質や石
油樹脂を併用する場合にはそれらとの相溶性が向上する
ために塗膜外観並びに可撓性が著しく良好なとなる有機
質基材硬化皮膜を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PJM 171/10 PLQ 175/08 PHS

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価フェノール型エポキシ樹脂のエポキ
    シ基を長鎖脂肪族カルボン酸で変性した構造を有するポ
    リエーテルポリオールと、水酸基と反応し得る官能基を
    1分子あたり2個以上有する化合物と、有機溶剤とを必
    須成分とすることを特徴とする有機質基材用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 長鎖脂肪族カルボン酸が、炭素原子数8
    〜21のアルキルモノカルボン酸若しくはアルケニルモ
    ノカルボン酸である請求項1記載の有機質基材用樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 長鎖脂肪族カルボン酸が、3級アルキル
    カルボン酸である請求項2記載の被覆用組成物。
  4. 【請求項4】 ポリエーテルポリオールが、多価フェノ
    ール型エポキシ樹脂のエポキシ基と、長鎖脂肪族カルボ
    ン酸とを、[エポキシ基]/[酸]=1/0.5〜1/
    1.2(当量比)で反応させたものである請求項1、2
    又は3記載の有機質基材用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 多価フェノール型エポキシ樹脂が、ビス
    フェノールA型エポキシ樹脂である請求項1、2、3ま
    たは4記載の有機質基材用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリエーテルポリオールおよび炭化水素
    系溶剤に加え、更に、瀝青物質若しくは石油樹脂と、充
    填剤とを含有する請求項1〜5の何れか1つに記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 水酸基を反応し得る官能基を1分子あた
    り2個以上有する化合物が、イソシアネート化合物であ
    る請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1つに記載された
    組成物を有機質基材上に塗布、次いで乾燥して得られる
    ことを特徴とする硬化皮膜。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012165055A1 (ja) * 2011-05-27 2012-12-06 Dic株式会社 エポキシ樹脂組成物、繊維集束剤、繊維材料及び成形材料
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