JPH08195205A - 燃料電池とその冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法 - Google Patents

燃料電池とその冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法

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JPH08195205A
JPH08195205A JP7238560A JP23856095A JPH08195205A JP H08195205 A JPH08195205 A JP H08195205A JP 7238560 A JP7238560 A JP 7238560A JP 23856095 A JP23856095 A JP 23856095A JP H08195205 A JPH08195205 A JP H08195205A
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resistant
cooling plate
heat
corrosion
cooling
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JP7238560A
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Miki Kanemoto
美樹 金本
Atsushi Matsunaga
温 松永
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池の運転において予想される冷却板内
部への電解質侵入による冷却板の腐食を防止可能であ
り、長期に亘って安定した運転が可能な、信頼性の高い
燃料電池を提供する。 【解決手段】 上下の冷却基板21,22の接合面に加
工された上下の伝熱管保持溝25によって形成される空
洞部分に、銅あるいはステンレスなどの金属製の伝熱管
23が挿入され、伝熱管23と伝熱管保持溝25との間
には干渉防止用の隙間26が設けられる。上下の冷却基
板21,22の上部表面21aと下部表面22aの縁部
に凹型段差部31,32が設けられる。凹型段差部3
1,32には、溝31a,32aが設けられる。上部凹
型段差部31と、上下の冷却基板21,22の接合部2
4を含む冷却板13の側面13a、および下部凹型段差
部32を覆うようにして、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シー
ト33が加熱融着によって接着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池に係り、
特に、長期に亘って安定した起電反応を維持することが
できるように改良を施した燃料電池に使用する冷却板の
耐熱・耐蝕・絶縁性処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、一対の多孔質電極間に触媒
を含ませ、一方の電極の非電解質側の反応ガス供給通路
に水素などの燃料を供給し、他方の電極の非電解質側の
反応ガス供給通路に酸素などの酸化剤を供給することに
より、発電を行う装置である。すなわち、このような各
反応ガス供給通路への燃料・酸化剤の供給により、各反
応ガスはそれぞれの電極内を拡散して触媒層のなかで電
解質と接触して電気化学反応を起こす。その結果、イオ
ンが正極より電解質を通して負極に移動し、石油や石炭
などの燃料の持っている化学エネルギーが、電極間から
直接電気エネルギーとして連続的に変換される。
【0003】このような燃料電池の発電システムは、比
較的小さな規模でも発電の熱効率が40〜50%にも達
し、新鋭火力発電をはるかにしのぐと従来から期待され
ている。また、このように、燃料電池には、原理的に高
い変換効率が期待できると共に、近年大きな社会問題に
なっている公害要因であるSOx、NOxの排出量が極
めて少ない、発電装置内に燃焼サイクルを含まないので
大量の冷却水を必要としない、振動が小さいなど、騒音
・排ガスなどの環境問題も少ない。さらに、負荷変動に
対して応答性が良いなどの特徴もある。これらの理由か
ら、燃料電池の開発、実用化の研究には期待と関心が寄
せられている。そしてまた、このような燃料電池の電解
質としては、主として、溶融炭酸塩、アルカリ溶液、固
体高分子、固体酸化物などが用いられているが、最近で
は、電解質にリン酸を採用したリン酸型燃料電池が、実
用段階にある燃料電池として注目されつつある。
【0004】ところで、以上のような燃料電池として
は、例えば、特開昭60−93765号公報に開示され
た燃料電池がある。図8は、このような従来の燃料電池
の電池本体の典型的な一例を示す図である。図中1は、
複数の単位電池を積層してなる積層体である。この積層
体1は、その上下端部に配置された上下の締付板2,3
によって上下方向から締め付けられ、一体に固定されて
おり、燃料電池スタック4を構成している。この燃料電
池スタック4の周囲の4側面のうち、互いに対向する一
対の側面には、燃料ガスを供給・排出するマニホールド
5がそれぞれ固定されており、また、互いに対向する他
の一対の側面には、酸化剤ガスを供給・排出するマニホ
ールド6がそれぞれ固定されている。このような燃料電
池では、一般的に、燃料ガスとして水素、酸化剤ガスと
して空気、冷却板の冷媒として水などがそれぞれ用いら
れる。
【0005】図9は、図8に示すような積層体1を構成
する基本的な構成要素を示す図である。すなわち、図8
に示す積層体1は、図9に示すような複数の単位電池1
1をセパレータ12を介して積層し、所定数の単位電池
11毎に一定間隔で冷却板13を挿入して構成されてい
る。そして、この冷却板13によって、単位電池11の
起電反応に伴う熱を除去し、積層体1全体を均一に冷却
して電池作動温度を維持するようになっている。
【0006】ここで、単位電池11について詳細に説明
する。すなわち、図9に示すように、単位電池11は、
リン酸などの電解質を保持するマトリックス層14と、
このマトリックス層14を挟んで対向配置された燃料極
15および酸化剤極16とから構成されている。この燃
料極15および酸化剤極16は、通常は炭素材によって
構成されており、その一方の面にはそれぞれ触媒層17
が形成され、マトリックス層14と接触している。ま
た、燃料極15および酸化剤極16の触媒層17と反対
面には、複数本の溝18が平行に設けられている。この
複数本の溝18は、燃料極15の溝18と酸化剤極16
の溝18とが互いに直交する方向となるように設けられ
ている。そして、このように燃料極15および酸化剤極
16にそれぞれ形成された溝18は、燃料ガスおよび酸
化剤ガスの流通路となっており、この溝18に蓋をする
ようにして各単位電池11間にセパレータ12または冷
却板13が挟み込まれている。
【0007】また、図10は、図9に示すような冷却板
13の従来の構成を示す図である。前述したように、冷
却板13は、積層体1全体を均一に冷却するために、積
層体1の内部に、所定数の単位電池11毎に一定間隔で
挿入される。この冷却板13は、上下の冷却基板21,
22の間に、銅あるいはステンレスなどの金属製の伝熱
管23を完全に埋設した構造となっている。また、図中
24は、上下の冷却基板21,22の接合部であり、こ
の接合部24は、冷却板13の側面13aの全周に亘っ
て存在する形となる。
【0008】より詳細に、伝熱管23は、同一ピッチで
規則的に蛇行するように連続曲げ成型されており、その
曲げ部を含めた全てが、上下の冷却基板21,22の間
に埋設されている。すなわち、上下の冷却基板21,2
2のそれぞれに、伝熱管23のサイズに合わせた半円形
の伝熱管保持溝25が加工されており、この上下の伝熱
管保持溝25の間に伝熱管23が嵌め込まれている。
【0009】なお、冷却基板21,22の材料として
は、耐腐食性、電気伝導性に優れた黒鉛が使用されてい
る。また、伝熱管23の材料としては、耐圧強度および
伝熱特性上の理由から、前述したように、銅あるいはス
テンレスなどの金属が使用されている。そして、このよ
うに伝熱管23と冷却基板21,22の材料が異なるこ
とから、図10に示すように、伝熱管23と冷却基板2
1,22(の伝熱管保持溝25)との間には両者の熱膨
脹による干渉防止のための隙間26が設けられている。
【0010】さらに、上下の冷却基板21,22の間に
埋設された伝熱管23の端部は、冷却板13の端部から
外部に突出しており、マニホールド5,6(図8)の外
側に配設された集合給水管27に接続されている。この
ような構成により、集合給水管27に供給された冷却水
が伝熱管23に流入し、積層体1を冷却した後、再び集
合給水管27を経て排出されるようになっている。
【0011】以上のような構成を有する図10の冷却板
13の特徴は、伝熱管23がマニホールド5,6の内部
に露出していないことである。このように構成すること
により、単位電池11に含浸されているリン酸などの電
解質が反応ガス流と共にマニホールド5,6内に搬出さ
れた場合でも、この電解質が伝熱管23に付着すること
がないため、伝熱管23が腐食しにくいという利点があ
る。
【0012】なお、図11は、従来の冷却板13の他の
構成を示す図である。すなわち、冷却基板28は一体に
構成され、その内部に、銅あるいはステンレスなどの金
属製の伝熱管23を完全に埋設した構造となっている。
したがって、図10に示したような上下の冷却基板2
1,22の接合部は存在しない。また、前記燃料電池ス
タック4は、通常、容器等に収められており、電池運転
中は、容器内部は不活性ガスなどでガスパージされてい
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上説明し
たような従来の燃料電池においては、電池作動温度にお
ける長時間の運転時に、以下に述べるような問題点があ
った。まず第1に、冷却板内への電解質の侵入によって
冷却板が腐食する可能性があるという点である。すなわ
ち、図9に示すような単位電池11のマトリックス層1
4に保持されたリン酸などの電解質は、運転時に気化し
て反応生成ガス中または未使用反応ガス中に蒸気として
混入する。ガス中に混入した電解質は、燃料電池の起
動、停止、負荷変化などの運転条件の変化で凝縮して、
単位電池11の側面、すなわち、積層体1の側面に染み
出す。
【0014】そして、このように積層体1の側面に染み
出した電解質の一部が、積層体1の側面を積層方向に伝
わって図10に示すような冷却板13の側面13aに達
し、この冷却板13の側面13aの接合部24から冷却
板13内部に侵入する可能性がある。また、図11に示
すような冷却板13においては、図10に示すような接
合部24はないが、冷却板13の側面13aと伝熱管2
3の隙間26から、積層体1の側面に染み出した電解質
の一部が、冷却板13内部に侵入する可能性がある。
【0015】このようにして冷却板13内部に侵入した
リン酸などの電解質は、冷却板13自体を腐食させるだ
けでなく、さらに、冷却板13の内部に配設された伝熱
管23に付着する。そして、伝熱管23に付着した電解
質は、たとえ少量であっても、長時間に及ぶ運転の間に
は伝熱管23を腐食させ、穿孔を生じさせてしまう。そ
の結果、伝熱管23の漏水による冷却能力の低下や積層
体の絶縁不良が発生し、ついには燃料電池の運転が不可
能になる。このように、電解質の冷却板13内部への侵
入は、燃料電池の長期に亘る安定した運転に対して、大
きな悪影響を及ぼすものである。
【0016】また、第2に、酸化剤極の腐食に伴って冷
却板の構成基板が腐食する可能性があるという点であ
る。すなわち、本発明者等のこれまでの研究の結果、燃
料極の端部またはコーナ部に酸素が接触すると、これに
対向する酸化剤極の電解質に対する電位が変化し、酸化
剤極を構成する電極基板が腐食(電食)することがわか
っている。このように冷却板に隣接する酸化剤極におい
て電食が生じた場合には、長期間の運転によって、酸化
剤極で生じた電食により、酸化剤極と同電位となる隣接
する冷却基板の端部の腐食(電食)を引き起こし、その
腐食箇所からリン酸などの電解質が冷却板内に浸透する
ことによって、冷却板の腐食に進展する恐れがある。
【0017】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
燃料電池の運転において予想される冷却板内部への電解
質侵入による冷却板の腐食を防止し、且つ、腐食の生じ
た酸化剤極と隣接する冷却板端部を電気的に絶縁するこ
とができ、長期に亘って安定した運転が可能な、信頼性
の高い燃料電池とその冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方
法を提供することにある。
【0018】より具体的に述べるならば、請求項1記載
の発明の目的は、冷却板を構成する冷却基板の端面の接
合部からの電解質の侵入を防止することにより、電解質
侵入に起因する冷却板の腐食を防止し、冷却板の品質を
長期に亘って維持することである。請求項2〜4記載の
発明の目的は、冷却板端部からの電解質の侵入の防止に
加え、燃料電池スタックにおける面圧不均一による電極
・冷却板材料の強度劣化や反応ガスリークを防止し、信
頼性を向上することである。請求項5記載の発明の目的
は、冷却板の端部からのリン酸の侵入を防止することに
より、電解質の付着による冷却板及び伝熱管の腐食を防
止し、冷却板の品質を長期に渡って維持することであ
る。請求項6〜7記載の発明の目的は、冷却板端部から
の電解質の侵入の防止に加え、隣接する酸化剤極腐食と
電気的に絶縁し、かつ電解質をブロックする構造を冷却
板に持たせることで、冷却板の構成基板の腐食を防止
し、信頼性を維持することである。請求項8記載の発明
の目的は、冷却板の腐食を防止するために形成された耐
熱・耐蝕・絶縁性樹脂層が、燃料電池の長時間の運転に
よって冷却板から剥離するのを防止することである。請
求項9〜11記載の発明の目的は、耐熱・耐蝕・絶縁性
樹脂層の材料として適切な材料を使用することにより、
高い耐熱性・耐蝕性・絶縁性を有する耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂層を容易に構成することである。請求項12〜1
4記載の発明の目的は、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を容
易かつ高精度に形成可能な優れた耐熱・耐蝕・絶縁処理
方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するためには、耐熱・耐蝕・絶縁性を持ち、且つリン酸
などの電解質を通さないような物質で、冷却板端部表面
の一部または全周を覆うことにより、単位電池の端面を
伝わってきた電解質が、冷却板内部に侵入することを防
ぐことができる。また、冷却板に隣接する酸化剤極との
接触面端部の一部または全周を覆うと、隣接する酸化剤
極の端部で電食が生じても、この酸化剤極接触面端部と
冷却板端部は耐熱・耐蝕・絶縁性層で分離されているた
め、酸化剤極電位による悪影響はきわめて小さくなり、
電食は発生しない。
【0020】本発明は、このような観点より、冷却板端
部からの電解質の浸透防止あるいは酸化剤極電食からの
冷却板電食防止のために、以下のような手段を講じたも
のである。
【0021】すなわち、請求項1に記載の発明は、燃料
流通路を有する燃料極と酸化剤流通路を有する酸化剤極
との間に電解質を保持するマトリックス層が挟持されて
なる複数の単位電池が、セパレータを介して積層され、
所定数の単位電池毎に、冷媒を供給・排出する冷却板が
挿入された燃料電池において、前記冷却板は、互いに接
合された第1、第2の冷却基板と、この第1、第2の冷
却基板の間に埋設されて冷媒を流す伝熱管を有し、前記
冷却板の少なくとも側面部は、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂
層によって覆われていることを特徴とするものである。
【0022】上記のような構成を有する請求項1記載の
燃料電池によれば、冷却板の側面の接合部を耐熱・耐蝕
・絶縁性樹脂層によって覆うことにより、冷却板の側面
の接合部からの電解質の侵入を防止することができる。
したがって、電解質侵入に起因する冷却板の腐食を防止
することができ、冷却板の品質を長期に亘って維持する
ことができる。
【0023】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
燃料電池において、前記第1、第2の冷却基板相互の対
向面と反対側に位置する各々の表面上には、前記側面部
の上下端部より所定長延伸した位置に少なくとも一つの
凹部が設けられ、前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、前
記凹部及び前記冷却板の側面部を覆うように形成され、
かつ、前記凹部を覆う耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層の表面
は、前記第1、第2の冷却基板の対向面と反対側に位置
する各々の中央部表面と同一平面をなすように構成され
たことを特徴とするものである。
【0024】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
記載の燃料電池において、前記第1、第2の冷却基板の
対向面と反対側に位置する各々の表面のいずれか一方に
は、前記側面部の上下端部より所定長延伸した位置に少
なくとも一つの凹部が設けられ、前記耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂層は、前記凹部及び前記冷却板の側面部を覆うよ
うに形成され、かつ、前記凹部を覆う耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂層の表面は、前記第1、第2の冷却基板の対向面
と反対側に位置する各々の中央部表面と同一平面をなす
ように構成されたことを特徴とするものである。
【0025】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1記載の燃料電池において、前記第1、第2の冷却基板
の対向面端部に、相互の対向面が所定距離離間するよう
に切り欠き部を設け、前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層
は、前記切り欠き部相互により形成される凹部を含む前
記冷却板の側面部を覆うように形成され、かつ、その上
下両端面は、前記第1、第2の冷却基板の接合面と反対
側に位置する両表面中央部とそれぞれ同一平面をなすよ
うに構成されたことを特徴とするものである。
【0026】上記のような構成を有する請求項2〜4記
載の燃料電池によれば、冷却板の側面の接合部からの電
解質の侵入を防止するだけでなく、冷却板の単位電池と
の接触面となる第1、第2の表面に凹凸がないので、上
下の締付板によって積層方向に加わる面圧を、冷却板全
面に均一に加えることができ、冷却板と単位電池とを隙
間なく密着させることができる。したがって、面圧不均
一による電極・冷却板材料の強度劣化や反応ガスリーク
を生じることのない、信頼性の高い燃料電池スタックを
構成することができる。
【0027】請求項5に記載の発明は、燃料流通路を有
する燃料極と酸化剤流通路を有する酸化剤極との間に電
解質を保持するマトリックス層が挟持されてなる複数の
単位電池が、セパレータを介して積層され、所定数の単
位電池毎に、冷媒を供給・排出する冷却板が挿入された
燃料電池において、前記冷却板は、一体形成部材からな
る冷却基板と、その内部に埋設されて冷媒を流す伝熱管
を有し、前記冷却板の少なくとも側面部は、耐熱・耐蝕
・絶縁性樹脂層によって覆われていることを特徴とする
ものである。
【0028】上記のような構成を有する請求項5記載の
燃料電池によれば、冷却板の側面を耐熱・耐蝕・絶縁性
樹脂層によって覆うことにより、冷却板の側面からの電
解質の侵入を防止することができる。したがって、電解
質侵入に起因する冷却板の腐食を防止することができ、
冷却板の品質を長期に亘って維持することができる。
【0029】請求項6に記載の発明は、請求項5記載の
燃料電池において、この冷却板に隣接する単位電池の酸
化剤極側の冷却基板の表面には、前記側面部の上下端部
より所定長延伸した位置に凹部が設けられ、前記耐熱・
耐蝕・絶縁性樹脂層は、前記凹部及び前記冷却板の側面
部を覆うように形成され、かつ、前記凹部を覆う耐熱・
耐蝕・絶縁性樹脂層の表面は、前記酸化剤極側の冷却基
板の表面中央部と同一平面をなすように構成されたこと
を特徴とするものである。
【0030】また、請求項7に記載の発明は、請求項5
記載の燃料電池において、この冷却板に隣接する単位電
池の酸化剤極側の冷却基板の表面及び燃料極側の冷却基
板の表面には、それぞれ前記側面部の上下端部より所定
長延伸した位置に少なくとも一つの凹部が設けられ、前
記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、前記凹部及び前記冷却
板の側面部を覆うように形成され、かつ、前記凹部を覆
う耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層の表面は、前記酸化剤極側
の冷却基板の表面中央部あるいは燃料極側の冷却基板の
表面中央部とそれぞれ同一平面をなすように構成された
ことを特徴とするものである。
【0031】上記のような構成を有する請求項6,7記
載の燃料電池によれば、冷却板の側面からの電解質の侵
入を防止することができるだけでなく、冷却板の単位電
池との接触面となる上下の表面に凹凸がないので、上下
の締付板によって積層方向に加わる面圧を、冷却板全面
に均一に加えることができ、冷却板と単位電池とを隙間
なく密着させることができる。したがって、面圧不均一
による電極・冷却板材料の強度劣化や反応ガスリークを
生じることのない、信頼性の高い燃料電池スタックを構
成することができる。
【0032】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請
求項7のいずれか一に記載の燃料電池において、前記冷
却板の上面端部もしくは下面端部、側面の少なくとも一
部に複数個の凹部を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0033】上記のような構成を有する請求項8に記載
の燃料電池によれば、冷却板と耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂
層との接着性が高められるため、燃料電池の長時間の運
転によって、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層が冷却板から剥
離するのを防止することができる。
【0034】請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請
求項7のいずれか一に記載の燃料電池において、前記耐
熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、フッ素樹脂を含むことを特
徴とするものである。
【0035】また、請求項10に記載の発明は、請求項
1乃至請求項7のいずれか一に記載の燃料電池におい
て、前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、PFA(テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビヒルエーテ
ル共重合体)を含むことを特徴とするものである。
【0036】さらに、請求項11に記載の発明は、請求
項1乃至請求項7のいずれか一に記載の燃料電池におい
て、前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、FEP(テトラ
フルオロエチン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)
を含むことを特徴とするものである。
【0037】上記のような構成を有する請求項9〜11
記載の燃料電池によれば、PFA、FEPなどのフッ素
樹脂を使用することにより、高い耐熱性・耐蝕性・絶縁
性を有する耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を容易に構成する
ことができる。
【0038】請求項12に記載の発明は、請求項1乃至
請求項7のいずれか一に記載の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂
層を形成するための冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法
において、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シートを加熱融着に
よって冷却板に接着して耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を形
成することを特徴とするものである。
【0039】また、請求項13に記載の発明は、請求項
1乃至請求項7のいずれか一に記載の耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂層を形成するための冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁処
理方法において、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シートを接着
剤によって冷却板に接着して耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層
を形成することを特徴とするものである。
【0040】さらに、請求項14に記載の発明は、請求
項1乃至請求項7のいずれか一に記載の耐熱・耐蝕・絶
縁性樹脂層を形成するための冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁
処理方法において、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂粉末を冷却
板に複数回塗装し、複数回焼き付けて耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂層を形成することを特徴とするものである。
【0041】上記のような構成を有する請求項12〜1
4記載の冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法によれば、
耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シートまたは耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂粉末を使用して、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を容
易かつ高精度に形成することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用して構成した
燃料電池の実施形態について、図1乃至図7を参照して
具体的に説明する。なお、図10及び図11に示した従
来例と同一部分には同一符号を付して、説明は省略す
る。
【0043】[1]第1実施形態…図1 [1−1]第1実施形態の構成 図1は、請求項1、2、8、9〜11および12記載の
発明を適用して構成した燃料電池の冷却板の第1実施形
態を示す図であり、特に、主要部である冷却板端部を示
す縦断面図である。この図1に示すように、本実施形態
の冷却板13の基本的な構成は、図10に示した従来例
と同様である。すなわち、上下の冷却基板(第1、第2
の冷却基板)21,22の接合面には、伝熱管23のサ
イズに合わせた半円形の伝熱管保持溝25がそれぞれ加
工されている。そして、この上下の伝熱管保持溝25に
よって形成される全円形の空洞部分に、銅あるいはステ
ンレスなどの金属製の伝熱管23が挿入されており、こ
の伝熱管23と伝熱管保持溝25との間には干渉防止用
の隙間26が設けられている。
【0044】また、このような基本的な構成に加えて、
本実施形態においては、上下の冷却基板21,22の、
接合面と反対側の上部表面(第1の表面)21aと下部
表面(第2の表面)22a、すなわち、上下に隣接する
単位電池11との接触面となる表面の縁部の一部に凹型
段差部(第1、第2の凹部)31,32がそれぞれ設け
られている。また、この凹型段差部31,32の一部に
は、溝31a,32a(請求項8に示す凹部に対応す
る)がそれぞれ設けられている。そして、この上部凹型
段差部31と、上下の冷却基板21,22の接合部24
を含む冷却板13の側面13aの一部、および下部凹型
段差部32を覆うようにして、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂
シート33が接着され、コ字型の耐熱・耐蝕・絶縁性樹
脂層を形成している。
【0045】この場合、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート
33の厚さと凹型段差部31,32の深さ寸法はほぼ一
致するように設定されている。また、耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂シート33は、PFA(テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビヒルエーテル共重合体)やF
EP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体)などのフッ素樹脂と、炭素、グラスファ
イバなどの充填剤からなる材料で構成されており、加熱
融着によって冷却板13に接着されている。すなわち、
PFAならばその融点である310℃付近まで加熱し、
また、FEPならばその融点である290℃付近まで加
熱して、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33を溶解し、
冷却板13に接着する。さらに、このような融着後に
は、隣接する単位電池11との接触面となる部分、すな
わち、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33の上下の凹型
段差部31,32を覆う部分の表面を平面状に整形す
る。
【0046】そして、このような耐熱・耐蝕・絶縁性樹
脂シート33の整形と、前述した凹型段差部31,32
との寸法関係とによって、冷却板13の上下には完全な
平面状の表面が形成されている。すなわち、耐熱・耐蝕
・絶縁性樹脂シート33の上部凹型段差部31を覆う部
分の表面と、上部冷却基板21の上部表面21aとは同
一平面を形成しており、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート
33の下部凹型段差部32を覆う部分の表面と、下部冷
却基板22の下部表面22aとは同一平面を形成してい
る。
【0047】なお、このようにして構成された冷却板1
3は、図9に示すような単位電池11およびセパレータ
12とともに、図8に示すような積層体1として構成さ
れる。さらに、このように構成された積層体1と、上下
の締付板2,3とによって電池スタック4が構成され、
この電池スタック4およびマニホールド5,6から、図
8に示すような電池本体が構成される。
【0048】[1−2]第1実施形態の作用と効果 次に、以上のように構成された本実施形態の冷却板13
を備えた燃料電池の作用と効果について説明する。ま
ず、図1に示す冷却板13を使用した燃料電池において
は、積層体1の単位電池11の側面から染み出した電解
質が、積層体1の側面を積層方向に伝わってきて、冷却
板13の側面13a部に達した場合でも、この電解質が
冷却板13内に侵入することはない。すなわち、本実施
形態においては、冷却板13の接合部24を含む側面1
3aに耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33が接着されて
いるため、電解質がこの冷却板13の側面13aの接合
部24に達することはできない。
【0049】特に、本実施形態においては、冷却板13
の側面13aと隣接する上部表面21aおよび下部表面
22aの縁部についても、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シー
ト33が接着されているため、冷却板13の上下方向か
ら伝わってくる電解質の冷却板13内部への侵入を確実
に防止することができる。したがって、冷却板13内部
への電解質の侵入を防止し、伝熱管23への電解質の付
着を防止することができるので、電解質に起因する冷却
板13の腐食を防止し、また、伝熱管23の漏水を防止
することができ、冷却板の品質を長期に亘って維持する
ことができる。
【0050】また、上下の凹型段差部31,32には、
溝31a,32aが設けられており、この溝31a,3
2a内に、溶解した耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33
の一部が充填されている。そのため、この部分におい
て、上下の冷却基板21,22と耐熱・耐蝕・絶縁性樹
脂シート33との接着性が高められている。したがっ
て、運転中の温度変化による上下の冷却基板21,22
と耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33の間の熱膨脹によ
る剥離を防止することができ、信頼性に優れている。
【0051】さらに、隣接する単位電池11との接触面
である冷却板13の上下の表面が良好な平面状に形成さ
れているため、上下の締付板2,3によって積層方向に
加わる面圧を、冷却板13の全面に均一に加えることが
でき、冷却板13と単位電池11とを隙間なく密着させ
ることができる。したがって、面圧不均一による電極・
冷却板材料の強度劣化や反応ガスリークを生じることの
ない、信頼性の高い燃料電池スタック4を構成すること
ができる。
【0052】以上説明したように、本実施形態の冷却板
13を使用することにより、燃料電池の運転において予
想される冷却板内部への電解質侵入による冷却板の腐食
を防止可能であり、長期に亘って安定した運転が可能
な、信頼性の高い燃料電池を実現することができる。
【0053】[2]第2実施形態…図2 [2−1]第2実施形態の構成 図2は、請求項1、4、9〜11および12記載の発明
を適用して構成した燃料電池の冷却板の第2実施形態を
示す図であり、特に、主要部である冷却板端部を示す縦
断面図である。この図2に示すように、本実施形態の冷
却板13の基本的な構成は、図10に示した従来例およ
び前述した第1実施形態と同様である。
【0054】すなわち、本実施形態においては、冷却板
13の側面13aの接合部24の一部に凹型段差部(凹
部)34が設けられている。そして、この凹型段差部3
4を含む冷却板13の側面13aの一部または全部を覆
うようにして、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33が接
着され、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を形成している。こ
の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33は、第1実施形態
の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33と同様の材料で構
成されており、同様に、加熱融着によって冷却板13に
接着されている。さらに、このような融着後には、隣接
する単位電池11との接触面となる部分、すなわち、耐
熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33の上下の各端面は、上
下の冷却基板21,22の上部表面21aおよび下部表
面22aと同一平面をなすように構成されている。そし
て、このようにして構成された冷却板13を使用して、
図8に示すような電池本体が構成される。
【0055】[2−2]第2実施形態の作用と効果 以上のように構成された本実施形態の冷却板13を備え
た燃料電池においては、第1実施形態と同様に、積層体
1の単位電池11の側面から染み出した電解質が、積層
体1の側面を積層方向に伝わってきて、冷却板13の側
面13a部に達した場合でも、この電解質が冷却板13
内に侵入することはない。すなわち、本実施形態におい
ては、冷却板13の接合部24を含む側面13aに耐熱
・耐蝕・絶縁性樹脂シート33が接着されているため、
電解質がこの冷却板13の側面13aの接合部24に達
することはできない。したがって、第1実施形態と同様
に、冷却板13内部への電解質の侵入を防止し、伝熱管
23への電解質の付着を防止することができるので、電
解質に起因する冷却板13の腐食を防止し、また、伝熱
管23の漏水を防止することができ、冷却板の品質を長
期に亘って維持することができる。
【0056】また、冷却板13の側面13aの接合部2
4には、凹型段差部34が設けられており、この凹型段
差部34内に、溶解した耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート
33の一部が充填されている。そのため、この部分にお
いて、上下の冷却基板21,22と耐熱・耐蝕・絶縁性
樹脂シート33との接着性が高められている。したがっ
て、運転中の温度変化による上下の冷却基板21,22
と耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33の間の熱膨脹によ
る剥離を防止することができ、信頼性に優れている。そ
してまた、このように、接合部24に設けた凹型段差部
34部分における接着性の向上は、耐熱・耐蝕・絶縁性
樹脂シート33による接合部24の遮蔽機能を高めるこ
とになるため、この点からも、冷却板13内部への電解
質の侵入をより確実に防止することができる。
【0057】さらに、第1実施形態と同様に、隣接する
単位電池11との接触面である冷却板13の上下の表面
が良好な平面状に形成されているため、上下の締付板
2,3によって積層方向に加わる面圧を、冷却板13の
全面に均一に加えることができ、冷却板13と単位電池
11とを隙間なく密着させることができる。したがっ
て、面圧不均一による電極・冷却板材料の強度劣化や反
応ガスリークを生じることのない、信頼性の高い燃料電
池スタック4を構成することができる。
【0058】しかも、本実施形態においては、耐熱・耐
蝕・絶縁性樹脂シート33の加熱融着用の凹型段差部3
4を、上下の冷却基板21,22の接合面側に設けてい
るため、伝熱管保持溝25と同時に加工することができ
る。したがって、第1実施形態に比べて、冷却基板2
1,22の上下の表面21a,22aの加工が不要であ
る分だけ、作業性に優れている。
【0059】以上説明したように、本実施形態の冷却板
13を使用することにより、第1実施形態と同様に、燃
料電池の運転において予想される冷却板内部への電解質
侵入による冷却板の腐食を防止可能であり、長期に亘っ
て安定した運転が可能な、信頼性の高い、作業性にも優
れた燃料電池を実現することができる。
【0060】[3]第3実施形態…図3 [3−1]第3実施形態の構成 図3は、請求項1、2、9〜11及び12の発明を適用
して構成した燃料電池の冷却板の第3実施形態を示す図
であり、特に、主要部である冷却板端部を示す縦断面図
である。この図3に示すように、本実施形態の冷却板1
3の基本的な構成は、図10に示した従来例及び前述し
た第1実施形態と同様である。また、前記冷却板13の
上面は、隣接する単位電池の酸化剤極の電極基板41と
接触し、一方、冷却板13の下面は、反対側に隣接する
単位電池の燃料極の電極基板42と接触している。
【0061】すなわち、本実施形態においては、冷却板
13の側面13aの接合部24の一部に凹型段差部(凹
部)34が設けられている。そして、前記第1実施形態
に示したと同様に、上部凹型段差部31と、上下の冷却
基板21,22の接合部24を含む冷却板13の側面1
3aおよび下部凹型段差部32を覆うようにして、耐熱
・耐蝕・絶縁性樹脂シート33が接着され、コ字型の耐
熱・耐蝕・絶縁性樹脂層が形成されている。
【0062】この耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート34
は、第1実施形態の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33
と同様の材料で構成されており、同様に、加熱融着によ
って冷却板13に接着されている。さらに、このような
融着後には、隣接する単位電池11との接触面となる部
分、すなわち、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33の上
下の各端面は、上下の冷却基板21,22の上部表面2
1aおよび下部表面22aと同一平面をなすように構成
されている。そして、このようにして構成された冷却板
13を使用して、図8に示すような電池本体が構成され
る。
【0063】[3−2]第3実施形態の作用と効果 以上のように構成された本実施形態の冷却板13を備え
た燃料電池においては、第1実施形態と同様に、積層体
1の単位電池11の側面から染み出した電解質が、積層
体1の側面を積層方向に伝わってきて、冷却基板13の
側面13aに達した場合でも、この電解質が冷却板13
内に侵入することはない。すなわち、本実施形態におい
ては、冷却板の接合部24の縁部に形成された凹型段差
部34に、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33が充填さ
れている上に、上下の冷却基板21,22の端部を覆う
ように、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33が接着され
ているため、電解質が冷却板13の側面13aの接合部
24に達することはできない。
【0064】したがって、第1実施形態と同様に、冷却
板13内部への電解質の侵入を防止し、伝熱管23への
電解質の付着を防止することができるので、電解質に起
因する冷却板13の腐食を防止し、また、伝熱管23の
漏水を防止することができ、冷却板の品質を長期に亘っ
て維持することができる。
【0065】また、冷却板13と隣接する酸化剤極の電
極基板の縁部41aに電食が生じても、この酸化剤極の
縁部41aと冷却板13の縁部は前記耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂シート33によって分離されているため、酸化剤
極の電位による影響はきわめて小さく、冷却板13の電
食を防止することができ、冷却板の品質を長期に亘って
維持することができる。
【0066】さらに、上下冷却基板21,22の接合部
24に設けられた凹部段差部34にも、冷却板の上下面
と側面部に接着した耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33
の一部が充填されている。その結果、この部分におい
て、上下冷却基板21,22の接合だけでなく、上下の
冷却基板21,22とそれを覆うように構成された耐熱
・耐蝕・絶縁性樹脂シート33との接着性が高められて
いる。
【0067】従って、運転中の温度変化による上下の冷
却基板21,22と耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33
の間の熱膨脹による剥離を防止することができ、信頼性
に優れている。そしてまた、このように、接合部24に
設けた凹型段差部34部分における接着性の向上は、耐
熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33による接合部24の遮
蔽機能を高めることになるため、この点からも、冷却板
13内部への電解質の侵入をより確実に防止することが
できる。
【0068】さらに、第1実施形態と同様に、隣接する
単位電池11との接着面である冷却板13の上下の表面
が良好な平面状に形成されているため、上下の締付板
2,3によって積層方向に加わる面圧を、冷却板13の
全面に均一に加えることができ、冷却板13と単位電池
11とを隙間なく密着させることができる。したがっ
て、面圧不均一による電極・冷却板材料の強度劣化や反
応ガスリークを生じることのない、信頼性の高い燃料電
池スタック4を構成することができる。
【0069】しかも、本実施形態においては、上下冷却
基板の接合面24に設けられた耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂
シート33の加熱融着用の凹型段差部34は、伝熱管保
持溝25と同一面上に設けられているため、両者を同時
に加工することができ、作業性にも優れている。
【0070】以上説明したように、本実施形態の冷却板
13を使用することにより、第1実施形態と同様に、燃
料電池の運転において予想される冷却板内部への電解質
侵入による冷却板及び伝熱管の腐食と、隣接する酸化剤
極の電極基板からの電食の進展を防止することができ、
長期に亘って安定した運転が可能な、信頼性の高い燃料
電池を実現することができる。
【0071】[4]第4実施形態…図4 [4−1]第4実施形態の構成 図4は、請求項5、6、9〜11及び12の発明を適用
して構成した燃料電池の冷却板の第4実施形態を示す図
であり、特に、主要部である冷却板端部を示す縦断面図
である。この図4に示すように、本実施形態の冷却板1
3の基本的な構成は、図11に示した従来例と同様であ
る。すなわち、冷却基板40は一部材から構成され、ま
た、冷却基板40には、その内部に貫通配置される伝熱
管23のサイズに合わせた断面形状が円形の伝熱管保持
溝25が設けられている。また、前記冷却板13の上面
は、隣接する単位電池の酸化剤極の電極基板41と接触
し、一方、冷却板13の下面は、反対側に隣接する単位
電池の燃料極の電極基板42と接触している。
【0072】このような基本的な構成に加えて、本実施
形態においては、隣接する酸化剤極の電極基板41との
接触面(図4では上面)となる冷却板の上部表面40a
の縁部の一部に、上部凹型段差部31が設けられてい
る。そして、この上部凹型段差部31と、冷却板13の
側面13aを覆うようにして、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂
シート33が接着され、L字型の耐熱・耐蝕・絶縁性樹
脂層が形成されている。
【0073】この場合、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート
33は、PFA(テトラフルオロエチレンーパーフルオ
ロアルキルビヒルエーテル共重合体)やFEP(テトラ
フルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合
体)などのフッ素樹脂と、炭素、グラスファイバなどの
充填剤からなる材料で構成されており、加熱融着によっ
て冷却板13に接着されている。
【0074】さらに、このような融着後には、前記上部
凹型段差部31を覆う部分の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シ
ート33の表面が、冷却板と隣接する単位電池4との接
触面となる冷却板上面40aと同一平面を形成するよう
に整形される。そして、このようにして構成された冷却
板13を使用して、図8に示すような電池本体が構成さ
れる。
【0075】[4−2]第4実施形態の作用と効果 次に、以上のように構成された本実施形態の冷却板13
を備えた燃料電池の作用と効果について説明する。ま
ず、図4に示す冷却板を使用した燃料電池においては、
積層体1の単位電池11の側面から染み出した電解質
が、積層体1の側面を積層方向に伝わってきて、冷却板
13の側面13aに達した場合でも、この電解質が冷却
板13内に侵入することはない。すなわち、本実施形態
においては、冷却板13内部への電解質の侵入を防止
し、伝熱管23への電解質の付着を防止することができ
るため、電解質に起因する冷却板13の腐食を防止し、
また、伝熱管23の漏水を防止することができ、冷却板
の品質を長期に亘って維持することができる。
【0076】また、冷却板13と隣接する酸化剤極の電
極基板の縁部41aに電食が生じても、この酸化剤極の
縁部41aと冷却板13の縁部は前記耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂シート33によって分離されているため、酸化剤
極の電位による影響はきわめて小さく、冷却板13の電
食を防止することができ、冷却板の品質を長期に亘って
維持することができる。
【0077】さらに、隣接する単位電池11との接触面
である冷却板の上部表面40aが良好な平面状に形成さ
れているため、上下の締付板2,3と単位電池11とを
隙間なく密着させることができる。したがって、面圧不
均一による電極・冷却板材料の強度劣化や反応ガスリー
クを生じることのない、信頼性の高い燃料電池スタック
4を構成することができる。
【0078】以上説明したように、本実施形態の冷却板
を使用することにより、燃料電池の運転において予想さ
れる冷却板内部への電解質侵入による冷却板及び伝熱管
の腐食と、隣接する酸化剤極の電極基板からの電食の進
展を防止することができ、長期に亘って安定した運転が
可能な、信頼性の高い燃料電池を実現することができ
る。
【0079】[5]他の実施形態 本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではな
く、他にも多種多様の変形例を同様に実施できる。
【0080】例えば、第1実施形態の変形例として、下
部冷却基板22には下部凹型段差部32を設けずに、上
部冷却基板21にのみ上部凹型段差部31を設けて、こ
の上部凹型段差部31と冷却板13の側面13aを覆う
ようにして耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33を接着
し、L字型の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を形成する構成
も可能である。電解質は、主に、冷却板13の上部から
伝わってくるため、このように構成した場合にも、第1
実施形態と同様に電解質の侵入を十分防止することがで
きる。
【0081】また、図5に示したように、上記第1乃至
第3実施形態を組み合わせて、上下の冷却基板21,2
2の上下の表面21a,22aの縁部に凹型段差部3
1,32を設けるとともに、これらの凹型段差部31,
32にさらに複数個の凹型の溝31a,32aを設け、
さらに、冷却板13の側面13aの接合部24にも凹型
段差部34を設け、上部凹型段差部31と、上下の冷却
基板21,22の接合部24を含む冷却板13の側面1
3aおよび下部凹型段差部32を覆うようにして、耐熱
・耐蝕・絶縁性樹脂シート33を接着する構成も可能で
ある。このように構成した場合には、第1乃至第3実施
形態のいずれよりもさらに接着性を向上することができ
るが、その反面、融着後の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シー
ト33の整形が必要となり、また、上下部の凹型段差部
にさらに溝を形成する必要があるので、作業性は低下す
る。
【0082】さらに、上記第4実施形態の変形例とし
て、図6に示すように、隣接する酸化剤極の電極基板4
1との接触面(図6では上面)となる冷却板上面40a
の端部において、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート33を
接着するための凹型段差部31をなくし、冷却板側面1
3aのみを覆うようにして、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シ
ート33を接着する構成も可能である。電解質は、主
に、冷却板の上面から伝わってくるため、隣接する単位
電池11との接触面に隙間がなければ、第4実施形態と
同様に電解質の侵入を十分防止することができる。
【0083】また、上記第1実施形態の変形例として、
図7に示すように、伝熱管23と冷却基板40が一体化
された構造である冷却板に、コ字型の耐熱・耐蝕・絶縁
性樹脂層を設ける構成も可能である。この場合、第1実
施形態と同様に、単位電池と隣接する冷却基板の上下面
40a,40bの縁部に、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層3
3を接着するための段差部31,32を形成し、耐熱・
耐蝕・絶縁性樹脂層33は、上部の凹型段差部31と冷
却板側面13a及び下部凹型段差部32を覆うように構
成される。そして、隣接する単位電池11との接触面と
なる部分、すなわち、冷却板上面の耐熱・耐蝕・絶縁性
樹脂シート33において、冷却板上部の段差部31を覆
う部分の表面と冷却基板40の上部表面40aとが同一
平面を形成するように構成されている。同様に、冷却板
下面の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シートにおいて、冷却板
下部の段差部32を覆う部分の表面と冷却基板40の下
部表面40bとが同一平面を形成するように構成されて
いる。
【0084】さらに、冷却板13端部に耐熱・耐蝕・絶
縁性樹脂シート33を加熱融着する代わりに、請求項1
3記載の発明を適用し、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート
33を接着剤によって冷却板13に接着する構成も可能
である。すなわち、例えば、第1実施形態の上下の冷却
基板21,22端部の上下の凹型段差部31,32にフ
ッ素ゴムを複数回塗り、これを接着剤として、耐熱・耐
蝕・絶縁性樹脂シート33を接着する構成が可能であ
る。
【0085】そしてまた、請求項14記載の発明を適用
し、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂粉末を使用して耐熱・耐蝕
・絶縁性樹脂層を形成する構成も可能である。すなわ
ち、例えば、第1実施形態の上下の冷却基板21,22
端部の上下の凹型段差部に31,32に耐熱・耐蝕・絶
縁性樹脂粉末を複数回塗装し、複数回焼き付けることに
より、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を構成することも可能
である。
【0086】請求項8の発明である上記凹型段差部に形
成する溝も、冷却板の上面または下面だけでなく側面に
設けても同様の効果を得ることができる。また、第4実
施形態に示したように、隣接する酸化剤極の電極基板と
の接触面と冷却板側面をL字型に接着する場合に適用し
ても、同様の効果が得られる。
【0087】なお、耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を構成す
るための材料は、フッ素樹脂に限定されるものではな
く、耐酸性及び絶縁性を有する樹脂であれば、フッ素樹
脂以外の樹脂やゴムを用いた場合でも、同様の効果を得
ることができる。
【0088】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、冷却板の側面における冷却基板の接合部、冷却板の
側面、あるいは隣接する単位電池との接触面端部に、耐
熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を設けることにより、燃料電池
の運転において予想される、冷却板内部への電解質侵入
による冷却板及び伝熱管の腐食を防止することができ、
さらに、隣接する酸化剤極の電食の進展による冷却板の
電食の防止が可能となり、長期に亘って安定した運転が
可能な、信頼性の高い燃料電池を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池の冷却板の第1実施
形態を示す縦断面図
【図2】本発明を適用した燃料電池の冷却板の第2実施
形態を示す縦断面図
【図3】本発明を適用した燃料電池の冷却板の第3実施
形態を示す縦断面図
【図4】本発明を適用した燃料電池の冷却板の第4実施
形態を示す縦断面図
【図5】本発明を適用した燃料電池の冷却板の他の実施
形態を示す縦断面図
【図6】本発明を適用した燃料電池の冷却板の他の実施
形態を示す縦断面図
【図7】本発明を適用した燃料電池の冷却板の他の実施
形態を示す縦断面図
【図8】従来の燃料電池本体の典型的な一例を示す縦断
面図
【図9】図8に示した積層体を構成する基本的な構成要
素の一例を示す分解斜視図
【図10】従来の燃料電池の冷却板の一例(2枚の冷却
基板を張り合わせて構成)を示す斜視図
【図11】従来の燃料電池の冷却板の他の例(伝熱管と
冷却基板が一体に構成)を示す斜視図
【符号の説明】
1…積層体 2,3…締付板 4…燃料電池スタック 5,6…マニホールド 11…単位電池 12…セパレータ 13…冷却板 13a…側面 14…マトリックス層 15…燃料極 16…酸化剤極 17…触媒層 18…溝 21,22…冷却基板 21a,22a…表面 23…伝熱管 24…接合部 25…伝熱管保持溝 26…隙間 27…集合給水管 31,32,34…凹型段差部 31a,32a…溝 33…耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シート 40…冷却基板 41…酸化剤極の電極基板 42…燃料極の電極基板

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料流通路を有する燃料極と酸化剤流通
    路を有する酸化剤極との間に電解質を保持するマトリッ
    クス層が挟持されてなる複数の単位電池が、セパレータ
    を介して積層され、所定数の単位電池毎に、冷媒を供給
    ・排出する冷却板が挿入された燃料電池において、 前記冷却板は、互いに接合された第1、第2の冷却基板
    と、この第1、第2の冷却基板の間に埋設されて冷媒を
    流す伝熱管を有し、 前記冷却板の少なくとも側面部は、耐熱・耐蝕・絶縁性
    樹脂層によって覆われていることを特徴とする燃料電
    池。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2の冷却基板相互の対向面
    と反対側に位置する各々の表面上には、前記側面部の上
    下端部より所定長延伸した位置に少なくとも一つの凹部
    が設けられ、 前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、前記凹部及び前記冷
    却板の側面部を覆うように形成され、かつ、前記凹部を
    覆う耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層の表面は、前記第1、第
    2の冷却基板の対向面と反対側に位置する各々の中央部
    表面と同一平面をなすように構成されたことを特徴とす
    る請求項1記載の燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2の冷却基板の対向面と反
    対側に位置する各々の表面のいずれか一方には、前記側
    面部の上下端部より所定長延伸した位置に少なくとも一
    つの凹部が設けられ、 前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、前記凹部及び前記冷
    却板の側面部を覆うように形成され、かつ、前記凹部を
    覆う耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層の表面は、前記第1、第
    2の冷却基板の対向面と反対側に位置する各々の中央部
    表面と同一平面をなすように構成されたことを特徴とす
    る請求項1記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記第1、第2の冷却基板の対向面端部
    に、相互の対向面が所定距離離間するように切り欠き部
    を設け、 前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、前記切り欠き部相互
    により形成される凹部を含む前記冷却板の側面部を覆う
    ように形成され、かつ、その上下両端面は、前記第1、
    第2の冷却基板の接合面と反対側に位置する両表面中央
    部とそれぞれ同一平面をなすように構成されたことを特
    徴とする請求項1記載の燃料電池。
  5. 【請求項5】 燃料流通路を有する燃料極と酸化剤流通
    路を有する酸化剤極との間に電解質を保持するマトリッ
    クス層が挟持されてなる複数の単位電池が、セパレータ
    を介して積層され、所定数の単位電池毎に、冷媒を供給
    ・排出する冷却板が挿入された燃料電池において、 前記冷却板は、一体形成部材からなる冷却基板と、その
    内部に埋設されて冷媒を流す伝熱管を有し、 前記冷却板の少なくとも側面部は、耐熱・耐蝕・絶縁性
    樹脂層によって覆われていることを特徴とする燃料電
    池。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の冷却板において、この冷
    却板に隣接する単位電池の酸化剤極側の冷却基板の表面
    には、前記側面部の上下端部より所定長延伸した位置に
    凹部が設けられ、 前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、前記凹部及び前記冷
    却板の側面部を覆うように形成され、かつ、前記凹部を
    覆う耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層の表面は、前記酸化剤極
    側の冷却基板の表面中央部と同一平面をなすように構成
    されたことを特徴とする請求項5記載の燃料電池。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の冷却板において、この冷
    却板に隣接する単位電池の酸化剤極側の冷却基板の表面
    及び燃料極側の冷却基板の表面には、それぞれ前記側面
    部の上下端部より所定長延伸した位置に、少なくとも一
    つの凹部が設けられ、 前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、前記凹部及び前記冷
    却板の側面部を覆うように形成され、かつ、前記凹部を
    覆う耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層の表面は、前記酸化剤極
    側の冷却基板の表面中央部あるいは燃料極側の冷却基板
    の表面中央部とそれぞれ同一平面をなすように構成され
    たことを特徴とする請求項5記載の燃料電池。
  8. 【請求項8】 前記冷却板の上面端部もしくは下面端
    部、側面の少なくとも一部に複数個の凹部を設けたこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載
    の燃料電池。
  9. 【請求項9】 前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、フッ
    素樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7の
    いずれか一に記載の燃料電池。
  10. 【請求項10】 前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、P
    FA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
    ビヒルエーテル共重合体)を含むことを特徴とする請求
    項1乃至請求項7のいずれか一に記載の燃料電池。
  11. 【請求項11】 前記耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層は、F
    EP(テトラフルオロエチン−ヘキサフルオロプロピレ
    ン共重合体)を含むことを特徴とする請求項1乃至請求
    項7のいずれか一に記載の燃料電池。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項7のいずれか一に
    記載の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を形成するための冷却
    板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法において、 耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シートを加熱融着によって冷却
    板に接着して耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を形成すること
    を特徴とする冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項7のいずれか一に
    記載の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を形成するための冷却
    板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法において、 耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂シートを接着剤によって冷却板
    に接着して耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を形成することを
    特徴とする冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項7のいずれか一に
    記載の耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を形成するための冷却
    板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法において、 耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂粉末を冷却板に複数回塗装し、
    複数回焼き付けて耐熱・耐蝕・絶縁性樹脂層を形成する
    ことを特徴とする冷却板の耐熱・耐蝕・絶縁処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006318703A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Kojima Press Co Ltd 電池パック
WO2020022538A1 (ko) * 2018-07-26 2020-01-30 (주) 화인테크 용융탄산염 연료전지용 매니폴드 절연체의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 경면의 음각부를 갖는 용융탄산염 연료전지용 매니폴드 절연체

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