JPH0819758B2 - 免震床 - Google Patents

免震床

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JPH0819758B2
JPH0819758B2 JP2130943A JP13094390A JPH0819758B2 JP H0819758 B2 JPH0819758 B2 JP H0819758B2 JP 2130943 A JP2130943 A JP 2130943A JP 13094390 A JP13094390 A JP 13094390A JP H0819758 B2 JPH0819758 B2 JP H0819758B2
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辰夫 庄司
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、建築物の床スラブ上に配設され、地震等に
よる水平方向の振動を減衰させるための床の免震床装置
及び免震床に関するものである。
(従来の技術) 従来の床の免震床装置や免震床として、例えば、上端
にパネル架台が設けられると共に下端に板体が設けられ
た柱脚が、その板体と床面に敷設された台座との間に、
球体が配されると共にダンパーと引張りコイルバネによ
って変位可能に立設され、また、これらの柱脚同士を根
絡材で結合することによって支柱が形成され、この支柱
上に床パネルを載置して構成されたものが知られている
(実開平1−92439参照)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来のものにあっては、各柱脚につい
てそれぞれダンパー及び引張りコイルバネ等を設ける必
要があって構成物品が多くなるので経済性及び施工性が
低いという問題があった。また、走行部分に一体に固定
された各柱脚を連結して一体的に移動させるために、各
柱脚間を根絡材で連結しているが、この根絡材のため床
下空間における配線の敷設に不都合に生じる問題があっ
た。さらに、球体の走行部分すなわち台座は上側に走行
面を有するため、その走行面にゴミや異物が溜まりやす
く柱脚の障害となり、この障害を取り除くためには、常
に全ての台座の走行面を清掃しておかなければならない
というメインテナンス上の問題があった。
本発明の目的は、建築物に伝播された横揺れ振動を効
果的に免震することが可能であると共に、現場での施工
性に優れ、また、施工後の保守が容易であり、更に、二
重床構造にも適用することができる、免震床を提供する
ことにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明の免震床は、床スラ
ブ上に所定間隔において固定された複数の支持体と、前
記支持体上にそれぞれ載置され、かつ、前記床スラブに
対して実質的に水平方向に相対変位可能な、複数のスラ
イド部材と、隣り合う前記スライド部材を連結する複数
のジョイントビームと、前記複数のスライド部材と前記
複数のジョイントビームとによって構成されたスライド
構造体と、前記床スラブと前記スライド構造体との間に
介装され、かつ、前記スライド構造体を所定位置に保持
しようとする力を前記スライド構造体に常時付与する、
バネ部材と、前記スライド構造体上に支持され、かつ、
固定された、床構造体とを有する、免震床であって、前
記支持体は、前記床スラブに固定されるディンプルバー
スと、前記ディンプルバースによって全方向に揺動可能
に支持され、かつ、上面に平坦な摺動面を有する、シュ
ーホルダとを有し、前記スライド部材の下面には、前記
シューホルダの前記摺動面に接触し、かつ、前記摺動面
を覆った状態で前記シューホルダに対して摺動可能な、
平坦な摺動領域を形成し、前記ジョイントビームは、隣
り合う前記スライド部材間にそれぞれ架設され、前記ジ
ョイントビームの両端部は、対応する前記スライド部材
にそれぞれ締結されて固定されていることを特徴とす
る。
(作用) 斯かる構成を有する免震床では、床スラブにディンプ
ルベースを固定し、このディンプルベースによってシュ
ーホルダを全方向に揺動可能に支持するように構成した
から、たとえ床スラブに不陸が存在していたためディン
プルベースが傾斜して設置さることになっても、シュー
ホルダの上面の平坦な摺動面を、スライド部材の下面の
平坦な摺動領域に、容易に密着させることができる。ま
た、ディンプルベース、シューホルダ、スライド部材、
ジョイントビーム等は、施工現場における簡単な作業に
よって適正に組み立てることが可能である。よって、施
工性が極めて良好である。
また、スライド部材は、ジョイントビームによって、
隣り合うスライド部材にそれぞれ連結され、これによっ
てスライド構造体が構成されるが、このスライド構造体
は、スライド部材の平坦な摺動領域に当接することによ
って同一平面内に位置することになった、複数のシュー
ホルダの複数の平坦な摺動面によって支持されているか
ら、地震等の横揺れ振動が作用しても、スライド構造体
は同一平面内で横方向に変位するのみである。すなわ
ち、横揺れ振動が作用しても、シューホルダはディンプ
ルベースの支持面に対して横方向へは変位しないから、
シューホルダがディンプルベースの支持面に沿って上下
動することはない。したがって、横揺れ振動時にスライ
ド構造体が上下動し、これによって床構造体が上下動す
ることはない。
また、スライド部材の摺動領域はシューホルダの摺動
面を覆った状態で設置されるから、本発明の免震床の設
置後にシューホルダの摺動面が塵埃等で汚染されること
はない。よって、保守が容易である。
更に、本発明の免震床のスライド構造体上に二重床の
支柱を立設すれば、二重床のフロアパネルとスライド構
造体との間に十分な床下空間を確保することができる。
そして、二重床のフロアパネルの下方の床下空間に大量
の配線を行っても、この配線はスライド部材とジョイン
トビームとによって支持されるから、スライド構造体の
摺動運動には何らかの支障にもならない。なお、配線類
をケーブルストッカによって保持するように構成すれ
ば、配線類がスライド構造体の摺動作用を阻害すること
を、より確実に防止することができる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
免震床1は、建築物の床スラブ2の所定位置に配設さ
れる支持体3と、スライド部材4間がジョイントビーム
5によって結合され、、各スライド部材4が支持体3上
に載置されて構成されるスライド構造体6と、このスラ
イド構造体6と床スラブ2との間に配設される引張りバ
ネ7と、スライド構造体6に立設される支柱8と、支柱
8に支持されてスライド構造体6上に敷設されるフロア
パネル9とから構成されている。
支持体3は、床スラブ2に固定されるディンプルベー
ス10と、ディンプルベース10に揺動自在に支持されるシ
ューホルダ11と、シューホルダ11に保持される、例え
ば、フッ素化樹脂等より形成される摩擦材12とで構成さ
れている。ディンプルベース10は、金属材料をプレス成
型することにより、全体が平面視円形状であって、床ス
ラブ2にビスあるいは接着剤等を用いて接着される足部
13と、シューホルダ11の下側部15を支持する球面状の支
持面16とが形成されている。シューホルダ11は、例え
ば、自己潤滑性を有する樹脂材料で形成されており、デ
ィンプルベース10の支持面16の曲率と同一に曲率の球形
部分を有する下側部15と、平面状の上面14とを有する。
そして、摩擦材12は、円柱形状であって、シューホルダ
11の上面14に設けられた孔部17に、その上部が突出する
状態で嵌合されている。
スライド部材4は、略方形状のプレス成形がなされた
表面板18と裏面板19とを重ね合わせると共に、スポット
溶接により結合して一体化されてスライドパネル20が形
成され、裏面板19の下面には、ステンレス製のスライド
板21が貼り付け固定されている。詳細には、表面板18
は、その中心部分に、中央に支柱8の下端部が係合され
る孔部22が設けられた截頭円錐状の支柱支持部23が形成
され、この支柱支持部23から各角部に向かう方向に、ジ
ョイントビーム5が係合される断面山形状のビーム支持
部24が形成され、さらに、円形の補強リブ25が突出形成
されている。
ジョイントビーム5は、折り曲げ成型によって、コ字
状のチャンネル部26と、このチャンネル部26の下端に沿
って側部外方に延在する折曲部27とで構成されている。
チャンネル部26には、ボルト42が挿通されるためのスラ
イドパネル20のビーム支持部24の挿通孔32と整合された
挿通孔28、そのボルト42のヘッド43が当接する支持面2
9、及びこの支持面29の裏側で、ビーム支持部24に設け
られたビーム当接部30に対応する受け面部31が設けられ
ている(第2図、第3図及び7図参照)。また、先端に
は、後述する二重床基盤33を固定するための押圧部34が
形成されている。一方、折曲部27は、水平部35と、上端
が曲面をもって折り返された垂直部44とからなる。この
水平部35には、その端部に二つの前部半抜き部36、37が
設けられ、ジョイントビーム5の中央方向すなわちスラ
イドパネル20の外縁部分に対応する箇所に二つの後部半
抜き部38、39が設けられている。これらの半抜き部は、
水平部35の外方に位置する36及び38が、内方に位置する
37及び39よりも大きい突出量を有している(第4図参
照)。なお、40は、スライドパネル20の端部に設けられ
たバーリング47と嵌合される位置決め孔、41は、スライ
ドパネル20の補強リブ25を逃げるための逃げ溝である。
ここで、支持体3によるスライド部材4の支承状態、
及び、スライド4とジョイントビーム5との結合構造に
ついて説明する。
先ず、支持体3については、床スラブ2に不陸があっ
て、ディンプルベース10が床スラブ2と共に傾斜状に取
り付けられる場合でも(第5図参照)、樹脂製のシュー
ホルダ11は、その下側部15が、同一の球形面を有するデ
ィンプルベース10の支持面16に密接状かつ摺動自在に支
持され、各方向に揺動自在であるため、その上面14、す
なわち摩擦材12の摺動面45を常に水平状に維持すること
が可能である。従って、スライド部材4は、スライド板
21が摩擦材12の摺動面45と密着状に支承されることによ
って、床スラブ2の傾斜にかかわらず、常に水平な設置
が可能にされる。
次に、スライド部材4とジョイントビーム5とは、ボ
ルト42をジョイントビーム5の挿通孔28とビーム支持部
24の挿通孔32とに挿通すると共に、ビーム支持部24の裏
側に固定されたナット部材46に螺合緊締することにより
固定される。これらの結合状態を詳細に説明すると、ボ
ルト42及びナット部材46との螺合緊締によりジョイント
ビーム5の受け面部31とビーム支持部24のビーム当接部
30とが、密着状に当接して結合されている。
この時、ジョイントビーム5の折曲部27に形成された
半抜き部36、37、38、39は、以下に述べる作用を有す
る。スライド部材4とジョイントビーム5とが同一面上
にある場合、すなわち共に水平である場合には、前部半
抜き部36と後部半抜き部38とがスライドパネル20に接触
し、ボルト42の締結時において、これらの半抜き部36、
38によって、対応する折曲部27がそれぞれ同一の所定の
弾性変形をなされるようになっている。
ところで、床スラブ2の不陸等により隣り合うスライ
ド部材4の間に高低差が存在する場合には、ジョイント
ビーム5は、ボルト42の締結部分を支点としてスライド
パネル20に対して傾斜する。ジョイントビーム5がスラ
イド部材4から上昇する状態で取り付けられている時
は、ジョイントビーム5の前部がスライドパネル20によ
り接近されることにより、前部半抜き部36付近の折曲部
27がさらに変形され、一方、ジョイントビーム5のボル
ト42より中央寄りはスライドパネル20から離れていくた
めに、後部半抜き部38付近の折曲部27は変形量が減少さ
れるものの、後部半抜き部38とスライドパネル20との接
触は維持される。このように、折曲部27が有する弾性変
形によるバネ効果によって、ジョイントビーム5の半抜
き部36、38とスライドパネル20とは、ジョイントビーム
5の傾斜にかかわらす常に接触が保たれる。これに対し
て、ジョイントビーム5が下降して取り付けられている
時は、後部半抜き部38付近の折曲部27の変形量が増大さ
れ、前部半抜き部36付近の折曲部27の変形量は減少され
ており、その効果は上記説明と同様である。
なお、内方に形成されたそれぞれの半抜き部37、39
は、地震等によって外方の半抜き部36、38による折曲部
27の変形が一定量を超えた場合に、スライドパネル20と
接触して、その地震等により作用される荷重を、ジョイ
ントビーム5のチャンネル部26の縦リブ部分で支持させ
るためのものである。
このように、支持体3に高さ調整機構を設けず、スラ
イド部材4間の高低差をジョイントビーム5の傾斜状の
取り付けによって吸収する構造となっている。この時、
スライド部材4とジョイントビーム5とは、1本のボル
ト42による結合と、前部及び後部反抜き部36、38、ある
いは、内方の37、39を含めた全てが、折曲部27のバネ効
果によってスライドパネル20に確実に密接されるため、
ガタつきが防止されて結合されている。さらに、この結
合構造は、地震等によってスライドパネル20が水平移動
される際に、微振動や音が発生することを抑止すること
ができる。
そして、免震床1の施工におけるスライド構造体6の
組み立て、すなわち、スライド部材4とジョイントビー
ム5とを順次結合する作業は、スライド部材4に設けら
れたバーリング47とジョイントビーム5に設けられた孔
部40とを嵌合させることによって、隣接するスライド部
材4との間の寸法が精度良く維持されると共に、ジョイ
ントビーム5による正確な正方形が形成されることにな
り、施工性が極めて良好である。さらにこのように形成
されることで、ジョイントビーム5による正方形は、地
震等による荷重に対して変形することが防止され、剛性
の高いスライド構造体6が提供されている。
次に、支柱8は、ボルト部材48とこれに螺合される調
整ナット49とからなる下部受け部材50と、調整ナット49
上に揺動可能に立設され上部にパネル受け台51が一体的
に設けられた支持脚52と、パネル押さえ受け53と係合し
てフロアパネル9を締め付け固定するパネル押さえ54と
から構成されている。この調整ナット49は、回動操作に
よりボルト部材48に対して高さ方向が変位されるもの
で、支持脚52の下端部を支持するフランジ部55と、上方
が縮径されたテーパーコーン状の円柱部56とで形成され
ており、支持脚52は、この調整ナット49と遊嵌状態に係
合されるため、下部受け部材50に対してその下端部を支
点として揺動可能に立設される。また、支持脚52は、そ
の下部に取り付けられたナット部材57に螺合されるボル
ト58によって抜け止めがなされている。なお、前述した
ように、隣り合うスライド部材20間に存在する高低差
は、ジョイントビーム5によって吸収されるので、その
場合には、支持脚52を揺動可能に立設させることは要求
されない。ところが隣り合うスライド部材20間の高低差
が、ジョイントビーム5による吸収範囲を超過した場
合、スライド部材4は傾斜状に配設されることになる。
この時、支持脚52は、その下端部がスライド部材4と共
に傾斜した下部受け部材50に遊嵌状に係合される構造に
より、スライド部材4の傾斜如何に関わらず垂直状に立
設させることが可能である。換言すれば、本実施例の免
震床は、上記床の免震装置の有する作用に加え、そのフ
ロアパネルを支持するための支柱がその下端部を支点に
して揺動可能に立設される構造から、スライド部材の傾
斜にかかわらずに支持脚52を垂直状に立設させることが
できるので、フロアパネルを正確に敷設させることがで
きると共に、施工生を向上させることができる。なお、
図中、59は、パネル押さえ54の上をカバーするためのキ
ャップを示す。
さて、この支柱8の下部受け部材50は、二重床基盤33
によってスライド部材4に固定されている。二重床基盤
33は、略十字形の板状で形成され、中央に支柱8のボル
ト部材48のヘッド部を押さえるボルト押さえ部60が設け
られ、その周辺位置には、スライドパネル20の支柱支持
部23の上面と接触する複数の下方に突出する半抜き部61
が設けられている。二重床基盤33による下部受け部材50
の固定は、ボルト等の締結手段を用いず、ジョイントビ
ーム5の押圧部34によって各先端部62をビーム支持部24
との間に挟み込み、かつ、二重床基盤33に形成されたバ
ーリング63とスライドパネル20に形成された孔部64との
嵌合とで行われる。なお、半抜き部61を支点とした先端
部62の弾性変形により、ジョイントビーム5が傾斜した
際の押圧部34の変位が吸収されると共に、そのバネ作用
により、ジョイントビーム5と二重床基盤33とが密接状
に接触し、ガタつきの発生が防止されている。
上記説明したようにフロアパネル9が配設されたスラ
イド構造体6が支持体3に摺動自在に支承されて構成さ
れていて、そのスライド構造体6の壁面側に位置するそ
れぞれのスライド部材4と床スラブ2との間に、引張り
バネ7が、対向する壁面部に設けられた同じ引張りバネ
と互いに釣り合いがとられた状態で設置されて、免震床
1が形成されている(第1図参照)。引張りバネ7は、
スライドパネル20の支柱支持体24にボルト止めされたL
字金具65と、床スラブ2にボルト66によって固定された
L字状の据付金具67とに、両端をそれぞれナットで固定
されている。
この免震床1による地震等により発生した水平方向の
振動の減衰について説明すると、スライド構造体6と床
スラブ2との間に相対変位が生じた場合、スライド部材
4のスライド板21と支持体3の摩擦材12との摩擦係合に
より移動エネルギーを熱交換させる、いわゆるクーロン
摩擦効果と、初期の静止位置で保持させようとする引張
りバネ7のバネ力によって、所定の減衰力で振動を抑
止、収束させている。
また、フロアパネル9上に設置される電算機等のケー
ブル(図示せず)類のうち、特に大量に巻かれたものが
床スラブ2に接触している場合に、このケーブルがスラ
イド構造体6と床スラブ2との間で大きな抵抗となり、
スライド構造体6の適当な動きが阻害されて、免震床の
機能が果たされなくなることを防止するため、そのよう
な箇所にケーブルストッカ68が配設され、その上にケー
ブル類が載置されている。ケーブルストッカ68は、スラ
イド構造体6のジョイントビーム5によって形成された
正方形に適合されて形成され、その周縁部69をジョイン
トビーム5の折曲部27の垂直部44の上端に上方から置か
れているだけであり、その動きは、ケーブル類の重量に
より規制されることになる。なお、ケーブルストッカ68
が使用されず、ジョイントビーム5をケーブル類が直接
越える箇所については、前述したように、ジョイントビ
ーム5の折曲部27の垂直部44の上端が円みをもって形成
されているので、ケーブル類がジョイントビーム5上を
移動したとしても、損傷を受けることは防止されてい
る。
本発明の第2実施例として、第8図に示されるよう
に、スライド構造体6と床スラブ2との間に、引張りバ
ネ7とダンパー70とを配設して、このダンパー70により
減衰させることもできる。
(発明の効果) 以上説明した通り、本発明の免震床によれば、床スラ
ブにディンプルベースを固定し、このディンプルベース
によってシューホルダを全方向に揺動可能に支持するよ
うに構成したから、たとえ床スラブに不陸が存在してい
たためディンプルベースが傾斜して設置さることになっ
ても、シューホルダの上面の平坦な振動面を、スライド
部材の下面の平坦な摺動領域に、容易に密着させること
ができる。また、ディンプルベース、シューホルダ、ス
ライド部材、ジョイントビーム等は、施工現場における
簡単な作業によって適正に組み立てることが可能であ
る。よって、施工性が極めて良好である。
また、スライド部材は、ジョイントビームによって、
隣り合うスライド部材にそれぞれ連結され、これによっ
てスライド構造体が構成されるが、このスライド構造体
は、スライド部材の平坦な摺動領域に当接することによ
って同一平面内に位置することになった、複数のシュー
ホルダの複数の平坦な摺動面によって支持されているか
ら、地震等の横揺れ振動が作用しても、スライド構造体
は同一平面内で横方向に変位するのみである。すなわ
ち、横揺れ振動が作用しても、シューホルダはディンプ
ルベースの支持面に対して横方向へは変位しないから、
シューホルダがディンプルベースの支持面に沿って上下
動することはない。したがって、横揺れ振動時にスライ
ド構造体が上下動し、これによって床構造体が上下動す
ることはない。
また、スライド部材の摺動領域はシューホルダの摺動
面を覆った状態で設置されるから、本発明の免震床の設
置後にシューホルダの摺動面が塵埃等で汚染されること
はない。よって、保守が容易である。
更に、本発明の免震床のスライド構造体上に二重床の
支柱を立設すれば、二重床のフロアパネルとスライド構
造体との間に十分な床下空間を確保することができる。
そして、二重床のフロアパネルの下方の床下空間に大量
の配線を行っても、この配線はスライド部材とジョイン
トビームとによって支持されるから、スライド構造体の
摺動運動には何らかの支障にもならない。なお、配線類
をケーブルストッカによって保持するように構成すれ
ば、配線類がスライド構造体の摺動作用を阻害すること
を、より確実に防止することができる。
そして、スライド構造体上に設置される二重床は、そ
の支柱を揺動可能に支持するように構成すれば、たとえ
スライド構造体が床スラブ上に傾斜して設置されても、
二重床の支柱は直立して設置することが可能である。よ
って、床スラブの不陸に拘わらず、フロアパネルを水平
に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の免震床の施工状態を示す斜視図、 第2図は、主要部分の分解斜視図、 第3図は、同断面図、 第4図は、第3図のA−A線に沿った断面図、 第5図は、傾斜状の床スラブへの取り付け状態を示す断
面図、 第6図は、スライド部材の分解斜視図、 第7図は、ジョイントビームとスライドパネルとの接触
状態を説明する斜視図、 第8図は、ケーブルストッカが配設され、スライド構造
体を床スラブとの間にダンパーとバネ部材とが配設され
た第2実施例を示す平面図、 第9図は、第8図のC−C線に沿った断面図である。 1…免震床、2…床スラブ、3…支持体、4…スライド
部材、5…ジョイントビーム、6…スライド構造体、7
…引張りバネ、8…支柱、9…フロアパネル、10…ディ
ンプルベース、11…シューホルダ、12…摩擦材、68…ケ
ーブルストッカ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 直次 東京都文京区後楽1―4―27 株式会社日 建設計内 (72)発明者 寺本 隆幸 東京都文京区後楽1―4―27 株式会社日 建設計内 (72)発明者 奥島 武彦 東京都千代田区内幸町1丁目1番1号 株 式会社ナカ技術研究所内 (72)発明者 庄司 辰夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番1号 株 式会社ナカ技術研究所内 (72)発明者 前田 貞昭 東京都千代田区内幸町1丁目1番1号 ナ カ工業株式会社内 (72)発明者 牧野 俊雄 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 三好 彰 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 飯田 毅 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住 友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−129428(JP,A) 実開 平1−138048(JP,U)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】床スラブ上に所定間隔をおいて固定された
    複数の支持体と、前記支持体上にそれぞれ載置され、か
    つ、前記床スラブに対して実質的に水平方向に相対変位
    可能な、複数のスライド部材と、隣り合う前記スライド
    部材を連結する複数のジョイントビームと、前記複数の
    スライド部材と前記複数のジョイントビームとによって
    構成されたスライド構造体と、前記床スラブと前記スラ
    イド構造体との間に介装され、かつ、前記スライド構造
    体を所定位置に保持しようとする力を前記スライド構造
    体に常時付与する、バネ部材と、前記スライド構造体に
    支持され、かつ、固定された、床構造体とを有する、免
    震床であって、 前記支持体は、前記床スラブに固定されるディンプルベ
    ースと、前記ディンプルベースによって全方向に揺動可
    能に支持され、かつ、上面に平坦な摺動面を有する、シ
    ューホルダとを有し、 前記スライド部材の下面には、前記シューホルダの前記
    摺動面に接触し、かつ、前記摺動面を覆った状態で前記
    シューホルダに対して摺動可能な、平坦な摺動領域を形
    成し、 前記ジョイントビームは、隣り合う前記スライド部材間
    にそれぞれ架設され、前記ジョイントビームの両端部
    は、対応する前記スライド部材にはそれぞれ締結されて
    固定されていることを特徴とする、免震床。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の免震床において、前記デ
    ィンプルベースの上面に球面状の支持面を形成し、前記
    シューホルダの下側部に、前記ディンプルベースの前記
    球面状の支持面に摺動自在に嵌合する、球面部を形成
    し、前記シューホルダの前記上面には、前記平坦な摺動
    面を形成するように摩擦材を取り付け、前記スライド部
    材の下面には、前記平坦な摺動領域を形成するように、
    スライド板を張設してなる、前記免震床。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の免震床において、
    前記ジョイントビームにケーブルストッカを取り付けて
    なる、前記免震床。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のうちのいずれか一項に
    記載の免震床において、前記床構造体は前記複数のスラ
    イド部材にそれぞれ立設された支柱を有し、前記支柱
    は、前記スライド部材に固定された下部受け部材と、前
    記下部受け部材によって傾斜可能に支持された支持脚
    と、前記支持脚の上端に形成されたパネル受け台とを有
    し、前記パネル受け台によって複数のフロアパネルを支
    持し、パネル押さえによって前記フロアパネルを前記パ
    ネル受け台に固定してなる、前記免震床。
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