JPH0819649B2

JPH0819649B2 - 消波壁

Info

Publication number: JPH0819649B2
Application number: JP8937787A
Authority: JP
Inventors: 徹沢村
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1987-04-10
Filing date: 1987-04-10
Publication date: 1996-02-28
Anticipated expiration: 2011-02-28
Also published as: JPS63255412A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、湾岸等において波浪を吸収する消波壁に関
する。

従来の技術従来、テトラポッド（登録商標）として知られている
消波ブロックを複数積み上げることにより堤体を構築し
て消波壁とすることが一般的である。

発明が解決しようとする問題点ところが、このような従来の消波ブロックで構築され
る消波壁では、波浪が消波ブロックに衝突することによ
りエネルギが吸収されて消波が行なわれるが、これに伴
って波の飛沫が生じ、この飛沫が陸地にまで達するとい
う問題があり、また消波ブロックを組み合せて積み重ね
た構造であることから、通水性に乏しく、消波壁内で有
機物等が淀んで腐敗する問題があった。

本発明は、上記問題点を解決するもので、波の飛沫の
発生を防止できるとともに淀みの生じない消波壁を提供
することを目的とする。

問題点を解決するための手段上記問題点を解決するため、本発明は、柱状体を成
し、軸心方向に設けられる貫通孔が流路断面積を変化さ
せて形成されるとともに前記貫通孔の一端側開口を波浪
の伝播してくる方向に向けて配置される消波ブロック
と、枠体を成して内部に消波ブロックの複数が側面を当
接させて上下方向および横方向に積み重ねて収納される
収納枠とで構築され、消波ブロックと収納枠との当接し
合う面、および消波ブロックどうしの当接し合う面に、
嵌合しあう段部と窪部を相互に設けた構成としたもので
ある。

作用上記構成において、消波ブロックに伝播してくる波浪
は貫通孔の一端開口から貫通孔内に流入し、貫通孔内に
おいて流路析面積の変化により波動エネルギを減衰され
て消波される。また、消波ブロックと収納枠、および消
波ブロックどうしは段部と窪部の嵌合により軸心方向で
互いに係合し合って一体的なものとなり、収納枠を単位
体として消波壁が構築される。

実施例以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第１図〜第３図において、床盤１は地盤２に打設された
複数の杭３に支持されており、杭３は、一端を床盤１の
底部に設けた穴部４に嵌入させるとともに、一端側に適
当位置に設けた鍔部５を穴部４の開口周縁部に当接させ
て床盤１を保持している。そして、床盤１上にはＵ字形
の収納枠６が載置されており、収納枠６内には断面八角
形の柱状体を成す消波ブロック７の複数が、一端側を波
浪８の伝播方向に向けるとともに、側面7aのひとつを当
接させ合いながら上下方向および横方向に積み重ねて配
置されている。また、積み重ねられた消波ブロック７の
うちで外側に位置する消波ブロック７は側面7aのひとつ
を収納枠６の内面に当接している。そして、消波ブロッ
ク７の当接し合わない側面7aによって打空隙部９が形成
されている。そして、収納枠６の上部に載置される蓋体
10が下面を最上段の消波ブロック７の側面7aに当接させ
て設けられている。この蓋体10は収納枠６の側壁部6aの
上端面に設けられた突部11に嵌合するおう部12を下面に
形成されており、突部11におう部12を嵌合させて収納枠
６に波浪８の伝播方向で係止されている。そして、第４
図〜第５図に示すように、消波ブロック７は内部に埋込
んだ鋳鉄管13によって軸心方向の貫通孔14を形成されて
いる。また、貫通孔14は、両端の開口15a,15bよりも流
路断面積の小さな狭路部16a,16bとで、この狭路部16a,1
6bよりも流路断面積の大きな遊水部17とを有しており、
全体として流路断面積が狭拡して変化する形状に形成さ
れている。そして、消波ブロック７の各側面7aの一端側
には、側面7aよりも一段高い段部18が形成されており、
各段部18は消波ブロック７の周方向で連続している。ま
た、消波ブロック７の各側面7aの他端側には、側面7aよ
りも一段低い窪部19が形成されており、各窪部19は消波
ブロック７の周方向で連続している。そして、段部18と
窪部19は消波ブロック７の軸心方向で中心から等距離に
位置するとともに、嵌合し合うことが可能な形状にそれ
ぞれ形成されている。そして、収納枠６内に積み重ねら
れた消波ブロック７は、それぞれの段部18と窪部19とを
嵌合させて配置されており、この嵌合によって各消波ブ
ロック７は軸心方向で係止し合っている。また、収納枠
６の内面および蓋体10の下面には段部18に嵌合可能な溝
部20が形成されており、この溝部20と段部18の嵌合によ
って消波ブロック７が収納枠６および蓋体10に軸心方向
で係止されている。そして、内部に消波ブロック７を収
納した収納枠６を連続して設置することにより消波壁21
が構築されている。尚、本実施例においては、杭３で支
持された床盤１上に収納枠６を設けたが、地盤２に直接
設置してもよく、また地盤２上に砕石等により基礎基板
を形成し、その上に設置してもよい。

以下、上記構成における作用について説明する。ま
ず、消波ブロック７の一端に向けて伝播する波浪８は、
貫通孔14の一端側開口15aから貫通孔14内に流入する。
そして、貫通孔14内において波浪８は、波動エネルギ
を、狭路部16a,16bで流路断面積の減少による圧力損失
として吸収され、遊水部17で流路断面積の増大による流
動圧力の低下として吸収されて消波される。したがっ
て、波浪８は剛体に衝突して消波されるのではなく、消
波ブロック７の貫通孔14内を通過するうちに、消波され
るので飛沫が生じず、また波浪８の通過にともなって貫
通孔14内に流れが生じるので淀みが発生しない。また、
積み重ねられた消波ブロック７の端面によって形成され
る消波壁21の壁面は、空隙部９が存在することにより、
波浪８に衝突する壁面積を減少させられるので、消波壁
21に加えられる波浪８の衝撃力が緩和される。また、蓋
体10が重しとなって消波ブロック７の浮き上りを防止す
る。さらに、消波壁21は収納枠６を一単位として構築さ
れるため、消波壁21の寸法設定が容易であるとともに、
地盤２の地殻変動に対して各収納枠６ごとに対応するこ
とが出来るので、全体が一度に崩壊する危険が回避され
る。

発明の効果以上述べたごとく本発明によれば、消波ブロックに流
路断面積を変化させて形成した貫通孔によって波浪を、
飛沫を生じさせることなく消波することが出来、波浪の
通過によって貫通孔内に流れが生じ、淀みの発生が防止
される。また、収納枠と消波ブロックは段部と窪部の嵌
合により軸心方向で互いに係止し合い、一体的なものと
なって波浪に対応するので収納枠を単位体とする消波壁
の構築が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全体構成図、第２図は
第１図のＡ−Ａ矢視図、第３図は収納枠の全体斜視図、
第４図は消波ブロックの全体斜視図、第５図は第４図の
Ｂ−Ｂ矢視図である。６……収納枠、７……消波ブロック、7a……側面、18…
…段部、19……窪部、20……溝部。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】柱状体を成し、軸心方向に設けられる貫通
孔が流路断面積を変化させて形成されるとともに前記貫
通孔の一端側開口を波浪の伝播してくる方向に向けて配
置される消波ブロックと、枠体を成して内部に消波ブロ
ックの複数が側面を当接させて上下方向および横方向に
積み重ねて収納される収納枠とで構築され、消波ブロッ
クと収納枠との当接し合う面、および消波ブロックどう
しの当接し合う面に、嵌合しあう段部と窪部を相互に設
けたことを特徴とする消波壁。