JP2011060511A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱に起因する膨張・収縮によるセパレータの歪みを抑制し、発電効率および耐久性の向上を図ることができる燃料電池の提供を目的とする。
【解決手段】挟持部21と反応ガス橋架部22,26との連結部25,29は、挟持部21周縁の接線方向と反応ガス橋架部22,26周縁の接線方向とが同一方向となるように連結されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される燃料電池に関する。
通常、固体電解質型燃料電池(SOFC)は、電解質に酸化物イオン導電体、例えば、安定化ジルコニアを用いており、この電解質の両側にアノード電極およびカソード電極を配設した電解質・電極接合体(MEA)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持している。この燃料電池は、通常、電解質・電極接合体とセパレータとが所定数だけ積層された燃料電池スタックとして使用されている。
近時では、平板シールレス型の固体電解質型燃料電池が開発されている。このシールレス型の燃料電池では、シール型の燃料電池に比較して、構造が簡素化され、電解質・電極接合体に付与される荷重も緩和される等の利点がある。
ここで、特許文献1〜3には、セパレータのマニホールド部分と発電セルが位置する部分とを繋ぐ連絡部分に荷重に対する可撓性を持たせる技術が開示されている。これにより、セパレータに掛かる荷重をマニホールド部分と発電セルが位置する部分とに分離することができ、各々が好適に加重されるようになるとされている。
特開2006−120589号公報 特開2008−218278号公報 特開2008−251236号公報
ところで、上述した固体電解質型燃料電池は高温型燃料電池であり、発電時においては燃料電池スタックの温度が600度〜800度程度まで上昇する。すると、この熱に起因してセパレータが膨張・収縮し、セパレータには例えば面方向に沿う応力(熱応力)が発生する。この場合、上述した特許文献1〜3の構成では、セパレータに作用する面方向に沿う応力を許容することができず、特にセパレータのマニホールド部分と発電セルが位置する部分とを繋ぐ連結部分や、連結部分の折れ曲がり箇所に応力が集中する。その結果、セパレータに熱歪等が生じて、セパレータが燃料電池の積層方向に変形する虞がある。
そして、セパレータが燃料電池の積層方向に変形することで、セパレータと発電セルとの間に隙間が生じて両者間の密着性が低下し、発電セルで発電された電力を効率的に集電することができなくなり、発電性能の低下に繋がる虞がある。また、セパレータから発電セルに対して偏荷重が作用し、発電セルの耐久性を損なう虞がある。さらに、マニホールド部分と発電セルとの連結部分が変形する虞もある。この場合、マニホールド部分と発電セルとの間の反応ガス(燃料ガス・酸化剤ガス)の流路が閉塞または破損して、発電セルに対して所望の流量の反応ガスを供給することができなくなってしまう。
そこで本発明は、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータの歪みを抑制し、発電効率および耐久性の向上を図ることができる燃料電池の提供を目的とする。
本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される燃料電池である。
前記セパレータは、前記電解質・電極接合体を挟持するとともに、前記アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス通路、および前記カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が個別に設けられ、使用済みの前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスを前記電解質・電極接合体の周縁部から排出させる挟持部と、前記挟持部に連結され、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に又は前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための反応ガス供給通路が形成される橋架部と、前記橋架部に連結され、前記燃料ガス又は前記酸化剤ガスを前記反応ガス供給通路に供給するための反応ガス供給連通孔が前記電解質・電極接合体の積層方向に形成される反応ガス供給部と、を備えている。
そして、前記挟持部と前記橋架部との連結部は、前記挟持部周縁の接線方向と前記橋架部周縁の接線方向とが同一方向となるように連結されている。
本発明によれば、反応ガス供給部と挟持部との間で、橋架部を介して積層方向の締め付け荷重が遮断される。これにより、電解質・電極接合体に所望の荷重を付与することができる。このため、簡単且つコンパクトな構成で、シール性が要求される部位(反応ガス供給部)には、比較的大きな荷重を付与する一方、電解質・電極接合体には、挟持部との密着性を高める程度の比較的小さな荷重を付与することが可能になる。これにより、反応ガス供給部において所望のシール性を確保するとともに、電解質・電極接合体の損傷を可及的に阻止し、効率的な発電および集電が遂行される。
そして、挟持部と橋架部との連結部を、挟持部周縁の接線方向と橋架部周縁の接線方向とが同一方向となるように連結することで、橋架部に発生するセパレータの面方向の応力(歪力)は、挟持部の接線方向に沿って作用し、挟持部の面方向の回転力に変換されることになる。すなわち、挟持部が橋架部に発生する応力によって僅かながら回転することで、橋架部に作用する応力を吸収して、連結部等に応力が集中することを抑制することができる。
したがって、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータの歪みを抑制することができるため、セパレータと電解質・電極接合体との密着性を維持することができ、効率的な発電および集電が遂行される。さらに、セパレータから電解質・電極接合体に偏荷重が作用することもないので、電解質・電極接合体の損傷を防止することもでき、電解質・電極接合体の耐久性も向上させることができる。また、橋架部の変形を防止することができるため、電解質・電極接合体に対して、常に所望の流量の反応ガスを供給することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
前記挟持部は、円板形状に形成され、前記橋架部は、前記挟持部の円弧よりも大きい円弧を持つ形状に設定されることが好ましい。
本発明によれば、橋架部に発生するセパレータの面方向の応力は、橋架部の円弧の接線方向に伝わり、挟持部におけるセパレータの面方向の回転力に変換され易くなるので、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータの歪みを抑制することができる。
前記橋架部と前記反応ガス供給部との連結部は、前記橋架部周縁の接線方向と前記反応ガス供給部周縁の接線方向とが同一方向となるように連結されることが好ましい。
本発明によれば、反応ガス供給部に発生するセパレータの面方向の応力の一部は、反応ガス供給部にも作用する。この場合、橋架部に発生するセパレータの面方向の応力は、反応ガス供給部の接線方向に沿って作用し、反応ガス供給部の面方向の回転力に変換されることになる。すなわち、挟持部が橋架部に発生する応力によって僅かながら回転することで、橋架部に作用する応力を吸収して、連結部等に応力が集中することを抑制することができるので、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータの歪みを抑制することができる。
前記反応ガス供給部は、円板形状に形成され、前記橋架部は、前記反応ガス供給部の円弧よりも大きい円弧を持つ形状に設定されることが好ましい。
本発明によれば、橋架部に発生するセパレータの面方向の応力の一部は、橋架部の円弧の接線方向に伝わり、反応ガス供給部におけるセパレータの面方向の回転力に変換され易くなるので、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータの歪みを抑制することができる。
前記挟持部は、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給する燃料ガス供給孔と、前記燃料ガス通路側の周縁部に、前記燃料ガス通路側に突出して前記アノード電極の周縁部に接触する第1周縁凸部と、前記燃料ガス通路を通って使用された前記燃料ガスを排出する燃料ガス排出孔と、前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給する酸化剤ガス供給孔と、前記酸化剤ガス通路側の周縁部に、前記酸化剤ガス通路側に突出して前記カソード電極の周縁部に接触する第2周縁凸部と、前記酸化剤ガス通路を通って使用された前記酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出孔と、を備え、一の前記燃料ガス排出孔と他の前記燃料ガス排出孔のうちの一つとは、前記挟持部を中心とした点対称な位置に設定されるとともに、一の前記酸化剤ガス排出孔と他の前記酸化剤ガス排出孔のうちの一つとは、前記挟持部を中心とした点対称な位置に設定されることが好ましい。
本発明によれば、燃料ガス供給孔から燃料ガス通路に供給された燃料ガスは、第1周縁凸部によって外部に吹き抜けすることを阻止される。このため、燃料ガスを発電反応に有効に利用することが可能になり、燃料利用率が良好に向上する。しかも、電解質・電極接合体の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極に回り込むことを、第1周縁凸部によって阻止することができる。これにより、アノード電極の酸化による発電効率の低下を防止するとともに、セパレータや電解質・電極接合体の耐久性の向上が容易に図られる。
また、酸化剤ガス供給孔から酸化剤ガス通路に供給された酸化剤ガスは、第2周縁凸部によって外部に吹き抜けすることを阻止される。このため、酸化剤ガスを発電反応に有効に利用することが可能になる。しかも、電解質・電極接合体の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極に回り込むことを、第2周縁凸部によって阻止することができる。これにより、カソード電極の還元による発電効率の低下を防止するとともに、セパレータや電解質・電極接合体の耐久性の向上が容易に図られる。
さらに、第1周縁凸部および第2周縁凸部を介して、良好な集電効果が得られる。しかも、第1周縁凸部と第2周縁凸部との間で、積層方向の荷重を確実に伝達することができ、セパレータと電解質・電極接合体との密着性が高まるため、より良好な集電効果が得られ、発電効率の向上が図られる。
そして、一の燃料ガス排出孔と他の燃料ガス排出孔のうちの一つとを、挟持部を中心として点対称な位置に設定するとともに、一の酸化剤ガス排出孔と他の酸化剤ガス排出孔のうちの一つとを、挟持部を中心とした点対称な位置に設定することにより、挟持部周縁部から使用後(反応・未反応含む)の反応ガス(燃料ガス・酸化剤ガス)を偏りなくほぼ均等に排出することができる。したがって、挟持部および挟持部周辺の温度分布の差を抑制できるので、熱に起因する膨張・収縮を偏りなくほぼ均等にすることができ、セパレータの応力が一箇所に集中することを抑制できる。
前記燃料ガス排出孔と前記酸化剤ガス排出孔は、位相を異にして形成されることが好ましい。
本発明によれば、燃料ガス排出孔と酸化剤ガス排出孔は位相を異にして形成されているので、電解質・電極接合体の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、アノード電極の酸化による発電効率の低下を防止するとともに、セパレータや電解質・電極接合体の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
また、電解質・電極接合体の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、カソード電極の還元による発電効率の低下を防止するとともに、セパレータや電解質・電極接合体の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
しかも、排出された燃料ガス(未使用)と酸化剤ガス(未使用)は、挟持部周辺で燃えるので、燃料電池(挟持部)を予め加熱することができ、熱効率の向上と熱自立の促進とを図ることができる。ここで、熱自立とは、外部から熱を加えることなく自ら発生する熱のみで燃料電池の動作温度を維持することをいう。
前記燃料ガス排出孔の開口断面積の総和は、前記酸化剤ガス排出孔の開口断面積の総和よりも小さく設定されることが好ましい。
また、前記燃料ガス排出孔の数は、前記酸化剤ガス排出孔の数よりも少なく設定されることが好ましい。
本発明によれば、通常、反応ガスの空燃比(A/F)>1.0で運転される燃料電池において、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力差・圧力損失差が低減される。そのため、電解質・電極接合体の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極に回り込むことを、更に阻止することができるとともに、電解質・電極接合体の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、セパレータや電解質・電極接合体の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
前記燃料ガス排出孔は、前記挟持部の中央部から前記セパレータの面方向に等角度間隔ずつ離間して放射状に設定されることが好ましい。
また、前記酸化剤ガス排出孔は、前記挟持部の中央部から前記セパレータの面方向に等角度間隔ずつ離間して放射状に設定されることが好ましい。
本発明によれば、燃料ガスがアノード電極全域に行き渡り、且つ、使用された燃料ガスの排出が特定の燃料ガス排出孔に偏ることがない。また、酸化剤ガスがカソード電極全域に行き渡り、且つ、使用された酸化剤ガスの排出が特定の酸化剤ガス排出孔に偏ることがない。そのため、発電時に電解質・電極接合体の表面に、燃料ガス又は酸化剤ガスの濃度差に起因する発電差が生じ難く、発電差に起因する温度差が生じ難い。したがって、電解質・電極接合体の耐久性の向上が期待できる。
前記燃料ガス供給孔の開口断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給孔の開口断面積の総和よりも小さく設定されることが好ましい。
また、前記燃料ガス供給孔の数は、前記酸化剤ガス供給孔の数よりも少なく設定されることが好ましい。
また、前記燃料ガス通路の体積は、前記酸化剤ガス通路の体積よりも小さく設定されることが好ましい。
本発明によれば、通常、反応ガスの空燃比(A/F)>1.0で運転される燃料電池において、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力差・圧力損失差が低減される。そのため、電解質・電極接合体の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極に回り込むことを、更に阻止することができるとともに、電解質・電極接合体の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、セパレータや電解質・電極接合体の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
前記挟持部は、前記燃料ガス通路側に突出して前記アノード電極に接触する複数の突起部が設けられることが好ましい。
また、前記挟持部は、前記酸化剤ガス通路側に突出して前記カソード電極に接触する複数の突起部が設けられることが好ましい。
本発明によれば、複数の突起部により良好な集電効果が得られるとともに、各突起部間に形成される燃料ガス通路に沿って、燃料ガスおよび燃料排ガスの流通性を向上させることができる。また、各突起部間に形成される酸化剤ガス通路に沿って、酸化剤ガスおよび酸化剤排ガスの流通性を向上させることができる。
前記挟持部は、前記燃料ガス通路側に突出して前記アノード電極に接触する複数の突起部が設けられるとともに、前記酸化剤ガス通路側に突出して前記カソード電極に接触する複数の突起部が設けられ、前記アノード電極側の突起部と前記カソード電極側の突起部とは、前記セパレータの積層方向に沿って同一の位相に配列される数が、同一の位相以外に配列される数よりも多数に設定されることが好ましい。
本発明によれば、アノード電極側突起部とカソード電極側突起部との間で、積層方向の荷重を確実に伝達することができ、電解質・電極接合体とセパレータとの密着性が向上するとともに、電解質・電極接合体で発電された電力を効率的に集電することができる。
前記橋架部は、前記挟持部に連結されるとともに、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給通路が形成される燃料ガス橋架部と、前記挟持部に連結されるとともに、前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給通路が形成される酸化剤ガス橋架部と、を備え、前記反応ガス供給部は、前記燃料ガス橋架部に連結されるとともに、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給通路に供給するための燃料ガス供給連通孔が前記積層方向に形成される燃料ガス供給部と、前記酸化剤ガス橋架部に連結されるとともに、前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス供給通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が前記積層方向に形成される酸化剤ガス供給部と、を備え、前記燃料ガス橋架部と前記酸化剤ガス橋架部とは、前記挟持部を中心とした点対称な位置に設定されるとともに、前記燃料ガス供給部と前記酸化剤ガス供給部とは、前記挟持部を中心とした点対称な位置に設定されることが好ましい。
本発明によれば、燃料ガス供給部と挟持部との間で、燃料ガス橋架部を介して積層方向の締め付け荷重が遮断される。また、酸化剤ガス供給部と挟持部との間で、酸化剤ガス橋架部を介して積層方向の締め付け荷重が遮断される。これにより、電解質・電極接合体に所望の荷重を付与することができる。このため、簡単且つコンパクトな構成で、シール性が要求される部位(燃料ガス供給部・酸化剤ガス供給部)には、比較的大きな荷重を付与する一方、電解質・電極接合体には、挟持部との密着性を高める程度の比較的小さな荷重を付与することが可能になる。これにより、燃料ガス供給部および酸化剤ガス供給部において所望のシール性を確保するとともに、電解質・電極接合体の損傷を可及的に阻止し、効率的な発電および集電が遂行される。
そして、燃料ガス橋架部と酸化剤ガス橋架部とを、挟持部を中心とした点対称な位置に設定するとともに、燃料ガス供給部と酸化剤ガス供給部とを、挟持部を中心とした点対称な位置に設定することにより、橋架部(燃料ガス橋架部・酸化剤ガス橋架部)に発生するセパレータの面方向の応力が、挟持部を中心とするセパレータの面方向の回転力に変換され易くなる。したがって、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータの歪みを抑制することができるため、セパレータと電解質・電極接合体との密着性を維持することができ、効率的な発電および集電が遂行される。さらに、セパレータから電解質・電極接合体に偏荷重が作用することもないので、電解質・電極接合体の損傷を防止することもでき、電解質・電極接合体の耐久性も向上させることができる。また、橋架部の変形を防止することができるため、電解質・電極接合体に対して、常に所望の流量の反応ガスを供給することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
前記燃料ガス供給通路の断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給通路の断面積の総和よりも小さく設定されることが好ましい。
前記燃料ガス供給連通孔の断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給連通孔の断面積の総和よりも小さく設定されることが好ましい。
本発明によれば、通常、反応ガスの空燃比(A/F)>1.0で運転される燃料電池において、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力差・圧力損失差が低減される。そのため、電解質・電極接合体の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極に回り込むことを、更に阻止することができるとともに、電解質・電極接合体の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、セパレータや電解質・電極接合体の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
前記燃料ガス供給部は、前記セパレータの中央部に設けられるとともに、前記燃料ガス供給部を中心に複数の前記電解質・電極接合体が同心円上に配列されることが好ましい。
本発明によれば、燃料ガス供給部がセパレータの中央部に設けられるので、燃料電池に供給される燃料ガスを発電による発生熱によって良好に加熱可能になる。したがって、燃料電池は、熱効率の向上と熱自立の促進とを図ることができる。ここで、熱自立とは、外部から熱を加えることなく自ら発生する熱のみで燃料電池の動作温度を維持することをいう。
その上、燃料ガス供給部を中心に複数の電解質・電極接合体が同心円上に配列されるので、燃料ガス供給部から各電解質・電極接合体に対して燃料ガスを均等に分配することができ、各電解質・電極接合体の発電性能の向上および安定化が図られる。
複数の前記燃料電池を積層した場合に、前記各燃料電池において同心円上に配列された前記各電解質・電極接合体が、それぞれ前記燃料電池の積層方向に沿って同一の位相に配列されることが好ましい。
本発明によれば、電解質・電極接合体に付与される荷重が不足することがないので、電解質・電極接合体とセパレータとの密着性が向上し、電解質・電極接合体で発電された電力を効率的に集電することができる。
前記挟持部は、前記各電解質・電極接合体に対応した形状を有するとともに、前記各挟持部は、互いに分離して構成されることが好ましい。
本発明によれば、挟持部は電解質・電極接合体に対応した形状を有するため、電解質・電極接合体で発電された電力を効率的に集電することができる。
しかも、各挟持部は互いに分離して構成されるので、隣接する電解質・電極接合体に独立して積層方向の荷重を付与することができる。このため、電解質・電極接合体やセパレータの寸法誤差によって各電解質・電極接合体に発生する異なる荷重を吸収することが可能になる。したがって、セパレータ全体に歪みが惹起されることを阻止し、各電解質・電極接合体に対して均等な荷重を付与することができる。その上、各電解質・電極接合体の熱歪み等は、隣接する他の電解質・電極接合体に伝達されることがなく、電解質・電極接合体間には、特別な寸法吸収機構を設ける必要がない。これにより、各電解質・電極接合体同士を近接して配置することが可能になり、燃料電池全体の小型化が容易に図られる。
前記燃料ガス橋架部は、前記燃料ガス供給部から外方に等角度間隔ずつ離間して放射状に構成されることが好ましい。
本発明によれば、燃料ガス供給部から各燃料ガス橋架部を介して各電解質・電極接合体に対して燃料ガスを均等に供給することができ、各電解質・電極接合体の発電性能の向上及び安定化を図ることが可能になる。
前記セパレータは、前記挟持部、前記燃料ガス橋架部および前記酸化剤ガス橋架部が前記電解質・電極接合体の数に対応する数に設定されることが好ましい。
本発明によれば、燃料ガス供給部から各燃料ガス橋架部および各挟持部を介して各電解質・電極接合体に燃料ガスを均等に供給することができ、各電解質・電極接合体の発電性能の向上および安定化を図ることが可能になる。
前記挟持部に連結され、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給通路、および前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給通路が形成される前記橋架部と、前記橋架部に連結され、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給通路に供給するための燃料ガス供給連通孔、および前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス供給通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が前記積層方向に形成される前記反応ガス供給部と、を備えることが好ましい。
本発明によれば、反応ガス供給部と挟持部との間は、橋架部を介して積層方向の締め付け荷重が遮断されるため、電解質・電極接合体に所望の荷重を付与することができる。
このため、簡単且つコンパクトな構成で、シール性が要求される部位には、比較的大きな荷重を付与する一方、電解質・電極接合体には、挟持部との密着性を高める程度の比較的小さな荷重を付与することが可能になる。これにより、反応ガス供給部において所望のシール性を確保するとともに、電解質・電極接合体の損傷を可及的に阻止し、効率的な発電および集電が遂行される。
さらに、橋架部には燃料ガス供給通路および酸化剤ガス供給通路が形成されている。したがって、燃料ガスおよび酸化剤ガスは、電解質・電極接合体に供給される前に相互の温度差が低減され、電解質・電極接合体の安定した発電が可能になる。
しかも、反応ガス供給部には燃料ガス供給連通孔および酸化剤ガス供給連通孔が形成されている。このため、燃料ガスおよび酸化剤ガスは、電解質・電極接合体に供給される前に相互の温度差が低減され、電解質・電極接合体の安定した発電が可能になる。
その上、シール性が要求される燃料ガス供給連通孔および酸化剤ガス供給連通孔は、反応ガス供給部に集約されている。これにより、反応ガス供給部に所望のシール性を確保するとともに、電解質・電極接合体の損傷を可及的に阻止し、効率的な発電および集電が遂行可能になる。
前記燃料ガス供給通路の断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給通路の断面積の総和よりも小さく設定されることが好ましい。
前記燃料ガス供給連通孔の断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給連通孔の断面積の総和よりも小さく設定されることが好ましい。
本発明によれば、通常、反応ガスの空燃比(A/F)>1.0で運転される燃料電池において、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力差・圧力損失差が低減される。そのため、電解質・電極接合体の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極に回り込むことを、更に阻止することができるとともに、電解質・電極接合体の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、セパレータや電解質・電極接合体の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
前記橋架部は、前記挟持部に連結されるとともに、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給通路が形成される燃料ガス橋架部を備え、前記反応ガス供給部は、前記燃料ガス橋架部に連結されるとともに、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給通路に供給するための燃料ガス供給連通孔が前記積層方向に形成される燃料ガス供給部を備え、前記燃料ガス供給部を中心に複数の前記電解質・電極接合体が同心円上に配列されるとともに、前記挟持部および前記燃料ガス橋架部が前記電解質・電極接合体の数に対応する数に設定され、隣り合う前記各挟持部間には、前記酸化剤ガス通路内に前記酸化剤ガスを案内する整流部材が設けられ、前記整流部材は、前記セパレータの面方向において前記隣り合う挟持部間を閉塞する閉塞部を備え、前記閉塞部とセパレータの周縁部とで囲まれた空間は、前記酸化剤ガスを前記積層方向に流通させるとともに、前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給する酸化剤ガス供給部を構成していることが好ましい。
本発明によれば、セパレータの周縁部と整流部材の閉塞部とに囲まれた空間を酸化剤ガス供給部として構成することができるので、上述したような酸化剤ガス供給連通孔をセパレータに形成する必要がない。そのため、構成の簡素化および製造コストの低減を図ることができる。この場合、隣り合う各挟持部間は閉塞部によって閉塞されているので、酸化剤ガス供給部を流通する酸化剤ガスは各挟持部間から漏れ出ることはなく、酸化剤ガス通路内に確実に導入されることになる。これにより、酸化剤ガスを不足なく供給することが可能になる。
前記燃料ガス供給部又は前記反応ガス供給部は、前記セパレータの中央部に設けられるとともに、前記燃料ガス供給部又は前記反応ガス供給部を中心に4つの前記電解質・電極接合体が同心円上に配列されることが好ましい。
本発明によれば、燃料ガス供給部又は反応ガス供給部がセパレータの中央部に設けられるので、燃料電池に供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスは、発電による発生熱を介して良好に加熱可能になり、燃料電池は、熱効率の向上と熱自立の促進とを図ることができる。ここで、熱自立とは、外部から熱を加えることなく自ら発生する熱のみで燃料電池の動作温度を維持することをいう。
しかも、セパレータの面内には、4つの電解質・電極接合体が同心円上に配列されている。このため、セパレータの面内に2以上の同一形状且つ同一面積の電解質・電極接合体が同心円上に配列される燃料電池構造の中、高い占有率を得ることが可能になる。その上、発電出力当たりのスタック体積が小さくなり、燃料電池スタック全体のコンパクト化が容易に図られる。一方、発電出力当たりのスタック表面積が小さくなり、燃料電池スタックからの放熱を最小化することができ、熱効率の向上および熱自立の促進を図ることが可能になる。
前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であることが好ましい。
本発明によれば、高温型燃料電池である固体酸化物形燃料電池において特に懸念される応力による挟持部や電解質・電極接合体の熱歪等が、隣接する他の挟持部や電解質・電極接合体に伝達されることがない。これにより、挟持部間や電解質・電極接合体間には、特別な寸法吸収機構を設ける必要がなく、燃料電池の小型化が容易に図られる。
本発明によれば、反応ガス供給部と挟持部との間で、橋架部を介して積層方向の締め付け荷重が遮断される。これにより、電解質・電極接合体に所望の荷重を付与することができる。このため、簡単且つコンパクトな構成で、シール性が要求される部位(反応ガス供給部)には、比較的大きな荷重を付与する一方、電解質・電極接合体には、挟持部との密着性を高める程度の比較的小さな荷重を付与することが可能になる。これにより、反応ガス供給部において所望のシール性を確保するとともに、電解質・電極接合体の損傷を可及的に阻止し、効率的な発電および集電が遂行される。
そして、挟持部と橋架部との連結部を、挟持部周縁の接線方向と橋架部周縁の接線方向とが同一方向となるように連結することで、橋架部に発生するセパレータの面方向の応力(歪力)は、挟持部の接線方向に沿って作用し、挟持部の面方向の回転力に変換されることになる。すなわち、橋架部に発生する応力によって挟持部が僅かながら回転することで、橋架部に作用する応力を吸収して、連結部等に応力が集中することを抑制することができる。
したがって、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータの歪みを抑制することができるため、セパレータと電解質・電極接合体との密着性を維持することができ、効率的な発電および集電が遂行される。さらに、セパレータから電解質・電極接合体に偏荷重が作用することもないので、電解質・電極接合体の損傷を防止することもでき、電解質・電極接合体の耐久性も向上させることができる。また、橋架部の変形を防止することができるため、電解質・電極接合体に対して、常に所望の流量の反応ガスを供給することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
第1実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 第1実施形態に係る燃料電池の説明図である。 第1実施形態に係る燃料電池の分解斜視図である。 第1実施形態に係るセパレータの平面図である。 第2実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 図6のC−C線に沿う断面図である。 第2実施形態に係る燃料電池の分解斜視図である。 第2実施形態に係るセパレータの平面図である。 第3実施形態に係る燃料電池スタックの断面図である。 第3実施形態に係る燃料電池の分解斜視図である。 第3実施形態に係るセパレータの平面図である。 第4実施形態に係る燃料電池スタックの断面図である。 第4実施形態に係る燃料電池の分解斜視図である。 第4実施形態に係るセパレータの平面図である。
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。以下に説明する燃料電池は、設置用の他、車載用等の種々の用途に用いることが可能である。
(第1実施形態)
図3は第1実施形態に係る燃料電池11の説明図であり、図3(a)は平面図であり、図3(b)は図3(a)のB−B線に沿う側面断面図であり、図3(c)は底面図である。
図3(b)に示すように、燃料電池11は、電解質・電極接合体12と、隣り合う電解質・電極接合体12,12の間に配置されるセパレータ20とを備えている。これらの電解質・電極接合体12およびセパレータ20が交互に積層されて、燃料電池スタック10(図1参照)が形成される。なお実際のセパレータ20は薄板状であるが、セパレータ20に形成されるガス流路等の構造の理解を容易にするため、各図ではセパレータ20(およびセパレータ20を構成するプレート30,40,50)の厚さを拡大して記載している。
電解質・電極接合体12は、例えば安定化ジルコニア等の酸化物イオン導電体で構成される電解質(電解質板)13の両面に、アノード電極14およびカソード電極15を配置して、円板状に形成されている。電解質・電極接合体12の側面には、酸化剤ガスおよび燃料ガスの侵入および漏出を阻止するため、バリヤー層(不図示)が設けられている。
(セパレータ)
図3(a)に示すように、セパレータ20は、電解質・電極接合体12と同じ大径円形状の挟持部21を備えている。なお電解質・電極接合体12は、隣り合うセパレータ20の挟持部21によって挟持される。挟持部21からは、円弧状に形成された一対の反応ガス橋架部(燃料ガス橋架部22および酸化剤ガス橋架部26)が延設されている。各反応ガス橋架部22,26の先端には、小径円形状の反応ガス供給部(燃料ガス供給部23および酸化剤ガス供給部27)が設けられている。反応ガス供給部23,27の中央部には、反応ガス供給連通孔(燃料ガス供給連通孔24および酸化剤ガス供給連通孔28)が形成されている。各反応ガス供給連通孔24,28は、燃料電池11の積層方向に形成されている。なお、各反応ガス橋架部22,26の具体的な構成については後述する。
図3(b)に示すように、隣り合うセパレータ20の反応ガス供給部23,27の間には、シール材(ガスケット)18a,18bが配置される。シール材18a,18bは、燃料ガスによる還元雰囲気に強い絶縁材料(例えば、地殻成分系素材や硝子系素材、粘土とプラスチックの複合素材等)で構成されている。シール材18a,18bの高さは、電解質・電極接合体12の高さと同等に形成されている。
図4は、第1実施形態に係る燃料電池11の分解斜視図である。
図4に示すように、燃料電池11のセパレータ20は、第1プレート40、第2プレート50および第3プレート30を積層して形成されている。具体的に、セパレータ20は、第3プレート30の表面30a側に第1プレート40が、第3プレート30の裏面30b側に第2プレート50が配置され、第1プレート40と第2プレート50との間に第3プレート30が挟み込まれている。各プレート30,40,50は、例えばステンレス合金等の板金で形成され、相互にロウ付けや拡散接合、レーザ溶接等によって接合されている。各プレート30,40,50は、セパレータ20を構成する挟持部21に加え、燃料ガス橋架部22、燃料ガス供給部23および燃料ガス供給連通孔24、並びに、酸化剤ガス橋架部26、酸化剤ガス供給部27および酸化剤ガス供給連通孔28を備えている。
(燃料ガス通路)
図3(a)および図3(b)に示すように、第1プレート40における挟持部21の電解質・電極接合体12側の表面40aには、燃料ガス通路41が形成されている。具体的には、ハーフエッチング等の手法により、挟持部21の中央部に凹部を形成することで、燃料ガス通路41が形成されている。燃料ガス通路41の中央付近には、第3プレート30の後述する燃料ガス供給通路34に連通する燃料ガス供給孔42が形成されている。
燃料ガス通路41の内部には複数の突起部43が形成され、燃料ガス通路41の周囲には第1周縁凸部44が形成されている。なお、燃料ガス通路41となる凹部を選択的に形成することで、突起部43および第1周縁凸部44を形成することが可能である。突起部43および第1周縁凸部44は、電解質・電極接合体12のアノード電極14と接触している。これにより突起部43および第1周縁凸部44は、電解質・電極接合体12で発電された電力の集電部として機能する。なお電解質・電極接合体12と同形状に挟持部21が形成され、挟持部21の全域に突起部43および第1周縁凸部44が分布しているので、電解質・電極接合体12で発電された電力を効率的に集電することができる。
第1プレート40の第1周縁凸部44には、複数の燃料ガス排出孔45が形成されている。具体的には、ハーフエッチング等の手法により、第1周縁凸部44の内側(燃料ガス通路41)と外側とを連通する溝部を形成することで、燃料ガス排出孔45が形成されている。複数の燃料ガス排出孔45は、挟持部21の周方向に離間して放射状に配置されている。また、複数の燃料ガス排出孔45のうち、一の燃料ガス排出孔(例えば、燃料ガス排出孔45a)と、他の燃料ガス排出孔45のうちの一つ(例えば、燃料ガス排出孔45b)とは、挟持部21の径方向において対向する位置に配置されており、挟持部21を中心とした点対称な位置に配置されている。これにより、燃料ガス通路41の全域から均等に燃料ガスを排出することができる。
(酸化剤ガス通路)
一方、図3(b)および図3(c)に示すように、第2プレート50における挟持部21の電解質・電極接合体12側の裏面50bには、酸化剤ガス通路51が形成されている。具体的には、ハーフエッチング等の手法により、挟持部21の中央部に凹部を形成することで、酸化剤ガス通路51が形成されている。酸化剤ガス通路51の中央付近には、第3プレート30の後述する酸化剤ガス供給通路35に連通する酸化剤ガス供給孔52が形成されている。
酸化剤ガス通路51の内部には複数の突起部53が形成され、酸化剤ガス通路51の周囲には第2周縁凸部54が形成されている。なお、酸化剤ガス通路51となる凹部を選択的に形成することで、突起部53および第2周縁凸部54を形成することが可能である。
突起部53および第2周縁凸部54は、電解質・電極接合体12のカソード電極15と密着している。これにより突起部53および第2周縁凸部54は、電解質・電極接合体12で発電された電力の集電部として機能する。なお電解質・電極接合体12と同形状に挟持部21が形成され、挟持部21の全域に突起部53および第2周縁凸部54が分布しているので、電解質・電極接合体12で発電された電力を効率的に集電することができる。
第2プレート50の第2周縁凸部54には、複数の酸化剤ガス排出孔55が形成されている。具体的には、ハーフエッチング等の手法により、第2周縁凸部54の内側(酸化剤ガス通路51)と外側とを連通する溝部を形成することで、酸化剤ガス排出孔55が形成されている。複数の酸化剤ガス排出孔55は、挟持部21の周方向に等角度間隔ずつ離間して放射状に配置されている。また、複数の酸化剤ガス排出孔55のうち、一の酸化剤ガス排出孔(例えば、酸化剤ガス排出孔55a)と他の酸化剤ガス排出孔55のうちの一つ(例えば、酸化剤ガス排出孔55b)とは、挟持部21の径方向において対向するように配置されており、挟持部21の中心点に対して点対称な位置に配置されている。これにより、酸化剤ガス通路51の全域から均等に酸化剤ガスを排出することができる。
図5は、セパレータ20の平面図である。
図3(a),図3(c)および図5に示すように、燃料ガス排出孔45の数(図5では4個)は、酸化剤ガス排出孔55の数(図5では6個)よりも少なくなっている。また、複数の燃料ガス排出孔45の開口断面積の総和は、複数の酸化剤ガス排出孔55の開口断面積の総和よりも小さく設定されている。
また、燃料ガス排出孔45および酸化剤ガス排出孔55は、挟持部21の周方向において異なる位置に(位相が異なるように)配置されている。図5では、隣り合う酸化剤ガス排出孔55の中間位置(中間位相となる位置)に、燃料ガス排出孔45が配置されている。
ここで、図3〜図5に示すように、上述した各反応ガス橋架部22,26は、その半径が挟持部21および各反応ガス供給部23,27の半径よりも大きく形成された円弧状の部材であり、その基端は挟持部21に連結される一方、先端には各反応ガス供給部23,27がそれぞれ連結されている。また、各各反応ガス橋架部22,26は、挟持部21周縁の周方向で180度異なる位置(挟持部21を間に挟んで対向する位置)から挟持部21の周囲を取り囲むように、挟持部21の周方向において同一方向(図5中時計回り)に沿って延設されている。
そして、各反応ガス橋架部22,26の基端と、挟持部21の周縁との連結部25,29では、挟持部21の接線方向と各反応ガス橋架部22,26の接線方向とが同一方向となっている。すなわち、各反応ガス橋架部22,26と挟持部21との連結部25,29は、挟持部21の径方向外側に突出しておらず、滑らかな連続面に形成されている。
一方、各反応ガス橋架部22,26の先端側と、各反応ガス供給部23,27の周縁との連結部32,33も同様に、各反応ガス供給部23,27の接線方向と各反応ガス橋架部22,26との接線方向とがそれぞれ同一方向となっている。すなわち、各反応ガス橋架部22,26の外側円弧の内側に、挟持部21の外周円および反応ガス供給部23,27の外周円が接している。また、各反応ガス橋架部22,26は、挟持部21の中心点に対して点対称になるように配置されている。さらに、各反応ガス供給部23,27も、挟持部21の中心点に対して点対称になるように配置されている。
そして、第3プレート30の第1プレート40側の表面30aには、燃料ガス供給通路34が形成されている。具体的には、ハーフエッチングやマシニング等の手法により、燃料ガス供給連通孔24から燃料ガス橋架部22を通り挟持部21の中心付近にかけて溝部を形成することで、燃料ガス供給通路34が形成されている。この場合、燃料ガス供給通路34は、滑らかな曲線状に形成されており、その接線方向が燃料ガス供給連通孔24の接線方向と同一方向になるように、燃料ガス供給連通孔24に連通している。なお第3プレート30の表面30aに第1プレート40が接合されて、燃料ガス供給通路34の上部開口が封止されている。
第3プレート30の第2プレート50側の裏面30bには、酸化剤ガス供給通路35が形成されている。具体的には、ハーフエッチングやマシニング等の手法により、酸化剤ガス供給連通孔28から酸化剤ガス橋架部26を通り、挟持部21の中心付近にかけて溝部を形成することで、酸化剤ガス供給通路35が形成されている。この場合、酸化剤ガス供給通路35は、滑らかな曲線状に形成されており、その接線方向が酸化剤ガス供給連通孔28の接線方向と同一方向になるように、酸化剤ガス供給連通孔28に連通している。なお第3プレート30の裏面30bに第2プレート50が接合されて、酸化剤ガス供給通路35の上部開口が封止されている。
(燃料電池スタック)
図1は燃料電池スタック10の概略斜視説明図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
図1および図2に示すように、上述した燃料電池11が矢印A方向に複数積層されて、燃料電池スタック10が形成されている。燃料電池スタック10の積層方向の両端部には、それぞれエンドプレート90a、90bが配置されている。
一方のエンドプレート90aには、燃料電池スタック10の燃料ガス供給連通孔24に燃料ガスを供給する第1配管92と、燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給連通孔28に酸化剤ガスを供給する第2配管94とが設けられている。なお燃料電池スタック10からの排出ガスは、一対のエンドプレート90a、90bの間から放射状に排出される。
燃料電池スタック10の積層方向において、エンドプレート90a,90bと燃料電池スタック10との間には、燃料電池スタック10の積層方向(矢印A方向)に沿って荷重を付与する荷重付与機構61が介在している。荷重付与機構61は、燃料電池11の電解質・電極接合体12および挟持部21に荷重を付与する第1荷重付与機構62と、各反応ガス供給部23,27に荷重を付与する第2荷重付与機構63とを有している。
第1荷重付与機構62は、燃料電池スタック10の積層方向両端から燃料電池11の挟持部21を間に挟んで配置された一対の支持部材64,65、および他方のエンドプレート90bと支持部材64との間に介在された第1荷重付与手段66を備えている。なお、支持部材64,65としては、スラスト玉軸受けや、ボールベアリング、スラスト自動調心ころ軸受け等が好適に用られている。
一方の支持部材65は、一方のエンドプレート90aにおいて、挟持部21と面方向で重なる位置に形成された凹部67内に圧入されている。支持部材65の端面は、エンドプレート90aの端面と面一になっており、支持部材64の端面と挟持部21の端面とが接触するように構成されている。すなわち、一方の支持部材64は、挟持部21を周方向に沿って回転可能に支持している。
他方の支持部材64は、他方のエンドプレート90bにおいて、挟持部21と面方向で重なる位置に配置されており、その端面が挟持部21と面接触して挟持部21を周方向に沿って回転可能に支持している。
第1荷重付与手段66は、電気絶縁性および耐熱性を有するセラミック製のコイルスプリング等からなり、燃料電池スタック10を積層方向に沿って付勢している。そして、第1荷重付与手段66は、一端がエンドプレート90bに連結される一方、他端が支持プレート67に連結されており、この支持プレート67を間に挟んで他方の支持部材64を一方のエンドプレート90a(支持部材65)に向けて押圧している。
第2荷重付与機構63は、燃料電池スタック10の積層方向端部の各反応ガス供給部23,27と他方のエンドプレート90bとの間に配置された、一対の第2荷重付与手段68を有している。第2荷重付与手段68は、上述した第1荷重付与手段66と同様にセラミック製のコイルスプリング等からなり、燃料電池スタック10を積層方向に沿って付勢している。具体的に、各第2荷重付与手段68は、一端がエンドプレート90bに連結される一方、他端が各反応ガス供給連通孔24,28を閉塞するガスケット70に連結されており、このガスケット70を間に挟んで各反応ガス供給部23,28を一方のエンドプレート90aに向けて押圧している。
そして、一対のエンドプレート90a、90bは、ボルト98およびナット99を有する締結手段95によって連結されている。ボルト98は、一方のエンドプレート90aの外側から一対のエンドプレート90a、90bの貫通孔に挿入され、ナット99は、他方のエンドプレート90bの外側でボルト98に螺合している。この締結手段95により、一対のエンドプレート90a、90bの間に、荷重付与機構61を挟んで燃料電池スタック10が挟持され、複数の燃料電池11に積層方向の荷重(以下、積層荷重という。)が付与されている。
なお、本実施形態の燃料電池11では、反応ガス供給部23,27および挟持部21が、狭幅の反応ガス橋架部22,26で連結されている。そのため、反応ガス供給部23,27および挟持部21に付与する積層荷重を相互に異ならせることができる。さらに、本実施形態の燃料電池11では、上述した各荷重付与機構62,63から反応ガス供給部23,27および挟持部21にそれぞれ作用する積層荷重(図2中矢印Q1,Q2)が、相互に異なるように設定されている。すなわち、反応ガス供給部23,27にはシール材18a,18bとのシール性を確保するための大きな積層荷重を付与し、挟持部21には電解質・電極接合体との密着性を高める程度の比較的小さな積層荷重を付与するようになっている。具体的に、上述した各荷重付与機構62,63では、第1荷重付与手段66のバネ定数が、第2荷重付与手段68のバネ定数に比べて小さくなるように設定されている。バネ定数の調整は、例えば各荷重付与手段66,68のコイル径を変更したり、コイルの線径を変更したりすることで行われる。このように、電解質・電極接合体12と反応ガス供給部23,27とを、第1荷重付与手段66および第2荷重付与手段68によってそれぞれ付勢することで、電解質・電極接合体12および反応ガス供給部23,27に対して適切な積層荷重を付与することができる。なお積層荷重の調整は、締結手段95を反応ガス供給部23,27および挟持部21の周囲に配置しつつ、各締結手段95の締結力を調整することによっても行うことができる。
(作用)
以上のように構成された燃料電池の作用について説明する。
まず、図1に示す燃料電池スタック10を所定温度に加熱しつつ、第1配管92に燃料ガス(例えば水素ガス)を供給し、第2配管94に酸化剤ガス(例えば空気)を供給する。
図1に示す第1配管92から供給された燃料ガスは、図3に示す燃料ガス供給連通孔24を流通し、積層された複数のセパレータ20の燃料ガス供給通路34に流入する。燃料ガス供給通路34を通って挟持部21の中央付近に供給された燃料ガスは、燃料ガス供給孔42を通って燃料ガス通路41に流入する。燃料ガス通路41は電解質・電極接合体12のアノード電極14に面しているので、燃料ガスはアノード電極14の中央付近から周縁部に向かって放射状に流通する。なお、アノード電極14の周縁部には第1周縁凸部44が密着しているので、燃料ガスが外部に吹き抜けすることを阻止される。このため、燃料ガスを発電反応に有効に利用することが可能になり、燃料利用率が良好に向上する。
一方、図1に示す第2配管94から供給された酸化剤ガス(例えば空気)は、図3に示す酸化剤ガス供給連通孔28を流通し、積層された複数のセパレータ20の酸化剤ガス供給通路35に流入する。酸化剤ガス供給通路35を通って挟持部21の中央付近に供給された酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給孔52を通って酸化剤ガス通路51に流入する。酸化剤ガス通路51は電解質・電極接合体12のカソード電極15に面しているので、酸化剤ガスはカソード電極15の中央付近から周縁部に向かって放射状に流通する。なお、カソード電極15の周縁部には第2周縁凸部54が密着しているので、酸化剤ガスが外部に吹き抜けすることを阻止される。このため、酸化剤ガスを発電反応に有効に利用することが可能になる。
そして、カソード電極15で酸化剤ガスから生成された酸化物イオンが、電解質13を通ってアノード電極14に移動し、燃料ガスと化学反応して発電が行われる。燃料電池11は、反応の継続により熱自立することができる。熱自立とは、外部から熱を加えることなく自ら発生する熱のみで燃料電池11の動作温度を維持することをいう。
ところで、上述した燃料電池では、発電時に温度が600度〜800度程度まで上昇する。すると、この熱に起因してセパレータが膨張・収縮し、セパレータには例えば面方向に沿う応力が発生する。この場合、上述した従来の構成では、セパレータに作用する面方向に沿う応力を許容することができず、特に各反応ガス橋架部の周方向(反応ガス橋架部の長さ方向)に沿う応力が、挟持部と各反応ガス橋架部との連結部分等に集中することで、各反応ガス橋架部が燃料電池の積層方向に変形する虞がある。その結果、セパレータに熱歪等が生じて、セパレータが燃料電池の積層方向に変形する虞がある。
そこで、本実施形態では、挟持部21と各反応ガス橋架部22,26との連結部25,29において、挟持部21周縁の接線方向と各反応ガス橋架部22,26周縁の接線方向とが同一方向となるように構成した。
この構成によれば、燃料電池11の発電時に各反応ガス橋架部22,26の長さに沿って発生する応力(図5中矢印P1)は、連結部25,29において挟持部21の接線方向に沿って互いに逆方向に作用する(図5中矢印P2)。この場合、各反応ガス橋架部22,26は、挟持部21周縁において周方向で180度異なる位置から延設されているので、各反応ガス橋架部22,26から挟持部21の接線方向に沿って作用する応力は、挟持部21の面方向(周方向)における同一方向(図5中反時計回り)の回転力(図5中矢印P3)に変換される。これにより、挟持部21が中心点回りに僅かながら回転することになる。そのため、各反応ガス橋架部22,26に作用する応力を緩和することができるとともに、連結部25,29に応力が集中することを抑制することができる。
さらに、各反応ガス橋架部22,26の長さ方向に発生する応力(図5中矢印P1)の一部は、各反応ガス供給部23,27にも作用する。この場合、本実施形態では、反応ガス橋架部22,26周縁の接線方向と反応ガス供給部23,27周縁の接線方向とが同一方向となるように連結されるため、各反応ガス橋架部22,26に発生する長さ方向の応力は、反応ガス供給部23,27の接線方向に沿って作用し、反応ガス供給部23,27の面方向(周方向)の回転力(図5中矢印P4)に変換されることになる。これにより、各反応ガス橋架部22,26に作用する応力を吸収して、連結部32,33等に応力が集中することを抑制することができる。したがって、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータ20の歪みをより抑制することができる。
また、各反応ガス橋架部22,26は、その半径が挟持部21および各反応ガス供給部23,27の半径よりも大きく形成されているため、各反応ガス橋架部22,26に発生するセパレータ20の面方向の応力は、各反応ガス橋架部22,26の円弧の接線方向に伝わり、挟持部21におけるセパレータ20の面方向の回転力に変換され易くなる。
しかも、本実施形態では、燃料電池スタック10を積層方向両端から挟むように支持部材64,65を介在させる構成とした。
この構成によれば、挟持部21が支持部材64,65に回転可能に支持されているので、上述したように各反応ガス橋架部22,26から挟持部21に向けて回転力が作用した場合に、この回転力に応じて挟持部21を自在に回転させることができる。これにより、挟持部21に作用する回転力を吸収し易くなる。
したがって、本実施形態では、固体酸化物形燃料電池11において特に懸念される、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータ20の歪みを抑制することができる。そのため、セパレータ20と電解質・電極接合体12との密着性を維持することができ、効率的な発電および集電が遂行される。さらに、セパレータ20から電解質・電極接合体12に偏荷重が作用することもないので、電解質・電極接合体12の耐久性も向上させることができ、電解質・電極接合体12の損傷を防止することもできる。また、各反応ガス橋架部22,26の変形を防止することができるため、電解質・電極接合体12に対して、常に所望の流量の反応ガスを供給することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
さらに、燃料ガス橋架部22と酸化剤ガス橋架部26とを、挟持部21の中心点に対して点対称な位置に設定するとともに、燃料ガス供給部23と酸化剤ガス供給部27とを、挟持部21の中心点に対して点対称な位置に設定することにより、反応ガス橋架部22,26に発生する長さ方向の応力が、挟持部21を中心とする回転力に変換され易くなる。
なお、本実施形態では、一の燃料ガス排出孔45aと、他の燃料ガス排出孔45のうちの一つ(例えば、燃料ガス排出孔45b)とを、挟持部21の中心点に対して点対称な位置に設定するとともに、一の酸化剤ガス排出孔55aと他の酸化剤ガス排出孔55のうちの一つ(例えば、酸化剤ガス排出孔55b)とを、挟持部21の中心点に対して点対称な位置に設定する構成とした。この構成によれば、挟持部21周縁部から使用後(反応・未反応含む)の反応ガス(燃料ガス・酸化剤ガス)を偏りなくほぼ均等に排出することができる。したがって、挟持部21および挟持部21周辺の温度分布の差を抑制できるので、熱に起因する膨張・収縮を偏りなくほぼ均等にすることができ、セパレータ20の応力が一箇所に集中することを抑制できる。
本実施形態の燃料電池11は、挟持部21と燃料ガス供給部23との間が燃料ガス橋架部22により連結され、挟持部21と酸化剤ガス供給部27との間が酸化剤ガス橋架部26により連結されている。
これにより、燃料ガス供給部23と挟持部21との間で、燃料ガス橋架部22を介して積層方向の締め付け荷重が遮断される。また、酸化剤ガス供給部27と挟持部21との間で、酸化剤ガス橋架部26を介して積層方向の締め付け荷重が遮断される。これにより、電解質・電極接合体12に所望の荷重を付与することができる。
しかも、本実施形態では、第1荷重付与手段66を介して各反応ガス供給部23,27に付与される締め付け荷重が、第2荷重付与手段68を介して電解質・電極接合体12(挟持部21)に付与される締め付け荷重よりも大きくなるように設定した。
このため、簡単且つコンパクトな構成で、シール性が要求される部位(燃料ガス供給部23および酸化剤ガス供給部27)には、比較的大きな荷重を付与する一方、電解質・電極接合体12には、挟持部21との密着性を高める程度の比較的小さな荷重を付与することが可能になる。これにより、燃料ガス供給部23および酸化剤ガス供給部27において所望のシール性を確保するとともに、電解質・電極接合体12の損傷を可及的に阻止し、効率的な発電および集電が遂行される。
また、挟持部21に第1周縁凸部44および第2周縁凸部54を設けたので、セパレータ20と電解質・電極接合体12との密着性が高まり、積層荷重を確実に伝達することができる。さらに、アノード電極14側の突起部43とカソード電極15側の突起部53とは、セパレータ20の積層方向から見て、全て同じ位置に形成されている。そのため積層荷重をより確実に伝達することができ、電解質・電極接合体12とセパレータ20との密着性が向上するとともに、電解質・電極接合体12で発電された電力を効率的に集電することができる。
さらに、発電に使用された酸化剤ガスは、挟持部21の周縁部に形成された酸化剤ガス排出孔55からカソード電極15の外側に排出される。ところが、この酸化剤ガスがアノード電極14に回り込むと、アノード電極14が酸化されて発電効率が低下するとともに、燃料電池11が劣化することになる。
これに対して本実施形態では、電解質・電極接合体12の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極14に回り込むことを、第1周縁凸部44によって阻止することができる。これにより、アノード電極14の酸化による発電効率の低下を防止するとともに、セパレータ20や電解質・電極接合体12の耐久性の向上が容易に図られる。
また、発電に使用された燃料ガスは、挟持部21の周縁部に形成された燃料ガス排出孔45からアノード電極14の外側に排出される。ところが、この燃料ガスがカソード電極15に回り込むと、カソード電極15が還元されて発電効率が低下するとともに、燃料電池11が劣化することになる。
これに対して本実施形態では、電解質・電極接合体12の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極15に回り込むことを、第2周縁凸部54によって阻止することができる。これにより、カソード電極15の還元による発電効率の低下を防止するとともに、セパレータ20や電解質・電極接合体12の耐久性の向上が容易に図られる。
また本実施形態では、燃料ガス排出孔45と酸化剤ガス排出孔55とは位相を異にして形成されているので、両排出孔45,55が同位相に配置されている場合と比べて、電解質・電極接合体12の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、燃料ガス排出孔45に流入してアノード電極14に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、アノード電極14の酸化による発電効率の低下を防止するとともに、セパレータ20や電解質・電極接合体12の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
また、電解質・電極接合体12の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、酸化剤ガス排出孔55に流入してカソード電極15に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、カソード電極15の還元による発電効率の低下を防止するとともに、セパレータ20や電解質・電極接合体12の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
しかも、排出された燃料ガス(未使用)と酸化剤ガス(未使用)とは、挟持部21の周辺で燃えるので、燃料電池11(挟持部21)を予め加熱することができ、熱効率の向上と熱自立の促進とを図ることができる。
一般に燃料電池では、酸化剤ガスと燃料ガスとが一定の比率(A/F>1.0)で消費されるが、A/Fが小さすぎると燃料ガスが無駄になり、A/Fが大きすぎると燃料電池の温度が低下することになる。
そこで本実施形態では、燃料ガスの流路断面積が酸化剤ガスの流路断面積より小さくなっている。具体的には、酸化剤ガスの流路断面積と燃料ガスの流路断面積の比率が、燃料電池11のA/Fにほぼ一致している。すなわち、第2配管94および第1配管92、酸化剤ガス供給連通孔28および燃料ガス供給連通孔24、酸化剤ガス供給通路35および燃料ガス供給通路34、酸化剤ガス供給孔52および燃料ガス供給孔42、酸化剤ガス通路51および燃料ガス通路41、並びに酸化剤ガス排出孔55および燃料ガス排出孔45は、それぞれの流路断面積の比率が燃料電池11のA/Fにほぼ一致するように形成されている。
これにより、酸化剤ガスおよび燃料ガスを過不足なく供給することが可能になり、燃料ガスの無駄使いおよび燃料電池11の温度低下を防止することができる。また通常、A/F>1.0で運転される燃料電池11において、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力差・圧力損失差が低減される。そのため、電解質・電極接合体12の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極14に回り込むことを、更に阻止することができるとともに、電解質・電極接合体12の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極15に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、セパレータ20や電解質・電極接合体12の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
本実施形態の燃料ガス排出孔45の開口断面積の総和は、酸化剤ガス排出孔55の開口断面積の総和よりも小さく設定されている。
また燃料ガス排出孔45の数は、酸化剤ガス排出孔55の数よりも少なく設定されている。
また燃料ガス供給孔42の開口断面積の総和は、酸化剤ガス供給孔52の開口断面積の総和よりも小さく設定されている。
なお燃料ガス供給孔42の数は、酸化剤ガス供給孔52の数よりも少なく設定されることが好ましい。
また燃料ガス通路41の体積は、酸化剤ガス通路51の体積よりも小さく設定されていることが好ましい。
また燃料ガス供給通路34の断面積の総和は、酸化剤ガス供給通路35の断面積の総和よりも小さく設定されている。
また燃料ガス供給連通孔24の断面積の総和は、酸化剤ガス供給連通孔28の断面積の総和よりも小さく設定されている。
これにより、通常、A/F>1.0で運転される燃料電池11において、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力差・圧力損失差が低減される。そのため、電解質・電極接合体12の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極14に回り込むことを、更に阻止することができるとともに、電解質・電極接合体12の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極15に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、セパレータ20や電解質・電極接合体12の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
本実施形態の燃料ガス排出孔45は、挟持部21の中央部からセパレータ20の面方向に離間して放射状に設定されている。
また酸化剤ガス排出孔55は、挟持部21の中央部からセパレータ20の面方向に等角度間隔ずつ離間して放射状に設定されている。
これにより、燃料ガスがアノード電極14全域に行き渡り、且つ、使用された燃料ガスの排出が特定の燃料ガス排出孔45に偏ることがない。また、酸化剤ガスがカソード電極15全域に行き渡り、且つ、使用された酸化剤ガスの排出が特定の酸化剤ガス排出孔55に偏ることがない。そのため、発電時に電解質・電極接合体12の表面に、燃料ガス又は酸化剤ガスの濃度差に起因する発電差が生じ難く、発電差に起因する温度差が生じ難い。したがって、電解質・電極接合体12の耐久性の向上が期待できる。
本実施形態の挟持部21には、燃料ガス通路41側に突出してアノード電極14に接触する複数の突起部43が設けられている。また挟持部21には、酸化剤ガス通路51側に突出してカソード電極15に接触する複数の突起部53が設けられている。
これにより、複数の突起部43,53により良好な集電効果が得られるとともに、各突起部43間に形成される燃料ガス通路41に沿って、燃料ガスおよび燃料排ガスの流通性を向上させることができる。また、各突起部53間に形成される酸化剤ガス通路51に沿って、酸化剤ガスおよび酸化剤排ガスの流通性を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る燃料電池について説明する。図4に示す第1実施形態では、燃料ガス供給連通孔24が燃料ガス供給部23に、酸化剤ガス供給連通孔28が酸化剤ガス供給部27に、それぞれ別々に形成されていたが、図8に示す第2実施形態では、燃料ガス供給連通孔24および酸化剤ガス供給連通孔28が一つの反応ガス供給部23に形成されている点で異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図8は、第2実施形態に係る燃料電池11の分解斜視図である。なお図のD−D線における断面図は、図3(b)にほぼ一致する。
図8に示すように、この燃料電池11のセパレータ20では、挟持部21から一個の反応ガス橋架部22が延設されている。反応ガス橋架部22の先端には、一個の反応ガス供給部23が設けられている。反応ガス供給部23には、燃料ガス供給連通孔24および酸化剤ガス供給連通孔28が並んで形成されている。なお図3に示すように、隣り合うセパレータ20の反応ガス供給部23の間には、シール材18aが配置される。
セパレータ20は、第1プレート40、第2プレート50および第3プレート30を積層して形成されている。第3プレート30の第1プレート40側の表面30aには、燃料ガス供給連通孔24から反応ガス橋架部22を通り挟持部21の中心付近にかけて、燃料ガス供給通路34が形成されている。第3プレート30の第2プレート50側の裏面30bには、酸化剤ガス供給連通孔28から反応ガス橋架部22を通り、挟持部21の中心付近にかけて、酸化剤ガス供給通路35が形成されている。
第1プレート40における挟持部21の電解質・電極接合体12側の表面40aには、燃料ガス通路41が形成されている。燃料ガス通路41の中央付近には、第3プレート30の燃料ガス供給通路34に連通する燃料ガス供給孔42が形成されている。燃料ガス通路41の内部には複数の突起部43が形成され、燃料ガス通路41の周囲には第1周縁凸部44が形成されている。第1周縁凸部44には、複数の燃料ガス排出孔45が周方向に離間して放射状に形成されている。
また、第2プレート50における挟持部21の電解質・電極接合体12側の裏面50bには、酸化剤ガス通路51が形成されている。酸化剤ガス通路51の中央付近には、第3プレート30の酸化剤ガス供給通路35に連通する酸化剤ガス供給孔52が形成されている。酸化剤ガス通路51の内部には複数の突起部53が形成され、酸化剤ガス通路51の周囲には第2周縁凸部54が形成されている。第2周縁凸部54には、複数の酸化剤ガス排出孔55が周方向に等角度間隔で離間して放射状に形成されている。
反応ガス橋架部22は、その半径が挟持部21の半径よりも大きく形成された円弧状の部材であり、その基端は挟持部21に連結される一方、先端には反応ガス供給部23が連結されている。そして、反応ガス橋架部22の先端側と、挟持部21の周縁との連結部25(図9参照)では、挟持部21の接線方向と反応ガス橋架部22の接線方向とが同一方向となっている。すなわち、反応ガス橋架部22と挟持部21との連結部25は、挟持部21の径方向外側に突出しておらず、滑らかな連続面に形成されている。
一方、反応ガス橋架部22の先端側と、反応ガス供給部23の周縁との連結部32も同様に、反応ガス供給部23の接線方向と反応ガス橋架部22との接線方向とがそれぞれ同一方向となっている。
図9は、セパレータ20の平面図である。燃料ガス排出孔45および酸化剤ガス排出孔55は、挟持部21の周方向において異なる位置に(位相が異なるように)配置されている。
図6は燃料電池スタック10の概略斜視説明図であり、図6は図1のC−C線に沿う断面図である。
図6,図7に示すように、上述した燃料電池11が矢印A方向に複数積層されて、燃料電池スタック10が形成されている。そして、燃料電池スタック10は、荷重付与機構61を間に挟んで一対のエンドプレート90a,90bにより挟持されており、エンドプレート90a,90bは、締結手段95によって連結されている。なお、荷重付与機構61は、上述した第1実施形態と同様に、燃料電池11の電解質・電極接合体12および挟持部21に荷重を付与する一対の第1荷重付与機構62と、各反応ガス供給部23,27に荷重を付与する第2荷重付与機構63とを有している。
第1荷重付与機構62は、燃料電池スタック10の積層方向両端から燃料電池11の挟持部21を間に挟んで配置された一対の支持部材64,65と、他方のエンドプレート90bと支持部材64との間に介在された第1荷重付与手段66とを備えている。
一方、第2荷重付与機構63は、燃料電池スタック10の積層方向端部の反応ガス供給部23と、他方のエンドプレート90bとの間に配置された第2荷重付与手段68を有している。第2荷重付与手段68は、一端がエンドプレート90bに連結される一方、他端が各反応ガス供給連通孔24,28をまとめて閉塞するガスケット70に連結されており、このガスケット70を間に挟んで各反応ガス供給部23を一方のエンドプレート90aに向けて押圧している。
一方のエンドプレート90aには、燃料電池スタック10に燃料ガスを供給する第1配管92と、酸化剤ガスを供給する第2配管94とが設けられている。第2実施形態では、燃料ガス供給連通孔24および酸化剤ガス供給連通孔28が一つの反応ガス供給部23に並んで形成されているので、第1配管92および第2配管94も並んで配置されている。
(作用)
第2実施形態に係る燃料電池の作用について説明する。
燃料ガスは、図6に示す第1配管92、図8に示す燃料ガス供給連通孔24、燃料ガス供給通路34、燃料ガス供給孔42および燃料ガス通路41を通り、アノード電極14に供給されて発電に使用される。発電に使用された燃料ガスは、第1周縁凸部44に形成された燃料ガス排出孔45からアノード電極14の外側に排出される。
酸化剤ガスは、図6に示す第2配管94、図8に示す酸化剤ガス供給連通孔28、酸化剤ガス供給通路35、酸化剤ガス供給孔52および酸化剤ガス通路51を通り、カソード電極15に供給されて発電に使用される。発電に使用された酸化剤ガスは、第2周縁凸部54に形成された酸化剤ガス排出孔55からカソード電極15の外側に排出される。
本実施形態の燃料電池11では、反応ガス供給部23と挟持部21との間が、反応ガス橋架部22により連結されているため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では、挟持部21と反応ガス橋架部22との連結部25において、挟持部21周縁の接線方向と反応ガス橋架部22周縁の接線方向とが同一方向となるように連結されるとともに、燃料電池スタック10を積層方向両端から挟むように支持部材64,65が介在されている。
この構成によれば、燃料電池11の発電時において、反応ガス橋架部22の長さ方向に沿って発生する応力は、挟持部21の接線方向に沿って作用し、挟持部21の面方向(周方向)の回転力に変換されることになる。この場合、挟持部21に作用する回転力によって、挟持部21が挟持部21の中心点回りに回転することになり、挟持部21に作用する回転力を吸収することができる。したがって、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータ20の歪みを抑制することができるため、セパレータ20と電解質・電極接合体12との密着性を維持することができ、効率的な発電および集電が遂行される。さらに、セパレータ20から電解質・電極接合体12に偏荷重が作用することもないので、電解質・電極接合体12の耐久性も向上させることができ、電解質・電極接合体12の損傷を防止することもできる。また、各反応ガス橋架部22,26の変形を防止することができるため、電解質・電極接合体12に対して、常に所望の流量の反応ガスを供給することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
さらに、各反応ガス橋架部22の長さ方向に発生する応力の一部は、反応ガス供給部23にも作用する。この場合、本実施形態では、反応ガス橋架部22周縁の接線方向と反応ガス供給部23周縁の接線方向とが同一方向となるように連結されるため、反応ガス橋架部22に発生する長さ方向の応力は、反応ガス供給部23の接線方向に沿って作用し、反応ガス供給部23の周方向の回転力に変換されることになる。これにより、各反応ガス橋架部22に作用する応力を吸収して、連結部25,32等に応力が集中することを抑制することができるので、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータ20の歪みをより抑制することができる。
ここで、本実施形態では、反応ガス供給部23と挟持部21との間が、反応ガス橋架部22により連結されている。
これにより、反応ガス供給部23と挟持部21との間は、反応ガス橋架部22を介して積層方向の締め付け荷重が遮断されるため、電解質・電極接合体12に所望の荷重を付与することができる。このため、簡単且つコンパクトな構成で、シール性が要求される反応ガス供給部23には、比較的大きな荷重を付与する一方、電解質・電極接合体12には、挟持部21との密着性を高める程度の比較的小さな荷重を付与することが可能になる。これにより、反応ガス供給部23において所望のシール性を確保するとともに、電解質・電極接合体12の損傷を可及的に阻止し、効率的な発電および集電が遂行される。
反応ガス橋架部22には燃料ガス供給通路34および酸化剤ガス供給通路35が形成されている。したがって、燃料ガスおよび酸化剤ガスは、電解質・電極接合体12に供給される前に相互の温度差が低減され、電解質・電極接合体12の安定した発電が可能になる。
しかも、反応ガス供給部23には燃料ガス供給連通孔24および酸化剤ガス供給連通孔28が形成されている。このため、燃料ガスおよび酸化剤ガスは、電解質・電極接合体12に供給される前に相互の温度差が低減され、電解質・電極接合体12の安定した発電が可能になる。
その上、シール性が要求される燃料ガス供給連通孔24および酸化剤ガス供給連通孔28は、反応ガス供給部23に集約されている。これにより、反応ガス供給部23に所望のシール性を確保するとともに、電解質・電極接合体12の損傷を可及的に阻止し、効率的な発電および集電が遂行可能になる。
また、本実施形態でも、上述した実施形態と同様に、燃料ガスの流路断面積が酸化剤ガスの流路断面積より小さくなっている。
これにより、酸化剤ガスおよび燃料ガスを過不足なく供給することが可能になり、燃料ガスの無駄使いおよび燃料電池11の温度低下を防止することができる。また通常、A/F>1.0で運転される燃料電池11において、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力差・圧力損失差が低減される。そのため、電解質・電極接合体12の外方から酸化剤ガスや排ガス等の他のガスが、アノード電極14に回り込むことを、更に阻止することができるとともに、電解質・電極接合体12の外方から燃料ガスや排ガス等の他のガスが、カソード電極15に回り込むことを、更に阻止することができる。これにより、セパレータ20や電解質・電極接合体12の耐久性の更なる向上が容易に図られる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る燃料電池について説明する。図4に示す第1実施形態では、一個のセパレータ20に一個の挟持部21が設けられていたが、図11に示す第3実施形態では、一個のセパレータ20に二個の挟持部21a,21bが設けられている点で異なっている。なお、第1又は第2実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図11は、第3実施形態に係る燃料電池11の分解斜視図である。
図11に示すように、この燃料電池11のセパレータ20は、一対の電解質・電極接合体12a,12bを挟持する一対の挟持部21a,21bを備えている。第1挟持部21aには、各反応ガス橋架部22a,26aの基端が、第2挟持部21bには、各反応ガス橋架部22b,26bの基端側がそれぞれ連結されている。各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26bは、それぞれ挟持部21a,21b周縁の周方向で180度異なる位置(挟持部21a,21bを間に挟んで対向する位置)から、挟持部21a,21bを取り囲むように延設されている。
そして、各挟持部21a,21bの酸化剤ガス橋架部26a,26bの先端側には、それぞれ酸化剤ガス供給部27a,27bが連結される一方、燃料ガス橋架部22a,22bの先端側同士は1個の燃料ガス供給部23に集合して連結されている。すなわち、セパレータ20の電解質・電極接合体12a,12bは、燃料ガス橋架部22a,22bおよび燃料ガス供給部23を介して連結されている。この場合、セパレータ20は、燃料ガス供給部23の中心点に対して点対称になるように配置されている。
また、各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26bの基端側と、各挟持部21a,21bの周縁とのそれぞれの連結部25a,25b,29a,29bは、挟持部21a,21bの接線方向と各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26bの接線方向とが同一方向となるように連結されている。
一方、各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26bの先端側と、各反応ガス供給部23,27a,27bの周縁とのそれぞれの連結部32a,32b,33a,33bも同様に、各反応ガス供給部23,27a,27bの接線方向と各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26bとの接線方向とがそれぞれ同一方向となるように連結されている。この場合、各燃料ガス橋架部26a,26bの先端側は、燃料ガス供給部23の周縁において、周方向で180度異なる位置に連結されている。
セパレータ20は、第1プレート40、第2プレート50および第3プレート30を積層して形成されている。第3プレート30の第1プレート40側の表面30aには、燃料ガス供給連通孔24から燃料ガス橋架部22aを通り第1挟持部21aの中心付近にかけて燃料ガス供給通路34aが形成される一方、燃料ガス供給連通孔24から燃料ガス橋架部22bを通り第2挟持部21bの中心付近にかけて燃料ガス供給通路34bが形成されている。また、第3プレート30の第2プレート50側の裏面30bには、酸化剤ガス供給連通孔28aから酸化剤ガス橋架部26aを通り、第1挟持部21aの中心付近にかけて第1酸化剤ガス供給通路35aが形成される一方、また酸化剤ガス供給連通孔28bから酸化剤ガス橋架部26bを通り第2挟持部21bの中心付近にかけて第2酸化剤ガス供給通路35bが形成されている。
第1プレート40における一対の挟持部21a,21b側の表面40aには、それぞれ燃料ガス通路41が形成されている。各燃料ガス通路41の中央付近には、第3プレート30の燃料ガス供給通路34a,34bに連通する燃料ガス供給孔42が形成されている。
燃料ガス通路41の内部には複数の突起部43が形成され、燃料ガス通路41の周囲には第1周縁凸部44が形成されている。第1周縁凸部44には、複数の燃料ガス排出孔45が周方向に離間して放射状に形成されている。
また、第2プレート50における一対の挟持部21a,21b側の裏面50bには、それぞれ酸化剤ガス通路51が形成されている。各酸化剤ガス通路51の中央付近には、第3プレート30の酸化剤ガス供給通路35a,35bに連通する酸化剤ガス供給孔52が形成されている。酸化剤ガス通路51の内部には複数の突起部53が形成され、酸化剤ガス通路51の周囲には第2周縁凸部54が形成されている。第2周縁凸部54には、複数の酸化剤ガス排出孔55が周方向に等角度間隔で離間して放射状に形成されている。
図12は、セパレータ20の底面図である。なお図12のE−E線における断面図は、図3(b)にほぼ一致する。
図12に示すように、燃料ガス排出孔45および酸化剤ガス排出孔55は、各挟持部21a,21bの周方向において異なる位置に(位相が異なるように)配置されている。
図10は、第3実施形態に係る燃料電池スタックの断面図である。
図10に示すように、上述した燃料電池11が矢印A方向に複数積層されて、燃料電池スタック10が形成されている。そして、燃料電池スタック10は、荷重付与機構61を間に挟んで一対のエンドプレート90a,90bにより挟持されており、エンドプレート90a,90bは、締結手段95によって連結されている。なお、荷重付与機構61は、燃料電池11の電解質・電極接合体12a,12bに荷重を付与する一対の第1荷重付与機構62と、各反応ガス供給部23,27a,27bに荷重を付与する3つの第2荷重付与機構63とを有している。
一対の第1荷重付与機構62は、上述した第1実施形態と同様に、燃料電池スタック10の積層方向両端から燃料電池11の挟持部21a,21bを間に挟んで配置された一対の支持部材64,65と、他方のエンドプレート90bと支持部材64,65との間に介在された第1荷重付与手段66とをそれぞれ備えている。
一方、第2荷重付与機構63も上述した第1実施形態と同様に、燃料電池スタック10の積層方向端部の反応ガス供給部23と、他方のエンドプレート90bとの間に配置された第2荷重付与手段68を有している。第2荷重付与手段68は、一端がエンドプレート90bに連結される一方、他端が各反応ガス供給連通孔24,28a,28bを閉塞するガスケット70に連結されており、このガスケット70を間に挟んで各反応ガス供給部23,27a,27bを一方のエンドプレート90aに向けて押圧している。
一方のエンドプレート90aには、燃料電池スタック10に燃料ガスを供給する第1配管92と、酸化剤ガスを供給する第2配管94a,94bとが設けられている。
(作用)
第3実施形態に係る燃料電池の作用について説明する。
燃料ガスは、図11に示す燃料ガス供給連通孔24から、一対の燃料ガス供給通路34a,34b、一対の挟持部21a,21bの燃料ガス供給孔42および燃料ガス通路41を通り、一対の電解質・電極接合体12a,12bのアノード電極14に供給されて発電に使用される。発電に使用された燃料ガスは、第1周縁凸部44に形成された燃料ガス排出孔45からアノード電極14の外側に排出される。
酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔28a,28bから、それぞれ酸化剤ガス供給通路35a,35b、一対の挟持部21a,21bの酸化剤ガス供給孔52および酸化剤ガス通路51を通り、一対の電解質・電極接合体12a,12bのカソード電極15に供給されて発電に使用される。発電に使用された酸化剤ガスは、第2周縁凸部54に形成された酸化剤ガス排出孔55からカソード電極15の外側に排出される。
本実施形態の燃料電池においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
しかも、本実施形態では、連結部25a,25b,29a,29bにおいて、挟持部21a,21b周縁の接線方向と各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26b周縁の接線方向とが同一方向となるように構成した。
この構成によれば、燃料電池11の発電時において、各反応ガス橋架部22a,26aの長さ方向に沿って発生する応力は、挟持部21aの接線方向に沿って作用し、挟持部21aの周方向の回転力に変換されることになる。一方、各反応ガス橋架部22b,26bの長さ方向に沿って発生する応力は、挟持部21bの接線方向に沿って作用し、挟持部21bの周方向の回転力に変換されることになる。
また、連結部32a,32b,33a,33bにおいて、各反応ガス供給部23,27a,27b周縁の接線方向と各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26b周縁の接線方向とが同一方向となるように構成した。
この構成によれば、燃料ガス橋架部22a,22bの長さ方向に沿って発生する応力の一部は、燃料ガス供給部23の接線方向に沿って作用し、燃料ガス供給部23の周方向の回転力に変換されることになる。一方、酸化剤ガス橋架部26a,26bに発生する長さ方向の応力の一部は、酸化剤ガス供給部27a,27の接線方向に沿ってそれぞれ作用し、酸化剤ガス供給部27a,27bの面方向(周方向)の回転力に変換されることになる。
これにより、挟持部21a,21bおよび反応ガス供給部23,27a,27bにおいて、各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26bに作用する応力を吸収することができるので、連結部25a,25b,29a,29b,32a,32b,33a,33b等に応力が集中することを抑制することができる。したがって、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータ20の歪みをより抑制することができる。
また、本実施形態では、燃料電池スタック10を積層方向両端から挟むように支持部材64,65を介在させる構成とした。
この構成によれば、各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26bから挟持部21a,21bに向けて回転力が作用した場合に、この回転力によって挟持部21a,21bが回転することになる。これにより、挟持部21a,21bに作用する回転力を吸収することができる。
したがって、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータ20の歪みを抑制することができるため、セパレータ20と電解質・電極接合体12との密着性を維持することができるとともに、各反応ガス橋架部22a,22b,26a,26bの変形を防止することができる。また、セパレータから電解質・電極接合体12に偏荷重が作用することもないので、電解質・電極接合体12の耐久性も向上させることができる。さらに、電解質・電極接合体12に対して、常に所望の流量の反応ガスを供給することができるので、発電性能の向上を図ることができ、発電効率の安定化を図ることができる。
一般に、燃料電池スタックの出力は電解質・電極接合体12の個数に比例するので、実用的な燃料電池スタック10では相当な個数の電解質・電極接合体12を必要とする。そこで第3実施形態の燃料電池11は、一個のセパレータ20に一対の挟持部21a,21bを備え、隣接するセパレータ20の間に一対の電解質・電極接合体12a,12bを挟持する構成とした。これにより、第1実施形態に比べて燃料電池スタック10を小型化することができる。
本実施形態の燃料ガス供給部23は、セパレータ20の中央部に設けられるとともに、燃料ガス供給部23を中心に複数の電解質・電極接合体12a,12bが同心円上に配列されている。
燃料ガス供給部23がセパレータ20の中央部に設けられるので、燃料電池11に供給される燃料ガスを発電による発生熱によって良好に加熱可能になる。したがって、燃料電池11は、熱効率の向上と熱自立の促進とを図ることができる。
その上、燃料ガス供給部23を中心に複数の電解質・電極接合体12a,12bが同心円上に配列されるので、燃料ガス供給部23から各電解質・電極接合体12a,12bに対して燃料ガスを均等に分配することができ、各電解質・電極接合体12a,12bの発電性能の向上及び安定化が図られる。
特に、一対の挟持部21a,21bに対して1個の燃料ガス供給部23を共用することになるので、燃料ガスの供給機構を簡略化することができ、製造コストの削減を図ることができる。
さらに、本実施形態では、複数の燃料電池11を積層した場合に、各燃料電池11において同心円上に配列された各電解質・電極接合体12a,12bが、それぞれ燃料電池11の積層方向に沿って同一の位相に配列されている。すなわち、燃料電池11の積層方向から見て同じ位置に配置されている。
これにより、電解質・電極接合体12a,12bに付与される荷重が不足することがないので、電解質・電極接合体12a,12bとセパレータ20との密着性が向上し、電解質・電極接合体12a,12bで発電された電力を効率的に集電することができる。
本実施形態の挟持部21a,21bは、各電解質・電極接合体12a,12bに対応した形状を有するとともに、各挟持部21a,21bは、互いに分離して構成される。
各挟持部21a,21bは各電解質・電極接合体12a,12bに対応した形状を有するため、各電解質・電極接合体12a,12bで発電された電力を効率的に集電することができる。
しかも、各挟持部21a,21bは互いに分離して構成されるので、隣接する電解質・電極接合体12a,12bに独立して積層方向の荷重を付与することができる。このため、各電解質・電極接合体12a,12bやセパレータ20の寸法誤差によって各電解質・電極接合体12a,12bに発生する異なる荷重を吸収することが可能になる。したがって、セパレータ20全体に歪みが惹起されることを阻止し、各電解質・電極接合体12a,12bに対して均等な荷重を付与することができる。その上、各電解質・電極接合体12a,12bの熱歪等は、隣接する他の電解質・電極接合体12a,12bに伝達されることがなく、電解質・電極接合体12a,12b間には、特別な寸法吸収機構を設ける必要がない。これにより、各電解質・電極接合体12a,12b同士を近接して配置することが可能になり、燃料電池11全体の小型化が容易に図られる。
本実施形態の燃料ガス橋架部22は、燃料ガス供給部23a,23bから外方に等角度間隔ずつ離間して放射状に構成されている。これにより、燃料ガス供給部23から各燃料ガス橋架部22a,22bを介して各電解質・電極接合体12a,12bに対して燃料ガスを均等に供給することができ、各電解質・電極接合体12a,12bの発電性能の向上及び安定化を図ることが可能になる。
本実施形態のセパレータ20は、挟持部21a,21b、燃料ガス橋架部22a,22b及び酸化剤ガス橋架部26a,26bが、電解質・電極接合体12a,12bの数に対応する数に設定されている。
これにより、燃料ガス供給部23から各燃料ガス橋架部22a,22b及び各挟持部21a,21bを介して各電解質・電極接合体12a,12bに燃料ガスを均等に供給することができ、各電解質・電極接合体12a,12bの発電性能の向上及び安定化を図ることが可能になる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る燃料電池について説明する。図4に示す第1実施形態では、一個のセパレータ20に一個の挟持部21が設けられていたが、図14に示す第4実施形態では、一個のセパレータ20に4個の挟持部21a〜21dが設けられている点で異なっている。なお、第1〜第3実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図14は、第4実施形態に係る燃料電池11の分解斜視図であり、図15は平面図である。
図14,図15に示すように、この燃料電池11のセパレータ20は、4個の電解質・電極接合体12a〜12dを挟持する4個の挟持部21a〜21dを備えている。4個の挟持部21a〜21dに囲まれた中央に、1個の燃料ガス供給部23が設けられている。この燃料ガス供給部23と各挟持部21a〜21dとの間は、それぞれ燃料ガス橋架部22a〜22dによって連結されている。すなわち、燃料ガス橋架部22a〜22dは、燃料ガス供給部23から外方に等角度間隔(90゜間隔)ずつ離間して放射状に延在し、これら4本の燃料ガス橋架部22a〜22dを介して挟持部21a〜21dが一体的に設けられる。燃料ガス橋架部22a〜22dの基端側と、各挟持部21a〜21dの周縁との連結部25a〜25dでは、挟持部21a〜21dの接線方向と燃料ガス橋架部22a〜22dの接線方向とが同一方向になっている。一方、燃料ガス橋架部22a〜22dの先端側と、燃料ガス供給部23の周縁との連結部32a〜32dも同様に、燃料ガス供給部23の接線方向と燃料ガス橋架部22a〜22dとの接線方向とがそれぞれ同一方向となるように連結されている。なお、燃料ガス供給部23の中心には、積層方向に沿って燃料ガス供給連通孔24が形成されている。また、各挟持部21a〜21dは、電解質・電極接合体12と略同一寸法の円板形状に設定されており、互いに分離して構成されている。
セパレータ20は、第1プレート40、第2プレート50および通路部材80を積層して形成されている。
第1プレート40における挟持部21a〜21dの電解質・電極接合体12a〜12d側の表面40aには、燃料ガス通路41が形成されている。燃料ガス通路41の中央付近には、通路部材80の後述する燃料ガス供給通路34a〜34dに連通する燃料ガス供給孔42が形成されている。燃料ガス通路41の内部には複数の突起部43が形成され、燃料ガス通路41の周囲には第1周縁凸部44が形成されている。第1周縁凸部44には、複数の燃料ガス排出孔45が周方向に離間して放射状に形成されている。
第2プレート50は、各挟持部21a〜21dとそれぞれ同形状に形成されており、各挟持部21a〜21dに対応して4枚有しており、第1プレート40の裏面40bに接合されている。各第2プレート50における電解質・電極接合体12側の裏面50bには、プレス等により複数の突起部53が設けられている。第2プレート50の裏面50b側には、突起部53によりカソード電極15の電極面に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス通路51が形成されている。また、第2プレート50の内側周端部には、通路部材80を受け入れる切欠き部85が形成されている。この切欠き部85は、第2プレート50の内側周端部から中心付近にかけて円弧状に切り欠かれ、第2プレート50の裏面50bから見て第1プレート40の燃料ガス供給孔42が露出するように形成されている。
通路部材80は、例えばろう付け、拡散接合やレーザ溶接等により、第1プレート40の裏面40b側に接合された平面視略卍状の平板である。具体的に、通路部材80は、燃料ガス供給連通孔24を形成する燃料ガス供給部23と、燃料ガス供給部23から放射状に延在する4本の橋架部59a〜59dとを備えている。
橋架部59a〜59dは、燃料ガス橋架部22a〜22dよりも長く形成された円弧状の部材であり、その先端側が第2プレート50の切欠き部85内に収容されている。この場合、橋架部59a〜59dの先端側は、第1プレート40の各挟持部21a〜21dに形成された燃料ガス供給孔42を覆う位置まで延在している。橋架部59a〜59dにおける第1プレート40側の表面80aには、燃料ガス供給通路34a〜34dが形成されている。具体的には、ハーフエッチングやマシニング等の手法により、燃料ガス供給連通孔24から橋架部59a〜59dの先端側にかけて溝部を形成することで、燃料ガス供給孔42に連通する燃料ガス供給通路34a〜34dが形成されている。なお第1プレート40の裏面40bに通路部材80が接合されて、燃料ガス供給通路34a〜34dの上部開口が封止されている。
上述した酸化剤ガス通路51は、電解質・電極接合体12a〜12dの内側周端部と挟持部21a〜21dの内側周端部との間から酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給連通孔(酸化剤ガス供給部)28に連通している。この酸化剤ガス供給連通孔28は、各挟持部21a〜21dの内方と燃料ガス橋架部22a〜22dとの間に位置して積層方向(矢印A方向)に延在している。すなわち、酸化剤ガス供給連通孔28は、各電解質・電極接合体12a〜12dに対応して4箇所設けられている。
各セパレータ20間には、上述した実施形態と同様のシール材18a(不図示)が設けられる。
また、隣り合う各挟持部21a〜21d間には、酸化剤ガス通路51を流通する酸化剤ガス、および燃料ガス通路41を流通する燃料ガスを整流したり、酸化剤ガス供給連通孔28を流通する酸化剤ガスを酸化剤ガス通路51内に導いたりするための整流部材74が配置されている。整流部材74は、略扇方形状の板材であり、矢印A方向に所定枚数だけ積層されるとともに、各挟持部21a〜21d間に対応して平面視で4つ配設される。
整流部材74は、絶縁部材、例えば、マイカをシリコーン樹脂で結合して構成されており、挟持部21a〜21dの周縁部の一部およびセパレータ20の外接円の一部に沿って配置される。具体的に、整流部材74は、一端部(閉塞部)76が隣り合う燃料ガス橋架部22a〜22d間に配置されるとともに、他端部である外周部78は、セパレータ20の外接円の一部を構成する。そして、整流部材74の周方向両側には、外周部78から一端部76にかけて、挟持部21a〜21dの外周形状に対応するように形成された円弧状部82が形成されている。そして、一端部76は、隣り合う挟持部21a〜21dの周縁部間を閉塞するように配置されており、一端部76および燃料ガス橋架部22a〜22dとの間に囲まれた空間が、酸化剤ガス供給連通孔28として構成されている。一方、隣り合う整流部材74の外周部78間には、酸化剤ガス通路51を流通した酸化剤ガスの排ガスが排出される排ガス通路72が形成される。
図13は燃料電池スタックの断面図である。なお、図13においては電解質・電極接合体の図示を省略する。
図13に示すように、燃料電池スタック10は、荷重付与機構61を間に挟んで一対のエンドプレート90a,90bにより挟持されており、エンドプレート90a,90bは、締結手段95によって連結されている。
エンドプレート90aには、燃料ガス供給連通孔24に連通する単一の第1配管92と、各酸化剤ガス供給連通孔28に連通するキャビティ93aを有するケーシング93と、ケーシング93に接続されてキャビティ93aに連通する単一の第2配管94とが設けられている。
エンドプレート90aに接続されている第1配管92から燃料ガス供給連通孔24には、燃料ガスが供給されるとともに、第2配管94からキャビティ93aを介して各酸化剤ガス供給連通孔28には、酸化剤ガスが供給される。
なお、荷重付与機構61は、燃料電池11の電解質・電極接合体12a〜12dに荷重を付与する4つの第1荷重付与機構62と、燃料ガス供給部23に荷重を付与する1つの第2荷重付与機構63とを有している。
第1荷重付与機構62は、上述した第1実施形態と同様に、燃料電池スタック10の積層方向両端から燃料電池11の挟持部21a〜21dを間に挟んで配置された一対の支持部材64,65と、他方のエンドプレート90bと支持部材64,65との間に介在された第1荷重付与手段66とをそれぞれ備えている。
一方、第2荷重付与機構63も上述した第1実施形態と同様に、燃料電池スタック10の積層方向端部の反応ガス供給部23と、他方のエンドプレート90bとの間に配置された第2荷重付与手段68を有している。第2荷重付与手段68は、一端がエンドプレート90bに連結される一方、他端が燃料ガス供給連通孔24を閉塞するガスケット70に連結されており、このガスケット70を間に挟んで燃料ガス供給部23を一方のエンドプレート90aに向けて押圧している。
燃料ガスは、燃料電池スタック10の燃料ガス供給連通孔24に沿って積層方向(矢印A方向)に移動しながら、各燃料電池11に設けられる燃料ガス供給通路34に沿ってセパレータ20の面方向に移動する。そして、燃料ガスは、燃料ガス供給通路34から各挟持部21a〜21dの燃料ガス供給孔42を通って、燃料ガス通路41に導入される。燃料ガス通路41に導入された燃料ガスは、燃料ガス供給孔42からアノード電極14の略中心に供給された後、燃料ガス通路41に沿って放射状に向かって移動する。
一方、酸化剤ガス供給連通孔28に供給された酸化剤ガスは、整流部材74の整流作用下に、電解質・電極接合体12の内側周端部と挟持部21a〜21dの内側周端部との間から流入し、酸化剤ガス通路51に送られる。酸化剤ガス通路51では、電解質・電極接合体12のカソード電極15の内側周端部(セパレータ20の中央部)側から外側周端部(セパレータ20の外側周端部側)に向かって酸化剤ガスが流動する。
したがって、電解質・電極接合体12では、アノード電極14の電極面の中心側から周端部側に向かって燃料ガスが供給されるとともに、カソード電極15の電極面の一方向に向かって酸化剤ガスが供給される。これにより、燃料ガスおよび酸化剤ガスが発電に使用される。なお、各電解質・電極接合体12の外周部に排出される主に発電反応後の空気を含む排ガスは、酸化剤ガス通路51を介して排ガス通路72から排出される。この場合、燃料ガス通路41に供給された使用済みの燃料ガスは、燃料ガス排出孔45から酸化剤ガス供給連通孔28に排出される。このため、酸化剤ガス供給連通孔28では、使用済みの排ガスに含まれる燃料ガスと使用前の酸化剤ガスの一部とが反応することによって、未使用の酸化剤ガスが加熱される。これにより、予め加熱された酸化剤ガスを酸化剤ガス通路51に供給することができ、熱効率が向上するという効果がある。
本実施形態の燃料電池11においても、第1〜第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
特に、本実施形態では、連結部25a〜25dにおいて、挟持部21a〜21d周縁の接線方向と燃料ガス橋架部22a〜22d周縁の接線方向とが同一方向となるように構成した。
この構成によれば、燃料電池11の発電時において、各燃料ガス橋架部22a〜22dの長さ方向に沿って発生する応力は、挟持部21a〜21dの接線方向に沿って作用し、挟持部21a〜21dの周方向の回転力に変換されることになる。
一方、燃料ガス橋架部22a〜22dの長さ方向に沿って発生する応力の一部は、燃料ガス供給部23の接線方向に沿って作用し、燃料ガス供給部23の周方向の回転力に変換されることになる。
これにより、挟持部21a〜21dおよび燃料ガス供給部23において、燃料ガス橋架部22a〜22dに作用する応力を吸収することができるので、連結部25a〜25dおよび32a〜32d等に応力が集中することを抑制することができる。したがって、熱に起因する膨張・収縮によるセパレータ20の歪みをより抑制することができる。
しかも、本実施形態では、隣り合う各挟持部21a〜21d間に、整流部材74が配設され、各整流部材74と燃料ガス橋架部22a〜22dとの間に囲まれた空間を、酸化剤ガス供給連通孔28として構成した。
この構成によれば、上述した各実施形態と異なり、セパレータ20を貫通する酸化剤ガス供給連通孔28を加工する必要がないので、構成の簡素化および製造コストの低減を図ることができる。この場合、酸化剤ガス供給連通孔28を流通する酸化剤ガスは隣り合う各挟持部21a〜21d間から漏れ出ることはなく、燃料ガス通路51内に確実に導入されることになる。これにより、酸化剤ガスを不足なく供給することが可能になる。
さらに、整流部材74は、挟持部21a〜21dの周縁部の一部およびセパレータ20の外接円の一部に沿って配置されている。このため、酸化剤ガス供給連通孔28から挟持部21a〜21dの外を流れる酸化剤ガス量を良好に抑制するとともに、整流部材74がセパレータ20の外接円から外方に突出することがなく、燃料電池11全体の小型化およびコンパクト化が容易に可能になる。
また、各電解質・電極接合体12a〜12dの発電により発生した熱が、挟持部21a〜21dの外に放熱されることを抑制することができ、熱効率の向上および熱自立の促進が容易に図られる。
また、本実施形態では、挟持部21a〜21dと同形状の第2プレート50を4枚備え、各第2プレート50の切欠き部85内に通路部材80の橋架部59a〜59dを収容しているため、上述した第1〜第3実施形態のように反応ガス通路が形成された第3プレート30を用いる必要がない。そのため、セパレータ20の薄型化を図り、燃料電池スタック10のコンパクト化を実現することができる。
本実施形態の燃料ガス供給部23は、セパレータ20の中央部に設けられるとともに、燃料ガス供給部23を中心に複数の電解質・電極接合体12a〜12dが同心円上に配列されている。
燃料ガス供給部23がセパレータ20の中央部に設けられるので、各電解質・電極接合体12a〜12dに供給される前の燃料ガスを、発電による発生熱により良好に加熱することができ、熱効率の向上および熱自立の促進を図ることが可能になる。
また、燃料ガス供給部23を中心に複数の電解質・電極接合体12a〜12dが同心円上に配列されるので、各電解質・電極接合体12a〜12dに燃料ガスを均等に分配して供給することができ、各電解質・電極接合体12a〜12dの発電性能の向上および安定化が図られる。
しかも、セパレータ20の面内には、4つの電解質・電極接合体12a〜12dが同心円上に配列されている。このため、セパレータ20の面内に2以上の同一形状且つ同一面積の電解質・電極接合体12a〜12dが同心円上に配列される燃料電池構造の中、高い占有率を得ることが可能になる。その上、発電出力当たりのスタック体積が小さくなり、燃料電池スタック10全体のコンパクト化が容易に図られる。一方、発電出力当たりのスタック表面積が小さくなり、燃料電池スタック10からの放熱を最小化することができ、熱効率の向上および熱自立の促進を図ることが可能になる。
本実施形態では、複数の燃料電池11を積層した場合に、各燃料電池11において同心円上に配列された各電解質・電極接合体12a〜12dが、それぞれ燃料電池11の積層方向に沿って同一の位相に配列されている。すなわち、燃料電池11の積層方向から見て同じ位置に配置されている。
これにより、電解質・電極接合体12a〜12dに付与される荷重が不足することがないので、電解質・電極接合体12a〜12dとセパレータ20との密着性が向上し、電解質・電極接合体12a〜12dで発電された電力を効率的に集電することができる。
本実施形態の挟持部21a〜21dは、各電解質・電極接合体12a〜12dに対応した形状を有するとともに、各挟持部21a〜21dは、互いに分離して構成されている。
各挟持部21a〜21dは各電解質・電極接合体12a〜12dに対応した形状を有するため、電解質・電極接合体12a〜12dで発電された電力を効率的に集電することができる。
しかも、各挟持部21a〜21dは互いに分離して構成されるので、隣接する電解質・電極接合体12a〜12dに独立して積層方向の荷重を付与することができる。このため、電解質・電極接合体12a〜12dやセパレータ20の寸法誤差によって各電解質・電極接合体12a〜12dに発生する異なる荷重を吸収することが可能になる。したがって、セパレータ20全体に歪みが惹起されることを阻止し、各電解質・電極接合体12a〜12dに対して均等な荷重を付与することができる。その上、各電解質・電極接合体12a〜12dの熱歪み等は、隣接する他の電解質・電極接合体12a〜12dに伝達されることがなく、電解質・電極接合体12a〜12d間には、特別な寸法吸収機構を設ける必要がない。これにより、各電解質・電極接合体12a〜12d同士を近接して配置することが可能になり、燃料電池11全体の小型化が容易に図られる。
本実施形態の燃料ガス橋架部22a〜22dは、燃料ガス供給部23から外方に等角度間隔ずつ離間して放射状に構成されている。
これにより、燃料ガス供給部23から燃料ガス橋架部22a〜22dを介して各電解質・電極接合体12a〜12dに対して燃料ガスおよび酸化剤ガスを均等に分配することができ、各電解質・電極接合体12a〜12dの発電性能の向上および安定化が図られる。
本実施形態のセパレータ20は、各挟持部21a〜21dおよび燃料ガス橋架部22a〜22dが電解質・電極接合体12a〜12dの数に対応する数に設定されている。
本発明によれば、燃料ガス供給部23から各燃料ガス橋架部22a〜22dおよび各挟持部21a〜21dを介して各電解質・電極接合体12a〜12dに燃料ガスおよび酸化剤ガスを均等に分配することができ、各電解質・電極接合体12a〜12dの発電性能の向上および安定化が図られる。
本実施形態のセパレータ20は、酸化剤ガス供給連通孔28が電解質・電極接合体12a〜12dの数に対応する数に設定されている。
これにより、酸化剤ガス供給連通孔28から燃料ガス橋架部22a〜22dおよび各挟持部21a〜21dを介して、各電解質・電極接合体12a〜12dに酸化剤ガスを均等に分配することが可能になり、各電解質・電極接合体12a〜12dの発電性能の向上および安定化が図られる。本実施形態の燃料ガス供給部23は、セパレータ20の中央部に設けられるとともに、燃料ガス供給部23を中心に各電解質・電極接合体12a〜12dが同心円上に配列されている。
燃料ガス供給部23がセパレータ20の中央部に設けられるので、燃料電池11に供給される燃料ガスは、発電による発生熱を介して良好に加熱可能になり、燃料電池は、熱効率の向上と熱自立の促進とを図ることができる。ここで、熱自立とは、外部から熱を加えることなく自ら発生する熱のみで燃料電池の動作温度を維持することをいう。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、各反応ガス橋架部を円弧状に形成する場合について説明したが、挟持部と各反応ガス橋架部との接線方向が同一になるように連結されていれば、各反応ガス橋架部の半径は適宜設計変更が可能である。すなわち、反応ガス橋架部を直線状(曲率半径が無限大)に形成しても構わない。
また、1個のセパレータに設ける挟持部の数や反応ガス供給孔の数等は、適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、荷重付与機構の荷重付与手段にコイルスプリングを用いる構成について説明したが、これに代えて皿バネ等を用いる構成にしても構わない。
さらに、上述した実施形態では、各反応ガス供給部および挟持部とエンドプレートとの間にそれぞれ荷重付与手段(第1荷重付与手段および第2荷重付与手段)を介在させる構成について説明したが、挟持部とエンドプレートとの間のみに荷重付与手段を介在させる構成にしてもよい。この場合、エンドプレートと各反応ガス供給部との間には、ボルト等の剛体を配置することが好ましい。これにより、各反応ガス供給部には、比較的大きな荷重を付与する一方、電解質・電極接合体には、挟持部との密着性を高める程度の比較的小さな荷重を付与することが可能になる。
なお、アノード電極側の突起部およびカソード電極側の突起部は、セパレータの積層方向に沿って同一の位相に配列される数が、同一の位相以外に配列される数よりも多数に設定されていても構わない。すなわち、セパレータの積層方向から見て同じ位置となる個数が、異なる位置となる個数より多くなっていても構わない。
これにより、アノード電極側突起部とカソード電極側突起部との間で、積層方向の荷重を確実に伝達することができ、電解質・電極接合体とセパレータとの密着性が向上するとともに、電解質・電極接合体で発電された電力を効率的に集電することができる。
10…燃料電池スタック 11…燃料電池
12,12a,12b,12c,12d…電解質・電極接合体
13…電解質 14…アノード電極 15…カソード電極
20…セパレータ
21,21a,21b,21c,21d…挟持部
22…反応ガス橋架部、燃料ガス橋架部 23…反応ガス供給部、燃料ガス供給部
24…燃料ガス供給連通孔
25,25a,25b,25c,25d,29,29a,29b,32,32a,32b,32c,32d,33,33a,33b…連結部
26…反応ガス橋架部、酸化剤ガス橋架部 27…酸化剤ガス供給部
28…酸化剤ガス供給連通孔
30…第3プレート 34…燃料ガス供給通路 35…酸化剤ガス供給通路
40…第1プレート
41…燃料ガス通路 42…燃料ガス供給孔 43…突起部
44…第1周縁凸部 45…燃料ガス排出孔
50…第2プレート
51…酸化剤ガス通路 52…酸化剤ガス供給孔 53…突起部
54…第2周縁凸部 55…酸化剤ガス排出孔
74…整流部材

Claims (30)

  1. 電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される燃料電池であって、
    前記セパレータは、前記電解質・電極接合体を挟持するとともに、前記アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス通路、および前記カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が個別に設けられ、使用済みの前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスを前記電解質・電極接合体の周縁部から排出させる挟持部と、
    前記挟持部に連結され、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に又は前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための反応ガス供給通路が形成される橋架部と、
    前記橋架部に連結され、前記燃料ガス又は前記酸化剤ガスを前記反応ガス供給通路に供給するための反応ガス供給連通孔が前記電解質・電極接合体の積層方向に形成される反応ガス供給部と、を備え、
    前記挟持部と前記橋架部との連結部は、前記挟持部周縁の接線方向と前記橋架部周縁の接線方向とが同一方向となるように連結されていることを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記挟持部は、円板形状に形成され、
    前記橋架部は、前記挟持部の円弧よりも大きい円弧を持つ形状に設定されることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料電池において、
    前記橋架部と前記反応ガス供給部との連結部は、前記橋架部周縁の接線方向と前記反応ガス供給部周縁の接線方向とが同一方向となるように連結されることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記反応ガス供給部は、円板形状に形成され、
    前記橋架部は、前記反応ガス供給部の円弧よりも大きい円弧を持つ形状に設定されることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記挟持部は、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給する燃料ガス供給孔と、
    前記燃料ガス通路側の周縁部に、前記燃料ガス通路側に突出して前記アノード電極の周縁部に接触する第1周縁凸部と、
    前記燃料ガス通路を通って使用された前記燃料ガスを排出する燃料ガス排出孔と、
    前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給する酸化剤ガス供給孔と、
    前記酸化剤ガス通路側の周縁部に、前記酸化剤ガス通路側に突出して前記カソード電極の周縁部に接触する第2周縁凸部と、
    前記酸化剤ガス通路を通って使用された前記酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出孔と、を備え、
    一の前記燃料ガス排出孔と他の前記燃料ガス排出孔のうちの一つとは、前記挟持部を中心とした点対称な位置に設定されるとともに、
    一の前記酸化剤ガス排出孔と他の前記酸化剤ガス排出孔のうちの一つとは、前記挟持部を中心とした点対称な位置に設定されることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項5に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス排出孔と前記酸化剤ガス排出孔は、位相を異にして形成されることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項5又は6に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス排出孔の開口断面積の総和は、前記酸化剤ガス排出孔の開口断面積の総和よりも小さく設定されることを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス排出孔の数は、前記酸化剤ガス排出孔の数よりも少なく設定されることを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス排出孔は、前記挟持部の中央部から前記セパレータの面方向に等角度間隔ずつ離間して放射状に設定されることを特徴とする燃料電池。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記酸化剤ガス排出孔は、前記挟持部の中央部から前記セパレータの面方向に等角度間隔ずつ離間して放射状に設定されることを特徴とする燃料電池。
  11. 請求項5〜10のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス供給孔の開口断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給孔の開口断面積の総和よりも小さく設定されることを特徴とする燃料電池。
  12. 請求項5〜11のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス供給孔の数は、前記酸化剤ガス供給孔の数よりも少なく設定されることを特徴とする燃料電池。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス通路の体積は、前記酸化剤ガス通路の体積よりも小さく設定されることを特徴とする燃料電池。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記挟持部は、前記燃料ガス通路側に突出して前記アノード電極に接触する複数の突起部が設けられることを特徴とする燃料電池。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記挟持部は、前記酸化剤ガス通路側に突出して前記カソード電極に接触する複数の突起部が設けられることを特徴とする燃料電池。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記挟持部は、前記燃料ガス通路側に突出して前記アノード電極に接触する複数の突起部が設けられるとともに、前記酸化剤ガス通路側に突出して前記カソード電極に接触する複数の突起部が設けられ、
    前記アノード電極側の突起部と前記カソード電極側の突起部とは、前記セパレータの積層方向に沿って同一の位相に配列される数が、同一の位相以外に配列される数よりも多数に設定されることを特徴とする燃料電池。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記橋架部は、前記挟持部に連結されるとともに、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給通路が形成される燃料ガス橋架部と、
    前記挟持部に連結されるとともに、前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給通路が形成される酸化剤ガス橋架部と、を備え、
    前記反応ガス供給部は、前記燃料ガス橋架部に連結されるとともに、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給通路に供給するための燃料ガス供給連通孔が前記積層方向に形成される燃料ガス供給部と、
    前記酸化剤ガス橋架部に連結されるとともに、前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス供給通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が前記積層方向に形成される酸化剤ガス供給部と、を備え、
    前記燃料ガス橋架部と前記酸化剤ガス橋架部とは、前記挟持部を中心とした点対称な位置に設定されるとともに、
    前記燃料ガス供給部と前記酸化剤ガス供給部とは、前記挟持部を中心とした点対称な位置に設定されることを特徴とする燃料電池。
  18. 請求項17記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス供給通路の断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給通路の断面積の総和よりも小さく設定されることを特徴とする燃料電池。
  19. 請求項17又は18に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス供給連通孔の断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給連通孔の断面積の総和よりも小さく設定されることを特徴とする燃料電池。
  20. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス供給部は、前記セパレータの中央部に設けられるとともに、
    前記燃料ガス供給部を中心に複数の前記電解質・電極接合体が同心円上に配列されることを特徴とする燃料電池。
  21. 請求項20に記載の燃料電池において、
    複数の前記燃料電池を積層した場合に、前記各燃料電池において同心円上に配列された前記各電解質・電極接合体が、それぞれ前記燃料電池の積層方向に沿って同一の位相に配列されることを特徴とする燃料電池。
  22. 請求項20又は21に記載の燃料電池において、
    前記挟持部は、前記各電解質・電極接合体に対応した形状を有するとともに、
    前記各挟持部は、互いに分離して構成されることを特徴とする燃料電池。
  23. 請求項20〜22のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス橋架部は、前記燃料ガス供給部から外方に等角度間隔ずつ離間して放射状に構成されることを特徴とする燃料電池。
  24. 請求項17〜23のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記セパレータは、前記挟持部、前記燃料ガス橋架部および前記酸化剤ガス橋架部が前記電解質・電極接合体の数に対応する数に設定されることを特徴とする燃料電池。
  25. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記挟持部に連結され、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給通路、および前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給通路が形成される前記橋架部と、
    前記橋架部に連結され、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給通路に供給するための燃料ガス供給連通孔、および前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス供給通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が前記積層方向に形成される前記反応ガス供給部と、を備えることを特徴とする燃料電池。
  26. 請求項25に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス供給通路の断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給通路の断面積の総和よりも小さく設定されることを特徴とする燃料電池。
  27. 請求項25又は26に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス供給連通孔の断面積の総和は、前記酸化剤ガス供給連通孔の断面積の総和よりも小さく設定されることを特徴とする燃料電池。
  28. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記橋架部は、前記挟持部に連結されるとともに、前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給通路が形成される燃料ガス橋架部を備え、
    前記反応ガス供給部は、前記燃料ガス橋架部に連結されるとともに、前記燃料ガスを前記燃料ガス供給通路に供給するための燃料ガス供給連通孔が前記積層方向に形成される燃料ガス供給部を備え、
    前記燃料ガス供給部を中心に複数の前記電解質・電極接合体が同心円上に配列されるとともに、前記挟持部および前記燃料ガス橋架部が前記電解質・電極接合体の数に対応する数に設定され、
    隣り合う前記各挟持部間には、前記酸化剤ガス通路内に前記酸化剤ガスを案内する整流部材が設けられ、
    前記整流部材は、前記セパレータの面方向において前記隣り合う挟持部間を閉塞する閉塞部を備え、前記閉塞部とセパレータの周縁部とで囲まれた空間は、前記酸化剤ガスを前記積層方向に流通させるとともに、前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給する酸化剤ガス供給部を構成していることを特徴とする燃料電池。
  29. 請求項17〜28のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料ガス供給部又は前記反応ガス供給部は、前記セパレータの中央部に設けられるとともに、
    前記燃料ガス供給部又は前記反応ガス供給部を中心に4つの前記電解質・電極接合体が同心円上に配列されることを特徴とする燃料電池。
  30. 請求項1〜29のいずれか1項に記載の燃料電池において、
    前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする燃料電池。
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