JPH08197531A - コンクリート圧送管の残留コンクリート除去方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 残留コンクリートを確実に除去でき、圧送管
先端での残留コンクリートの飛散を防止できるコンクリ
ート圧送管の残留コンクリート除去方法を提供するこ
と。 【構成】 コンクリート打設装置１により打設作業が終
了した時点で、球状の洗浄詰物１９を圧送管１１の基端
から入れ、圧送ポンプ３により加圧された加圧水を圧送
管１１に供給し、加圧水によって洗浄詰物１９を圧送管
１１内の先端まで圧送することにより、圧送管１１内に
残留したコンクリート３３を洗浄詰物１９によって除去
する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート打設終了
後にコンクリートを圧送する圧送管内に残留したコンク
リートを除去するコンクリート圧送管の残留コンクリー
ト除去方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】建設現場などにおいてコンクリートを打
設するには、建設現場の所定箇所に配設された圧送管を
通じてコンクリートを圧送することにより行なわれる。
コンクリートの打設が終了すると、圧送管内には内壁に
付着したコンクリートが残留するため、従来において
は、圧送管内の基端部からスポンジ等を入れて、洗浄水
かエアーを圧送することにより、スポンジを圧送管の先
端から排出して圧送管内の残留コンクリートを除去し、
圧送管内から排出された残留コンクリートを廃棄処分す
るようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
残留コンクリートの除去方法によれば、圧送管内に残留
したコンクリートを、加圧された洗浄水やエアーによっ
て圧送されるスポンジ等により排出し、残留コンクリー
トを全て廃棄処分していたので、廃棄処分するコンクリ
ートの分量を余分に手配せねばならず、コストが嵩むと
いう問題があった。また、圧送管の先端から排出される
残留コンクリートの排出作業の終了時点では、スポンジ
等を圧送する加圧洗浄水や加圧エアーの噴発により排出
されるコンクリートなどが飛散し危険となる問題があっ
た。

【０００４】本発明は前記事情に鑑み案出されたもので
あって、本発明の目的は、コンクリート圧送管内の残留
コンクリートを確実に除去できるとともに、残留コンク
リートを廃棄することなくコンクリート打設に利用で
き、圧送管先端での残留コンクリートなどの飛散を防止
できるコンクリート圧送管の残留コンクリート除去方法
を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明に係るコンクリート圧送管の残留コンクリート
除去方法は、圧送ポンプにより圧送管の基端からコンク
リートを圧送し、前記圧送管の先端から所定のコンクリ
ート打設箇所にコンクリートを供給するコンクリート打
設装置の前記圧送管内の残留コンクリートを除去する方
法であって、前記コンクリート打設作業が終了した時点
で、球状の洗浄詰物を前記圧送管の基端から入れ、前記
圧送ポンプにより加圧された加圧水を前記圧送管に供給
し、前記加圧水によって前記洗浄詰物を前記圧送管内の
先端まで圧送することにより、前記圧送管内に残留した
コンクリートを前記洗浄詰物によって除去するようにし
たことを特徴とする。

【０００６】また、本発明に係るコンクリート圧送管の
残留コンクリート除去方法は、前記洗浄詰物内の中心に
磁石を埋設し、前記圧送管外の先端側に磁気近接スイッ
チを設け、前記圧送管の先端に圧送管の先端開口を開閉
する開閉手段と、この開閉手段を駆動する駆動手段と、
この駆動手段を制御する制御手段を設け、前記洗浄詰物
が前記磁気近接スイッチの箇所に位置した際には、前記
洗浄詰物の磁石を前記磁気近接スイッチにより検知し、
この磁気近接スイッチの検知信号に基づいて前記制御手
段により前記駆動手段を駆動して前記開閉手段を閉止す
ることを特徴とする。また、本発明に係るコンクリート
圧送管の残留コンクリート除去方法は、前記圧送管に管
内圧力を検知する圧力スイッチのを設け、前記圧送管の
管内圧力が所定値以上上昇した際には、前記圧力スイッ
チにより前記圧送管内の圧力上昇を検知し、前記制御手
段により前記圧送ポンプの駆動を停止することを特徴と
する。また、本発明のコンクリート圧送管の残留コンク
リート除去方法は、前記開閉手段がエアージャッキバル
ブにより構成されたことを特徴とする。また、本発明の
コンクリート圧送管の残留コンクリート除去方法は、前
記駆動手段がコンプレッサにより構成されたことを特徴
とする。

【０００７】

【作用】圧送ポンプにより圧送管を通じてコンクリート
を圧送し所定のコンクリート打設箇所にコンクリートの
供給が終了すると、圧送管の基端から球状の洗浄詰物を
挿入し、圧送ポンプにより加圧された加圧水により洗浄
詰物が圧送管内を圧送され、圧送管内に残留コンクリー
トが洗浄詰物によってかき集められ、圧送管の先端から
残留コンクリートがコンクリート打設箇所に供給され
る。洗浄詰物が圧送管に設けられた磁気近接スイッチの
箇所に到達すると、磁気近接スイッチによって洗浄詰物
の磁石が検出され、磁気近接スイッチの検知信号に基づ
いて制御手段により駆動手段を通じて圧送管の先端に設
けられた開閉手段が閉止され、圧送管の先端からの残留
コンクリートの供給が停止される。同時に、開閉手段の
閉止に伴う圧送管の管内圧力上昇が圧力スイッチにより
検知され、制御手段により圧送ポンプの駆動が停止され
る。その後、圧送管の先端側に多少残留したコンクリー
トは開閉手段を開いて圧送ポンプを駆動することにより
圧送管から排出され廃棄される。

【０００８】したがって、球状の洗浄詰物を圧送管に入
れて圧力水によって圧送することにより残留コンクリー
トを除去するので、圧送管内の残留コンクリートを確実
に除去することができるとともに、圧力水により圧送管
内を確実に洗浄することができる。また、圧送管の基端
と洗浄詰物を検知する磁気近接スイッチが設けられた圧
送管の先端部分までの間の圧送管内の残留コンクリート
量を予め把握することができ、コンクリート打設に利用
することが可能となるので、この残留コンクリート量を
コンクリート打設量に組込むことにより廃棄するコンク
リート量を殆どなくすことができ、コストの低減化を図
ることができる。更に、洗浄詰物が磁気近接スイッチの
箇所に到達した際に圧送管の先端に設けられた開閉手段
が閉じるので、洗浄詰物および圧力水がコンクリート打
設箇所に流れ込むことが防止できるとともに、加圧水に
よる残留コンクリートの飛散も防止でき、危険性を回避
することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。図１はコンクリート打設装置を示す正面図、図２
は圧送管先端側の磁気近接スイッチを示す縦断面図であ
る。図１中、１はコンクリート打設装置、３は圧送ポン
プ、５はホッパ、７はホッパ５の蓋を開閉する操作弁、
９は操作盤、１１は圧送管を示している。

【００１０】前記圧送ポンプ３には高低圧切換えブロッ
ク１３を備え、圧送ポンプ３の先端部にはホッパ５が連
結されている。前記ホッパ５の出口部には圧送管１１の
基端が連結され、圧送管１１の先端側が工事現場のコン
クリートの打設箇所に位置するように配設される。前記
圧送管１１の基端側には、コンクリート除去時の圧送管
１１内の管内圧力を検出する圧力スイッチ１５が設けら
れ、圧力スイッチ１５が操作ケーブル１７により前記操
作盤９の制御部（制御手段）に電気的に接続されてい
る。

【００１１】また、前記圧送管１１の先端側の外周部に
は後述する洗浄詰物１９を検出する磁気近接スイッチ２
１が設けられ、磁気近接スイッチ２１が操作ケーブル２
３により前記操作盤９の制御部に電気的に接続されてい
る。さらに、前記圧送管１１の先端には、空気圧により
圧送管１１の先端開口を開閉するエアージャッキバルブ
（開閉手段）２５が取付けられ、エアージャッキバルブ
２５の空気導入口２５ａにはチューブ２７を介してコン
プレッサ２９が連続され、コンプレッサ（駆動手段）２
９が操作ケーブル３１により前記操作盤９の制御部に電
気的に接続されている。また、コンクリート除去時に前
記圧送管１１内に挿入される洗浄詰物１９は、図２に示
すように、外形が圧送管１１の内管径よりもやや小さい
直径の球状に形成され、中心部には所定の磁力を有する
小球状の磁石１９Ａが埋め込まれて形成されている。
尚、図１、図２中３３はコンクリートを示している。

【００１２】次に、前記コンクリート打設装置１による
コンクリート打設動作および圧送管１１内の残留コンク
リート３３を除去する場合について説明する。コンクリ
ートを打設する際には、圧送管１１の先端を工事現場の
所定のコンクリート打設箇所に配設し、ホッパ５内にコ
ンクリートを供給し、操作盤９を操作して圧送ポンプ３
を駆動すると、圧送ポンプ３によってコンクリートに圧
力が加えられてホッパ５の下部から圧送管１１にコンク
リートが順次圧送され、圧送管１１内のコンクリートが
先端側に達すると、圧送管１１に設けられたエアージャ
ッキバルブ２５の先端から打設箇所にコンクリートが供
給される。

【００１３】そして、圧送管１１内に残留したコンクリ
ートの量を除いたコンクリート量の打設が終了すると、
続いて圧送管１１内の残留コンクリート３３の除去が行
なわれる。圧送管１１内の残留コンクリート３３を除去
する際には、まず、ホッパ５の下部の出口と圧送管１１
の基端とを外し、圧送管１１の基端開口から圧送管１１
内に洗浄詰物１９を挿入し、その後、再び、圧送管１１
の基端とホッパ５の下部の出口とを連結する。その後、
ホッパ５内に水を入れ、操作盤９を操作して圧送ポンプ
１１を駆動すると、圧送ポンプ３によりホッパ５内の水
が圧力水として圧送管１１内に圧送されて圧送管１１内
の洗浄詰物１９を押す。

【００１４】そして、圧力水の圧送により圧送管１１内
の洗浄詰物１９が圧送管１１内を先端部に向けて移動
し、洗浄詰物１９の移動に伴って、圧送管１１内に残留
付着した残留コンクリート３３が洗浄詰物１９によって
かき集められて移動して圧送管１１の先端側へ集められ
る。圧送管１１の先端側に洗浄詰物１９により集められ
た残留コンクリート３３は、エアージャッキバルブ２５
の先端から打設箇所に供給される。

【００１５】そして、圧送管１１内を先端側に圧送され
る洗浄詰物１９が磁気近接スイッチ２１の箇所に達する
と、磁気近接スイッチ２１により洗浄詰物１９内の磁石
１９Ａを検知し、磁気近接スイッチ２１からの検知信号
が操作盤９に入力され、操作盤９に設けられた制御部に
よってコンプレッサ２９が制御される。すなわち、制御
部によってコンプレッサ２９が駆動し、コンプレッサ２
９によってエアージャッキバルブ２５の空気導入口２５
ａに圧縮空気が供給されてエアージャッキバルブ２５が
閉止状態となり、圧送管１１に残留したコンクリート３
３の打設が終了し、全体として打設箇所には所定量のコ
ンクリートが打設される。エアージャッキバルブ２５が
閉止されると、圧送管１１内の管内圧力が上昇し、この
上昇した圧力が圧力スイッチ１５により検知され、圧力
スイッチ１５からの検知信号に基づいて、操作盤９の制
御部により圧送ポンプ３の駆動が停止される。

【００１６】その後、圧送管１１の先端側のエアージャ
ッキバルブ２５を廃棄容器内に移動して配設し、操作盤
９の操作によりエアージャッキバルブ２５を開状態にし
て圧送ポンプ３を駆動すると、磁気近接スイッチ２１か
ら圧送管１１の先端部の間に存在する残留コンクリート
３３、洗浄詰物１９、および圧力水が廃棄容器内に排出
され、圧送管１１内の残留コンクリート３３が除去され
るとともに、水により圧送管１１内が洗浄される。そし
て、廃棄容器から洗浄詰物１９を取り出して廃棄容器内
のコンクリートが廃棄され、残留コンクリートの除去作
業が終了する。

【００１７】このように本実施例においては、コンクリ
ート打設終了後に、圧送管１１の基端から球状の洗浄詰
物１９を入れて圧送管１１の先端側まで圧力水で圧送す
ることにより、圧送管１１内に残留したコンクリート３
３を確実に除去することができるとともに、圧力水によ
り圧送管１１内を確実に洗浄することができる。また、
圧送管１１の基端と洗浄詰物１９を検知する磁気近接ス
イッチ２１が設けられた圧送管１１の先端部分までの間
の圧送管１１内の残留コンクリート量を予め把握するこ
とができ、コンクリート打設に利用することが可能とな
るので、この残留コンクリート量をコンクリート打設量
に組込むことにより、廃棄するコンクリート量を殆どな
くすことができる。更に、洗浄詰物１９が磁気近接スイ
ッチ２１の箇所に到達した際に圧送管１１の先端に設け
られたエアージャッキバルブ２５が閉じるので、洗浄詰
物１９および圧力水がコンクリート打設箇所に流れこむ
ことが防止できるとともに、圧力が加えられた圧力水に
よる残留コンクリートの飛散も防止できる。

【００１８】尚、上記実施例では圧送管１１の先端開口
を開閉する開閉手段としてエアージャッキバルブ２５を
用い、また、エアージャッキバルブ２５を駆動する駆動
手段としてコンプレッサ２９を用いたが、これに限ら
ず、同様の機能を有するものであれば適用することがで
きる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、球
状の洗浄詰物を圧送管に入れて圧力水によって圧送する
ことにより残留コンクリートを除去するので、圧送管内
の残留コンクリートを確実に除去することができるとと
もに、圧力水により圧送管内を確実に洗浄することがで
きる。また、圧送管の基端と洗浄詰物を検知する磁気近
接スイッチが設けられた圧送管の先端部分までの間の圧
送管内の残留コンクリート量を予め把握することがで
き、コンクリート打設に利用することが可能となるの
で、この残留コンクリート量をコンクリート打設量に組
込むことにより廃棄するコンクリート量を殆どなくすこ
とができ、コストの低減化を図ることができる。更に、
洗浄詰物が磁気近接スイッチの箇所に到達した際に、圧
送管の先端に設けられた開閉手段が閉じるので、洗浄詰
物および圧力水がコンクリート打設箇所に流れ込むこと
が防止できるとともに、加圧水による残留コンクリート
の飛散も防止でき、危険性を回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施するコンクリート打設装置を示す
正面図である。

【図２】圧送管先端側の磁気近接スイッチを示す縦断面
図である。

【符号の説明】

１ コンクリート打設装置 ３ 圧送ポンプ ９ 制御手段（操作盤の制御部） １１ 圧送管 １５ 圧力スイッチ １９ 洗浄詰物 １９Ａ 磁石 ２１ 磁気近接スイッチ ２５ 開閉手段（エアージャッキバルブ） ２９ 駆動手段（コンプレッサ） ３３ 残留コンクリート

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧送ポンプにより圧送管の基端からコン
   クリートを圧送し、前記圧送管の先端から所定のコンク
   リート打設箇所にコンクリートを供給するコンクリート
   打設装置の前記圧送管内の残留コンクリートを除去する
   方法であって、 前記コンクリート打設作業が終了した時点で、球状の洗
   浄詰物を前記圧送管の基端から入れ、 前記圧送ポンプにより加圧された加圧水を前記圧送管に
   供給し、前記加圧水によって前記洗浄詰物を前記圧送管
   内の先端まで圧送することにより、前記圧送管内に残留
   したコンクリートを前記洗浄詰物によって除去するよう
   にした、 ことを特徴とするコンクリート圧送管の残留コンクリー
   ト除去方法。
2. 【請求項２】 前記洗浄詰物内の中心に磁石を埋設し、 前記圧送管外の先端側に磁気近接スイッチを設け、 前記圧送管の先端に圧送管の先端開口を開閉する開閉手
   段と、この開閉手段を駆動する駆動手段と、この駆動手
   段を制御する制御手段を設け、 前記洗浄詰物が前記磁気近接スイッチの箇所に位置した
   際、前記洗浄詰物の磁石を前記磁気近接スイッチにより
   検知し、 この磁気近接スイッチの検知信号に基づいて前記制御手
   段により前記駆動手段を駆動して前記開閉手段を閉止す
   るようにした、 請求項１記載のコンクリート圧送管の残留コンクリート
   除去方法。
3. 【請求項３】 前記圧送管に管内圧力を検知する圧力ス
   イッチを設け、 前記圧送管の管内圧力が所定値以上上昇した際には、前
   記圧力スイッチにより前記圧送管内の圧力上昇を検知
   し、前記制御手段により前記圧送ポンプの駆動を停止す
   るようにした請求項１又は２記載のコンクリート圧送管
   の残留コンクリート除去方法。
4. 【請求項４】 前記開閉手段がエアージャッキバルブに
   より構成された請求項２記載のコンクリート圧送管の残
   留コンクリート除去方法。
5. 【請求項５】 前記駆動手段がコンプレッサにより構成
   された請求項２記載のコンクリート圧送管の残留コンク
   リート除去方法。