JPH0819783A - 廃液処理方法および廃液処理装置 - Google Patents

廃液処理方法および廃液処理装置

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JPH0819783A
JPH0819783A JP6156266A JP15626694A JPH0819783A JP H0819783 A JPH0819783 A JP H0819783A JP 6156266 A JP6156266 A JP 6156266A JP 15626694 A JP15626694 A JP 15626694A JP H0819783 A JPH0819783 A JP H0819783A
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liquid
waste
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Fumio Osada
文夫 長田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 廃液と処理液とを多孔質部材を介して接触さ
せることを特徴とする廃液処理方法であり、廃液を有す
る処理液槽と、処理液槽中の廃液に浸漬される処理剤槽
と、処理剤槽に設けられ、かつ処理液を廃液中に滲出さ
せる多孔質部材とを備えてなることを特徴とする廃液処
理装置である。 【効果】 動力源を必要とすることなく簡単に、かつ緩
慢に廃液処理をすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は廃液処理方法および廃
液処理装置に関し、更に詳しくは、廃液と処理液とを非
動力の下に接触させ、廃液を緩慢に処理することがで
き、急激な廃液処理により生じる急速な発熱を除去する
ための冷却装置あるいは急激な廃液処理をするために必
要な撹拌動力等を必要としない廃液処理方法およびその
方法を実施する廃液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】現状で
は、自然環境保護の観点あるいは公害防止の観点から、
工場より排出される廃液はそのまま河川に放流すること
が許されない。少なくともその廃液が酸性であったり、
あるいはアルカリ性であるときには、その廃液を中和処
理してから、放流することが必要である。工場等におけ
る各種分析操作あるいは測定操作によって発生する廃液
も上記廃液と同様に、中和処理をしてから放流しなけれ
ばならない。
【0003】廃液処理は上記のような中和処理に限らな
い。廃液の中には溶解状あるいはコロイド状の物質を含
有していて、そのままではその物質は沈殿しないような
廃液もある。このような廃液は、凝集剤を添加すること
により沈殿可能な物質に変化させ、その御沈殿槽などで
沈殿処理をしてからその廃液を放流している。
【0004】従来の廃液処理においては、廃液を収容し
た廃液槽中に中和剤、凝集剤あるいはその他の廃液処理
剤を所定量づつ供給し、廃液槽中の廃液を撹拌すること
により、廃液処理が行われていた。
【0005】このような廃液処理においては、廃液処理
剤を廃液槽中に定量づつ供給するための定量ポンプおよ
びこれを駆動するための動力源が必要であり、また廃液
槽中の廃液を撹拌するための撹拌装置およびその撹拌装
置を駆動するための駆動装置が必要である。かくして、
従来の廃液処理方法には動力源が必要であることにより
多大の電力が消費され、廃液処理に多大のコストがかか
るという問題点、および従来の廃液処理装置には駆動装
置、廃液処理剤供給装置、撹拌装置等の各種装置を設け
なければならないので必然的に装置あるいは処理システ
ムの巨大化という問題点があった。
【0006】この発明は前記事情に基づいて完成され
た。この発明の目的は、廃液処理剤を供給する強制送液
装置、これを駆動するための駆動源、撹拌装置等の動力
装置を必要とせず、したがって廃液処理方法の簡素化を
図り、また前記動力装置を必要としないので簡単な装置
構成の廃液処理装置を提供することにある。
【0007】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ためのこの発明の廃液処理方法および廃液処理装置は、
多孔質部材を通して処理液を廃液中に滲み出させて、廃
液を処理液で処理することを原理として成り立つ。
【0008】この発明の原理によると、処理液を廃液中
に直接に投入するものではなく、多孔質部材を介して処
理液と廃液とを接触させることになる。多孔質部材を通
して廃液側に滲み出てくる処理液の量は、廃液に接触す
る多孔質部材の表面積および/または処理液が通過する
多孔質部材中の通過距離に応じて決定される。これは、
廃液に接触する多孔質部材の表面積および/または多孔
質部材中の処理液通過距離を調整することにより、廃液
に接触する処理液の量を、廃液の量およびその組成等に
応じて決定され得ることを意味する。
【0009】このような原理に基づいてこの発明の態様
が以下のように提案される。
【0010】この発明の第1の態様は、廃液と処理液と
を多孔質部材を介して接触させることを特徴とする廃液
処理方法であり、この発明の第2の態様は、廃液と処理
液とを多孔質部材を介して接触させるに当たり、多孔質
部材の廃液と接触する表面積および/または処理液の多
孔質部材を通過する厚みを調節することにより、廃液処
理速度を調節することを特徴とする廃液処理方法であ
り、この発明の第3の態様は、前記第1または第2の態
様において、前記処理液が中和処理液である廃液処理方
法であり、この発明の第4の態様は、廃液を有する処理
液槽と、処理液槽中の廃液に浸漬される処理剤槽と、処
理剤槽に設けられ、かつ処理液を廃液中に滲出させる多
孔質部材とを備えてなることを特徴とする廃液処理装置
であり、この発明の第5の態様は、前記第4の態様にお
いて、前記処理液が中和処理液である廃液処理装置であ
る。
【0011】
【作用】この発明においては、処理液が廃液中に直接に
投入されないという意味で処理液と廃液とが直接には接
触していない。この発明では、処理液と廃液とが多孔質
部材で隔てられている。そして処理液が多孔質部材中を
通過し、多孔質部材から廃液側に処理液が滲み出ること
により処理液と廃液とが接触する。したがって、直接に
大量の処理液が廃液と接触しないので、緩慢な廃液処理
が行われることになる。したがって、急激な廃液処理が
行われることにより生じる発熱を除去するための冷却装
置が先ず不要になる。
【0012】多孔質部材中を処理液が通過する距離およ
び多孔質部材が廃液に接触する面積のいずれか一方また
は両方を調節することにより多孔質部材から滲み出る処
理液の量が調節される。したがって、廃液が例えば廃酸
あるいは廃アルカリであるような場合にその廃液中の酸
の強さもしくは酸の濃度、または廃液中のアルカリの強
さもしくはアルカリの濃度に応じて多孔質部材を選択す
ることにより、廃液処理速度を調整することができるよ
うになる。換言すると、従来のように処理剤をポンプに
よって廃液中に供給する場合には、ポンプの駆動量を制
御することによりその供給量を調整していることによ
り、従来の廃液処理方法および廃液処理装置には動力源
が必ず必要としていたが、この発明においては、そのよ
うな動力源が不要となり、多孔質部材の選択によるだけ
で処理液の廃液中への供給量を調整することができる。
つまり動力源なしで処理液の廃液中への供給量を調整す
ることができるのである。
【0013】多孔質部材を介して処理液を廃液に接触さ
せるには様々の態様を採用することができる。要は、多
孔質部材の廃液に接触する表面積および/または多孔質
部材中を処理液が通過する多孔質部材の厚みを調整する
ことができるように、多孔質部材で処理液と廃液とを隔
絶することができる構造を有するように多孔質部材の態
様を適宜に工夫するのが良い。
【0014】ここで、多孔質部材としては、耐薬品性の
ある部材であり、しかも固形分を通過させずに液成分を
通過可能とする多孔質である限りにおいてその材質には
特に制限がない。もっとも耐薬品性を要求するといって
も、処理されようとする廃液および処理剤に対して侵さ
れないという意味で耐薬品性を有していれば良い。全て
の薬品に対して耐薬品性を必要とするのであるというよ
うに誤解してはならない。このような多孔質部材を形成
するための材料として、例えばセラミック(例えば酸化
アルミ、ゼオライト等)、炭素質材料(例えば、アモル
ファスカーボン、炭素繊維、炭素繊維ウイスカ等)、木
質材料(例えば木粉、木片等)、合成樹脂、繊維製品
(織物、編み物、不織物)などを挙げることができる。
これら材料を廃液および処理液の種類に応じて適切に選
択し、選択された材料の応じて多孔質部材に加工するの
が良い。例えば、中和処理に適切なセラミックとして酸
化アルミを選択した場合には、酸化アルミの粉末を焼結
することにより多孔質部材が形成される。
【0015】なお、多孔質部材における細孔の平均細孔
径、細孔分布量等は、処理液の種類に応じて処理液の通
過速度等を考慮して適宜に決定することができる。
【0016】この発明に係る廃液処理方法および廃液処
理装置における廃液としては、半導体プロセスで排出さ
れる廃液例えばフッ酸含有廃液、メッキ工場等から排出
される廃液例えばシアンを分解した後の廃液、その他の
工場から排出される廃酸および廃アルカリ、医療現場例
えば病院から排出される各種の廃液、写真現像工程で排
出される廃液、ならびに大学、研究所、各種の工場、試
験場その他の箇所で分析操作されることにより発生する
分析後廃液等を挙げることができる。上記の廃液の分類
は、廃液発生箇所に主に着目したものである。別の観点
から分類すると、多くの廃液は廃酸と廃アルカリとに二
分することができる。この発明の廃液処理方法および廃
液処理装置は、廃酸または廃アルカリの中和処理に好適
である。
【0017】もっとも、この発明の廃液処理方法および
廃液処理装置は、廃酸および廃アルカリの中和処理に限
定的に考えられてはならない。廃液中のコロイド状成分
を凝集させる廃液処理にも、この発明の廃液処理方法お
よび廃液処理装置が適用され得る。要するに、この発明
の廃液処理方法および廃液処理装置は、多孔質部材中を
通過し得る処理剤により廃液を処理することのできるよ
うな廃液処理に全て適用されることができる。
【0018】廃液を処理するための処理剤としては、そ
の廃液処理の内容に応じて適宜に選択される。廃液処理
が中和処理である場合に、廃液が廃酸であるときには、
その処理剤は、アルカリ剤であり、例えば苛性ソーダ、
苛性カリ、炭酸ソーダ、アンモニア等を例示することが
できる。廃液が廃アルカリであるときには、その処理剤
は酸であり、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸および酢酸
などの有機酸等を例示することができる。これらの酸お
よびアルカリ剤は廃液の種類および酸成分およびアルカ
リ成分の濃度等に応じて適宜に決定される。
【0019】この発明においては、処理剤を選択するこ
とにより、廃液の中和処理、酸化処理、還元処理、沈殿
処理、殺菌処理等の処理が行われる。
【0020】
【実施例】この発明の一実施例である廃液処理方法をこ
の発明の一実施例である廃液処理装置を、図面を参照し
ながら、以下に説明する。
【0021】図1に示される廃液処理装置1は、廃液槽
2と、処理液貯留槽3と、処理液供給槽4とを有する。
【0022】一般に、廃液槽は廃液を貯留することので
きる機能を有する限りその形状および構造等については
特に制限がない。この実施例では、廃液槽2は、廃液を
供給する廃液供給口5を廃液槽2の側面下部に有し、廃
液処理後の液を排出する液排出口6を廃液槽2の側面上
部に有するタンクである。この実施例における廃液槽2
は、前記廃液供給口5から所定流量で廃液が廃液槽2内
に供給され、所定流量で廃液処理済みの液が前記液排出
口6から排出されるようになっている。したがって、こ
の実施例における廃液処理装置1は、流通式であると言
い得る。
【0023】この廃液槽2の上部に設けられた蓋には、
前記処理液供給槽4を取り付けるための取り付け装置
(図示せず。)によって、処理液供給槽4が取り付けら
れている。
【0024】一般的なことを言うと、この処理液供給槽
4は、処理液を収容することができ、かつこの処理液と
廃液とを多孔質部材で隔絶することのできる構造を有す
るのであれば、その形式、形状および構造等に特に制限
があるわけではない。この実施例においては、図3に示
すように、略円筒状の槽本体4aと、この槽本体4aの
上部周側面と螺合により液密に装着されてこの槽本体4
aの上部開口部を閉鎖する蓋部材4bと、この槽本体4
aの底部に設けられたセラミック製の多孔質部材4cと
を有する。
【0025】図3に示すように、この蓋部材4bには更
に適宜の箇所に処理液供給槽4内に開口する開口部が設
けられていて、その開口部にはパイプ7が装着される。
このパイプ7は可撓性があり、その他端は前記処理液貯
留槽3に結合される。
【0026】蓋部材4bが液密に槽本体4aの上部開口
部に装着されることにより、前記パイプ7を介して処理
液貯留槽3内の処理液が、処理液供給槽4内に処理液を
充満させることができる。ここで、前記パイプ7が可撓
性を有することに意味がある。すなわち、前記パイプ7
が可撓性を有しているとこの処理液供給槽4と処理液貯
留槽3とをこのパイプ7で結合した状態のままで、処理
液貯留槽3の位置を適宜に上下させることができる。処
理液供給槽4内の処理液の圧力は、処理液貯留槽3の高
さに応じて決定されるから、処理液貯留槽3の高さ位置
を適宜に調節することにより処理液供給槽4内の処理液
の圧力を適宜に調整することができる。処理液供給槽4
内の圧力の調整をすることにより、多孔質部材4cを介
して廃液が処理液供給槽4内に逆浸透するのを防止する
ことができ、また、処理液を廃液槽2内に滲み出させる
量の調節を図ることができる。
【0027】もっとも、処理液供給槽4内の処理液の内
圧の調整は、可撓性のあるパイプ7に結合された処理液
貯留槽3の上下位置の調整によってのみ達成されるもの
ではなく、他の適宜の手段により達成し得ることは言う
までもない。
【0028】多孔質部材4cは、処理液供給槽4の底面
に取り付けられる。図2および図3に示すように、この
実施例においては、多孔質部材4cは、略円柱形状をな
し、処理液供給槽4の底面に装着部材4dを介して4本
取り付けられている。前記装着部材4dは弾性部材で形
成され、処理液供給槽4の底面に開設された装着孔4e
に取り付けられた環状部材であり。この装着部材4dに
おける環状孔に前記多孔質部材4cが貫通され、装着部
材4dの有する弾性により前記多孔質部材4cが保持さ
れる。多孔質部材4cが装着部材4dの弾性により保持
されているので、図5に示すように、多孔質部材4cを
押しあげたり、引き下げたりすることにより、処理液供
給槽4の底部から露出する多孔質部材4cの露出部分の
長さを適宜に調整することができる。
【0029】この実施例においては、処理液供給槽4の
底面に装着された多孔質部材4cの数は5個ではあるけ
れども、装着される多孔質部材4cの数に制限はなく、
また、装着される複数の多孔質部材4cの形状はいずれ
も同じでなければならないことはない。
【0030】図4に示す太径の多孔質部材4cと細径の
多孔質部材4cとをそれぞれ適宜の数をもって処理液供
給槽4の底面に装着するのも良い。
【0031】要するに、処理液で廃液を処理する規模に
応じて、あるいは処理液の種類、廃液の種類等に応じ
て、多孔質部材4cの形状、大きさ、処理液供給槽4の
底面に装着される本数を適宜に決定するのが良い。
【0032】この処理液供給槽4を廃液槽2の蓋に取り
付ける取り付け装置は、処理液供給槽4における前記多
孔質部材4cを廃液中に十分に浸漬することのできる深
さにこの処理液供給槽4を止めることができるように、
仕組まれている限りその構造に特に制限はない。
【0033】処理液貯留槽3は、前記処理液供給槽4に
供給する処理液を貯留する容器あるいはタンクである。
【0034】前述したように、この実施例では、この処
理液貯留槽3は、その上下位置を可変することができる
ように仕組まれている。上下位置を可変するための装置
構成は、当業者により容易に推考することができるか
ら、その詳細な説明を省略する。
【0035】上記構成の廃液処理装置1の作用について
以下に説明する。
【0036】廃液槽2中には、廃液供給口5から廃液が
供給される。廃液の供給量は適宜に設定されている。こ
の場合、廃液は廃酸および廃アルカリのいずれであって
も良い。供給された廃液は廃液槽2における液排出口6
から排出される。
【0037】処理液供給槽4の約下半分が廃液槽2中の
廃液に浸漬している。処理液供給槽4の底面からは多孔
質部材4cが突出し、露出しているので、露出した多孔
質部材4cが廃液に浸漬する。
【0038】処理液貯留槽3に貯留されている処理液
は、パイプ7を通じて処理液供給槽4内に充満する。処
理液供給槽4内の処理液が、多孔質部材4cを通じて廃
液に浸漬している多孔質部材4cの表面から廃液内に滲
み出る。
【0039】滲み出た処理液が廃液と緩慢に反応して廃
液処理が行われる。前述したように、廃液が廃酸である
ときには処理液はアルカリ液であり、廃液が廃アルカリ
であるときには処理液は酸性液である。
【0040】廃液が例えば廃酸である場合を例にする
と、廃液発生箇所から発生する廃酸中の酸濃度は通常ほ
ぼ一定であるから、多孔質材料の廃液に浸漬している表
面積を一定にしておくだけで、多孔質材料の表面から廃
液中に滲み出る処理液の量を一定量にすることができ
る。また、廃液槽2中に流入する廃酸中の酸濃度が変化
して、変化した一定の酸濃度の廃酸が廃液槽2中に流入
するようになったときには、処理液供給槽4を廃液槽2
から引き上げ、図5に示すように、引き上げられた処理
液供給槽4の底面から露出する多孔質部材4cを更に長
く引っ張り出したりあるいは押し込んで短くしたりし
て、多孔質部材4cの処理液供給槽4の底面からの露出
表面積を大小適宜に調節するのが良い。そして、露出表
面積の調節された多孔質部材4cを有する処理液供給槽
4を再び廃液槽2に取り付け、多孔質部材4cを廃液に
浸漬すると、新たな酸濃度の廃液の廃液処理、つまり中
和処理を適切に行うことができるようになる。
【0041】多孔質部材4cの表面から滲み出る処理液
の量は、廃液槽2中の廃液の圧力と処理液供給槽4内の
処理液の圧力との相対的な大小により左右されることが
あるから、図6に示すように、処理液貯留槽3の高さH
を調整するのも良い。
【0042】このように、この発明の一実施例に係る廃
液処理装置1によると、多孔質部材4cの処理液への浸
漬表面積を調節することにより、廃液の酸濃度あるいは
アルカリ濃度の変化に容易に対応することができる。
【0043】また、廃液中に浸漬されている多孔質部材
4cが目詰まりを起こした場合には、目詰まりした多孔
質部材4cを新たな多孔質部材4cに簡単に交換するこ
とにより対応することができるので、保守が極めて簡単
である。
【0044】図7に示すのはこの発明の他の実施例であ
る廃液処理装置における処理液供給槽を示す断面説明図
である。
【0045】この実施例における処理液供給槽10は、
前記図3に示す処理液供給槽4に対して槽本体の構造お
よび多孔質部材の構造が異なる外は、前記図3に示す処
理液供給槽4と実質的に同じ構造を有してなる。
【0046】この実施例における処理液供給槽10は、
その槽本体10aが上方を開口する略円筒状の有底筒状
体であり、その槽本体10aの底部には円状の開口部1
0bが開設され、その開口部10bの縁部分から槽本体
10aの底の内周部までが多孔質部材載置部10cを形
成している。
【0047】多孔質部材11は、前記槽本体10aの内
周よりわずかに小さな外周を有する略円盤状の形態を有
する。略円盤状をなすこの多孔質部材11の厚みは、処
理液および廃液の種類等に応じて適宜の厚みに設定され
ている。一般的なことを言うと、処理液の廃液中に滲み
出る量を多くするときにはこの円盤状の多孔質部材11
の厚みを小さくし、また逆に処理液の廃液中に滲み出る
量を少なくするときにはこの円盤状の多孔質部材11の
厚みを大きくするのが良い。したがって、図8に示すよ
うに、厚みの小さな円盤状の多孔質部材11a、それよ
り更に厚みの大きな円盤状の多孔質部材11b、更にそ
れより厚みの大きな円盤状の多孔質部材11c、および
もっとも大きな厚みを有する円盤状の多孔質部材11d
などのように各種の厚みを有する多孔質部材11を備え
ておくと、処理液および廃液の種類に応じて適切な厚み
の多孔質部材11を適宜に選択し、槽本体10a内に装
着する多孔質部材11を取り替えることにより処理液お
よび廃液の種類等に応じて適切な廃液処理が行われるよ
うになる。
【0048】図7に示す槽本体10aにおける円状の開
口部10bが形成されているが、この開口部10bは多
孔質部材11により廃液から隔絶された処理液が廃液側
に滲み出ていくために必要であるが、その形状は図8に
示すような円状である必要はない。
【0049】例えば、槽本体10aの底部を完全な開口
部10bにしておき、したがって槽本体10aは上端お
よび下端を開口する筒体とし、槽本体10aの底部に金
網を調節しておくのも良い。また槽本体10aを、上端
を開口する有底円筒状とし、その底面に、多数の(少な
くとも2個の開口部を設けるようにしても良い。
【0050】この実施例においては、多孔質部材11の
廃液に接触する面積が予め決定されているので、多孔質
部材11中を処理液が通過する距離すなわち多孔質部材
11の厚みにより、廃液中に滲み出る処理液の量が決定
される。
【0051】図9は、この発明の他の実施例である廃液
処理装置を示す概略断面図である。
【0052】図9に示される廃液処理装置20は、廃液
処理槽21を備える。この廃液処理槽21は、その内部
が所定厚みの板状の多孔質部材22で二分されて、一方
が廃液室23になり、他方が処理液室24となってい
る。
【0053】廃液室23にはその下部に廃液供給口23
aが設けられ、この廃液供給口23aから廃液室23内
部に廃液が供給されるようになっており、廃液室23の
上部には液排出口23bが設けられていてこの液排出口
23bから廃液処理済みの液が廃液室23外に排出され
るようになっている。
【0054】処理液室24には更に処理液室24内を複
数の空間に分け隔てるように板状のを多孔室部材が介装
されている。この実施例においては、廃液室23と処理
液室24とを隔絶する多孔質部材22に近い方から第1
の多孔質部材22a、第2の多孔質部材22bおよび第
3の多孔質部材22cと3枚の多孔質部材が介装されて
いる。処理液室24は、廃液室23と処理液室24とを
隔絶する多孔質部材22と第1の多孔質部材22aとで
第1空間25、第1の多孔質部材22aと第2の多孔質
部材22bとで第2空間26、第2の多孔質部材22b
と第3の多孔質部材22cとで第3空間27および第3
の多孔質部材22cにより第4の空間28が形成され
る。そしてこれら第1〜第3の多孔質部材22a,22
b,22cは、処理液室24から引き抜くことができる
ように形成されている。もっとも、この第1〜第3の多
孔質部材22a,22b,22cは、処理液室24から
完全に引き抜くことができるようにされているには及ば
ず、隔絶された隣接空間を一体の空間にすることができ
る程度に引き抜かれるようになっていれば良い。
【0055】この都合4枚の多孔質部材の厚みはそれぞ
れ同一であっても相違していても良い。
【0056】またこの処理液室24には処理液室24内
に処理液を供給するための処理液供給口24aが設けら
れている。この処理液供給口24aはパイプ等を介して
処理液貯留槽に結合されている。
【0057】この図9に示される廃液処理装置の作用に
ついて説明する。
【0058】廃液室23には、廃液供給口23aから所
定の流量で廃液が供給される。処理液室24内は、処理
液貯留槽から処理液が供給されることにより、処理液が
充満している。この廃液処理が中和処理であるときを例
にすると、廃酸処理液室24内には第1〜第3の多孔室
部材22a,22b,22cが介装されているので、処
理液中の酸成分あるいはアルカリ成分の濃度が、図9に
示すように、第4空間28から第1空間25に向かうに
つれて低減している。
【0059】第1空間25内の処理液が、多孔質部材2
2を通過して廃液室23内に滲み出すことにより廃液室
23内の廃液が処理液で廃液処理例えば中和処理され
る。もし廃液室23内の廃液における例えば酸成分ある
いはアルカリ成分が増加することに対応して処理液中の
アルカリ成分あるいは酸成分の量を多くしたいときに
は、例えば第3の多孔質部材22cを引き抜いて第3空
間と第4空間とを一体にする。そうすると、第3空間2
7内の処理液中のアルカリ成分あるいは酸成分の濃度が
元の第4空間28内の処理液中のアルカリ成分あるいは
酸成分の濃度と同一になって増加する。第3空間27内
の処理液中のアルカリ成分あるいは酸成分の濃度の上昇
により第2空間26および第1空間25中の処理液にお
けるアルカリ成分あるいは酸成分の濃度が上昇する。し
たがって、第1空間25中の処理液のアルカリ成分ある
いは酸成分の濃度の上昇により廃液室23に移動する処
理液中のアルカリ成分あるいは酸成分の濃度も上昇し
て、廃液室23中での中和処理が適切に行われることに
なる。
【0060】以上、この発明の実施例について説明した
が、この発明は前記実施例に限定されるものではなく、
この発明の要旨の範囲内で適宜に変形ないし設計変更を
行うことができるのは言うまでもない。
【0061】
【効果】この発明によると、撹拌装置、処理液供給装置
などの駆動源を必要とすることなく、緩慢に廃液処理を
行うことができ、廃液中に処理液を直接に投入すること
による急激な反応の惹起による発熱を除去するための冷
却装置を必要とすることもなく廃液処理を行うことので
きる、簡便な廃液処理方法を提供することができる。
【0062】この発明によると、廃液と処理液との撹拌
を行うための撹拌装置、廃液中に強制的に処理液を送り
込むための処理液供給装置等を必要としないので、要す
るに動力を必要とすることなく廃液処理を行うことので
きる、装置構成の簡単な廃液処理装置を提供することが
できる。
【0063】この発明の廃液処理方法および廃液処理装
置は、廃酸あるいは廃アルカリの中和処理に好適であ
り、また、廃液中の要処理成分の濃度が変化した場合に
おいてもその変化に対応して処理液の供給量ないし処理
液中の成分を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施例である廃液処理装置
を示す概略断面図である。
【図2】図2は図1に示す廃液処理装置における処理液
供給槽の底部を示す説明図である。
【図3】図3は図1に示す廃液処理装置における処理液
供給槽を示す縦断面説明図である。
【図4】図4は図1に示される廃液処理装置における処
理液供給槽とは異なる他の処理液供給槽の底部を示す説
明図である。
【図5】図5は図1に示される廃液処理装置における処
理液供給槽の作用を示すための説明図である。
【図6】図6は図1に示される廃液処理装置における処
理液供給槽内の処理液の圧力が処理液貯留槽の高さによ
り規定されることを説明するための説明図である。
【図7】図7はこの発明の他の実施例である廃液処理装
置における処理液供給槽を示す縦断面説明図である。
【図8】図8は図7に示される処理液供給槽内に装填さ
れるところの、各種の厚みを有する円盤状の多孔質部材
を示す説明図である。
【図9】図9はこの発明の他の実施例である廃液処理装
置における廃液処理槽を示す縦断面説明図である。
【符号の簡単な説明】
1・・・廃液処理装置、2・・・廃液槽、3・・・処理
液貯留槽、4・・・処理液供給槽、4a・・・槽本体、
4b・・・蓋部材、4c・・・多孔質部材、4d・・・
装着部材、4e・・・装着孔、5・・・廃液供給口、6
・・・液排出口、7・・・パイプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/66 530 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃液と処理液とを多孔質部材を介して接
    触させることを特徴とする廃液処理方法。
  2. 【請求項2】 廃液と処理液とを多孔質部材を介して接
    触させるに当たり、多孔質部材の廃液と接触する表面積
    および/または処理液の多孔質部材を通過する厚みを調
    節することにより、廃液処理速度を調節することを特徴
    とする廃液処理方法。
  3. 【請求項3】 前記処理液が中和処理液である前記請求
    項1または2に記載の廃液処理方法。
  4. 【請求項4】 廃液を有する処理液槽と、処理液槽中の
    廃液に浸漬される処理剤槽と、処理剤槽に設けられ、か
    つ処理液を廃液中に滲出させる多孔質部材とを備えてな
    ることを特徴とする廃液処理装置。
  5. 【請求項5】 前記処理液が中和処理液である前記請求
    項4に記載の廃液処理装置。
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Citations (4)

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JPS48100757A (ja) * 1972-04-04 1973-12-19
JPS5924124U (ja) * 1982-07-31 1984-02-15 株式会社クボタ 廃水処理用反応槽
JPH02207829A (ja) * 1989-02-08 1990-08-17 Reika Kogyo Kk 混合装置
JPH0564732A (ja) * 1991-09-06 1993-03-19 Penguin Wax Kk 希釈装置

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