JPH08101413A - 非線形光学材料及び非線形光導波路素子 - Google Patents
非線形光学材料及び非線形光導波路素子Info
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- JPH08101413A JPH08101413A JP23658994A JP23658994A JPH08101413A JP H08101413 A JPH08101413 A JP H08101413A JP 23658994 A JP23658994 A JP 23658994A JP 23658994 A JP23658994 A JP 23658994A JP H08101413 A JPH08101413 A JP H08101413A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高含有量での凝集・結晶化や配向緩和が少な
く、大きな2次及び3次の非線形光学特性を有する非線
形光学材料及びそれを用いてなる非線形光導波路素子を
提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、末端に電子供与基を有するπ電子
共役系環状化合物連鎖よりなる2つの置換基が含フッ素
環状アルケンの両α位炭素原子に結合してなる化合物を
含有する非線形光学材料及びこれを用いた非線形光導波
路素子である。 【効果】 本発明の非線形光学材料は、大きい2次、3
次の非線形光学効果を示し、光伝搬特性が優れており、
非線形光学効果を長期にわたり安定的に維持することが
でき、さらに機械的強度も優れた光学材料である。また
本発明の光導波路素子は、上記特性を有するため、光変
調特性、光スイッチング特性及び光双安定性に優れた素
子として高集積可能な光集積回路等の多様な用途に利用
できる。
く、大きな2次及び3次の非線形光学特性を有する非線
形光学材料及びそれを用いてなる非線形光導波路素子を
提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、末端に電子供与基を有するπ電子
共役系環状化合物連鎖よりなる2つの置換基が含フッ素
環状アルケンの両α位炭素原子に結合してなる化合物を
含有する非線形光学材料及びこれを用いた非線形光導波
路素子である。 【効果】 本発明の非線形光学材料は、大きい2次、3
次の非線形光学効果を示し、光伝搬特性が優れており、
非線形光学効果を長期にわたり安定的に維持することが
でき、さらに機械的強度も優れた光学材料である。また
本発明の光導波路素子は、上記特性を有するため、光変
調特性、光スイッチング特性及び光双安定性に優れた素
子として高集積可能な光集積回路等の多様な用途に利用
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光集積回路等に利用さ
れる非線形光学材料及び非線形光導波路素子に関し、さ
らに詳しくは、大きな2次又は3次の非線形光学特性を
有する化合物を含有してなる非線形光学材料と該非線形
光学材料より構成されてなる非線形光導波路素子に関す
るものである。
れる非線形光学材料及び非線形光導波路素子に関し、さ
らに詳しくは、大きな2次又は3次の非線形光学特性を
有する化合物を含有してなる非線形光学材料と該非線形
光学材料より構成されてなる非線形光導波路素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】非線形光学材料は、機能性の光学素子や
光学部品に使用して非線形光学効果を発現する素材物質
のことである。非線形光学効果とは、外部強電界により
誘起される原子や分子の分極において、非線形分極が無
視できなくなった結果生じる光学効果をいう。例えば、
2次の非線形光学効果では、ポッケルス効果、パラメト
リック発振、第2高調波発生(SHG)等が、また、3
次の非線形光学効果では、カー効果、静電誘導SHG、
第3高調波発生(THG)、光強度による屈折率の変化
等が知られている。2次非線形光学効果は、波長変換
(SHG)素子、電気光学変調器等に、3次の非線形光
学効果は、波長変換(THG)素子、高速光シャッター
光演算、光双安定性素子、光スイッチング等への応用が
可能である。
光学部品に使用して非線形光学効果を発現する素材物質
のことである。非線形光学効果とは、外部強電界により
誘起される原子や分子の分極において、非線形分極が無
視できなくなった結果生じる光学効果をいう。例えば、
2次の非線形光学効果では、ポッケルス効果、パラメト
リック発振、第2高調波発生(SHG)等が、また、3
次の非線形光学効果では、カー効果、静電誘導SHG、
第3高調波発生(THG)、光強度による屈折率の変化
等が知られている。2次非線形光学効果は、波長変換
(SHG)素子、電気光学変調器等に、3次の非線形光
学効果は、波長変換(THG)素子、高速光シャッター
光演算、光双安定性素子、光スイッチング等への応用が
可能である。
【0003】非線形光学効果を有する物質、すなわち、
非線形光学材料としては、従来から、リン酸二水素化カ
リウム(KDP)やニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の無
機強誘電体が知られ(Landolt-Bormstein New Series,
Group III, Grystaland Solid State Physics, Vol 1
2)、光周波数逓倍素子として実用化されている(新版レ
ーザーハンドブック、第432頁〜第440頁、朝倉書
店)。しかし、これらの無機強誘電体より大きい非線形
光学応答を示す2-メチル-4- ニトロアニリン(MNA)
が、1979年にB. F. Levineらによって発見されて以
来、有機非線形光学材料の研究開発が積極的に行われて
いる。
非線形光学材料としては、従来から、リン酸二水素化カ
リウム(KDP)やニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の無
機強誘電体が知られ(Landolt-Bormstein New Series,
Group III, Grystaland Solid State Physics, Vol 1
2)、光周波数逓倍素子として実用化されている(新版レ
ーザーハンドブック、第432頁〜第440頁、朝倉書
店)。しかし、これらの無機強誘電体より大きい非線形
光学応答を示す2-メチル-4- ニトロアニリン(MNA)
が、1979年にB. F. Levineらによって発見されて以
来、有機非線形光学材料の研究開発が積極的に行われて
いる。
【0004】これら有機非線形光学材料は、無機強誘電
体より大きい非線形光学定数、速い非線形光学応答や高
い破壊しきい値等が期待できる点で新しい光学材料とし
ての用途展開が期待できる上に、分子設計やデバイス化
の多様性を有するという利点を有し、将来のオプトエレ
クトロニクス分野の基幹材料として注目されている。
体より大きい非線形光学定数、速い非線形光学応答や高
い破壊しきい値等が期待できる点で新しい光学材料とし
ての用途展開が期待できる上に、分子設計やデバイス化
の多様性を有するという利点を有し、将来のオプトエレ
クトロニクス分野の基幹材料として注目されている。
【0005】実際、MNA、1-(4- ニトロフェニル)-3,
5-ジメチルピラゾール(DMNP)、-(2,2-ジシアノビ
ニル) アニソール(DIVA)や4'- ニトロベンジリデ
ン-3-アセトアミノ-4- メトキシアニリン(MNBA)
から得られるバルク単結晶は、波長変換材料として用い
られている。それらの材料をファイバー型やスラブ型光
導波路に加工して、光周波数逓倍素子として試作されて
いる(光機能材料、第41頁〜第105頁、共立出
版)。
5-ジメチルピラゾール(DMNP)、-(2,2-ジシアノビ
ニル) アニソール(DIVA)や4'- ニトロベンジリデ
ン-3-アセトアミノ-4- メトキシアニリン(MNBA)
から得られるバルク単結晶は、波長変換材料として用い
られている。それらの材料をファイバー型やスラブ型光
導波路に加工して、光周波数逓倍素子として試作されて
いる(光機能材料、第41頁〜第105頁、共立出
版)。
【0006】また、4-(N-(2-ヒドロトキシエチル)-N-エ
チル)-アミノ-4'-ニトロアゾベンゼン (DR-1)をメタ
クリル酸エステルの側鎖に導入し、印加電場によって配
向させることにより発現するポッケルス効果を用いた電
気光学変調器の試作が報告されている。さらに、大きな
3次の非線形光学効果を示すポリジアセチレンをスラブ
型光導波路に応用し、光スイッチング素子へ展開した例
も示されている。
チル)-アミノ-4'-ニトロアゾベンゼン (DR-1)をメタ
クリル酸エステルの側鎖に導入し、印加電場によって配
向させることにより発現するポッケルス効果を用いた電
気光学変調器の試作が報告されている。さらに、大きな
3次の非線形光学効果を示すポリジアセチレンをスラブ
型光導波路に応用し、光スイッチング素子へ展開した例
も示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、非線形光学効
果を示す材料を用いて光素子を作成する場合には、光導
波路を構築する必要がある。光導波路内で効率的に非線
形光学効果を発現させるためには、用いる材料が大きな
非線形光学定数を有し、光の伝搬特性に優れていること
が望まれる。
果を示す材料を用いて光素子を作成する場合には、光導
波路を構築する必要がある。光導波路内で効率的に非線
形光学効果を発現させるためには、用いる材料が大きな
非線形光学定数を有し、光の伝搬特性に優れていること
が望まれる。
【0008】一般に、非線形光学定数は、非線形光学材
料の含有量を多くすることにより大きくなることが知ら
れている。上記に記載した材料を用いて光素子を形成さ
せる場合、非線形光学材料の含有量を増加させる必要が
ある。しかしながら、非線形光学材料の含有量を多くす
ると、化合物の凝集や結晶化が起こり、光学的に透明か
つ均一な導波路が得られない等の現象が観察されてい
た。その結果、光伝搬損失特性が非常に低下するといっ
た問題が生じ、光素子を構築するのが非常に困難であっ
た。さらに、非線形光学材料を用い、配向を行うことで
非線形光学効果を発現させることが必要とされるが、一
般には配向の緩和が起こり、非線形光学効果が失われて
いく問題があった。
料の含有量を多くすることにより大きくなることが知ら
れている。上記に記載した材料を用いて光素子を形成さ
せる場合、非線形光学材料の含有量を増加させる必要が
ある。しかしながら、非線形光学材料の含有量を多くす
ると、化合物の凝集や結晶化が起こり、光学的に透明か
つ均一な導波路が得られない等の現象が観察されてい
た。その結果、光伝搬損失特性が非常に低下するといっ
た問題が生じ、光素子を構築するのが非常に困難であっ
た。さらに、非線形光学材料を用い、配向を行うことで
非線形光学効果を発現させることが必要とされるが、一
般には配向の緩和が起こり、非線形光学効果が失われて
いく問題があった。
【0009】本発明は、上記した高含有量での凝集・結
晶化や配向緩和が少なく、大きな2次及び3次の非線形
光学特性を有する非線形光学材料及びそれを用いた非線
形光導波路素子を提供することを目的とするものであ
る。
晶化や配向緩和が少なく、大きな2次及び3次の非線形
光学特性を有する非線形光学材料及びそれを用いた非線
形光導波路素子を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点の存在に鑑みて鋭意検討した結果、2つのπ電子共役
系の環状化合物をフッ素を有する環に結合させること
で、大きな2次及び3次の非線形光学特性を示し、2次
の非線形光学特性の緩和特性に優れる非線形光学材料を
得た。さらに、本発明者らは、上記の非線形光学材料を
用いることにより、光変調特性、光スイッチング特性、
光双安定性の優れた非線形光導波路素子を得た。
点の存在に鑑みて鋭意検討した結果、2つのπ電子共役
系の環状化合物をフッ素を有する環に結合させること
で、大きな2次及び3次の非線形光学特性を示し、2次
の非線形光学特性の緩和特性に優れる非線形光学材料を
得た。さらに、本発明者らは、上記の非線形光学材料を
用いることにより、光変調特性、光スイッチング特性、
光双安定性の優れた非線形光導波路素子を得た。
【0011】すなわち、本発明は、一般式〔1〕にて表
される一種以上の化合物あるいはそれらの誘導体を含有
する非線形光学材料。
される一種以上の化合物あるいはそれらの誘導体を含有
する非線形光学材料。
【0012】
【化2】
【0013】(上式中、メチレン基(CH2)k 、ジフル
オロメチレン基(CF2)l 及びジ置換エチレン基よりな
る含フッ素環状アルケンにおいて、メチレン基の数及び
ジフルオロメチレン基の数をそれぞれ表すk及びlは、
いずれもk+l≧2、l≧k≧0を満足する整数であ
り、π電子共役系環状化合物と共役性連結子よりなる2
個のπ電子共役系置換基において、π1 1 、π1 2 〜π
1 i 〜π1 m 及びπ2 1 、π2 2 〜π2 j 〜π2 n の各
π環状化合物は、それぞれ、各単位毎に同一か又は異な
る単環式あるいは縮合多環式の環状化合物からなるπ電
子共役系の環状化合物で、下添字iは、π1 i 系環状化
合物・共役性連結子対群系のi番目の環状化合物・共役
性連結子対単位を表す2からm−1までの任意の整数を
表し、下添字jは、π2 j 系環状化合物・共役性連結子
対群系のj番目の環状化合物・共役性連結子対単位を表
す2からn−1までの任意の整数を表し、下添字mは、
π1 i系環状化合物・共役性連結子対群の最終番目、す
なわちその末端の環状化合物単位を、また、下添字n
は、πj 1 系環状化合物・共役性連結子対群の最終番
目、すなわちその末端の環状化合物単位を表し、m及び
nは、それぞれ2以上の整数であり、共役性連結子X1
及びX2 は、それぞれO、S、SO、及びSO2 からな
る群から選ばれた1対の原子又は原子団で、X1 とX2
の各基は、同一か又は異なった基であり、共役性連結子
Y1 1 、Y1 2 〜Y1 i 〜Y1 m-1 、Z1 1 、Z1 2 〜
Z1 i 〜Z1 m-1 及びY2 1 、Y2 2 〜Y2 j 〜Y2
n-1 、Z2 1 、Z2 2 〜Z2 j 〜Z2 n-1 は、それぞれ
CH、N及びN→Oからなる群から選ばれた各単位毎に
同一か又は異なる1対の原子又は原子団である。また、
π環状化合物の置換基R1 11、R1 12、R1 1-、
R1 1q、R1 21、R1 22、R1 2-、R1 2q〜R1 i1、R
1 i2、R1 i-、R1 iq〜R1 m-11、R1 m-12、
R1 m-1-、R2 m-1q及びR2 11、R2 12、R2 1-、R2
1q、R2 11、R2 12、R2 1-、R2 1q〜R2 j1、
R2 j2、R2 j-、R2 jq〜R2 n-11、R2 n-12、R2
n-1-、R2 n-1qは、それぞれ水素原子又はアルキル基で
あり、π1 m 系及びπ2 n 系置換基末端環状化合物の置
換基R1 m1、R1 m2、R1 m3、R1 m-、R2 mq及びR2
n1、R2 n2、R2 n3、R2 n-、R2 nqは、それぞれ水素
原子、アルキル基又は電子供与基であり、ただし、それ
ら各置換基の少なくとも一つは、電子供与基である。な
お、上記π環状化合物の置換基において、R1 iq、ある
いはR2 jq等の標記法は、それぞれπ1 i 環あるいはπ
2 j 環において最終番目の置換基を表し、q値は各単位
毎に同じか又は異なった値であり、また、R1 i-、ある
いはR2 j-等の標記法は、それぞれπ1 i 環あるいはπ
2 j 環において2番目あるいは3番目からq番目まで間
の一般式〔1〕にて表示されていない各置換基の存在を
代表してこれらの標記記号にて表しているものであ
る。)、一般式〔1〕で表される1種以上の化合物ある
いはそれらの誘導体が高分子物質中に溶解及び又は分散
してなることを特徴とする非線形光学材料、一般式
〔1〕で表される1種以上の化合物あるいはそれらの誘
導体が高分子化合物に化学結合してなることを特徴とす
る非線形光学材料及び上述の非線形光学材料より構成さ
れてなることを特徴とする非線形光導波路素子を要旨と
するものである。
オロメチレン基(CF2)l 及びジ置換エチレン基よりな
る含フッ素環状アルケンにおいて、メチレン基の数及び
ジフルオロメチレン基の数をそれぞれ表すk及びlは、
いずれもk+l≧2、l≧k≧0を満足する整数であ
り、π電子共役系環状化合物と共役性連結子よりなる2
個のπ電子共役系置換基において、π1 1 、π1 2 〜π
1 i 〜π1 m 及びπ2 1 、π2 2 〜π2 j 〜π2 n の各
π環状化合物は、それぞれ、各単位毎に同一か又は異な
る単環式あるいは縮合多環式の環状化合物からなるπ電
子共役系の環状化合物で、下添字iは、π1 i 系環状化
合物・共役性連結子対群系のi番目の環状化合物・共役
性連結子対単位を表す2からm−1までの任意の整数を
表し、下添字jは、π2 j 系環状化合物・共役性連結子
対群系のj番目の環状化合物・共役性連結子対単位を表
す2からn−1までの任意の整数を表し、下添字mは、
π1 i系環状化合物・共役性連結子対群の最終番目、す
なわちその末端の環状化合物単位を、また、下添字n
は、πj 1 系環状化合物・共役性連結子対群の最終番
目、すなわちその末端の環状化合物単位を表し、m及び
nは、それぞれ2以上の整数であり、共役性連結子X1
及びX2 は、それぞれO、S、SO、及びSO2 からな
る群から選ばれた1対の原子又は原子団で、X1 とX2
の各基は、同一か又は異なった基であり、共役性連結子
Y1 1 、Y1 2 〜Y1 i 〜Y1 m-1 、Z1 1 、Z1 2 〜
Z1 i 〜Z1 m-1 及びY2 1 、Y2 2 〜Y2 j 〜Y2
n-1 、Z2 1 、Z2 2 〜Z2 j 〜Z2 n-1 は、それぞれ
CH、N及びN→Oからなる群から選ばれた各単位毎に
同一か又は異なる1対の原子又は原子団である。また、
π環状化合物の置換基R1 11、R1 12、R1 1-、
R1 1q、R1 21、R1 22、R1 2-、R1 2q〜R1 i1、R
1 i2、R1 i-、R1 iq〜R1 m-11、R1 m-12、
R1 m-1-、R2 m-1q及びR2 11、R2 12、R2 1-、R2
1q、R2 11、R2 12、R2 1-、R2 1q〜R2 j1、
R2 j2、R2 j-、R2 jq〜R2 n-11、R2 n-12、R2
n-1-、R2 n-1qは、それぞれ水素原子又はアルキル基で
あり、π1 m 系及びπ2 n 系置換基末端環状化合物の置
換基R1 m1、R1 m2、R1 m3、R1 m-、R2 mq及びR2
n1、R2 n2、R2 n3、R2 n-、R2 nqは、それぞれ水素
原子、アルキル基又は電子供与基であり、ただし、それ
ら各置換基の少なくとも一つは、電子供与基である。な
お、上記π環状化合物の置換基において、R1 iq、ある
いはR2 jq等の標記法は、それぞれπ1 i 環あるいはπ
2 j 環において最終番目の置換基を表し、q値は各単位
毎に同じか又は異なった値であり、また、R1 i-、ある
いはR2 j-等の標記法は、それぞれπ1 i 環あるいはπ
2 j 環において2番目あるいは3番目からq番目まで間
の一般式〔1〕にて表示されていない各置換基の存在を
代表してこれらの標記記号にて表しているものであ
る。)、一般式〔1〕で表される1種以上の化合物ある
いはそれらの誘導体が高分子物質中に溶解及び又は分散
してなることを特徴とする非線形光学材料、一般式
〔1〕で表される1種以上の化合物あるいはそれらの誘
導体が高分子化合物に化学結合してなることを特徴とす
る非線形光学材料及び上述の非線形光学材料より構成さ
れてなることを特徴とする非線形光導波路素子を要旨と
するものである。
【0014】以下、本願発明について、詳細に説明す
る。本願発明の非線形光学材料は、一般式〔1〕にて表
される化合物を含有する物質であるが、この一般式
〔1〕にて表される化合物(以下、〔1〕化合物と略称
する。)の化学構造体は、2個のπ電子共役系置換基を
含有する含フッ素環状アルケンである。
る。本願発明の非線形光学材料は、一般式〔1〕にて表
される化合物を含有する物質であるが、この一般式
〔1〕にて表される化合物(以下、〔1〕化合物と略称
する。)の化学構造体は、2個のπ電子共役系置換基を
含有する含フッ素環状アルケンである。
【0015】ここで、含フッ素環状アルケンは、メチレ
ン基(CH2)k 、ジフルオロメチレン基(CF2)l 及び
ジ置換エチレン基が環状に連なった構造をなしており、
k及びlに関しては、いずれも、k+l≧2、l≧k≧
0なる要件を満足する整数である。k+lに関する上限
は存在しないが、通常10以下のものが常用される。こ
れらメチレン基及びジフルオロメチレン基の存在様式
は、それらがブロック状に偏在したものから、規則的あ
るいはランダム状に混在したものまで様々な配列様式の
化合物が含まれる。
ン基(CH2)k 、ジフルオロメチレン基(CF2)l 及び
ジ置換エチレン基が環状に連なった構造をなしており、
k及びlに関しては、いずれも、k+l≧2、l≧k≧
0なる要件を満足する整数である。k+lに関する上限
は存在しないが、通常10以下のものが常用される。こ
れらメチレン基及びジフルオロメチレン基の存在様式
は、それらがブロック状に偏在したものから、規則的あ
るいはランダム状に混在したものまで様々な配列様式の
化合物が含まれる。
【0016】含フッ素環状アルケンの具体例としては、
それぞれ1,2-ジ置換のパーフルオロシクロブテン、、パ
ーフルオロシクロペンテン、パーフルオロシクロヘキセ
ン、パーフルオロシクロヘプテン、パーフルオロシクロ
オクテン、4H,4H-パーフルオロシクロペンテン-1、4H,4
H,5H,5H-パーフルオロシクロヘキセン-1、5H,5H-パーフ
ルオロシクロヘプテン-1、5H,5H,6H,6H-パーフルオロシ
クロオクテン-1等が例示される。
それぞれ1,2-ジ置換のパーフルオロシクロブテン、、パ
ーフルオロシクロペンテン、パーフルオロシクロヘキセ
ン、パーフルオロシクロヘプテン、パーフルオロシクロ
オクテン、4H,4H-パーフルオロシクロペンテン-1、4H,4
H,5H,5H-パーフルオロシクロヘキセン-1、5H,5H-パーフ
ルオロシクロヘプテン-1、5H,5H,6H,6H-パーフルオロシ
クロオクテン-1等が例示される。
【0017】また、2個のπ電子共役系置換基は、相似
の一般式(第1系及び第2系と特性化)にて表される分
子鎖の基で、両系それぞれ共役性連結子X1 あるいはX
2 、π1 i 系あるいはπ2 J 系環状化合物・共役性連結
子対群及びπ1 m 系あるいはπ2 n 系置換基末端環状化
合物が各々上記の順列で連鎖的に配列連結した構造体で
ある。
の一般式(第1系及び第2系と特性化)にて表される分
子鎖の基で、両系それぞれ共役性連結子X1 あるいはX
2 、π1 i 系あるいはπ2 J 系環状化合物・共役性連結
子対群及びπ1 m 系あるいはπ2 n 系置換基末端環状化
合物が各々上記の順列で連鎖的に配列連結した構造体で
ある。
【0018】共役性連結子X1 及びX2 は、それぞれ
O、S、SO、及びSO2 からなる群から選ばれた1対
の原子又は原子団で、X1 とX2 の各基は、同一か又は
異なった基である。これらのうちで特に好適な例として
は、SとS、SO2 とSO2 の組み合わせが挙げられ
る。
O、S、SO、及びSO2 からなる群から選ばれた1対
の原子又は原子団で、X1 とX2 の各基は、同一か又は
異なった基である。これらのうちで特に好適な例として
は、SとS、SO2 とSO2 の組み合わせが挙げられ
る。
【0019】π1 i 系あるいはπ2 J 系環状化合物・共
役性連結子対群は、それぞれπ電子共役系の環状化合物
と、同じくπ電子共役系の共役性連結子とが対となって
連結した繰り返し単位がさらに各々連結してなる群で、
π1 1 系あるいはπ2 1 系環状化合物・共役性連結子対
と角括弧にて表示したπ1 i 系あるいはπ2 j 系環状化
合物・共役性連結子対のi=2からi=m−1までの繰
り返し単位数がm−2個の単位あるいはj=2からj=
n−1までの繰り返し単位数がn−2個の単位が互いに
連結して形成された構造体である。ここで下添字iは、
π1 i 系環状化合物・共役性連結子対群系においてi番
目の環状化合物・共役性連結子対単位を表す2からm−
1までの任意の整数を表し、下添字jは、π2 j 系環状
化合物・共役性連結子対群系においてj番目の環状化合
物・共役性連結子対単位を表す2からn−1までの任意
の整数を表す。
役性連結子対群は、それぞれπ電子共役系の環状化合物
と、同じくπ電子共役系の共役性連結子とが対となって
連結した繰り返し単位がさらに各々連結してなる群で、
π1 1 系あるいはπ2 1 系環状化合物・共役性連結子対
と角括弧にて表示したπ1 i 系あるいはπ2 j 系環状化
合物・共役性連結子対のi=2からi=m−1までの繰
り返し単位数がm−2個の単位あるいはj=2からj=
n−1までの繰り返し単位数がn−2個の単位が互いに
連結して形成された構造体である。ここで下添字iは、
π1 i 系環状化合物・共役性連結子対群系においてi番
目の環状化合物・共役性連結子対単位を表す2からm−
1までの任意の整数を表し、下添字jは、π2 j 系環状
化合物・共役性連結子対群系においてj番目の環状化合
物・共役性連結子対単位を表す2からn−1までの任意
の整数を表す。
【0020】上記における各π環状化合物は、それぞ
れ、繰り返し単位毎に同じか異なる単環式あるいは縮合
多環式の環状化合物からなるπ電子共役系の環状化合物
である。このπ環状化合物としては、具体的には、以下
のものが例示される。ベンゼン環、ピリミジン環、オキ
サゾール環、フラン環、チアゾール環、チアジアゾール
環、オキサチアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾオキサチアゾール環、ナフタレ
ン環、アントラセン環、イソキノリン環。このうち特に
好ましくは、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾ
チアゾール環、ナフタレン環が挙げられる。
れ、繰り返し単位毎に同じか異なる単環式あるいは縮合
多環式の環状化合物からなるπ電子共役系の環状化合物
である。このπ環状化合物としては、具体的には、以下
のものが例示される。ベンゼン環、ピリミジン環、オキ
サゾール環、フラン環、チアゾール環、チアジアゾール
環、オキサチアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾオキサチアゾール環、ナフタレ
ン環、アントラセン環、イソキノリン環。このうち特に
好ましくは、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾ
チアゾール環、ナフタレン環が挙げられる。
【0021】共役性連結子Y1 1 =Z1 1 、Y2 1 =Z
2 1 、Y1 i =Z1 j あるいはY2 i =Z2 j は、前記
π環状化合物及び後記置換基末端環状化合物とπ電子共
役結合を形成して連結し得る連結子であって、それら各
連結子のY、Z要素は、それぞれCH、N及びN→Oか
らなる群から選ばれた1対の原子又は原子団である。こ
れら共役性連結子の具体例としては、CH=CH、CH
=N、N=N、CH=(N→O)、N=(N→O)等の
分子式によって表される、それぞれ、ビニレン基、アゾ
メチン基、アゾ基、ニトロン基、アゾキシ基等の基が挙
げられる。
2 1 、Y1 i =Z1 j あるいはY2 i =Z2 j は、前記
π環状化合物及び後記置換基末端環状化合物とπ電子共
役結合を形成して連結し得る連結子であって、それら各
連結子のY、Z要素は、それぞれCH、N及びN→Oか
らなる群から選ばれた1対の原子又は原子団である。こ
れら共役性連結子の具体例としては、CH=CH、CH
=N、N=N、CH=(N→O)、N=(N→O)等の
分子式によって表される、それぞれ、ビニレン基、アゾ
メチン基、アゾ基、ニトロン基、アゾキシ基等の基が挙
げられる。
【0022】π1 m 系及びπ2 n 系置換基末端環状化合
物は前記したπ1 1 系あるいはπ2 1 系環状化合物・共
役性連結子対及びπ1 i 系あるいはπ2 J 系環状化合物
・共役性連結子対群における環状化合物と同様にそれぞ
れ、単環式あるいは縮合多環式のp員環の環状化合物か
らなるπ電子共役系の環状化合物で、員環数pは、各環
毎に同じか又は異なる5以上の整数である。またこのπ
環状化合物の具体例としては、前記の例がそのまま適用
できる。
物は前記したπ1 1 系あるいはπ2 1 系環状化合物・共
役性連結子対及びπ1 i 系あるいはπ2 J 系環状化合物
・共役性連結子対群における環状化合物と同様にそれぞ
れ、単環式あるいは縮合多環式のp員環の環状化合物か
らなるπ電子共役系の環状化合物で、員環数pは、各環
毎に同じか又は異なる5以上の整数である。またこのπ
環状化合物の具体例としては、前記の例がそのまま適用
できる。
【0023】上記したπ1 1 系あるいはπ2 1 系環状化
合物・共役性連結子対及びπ1 i 系あるいはπ2 J 系環
状化合物・共役性連結子対群における各π環状化合物の
置換基R1 11、R1 12、R1 1-、R1 1q、R1 21、R1
22、R1 2-、R1 2q〜R1 i1、R1 i2、R1 i-、R1 iq
〜R1 m-11、R1 m-12、R1 m-1-、R2 m-1q及び
R2 11、R2 12、R2 1-、R2 1q、R2 11、R2 12、R
2 1-、R2 1q〜R2 j1、R2 j2、R2 j-、R2 jq〜R2
n-11、R2 n-12、R2 n-1-、R2 n-1qは、それぞれ水素
原子又はアルキル基であり、π1 m 系及びπ2 n 系置換
基末端環状化合物の置換基R1 m1、R1 m2、R1 m3、R
1 m-、R2 mq及びR2 n1、R2 n2、R2 n3、R2 n-、R
2 nqは、それぞれ水素原子、アルキル基又は電子供与基
であり、ただし、その少なくとも一つが、電子供与基で
あるものが好適に使用し得るものである。なお、上記π
環状化合物における置換基において、R1 iq、あるいは
R2 jq等の標記法は、それぞれπ1 i 環あるいはπ2 j
環において最終番目の置換基を表し、q値は各単位毎に
同じか又は異なった値であり、また、R1 i-、あるいは
R2 j-等の標記法は、それぞれπ1 i 環あるいはπ2 j
環において2番目あるいは3番目からp番目まで間の一
般式〔1〕にて表示されていない各置換基の存在を代表
してこれらの標記記号にて表しているものである。
合物・共役性連結子対及びπ1 i 系あるいはπ2 J 系環
状化合物・共役性連結子対群における各π環状化合物の
置換基R1 11、R1 12、R1 1-、R1 1q、R1 21、R1
22、R1 2-、R1 2q〜R1 i1、R1 i2、R1 i-、R1 iq
〜R1 m-11、R1 m-12、R1 m-1-、R2 m-1q及び
R2 11、R2 12、R2 1-、R2 1q、R2 11、R2 12、R
2 1-、R2 1q〜R2 j1、R2 j2、R2 j-、R2 jq〜R2
n-11、R2 n-12、R2 n-1-、R2 n-1qは、それぞれ水素
原子又はアルキル基であり、π1 m 系及びπ2 n 系置換
基末端環状化合物の置換基R1 m1、R1 m2、R1 m3、R
1 m-、R2 mq及びR2 n1、R2 n2、R2 n3、R2 n-、R
2 nqは、それぞれ水素原子、アルキル基又は電子供与基
であり、ただし、その少なくとも一つが、電子供与基で
あるものが好適に使用し得るものである。なお、上記π
環状化合物における置換基において、R1 iq、あるいは
R2 jq等の標記法は、それぞれπ1 i 環あるいはπ2 j
環において最終番目の置換基を表し、q値は各単位毎に
同じか又は異なった値であり、また、R1 i-、あるいは
R2 j-等の標記法は、それぞれπ1 i 環あるいはπ2 j
環において2番目あるいは3番目からp番目まで間の一
般式〔1〕にて表示されていない各置換基の存在を代表
してこれらの標記記号にて表しているものである。
【0024】なお上記におけるアルキル基の具体例とし
ては、炭素数1から8までのメチル基、エチル基、プロ
ピル基、iso-プロピル基、ブチル基、iso-ブチル基、te
rt-ブチル基、sec-ブチル基、アミル基、iso-アミル
基、tert- アミル基、sec-アミル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2- エチルヘ
キシル基が例として挙げられる。
ては、炭素数1から8までのメチル基、エチル基、プロ
ピル基、iso-プロピル基、ブチル基、iso-ブチル基、te
rt-ブチル基、sec-ブチル基、アミル基、iso-アミル
基、tert- アミル基、sec-アミル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2- エチルヘ
キシル基が例として挙げられる。
【0025】また、電子供与基はπ1 m 系あるいはπ2
n 系置換基末端環状化合物に電子を供給し得る置換基で
あって、具体的には、−SRa 、−ORb 、−NRc R
d 、−N= aRb 等の一般式にて表わせるエーテル基、
チオエーテル基、アミン基が挙げられる。ここでRa 、
Rb 、Rc 、Rd 等の置換基は、それぞれ同一か又は異
なる水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜8の
シクロアルキル基あるいは活性水素を有するアルキル基
誘導体で、アルキル基としては前記例示の基が、またア
ルキル基誘導体としては −(CH2)p OH、−(CH
2)p NH2 、−(CH2)p SH基等の基が好適に使用で
きる。ここでpは1以上の整数である。また、 aRb は
シクロアルキレン基を表し、−N= の= は aRb の両端
の結合基が窒素原子の2個の結合基と環状に連結してい
る様を表示する。上記したように、2個のπ電子共役系
置換基は、上記構造要件を満足する限り同一の基あるい
は異なった基いずれも採用し得るが、合成の容易さや性
能の再現性等の点では、同一の基を用いた方が好適であ
る。本発明の〔1〕化合物の代表例として、以下の化合
物が例示できる。1,2-ジ( 4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエ
チル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)フェニルチオ)
パーフルオロシクロブテン-1 (式〔2〕にて表される化
合物)、
n 系置換基末端環状化合物に電子を供給し得る置換基で
あって、具体的には、−SRa 、−ORb 、−NRc R
d 、−N= aRb 等の一般式にて表わせるエーテル基、
チオエーテル基、アミン基が挙げられる。ここでRa 、
Rb 、Rc 、Rd 等の置換基は、それぞれ同一か又は異
なる水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜8の
シクロアルキル基あるいは活性水素を有するアルキル基
誘導体で、アルキル基としては前記例示の基が、またア
ルキル基誘導体としては −(CH2)p OH、−(CH
2)p NH2 、−(CH2)p SH基等の基が好適に使用で
きる。ここでpは1以上の整数である。また、 aRb は
シクロアルキレン基を表し、−N= の= は aRb の両端
の結合基が窒素原子の2個の結合基と環状に連結してい
る様を表示する。上記したように、2個のπ電子共役系
置換基は、上記構造要件を満足する限り同一の基あるい
は異なった基いずれも採用し得るが、合成の容易さや性
能の再現性等の点では、同一の基を用いた方が好適であ
る。本発明の〔1〕化合物の代表例として、以下の化合
物が例示できる。1,2-ジ( 4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエ
チル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)フェニルチオ)
パーフルオロシクロブテン-1 (式〔2〕にて表される化
合物)、
【0026】
【化3】
【0027】1,2-ジ( 4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチ
ル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)フェニルチオ) パ
ーフルオロシクロペンテン-1 (式〔3〕にて表される化
合物)、
ル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)フェニルチオ) パ
ーフルオロシクロペンテン-1 (式〔3〕にて表される化
合物)、
【0028】
【化4】
【0029】1,2-ジ( 4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチ
ル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)フェニルチオ) パ
ーフルオロシクロヘキセン-1 (式〔4〕にて表される化
合物)、
ル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)フェニルチオ) パ
ーフルオロシクロヘキセン-1 (式〔4〕にて表される化
合物)、
【0030】
【化5】
【0031】1,2-ジ( 4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチ
ル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)フェニルスルホニ
ル) パーフルオロシクロブテン-1、1,2-ジ( 4-( 4-〔N-
(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕フェニルア
ゾ) フェニルスルホニル) パーフルオロシクロペンテン
-1、1,2-ジ( 4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチ
ルアミノ〕フェニルアゾ) フェニルスルホニル) パーフ
ルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ((4-( 4-〔N-(2- ヒド
ロキシエチル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)-1-ナフ
チルアゾ) フェニルチオ) パーフルオロシクロヘキセン
-1、1,2-ジ((4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチ
ルアミノ〕フェニルアゾ)-1-ナフチルアゾ)フェニルス
ルホニル) パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-
(4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕
フェニルアゾ)-2-チアゾールアゾ) フェニルスルホニ
ル) パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-(4-( 4-
〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕フェニル
アゾ)-2-チアゾールアゾメチン) フェニルスルホニル)
パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-(4-( 4-〔N-
(2-ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕-2- チアゾー
ルアゾメチン)-2-チアゾールアゾメチン) フェニルスル
ホニル) パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-(5-
( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕フェ
ニルアゾ)-2-ベンゾチアゾールアゾメチン) フェニルス
ルホニル) パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-
(5-( 5-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕2
-ベンゾチアゾールアゾメチン)-2-ベンゾチアゾールア
ゾメチン) フェニルスルホニル) パーフルオロシクロヘ
キセン-1 等。
ル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)フェニルスルホニ
ル) パーフルオロシクロブテン-1、1,2-ジ( 4-( 4-〔N-
(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕フェニルア
ゾ) フェニルスルホニル) パーフルオロシクロペンテン
-1、1,2-ジ( 4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチ
ルアミノ〕フェニルアゾ) フェニルスルホニル) パーフ
ルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ((4-( 4-〔N-(2- ヒド
ロキシエチル)-N-エチルアミノ〕フェニルアゾ)-1-ナフ
チルアゾ) フェニルチオ) パーフルオロシクロヘキセン
-1、1,2-ジ((4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチ
ルアミノ〕フェニルアゾ)-1-ナフチルアゾ)フェニルス
ルホニル) パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-
(4-( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕
フェニルアゾ)-2-チアゾールアゾ) フェニルスルホニ
ル) パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-(4-( 4-
〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕フェニル
アゾ)-2-チアゾールアゾメチン) フェニルスルホニル)
パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-(4-( 4-〔N-
(2-ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕-2- チアゾー
ルアゾメチン)-2-チアゾールアゾメチン) フェニルスル
ホニル) パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-(5-
( 4-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕フェ
ニルアゾ)-2-ベンゾチアゾールアゾメチン) フェニルス
ルホニル) パーフルオロシクロヘキセン-1、1,2-ジ(4-
(5-( 5-〔N-(2- ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ〕2
-ベンゾチアゾールアゾメチン)-2-ベンゾチアゾールア
ゾメチン) フェニルスルホニル) パーフルオロシクロヘ
キセン-1 等。
【0032】本発明の非線形光学材料は、上記した
〔1〕化合物をそのまま単独で使用する場合のみなら
ず、以下に例示する種々の存在形態の物質でも好適に使
用できる。すなわち、非線形光学効果を示す〔1〕化
合物あるいはそれらの誘導体、2種以上の上記化合物
の混合物、それらの化合物あるいは化合物群を高分子
化合物の主鎖あるいは側鎖に共有結合、イオン結合、配
位結合、包接等の結合によって担持させた高分子担持物
質又はそれらの化合物あるいは化合物群を高分子物質
に溶解あるいは分散させた高分子配合物質等が挙げられ
る。
〔1〕化合物をそのまま単独で使用する場合のみなら
ず、以下に例示する種々の存在形態の物質でも好適に使
用できる。すなわち、非線形光学効果を示す〔1〕化
合物あるいはそれらの誘導体、2種以上の上記化合物
の混合物、それらの化合物あるいは化合物群を高分子
化合物の主鎖あるいは側鎖に共有結合、イオン結合、配
位結合、包接等の結合によって担持させた高分子担持物
質又はそれらの化合物あるいは化合物群を高分子物質
に溶解あるいは分散させた高分子配合物質等が挙げられ
る。
【0033】上記存在形態のうち、〜、すなわち、
〔1〕化合物が高分子物質に含有さされてなる非線形光
学材料においては、全非線形光学材料中の〔1〕化合物
あるいはそれらの誘導体の存在比率は、0.2〜80重量
%であることが好ましい。非線形光学材料の含有量が0.
2重量%より少ないと、光の吸収係数が小さくなり、非
線形光学感受率が下がるという問題が生じる。また、非
線形光学材料の含有率が80重量%より大きいと、得ら
れる薄膜の機械的強度が小さくなるという問題が生じ
る。
〔1〕化合物が高分子物質に含有さされてなる非線形光
学材料においては、全非線形光学材料中の〔1〕化合物
あるいはそれらの誘導体の存在比率は、0.2〜80重量
%であることが好ましい。非線形光学材料の含有量が0.
2重量%より少ないと、光の吸収係数が小さくなり、非
線形光学感受率が下がるという問題が生じる。また、非
線形光学材料の含有率が80重量%より大きいと、得ら
れる薄膜の機械的強度が小さくなるという問題が生じ
る。
【0034】特に、、すなわち、本発明の非線形光学
材料が高分子に結合された高分子担持物質においては、
非線形光学材料が前記高分子の主鎖あるいは側鎖の一部
に含まれているために、、すなわち、非線形光学材料
が高分子に溶解あるいは分散させた高分子配合物質に比
較して、非線形性成分の含有量が向上し、非線形光学定
数の大きな系が得られる。
材料が高分子に結合された高分子担持物質においては、
非線形光学材料が前記高分子の主鎖あるいは側鎖の一部
に含まれているために、、すなわち、非線形光学材料
が高分子に溶解あるいは分散させた高分子配合物質に比
較して、非線形性成分の含有量が向上し、非線形光学定
数の大きな系が得られる。
【0035】高分子担持物質における好ましい担体高分
子としては、本発明の非線形光学化合物と親和性の高い
高分子物質及びあるいはカルボキシル基、カルボキシル
アニオン基、スルフォン酸アニオン基、水酸基、メチロ
ール基、メチロールアミノ基、フェノール基、イソシア
ネート基、アミノ基、アンモニウムカチオン基、エポキ
シ基、イミノ二酢酸アニオン基等の反応性基を含有する
高分子物質であって、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ4-メチルペンテン-1(TPX) 、エチレン系ア
イオマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸
エステル、ポリアクリルニトリル、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、
ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサ
イド、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンビニルア
ルコール、ポリビニルフェノール、ポリビニルアミン、
ポリアリルアミン、ポリビニルマレイン酸無水物、アク
リルニトリル−スチレン共重合体、アクリルニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート
−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、液晶ポリエステル、ポリカーボネート(ビスフェノ
ールカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネート等)、ポリアリレート(ビスフェノール・テ
レ/イソフタレート等)、ポリアミド(ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン46、ナイロン12、アラミド
等)、ふっ素樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリジ
アリルフタレート、エポキシ樹脂、メラニン樹脂、不飽
和ポリエステル、シリコーン樹脂、再生セルローズ、酢
酸セルローズ、硝酸セルローズ、カルボキシメチルセル
ローズ、キチン、キトサン等の高分子物質あるいはこれ
ら高分子の繰返し単位を主成分とする上記反応性基含有
成分を含むその他成分との共重合体、上記各高分子物質
の構成単位を2種以上含有する共重合体、上記高分子物
質を1種以上含有するポリマーアロイ又は上記高分子物
質の上記反応性基誘導体等が挙げられる。
子としては、本発明の非線形光学化合物と親和性の高い
高分子物質及びあるいはカルボキシル基、カルボキシル
アニオン基、スルフォン酸アニオン基、水酸基、メチロ
ール基、メチロールアミノ基、フェノール基、イソシア
ネート基、アミノ基、アンモニウムカチオン基、エポキ
シ基、イミノ二酢酸アニオン基等の反応性基を含有する
高分子物質であって、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ4-メチルペンテン-1(TPX) 、エチレン系ア
イオマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸
エステル、ポリアクリルニトリル、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、
ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサ
イド、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンビニルア
ルコール、ポリビニルフェノール、ポリビニルアミン、
ポリアリルアミン、ポリビニルマレイン酸無水物、アク
リルニトリル−スチレン共重合体、アクリルニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート
−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、液晶ポリエステル、ポリカーボネート(ビスフェノ
ールカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネート等)、ポリアリレート(ビスフェノール・テ
レ/イソフタレート等)、ポリアミド(ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン46、ナイロン12、アラミド
等)、ふっ素樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリジ
アリルフタレート、エポキシ樹脂、メラニン樹脂、不飽
和ポリエステル、シリコーン樹脂、再生セルローズ、酢
酸セルローズ、硝酸セルローズ、カルボキシメチルセル
ローズ、キチン、キトサン等の高分子物質あるいはこれ
ら高分子の繰返し単位を主成分とする上記反応性基含有
成分を含むその他成分との共重合体、上記各高分子物質
の構成単位を2種以上含有する共重合体、上記高分子物
質を1種以上含有するポリマーアロイ又は上記高分子物
質の上記反応性基誘導体等が挙げられる。
【0036】上記高分子の分子量の例としては、Mw3
000〜1000000を挙げることができ、このうち
Mw5000〜100000が好ましい。上記高分子の
うち、透明性に優れたポリメチルメタクリレート、ポリ
カーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、エポキシ樹脂等が好ましい。分子量としては、Mw
5000〜100000が好ましい。
000〜1000000を挙げることができ、このうち
Mw5000〜100000が好ましい。上記高分子の
うち、透明性に優れたポリメチルメタクリレート、ポリ
カーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、エポキシ樹脂等が好ましい。分子量としては、Mw
5000〜100000が好ましい。
【0037】高分子配合物質の場合、〔1〕化合物は、
上記有機高分子中に均一状態でも、不均一状態でも存在
できる。また、非線形光学材料にベンゾトリアゾール、
ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の光安定剤を添
加してもよい。一般に、これらの添加剤の含有量は、非
線形光学材料に対し0.5〜15重量%であるが、このう
ち2〜10重量%が好ましい。
上記有機高分子中に均一状態でも、不均一状態でも存在
できる。また、非線形光学材料にベンゾトリアゾール、
ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の光安定剤を添
加してもよい。一般に、これらの添加剤の含有量は、非
線形光学材料に対し0.5〜15重量%であるが、このう
ち2〜10重量%が好ましい。
【0038】以下、本発明の非線形光学材料を用いて光
導波路素子を製造する製造法を詳述する。本発明の光導
波路素子は、非線形光学材料を、通常、平滑な平板状の
基板上に被覆製膜して薄膜を形成し、これにポーリング
処理を施し、必要に応じて、光導波路形成等の加工処理
を行って製造する。
導波路素子を製造する製造法を詳述する。本発明の光導
波路素子は、非線形光学材料を、通常、平滑な平板状の
基板上に被覆製膜して薄膜を形成し、これにポーリング
処理を施し、必要に応じて、光導波路形成等の加工処理
を行って製造する。
【0039】上記非線形光導波路素子の基板の素材例と
しては、パイレックス基板、グラファイト基板、MoS
2 基板、KCl基板、NaCl基板等が挙げられる。こ
れらのうち、特に、石英基板、パイレックス基板、シリ
コン基板が好ましい。上記の基板の厚さは、特に限定さ
れないが、0.1mm以上が好ましい。特に基板の厚さが0.
1mmより小さいと、基板の平面性と望ましい強度が得ら
れないという問題が生じる。
しては、パイレックス基板、グラファイト基板、MoS
2 基板、KCl基板、NaCl基板等が挙げられる。こ
れらのうち、特に、石英基板、パイレックス基板、シリ
コン基板が好ましい。上記の基板の厚さは、特に限定さ
れないが、0.1mm以上が好ましい。特に基板の厚さが0.
1mmより小さいと、基板の平面性と望ましい強度が得ら
れないという問題が生じる。
【0040】上記非線形光学層の膜厚は、基板の屈折
率、該非線形光学層の屈折率、該非線形光学層の非線形
感受率等により異なるが、一般に0.1〜5μmが適切で
ある。非線形光学層の膜厚が0.1μmより小さいと、十
分な非線形光学効果が得られないという問題が生じ、非
線形光学層の膜厚が5μmより大きいと、導波光の制御
が困難になるという問題が生じる。このうち、0.3〜2
μmが好ましい。
率、該非線形光学層の屈折率、該非線形光学層の非線形
感受率等により異なるが、一般に0.1〜5μmが適切で
ある。非線形光学層の膜厚が0.1μmより小さいと、十
分な非線形光学効果が得られないという問題が生じ、非
線形光学層の膜厚が5μmより大きいと、導波光の制御
が困難になるという問題が生じる。このうち、0.3〜2
μmが好ましい。
【0041】前記の非線形光学材料を上記の基板上に製
膜するには、スピンコート法、キャスト法、ディップコ
ート法、溶融プレス法、蒸着法、LB膜法、エピタキシ
ャル法等の公知の技術を用いることができる。非線形光
学材料が有機高分子を含有しない場合には、スピンコー
ト法、キャスト法、ディップコート法、蒸着法、LB膜
法、エピタキシャル法を用いることができる。このう
ち、スピンコート法が特に好ましい。スピンコート法、
キャスト法、ディップコート法で製膜する場合には、非
線形光学材料と有機高分子をアセトン、メチルエチルケ
トン、クロロホルム、塩化メチレン、ジオキサン、DM
F、DMA、ピリジン、トルエン、酢酸エチル等の有機
溶媒に溶解して、この溶液を基板上に塗布する。上記溶
媒のうち、特にクロロホルム、塩化メチレンが好適であ
る。
膜するには、スピンコート法、キャスト法、ディップコ
ート法、溶融プレス法、蒸着法、LB膜法、エピタキシ
ャル法等の公知の技術を用いることができる。非線形光
学材料が有機高分子を含有しない場合には、スピンコー
ト法、キャスト法、ディップコート法、蒸着法、LB膜
法、エピタキシャル法を用いることができる。このう
ち、スピンコート法が特に好ましい。スピンコート法、
キャスト法、ディップコート法で製膜する場合には、非
線形光学材料と有機高分子をアセトン、メチルエチルケ
トン、クロロホルム、塩化メチレン、ジオキサン、DM
F、DMA、ピリジン、トルエン、酢酸エチル等の有機
溶媒に溶解して、この溶液を基板上に塗布する。上記溶
媒のうち、特にクロロホルム、塩化メチレンが好適であ
る。
【0042】上記非線形光導波路素子の薄膜状の非線形
光学層には、一般に、そのままでも光を伝搬させること
ができるが、必要に応じて導波路をさらに設けてもよ
い。この導波路は、光が素子中を伝搬する際の主媒体で
あり、これを構成する素材の例としては、ガラス、ポリ
カーボネート、ポリメチルメタアクリレート、As2 S
3 、As2 S5 、ZnO、LiTaO3 、Nb2 O5 、
Ta2 O5 、Si3 N4等が挙げられる。このうち、特
に、ガラス、ポリメチルメタアクリレート、ZnOが好
ましい。この導波路は、スラブ型、チャネル型、ボール
型等の形状に仕上げるをとることができる。このうち、
スラブ型及びチャネル型が好ましい。
光学層には、一般に、そのままでも光を伝搬させること
ができるが、必要に応じて導波路をさらに設けてもよ
い。この導波路は、光が素子中を伝搬する際の主媒体で
あり、これを構成する素材の例としては、ガラス、ポリ
カーボネート、ポリメチルメタアクリレート、As2 S
3 、As2 S5 、ZnO、LiTaO3 、Nb2 O5 、
Ta2 O5 、Si3 N4等が挙げられる。このうち、特
に、ガラス、ポリメチルメタアクリレート、ZnOが好
ましい。この導波路は、スラブ型、チャネル型、ボール
型等の形状に仕上げるをとることができる。このうち、
スラブ型及びチャネル型が好ましい。
【0043】上記の導波路の断面形状及び長さは、導波
路の伝搬損失及び屈折率によるため、特に限定されない
が、スラブ型の場合には、導波路層の厚みは0.05〜3
μm、長さは1〜30mmのものが好適に用いることがで
きる。チャネル型の場合には、チャネル間の距離は2〜
30μmのものが通常よく使用される。
路の伝搬損失及び屈折率によるため、特に限定されない
が、スラブ型の場合には、導波路層の厚みは0.05〜3
μm、長さは1〜30mmのものが好適に用いることがで
きる。チャネル型の場合には、チャネル間の距離は2〜
30μmのものが通常よく使用される。
【0044】スラブ型導波路を作成するには、スピンコ
ート法、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオン
交換法、イオン注入法、エピタキシャル法等を採用する
ことができる。チャネル型導波路を作成するには、イオ
ン交換法、フォトリソグラフィー法、エッチング法、ス
パッタリング法、イオン注入法、エピタキシャル法が使
用することができる。これらのうち、特に好ましくは、
エッチング法、イオン交換法、フォトリソグラフィー法
の採用が推奨される。
ート法、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオン
交換法、イオン注入法、エピタキシャル法等を採用する
ことができる。チャネル型導波路を作成するには、イオ
ン交換法、フォトリソグラフィー法、エッチング法、ス
パッタリング法、イオン注入法、エピタキシャル法が使
用することができる。これらのうち、特に好ましくは、
エッチング法、イオン交換法、フォトリソグラフィー法
の採用が推奨される。
【0045】本発明の非線形光導波路素子には、適宜非
線形光学層の上下に電極を設けることができる。電極と
しては、種々の導電体が挙げられるが、好ましくは、I
TO、金、銀、クロム、アルミニウム等が挙げられる。
線形光学層の上下に電極を設けることができる。電極と
しては、種々の導電体が挙げられるが、好ましくは、I
TO、金、銀、クロム、アルミニウム等が挙げられる。
【0046】上記非線形光学層は、前記の非線形光学材
料により形成されるが、その他の公知の有機非線形光学
材料を含んでもよい。その例としては、ポリジアセチレ
ン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリアニリ
ン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリジイン誘導体、
ポリピロール誘導体、フタロシアニン誘導体等が挙げら
れる。
料により形成されるが、その他の公知の有機非線形光学
材料を含んでもよい。その例としては、ポリジアセチレ
ン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリアニリ
ン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリジイン誘導体、
ポリピロール誘導体、フタロシアニン誘導体等が挙げら
れる。
【0047】本発明の非線形光導波路素子は、直線型、
Y分岐型、方向性結合型、マッハチェンダー干渉型、フ
ァブリペロー共振器型、分極反転型SHG素子の種々の
形態のものを用いることができる。
Y分岐型、方向性結合型、マッハチェンダー干渉型、フ
ァブリペロー共振器型、分極反転型SHG素子の種々の
形態のものを用いることができる。
【0048】本発明の非線形光学材料からなる非線形光
学層に導波光を励振させる場合には、端面結合法、プリ
ズム結合法、グレーティング結合法、ホロブラフィック
結合法、テーパ結合法等を用いことが好適である。
学層に導波光を励振させる場合には、端面結合法、プリ
ズム結合法、グレーティング結合法、ホロブラフィック
結合法、テーパ結合法等を用いことが好適である。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定される
ものではない。
明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定される
ものではない。
【0050】実施例1 前記〔2〕式の化合物を以下のとおり合成した。4-アミ
ノチオフェノールのDMF溶液中に60%の水素化ナト
リウムを加え、窒素雰囲気中、室温で30分間攪拌し
た。この溶液に1,2-ジクロロペルフルオロシクロブテン
-1を加え、窒素雰囲気中、室温で1晩攪拌した。反応
後、混合物を水に入れ、ジクロロメタンを抽出した。抽
出物を水で洗浄し、濃縮した。濃塩酸のアセトン水溶液
を上記反応にて得られた未精製の1,2-ジ(4- アミノフェ
ニルチオ)ペルフルオロシクロブテンに加え、室温で1
時間攪拌し、0℃に冷やした。これに亞硝酸ナトリウム
の水溶液を加え、0℃で30分間攪拌した。反応後、N
−エチルアニリノエタノールのアセトン溶液を加え、0
℃で1時間攪拌した。溶液のpHを希薄水酸化ナトリウ
ムによって中性に調節した。得られた沈殿物はフィルタ
ーにかけ、カラムクロマトグラフィーで精製し、ジクロ
ロメタンから再結晶化し、〔2〕式の化合物を得た。こ
の化合物の合成スキームは、下記の〔5〕式に示すとお
りである。
ノチオフェノールのDMF溶液中に60%の水素化ナト
リウムを加え、窒素雰囲気中、室温で30分間攪拌し
た。この溶液に1,2-ジクロロペルフルオロシクロブテン
-1を加え、窒素雰囲気中、室温で1晩攪拌した。反応
後、混合物を水に入れ、ジクロロメタンを抽出した。抽
出物を水で洗浄し、濃縮した。濃塩酸のアセトン水溶液
を上記反応にて得られた未精製の1,2-ジ(4- アミノフェ
ニルチオ)ペルフルオロシクロブテンに加え、室温で1
時間攪拌し、0℃に冷やした。これに亞硝酸ナトリウム
の水溶液を加え、0℃で30分間攪拌した。反応後、N
−エチルアニリノエタノールのアセトン溶液を加え、0
℃で1時間攪拌した。溶液のpHを希薄水酸化ナトリウ
ムによって中性に調節した。得られた沈殿物はフィルタ
ーにかけ、カラムクロマトグラフィーで精製し、ジクロ
ロメタンから再結晶化し、〔2〕式の化合物を得た。こ
の化合物の合成スキームは、下記の〔5〕式に示すとお
りである。
【0051】
【化6】
【0052】上記の合成より、2%の収率で所期の化合
物は得られた。この化合物の同定を行ったところ、1
H NMR(CDCl3)より、δ1.24(s、J=7.1
Hz、6H)、1.60(t、J=5.6Hz、2H)、3.55
(q、J=7.1Hz、4H)、3.60(t、J=5.6Hz、
4H)、3.87(q、J=5.6Hz、4H)、6.80
(d、J=9.2Hz、4H)、7.56(d、J=8.4Hz、
4H)、7.80(d、J=8.4Hz、4H)、7.86
(d、J=9.2Hz、4H)という結果が得られ、また、
EIMS(70eV)m/z(rel intensity)724
(M+ 、38)、693(44)、664(17)、6
49(31)、548(32)、517(100)、3
31(88)、301(18)、270(58)、14
9(23)、133(73)の結果が得られ、目的とす
る〔2〕式の化合物が合成されていることが確認でき
た。この化合物は、エタノール中でλmax は438nm、
εは46000であった。
物は得られた。この化合物の同定を行ったところ、1
H NMR(CDCl3)より、δ1.24(s、J=7.1
Hz、6H)、1.60(t、J=5.6Hz、2H)、3.55
(q、J=7.1Hz、4H)、3.60(t、J=5.6Hz、
4H)、3.87(q、J=5.6Hz、4H)、6.80
(d、J=9.2Hz、4H)、7.56(d、J=8.4Hz、
4H)、7.80(d、J=8.4Hz、4H)、7.86
(d、J=9.2Hz、4H)という結果が得られ、また、
EIMS(70eV)m/z(rel intensity)724
(M+ 、38)、693(44)、664(17)、6
49(31)、548(32)、517(100)、3
31(88)、301(18)、270(58)、14
9(23)、133(73)の結果が得られ、目的とす
る〔2〕式の化合物が合成されていることが確認でき
た。この化合物は、エタノール中でλmax は438nm、
εは46000であった。
【0053】製膜は、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)と〔2〕式の化合物の配合物のクロロホルム溶液
からガラス基板上にスピンコート法により行った。この
とき、PMMAと〔2〕式の化合物のモル比及び触針式
膜厚計(Sloan社製、デクタック3030)で測定して得
られた薄膜の膜厚を表1に示す。
MA)と〔2〕式の化合物の配合物のクロロホルム溶液
からガラス基板上にスピンコート法により行った。この
とき、PMMAと〔2〕式の化合物のモル比及び触針式
膜厚計(Sloan社製、デクタック3030)で測定して得
られた薄膜の膜厚を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】このようにして得られた膜を、図1に示し
たコロナ放電装置を用いて、試料を110℃に加熱し、
10kv/cmの電界を2分間印加した。その後、加熱を止
め、放冷し、30℃になるまで電界の印加を続けた。電
界印加を停止後、試料を取り出し、非線形光学定数(d
33)を測定した。図1は、コロナ放電装置の概念図であ
り、1はコロナ放電器、2は試料、3は温度調節試料
台、4は高圧電源を表す。本装置を用いて、上記のよう
な加熱温度に調節しコロナ放電器より高圧電界を印加す
ることにより、非線形光学化合物の分子配向に基づくポ
ーリングが達成される。
たコロナ放電装置を用いて、試料を110℃に加熱し、
10kv/cmの電界を2分間印加した。その後、加熱を止
め、放冷し、30℃になるまで電界の印加を続けた。電
界印加を停止後、試料を取り出し、非線形光学定数(d
33)を測定した。図1は、コロナ放電装置の概念図であ
り、1はコロナ放電器、2は試料、3は温度調節試料
台、4は高圧電源を表す。本装置を用いて、上記のよう
な加熱温度に調節しコロナ放電器より高圧電界を印加す
ることにより、非線形光学化合物の分子配向に基づくポ
ーリングが達成される。
【0056】得られた薄膜の非線形光学特性を評価する
のに、回転メーカーフリンジ法を用いた。QスイッチN
d:YAGレーザーの3倍波をポンプ光としてスペクト
ラ・フィジックス社製OPO(MOPO−730)のア
イドラー光として偏光ビーム(波長:1.55μm)を取
り出し、サンプルに集光された。得られた2次の高調波
は、分光され、光電子倍管により検出された。ボックス
カー積分器から得られた平均出力は、サンプルへの入射
ビームの入射角の関数としてコンピューターにより計算
された。
のに、回転メーカーフリンジ法を用いた。QスイッチN
d:YAGレーザーの3倍波をポンプ光としてスペクト
ラ・フィジックス社製OPO(MOPO−730)のア
イドラー光として偏光ビーム(波長:1.55μm)を取
り出し、サンプルに集光された。得られた2次の高調波
は、分光され、光電子倍管により検出された。ボックス
カー積分器から得られた平均出力は、サンプルへの入射
ビームの入射角の関数としてコンピューターにより計算
された。
【0057】Yカット石英板(d11=0.33pm/V)を
参照サンプルとして用いた。その結果、試料1から4の
2次の非線形光学定数d33の値と、スラブ型光導波路
で、波長1.55μmでの伝搬損失値を表2に示す。
参照サンプルとして用いた。その結果、試料1から4の
2次の非線形光学定数d33の値と、スラブ型光導波路
で、波長1.55μmでの伝搬損失値を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】その後、この中の試料2と同条件で作成し
た試料を80℃に放置し、任意時間ごとに非線形光学特
性を上記回転メーカーフリンジ法にて測定した。その結
果、80℃で1万時間放置後の非線形光学定数(d33)
は、放置0時間における同値の45%に低下した。かく
して得られた1万時間放置後の非線形光学定数の放置0
時間における同値に対する比の百分率、すなわち、非線
形光学定数保持率を算出し、表2に記入した。
た試料を80℃に放置し、任意時間ごとに非線形光学特
性を上記回転メーカーフリンジ法にて測定した。その結
果、80℃で1万時間放置後の非線形光学定数(d33)
は、放置0時間における同値の45%に低下した。かく
して得られた1万時間放置後の非線形光学定数の放置0
時間における同値に対する比の百分率、すなわち、非線
形光学定数保持率を算出し、表2に記入した。
【0060】さらに、金電極及びアンダークラッド層
(SiO2)を設けたシリコン基板上に〔3〕式の化合物
とPMMAを10:100のモル比で混合した高分子配
合物質のクロロホルム溶液をスピンコート法により被覆
し、薄膜化(膜厚:4μm)した。次に、この薄膜の表
面にエポキシ樹脂をスピンコート法により積層被覆し
た。そしてさらに、その上部の必要な部分に金電極を設
けた。この基板を110℃に加熱し、上部と下部の金電
極の間に1MV/cmの電界を2分間印加し、非線形光学化
合物の配向処理を行い、30℃まで放冷して、電界を遮
断した。次に、上部金電極を取り除いた後にポジ形レジ
ストを塗布し、必要な導波路パターンのマスクを用いて
フォトリソグラフィー法により、パターニングを行っ
た。その後、レジストをマスクとしてO2 を用いたRI
Eを行い、光導波路部を残してポリマー部をエッチング
し、レジストを剥離液を用いて取り除いた。次いで、エ
ポキシ樹脂を全体に塗布し、アウタークラッドとした。
さらに素子駆動用の金電極を光導波路部上部にフォトリ
ソグラフィーを用いて形成し、チャネル型導波路からな
るマッハチェンダー干渉型光素子を調製した。素子形成
後、素子を切り離し、光導波路端面を光学研磨した。導
波路の幅は5μmで、長さは20mmであった。かくして
作成されたマッハチェンダー干渉型光素子の斜視図を図
2に表示する。同図において、5はアウタークラッド、
6は上部電極、7は非線形光導波路、8は入力光、9は
基板、10は下部電極、11はアンダークラッド槽、1
2は出力光を表す。
(SiO2)を設けたシリコン基板上に〔3〕式の化合物
とPMMAを10:100のモル比で混合した高分子配
合物質のクロロホルム溶液をスピンコート法により被覆
し、薄膜化(膜厚:4μm)した。次に、この薄膜の表
面にエポキシ樹脂をスピンコート法により積層被覆し
た。そしてさらに、その上部の必要な部分に金電極を設
けた。この基板を110℃に加熱し、上部と下部の金電
極の間に1MV/cmの電界を2分間印加し、非線形光学化
合物の配向処理を行い、30℃まで放冷して、電界を遮
断した。次に、上部金電極を取り除いた後にポジ形レジ
ストを塗布し、必要な導波路パターンのマスクを用いて
フォトリソグラフィー法により、パターニングを行っ
た。その後、レジストをマスクとしてO2 を用いたRI
Eを行い、光導波路部を残してポリマー部をエッチング
し、レジストを剥離液を用いて取り除いた。次いで、エ
ポキシ樹脂を全体に塗布し、アウタークラッドとした。
さらに素子駆動用の金電極を光導波路部上部にフォトリ
ソグラフィーを用いて形成し、チャネル型導波路からな
るマッハチェンダー干渉型光素子を調製した。素子形成
後、素子を切り離し、光導波路端面を光学研磨した。導
波路の幅は5μmで、長さは20mmであった。かくして
作成されたマッハチェンダー干渉型光素子の斜視図を図
2に表示する。同図において、5はアウタークラッド、
6は上部電極、7は非線形光導波路、8は入力光、9は
基板、10は下部電極、11はアンダークラッド槽、1
2は出力光を表す。
【0061】この素子を用い、波長1.55μmの半導体
レーザーの光を端面結合法により励振させた結果、電気
光学定数は55pm/Vの値が得られた。また、非常に優
れた光変調特性を示し、消光比は25dBであった。
レーザーの光を端面結合法により励振させた結果、電気
光学定数は55pm/Vの値が得られた。また、非常に優
れた光変調特性を示し、消光比は25dBであった。
【0062】比較例1 比較例としてAldrich Chemical Company Inc. 社製のデ
ィスパースレッド1(DR-1)を用い、実施例1と同様
にPMMA:DR-1:クロロホルムの溶液を作成し、ガ
ラス基板上にスピンコート法により薄膜を作成した。こ
の際のPMMAとDR-1のモル比及び触針式膜厚計(Slo
an社製、デクタック3030)で測定して得られた薄膜
の膜厚を表2に示す。
ィスパースレッド1(DR-1)を用い、実施例1と同様
にPMMA:DR-1:クロロホルムの溶液を作成し、ガ
ラス基板上にスピンコート法により薄膜を作成した。こ
の際のPMMAとDR-1のモル比及び触針式膜厚計(Slo
an社製、デクタック3030)で測定して得られた薄膜
の膜厚を表2に示す。
【0063】これらの試料を図1に示すコロナ放電装置
に設置し、基板を110℃に加熱し、10kv/cmの電圧
を2分間印加した。その後、30℃まで放冷し、電圧印
加を停止し、試料を取り出した。
に設置し、基板を110℃に加熱し、10kv/cmの電圧
を2分間印加した。その後、30℃まで放冷し、電圧印
加を停止し、試料を取り出した。
【0064】次に、この試料の非線形光学特性を回転メ
ーカーフリンジ法を用いて測定した。QスイッチNd:
YAGレーザーの3倍波をポンプ光としてスペクトラ・
フィジックス社製OPO(MOPO−730)のアイド
ラー光として偏光ビーム(波長:1.55μm)を取り出
し、試料に集光した。得られた2次の高調波は、分光
し、その光を光電子倍管により検出した。この際のボッ
クスカー積分器から得られた平均出力は、サンプルへの
入射ビームの入射角の関数としてコンピューターにより
計算した。
ーカーフリンジ法を用いて測定した。QスイッチNd:
YAGレーザーの3倍波をポンプ光としてスペクトラ・
フィジックス社製OPO(MOPO−730)のアイド
ラー光として偏光ビーム(波長:1.55μm)を取り出
し、試料に集光した。得られた2次の高調波は、分光
し、その光を光電子倍管により検出した。この際のボッ
クスカー積分器から得られた平均出力は、サンプルへの
入射ビームの入射角の関数としてコンピューターにより
計算した。
【0065】Yカット石英板(d11=0.33pm/V)を
参照サンプルとして用いた。その結果、膜の形成が可能
であった試料1と2の2次の非線形光学定数d33の値
と、スラブ型光導波路で、波長1.55μmでの伝搬損失
値を表2に示す。
参照サンプルとして用いた。その結果、膜の形成が可能
であった試料1と2の2次の非線形光学定数d33の値
と、スラブ型光導波路で、波長1.55μmでの伝搬損失
値を表2に示す。
【0066】実施例1と比べた場合、非線形光学定数は
小さいものであり、さらに、伝搬損失は大きくなってい
る。その後、この試料2と同条件で作成した試料を80
℃に放置し、任意時間ごとに非線形光学特性を上記回転
メーカーフリンジ法にて測定した。その結果、0時間の
非線形光学定数を100とした場合の非線形光学定数
(d33)変動、すなわち、非線形光学定数保持率(表2
に記入)は、50時間後に測定不可能になった。実施例
1と場合と比べて、減少の度合いが大きくなってる。
小さいものであり、さらに、伝搬損失は大きくなってい
る。その後、この試料2と同条件で作成した試料を80
℃に放置し、任意時間ごとに非線形光学特性を上記回転
メーカーフリンジ法にて測定した。その結果、0時間の
非線形光学定数を100とした場合の非線形光学定数
(d33)変動、すなわち、非線形光学定数保持率(表2
に記入)は、50時間後に測定不可能になった。実施例
1と場合と比べて、減少の度合いが大きくなってる。
【0067】さらに、金電極及びアンダークラッド層
(Si 02)を設けたシリコン基板上に、DR-1とPMMA
を10:100のモル比で混合した高分子配合物質のク
ロロホルム溶液をスピンコートし、薄膜化(膜厚:4μ
m)した。次に、この薄膜の表面にエポキシ樹脂をスピ
ンコート法により積層被覆した。さらに、その上部の必
要な部分に金電極を設けた。この基板を110℃に加熱
し、上部と下部の金電極の間に1MV/cmの電界を2分間
印加し、DR-1の配向処理を行った。これを30℃まで
放冷し、電界を遮断した。次に、上部金電極を取り除い
た後にポジ形レジストを塗布し、必要な導波路パターン
のマスクを用いてフォトリソグラフィーを行った。その
後、レジストをマスクとしてO2 を用いたRIEを行
い、光導波路部を残してポリマー部をエッチングした。
その後、レジストを剥離液を用いて取り除いた。エポキ
シ樹脂を全体に塗布し、アウタークラッドとした。次
に、素子駆動用の金電極を光導波路部上部にフォトリソ
グラフィーを用いて形成し、チャネル型導波路からなる
マッハチェンダー干渉型光素子が形成された。素子形成
後、素子を切り離し、光導波路端面を光学研磨した。導
波路の幅は5μmで、長さは20mmであった。
(Si 02)を設けたシリコン基板上に、DR-1とPMMA
を10:100のモル比で混合した高分子配合物質のク
ロロホルム溶液をスピンコートし、薄膜化(膜厚:4μ
m)した。次に、この薄膜の表面にエポキシ樹脂をスピ
ンコート法により積層被覆した。さらに、その上部の必
要な部分に金電極を設けた。この基板を110℃に加熱
し、上部と下部の金電極の間に1MV/cmの電界を2分間
印加し、DR-1の配向処理を行った。これを30℃まで
放冷し、電界を遮断した。次に、上部金電極を取り除い
た後にポジ形レジストを塗布し、必要な導波路パターン
のマスクを用いてフォトリソグラフィーを行った。その
後、レジストをマスクとしてO2 を用いたRIEを行
い、光導波路部を残してポリマー部をエッチングした。
その後、レジストを剥離液を用いて取り除いた。エポキ
シ樹脂を全体に塗布し、アウタークラッドとした。次
に、素子駆動用の金電極を光導波路部上部にフォトリソ
グラフィーを用いて形成し、チャネル型導波路からなる
マッハチェンダー干渉型光素子が形成された。素子形成
後、素子を切り離し、光導波路端面を光学研磨した。導
波路の幅は5μmで、長さは20mmであった。
【0068】半導体レーザーの発振波長(1.55μm)
の光を端面結合法により励振させた結果、電気光学定数
は42pm/Vの値であった。また、光変調特性を示し、
消光比は5dBであった。それぞれの値とも、実施例1と
比べて劣るものであった。
の光を端面結合法により励振させた結果、電気光学定数
は42pm/Vの値であった。また、光変調特性を示し、
消光比は5dBであった。それぞれの値とも、実施例1と
比べて劣るものであった。
【0069】実施例2 前記〔3〕式の化合物を以下のとおり合成した。4-アミ
ノチオフェノールのDMF溶液中に60%の水素化ナト
リウムを加え、窒素雰囲気中、室温で30分間攪拌し
た。この溶液に1,2-ジクロロペルフルオロシクロペンテ
ン-1を加え、窒素雰囲気中、室温で1晩攪拌した。反応
後、混合物を水に入れ、ジクロロメタンで抽出した。抽
出物を水で洗浄し、濃縮した。生成物をカラムクロマト
グラフィーで分離し、ヘキサンから再結晶化し、化合物
Aを得た。
ノチオフェノールのDMF溶液中に60%の水素化ナト
リウムを加え、窒素雰囲気中、室温で30分間攪拌し
た。この溶液に1,2-ジクロロペルフルオロシクロペンテ
ン-1を加え、窒素雰囲気中、室温で1晩攪拌した。反応
後、混合物を水に入れ、ジクロロメタンで抽出した。抽
出物を水で洗浄し、濃縮した。生成物をカラムクロマト
グラフィーで分離し、ヘキサンから再結晶化し、化合物
Aを得た。
【0070】上記の合成より20%の収率で化合物Aは
得られた。この化合物の同定を行ったところ、1 H N
MR(CDCl3)より、δ3.87(s、4H)、6.63
(d、J=8.7Hz、4H)、7.35(d、J=8.7Hz、
4H)の結果が得られ、また、EIMS(70eV)m
/z(rel intensity)422(M+ 、73)、149
(32)、124(100)の結果を得た。
得られた。この化合物の同定を行ったところ、1 H N
MR(CDCl3)より、δ3.87(s、4H)、6.63
(d、J=8.7Hz、4H)、7.35(d、J=8.7Hz、
4H)の結果が得られ、また、EIMS(70eV)m
/z(rel intensity)422(M+ 、73)、149
(32)、124(100)の結果を得た。
【0071】濃塩酸のアセトン水溶液を化合物Aである
1,2-ジ(4-アミノフェニルチオ)ペルフルオロシクロペ
ンテンに加え、室温で1時間攪拌し、0℃に冷やした。
亞硝酸ナトリウムの水溶液を加え、0℃で30分間攪拌
した。反応後、N-エチルアニリノエタノールのアセトン
溶液を加え、0℃で1時間攪拌した。溶液のpHを希薄
水酸化ナトリウムによって中性に調節した。得られた沈
殿物はフィルターにかけられ、カラムクロマトグラフィ
ーで精製し、ジクロロメタンから再結晶化し、〔3〕式
の化合物を得た。
1,2-ジ(4-アミノフェニルチオ)ペルフルオロシクロペ
ンテンに加え、室温で1時間攪拌し、0℃に冷やした。
亞硝酸ナトリウムの水溶液を加え、0℃で30分間攪拌
した。反応後、N-エチルアニリノエタノールのアセトン
溶液を加え、0℃で1時間攪拌した。溶液のpHを希薄
水酸化ナトリウムによって中性に調節した。得られた沈
殿物はフィルターにかけられ、カラムクロマトグラフィ
ーで精製し、ジクロロメタンから再結晶化し、〔3〕式
の化合物を得た。
【0072】上記の合成より22%の収率で化合物は得
られた。この化合物の同定を行ったところ、1 H NM
R(CDCl3)より、δ1.24(s、J=7.1Hz、6
H)、1.64(t、J=5.7Hz、2H)、3.56(q、
J=7.1Hz、4H)、3.60(t、J=5.7Hz、4
H)、3.88(q、J=5.7Hz、4H)、6.80(d、
J=9.2Hz、4H)、7.56(d、J=8.6Hz、4
H)、7.81(d、J=8.6Hz、4H)、7.86(d、
J=9.2Hz、4H)、また、MS(70eV)m/z(r
elintensity) より、774(M+ 、13)、743
(27)、715(17)、599(18)、568
(59)、358(100)、134(28)の結果が
得られ、目的とする〔3〕式の化合物が合成されている
ことが確認できた。この〔3〕式の化合物は、エタノー
ル中でλmax は441nm、εは53000であった。
られた。この化合物の同定を行ったところ、1 H NM
R(CDCl3)より、δ1.24(s、J=7.1Hz、6
H)、1.64(t、J=5.7Hz、2H)、3.56(q、
J=7.1Hz、4H)、3.60(t、J=5.7Hz、4
H)、3.88(q、J=5.7Hz、4H)、6.80(d、
J=9.2Hz、4H)、7.56(d、J=8.6Hz、4
H)、7.81(d、J=8.6Hz、4H)、7.86(d、
J=9.2Hz、4H)、また、MS(70eV)m/z(r
elintensity) より、774(M+ 、13)、743
(27)、715(17)、599(18)、568
(59)、358(100)、134(28)の結果が
得られ、目的とする〔3〕式の化合物が合成されている
ことが確認できた。この〔3〕式の化合物は、エタノー
ル中でλmax は441nm、εは53000であった。
【0073】製膜は、ポリカーボネート(PC)と
〔3〕式の化合物の配合物のクロロホルム溶液からスピ
ンコート法によりガラス基板上に薄膜被覆を行って得ら
れた。このとき、PCと〔3〕式の化合物のモル比及び
触針式膜厚計(Sloan社製、デクタック3030)で測定
して得られた薄膜の膜厚を表1に示す。
〔3〕式の化合物の配合物のクロロホルム溶液からスピ
ンコート法によりガラス基板上に薄膜被覆を行って得ら
れた。このとき、PCと〔3〕式の化合物のモル比及び
触針式膜厚計(Sloan社製、デクタック3030)で測定
して得られた薄膜の膜厚を表1に示す。
【0074】このようにして得られた試料を、図1に示
すようなコロナ放電装置を用いて、膜を150℃に加熱
し、10kv/cmの電界を2分間印加した。その後、加熱
を止め、放冷し、30℃になるまで電界の印加を続け
た。電界印加を停止後、試料を取り出し、回転メーカー
フリンジ法を用いて非線形光学定数(d33)を測定し
た。QスイッチNd:YAGレーザーの3倍波をポンプ
光としてスペクトラ・フィジックス社製OPO(MOP
O−730)のアイドラー光として偏光ビーム(波長:
1.55μm)を取り出し、試料に集光した。得られた2
次の高調波は、分光し、光電子倍管により検出した。ボ
ックスカー積分器から得られた平均出力は、試料への入
射ビームの入射角の関数としてコンピューターで計算さ
れた。
すようなコロナ放電装置を用いて、膜を150℃に加熱
し、10kv/cmの電界を2分間印加した。その後、加熱
を止め、放冷し、30℃になるまで電界の印加を続け
た。電界印加を停止後、試料を取り出し、回転メーカー
フリンジ法を用いて非線形光学定数(d33)を測定し
た。QスイッチNd:YAGレーザーの3倍波をポンプ
光としてスペクトラ・フィジックス社製OPO(MOP
O−730)のアイドラー光として偏光ビーム(波長:
1.55μm)を取り出し、試料に集光した。得られた2
次の高調波は、分光し、光電子倍管により検出した。ボ
ックスカー積分器から得られた平均出力は、試料への入
射ビームの入射角の関数としてコンピューターで計算さ
れた。
【0075】Yカット石英板(d11=0.33pm/V)を
参照サンプルとして用いた。その結果、試料1から4の
2次の非線形光学定数d33の値と、スラブ型光導波路
で、波長1.55μmでの伝搬損失値を表2に示す。
参照サンプルとして用いた。その結果、試料1から4の
2次の非線形光学定数d33の値と、スラブ型光導波路
で、波長1.55μmでの伝搬損失値を表2に示す。
【0076】その後、この中の試料2を80℃に放置
し、任意時間ごとに非線形光学特性を上記回転メーカー
フリンジ法にて測定した。その結果、前記の1万時間後
の非線形光学定数保持率(表2に記入)はおよそ50%
であることが実測された。
し、任意時間ごとに非線形光学特性を上記回転メーカー
フリンジ法にて測定した。その結果、前記の1万時間後
の非線形光学定数保持率(表2に記入)はおよそ50%
であることが実測された。
【0077】比較例2 比較例としてAldrich Chemical Company Inc. 社製のデ
ィスパースレッド1(DR-1)を用い、実施例2と同様
にPC:DR-1配合物のクロロホルム溶液を作成し、ガ
ラス基板上にスピンコート法により被覆して薄膜を作成
した。この際のPCとDR-1のモル比及び触針式膜厚計
(Sloan社製、デクタック3030)で測定して得られた
薄膜の膜厚を表1に示す。
ィスパースレッド1(DR-1)を用い、実施例2と同様
にPC:DR-1配合物のクロロホルム溶液を作成し、ガ
ラス基板上にスピンコート法により被覆して薄膜を作成
した。この際のPCとDR-1のモル比及び触針式膜厚計
(Sloan社製、デクタック3030)で測定して得られた
薄膜の膜厚を表1に示す。
【0078】これらの試料を図1に示すコロナ放電装置
に設置し、基板を150℃に加熱し、10kv/cmの電圧
を2分間印加した。その後、30℃まで放冷し、電圧印
加を停止し、試料を取り出した。
に設置し、基板を150℃に加熱し、10kv/cmの電圧
を2分間印加した。その後、30℃まで放冷し、電圧印
加を停止し、試料を取り出した。
【0079】次に、この試料の非線形光学特性を回転メ
ーカーフリンジ法を用いて測定した。QスイッチNd:
YAGレーザーの3倍波をポンプ光としてスペクトラ・
フィジックス社製OPO(MOPO−730)のアイド
ラー光として偏光ビーム(波長:1.55μm)を取り出
し、試料に集光した。得られた2次の高調波は、分光
し、光電子倍管により検出した。ボックスカー積分器か
ら得られた平均出力は、サンプルへの入射ビームの入射
角の関数としてコンピューターにより計算された。
ーカーフリンジ法を用いて測定した。QスイッチNd:
YAGレーザーの3倍波をポンプ光としてスペクトラ・
フィジックス社製OPO(MOPO−730)のアイド
ラー光として偏光ビーム(波長:1.55μm)を取り出
し、試料に集光した。得られた2次の高調波は、分光
し、光電子倍管により検出した。ボックスカー積分器か
ら得られた平均出力は、サンプルへの入射ビームの入射
角の関数としてコンピューターにより計算された。
【0080】Yカット石英板(d11=0.33pm/V)を
参照サンプルとして用いた。その結果、試料1と試料2
の2次の非線形光学定数d33の値と、スラブ型光導波路
での波長1.55μmの光の伝搬損失値を表2に示す。
参照サンプルとして用いた。その結果、試料1と試料2
の2次の非線形光学定数d33の値と、スラブ型光導波路
での波長1.55μmの光の伝搬損失値を表2に示す。
【0081】このとき、実施例2と比べて非線形光学定
数は小さなものになっていた。その後、この中の試料2
を80℃に放置し、任意時間ごとに非線形光学特性を上
記回転メーカーフリンジ法にて測定した。その結果、1
万時間後の非線形光学定数保持率(表2に記入)は、5
%程度となり、ほとんど観察できなくなった。
数は小さなものになっていた。その後、この中の試料2
を80℃に放置し、任意時間ごとに非線形光学特性を上
記回転メーカーフリンジ法にて測定した。その結果、1
万時間後の非線形光学定数保持率(表2に記入)は、5
%程度となり、ほとんど観察できなくなった。
【0082】実施例3 前記〔4〕式の化合物を以下のとおり合成した。4−ア
ミノチオフェノールのDMF溶液中に60%の水素化ナ
トリウムを加え、窒素雰囲気中、室温で30分間攪拌し
た。この溶液に1,2-ジクロロペルフルオロシクロヘキサ
ン-1を加え、窒素雰囲気中、室温で1晩攪拌した。反応
後、混合物を水に入れ、ジクロロメタンで抽出した。抽
出物を水で洗浄し、濃縮した。生成物をカラムクロマト
グラフィーで分離し、ヘキサンから再結晶化し、化合物
Bを得た。
ミノチオフェノールのDMF溶液中に60%の水素化ナ
トリウムを加え、窒素雰囲気中、室温で30分間攪拌し
た。この溶液に1,2-ジクロロペルフルオロシクロヘキサ
ン-1を加え、窒素雰囲気中、室温で1晩攪拌した。反応
後、混合物を水に入れ、ジクロロメタンで抽出した。抽
出物を水で洗浄し、濃縮した。生成物をカラムクロマト
グラフィーで分離し、ヘキサンから再結晶化し、化合物
Bを得た。
【0083】上記の合成より、17%の収率で化合物B
は得られた。この化合物の同定を行ったところ、1 H
NMR(CDCl3)より、δ3.86(s、4H)、6.6
2(d、J=8.3Hz、4H)、7.32(d、J=8.3H
z、4H)の結果が得られた。また、EIMS(70e
V)m/z(rel intensity)472(M+ 、100)、
184(27)、124(38)の結果を得た。
は得られた。この化合物の同定を行ったところ、1 H
NMR(CDCl3)より、δ3.86(s、4H)、6.6
2(d、J=8.3Hz、4H)、7.32(d、J=8.3H
z、4H)の結果が得られた。また、EIMS(70e
V)m/z(rel intensity)472(M+ 、100)、
184(27)、124(38)の結果を得た。
【0084】濃塩酸のアセトン水溶液を化合物Bである
1,2-ジ(4- アミノフェニルチオ)ペルフルオロシクロヘ
キサンに加え、室温で1時間攪拌し、0℃に冷やした。
これに亞硝酸ナトリウムの水溶液を加え、0℃で30分
間攪拌した。反応後、N-エチルアニリノエタノールのア
セトン溶液を加え、0℃で1時間攪拌した。溶液のpH
を希薄水酸化ナトリウムによって中性に調節した。得ら
れた沈殿物はフィルターにかけられ、カラムクロマトグ
ラフィーで精製し、ジクロロメタンから再結晶化し、
〔4〕式の化合物を得た。
1,2-ジ(4- アミノフェニルチオ)ペルフルオロシクロヘ
キサンに加え、室温で1時間攪拌し、0℃に冷やした。
これに亞硝酸ナトリウムの水溶液を加え、0℃で30分
間攪拌した。反応後、N-エチルアニリノエタノールのア
セトン溶液を加え、0℃で1時間攪拌した。溶液のpH
を希薄水酸化ナトリウムによって中性に調節した。得ら
れた沈殿物はフィルターにかけられ、カラムクロマトグ
ラフィーで精製し、ジクロロメタンから再結晶化し、
〔4〕式の化合物を得た。
【0085】上記の合成より28%の収率で化合物は得
られた。この化合物の同定を行ったところ、1 H NM
R(CDCl3)より、δ1.24(t、J=7.1Hz、6
H)、1.67(t、J=5.6Hz、2H)、3.54(q、
J=7.1Hz、4H)、3.59(t、J=5.6Hz、4
H)、3.88(q、J=5.6Hz、4H)、6.78(d、
J=9.2Hz、4H)、7.51(d、J=8.5Hz、4
H)、7.80(d、J=8.5Hz、4H)、7.85(d、
J=9.2Hz、4H)、また、MS(70eV)m/z(r
elintensity) より、824(M+ 、10)、793
(23)、764(20)、617(30)、381
(95)、133(100)の結果が得られ、目的とす
る〔4〕式の化合物が合成されていることが確認でき
た。この化合物は、エタノール中でλmax は440nm、
εは77000であった。
られた。この化合物の同定を行ったところ、1 H NM
R(CDCl3)より、δ1.24(t、J=7.1Hz、6
H)、1.67(t、J=5.6Hz、2H)、3.54(q、
J=7.1Hz、4H)、3.59(t、J=5.6Hz、4
H)、3.88(q、J=5.6Hz、4H)、6.78(d、
J=9.2Hz、4H)、7.51(d、J=8.5Hz、4
H)、7.80(d、J=8.5Hz、4H)、7.85(d、
J=9.2Hz、4H)、また、MS(70eV)m/z(r
elintensity) より、824(M+ 、10)、793
(23)、764(20)、617(30)、381
(95)、133(100)の結果が得られ、目的とす
る〔4〕式の化合物が合成されていることが確認でき
た。この化合物は、エタノール中でλmax は440nm、
εは77000であった。
【0086】製膜は、ポリカーボネート(PC)と
〔4〕式の化合物の配合物のクロロホルム溶液からガラ
ス基板上にスピンコート法により薄膜化して得られた。
この際、PCと〔4〕式の化合物のモル比及び触針式膜
厚計(Sloan社製、デクタック3030)で測定して得ら
れた薄膜の膜厚を表1に示す。
〔4〕式の化合物の配合物のクロロホルム溶液からガラ
ス基板上にスピンコート法により薄膜化して得られた。
この際、PCと〔4〕式の化合物のモル比及び触針式膜
厚計(Sloan社製、デクタック3030)で測定して得ら
れた薄膜の膜厚を表1に示す。
【0087】このようにして得られた試料を、図1に示
すようなコロナ放電装置を用いて、膜を150℃に加熱
し、10kv/cmの電界を2分間印加した。その後、加熱
を止め、放冷し、30℃になるまで電界の印加を続け
た。電界印加を停止後、試料を取り出し、回転メーカー
フリンジ法を用いて非線形光学定数(d33)を測定し
た。QスイッチNd:YAGレーザーの3倍波をポンプ
光としてスペクトラ・フィジックス社製OPO(MOP
O−730)のアイドラー光として偏光ビーム(波長:
1.55μm)を取り出し、試料に集光した。得られた2
次の高調波は、分光し、光電子倍管により検出した。ボ
ックスカー積分器から得られた平均出力は、試料への入
射ビームの入射角の関数としてコンピューターで計算さ
れた。
すようなコロナ放電装置を用いて、膜を150℃に加熱
し、10kv/cmの電界を2分間印加した。その後、加熱
を止め、放冷し、30℃になるまで電界の印加を続け
た。電界印加を停止後、試料を取り出し、回転メーカー
フリンジ法を用いて非線形光学定数(d33)を測定し
た。QスイッチNd:YAGレーザーの3倍波をポンプ
光としてスペクトラ・フィジックス社製OPO(MOP
O−730)のアイドラー光として偏光ビーム(波長:
1.55μm)を取り出し、試料に集光した。得られた2
次の高調波は、分光し、光電子倍管により検出した。ボ
ックスカー積分器から得られた平均出力は、試料への入
射ビームの入射角の関数としてコンピューターで計算さ
れた。
【0088】Yカット石英板(d11=0.33pm/V)を
参照サンプルとして用いた。その結果、試料1から4の
2次の非線形光学定数d33の値と、スラブ型光導波路で
波長1.55μmでの伝搬損失値を表2に示す。
参照サンプルとして用いた。その結果、試料1から4の
2次の非線形光学定数d33の値と、スラブ型光導波路で
波長1.55μmでの伝搬損失値を表2に示す。
【0089】その後、この中の試料2を80℃に放置
し、任意時間ごとに非線形光学特性を上記回転メーカー
フリンジ法にて測定した。その結果、1万時間放置後の
非線形光学定数保持率(表2に記入)はおよそ65%で
あることが明らかとなった。
し、任意時間ごとに非線形光学特性を上記回転メーカー
フリンジ法にて測定した。その結果、1万時間放置後の
非線形光学定数保持率(表2に記入)はおよそ65%で
あることが明らかとなった。
【0090】比較例3 比較例2を比較例3として使用した。上記した実施例3
の特性は、比較例3と比べて優れたものであった。
の特性は、比較例3と比べて優れたものであった。
【0091】実施例4 PMMAに実施例1に記述した〔2〕式の化合物を10
モル%混合した配合物のクロロホルム溶液を、アンダー
クラッド層(SiO2) を設けたシリコン基板上に滴下し、
スピンコート法により薄膜化(膜厚:4μm)した。次
に、この薄膜の表面にエポキシ樹脂をスピンコート法に
より積層被覆した。さらに、その上部にポジ形レジスト
を塗布し、必要な導波路パターンのマスクを用いてフォ
トリソグラフィーを行った。その後、レジストをマスク
としてO2 を用いたRIEを行い、光導波路部を残して
ポリマー部をエッチングし、レジストを剥離液を用いて
取り除いた。光導波路の両面を光学研磨し、アルミニウ
ムを真空蒸着して光双安定素子構造体を作成した。導波
路の幅は5μmであり、長さは20mmであった。
モル%混合した配合物のクロロホルム溶液を、アンダー
クラッド層(SiO2) を設けたシリコン基板上に滴下し、
スピンコート法により薄膜化(膜厚:4μm)した。次
に、この薄膜の表面にエポキシ樹脂をスピンコート法に
より積層被覆した。さらに、その上部にポジ形レジスト
を塗布し、必要な導波路パターンのマスクを用いてフォ
トリソグラフィーを行った。その後、レジストをマスク
としてO2 を用いたRIEを行い、光導波路部を残して
ポリマー部をエッチングし、レジストを剥離液を用いて
取り除いた。光導波路の両面を光学研磨し、アルミニウ
ムを真空蒸着して光双安定素子構造体を作成した。導波
路の幅は5μmであり、長さは20mmであった。
【0092】半導体レーザーの発振波長(1.31μm)
の光をシングルモードファイバーを用いて端面より入射
し、透過光強度を入射光強度の関数として観察したとこ
ろ、室温で光双安定性を示す履歴現象を観察した。
の光をシングルモードファイバーを用いて端面より入射
し、透過光強度を入射光強度の関数として観察したとこ
ろ、室温で光双安定性を示す履歴現象を観察した。
【0093】比較例4 比較例としてAldrich Chemical Company Inc. 社製のデ
ィスパースレッド1(DR-1)を用い、実施例4と同様
に光双安定素子構造体を作成した。DR-1を10モル%
混合した配合物のクロロホルム溶液を、アンダークラッ
ド層(SiO2) を設けたシリコン基板上に滴下し、スピン
コート法により薄膜化(膜厚:4μm)した。次に、薄
膜の表面にエポキシ樹脂をスピンコート法により積層被
覆した。さらに、その上部にポジ形レジストを塗布し、
必要な導波路パターンのマスクを用いてフォトリソグラ
フィーを行った。その後、レジストをマスクとしてO2
を用いたRIEを行い、光導波路部を残してポリマー部
をエッチングし、レジストを剥離液を用いて取り除い
た。光導波路の両端面を光学研磨し、アルミニウムを真
空蒸着して光双安定素子構造体を作成した。導波路の幅
は5μmであり、長さは20mmであった。
ィスパースレッド1(DR-1)を用い、実施例4と同様
に光双安定素子構造体を作成した。DR-1を10モル%
混合した配合物のクロロホルム溶液を、アンダークラッ
ド層(SiO2) を設けたシリコン基板上に滴下し、スピン
コート法により薄膜化(膜厚:4μm)した。次に、薄
膜の表面にエポキシ樹脂をスピンコート法により積層被
覆した。さらに、その上部にポジ形レジストを塗布し、
必要な導波路パターンのマスクを用いてフォトリソグラ
フィーを行った。その後、レジストをマスクとしてO2
を用いたRIEを行い、光導波路部を残してポリマー部
をエッチングし、レジストを剥離液を用いて取り除い
た。光導波路の両端面を光学研磨し、アルミニウムを真
空蒸着して光双安定素子構造体を作成した。導波路の幅
は5μmであり、長さは20mmであった。
【0094】半導体レーザーの発振波長(1.31μm)
の光をシングルモードファイバーを用いて端面より入射
し、透過光強度を入射光強度の関数として観察したとこ
ろ、室温で光双安定性を示す履歴現象を確認したもの
の、信号強度は実施例4に比べておよそ20%であっ
た。
の光をシングルモードファイバーを用いて端面より入射
し、透過光強度を入射光強度の関数として観察したとこ
ろ、室温で光双安定性を示す履歴現象を確認したもの
の、信号強度は実施例4に比べておよそ20%であっ
た。
【0095】
【発明の効果】本発明の非線形光学材料は、大きい2
次、3次の非線形光学効果を示し、光伝搬特性に優れ、
さらに、機械的強度に優れている。本発明の材料を用い
ることにより、非線形光学材料の含有率を増加させるこ
とができ、大きな非線形光学効果を容易に発現させるこ
とができるため、従来の材料より優れた光導波路素子を
作成することができる。さらに、本発明の非線形光学材
料を用いることより、配向後の非線形光学効果を長期に
わたり安定的に維持することが可能になる。また、本発
明の非線形光導波路素子は、光変調特性、光スイッチン
グ特性、光双安定性に優れ、薄膜にできるため、高集積
可能な光集積回路等の多様な用途に適用できる。
次、3次の非線形光学効果を示し、光伝搬特性に優れ、
さらに、機械的強度に優れている。本発明の材料を用い
ることにより、非線形光学材料の含有率を増加させるこ
とができ、大きな非線形光学効果を容易に発現させるこ
とができるため、従来の材料より優れた光導波路素子を
作成することができる。さらに、本発明の非線形光学材
料を用いることより、配向後の非線形光学効果を長期に
わたり安定的に維持することが可能になる。また、本発
明の非線形光導波路素子は、光変調特性、光スイッチン
グ特性、光双安定性に優れ、薄膜にできるため、高集積
可能な光集積回路等の多様な用途に適用できる。
【図1】コロナ放電装置を示す概念図である。
【図2】マッハチェンダー干渉型光素子の斜視図であ
る。
る。
1 コロナ放電器 2 試 料 3 温度調節試料台 4 高圧電源 5 アウタークラッド 6 上部電極 7 非線形光導波路 8 入力光 9 基 板 10 下部電極 11 アンダークラッド層 12 出力光
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式〔1〕にて表される一種以上の化
合物あるいはそれらの誘導体を含有する非線形光学材
料。 【化1】 (上式中、メチレン基(CH2)k 、ジフルオロメチレン
基(CF2)l 及びジ置換エチレン基よりなる含フッ素環
状アルケンにおいて、メチレン基の数及びジフルオロメ
チレン基の数をそれぞれ表すk及びlは、いずれもk+
l≧2、l≧k≧0を満足する整数であり、π電子共役
系環状化合物と共役性連結子よりなる2個のπ電子共役
系置換基において、π1 1 、π1 2 〜π1 i 〜π1 m 及
びπ2 1 、π2 2 〜π2 j 〜π2 n の各π環状化合物
は、それぞれ、各単位毎に同一か又は異なる単環式ある
いは縮合多環式の環状化合物からなるπ電子共役系の環
状化合物で、下添字iは、π1 i 系環状化合物・共役性
連結子対群系のi番目の環状化合物・共役性連結子対単
位を表す2からm−1までの任意の整数を表し、下添字
jは、π2 j 系環状化合物・共役性連結子対群系のj番
目の環状化合物・共役性連結子対単位を表す2からn−
1までの任意の整数を表し、下添字mは、π1 i系環状
化合物・共役性連結子対群の最終番目、すなわちその末
端の環状化合物単位を、また、下添字nは、πj 1 系環
状化合物・共役性連結子対群の最終番目、すなわちその
末端の環状化合物単位を表し、m及びnは、それぞれ2
以上の整数であり、共役性連結子X1 及びX2 は、それ
ぞれO、S、SO、及びSO2 からなる群から選ばれた
1対の原子又は原子団で、X1 とX2 の各基は、同一か
又は異なった基であり、共役性連結子Y1 1 、Y1 2 〜
Y1 i 〜Y1 m-1 、Z1 1 、Z1 2 〜Z1 i 〜Z1 m-1
及びY2 1 、Y2 2 〜Y2 j 〜Y2 n-1 、Z2 1 、Z2
2 〜Z2 j 〜Z2 n-1 は、それぞれCH、N及びN→O
からなる群から選ばれた各単位毎に同一か又は異なる1
対の原子又は原子団である。また、π環状化合物の置換
基R1 11、R1 12、R1 1-、R1 1q、R1 21、R1 22、
R1 2-、R1 2q〜R1 i1、R1 i2、R1 i-、R1 iq〜R
1 m-11、R1 m-12、R1 m-1-、R2 m-1q及びR2 11、R
2 12、R2 1-、R2 1q、R2 11、R2 12、R2 1-、R2
1q〜R2 j1、R2 j2、R2 j-、R2 jq〜R2 n-11、R2
n-12、R2 n-1-、R2 n-1qは、それぞれ水素原子又はア
ルキル基であり、π1 m 系及びπ2 n 系置換基末端環状
化合物の置換基R1 m1、R1 m2、R1 m3、R1 m-、R2
mq及びR2 n1、R2 n2、R2 n3、R2 n-、R2 nqは、そ
れぞれ水素原子、アルキル基又は電子供与基であり、た
だし、それら各置換基の少なくとも一つは、電子供与基
である。なお、上記π環状化合物の置換基において、R
1 iq、あるいはR2 jq等の標記法は、それぞれπ1 i 環
あるいはπ2 j 環において最終番目の置換基を表し、q
値は各単位毎に同じか又は異なった値であり、また、R
1 i-、あるいはR2 j-等の標記法は、それぞれπ1 i 環
あるいはπ2 j 環において2番目あるいは3番目からq
番目まで間の一般式〔1〕にて表示されていない各置換
基の存在を代表してこれらの標記記号にて表しているも
のである。) - 【請求項2】 一般式〔1〕で表される化合物における
2個のπ電子共役系置換基が同一の基よりなることを特
徴とする請求項1記載の非線形光学材料。 - 【請求項3】 一般式〔1〕で表される1種以上の化合
物あるいはそれらの誘導体が高分子物質中に溶解及び又
は分散してなることを特徴とする非線形光学材料。 - 【請求項4】 一般式〔1〕で表される1種以上の化合
物あるいはそれらの誘導体が高分子化合物に化学結合し
てなることを特徴とする非線形光学材料。 - 【請求項5】 請求項1〜4記載の非線形光学材料より
構成されてなることを特徴とする非線形光導波路素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23658994A JPH08101413A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 非線形光学材料及び非線形光導波路素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23658994A JPH08101413A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 非線形光学材料及び非線形光導波路素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08101413A true JPH08101413A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=17002887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23658994A Pending JPH08101413A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 非線形光学材料及び非線形光導波路素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08101413A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003270467A (ja) * | 2002-01-09 | 2003-09-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 光導波路デバイスの製造方法、光導波路デバイス並びに当該光導波路デバイスを用いたコヒーレント光源及び光学装置 |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP23658994A patent/JPH08101413A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003270467A (ja) * | 2002-01-09 | 2003-09-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 光導波路デバイスの製造方法、光導波路デバイス並びに当該光導波路デバイスを用いたコヒーレント光源及び光学装置 |
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