JPH08194276A - 非球面レンズを用いた広角度観測装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非球面のレンズなどを用い収差特性を利用し
湾曲した結像面を作くる。これを観測面とすれば、全視
野が１８０度近い非常に広視野の物体あるいは情報を一
度に得ることができ、検出系を含む光学系を簡易化する
ことが出来る。 【構成】 特殊なレンズ１を工夫することにより、Ｌ
Ｄ，ＬＥＤ光源４からの情報あるいは写真像などを、同
心円などの曲面上に配置された光ファイバー５、あるい
はフィルム、ＣＣＤ２により広角度まで観測できる装置
からなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、非球面のレンズ等を用
い視野情報を、非常に広範囲の画角まで一度に得ること
のできる方法と装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の広画角で物体像を観測する方法で
は、何枚かレンズを組み合わせた複雑な撮像レンズ系に
より、高だか半画角が３０度程度の視野を一平面に結像
する方法しか考えられなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の複雑なレンズ系
を持たずに、かつ半画角が９０度近辺の広視野をもつ観
測装置を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、特に開発した広視野の非球面レンズを用い、入射光
の半画角が９０度近辺になっても光の全反射がレンズ内
で生ぜず、光束が集光する方法を工夫した。収差特性か
ら、全てのこれらの光線が一般に要求されるガウスの理
想像平面に集光するのは困難である。それ故、特に像面
湾曲収差が大きいレンズの特性を逆に利用し、湾曲した
形状の曲面上に、非常に高い画角まで良質の像を無理な
く結像させる方法を発明した。

【０００５】

【作用】上記のような同心円の曲面、あるいは任意の形
状の湾曲した曲面上に複数の観測系を配置することによ
り、非常に高い画角までの物体像、あるいは視野情報を
一度に観測、測定計測する機能を実施出来る。

【０００６】

【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
１は光学系の結像の原理をを示したものである。ごく一
般的な方法では、例えば入射画角が３０度以内の、あら
ゆる方向からレンズ１の主点Ｈ１に入射する光線は、レ
ンズの主点Ｈ２から射出し、ガウスの理想結像平面Ｇａ
に集光して像を観測する。しかしこのような方法ではレ
ンズの特性から、複雑な光学系を用いても高い画角にな
れば全反射が生じ、結像が不可能になる。

【０００７】特殊なレンズ１を使用すると、例えば任意
の半画角Ｇ２で入射した光束は、レンズを中心とする円
の円周上の点Ｐ２に結像する。同様にあらゆる画角から
の光束を、例えば最大半画角９０度近辺まで同じ円周上
の点Ｐ０，Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３，Ｐ４，．．．に、結像さ
せることができる。すなわち本発明では、観測面を一平
面に限定せず曲面とする方法を工夫した。この様なレン
ズの光学設計では、像面湾曲収差のみを極端に悪くする
設計を行なうことにより、この方法が可能になる。

【０００８】図２は本発明による特殊な結像方法の応用
例を示す。（ａ）は一般の撮影用広角レンズを用いたカ
メラであり、カメラボックス３内にレンズ１を中心とす
る同心円状のフィルム、ＣＣＤ２が巻かれてセットして
ある。もちろんかならずしも、同心円状でなく他の任意
の湾曲した曲面を用いてもよいし、中心もレンズのセン
ターなどでなくこれからずれた任意の空間位置にあって
も、高画角まで良質な像を結像できるものであればよ
い。カメラなどの分野では、今までにない広視野の写真
像を取ることが可能となる。

【０００９】（ｂ）はレーザープリンター、複写装置あ
るいは情報伝達等の手段への応用として、複数の光源か
らの情報、信号等を一度にとらえることのできる方法を
示した例である。複数のＬＤ、ＬＥＤ光源４からの光束
が、同心円等の曲面上に配置された複数の光ファイバー
５により、検出される例を示したものである。しかし検
出系としては、ＣＣＤ等の撮像素子を用いてもよい。従
来の方法では、セルッフォクレンズなどの多数のレンズ
アレイを使用し、コスト的な面、光学的な配置、スペー
ス、調整などの面がかなり面倒であったが、本発明によ
りこれらの問題点を大幅に改良することが可能になる。

【００１０】

【発明の効果】本発明は、以上に説明された様に構成さ
れるので以下に記載されたような効果を生む。非球面レ
ンズ等の全反射によるケラレのないレンズ系を使用し、
又観測、測定面を曲面にすることにより、全視野がほぼ
１８０度までの領域の像、情報を一度に得ることが可能
になった。この方法のあらゆる観測、計測分野への適用
により、従来にはない広視野の画像、情報等をより簡単
に得ることができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】非常に高い画角まで湾曲面に結像する、光学系
の原理図。

【図２】（ａ）カメラを用いた広角レンズへの応用例。 （ｂ）複数の光源光を用いた計測への応用例。

【符号の脱明】

Ｇａ ガウスの理想結像平面 Ｇ２ 任意の半画角 Ｈ１、Ｈ２ レンズの主点 Ｐ０、Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３，Ｐ４ 円周上の点 １ レンズ ２ フィルム、ＣＣＤ ３ カメラボックス ４ ＬＤ，ＬＥＤ光源 ５ 光ファイバー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高画角の視野からの結像が可能なレンズ
   （１）に像面湾曲収差等をもたせ、湾曲したの形状の曲
   面に光束を集光し、これを観測面とする方法。
2. 【請求項２】 請求項１に記載された方法で工夫した結
   像面上に、光ファイバー（５）あるいは他の検出素子を
   配置し、広い視野の物体、光源の情報を得ることのでき
   る観測及び計測等のあらゆる装置。