JPH08194239A - 非線形光学材料及び非線形光導波路素子 - Google Patents

非線形光学材料及び非線形光導波路素子

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JPH08194239A
JPH08194239A JP736295A JP736295A JPH08194239A JP H08194239 A JPH08194239 A JP H08194239A JP 736295 A JP736295 A JP 736295A JP 736295 A JP736295 A JP 736295A JP H08194239 A JPH08194239 A JP H08194239A
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fluorine
compound
nonlinear optical
electron
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JP736295A
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Kazuo Hirota
一雄 広田
Masahiro Hosoda
雅弘 細田
Kazuo Tai
和夫 田井
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな2次以上の非線形光学効果を示し、光
伝搬損失の少ない非線形光学材料及びそれを用いてなる
非線形光導波路素子を提供する。 【構成】 有機非線形光学化合物が含フッ素高分子物質
に配合されてなる非線形光学化合物配合高分子組成物及
び又は有機非線形光学化合物が含フッ素高分子化合物に
結合されてなる非線形光学化合物担持高分子化合物にお
いて、有機非線形光学化合物が電子受容基に電子吸引性
のパーフルオロ基を含有する含フッ素有機非線形光学化
合物あるいはその誘導体からなり、高分子化合物分子の
水素原子数とフッ素原子数との合計数に対するフッ素原
子数の比率が、少なくとも20%のものよりなることを
特徴とする非線形光学材料及び上記非線形光学材料を有
機非線形光学層に含有することを特徴とする非線形光導
波路素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光集積回路等に利用さ
れる非線形光学材料及び非線形光学導波路素子に関し、
さらに詳しくは、大きな二次または三次の非線形光学特
性を有する有機非線形光学化合物がフッ素置換高分子中
に含有されてなる非線形光学材料ならびに、この材料を
含有する非線形光学導波路素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の非線形光学材料は、機能性の光
学素子や光学部品に使用して非線形光学効果を発現する
素材物質のことである。ここにいう非線形光学効果と
は、外部強電界により誘起される原子や分子の分極にお
いて、非線形分極が無視できなくなった結果生じる光学
効果をいう。例えば、2次の非線形光学効果ではポッケ
ルス効果、パラメトリック発振、第2高調波発生(SH
G)等が、また、3次の非線形光学効果ではカー効果、
静電誘導SHG、第3高調波発生(THG)、光強度に
よる屈折率の変化などが知られている。2次非線形光学
効果は、波長変換(SHG)素子、電気光学変調器等
に、3次の非線形光学効果は、波長変換(THG)素
子、高速光シャッター光演算、光双安定性素子、光スイ
ッチング等への応用が可能である。
【0003】非線形光学材料としては、従来から、リン
酸二水素化カリウム(KDP)やニオブ酸リチウム(Li
NbO3)等の無機強誘電体が知られ(Landolt-Bormstein
NewSeries, Group III, Grystaland Solid State Physi
cs, Vol 12)、光周波数逓倍素子として実用化されてい
る(新版レーザーハンドブック、第432頁〜第440
頁、朝倉書店)。しかし、これらの無機強誘電体より大
きい非線形光学応答を示す2-メチル-4- ニトロアニリン
(MNA)が、1979年にB. F. Levineらによって発
見されて以来、有機非線形光学材料の研究開発が積極的
に行われている。
【0004】これら有機非線形光学材料は、無機強誘電
体より大きい非線形光学定数、速い非線形光学応答や高
い破壊しきい値等が期待できる点で新しい光学材料とし
ての用途展開が期待できる上に、分子設計やデバイス化
の多様性を有するという利点を有し、将来のオプトエレ
クトロニクス分野の基幹材料として注目されている。
【0005】実際、MNA、1-(4- ニトロフェニル)-3,
5-ジメチルピラゾール(DMNP)、-(2,2-ジシアノビ
ニル) アニソール(DIVA)や4'- ニトロベンジリデ
ン-3-アセトアミノ-4- メトキシアニリン(MNBA)
から得られるバルク単結晶は、波長変換材料として用い
られている。それらの材料をファイバー型やスラブ型光
導波路に加工して、光周波数逓倍素子として試作されて
いる(光機能材料、第41頁〜第105頁、共立出
版)。
【0006】また、4-〔N-(2- ヒドロトキシエチル)-N-
エチルアミノ〕-4'-ニトロアゾベンゼン (DR-1)をメ
タクリル酸エステルの側鎖に導入し、印加電場によって
配向させることにより発現するポッケルス効果を用いた
電気光学変調器の試作が報告されている。さらに、大き
な3次の非線形光学効果を示すポリジアセチレンをスラ
ブ型光導波路に応用し、光スイッチング素子へ展開した
例も示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、非線形光学効
果を示す材料を用いて、光素子を作成する場合には、光
導波路を構築する必要がある。光導波路内で、効率的に
非線形光学効果を発現させるためには、用いる材料が、
大きな非線形光学定数を有し、光の伝搬特性に優れてい
ることが望まれる。
【0008】一般にこれらの光導波路を使用する際の光
源の波長は1.3μmもしくは1.5μm帯のものが使用さ
れるが、有機材料の炭素−水素、酸素−水素結合はこの
領域に吸収を持ち、光の透過性が落ち、損失が大きくな
る。
【0009】一般に、非線形光学材料の非線形光学定数
は、非線形光学化合物の含有量を多くすることにより、
大きくなることが知られている。上記に記載した材料を
用いて光素子を形成させる場合、非線形光学化合物の含
有量を増加させる必要がある。しかしながら、非線形光
学化合物の含有量を多くすると、化合物の凝集や結晶化
が起こり、光学的に透明かつ均一な導波路が得られない
等の現象が観察されていた。その結果、光伝搬損失特性
が、非常に低下するといった問題が生じ、光素子を構築
するのが非常に困難であった。さらに、非線形光学材料
を用い、配向を行なうことで非線形光学効果を発現させ
ることが必要とされるが、一般には配向の緩和が起こ
り、非線形光学効果が失われていく問題があった。この
ような状況に鑑み、本発明の課題は、大きな2次以上の
非線形光学効果を示し、光伝搬損失の少ない非線形光学
材料及びそれを用いてなる非線形光導波路素子の提供に
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点に鑑みて鋭意検討した結果、非線形光学化合物を配合
もしくは担持させる高分子材料に、その構成分子鎖の水
素をフッ素により置換した材料を用いることで、大きな
二次及び三次の非線形光学特性を示し、なおかつ透明性
に優れ光の損失の少ない非線形光学材料を得た。さら
に、本発明者らは、上記の非線形光学材料を用いること
により、光変調特性、光スイッチング特性、光双安定性
の優れた非線形光学導波路素子を得た。即ち、本発明
は、有機非線形光学化合物が高分子物質中に溶解もしく
は分散してなる非線形光学化合物配合高分子組成物及び
又は有機非線形光学化合物が高分子化合物に結合、配位
又は包接されてなる非線形光学化合物担持高分子化合物
を含有する非線形光学材料において、有機非線形光学化
合物が電子吸引性のパーフルオロ基を含有する含フッ素
有機非線形光学化合物あるいはそれらの誘導体よりな
り、高分子化合物が含フッ素高分子化合物であって、高
分子化合物分子における水素原子数とフッ素原子数の合
計数に対するフッ素原子数の百分比が少なくとも20%
のものよりなることを特徴とする非線形光学材料を要旨
とするものであり、また、非線形光学層がこの非線形光
学材料を含有してなることを特徴とする非線形光学導波
路素子を要旨とするものである。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
有機非線形光学材料は、有機非線形光学化合物が高分子
物質中に溶解もしくは分散してなる非線形光学化合物配
合高分子組成物、有機非線形光学化合物が高分子化合物
に結合、配位又は包接されてなる非線形光学化合物担持
高分子化合物あるいはそれらが配合されてなる組成物を
含有するものであるが、有機非線形光学化合物は、電子
受容基に電子吸引性のパーフルオロ基を含有する含フッ
素有機非線形光学化合物あるいはそれらの誘導体よりな
り、高分子化合物は、含フッ素高分子化合物であって、
高分子化合物分子における水素原子数とフッ素原子数の
合計数に対するフッ素原子数の百分比が少なくとも20
%のものよりなるものである。有機非線形光学化合物と
しては、電子供与基、電子受容基のいづれかあるいは両
方の基を含有するπ電子共役系化合物が主に用いられい
るが、本発明においては、この電子受容基に電子吸引性
のパーフルオロ基を含有する含フッ素有機非線形光学化
合物を採用する。
【0012】このような含フッ素有機非線形光学化合物
としては、N,N-ジメチル-4- パーフルオロヘキシルアニ
リン、4-パーフルオロヘキシルN-シアノメチルアニリ
ン、4-〔1-(2-メチロール)ピロリジニル〕- パーフル
オロヘキシルベンゼン、2-〔N-(α- メチルベンジル)
アミノ〕-5- パーフルオロブチルスルホニルピリジン、
1-(4-パーフルオロブチルフェニル)-3,5-ジメチルピラ
ゾール、1-(4-パーフルオロブチルフェニル)-3,5-フェ
ニルピロール、α-4-N,N- ジメチルアミノフェニル -β
- パーフルオロブチルスルホニルビニール、1-(4- パー
フルオロヘキシルフェニル)-4-(4-N,N-ジメチルアミノ
フェニル)- ブタ-1,3- ジエン、 4- パーフルオロブチ
ルスルホニル- トランス- スチルベン、3-メチル-4- メ
トキシ-4'-パーフルオロブチルスルホニル- トランス-
スチルベン、3-フルオロ-4- メトキシ-4'-トリフルオロ
メチル- トランス- スチルベン、4-N,N-ジメチルアミノ
-4'-パーフルオロヘキシルアゾベンゼン、4-〔4-(4- パ
ーフルオロヘキシルフェニルアゾ)-1-ナフチルアゾ〕-
N,N- ジエチルアニリン等の化合物が挙げられる。これ
らの含フッ素有機非線形光学化合物の中でも、就中、一
般式〔1〕にて表せる化合物(以下、〔1〕化合物と略
称する。)が好適に使用できる。
【0013】
【化5】
【0014】上式中、πi 〜πk は、それぞれ独立して
単環式あるいは縮合多環式のi員環の環化合物、j員環
の環化合物及びk員環の環化合物からなるπ電子共役系
の環状化合物、 -X=Y- は各環状化合物を連結する共
役系の連結子で、このX及びYは、それぞれ独立してC
H、CF、N及びN→Oからなる群より選ばれた一対の
原子又は原子団の組み合わせ、nは、πk 系環状化合物
・連結子対群の繰り返し単位数で、0以上の整数、A1
〜Aiqは、i員環の環化合物のiq個の置換基で、それ
ぞれ独立して水1原子基、アルキル基あるいは含フッ素
電子受容基、B1 〜Bjqは、j員環の環化合物のjq個
の置換基で、それぞれ独立して水素原子基、フッ素原子
基、アルキル基あるいは電子供与基、D1 〜Dkqは、k
員環の環化合物のkq個の置換基で、それぞれ独立して
水素原子基、フッ素原子基、トリフルオロメチル基ある
いはアルキル基を表す。ただし、A1 〜Aiqの少なくと
も一つは含フッ素電子受容基であり、B1 〜Bjqの少な
くとも一つは電子供与基であり、πk 系環状化合物・連
結子対群は、各単位毎に環状化合物の単環の員環数、環
種、あるいは縮合環の環数及び員環数、環種の組合わ
せ、各置換基の種類、配置、及び又は、連結子の種類、
向き、結合位置等の構造構成が同じか又は異なる環状化
合物・連結子対群を表す。なお、上記にて各環化合物の
置換基のiq、jq、kqなる下添字で表される順位番
号は、それぞれi環、j環、k環の最終順位の置換基順
位番号を表す。
【0015】ここで、π電子共役系の環状化合物である
πi 〜πk の各骨格構成体の具体的例としては、ベンゼ
ン環、ピリミジン環、オキサゾール環、フラン環、チア
ゾール環、チアジアゾール環、オキサチアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾオキ
サチアゾール環、ナフタレン環、アントラセン環、イソ
キノリン環等の芳香族化合物あるいはそれらのフッ素置
換体が挙げられる。これらのうちで特に好ましい構成体
は、ベンゼン環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、ナフタレン環等である。
【0016】原子又は原子団の対X及びYの組み合わせ
よりなる連結子 -X=Y- の例としては、 -CH=CH
- 、 -CF=CF- 、 -CH=N- 、 -CF=N- 、 -
N=N- 、 -CH=(N→O)- 、 -CF=(N→O)-
、 -N=(N→O)-等の分子式によって表される、そ
れぞれ、ビニレン基、パーフルオロビニレン基、アゾメ
チン基、フルオロアゾメチン基、アゾ基、ニトロン基、
フルオロニトロン基、アゾキシ基等の基が挙げられる。
【0017】B1 〜Bjqにおける電子供与基は、 -R
1 、 -OR1 、 -SR1 、 -NR12 、 -N=12
の一般式で表される基が好例として挙げられる。ここで
1 及びR2 は、それぞれ独立して水素原子基、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基
及び-(CH2)p 0 等のアルキル基誘導体からなる群よ
り選ばれた基である。ここで、Z0 は、 -OH基、 -S
H基、 -NH2 基、 -NCO基、 -COCl 基、 -OG
基( -Gは、グリシジル基を表す。)等の官能性末端基
を表し、pは1〜6の整数である。また、 12 は、シ
クロアルキレン基を表し、 -N= の = は、 12 の両
端の結合基が窒素原子の2個の結合基と環状に連結して
いる様を表示する。
【0018】電子供与基の具体例としては、アルキル
基、フェノール基、アルキルエーテル基、チオフェノー
ル基、アルキルチオエーテル基、アミノ基、アルキルア
ミン基、ジアルキルアミン基、シクロアルキルアミン
基、シクロアルキレンアミン基あるいはそれらの基のア
ルキル基末端に水酸基、チオール基、アミノ基が置換し
た誘導体等あるいはこれらのフッ素置換体が挙げられ
る。
【0019】電子供与基として特に好適な例は、上記ア
ミノ基又はアミノ基誘導体 -NR12 が推奨される。
1 〜Aiqにおける含フッ素電子受容基Ai としては、
フッ素原子基又は一般式〔2〕で表される基が好適に使
用し得る。
【0020】
【化6】
【0021】上式において、第1電子受容性連結基の繰
り返し単位数q1 、パーフルオロエチレンカーボニル基
の繰り返し単位数q2 、1,1-ジフルオロエチレンカーボ
ニル基の繰り返し単位数q3 、パーフルオロモノメチル
メチレンカルボニル基の繰り返し単位数q4 及び第2電
子受容性連結基の繰り返し単位数q5 は、それぞれ0〜
1の整数、メチレン基の繰り返し単位数pは、0〜2の
整数、パーフルオロエチレン基の繰り返し単位数m1 、
パーフルオロオキシ-n- プロピレン基の繰り返し単位数
m2 、1,1,2,2-テトラフルオロオキシ-n- プロピレン基
の繰り返し単位数m3 、パーフルオロオキシプロピレン
基の繰り返し単位数m4 は、それぞれ0〜4の整数、第
1電子受容性連結基E1 及び第2電子受容性連結基E2
は、それぞれ独立してエーテル基、チオエーテル基、カ
ルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、スルホネ
ート基、ホスフィンオキシド基、フォスホネート基、ビ
ニレン基、アルキル置換ビニレン基、パーフルオロビニ
レン基、パーフルオロアルキル置換ビニレン基、パーフ
ルオロシクロアルキレン置換ビニレン基、1-連結アクリ
ル基、1-連結メタクリル基、1-連結パーフルオロアクリ
ル基、1-連結パーフルオロメタクリル基、ビニルエーテ
ル基、ビニルチオエーテル基、ビニルカルボニル基、ビ
ニルスルホニル基、ビニルフォスホネート基、アゾメチ
ン基、アゾ基、アゾキシ基、p-フェニレン基、p-パーフ
ルオロフェニレン基、p-パーフルオロオキシフェニレン
基、p-パーフルオロジオキシフェニレン基、p-パーフル
オロフェニレンカルボニル基、p-パーフルオロオキシベ
ンゾイル基、p-パーフルオロフェニレンカルボキシル
基、p-パーフルオロオキシベンゾエート基、p-パーフル
オロフェニレンスルホニル基及びp-パーフルオロオキシ
フェニルスルホニル基からなる群より選ばれた基であ
り、末端基Z1 は、水素原子基;フッ素原子基;トリフ
ルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ
-n- プロピル基及びパーフルオロイソプロピル基の群か
ら選ばれたパーフルオロアルキル基;下記の式〔3〕に
て表されるパーフルオロシクロジエーテル基;
【0022】
【化7】
【0023】ペンタフルオロフェニル基;ニトロ基、シ
アノ基、ジシアノビニル基、トリシアノビニル基よりな
る群から選ばれた電子受容性末端基及び官能性末端基か
らなる群より選ばれた基を表す。第1電子受容性連結基
の繰り返し単位数q1 、パーフルオロエチレンカーボニ
ル基の繰り返し単位数q2 、1,1-ジフルオロエチレンカ
ーボニル基の繰り返し単位数q3 、パーフルオロモノメ
チルメチレンカルボニル基の繰り返し単位数q4 及び第
2電子受容性連結基の繰り返し単位数q5 は、それぞれ
0〜1の整数、メチレン基の繰り返し単位数pは、0〜
2の整数、パーフルオロエチレン基の繰り返し単位数m
1 、パーフルオロオキシ-n- プロピレン基の繰り返し単
位数m2 、1,1,2,2-テトラフルオロオキシ-n- プロピレ
ン基の繰り返し単位数m3 、パーフルオロオキシプロピ
レン基の繰り返し単位数m4 は、それぞれ0〜4の整
数、さらに、第1電子受容性連結基E1 が、ホスフィン
オキシド基又はフォスホネート基の場合、同基に連結す
る基の繰り返し単位数l1 は、2であり、その他の基の
場合、同数は、1である。また、第2電子受容性連結基
E2 が、ホスフィンオキシド基又はフォスホネート基の
場合、末端基Z1 の繰り返し単位数l2 は、2であり、
その他の基の場合、同数は、1である。なお、末端基Z
1 が官能性末端基以外の基の場合は、p=0であり、逆
に、末端基Z1 が、官能性末端基の場合には、p≧1で
ある。また、末端基Z1 がペンタフルオロフェニル基以
外の場合には、q5 =0で、m1 +m2 +m3 +m4 ≧
1である。特に、末端基Z1 が水素原子基の場合は、m
2 =m3 =m4 =0で、かつ、q2=q3 =q4 =0で
ある。そして、末端基Z1 が、いずれの基であっても、
m1≧1の場合は、q2 =q3 =q4 =0、かつ、m2
=m3 =m4 =0か又はパーフルオロオキシ-n- プ
ロピレン基、2,2-テトラフルオロオキシ-n- プロピレン
基、パーフルオロオキシプロピレン基のそれぞれ繰り返
し単位が三者択一で共存し、いずれの場合もテトラフル
オロエチレン基はE1 と直結する。また、m1=0の場
合は、m2 ≧1のとき、m3 =m4 =0で、q2 =
1、q3 =q4 =0、m3 ≧1のとき、m2 =m4 =
0で、q3 =1、q2 =q4 =0、m4≧1のとき、
m2 =m3 =0で、q4 =1、q2 =q3 =0である。
各繰り返し単位要素の基中における配列は、同要素を
a、b、c、d、eの各群に区分けしたときにabcd
eの順列を保って配置されている。
【0024】ここで官能性置換基とは、高分子主鎖ある
いは側鎖(又は置換基)に共有結合、イオン結合、配位
結合等の結合によって連結し得る連結能を有する置換基
あるいは自己重合性を有する置換基のことであって、ア
ルデヒド基、カルボキシル基、カルボキシルアニオン
基、カルボン酸ハライド基、ジカルボン酸無水物基、ジ
カルボン酸モノアミド基、スルフォン酸基、スルフォン
酸アニオン基、スルフォン酸ハライド基、水酸基、メチ
ロール基、メチロールアミノ基、フェノール基、イソシ
アネート基、アミノ基、アンモニウムカチオン基、エポ
キシ基、イミノ二酢酸アニオン基、アリル基、パーフル
オロアリル基、アクリル基、含フッ素アクリル基、メタ
クリル基、含フッ素メタクリル基等の官能性基が好適な
例として挙げられる。
【0025】一般式〔2〕で表される置換基の具体例と
しては、C6 5-基、C6 5-O-基、C6 5-CO-
基、C6 5-CO2-基、C6 5-S- 基、C6 5-SO
2-基、C6 5-CH=N- 基、C6 5-CH=CH-
基、C6 5-CRf1=CRf2-基、Zcf- 基、Zcf -O-
基、H(CF2 CF2)m1- 基、F(CF2 CF2)m1-
基、CF3(CF2 CF2)m1 -基、(CF3)2 CF(CF
2 CF2)m1- 基、C6 5-( CF2 CF2)m1- 基、C6
5-O (CF2 CF2)m1- 基、C6 5-CO (CF2
2)m1- 基、(以下、H- 基、F- 基、CF3-基、(C
3)2 CF- 基、Zcf- 基、Zcf -O- 基、C6 5-
基、C6 5-O- 基及びC6 5-CO- 基からなる群よ
り選ばれたパーフルオロ系置換基を代表してZf1と表記
する。) Zf1-( CF2 CF2)m1O- 基、Zf1 -( CF
2 CF2)m1CO- 基、Zf1 -( CF2CF2)m1CO2-基、
f1 -( CF2 CF2)m1S- 基、Zf1 -( CF2 CF2)
m1SO2-基、〔Zf1 -( CF2 CF2)m12 PO- 基、
〔Zf1 -( CF2 CF2)m1O〕2 PO- 基、Zf1 -( C
2 CF2)m1CH=N- 基、Zf1 -( CF2 CF2)m1
H=CH- 基、Zf1 -( CF2 CF2)m1CRf1=CRf2
- 基、下記一般式〔8〕にて表される基、
【0026】
【化8】
【0027】(ここで、テトラフルオロエチレン基の繰
り返し数m1 は、1〜4の整数、ジフルオロメチレン基
の繰り返し数mは、2〜8の整数である。)Zf1 -( C
2 CF2)m1OCH=CH- 基、Zf1 -( CF2 CF2)
m1SCH=CH- 基、Zf1 -(CF2 CF2)m1COCH
=CH- 基、Zf1 -( CF2 CF2)m1SO2 CH=CH
- 基、Zf1 -( CF2 CF2)m13 SCH=CH- 基、
〔Zf1 -( CF2 CF2)m12 POCH=CH- 基、
〔Zf1 -( CF2 CF2)m1O〕2 POCH=CH-基、
f1 -( CF2 CF2)m12 CCH=CH- 基、Zf1 -
( CF2 CF2)m12 CC(CH3)=CH- 基、Zf1 -
( CF2 CF2)m12 CCF=CF- 基、Zf1 -( CF
2 CF2)m12 CC(CF3)=CF- 基、Zf1 -( CF
2 CF2)m1 -C6 4-基、Zf1 -( CF2 CF2)m1O -
6 4-CO- 基、Zf1 -( CF2 CF2)m1O -C6
4-CO2-基、Zf1 -( CF2 CF2)m1O -C6 4-S-
基、Zf1 -( CF2 CF2)m1O -C6 4-SO2-基、N
2(CH2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、NC (CH2)
p ( CF2 CF2)m1SO2-基、 (NC)2C=CH (CH
2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、 (NC)2C=C(C
N)(CH2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、HO(CH2)
p ( CF2 CF2)m1SO2-基、OHC(CH2)p (CF
2 CF2)m1SO2-基、HO2 C(CH2)p ( CF2 CF
2)m1SO2-基、 -2 C(CH2)p ( CF2 CF2)m1
2-基、ClOC(CH2)p ( CF2 CF2)m1SO2-
基、HO3 S(CH2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、 -
3 S(CH2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、FO2
(CH2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、H2 N(CH2)
p ( CF2 CF2)m1SO2-基、HOCH2 NH(CH2)
p ( CF2 CF2)m1SO2-基、(CH3)3 +N(CH2)
p ( CF2 CF2)m1SO2-基、(-2 CCH2)2
(CH2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、OCN(CH2)
p (CF2 CF2)m1SO2-基、G- O(CH2)p ( CF
2 CF2)m1SO2-基、Sa-(CH2)p ( CF2 CF2)m1
SO2-基、CH2 =CHCH2 O (CH2)p ( CF2
2)m1SO2-基、CF2 =CFCF2 O (CH2)p ( C
2 CF2)m1SO2-基、CH2 =CHCO2(CH2)p (
CF2 CF2)m1SO2-基、CH2 =C (CH3)CO2(C
2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、CH2 =CFCO
2(CH2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、CH2 =C (C
3)CO2(CH2)p ( CF2 CF2)m1SO2-基、(p=
1〜2、m1 =1〜4)等のm1 系含フッ素電子受容基
(ここで、G- は、グリシジル基、Sa-は、無水コハク
酸基、C6 5-は、ペンタフルオロフェニル基、 -C6
4-は、パーフルオロフェニレン基をそれぞれ意味す
る。また、Rf1、Rf2はそれぞれ、フッ素原子基又はパ
ーフルオロアルキル基を表す。)が好例として挙げられ
る。
【0028】また、一般式
〔9〕〜一般式〔10〕等の
m2 〜m4 系含フッ素電子受容基等が挙げられる。
【0029】
【化9】
【0030】(ここで、Zf2は、F- 、CF3 - 、CF
3 CF2 - 及びCF3 CF2 CF−からなる群から
選ばれたパーフルオロアルキル基、m2 は、1〜3の
整数、m4は、1〜4の整数を表す。)
【0031】一般式〔4〕にて表される含フッ素電子受
容基も好適に使用できる。 Ai 2 =CF3 CF2 CF2 C(CF3)2 −E3 −(CR3 =CR4) q6 − 〔4〕 上式において、第3電子受容性連結基E3 は、 -S- 基
又は -CH2-基のいずれかの基、 -R3 及び -R4 は、
それぞれ独立して水素原子基、フッ素原子基、アルキル
基、パーフルオロアルキル基及びパーフルオロシクロア
ルキレン基からなる群から選ばれた基を表す。なお、R
3 、R4 はそれらの末端が共有結合によって連結した環
状のアルキレン基あるいはパーフルオロアルキレン基で
あっても有効に使用できる。また、電子受容性置換基ビ
ニレン基の繰り返し単位数q6 は0〜1の整数を表す。
【0032】この具体的な例としては、CF3 CF2
2 C(CF3)2 CH2-基、CF3CF2 CF2 C(C
3)2 CH2 CH=CH- 基、CF3 CF2 CF2
(CF3)2 CH2 CF=CF- 基、CF3 CF2 CF2
C(CF3)2 -S- 基、CF3CF2 CF2 C(CF3)
2 -S- CH=CH- 基、CF3 CF2 CF2 C(CF
3)2 -S- CF=CF- 基、下記一般式〔11〕にて表
される含フッ素電子受容基、
【0033】
【化10】
【0034】等の含フッ素電子受容基が挙げられる。
(ここで、mは、2〜8の整数である。)
【0035】また、一般式〔5〕にて表される、エーテ
ル基に隣接する不飽和基を含有するパーフルオロアルケ
ニルエーテル基である、含フッ素電子受容基も好適に使
用できる。 Ai 3 =Cl 2l-1−O− 〔5〕 上式において、炭素原子数lは、3、4、6、8、9、
10、12よりなる群から選ばれた整数である。この具
体的な例としては、式〔12〕〜式〔14〕等のパーフ
ルオロアルケニルエーテル系含フッ素電子受容基が挙げ
られる。
【0036】
【化11】
【0037】さらに、一般式〔6〕にて表される2-置換
パーフルオロイソプロピル基である含フッ素電子受容基
も好適に使用できる。 Ai 4 =Z4 −(E4)q7−C(CF3)2 − 〔6〕 上式において、末端基Z4 は、R5 O- 基、Rf -(CH
2)p O- 基、Ai 3-基、C6 5-基、C6 5-基、Rf
-C6 4-基及びRf -C6 4-基よりなるから選ばれ
た基、第4電子受容性連結基E4 は、 -C (CF3)2-C
2 CH=CH- 基又は下記一般式〔7〕にて表される
【0038】
【化12】
【0039】(上式において、Rf は、H- 、Rf - 、
f - (CH2)p - 、Rf - (CH2)p O- 、Ai 2 -
及びAi 3 - からなる群から選ばれた基である。ここ
で、Rf- は、F- 、F(CF2)m - 、H(CF2)m -
及びCF3 CFH(CF2)m - からなる群から選ばれた
基であり、mは、1〜8の整数である。)のいずれかの
基である。また、電子受容性連結基の繰り返し単位数で
あるq7 は、0〜1の整数を表す。ここで、R5 は、水
素原子基又はアルキル基である。
【0040】この具体的な例としては、H(CH2)n
- C(CF3)2-基、F(CF2)n (CH2)p O- C(C
3)2-基、F(CF2)n (CH2)p O- C (CF3)2-C
2CH=CH- C(CF3)2-基、F(CF2)n -C6
4-C(CF3)2-基、C6 5-C(CF3)2-基、F(C
2)n -C6 4-C(CF3)2-基及び下記の一般式〔1
5〕、一般式〔16〕等の2-置換パーフルオロイソプロ
ピル基系含フッ素電子受容基が挙げられる。
【0041】
【化13】
【0042】置換基D1 〜Dkqとしては、それぞれ独立
して水素原子基、フッ素原子基、トリフルオロメチル基
又は炭素数1から8までのアルキル基、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、ブチル
基、iso-ブチル基、 tert-ブチル基、 sec- ブチル基、
アミル基、iso-アミル基、 tert-アミル基、 sec- アミ
ル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、オ
クチル基、 2- エチルヘキシル基が具体例として挙げら
れる。
【0043】上記した〔1〕化合物は、その他の有機非
線形光学化合物と比較して非線形光学効果が優れている
上に、ポーリングが容易であり、多くの担体高分子との
親和性にも優れている等の数々の長所を有する。
【0044】本発明にて好適に使用される〔1〕化合物
の具体例としては、以下の化合物が例示される。 4-〔 N-(2-ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕-4'-パ
ーフルオロブチルスルホニルアゾベンゼン(FS-1;式
〔17〕にて表される化合物) 、
【0045】
【化14】
【0046】4-〔 4-(4-パーフルオロブチルスルホニル
フェニルアゾ)-1- フェニルアゾ〕-N- エチル-N-(2-ヒ
ドロキシエチル)アニリン(DFS-1;式〔18〕にて
表される化合物) 、
【0047】
【化15】
【0048】4-〔 4-(4-パーフルオロブチルスルホニル
フェニルアゾメチン)-1- ナフチルアゾメチン〕-N- エ
チル-N-(2-ヒドロキシエチル)アニリン(DFS-2;式
〔19〕にて表される化合物) 、
【0049】
【化16】
【0050】4-〔 4-(2,4-ジパーフルオロブチルスルホ
ニルフェニルアゾ)-1-ナフチルアゾ〕-N- エチル-N-(2-
ヒドロキシエチル) アニリン、4-〔 4-(2,4,6-トリパー
フルオロブチルスルホニルフェニルアゾ)-1-ナフチルア
ゾ〕-N- エチル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリン、4-
〔 4-(4-パーフルオロブチルスルホニルフェニルアゾ)
2,6-ジエチルフェニルアゾ〕-N- エチル-N-(2-ヒドロキ
シエチル) アニリン、4-〔 4-(2,4 - ジパーフルオロブ
チルスルホニルフェニルアゾ) 2,6-ジエチルフェニルア
ゾ〕-N- エチル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリン、4-
〔 4-(2,4,6-トリパーフルオロブチルスルホニルフェニ
ルアゾ) 2,6-ジエチルフェニルアゾ〕-N-エチル-N-(2-
ヒドロキシエチル) アニリン、4-〔 4-(4-パーフルオロ
ブチルスルホニルフェニルアゾ) フェニルアゾ〕-N- エ
チル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリン、4-〔 4-(2,4-
ジパーフルオロブチルスルホニルフェニルアゾ) フェニ
ルアゾ〕-N- エチル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリ
ン、4-〔 4-(2,4,6-トリパーフルオロブチルスルホニル
フェニルアゾ) フェニルアゾ〕-N- エチル-N-(2-ヒドロ
キシエチル) アニリン、4-〔 4-(4-ヒドロキシメチレン
パーフルオロブチルスルホニルフェニルアゾ)-1-ナフチ
ルアゾ〕-N- エチル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリ
ン、4-〔 4-(4-ヒドロキシメチレンパーフルオロブチル
スルホニルフェニルアゾ) 2,6-ジエチルフェニルアゾ〕
-N- エチル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリン、4-〔 4
-(4-パーフルオロブチルスルホニルフェニルビニレン)-
1-ナフチルビニレン〕-N- エチル-N-(2-ヒドロキシエチ
ル) アニリン、4-〔 4-(2,4-ジパーフルオロブチルスル
ホニルフェニルビニレン)-1-ナフチルビニレン〕-N- エ
チル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリン、4-〔 4-(2,4,
6-トリパーフルオロブチルスルホニルフェニルビニレ
ン) -1- ナフチルビニレン〕-N- エチル-N-(2-ヒドロキ
シエチル) アニリン、4-〔 4-(4-パーフルオロブチルス
ルホニルフェニルアゾキシ)-1-ナフチルアゾキシ〕-N-
エチル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリン、4-〔 4-(2,
4-ジパーフルオロブチルスルホニルフェニルアゾキシ)-
1-ナフチルアゾキシ〕-N- エチル-N-(2-ヒドロキシエチ
ル) アニリン、4-〔 4-(2,4,6-トリパーフルオロブチル
スルホニルフェニルアゾキシ) ナフチルアゾキシ〕-N-
エチル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリン、4-〔 4-(4-
パーフルオロブチルスルホニルフェニルアゾメチン) フ
ェニルアゾメチン〕-N- エチル-N-(2-ヒドロキシエチ
ル) アニリン、4-〔 4-(4-パーフルオロブチルスルホニ
ルフェニルアゾメチン)-1-ナフチルアゾメチン〕-N- エ
チル-N-(2-ヒドロキシエチル) アニリン。
【0051】なお、上記においては、いづれも、含フッ
素電子受容基として、パーフルオロブチルスルホニル基
を含有する〔1〕化合物を開示したが、この基のかわり
に上記したAi 1 〜Ai 4 の各含フッ素電子受容基より
選ばれたパーフルオロブチルスルホニル基以外の1つの
基を採用してもよい。
【0052】これらの有機非線形光学化合物は、以下に
例示する2種の存在形態にて高分子物質に含有させるこ
とにより、最も好適に前記した非線形光学効果を発現さ
せることができる。すなわち、第1の形態は、上記した
非線形光学効果を示す1種以上の有機化合物あるいはそ
れらの誘導体を高分子物質に溶解あるいは分散させてな
る非線形光学化合物配合高分子組成物(以下,本高分子
組成物と略称する。)であり、第2の形態は、それらの
有機化合物あるいは化合物群を高分子化合物の主鎖ある
いは側鎖に共有結合、イオン結合、配位結合、包接によ
って担持させた非線形光学化合物担持高分子化合物ある
いはそれらの少なくとも1種を含有する高分子組成物
(以下,本担持高分子化合物と略称する。)である。な
お、上記の高分子物質とは、単一高分子化合物、2種以
上の高分子化合物の混合物(ポリマーブレンドあるいは
ポリマーアロイ)又はこれら高分子化合物あるいはそれ
らの混合物に対して有機化合物及びあるいは無機化合物
(単体元素又は金属を含む)等の物質を含有する高分子
組成物等の物質の総称を意味する。
【0053】上記両存在形態とも、全非線形光学材料中
の非線形光学効果を示す有機化合物あるいはそれらの誘
導体、すなわち、有機非線形光学化合物の存在比率は、
0.1〜80重量%であることが必要である。もし、この
値が0.1重量%を下回る場合は、本発明の効果を十分に
発揮し得ない結果となる。また、80重量%を上回る場
合には、高分子物質への含有が不充分となり、有機非線
形光学化合物が高分子物質に対して不均質に分散した状
態となり、光伝搬性が著しく低下する。
【0054】第1の存在形態に比較して第2の存在形態
の場合には、高分子物質中の有機非線形光学化合物の最
大含有量が向上し、電気光学効果の大きな材料が得られ
る。上記高分子物質の主成分をなす高分子化合物のベー
スポリマー素材としては、本発明の有機非線形光学化合
物と親和性の高い高分子で、かつ透明性の高い物質であ
って、高分子化合物分子における水素原子数とフッ素原
子数の合計数に対するフッ素原子数の百分比が少なくと
も20%のものよりなる化合物が本発明の目的に叶う物
質として好適に使用できる。
【0055】このような含フッ素高分子としては、主鎖
にフッ素を含有するモノマー単位を繰り返し単位とする
高分子、例えば、ビニルフルオライド単位、1-クロル-1
- フルオロエチレン単位、1-ブロム-1- フルオロエチレ
ン単位、1-クロル-2- フルオロエチレン単位、ビニリデ
ンフルオライド単位、1-クロル-2,2- ジフルオロエチレ
ン単位、1-クロル-1,2- ジフルオロエチレン単位、1,1-
ジクロル-2,2- ジフロルエチレン単位、1,2-ジクロル-
1,2- ジフルオルエチレン単位、トリフルオロエチレン
単位、クロロトリフルオロエチレン単位、テトラフルオ
ロエチレン単位、パーフルオロアルキルビニルエーテル
単位(アルキル基炭素数;1〜8)、下記一般式〔2
0〕にて表されるパーフルオロアルキル基置換テトラフ
ルオロエチレン単位、一般式〔21〕にて表されるパー
フルオロポリアルキレングリコールビニールエーテル単
位、
【0056】
【化17】
【0057】(ここで、V1 は、パーフルオロアルキル
基又は官能性末端基ZX を含有する置換基、V2 は、 -
F、 -CF3 、 -CF2 CF3 、 -CF2 CF2 CF3
よりなる群から選ばれた1つの基又は官能性末端基ZX
を含有する置換基、n=1〜4の整数を表す。)、3,3,
3-トリフルオロプロピレン単位、2,3,3,3-テトラフルオ
ロプロピレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、ヘ
キサフルオロイソブテン単位、パーフルオロアミルプロ
ピレン単位、ヘキサフルオロシクロブテン単位、パーフ
ルオロシクロヘキセン単位、ジフルオロオキシメチレン
単位、トリフルオロメチルフルオロオキシメチレン単
位、1,1,2,2-テトラフルオロオキシ-n- プロピレン単
位、パーフルオロオキシ-n- プロピレン単位、パーフル
オロフルオロオキシプロピレン単位、下記一般式〔2
2〕にて表されるパーフルオロジオキソール単位、
【0058】
【化18】
【0059】(ここで、Rf3は、フッ素原子基又は炭素
数1〜4個のパーフルオロアルキル基を表す。)
【0060】式〔23〕にて表される含フッ素ニトロソ
アルキル単位、 −〔N (CF3)−OCF2 CF2 〕− 〔23〕 2-フルオロアクリレート単位、3,3,3-トリフルオロメタ
クリレート単位、下記の一般式〔24〕で表せる繰り返
し単位からなる含フッ素スチレン単位、
【0061】
【化19】
【0062】等の含フッ素アルキレン・オキシアルキレ
ン系繰り返し単位からなる単独重合体、これら2種以上
のモノマー単位からなる共重合体あるいはこれらモノマ
ー単位を少なくとも一成分とするエチレン単位、プロピ
レン単位、ビニルクロライド単位、ビニリデンクロライ
ド単位、ビニリデンブロマイド単位、スチレン単位、ア
クリロニトリル単位、メチルアクリレート単位、メチル
メタクリレート単位、酢酸ビニル単位、アルキルビニル
エーテル単位、ブタジエン単位、クロロプレン単位、等
のオレフィン・ジエン・ビニル単位あるいはこれら各単
位に水酸基、カルボキシル基等の官能基を含有する基等
の非含フッ素モノマー単位との共重合体が挙げられる。
【0063】また、2種以上の構成単位からなる繰り返
し単位の含フッ素高分子化合物であって、この高分子化
合物分子における水素原子数とフッ素原子数の合計数に
対するフッ素原子数の百分比が少なくとも20%のもの
として、以下の例が挙げられる。一般式〔25〕〜一般
式〔28〕で表せる二価含フッ素カルボン酸残基よりな
る群
【0064】
【化20】
【0065】(ここで、m4 は、1〜5の整数、mは、
1〜16の整数、q6 は、0又は1を表す。)と一般式
〔29〕〜一般式〔33〕で表せる二価含フッ素アミン
残基よりなる群
【0066】
【化21】
【0067】(ここで、mは1〜16の整数、m5 は、
1又は2を表す。)とから選ばれた少なくとも一種の二
価含フッ素カルボン酸残基及び又は二価含フッ素アミン
残基を含有する含フッ素ポリアミド、
【0068】式〔34〕、一般式〔35〕で表せる二価
含フッ素カルボン酸無水物残基
【0069】
【化22】
【0070】(ここで、E5 は、 -O- 、 -COO- 、
-CONH- 、 5Eは、- O- 、 -OCO- 、 -NHO
C- を、m5 は、1又は2を表す。)と上記の二価含フ
ッ素アミン残基よりなる群とから選ばれた少なくとも一
種の二価含フッ素カルボン酸無水物残基及び又は二価含
フッ素アミン残基を含有する含フッ素ポリイミド、
【0071】一般式〔36〕、一般式〔37〕で表せる
二価含フッ素アルコール残基と上記の二価含フッ素カル
ボン酸残基よりなる群 −O−(CH2)p (CF2)m (CH2)p −O− 〔36〕 −O−CH2 ff −CH2 −O− 〔37〕 (ここで、pは、1又は2、mは、1〜8の整数であ
る。)とから選ばれた少なくとも一種の二価含フッ素ア
ルコール残基及び又は前記二価含フッ素カルボン酸残基
を含有する含フッ素ポリエステル、
【0072】一般式〔38〕〜一般式〔41〕で表せる
二価含フッ素フェノール残基よりなる群
【0073】
【化23】
【0074】(ここで、V3 は、水素原子基又はフッ素
原子基を表す。ただし両フェニル環上の凡ての置換基は
同一の基を選ぶものとする。また、m5 は、1又は2を
表す。)と上記の二価含フッ素カルボン酸残基よりなる
群とから選ばれた少なくとも一種の二価含フッ素フェノ
ール残基及び又は二価含フッ素カルボン酸残基を含有す
る含フッ素ポリアリレート、
【0075】上記の二価含フッ素フェノール残基よりな
る群から選ばれた少なくとも一種の二価含フッ素フェノ
ール残基を含有する含フッ素ポリカーボネート、
【0076】下記の一般式〔42〕〜一般式〔46〕で
表せる二価含フッ素ウレタン残基
【0077】
【化24】
【0078】(ここで、mは、1〜8の整数、m5 は、
1又は2である。)と前記二価含フッ素アルコール残基
とから選ばれた少なくとも一種の二価含フッ素ウレタン
残基及び又は二価含フッ素アルコール残基を含有する含
フッ素ポリウレタン、
【0079】上記の各二価含フッ素アルコール残基ある
いは二価含フッ素フェノール残基の両端の -O- 基にそ
れぞれグリシジル基、 3,4- エポキシシクロヘキサン
基、1-メチレン-3,4- エポキシシクロヘキサン基、1-カ
ルボニル-3,4- エポキシシクロヘキサン基等のエポキシ
基を結合した二価含フッ素エポキシ化合物よりなる群、
上記二価含フッ素アミン残基を含有する二価含フッ素ア
ミンよりなる群及び二価含フッ素カルボン酸無水物残基
を含有する二価含フッ素カルボン酸無水物よりなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の二価含フッ素エポキシ化合
物と二価含フッ素アミン及び又は二価含フッ素カルボン
酸無水物(二価含フッ素硬化剤)とを相互に反応させて
得られる含フッ素エポキシ樹脂あるいは上記二価含フッ
素エポキシ化合物と二価含フッ素含フッ素硬化剤とをそ
れぞれ対応する非含フッ素の二価硬化剤や二価エポキシ
化合物と反応させて得られる含フッ素エポキシ樹脂、
【0080】その他、一般式〔47〕で表される二価パ
ーフルオロアルキレンスルホンとジフェニレンスルホ
ン、ジフェニレンエーテル、ジフェニレンスルフィド等
の二価芳香族基とからなる含フッ素ポリスルホン、 −SO2 −(CF2)m −SO2 − 〔47〕 (ここで、mは1〜8の整数を表す。)
【0081】一般式〔48〕で表される二価含フッ素ア
ルキル基置換トリアジン基と二価パーフルオロポリオキ
シポリプロピレン・アルキレン基とからなる含フッ素ト
リアジン樹脂等が挙げられる。
【0082】
【化25】
【0083】(ここで、mは、1〜8、m4 は、1〜4
の整数を表す。)
【0084】さらに、通常の重合体のモノマー単位又は
構成単位にパーフルオロアルキル基、パーフルオロポリ
アルキレングリコール基、パーフルオロアルケン基ある
いはパーフルオロアリール基等のパーフルオロ有機基を
側鎖として含有する含フッ素重合体も以下のとおり好適
例として例示される。
【0085】すなわち、一般式〔49〕で表せる繰り返
し単位を含有する含フッ素ポリスチレン又は含フッ素ポ
リ-p- アルケニルフェノールエーテル、一般式〔50〕
で表せる繰り返し単位を含有する含フッ素ポリアリルア
ミン、一般式〔51〕、一般式〔52〕で表せる繰り返
し単位を含有する含フッ素ポリビニルアルコール、
【0086】
【化26】
【0087】(ここで、Rは、水素原子基又はメチル
基、W1 は、二価の脂肪族又は芳香族の基を表す。)
【0088】一般式〔53〕〜一般式〔57〕で表せる
繰り返し単位を含有する含フッ素ポリアクリ又は含フッ
素ポリメクリレート、
【0089】
【化27】
【0090】(ここで、E6 は、 -O- 、 -CO- 、-
COO- 、- CONH- 、 -SO2-、-N(R)SO
2-、 -NHCOO- 、- NHCONH- 等の連結基、q
8 は、0又は1、pは、0〜2の整数、m6 は、1又は
2を表す。)
【0091】一般式〔58〕で表せる二価含フッ素カル
ボン酸単位及び又は一般式〔59〕〜一般式〔61〕で
表せる二価含フッ素アミン単位を少なくとも一つ含有す
る含フッ素ポリアミド、
【0092】
【化28】
【0093】上記二価含フッ素アミン単位を含有する含
フッ素ナジック酸末端型ポリイミド、上記二価含フッ素
アミン単位の両端アミン基に無水マレイン酸を反応させ
て得られる含フッ素ビスマレイミドを通常の二価アミン
又は二価含フッ素アミンと反応させて得られる含フッ素
ビスマレイミド型ポリイミド、上記二価含フッ素カルボ
ン酸単位を含有するポリベンゾイミダゾール及びポリベ
ンザチアゾール、一般式〔62〕又は一般式〔63〕で
表せる二価含フッ素アルコール単位及び又は上記二価含
フッ素カルボン酸単位を少なくとも一つ含有する含フッ
素ポリエステル、
【0094】
【化29】
【0095】一般式〔64〕又は一般式〔65〕で表せ
る二価含フッ素フェノール単位を含有する含フッ素ポリ
アリレート及び含フッ素ポリカーボネート
【0096】
【化30】
【0097】下記一般式〔66〕にて表させる含フッ素
ジカルボン酸ジアリルを少なくとも1モノマー成分とす
る含フッ素ジアリルフタレート樹脂、
【0098】
【化31】
【0099】一般式〔67〕〜一般式〔69〕で表せる
含フッ素エポキシ主剤と前記した二価含フッ素アミン及
び又は二価含フッ素カルボン酸無水物あるいは通常の硬
化剤とを反応させて得られる、含フッ素エポキシ樹脂、
【0100】
【化32】
【0101】一般式〔70〕又は一般式〔71〕で表せ
る繰り返し単位を含有する含フッ素シリコーン樹脂、
【0102】
【化33】
【0103】一般式〔72〕で表せる繰り返し単位を含
有する含フッ素ポリホスファゼン等が挙げられる。
【0104】
【化34】
【0105】その他、上記合成高分子物質又はセルロー
ズ、アセテート、蛋白質、ペプチッド、キチン、キトサ
ン等の天然高分子あるいは半合成高分子等の通常の高分
子物質を前記した高分子反応にてフッ素化して得られる
含フッ素高分子化合物等が好適な例として挙げられる。
【0106】本担持高分子化合物における好ましい担体
高分子のベースポリマー素材としては、上記例示の高分
子化合物において、カルボキシル基、カルボキシルアニ
オン基、スルフォン酸アニオン基、水酸基、メチロール
基、メチロールアミノ基、フェノール基、イソシアネー
ト基、アミノ基、アンモニウムカチオン基、エポキシ
基、イミノ二酢酸アニオン基等の本有機非線形光学化合
物又はその誘導体と化学結合(共有結合、イオン結合又
は配位結合)あるいは包接化し得る官能基を含有する高
分子化合物、あるいは、本有機非線形光学化合物又はそ
の誘導体をモノマー単位、共重合単位、構成単位あるい
は共構成単位とする高分子化合物等が挙げられる。
【0107】有機非線形光学化合物における担体高分子
との結合部位は、同化合物分子中のいずれでもよいが、
特に前記した電子供与基あるいは含フッ素電子受容基の
官能性末端基の部位が好適である。
【0108】有機非線形光学化合物を担体高分子に結合
させるには、有機非線形光学化合物の官能性基と担体高
分子の官能性基とを結合させる方法と両官能性基に対し
て反応性、配位性あるいは包接性を有する二官能性ある
いは三官能性以上のカップリング剤によって両者を結合
させる方法が採用し得る。
【0109】共有結合により有機非線形光学化合物を担
持する官能基を含有する高分子化合物としては、例え
ば、下記の一般式〔73〕にて表される繰り返し単位を
含有する溶剤可溶性常温硬化型の含フッ素オレフィン・
ビニルコポリマーが例示される。
【0110】
【化35】
【0111】(ここで、W2 は、アルキレン基又はポリ
アルキレングリコール基、V4 は、カルボキシル基、水
酸基、アミン基、イソシアナート基等の官能基、R
7 は、炭素数1〜12のアルキル基、繰り返し単位数 M
及び N は、M : N =1:20〜6:4の整数を表
す。)
【0112】本例における水酸基、カルボキシル基等の
官能基は有機非線形光学化合物を担持する反応基として
機能すると共に後記するポリイソシアネート、ブロック
イソシアネート、メラニン、ヘキサメチロールメラニ
ン、トリグリシジルシアヌレート等の熱硬化剤と反応し
て架橋を形成する反応基としても機能する役目を担って
いる。
【0113】また、カルボキシル基、スルホン酸基、ア
ンモニウム基等のイオン基を含有する高分子化合物とし
ては、例えば、下記の一般式〔74〕、一般式〔75〕
にて表される繰り返し単位を含有するパーフルオロアイ
オノマーが例示される。
【0114】
【化36】
【0115】(ここで、一般式〔74〕において、M :
N は、20:1〜4:6の比、m4 は、1〜5の整数、
また、一般式〔75〕において、M : N は、20:1〜
4:6の比、m4 は、1〜5、m5 は、2〜8の整数を
表す。)
【0116】本例においては、上記イオン基は有機非線
形光学化合物の対イオンとイオン結合を形成して高分子
化合物に担持されるよう有機非線形光学化合物を選択し
て配合する。
【0117】配位結合により有機非線形光学化合物を担
持する官能基を含有する高分子化合物としては、例え
ば、側鎖にイミノ二酢酸基を含有する含フッ素ポリスチ
レン等の高分子化合物が好適に使用することができる。
【0118】本例においては、イミノ二酢酸基と配位結
合を形成し得る第4級アミンアンモニウムイオンを有す
る有機非線形光学化合物を選択して配合する。
【0119】包接により有機非線形光学化合物を担持す
る官能基を含有する高分子化合物としては、例えば、側
鎖にシクロデキストリンを含有する含フッ素セルローズ
等の高分子化合物が好適に使用することができる。本例
においては、有機非線形光学化合物として含フッ素電子
受容基が直鎖含フッ素アルキル基のような線形の基のも
のを選択して配合する。
【0120】上記各高分子化合物ベースポリマー素材に
おいて、炭素原子又は窒素原子に結合する水素原子の少
なくとも20%がフッ素によって置換されてなる化合物
が本発明の非線形光学材料の対象とする高分子物質の主
構成物である。上記した含フッ素高分子化合物の調製法
は、含フッ素モノマー、あるいは含フッ素構成素材を
通常の重合法にて重合する方法、通常の高分子物質を
フッ素、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化モリ
ブデン等のフッ素化剤による通常の高分子反応あるいは
フッ化水素による電解フッ素化反応によりフッ素化する
方法、反応基を含有する通常の高分子物質を含フッ素
置換基化合物と反応させて含フッ素置換基を誘導する方
法等各種のフッ素置換法が採用できる。
【0121】上記高分子のうち、特に好適な例として
は、上記の一般式〔73〕あるいは下記の一般式〔7
6〕〜一般式〔78〕にて表される透明性に優れた溶剤
可溶性低温硬化型の含フッ素オレフィン・ビニルコポリ
マー、
【0122】
【化37】
【0123】(ここで、一般式〔76〕及び一般式〔7
7〕における、M 、N 、L また、一般式〔78〕におけ
るM 、N 、L 、0 は、それぞれ独立して1〜20の整
数、R8は、炭素数1〜12のアルキル基を表す。) 2-
フルオロアクリレート単位、3,3,3-トリフルオロメタク
リレート単位等の含フッ素メタ・アクリレート単位に、
一般式〔53〕〜一般式〔57〕で表される繰り返し単
位を有する含フッ素メタ・アクリレート樹脂のアルコー
ル・フェノールエステル成分を置換してなる単位を繰り
返し単位とする含フッ素メタ・アクリレート樹脂(すな
わち、一般式〔53〕〜一般式〔57〕で表される繰り
返し単位のR- が、F- 又はCF3-に置換されてなる繰
り返し単位を有する含フッ素メタ・アクリレート樹
脂)、あるいは、これらに、さらに、前記、パーフルオ
ロアルキルビニールエーテル、あるいは一般式〔2
0〕、一般式〔21〕等のパーフルオロビニールエーテ
ルを共重合させて得られる含フッ素アクリル・メタクリ
ル系共重合体、一般式〔38〕〜一般式〔41〕あるい
は一般式〔64〕、一般式〔65〕で表される二価含フ
ッ素フェノール残基単位を有する含フッ素ポリカーボネ
ート、上記二価含フッ素フェノール残基単位と一般式
〔25〕〜一般式〔28〕あるいは一般式〔58〕で表
される二価含フッ素カルボキシル残基単位とからなる含
フッ素ポリアリレート、一般式〔34〕、一般式〔3
5〕で表される二価含フッ素カルボン酸無水物残基と式
〔31〕〜一般式〔33〕あるいは一般式〔59〕〜一
般式〔61〕で表される二価含フッ素アミン残基とから
なる無色透明の含フッ素ポリイミド、上記の二価含フッ
素フェノール残基の両端の -O- 基にそれぞれグリシジ
ル基、 3,4- エポキシシクロヘキサン基、1-メチレン-
3,4- エポキシシクロヘキサン基、1-カルボニル-3,4-
エポキシシクロヘキサン基等のエポキシ基を結合した二
価含フッ素エポキシ化合物あるいは一般式〔67〕〜一
般式〔69〕で表される多価含フッ素エポキシ化合物と
一般式〔29〕〜一般式〔33〕あるいは一般式〔5
9〕〜一般式〔61〕で表される二価含フッ素アミン残
基を含有する二価含フッ素アミン化合物あるいは一般式
〔34〕、一般式〔35〕で表される二価含フッ素カル
ボン酸無水物残基を含有する二価含フッ素カルボン酸無
水物(二価含フッ素硬化剤)と反応させて得られる含フ
ッ素エポキシ樹脂、一般式〔47〕で表される二価パー
フルオロアルキレンスルホンとジフェニレンスルホン、
ジフェニレンエーテル、ジフェニレンスルフィド等の二
価芳香族基とからなる含フッ素ポリスルホン、あるいは
一般式〔74〕、一般式〔75〕にて表される繰り返し
単位を有するパーフルオロアイオマー等の高分子化合物
が挙げられる。上記した溶剤可溶性低温硬化型の含フッ
素高分子化合物としては硬化温度が150℃以下のもの
が適切である。
【0124】前記したように、有機非線形光学化合物が
高濃度で高分子中に均一に分布し非線形光学効果の大き
く且つ光伝播損失の少ない非線形光学材料を得るために
は、有機非線形光学化合物が高分子化合物のモノマーあ
るいは構成単位である高分子原料をもちいて高分子合成
を行うのが有効である。
【0125】このような有機非線形光学化合物モノマー
としては、式〔79〕、式〔80〕にて表される含フッ
素アクリレート・メタクリレート等のモノマーが好適に
使用できる。 CH=C(CF3)CO2 (CH2)P ( CF2 CF2)m2SO2 −T 〔79〕 CF=CF−〔OCF2 CF(CF3)〕m3OCF2 CF2 SO2 −T 〔80〕 (ここで、Tは、一般式〔1〕で表される有機非線形光
学化合物より含フッ素電子受容基を除いた残基を表す。
pは、1又は2、m2 及びm3 は、1〜4の整数を表
す。)
【0126】これらモノマーは、そのまま単独で重合す
るか、あるいは前記したテトラフルオロエチレン、クロ
ルトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオロライド、
ヘキサフルオロプロペン等のモノマーと共重合して重合
体とする。
【0127】また、有機非線形光学化合物が高分子物質
中に溶解もしくは分散してなる非線形光学化合物配合高
分子組成物において、有機非線形光学化合物の含フッ素
基含有部位と高分子物質の主成分である高分子化合物の
含フッ素基含有部位が同一の共通含フッ素分子構造単位
を含有し、有機非線形光学化合物におけるこの共通含フ
ッ素分子構造単位の含フッ素基含有部位中に占める比率
が70%以上であるものを選択して使用すると、有機非
線形光学化合物が高濃度で高分子中に均一に分布した高
分子組成物が得られ、上記と同様な効果が発揮される。
なお、上記含フッ素基含有部位とは、高分子繰り返し単
位中の凡てのフッ素原子が含まれる残基単位で区切った
最小限の分子構成単位であり、また共通含フッ素分子構
造単位とは、両含フッ素基含有部位中の共通した分子構
造を有する最大限フッ素原子を含有する分子構成単位で
ある。上記有機非線形光学化合物の含フッ素基含有部位
と共通含フッ素分子構造単位の大きさは、それぞれ構成
単位中の原子数の合計によって表すものとする。例え
ば、有機非線形光学化合物として〔1〕化合物を選択し
た場合、この含フッ素基含有部位は、含フッ素電子受容
基の要部となるが、この場合について、両含フッ素基含
有部位と共通含フッ素分子構造単位とを例示すると、表
1のとおり開示される。
【0128】
【表1】
【0129】本例にて、有機非線形光学化合物における
共通含フッ素分子構造単位の含フッ素基含有部位中に占
める比率を、No. 4のm=1の場合について、算出する
と、含フッ素含有部位では、C数=15、F数=18、
H数=5、O数=1なので、全原子数は39個となり、
共通含フッ素分子構造単位では、C数=13、F数=1
5、H数=3、O数=1なので、全原子数は32個とな
って、上記比率は、約82%となる。
【0130】高分子の分子量は、重量平均分子量; Mw
が3,000〜1,000,000のものが好例として推奨さ
れる。なお、このうち特にMw 5,000〜100,00
0のものが好ましい。
【0131】本高分子組成物の場合、有機非線形光学化
合物は、上記高分子物質中に溶解及び又は分散させて使
用されるが、後者の場合においても分散状態が均一なも
のが望ましい。
【0132】また、高分子自身が非線形光学効果を示す
有機非線形光学材料を含んでもよい。この有機非線形光
学材料の例としては、従来公知のポリジアセチレン誘導
体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリアニリン誘導
体、ポリチオフェン誘導体、ポリジイン誘導体、ポリピ
ロール誘導体、ポリフタロシアニン誘導体等が挙げられ
る。
【0133】本発明の非線形光学材料には、必要に応じ
て、前記有機非線形光学化合物及びそれを配合又は担持
する高分子物質以外の成分を配合してもよい。例えば、
ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エス
テル等の光安定剤や、光や熱によって硬化・架橋する感
光性樹脂,ポリイソシアネート、ブロックイソシアネー
ト、メラニン、ヘキサメチロールメラニン、トリグリシ
ジルシアヌレート等の熱硬化剤、フェニルパーオキサイ
ド/トリアリルイソシアヌレート等の加硫剤等の配合剤
を添加するのも有効である。一般に、これらの配合剤の
含有量は、非線形光学材料に対し0.5〜30重量%であ
るが、特に2〜20重量%が好ましい。
【0134】次に、本発明の非線形光学材料を用いて作
成された本発明の非線形光導波路素子について詳述す
る。
【0135】本発明の非線形光学材料を平板状の基板表
面に被覆し薄膜を形成して非線形光学層とし、そのま
ま、あるいはこれに上記非線形光学層より僅か高屈折率
の素材よりなる光導波路チャネルを形成して、本発明の
非線形光導波路素子が作成される。上記非線形光学層
は、光が素子中を伝搬する際に非線形光学効果を生じさ
せる層である。
【0136】また、本発明の非線形光導波路素子は、基
板表面にまず溝状の光導波路を形成し、その導波路内に
薄膜状の非線形光学層を形成する方法も採用することが
できる。
【0137】上記非線形光導波路素子の基板の素材例と
しては、石英、パイレックスガラス、グラファイト、シ
リコン、二硫化モリブデン、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム等が主に使用される。基板の厚さは、特に限定され
ないが、0.1mm以上が好ましい。特に基板の厚さが、
0.1mmより小さいと、基板の平面性と望ましい強度が
得られないという問題が生じる。
【0138】上記非線形光学層の膜厚は、基板の屈折
率、非線形光学層の屈折率、非線形光学層の非線形感受
率等により異なるが、一般に、0.1〜5μmが適切であ
る。非線形光学層の膜厚が、0.1μmより薄いと、充分
な非線形光学効果が得られないという問題が生じ、一
方、非線形光学層の膜厚が5μmより大きいと、導波光
の制御が困難になるという問題が生じる。特に好ましく
は、0.3〜2μmの膜厚が推奨される。
【0139】本非線形光学材料を基板上に製膜する方法
としては、スピンコート法、キャスト法、ディップコー
ト法、溶融プレス法、蒸着法、LB膜法、エピタキシャ
ル法等の公知の技術を用いることができる。このうち、
スピンコート法が特に好ましい。スピンコート法、キャ
スト法、ディップコート法で製膜する場合には、非線形
光学材料と有機高分子をアセトン、メチルエチルケト
ン、クロロホルム、塩化メチレン、ジオキサン、DM
F、DMA、ピリジン、トルエン、酢酸エチル等の有機
溶媒に溶解して、この溶液を基板上に塗布する。
【0140】非線形光導波路素子は、非線形光学層の薄
膜にそのまま光を伝搬させる平板導波路と非線形光学層
よりわずか屈折率の大きな素材にてチャネル状の導波路
を設けて光をそのチャネル路内に導くチャネル型導波路
素子が広く普及している。チャネル型導波路素子の場
合、さらに導波路チャネル材が基板材と同質のものすな
わち基板に溝状に導波路を穿ったものと別種のものとが
ある。後者の場合、その導波路チャネル材の例として
は、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート等
の透明樹脂、ガラス、As2S3 、 As2S5、ZnO 、LiTaO3
LiTaO3、Nb2O5、Ta2O5 、Si3N4 等が挙げられる。この
うち、ガラス、ポリメチルメタアクリレート、ZnO が特
に好ましい。
【0141】本発明の非線形光導波路素子の導波路形状
は、スラブ型、チャネル型、ボール型等の形状のものガ
使用できる。上記の導波路の断面形状及び長さは、導波
路の伝搬損失及び屈折率によるため特に限定されない
が、スラブ型の場合には、導波路層の厚みは0.05〜3
μmが適切であり、長さは、1〜30mmのものがよく
使用される。チャネル型の場合には、チャネル間の距離
は、2〜30μmが適切である。
【0142】スラブ型導波路を作製するには、スピンコ
ート法、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオン
交換法イオン注入法、エピタキシャル法等を用いること
ができる。また、チャネル型導波路を作製するには、イ
オン交換法、ホトリソグラフィー法、エッチング法、ス
パッタリング法、イオン注入法、エピタキシャル法を用
いることができる。好ましくは、エッチング法、イオン
交換法、ホトリソグラフィー法等の方法が好適に使用す
ることができる。
【0143】本発明の非線形光導波路素子には、必要に
応じて適宜、非線形光学層の上下に電極を設けることが
できる。電極としては、種々の導電体が挙げられるが、
素材としては、ITO 、金、銀、クロム、アルミニウム等
が好適に使用される。本発明の非線形光導波路素子は、
直線型素子、Y分岐型素子、方向性結合型素子、マッハ
チェンダー干渉型素子、ファブリペロー共振器型素子、
分極反転型SHG素子の種々の用途の素子に用いること
ができる。
【0144】本発明の非線形光学層に導波光を励振させ
る場合には、端面結合法、プリズム結合法、グレーティ
ング結合法、ホログラフィク結合法、テーパ結合法等を
用いることができる。
【0145】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。 実施例1 前記の式〔17〕で表される有機非線形光学化合物(F
S-1) を合成した。また、1H,1H-ヘプタフルオロブチル
-3,3,3- トリフルオロメチルメタクリレートのラジカル
重合法によりポリ(1H,1H-ヘプタフルオロブチル-3,3,3
- トリフルオロメチルメタクリレート)(以下、フッ素
化PBMAと略称する)を合成した。このポリマーとF
S-1のクロロホルム溶液をスピンコート法によりガラス
基板上に薄層被覆して薄膜を製膜した。この際のフッ素
化PBMAとFS-1のモル比を表2に示す。
【0146】
【表2】
【0147】かくして得られた膜を図1に示すようなコ
ロナ放電装置を用い、試料を110℃に加熱し、10k
V/cmの電界を2分間印加した。その後、加熱を止め
放冷し、30℃になるまで電界の印加を続けた。電界を
切断後、試料を取り出し非線形光学定数(d33)を測定
した。得られた薄膜の非線形光学特性を評価するのに、
回転メーカーフリンジ法をもちいた。QスイッチNd:
YAGレーザーの偏光ビーム(波長:1.064μm)を
資料薄膜に集光照射し、二次の高調波が得られた。この
光を分光し、光電子倍管により定量検出した。ボックス
カー積分器により算出した平均出力より、入射ビームの
試料への入射角の関数としてコンピューターにより非線
形光学定数d33及び光伝播損失を計算した。
【0148】Yカット石英板(d11=0.33pm/V)
を参照サンプルとして用いた。その結果、試料1から4
の二次の非線形光学定数d33の値と、スラブ型光導波路
で、波長1.064μmでの伝搬損失値を表2に示す。さ
らに、金電極及びアンダークラッド層(SiO2)を設けた
シリコン基板上に、FS-1とフッ素化PBMAを10:
100のモル比で混合したクロロホルム溶液をスピンコ
ート法により薄膜化(膜厚:4μm)した。つぎに、ポ
リマーフィルムの表面にエポキシ樹脂をスピンコート法
により製膜した。さらに、その上部の必要な部分に、金
電極を設けた。基板を110℃に加熱し上部と下部の金
電極の間に1MV/cmの電界を2分間印加し、FS-1
の配向処理を行った。30℃まで放冷し、電界を遮断し
た。つぎに、上部金電極を取り除いた後に、ポジ形レジ
ストを塗布し、必要な導波路パターンのマスクを用いて
フォトリソグラフィーを行なった。その後レジストをマ
スクとして02を用いたRIEを行ない、光導波路部を残
してポリマー部分をエッチングした。その後レジストを
剥離液を用い取り除いた。エポキシ樹脂を全体に塗布し
アウタークラッドとした。次に素子駆動用の金電極を光
導波路部上部にフォトリソグラフィーを用い形成し、チ
ャネル型導波路からなるマッハチェンダー干渉型光素子
が形成された。素子形成後、素子を切り離し光導波路端
面を光学研磨した。導波路の幅は5μmで長さは、20
mmであった。得られた光導波路素子の構成を図2に示
す。
【0149】He−Neレーザーの発振波長(0.63μ
m)の光を端面結合法により励振させた結果、約3Vの
半波長電圧が得られた。伝搬損失は1.6dB/cmであ
り、電気光学定数は、64pm/Vの値であった。ま
た、非常に、優れた光変調特性を示し、消光比は25d
Bであった。
【0150】比較例1 FS-1と通常のPMMAを用い、実施例1と同様にクロ
ロホルムの溶液を作成し、ガラス基板上にスピンコート
法により、薄膜を作成した。この時、PMMAとFS-1
のモル比を表2に示す。
【0151】これらの試料を図1に示すコロナ放電装置
に設置し、基板を110℃に加熱し、10kV/cmの
電圧を2分間印加した。その後、30℃まで放冷し、電
圧印加を切断し、試料を取り出した。次に、この試料の
非線形光学特性を回転メーカーフリンジ法をもちいて測
定した。QスイッチNd:YAGレーザーの偏光ビーム
(波長:1.064μm)を試料に集光し、得られた二次
の高調波を分光して光電子倍管により出力を定量検出し
た。ボックスカー積分器から得られた平均出力は、試料
に対する入射ビームの入射角の関数としてコンピュータ
ーにより計算された。Yカット石英板(d11=0.33p
m/V)を参照サンプルとして用いた。その結果、膜の
形成が可能であった試料1と2の二次の非線形光学定数
33の値と、スラブ型光導波路で、波長1.064μmで
の伝搬損失値を表2に示す。
【0152】実施例1と比べた場合、非線形光学定数は
小さいものであり、さらに伝搬損失は大きくなってい
る。さらに、金電極及びアンダークラッド層(SiO2)を
設けたシリコン基板上に、FS-1とPMMAを10:1
00のモル比で混合したもののクロロホルム溶液をスピ
ンコートし薄膜化(膜厚:4μm)した。つぎに、ポリ
マーフィルムの表面にエポキシ樹脂をスピンコート法に
より製膜した。さらに、その上部の必要な部分に、金電
極を設けた。基板を110℃に加熱し上部と下部の金電
極の間に1MV/cmの電界を2分間印加し、FS-1の
配向処理を行った。30℃まで放冷し、電界を遮断し
た。つぎに、上部金電極を取り除いた後に、ポジ形レジ
ストを塗布し、必要な導波路パターンのマスクを用いて
フォトリソグラフィーを行なった。その後レジストをマ
スクとしてO2を用いたRIEを行ない、光導波路部を残
してポリマー部分をエッチングした。その後レジストを
剥離液を用い取り除いた。エポキシ樹脂を全体に塗布し
アウタークラッドとした。
【0153】次に素子駆動用の金電極を光導波路部上部
にフォトリソグラフィーを用い形成し、チャネル型導波
路からなるマッハチェンダー干渉型光素子が形成され
た。素子形成後、素子を切り離し光導波路端面を光学研
磨した。導波路の幅は5μmで長さは、20mmであっ
た。得られた光導波路素子の構成を図2に示す。Heー
Neレーザーの発振波長(0.63μm)の光を端面結合
法により励振させた結果、約3Vの半波長電圧が得られ
た。伝搬損失は3.6dB/cmと大きく、電気光学定数
は、28pm/Vの値であった。また、光変調特性を示
し、消光比は15dBであった。それぞれの値とも実施
例1と比べて劣るものであった。
【0154】実施例2 前記の式〔19〕で表される有機非線形光学化合物(D
FS-2) のパーフルオロブチルスルホニル基を1,1-ジト
リフルオロメチルパーフルオロブチルスルフィド基に置
換した化合物(DFS-3) を合成した。フッ素化PBM
AとDFS-3のクロロホルム溶液をスピンコート法によ
りガラス基板上に薄層被覆して薄膜を製膜した。この際
のフッ素化PBMAとDFS-3のモル比を表2に示す。
【0155】かくして得られた膜を図1に示すようなコ
ロナ放電装置を用い、試料を110℃に加熱し、10k
V/cmの電界を2分間印加した。その後、加熱を止め
放冷し、30℃になるまで電界の印加を続けた。電界を
切断後、試料を取り出し非線形光学定数(d33)を測定
した。実施例1と同様に二次の非線形光学定数d33を測
定した結果を表2に示す。
【0156】金電極及びアンダークラッド層(SiO2)を
設けたシリコン基板上に、フッ素化PBMAとDFS-3
のクロロホルム溶液をスピンコート法により薄膜化(膜
厚:4μm)した。つぎに、ポリマーフィルムの表面に
エポキシ樹脂をスピンコート法により製膜した。次に実
施例1と同様にして光導波路素子を制作した。HeーN
eレーザーの発振波長(0.63μm)の光を端面結合法
により励振させた結果、約3Vの半波長電圧が得られ
た。伝搬損失は2.8dB/cmであり、電気光学定数
は、82pm/Vの値であった。また、非常に、優れた
光変調特性を示し、消光比は27dBであった。
【0157】比較例2 DFS-3と通常のPMMAを用い、実施例1と同様にク
ロロホルムの溶液を作成し、ガラス基板上にスピンコー
ト法により、薄膜を作成した。この時、PMMAとDF
S-3のモル比を表2に示す。
【0158】これらの試料を図1に示すコロナ放電装置
に設置し、基板を110℃に加熱し、10kV/cmの
電圧を2分間印加した。その後、30℃まで放冷し、電
圧印加を切断し、試料を取り出した。実施例1と同様に
クロロホルム溶液を作成し、ガラス基板上にスピンコー
ト法により薄膜を作成した。実施例1と同様に二次の非
線形光学定数d33を測定した結果を表2に示す。金電極
及びアンダークラッド層(SiO2)を設けたシリコン基板
上に、PMMAとDFS-3のクロロホルム溶液をスピン
コート法により薄膜化(膜厚:4μm)した。次に実施
例1と同様にして光導波路素子を制作した。HeーNe
レーザーの発振波長(0.63μm)の光を端面結合法に
より励振させた結果、約3Vの半波長電圧が得られた。
伝搬損失は7.8dB/cmであり、電気光学定数は、4
4pm/Vの値であった。また、消光比は6dBであっ
た。それぞれの値とも実施例2と比べて劣るものであっ
た。
【0159】実施例3 式〔18〕で表される有機非線形化合物(DFS-1) の
パーフルオロブチルスルホニル基を式〔13〕で表され
るパーフルオロアルケニルエーテル基に置換した化合物
(DFE-1) を合成した。これをジメチルホルムアミド
に溶解し、ブロック化ヘキサメチレンジイソシアネート
(日本ポリウレタン;コロネートDC 2725) と反応さ
せ、末端水酸基をウレタン化すると共に未反応のブロッ
ク化イソシアネート基のブロックをはずして末端をフリ
ーのイソシアネート基とした。(この生成物をイソシア
ネート末端DFE-1と称する。) また、一般式〔73〕で表される含フッ素高分子化合物
(PTFAと略称する。)を合成した。ここで、M : N
=1:10、数平均分子量=約3万、W2 =(C
2)4 、V2=OH、R7 =C3 7 である。イソシア
ネート末端DFE-1、PTFA及びヘキサメチロール化
メラミン(三井東圧;サイメル303)(硬化剤)を、
イソシアネート末端DFE-1とヘキサメチロール化メラ
ミン(三井東圧;サイメル303)(硬化剤)が9:1
のモル比で、それら両者がPTFAの側鎖末端水酸基の
当量に相当する量だけ配合したものを、キシレン25%
・メチルイソブチルケトン75%混合溶媒に溶解し、3
0%溶液とした。これに、さらにイソシアネート反応触
媒としてジブチルチンジラウレートをPTFA100部
に対して4.2×10-4部、メラミン硬化触媒としてP-ト
ルエンスルホン酸をPTFA100部に対して0.12部
の割合で添加し、製膜原液とした。この液をスピンコー
ト法によりガラス基板上に薄層被覆して薄膜(膜厚:4
μm)を製膜し、25℃で3日間放置して膜を乾燥させ
ると共に有機非線形光学化合物の高分子化合物への結合
反応を終了させた。この際のPTFAとDFE-1のモル
比を表2に示す。
【0160】かくして得られた膜を図1に示すようなコ
ロナ放電装置を用い、試料を140℃に加熱し、10k
V/cmの電界を30分間印加し、ポーリングを行いつ
つ樹脂の硬化を行った。その後、加熱を止め放冷し、3
0℃になるまで電界の印加を続けた。電界を切断後、試
料を取り出し非線形光学定数(d33)を測定した。実施
例1と同様に二次の非線形光学定数d33を測定した結果
を表2に示す。金電極及びアンダークラッド層(SiO2
を設けたシリコン基板上に、前記製膜原液をスピンコー
ト法により薄膜化(膜厚:4μm)した。次に実施例1
と同様にして光導波路素子を制作した。HeーNeレー
ザーの発振波長(0.63μm)の光を端面結合法により
励振させた結果、約3Vの半波長電圧が得られた。伝搬
損失は2.3dB/cmであり、電気光学定数は、67p
m/Vの値であった。また、非常に、優れた光変調特性
を示し、消光比は25dBであった。
【0161】比較例3 エチレンとビニルアルキルエーテル及びビニル水酸基末
端アルキルエーテルとのラジカル重合法共重合により一
般式〔73〕で表される含フッ素高分子化合物のフッ素
が水素に置換したビニール重合体を合成した。(以下、
PVAEと略称する。)を合成した。ここで、M : N =
1:10、数平均分子量=約3万、W2 =(CH2)4
2=OH、R7 =C3 7 である。DFE-1と上記の
PVAEを用い、実施例1と同様にクロロホルムの溶液
を作成し、ガラス基板上にスピンコート法により、薄膜
を作成した。この時、PVAEとDFE-1のモル比を表
2に示す。
【0162】この試料を実施例3と同様に処理し、二次
の非線形光学定数d33を測定した結果を表2に示す。次
に実施例3と同様にして光導波路素子を制作し、Heー
Neレーザーの発振波長(0.63μm)の光を端面結合
法により励振させた結果、約3Vの半波長電圧が得られ
た。伝搬損失は10.3dB/cmであり、電気光学定数
は、48pm/Vの値であった。また、消光比は11d
Bであった。それぞれの値とも実施例3と比べて劣るも
のであった。
【0163】実施例4 式〔18〕で表される有機非線形化合物(DFS-1) の
パーフルオロブチルスルホニル基を一般式〔16〕で表
されるパーフルオロイソプロピレン含有パーフルオロア
ルキルエーテルフェニル基に置換した化合物(DFI-
1) を合成した。ここで、m=1、p=1である。一般
式〔40〕で表される二価含フッ素フェノール残基の両
端にグリシジル基を結合した二価エポキシド(エポキシ
主剤)と式〔31〕で表される二価アミン残基の両端に
水素を結合した2,2-(4- アニリノ)-ヘキサフルオロイソ
プロピレン(エポキシ硬化剤)にDFI-1を配合し、ヘ
キサフルオロイソプロパノールに溶解し、スピンコート
法によりガラス基板上に薄層被覆し、自然乾燥させて液
状の薄膜(膜厚:4μm)を製膜した。
【0164】かくして得られた膜を図1に示すようなコ
ロナ放電装置を用い、試料を110℃に加熱し、10k
V/cmの電界を30分間印加し、ポーリングを行いつ
つ樹脂の硬化を行った。(担持高分子をFERと略称す
る。)その後、加熱を止め放冷し、30℃になるまで電
界の印加を続けた。電界を切断後、試料を取り出し非線
形光学定数(d33)を測定した。実施例1と同様に二次
の非線形光学定数d33を測定した結果を表2に示す。金
電極及びアンダークラッド層(SiO2)を設けたシリコン
基板上に、前記製膜原液をスピンコート法により薄膜化
(膜厚:4μm)した。次に実施例1と同様にして光導
波路素子を制作した。HeーNeレーザーの発振波長
(0.63μm)の光を端面結合法により励振させた結
果、約3Vの半波長電圧が得られた。伝搬損失は2.9d
B/cmであり、電気光学定数は、63pm/Vの値で
あった。また、非常に、優れた光変調特性を示し、消光
比は28dBであった。
【0165】比較例4 ビスフェノールAジグリシジルエーテルと2,2-ジ(4-ア
ニリノ)-イソプロピレンにDFI-1を配合し、メチルエ
チルケトン・ジメチルホルムアミド1;1混合溶媒に溶
解し、実施例4と同様に製膜して、非線形光学定数(d
33)を測定した。(担持高分子をERと略称する。)ま
た、次に実施例1と同様にして光導波路素子を制作し、
HeーNeレーザーの発振波長(0.63μm)の光を端
面結合法により励振させた結果、約3Vの半波長電圧が
得られた。伝搬損失は8.5dB/cmであり、電気光学
定数は、43pm/Vの値であった。消光比は12dB
であった。それぞれの値とも実施例4と比べて劣るもの
であった。
【0166】実施例5 式〔17〕で表される有機非線形化合物(FS-1) のパ
ーフルオロブチルスルホニル基を式〔79〕で表される
含フッ素メタクリレートモノマーよりTを除いた残基に
て置換した化合物(DFM-1) を合成した。ここで、m
2 =2、p=1である。 この化合物と1H,1H-ヘプタフ
ルオロブチル-3,3,3- トリフルオロメタクリレートとの
ラジカル重合法による共重合により含フッ素メタクリレ
ート(以下、DFM-1担持含フッ素メタクリレートと略
称する。)を合成した。
【0167】かくして得られた膜を図1に示すようなコ
ロナ放電装置を用い、試料を110℃に加熱し、10k
V/cmの電界を2分間印加した。その後、加熱を止め
放冷し、30℃になるまで電界の印加を続けた。電界を
切断後、試料を取り出し非線形光学定数(d33)を測定
した。実施例1と同様に二次の非線形光学定数d33を測
定した結果を表2に示す。金電極及びアンダークラッド
層(SiO2)を設けたシリコン基板上に、前記製膜原液を
スピンコート法により薄膜化(膜厚:4μm)した。次
に実施例1と同様にして光導波路素子を制作した。He
ーNeレーザーの発振波長(0.63μm)の光を端面結
合法により励振させた結果、約3Vの半波長電圧が得ら
れた。伝搬損失は1.6dB/cmであり、電気光学定数
は、70pm/Vの値であった。また、非常に、優れた
光変調特性を示し、消光比は27dBであった。
【0168】比較例5 比較例1が実施例5の比較例に相当する。また実施例1
が実施例5の参考例に相当する。両例とも、それぞれの
特性値は、実施例5と比べて劣るものであった。
【0169】以上の各実施例及び比較例についての非線
形光学特性及び光伝播損失特性についての測定結果を表
2に示す。
【0170】上記結果より明らかように、本発明の非線
形光学材料は、従来の同材料に比較して非線形光学特性
が一段と優れ、しかも光伝播損失の少ない材料であるこ
とが明らかとなった。
【0171】
【発明の効果】本発明の非線形光学材料は、大きい二
次、三次の非線形光学効果を示し、光の損失の少ない伝
搬特性に優れた材料であり、また、機械的強度も優れて
いる。特に非線形光学化合物を担体する高分子物質が透
明なフッ素樹脂よりなるため、水分に対する前記光学特
性及び機械的特性の変化が殆どなく恒常的に安定な品質
が保たれる。本発明の非線形光学材料を用いることで、
非線形光学化合物の含有量を増加させることができ、大
きな非線形光学効果を容易に発現させることができるた
め、従来の材料より優れた光導波路素子を作成すること
ができる。さらに、本発明の非線形光学材料を用いるこ
とで、配向後の非線形光学効果を長期にわたり安定的に
維持することが可能になり、光変調特性、光スイッチン
グ特性、光双安定性に優れた非線形光学導波路素子が得
られる。この光導波路素子は、上記特性を有する上に薄
膜にできるため、高集積可能な光集積回路にとして使用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コロナ放電装置を示す概念図である。
【図2】マッハツエンダー干渉型素子の斜視図である。
【符号の説明】
1 コロナ放電器 2 試料 3 温度調節試料台 4 高圧電源 5 アウタークラッド 6 上部電極 7 非線形光導波路 8 入力光 9 基板 10 下部電極 11 アンダークラッド 12 出力光

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機非線形光学化合物が高分子物質中に
    溶解もしくは分散してなる非線形光学化合物配合高分子
    組成物及び又は有機非線形光学化合物が高分子化合物に
    結合、配位又は包接されてなる非線形光学化合物担持高
    分子化合物を含有する非線形光学材料において、有機非
    線形光学化合物が電子受容基に電子吸引性のパーフルオ
    ロ基を含有する含フッ素有機非線形光学化合物あるいは
    それらの誘導体よりなり、高分子化合物が含フッ素高分
    子化合物であって、高分子化合物分子における水素原子
    数とフッ素原子数の合計数に対するフッ素原子数の百分
    比が少なくとも20%のものよりなることを特徴とする
    非線形光学材料。
  2. 【請求項2】 含フッ素有機非線形光学化合物が、一般
    式〔1〕で表される1種以上の化合物あるいはそれらの
    誘導体よりなる請求項1記載の非線形光学材料。 【化1】 (上式中、πi 〜πk は、それぞれ独立して単環式ある
    いは縮合多環式のi員環の環化合物、j員環の環化合物
    及びk員環の環化合物からなるπ電子共役系の環状化合
    物、 -X=Y- は各環状化合物を連結する共役系の連結
    子で、このX及びYは、それぞれ独立してCH、CF、
    N及びN→Oからなる群より選ばれた一対の原子又は原
    子団の組み合わせ、nは、πk 系環状化合物・連結子対
    群の繰り返し単位数で、0以上の整数、A1 〜Aiqは、
    i員環の環化合物のiq個の置換基で、それぞれ独立し
    て水素原子基、アルキル基あるいは含フッ素電子受容
    基、B1 〜Bjqは、j員環の環化合物のjq個の置換基
    で、それぞれ独立して水素原子基、フッ素原子基、アル
    キル基あるいは電子供与基、D1 〜Dkqは、k員環の環
    化合物のkq個の置換基で、それぞれ独立して水素原子
    基、フッ素原子基、トリフルオロメチル基あるいはアル
    キル基を表す。ただし、A1 〜Aiqの少なくとも一つは
    含フッ素電子受容基であり、B1 〜Bjqの少なくとも一
    つは電子供与基であり、πk 系環状化合物・連結子対群
    は、各単位毎に環状化合物の単環の員環数、環種、ある
    いは縮合環の環数及び員環数、環種の組合わせ、各置換
    基の種類、配置、及び又は、連結子の種類、向き、結合
    位置等の構造構成が同じか又は異なる環状化合物・連結
    子対群を表す。)
  3. 【請求項3】 電子供与基が一般式、 -R1 、 -OR
    1 、 -SR1 、 -NR12 及び -N=12 からなる群
    から選ばれた基である請求項2記載の非線形光学材料。
    (ここで、R1 及びR2 は、それぞれ独立して水素原子
    基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜8のシクロ
    アルキル基及び-(CH2)p 0 等のアルキル基誘導体か
    らなる群より選ばれた基である。ここで、Z0 は、 -O
    H基、 -SH基、-NH2 基、 -NCO基、 -COCl
    基、 -OG基( -Gは、グリシジル基を表す。)等の官
    能性末端基を表し、pは1〜6の整数である。また、 1
    2 は、シクロアルキレン基を表し、 -N= の = は、
    12 の両端の結合基が窒素原子の2個の結合基と環状
    に連結している様を表示する。)
  4. 【請求項4】 含フッ素電子受容基が、フッ素原子基又
    は一般式〔2〕にて表される基である請求項2又は請求
    項3記載の非線形光学材料。 【化2】 (上式において、第1電子受容性連結基E1 及び第2電
    子受容性連結基E2 は、それぞれ独立してエーテル基、
    チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、スル
    ホニル基、スルホネート基、ホスフィンオキシド基、フ
    ォスホネート基、ビニレン基、アルキル置換ビニレン
    基、パーフルオロビニレン基、パーフルオロアルキル置
    換ビニレン基、パーフルオロシクロアルキレン置換ビニ
    レン基、1-連結アクリル基、1-連結メタクリル基、1-連
    結パーフルオロアクリル基、1-連結パーフルオロメタク
    リル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ビ
    ニルカルボニル基、ビニルスルホニル基、ビニルフォス
    ホネート基、アゾメチン基、アゾ基、アゾキシ基、p-フ
    ェニレン基、p-パーフルオロフェニレン基、p-パーフル
    オロオキシフェニレン基、p-パーフルオロジオキシフェ
    ニレン基、p-パーフルオロフェニレンカルボニル基、p-
    パーフルオロオキシベンゾイル基、p-パーフルオロフェ
    ニレンカルボキシル基、p-パーフルオロオキシベンゾエ
    ート基、p-パーフルオロフェニレンスルホニル基及びp-
    パーフルオロオキシフェニルスルホニル基からなる群よ
    り選ばれた基であり、末端基Z1 は、水素原子基;フッ
    素原子基、トリフルオロメチル基、1,2,2,2-テトラフル
    オロエチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ-n
    - プロピル基及びパーフルオロイソプロピル基の群から
    選ばれたパーフルオロアルキル基;下記の式〔3〕にて
    表されるパーフルオロシクロジエーテル基; 【化3】 ペンタフルオロフェニル基;ニトロ基、シアノ基、ジシ
    アノビニル基、トリシアノビニル基よりなる群から選ば
    れた電子受容性末端基及び官能性末端基からなる群より
    選ばれた基を表す。第1電子受容性連結基の繰り返し単
    位数q1 、パーフルオロエチレンカーボニル基の繰り返
    し単位数q2 、1,1-ジフルオロエチレンカーボニル基の
    繰り返し単位数q3 、パーフルオロモノメチルメチレン
    カルボニル基の繰り返し単位数q4 及び第2電子受容性
    連結基の繰り返し単位数q5 は、それぞれ0〜1の整
    数、メチレン基の繰り返し単位数pは、0〜2の整数、
    パーフルオロエチレン基の繰り返し単位数m1 、パーフ
    ルオロオキシ-n- プロピレン基の繰り返し単位数m2 、
    1,1,2,2-テトラフルオロオキシ-n- プロピレン基の繰り
    返し単位数m3 、パーフルオロオキシプロピレン基の繰
    り返し単位数m4 は、それぞれ0〜4の整数、さらに、
    第1電子受容性連結基E1 が、ホスフィンオキシド基又
    はフォスホネート基の場合、同基に連結する基の繰り返
    し単位数l1 は、2であり、その他の基の場合、同数
    は、1である。また、第2電子受容性連結基E2 が、ホ
    スフィンオキシド基又はフォスホネート基の場合、末端
    基Z1 の繰り返し単位数l2 は、2であり、その他の基
    の場合、同数は、1である。なお、末端基Z1 が官能性
    末端基以外の基の場合は、p=0であり、逆に、末端基
    1 が、官能性末端基の場合には、p≧1である。ま
    た、末端基Z1 がペンタフルオロフェニル基以外の場合
    には、q5 =0で、m1 +m2 +m3 +m4 ≧1であ
    る。特に、末端基Z1 が水素原子基の場合は、m2 =m
    3 =m4 =0で、かつ、q2=q3 =q4 =0である。
    そして、末端基Z1 が、いずれの基であっても、m1≧
    1の場合は、q2 =q3 =q4 =0、かつ、m2 =m
    3 =m4 =0か又はパーフルオロオキシ-n- プロピレ
    ン基、2,2-テトラフルオロオキシ-n- プロピレン基、パ
    ーフルオロオキシプロピレン基のそれぞれ繰り返し単位
    が三者択一で共存し、いずれの場合もテトラフルオロエ
    チレン基はE1 と直結する。また、m1=0の場合は、
    m2 ≧1のとき、m3 =m4 =0で、q2 =1、q3
    =q4 =0、m3 ≧1のとき、m2 =m4 =0で、q
    3 =1、q2 =q4 =0、m4≧1のとき、m2 =m3
    =0で、q4 =1、q2 =q3 =0である。)
  5. 【請求項5】 含フッ素電子受容基が、一般式〔4〕に
    て表される基である請求項2又は請求項3記載の非線形
    光学材料。 Ai 2 =CF3 CF2 CF2 C(CF3)2 −E3 −(CR3 =CR4) q6 − 〔4〕 (上式において、 -E3-は、 -S- 基又は -CH2-基の
    いずれかの基、 -R3 及び -R4 は、それぞれ独立して
    水素原子基、フッ素原子基、アルキル基、パーフルオロ
    アルキル基及びパーフルオロシクロアルキレン基からな
    る群から選ばれた基を表す。なお、R3 、R4 はそれら
    の末端が共有結合によって連結した環状のアルキレン基
    あるいはパーフルオロアルキレン基であっても有効に使
    用できる。また、電子受容性置換基ビニレン基の繰り返
    し単位数q6 は、0〜1の整数を表す。)
  6. 【請求項6】 含フッ素電子受容基が、一般式〔5〕に
    て表されるエーテル基に隣接する不飽和基を含有するパ
    ーフルオロアルケニルエーテル基である請求項2又は請
    求項3記載の非線形光学材料。 Ai 3 =Cl 2l-1−O− 〔5〕 (上式において、炭素原子数lは、3、4、6、8、
    9、10、12よりなる群から選ばれた整数である。)
  7. 【請求項7】 含フッ素電子受容基が、一般式〔6〕に
    て表される2-置換パーフルオロイソプロピル基である請
    求項2又は請求項3記載の非線形光学材料。 Ai 4 =Z4 −(E4)q7−C(CF3)2 − 〔6〕 (上式において、末端基Z4 は、R5 O- 基、Ai 1 -
    (CH2)p O- 基、C6 5-基、C6 5-基、Ai 1-C
    6 4-基及びAi 1-C6 4-基よりなる群から選ばれた
    基、電子受容性連結基E4 は、 -C (CF3)2-CH2
    H=CH- 基又は下記一般式〔7〕にて表される基 【化4】 (上式において、Rf は、H- 、Rf - 、Rf -(CH2)
    p - 、Rf -(CH2)p O- 及びAi 3 - からなる群から
    選ばれた基である。ここで、Rf - は、F- 、F(CF
    2)m - 、H(CF2)m - 及びCF3 CFH(CF2)m -
    からなる群から選ばれた基であり、mは、1〜8の整数
    である。)のいずれかの基である。また、電子受容性連
    結基の繰り返し単位数であるq7 は、0〜1の整数を表
    す。ここで、R5 は、水素原子基又はアルキル基であ
    る。)
  8. 【請求項8】 有機非線形光学化合物が高分子化合物の
    モノマーあるいは構成単位である請求項1記載の非線形
    光学材料。
  9. 【請求項9】有機非線形光学化合物が高分子物質中に溶
    解もしくは分散してなる非線形光学化合物配合高分子組
    成物において、有機非線形光学化合物の含フッ素基含有
    部位と高分子物質の主成分である高分子化合物の含フッ
    素基含有部位が同一の共通含フッ素分子構造単位を含有
    し、有機非線形光学化合物におけるこの共通含フッ素分
    子構造単位の含フッ素基含有部位中に占める比率が70
    %以上である請求項1記載の非線形光学材料。
  10. 【請求項10】 高分子物質が、硬化温度150℃以下
    にて硬化する溶剤可溶性低温硬化型含フッ素高分子物質
    からなり、この高分子物質の主成分をなす高分子化合物
    に有機非線形光学化合物が結合されてなる請求項1記載
    の非線形光学材料。
  11. 【請求項11】 非線形光学層が請求項1記載の非線形
    光学材料を含有してなる非線形光学導波路素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003270467A (ja) * 2002-01-09 2003-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光導波路デバイスの製造方法、光導波路デバイス並びに当該光導波路デバイスを用いたコヒーレント光源及び光学装置

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