JPH0819409B2 - カイラルスメクチック液晶組成物 - Google Patents

カイラルスメクチック液晶組成物

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JPH0819409B2
JPH0819409B2 JP3245385A JP3245385A JPH0819409B2 JP H0819409 B2 JPH0819409 B2 JP H0819409B2 JP 3245385 A JP3245385 A JP 3245385A JP 3245385 A JP3245385 A JP 3245385A JP H0819409 B2 JPH0819409 B2 JP H0819409B2
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    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はカイラルスメクチツク液晶組成物に関し、さ
らに詳しくは、分子鎖長がほぼ等しいカイラルスメクチ
ツク液晶化合物により構成される強誘電性液晶材料に関
する。
(従来の技術) 現在、液晶は表示材料として広く用いられているが、
そうした液晶表示素子の殆んどはTN(Twisted Nemati
c)型表示方式のものであり、液晶材料としてネマチツ
ク相に属する液晶を用いるものである。このTN型表示方
式は受光型のため、目が疲れない、消費電力が極めて少
ないといつた特長を持つ反面、応答が遅い、見る角度に
よつては表示が見えないといつた欠点がある。最近は、
表示装置に対して特に高速応答性が要求されており、こ
うした要求に答えるべく液晶材料の改良が試みられてき
た。しかし、他の発光型デイスプレイ(EL(エレクトロ
ルミネツセンス)デイスプレイ、プラズマデイスプレイ
等)と比較すると、応答時間にまだ大きな差が存在す
る。受光型、低消費電力といつた液晶の特徴を生かし、
なおかつ発光型デイスプレイに匹敵する応答性を確保す
るためにはTN型表示方式に代わる新しい液晶表示方式の
開発が不可欠である。そうした試みの一つに強誘電性液
晶の光スイツチング現象を利用した表示方式がN.A.クラ
ーク、S.T.ラガーウオール等により提案された(アプラ
イド・フイジツクス・レター(Appl.Phys.Lett.)第36
巻、899頁(1980)参照)。強誘電性液晶は1975年にR.
B.メイヤー等によつてその存在が初めて発表されたもの
で(ジユルナル・ド・フイジーク(J.Physique)第36
巻、L−69頁(1975)参照)、液晶構造上から、カイラ
ルスメクチツクC相、カイラルスメクチツクI相、カイ
ラルスメクチツクF相、カイラルスメクチツクG相およ
びカイラルスメクチツクH相(以下、それぞれSC 相、
SI 相、SF 相、SG 相およびSH 相と略記する)に属
する。
SC 相の光スイツチング効果を表示素子として応用す
る場合、TN表示方式に比べて3つの優れた特徴がある。
第1の特徴は非常に高速で応答し、その応答時間は通常
のTN表示方式の素子と比較すると1/100以下である。第
2の特徴はメモリー効果があることであり、上記の高速
応答性とあいまつて時分割駆動が容易である。第3の特
徴は濃淡の階調が容易に得られることである。TN表示方
式で濃淡の階調をとるには、印加電圧を調節して行なう
ため、しきい値電圧の温度依存性や応答速度の電圧依存
性などの難問があるのに比べてSC 相の光スイツチング
効果を応用する場合には極性の反転時間を調節すること
により容易に階調を得ることができ、グラフイツク表示
などに非常に適している。
表示方式としては二つの方式が考えられ、一つの方式
は2枚の偏光子を使用する複屈折型で他の一つの方法は
二色性色素を使用するゲスト・ホスト型である。SC
は自発分極を持つため印加電圧の極性を反転することに
より、らせん軸を回転軸として分子が反転する。SC
を有する液晶組成物を液晶分子が電極面に平行に並ぶよ
うに配向処理を施した液晶表示セルに注入し、液晶分子
のダイレクターと一方の偏光面を平行になるように配置
した2枚の偏光子の間に該液晶セルをはさみ、電圧を印
加して、極性を反転することにより、明視野及び暗視野
(偏光子の対向角度により決まる)が得られる。一方、
ゲスト・ホスト型で動作する場合には、印加電圧の極性
を反転することにより明視野及び着色視野(偏光板の配
置により決まる)を得ることができる。
表示素子材料としての強誘電性カイラルスメクチツク
液晶組成物に現在要求されていることは、(1)室温を
含む実用の温度範囲で強誘電性を示すこと、(2)自発
分極が大きいこと、(3)らせんピツチが長いこと、等
である。現在このような条件をすべて満足する単独のカ
イラルスメクチツク液晶化合物はないので、一部の条件
を満足するカイラルスメクチツク液晶化合物を幾種か混
合する試行錯誤を繰り返すことによつて、前述の条件を
満足するような強誘電性カイラルスメクチツク液晶組成
物をつくらねばならない。なお、らせんピツチに関して
は、らせんのねじれ方向が右まわりのカイラルスメクチ
ツク液晶化物とらせんのねじれ方向が左まわりのカイラ
ルスメクチツク液晶化合物とを混合することにより、ら
せんピツチの長い強誘電性カイラルスメクチツク液晶組
成物が得られている(特開昭60−90290号参照)。
(発明の解決しようとする問題点) 前述したことから明らかなように、本発明の主たる目
的は、少くとも室温以下から50℃以上までの温度範囲で
強誘電性を示し、自発分極の大きい、カイラルスメクチ
ツク液晶組成物を提供することであり、本発明の別の目
的は、極めて応答の速い光スイツチング素子を提供する
ことである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は前記した問題点を解決すべく、強誘電性
液晶組成物を鋭意検討してゆく過程で驚くべき事実を見
出し、本発明を完成した。第一の事実は、強誘電性液晶
組成物を構成している液晶化合物間の分子鎖長の相異が
組成物のSC 相の上限温度に非常に影響するということ
である。詳しく言うと、強誘電性カイラルスメクチツク
液晶組成物を構成している液晶化合物の分子鎖長の差が
炭素数5個のアルキル直鎖に相当する分子鎖長差以内で
あれば、その組成物のSC 相の上限温度には成分組成に
基いて近似的に加成性が成立するが、分子鎖長の差が炭
素数5個のアルキル直鎖に相当する長さよりも大きい液
晶化合物からなる組成物では、そのSC 相上限温度が急
激に低下するためSC 相温度領域を非常に狭くしてしま
うということである。
第二の事実は、強誘電性液晶組成物を構成する成分の
カイラルスメクチツク液晶化合物の数が増すと組成物の
融点が著しく低下することであり、多くの強誘電性カイ
ラルスメクチツク液晶組成物のSC 相の下限温度はその
融点でもあるので、組成物の成分数を増すことによりSC
相下限温度を下方に拡げられることが判明した。
本発明の第一は、 (1) 分子鎖長の差が炭素数5のアルキル直鎖に相当
する分子鎖長を越えない、少くとも3個の、後記の一般
式(i)で表わされるカイラルスメクチツク液晶化合物
からなる強誘電性カイラルスメクチツク液晶組成物であ
る。
(式中、mとnはそれぞれ1または2の整数を示し、X
−CH=N−、−CH2O−、 −N=CH−、−OCH2−、または単結合を示し、Rは炭素
数1〜18のアルキル基またはアルコキシ基を示し、Yは
不斉炭素原子を有するアルキル基、アルコキシ基、アル
コキシカルボニル基、アルカノイル基、またはアルカノ
イルオキシ基を示す。)ただし、本発明は次に記す からなるカイラルスメクチツク液晶組成物および からなる液晶組成物を包含しない。本発明の第二は、 (2) 前記の(1)項に記載の強誘電性カイラルスメ
クチツク液晶組成物を用いる光スイツチング素子 である。
(作用および効果) まず、分子鎖長の差が炭素数5のアルキル直鎖に相当
する分子鎖長を越えないカイラルスメクチツク液晶化合
物の混合系においては、そのSC 相の上限温度にはその
組成に対応して近似的に加成性が成立することを例をあ
げながら説明する。SC 相上限温度の加成性の検討に用
いたカイラルスメクチツク液晶化合物は次の23種で、以
下は括弧内の略称で呼ぶことにする。
図1〜図8には、(i)式においてm=1、n=1、 である同族体化合物、すなわち なる化合物にて、直鎖アルキル基の鎖長の差が組成物の
SC 相の上限温度、すなわちSC −SA相転移温度に及ぼ
す影響を示している。図1〜図4に示されるように、
(ii)式でR=C8H17O−である化合物BとRのアルキル
直鎖の炭素数の差が1〜3である化合物との二成分系に
おいては、SC 相上限温度について加成性が成立し、SC
相上限温度は組成に関して直線的に変化するという濃
度依存性が明らかである。直鎖アルキル基の炭素数の差
が4および5である、図5および図6の二成分系ではSC
相上限温度の点綴は直線からわずかに低温側へずれて
いる。ところが、直鎖アルキル基の炭素数の差が6およ
び8である図7および図8の二成分系ではSC 相上限温
度はきわめて大きな降下を示し、特に図8の系では0℃
以上でSC 相が存在しないような組成範囲が現われる。
(i)式において、m=2、n=1、 である同族体化合物、すなわち なる化合物からなる二成分系において、前述したことと
同様に(iii)式のRにおける直鎖アルキル基の炭素数
の差がSC 相の上限温度に及ぼす影響が図9〜図11に示
される。(iii)式の同族体化合物からなる二成分系に
おいても分子鎖長の差が直鎖アルキル基の炭素数の差と
して1および3である場合(図9および図10)にはSC
相上限温度には直線性が見られるが、直鎖アルキル基の
炭素数の差が6である場合(図11)には、SC 相上限温
度は大きく低温側へはずれてくる。
前述の図7、図8および図11に示されるような、SC
相上限温度が著しく低下する組成領域の存在は、実用的
な強誘電性カイラルスメクチツク液晶組成物を調製しよ
うとする際に非常に重要なことである。つまり、カイラ
ルスメクチツク液晶化合物の他の特性(例えばSC 相温
度領域、自発分極の大きさ、らせんピツチの長さ等)だ
けを考慮して実用的な強誘電性液晶組成物を検討したの
では、SC 相温度領域が実用の温度範囲よりも著しく低
温側へ外れたり、SC 相温度領域がきわめて狭くなつた
りする場合が非常にしばしば生じることになる。従つて
このような事態を回避して実用的な強誘電性カイラルス
メクチツク液晶組成物を得るためには、成分のカイラル
スメクチツク液晶化合物の分子領長の差をアルキル直鎖
の炭素数の差として5以下にしなければならない。
ここまでに、(i)式の置換基Rにおける直鎖アルキ
ル基の炭素数を異にする同族体であるカイラルスメクチ
ツク液晶化合物からなる二成分系について、SC 相上限
温度に加成性が成立することを説明したが、次に、分子
鎖長の差を論じる際に或る一定の仮定(例えば、(ア)
−O−および は−CH2−と鎖長において等しい、(イ) は−CH2CH2CH2−と鎖長において等しい、(ウ) と鎖長において等しいなど)を設けることにより、成分
の分子鎖長の差に必要とされる前述の概念を同族体でな
いカイラルスメクチツク化合物からなる組成物にまで拡
張できることを説明する。
図12は前記した化合物Jと化合物Sの二成分系の相図
であり、アルコキシ基の−O−が炭素数1のアルキル鎖
−CH2−に相当すると仮定すると等しい分子鎖長である
と考えられる二成分からなる組成物であり、ここではSC
相上限温度に加成性が成立している。
図13〜図15はそれぞれ(i)式におけるXが である化合物TとXが異なる骨格−CH2O−である化合物
U、VまたはWとの二成分系の相図である と−CH2O−とが分子鎖長において等しいと仮定すれば、
同族体からなる二成分系で述べたことと同様に、分子鎖
長の差が直鎖アルキル基の炭素数の差として5以下であ
る化合物Tと化合物U(図13)および化合物Tと化合物
V(図14)のそれぞれの二成分系ではSC 相上限温度に
加成性が成立するが、分子鎖長の差が直鎖アルキル基の
炭素数の差として6である化合物Tと化合物W(図15)
の二成分系ではSC −SA相転移温度は著しい低下を示し
ている。さらに分子鎖長を論じる際にp−フエニレン基
をトリメチレン基とほぼ等しいと仮定すれば、またカル
ボニル基をメチレン基とほぼ等しいと仮定すれば、同族
体でないカイラルスメクチツク液晶化合物からなる組成
物においても同族体からなる二成分系と同様に分子鎖長
の差をアルキル直鎖の炭素数の差として比較でき、か
つ、鎖長の差が小さい系ではSC 相上限温度に加成性が
成立することが図18を除く図16〜図21の各図に示され
る。
すなわち、分子鎖長がほぼ等しいと見なせる化合物M
と化合物Eとからなる二成分系(図16)、化合物Nと化
合物Fとからなる二成分系(図17)、および化合物Pと
化合物Oとからなる二成分系(図19)とにおいてSC
上限温度について加成性が成立している。いま、分子鎖
長の差をΔCで示し、鎖長の差が炭素数m個のアルキル
直鎖に相当するときΔC=mと表わすとする時、ΔC=
1の二成分系である図20(化合物Dと化合物R)および
ΔC=3の二成分系である図21(化合物Fと化合物Q)
とにおいてSC 相上限温度について加成性が認められ
る。またΔC=7である化合物Aと化合物Lとからなる
二成分系(図18)では、SC 相上限温度が著しく低下
し、0℃以上でSC 相の存在しない広い組成範囲のある
ことが示される。従つて分子鎖長を論じるのに設けた前
記(ア)、(イ)および(ウ)の仮定は正しいと判断さ
れ、さらにこの概念を(エ)−CH=N−および−N=CH
−は鎖長において−CH2CH2−に等しい、等にまで拡張で
きることが推考できる。
以上に、(i)式におけるYが2−メチルブチル基を
有する置換基であるカイラルスメクチツク液晶化合物か
らなる多くの二成分系についての検討結果を述べた。こ
れから一般に、実用的な強誘電性カイラルスメクチツク
液晶組成物の調製を検討するには次のことを充分に配慮
して行なわなければならないと言える。すなわち、 (a) 成分の液晶化合物の分子鎖長を揃えなければな
らないこと (b) 分子鎖長を考慮する際、p−フエニレン基はト
リメチレン基と等しい鎖長であり、 −CH=N−および−CH2O−はいずれもエチレン基と等し
い鎖長であると見なせること (c) 成分の液晶化合物の分子鎖長の差を炭素数5の
アルキル直鎖に相当する長さ以内にすること である。
以上にカイラルスメクチツク液晶組成物のSC 相上限
温度を大きく低下させない手段を述べたが、一方、SC
相の下限温度、融点は、前記の検討に用いた二成分系で
は室温より高い組成物が多く、これらの二成分系組成物
をそのまま実用に供することはできない。一般に、液晶
化合物の共融組成と共融点の関係は次のシユレーダーフ
アンラール(Schrder−van Laar)の式 (ただし、 であり、これらの式において、TおよびTiはそれぞれ混
合系およびi成分の化合物の融点を示し、ΔHiはi成分
の化合物の融解熱を示し、xiは混合系におけるi成分の
モル分率を示し、Rは気体定数を示し、Nは成分数を示
す。)により容易に推定できる。同式から明らかなよう
に共融点には融解熱が大きく影響するが、前記した同族
体では融解熱にさほどの差がなく、分子鎖長の差は二成
分系組成物の共融点に余り影響を与えていない(図9〜
図11)。しかしながら、同式は成分数が多くなると実測
値より高い値を与えることが判つた。たとえば、(ii)
式で表わされる化合物A(25重量%)と化合物B(75重
量%)とからなる二成分混合物の計算により求めた融点
とSC 相上限温度はそれぞれ22℃と28℃であり、これら
の実測値はそれぞれ21℃と28℃であるので計算値と実測
値とはほぼ一致していると言える。ところが、(ii)式
の同族体の成分数を多くした3成分系および5成分系の
混合物においてはその融点、すなわちSC 相下限温度が
著しく低下し、実用的な強誘電性カイラルスメクチツク
液晶組成物が得られる。化合物A(36重量%)、化合物
B(42重量%)および化合物D(22重量%)からなる3
成分系混合物の計算による融点およびSC 相上限温度は
それぞれ15℃と29℃であり、その実測値はそれぞれ8℃
と28℃であり、SC 相上限は低下せず下限温度が大きく
低下して室温付近でSC 相を示す組成物が得られる。
また、化合物A(30重量%)、化合物B(35重量
%)、化合物C(7重量%)、化合物D(18重量%)お
よび化合物E(10重量%)からなる5成分系混合物の計
算による融点とSC 相上限温度はそれぞれ12℃と30℃で
あり、その実測値はそれぞれ3℃と29℃である。
このように分子鎖長を揃えた3成分以上のカイラルス
メクチツク液晶化合物からなる組成物ではSC 相上限温
度については成分組成に応じて加成性が成立つのでその
大きな低下がなく、融点すなわちSC 相下限温度は大き
く低下するので0℃付近の低温領域から広い温度範囲に
わたつてSC 相を示す強誘電性カイラルスメクチツク液
晶組成物が得られることが判る。
さらに、カイラルスメクチツク液晶の成分数を3以上
にすること、望ましくは3成分以上の同族体でないカイ
ラルスメクチツク液晶化合物を用いること、によつてSC
相下限温度すなわち融点が大きく低下することを以下
の実施例によつて示す。
本発明により得られる他の効果、すなわち自発分極が
大きく、かつピツチの長い強誘電性液晶組成物が得られ
ることおよび該液晶組成物を用いることにより応答の非
常に速い光スイツチング素子が得られること等は以下の
実施例によつて充分に示される。
(実施例) 以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。実施例におい
て%は重量パーセントを意味する。
実施例1 前記した一般式(i)で表わされる次の4種の化合物
からなるカイラルスメクチツク液晶組成物を調製した。
この組成物は成分の液晶化合物の分子鎖長の最大差が
炭素数4の直鎖アルキル基の鎖長に相当すると考えられ
る物である。
この組成物は0℃〜55℃の温度範囲でSC 相を示し、
55℃以上でスメクチツクA相(以下SA相と略記する)と
なり、90℃で等方性液体になる相転移を示した。また、
この組成物の自発分極の大きさは20℃で4.2nC/cm2であ
つた。
実施例2 一般式(i)で表わされる3種のカイラルスメクチツ
ク液晶化合物を含む以下に示す組成のカイラルスメクチ
ツク液晶組成物を調製した。
この組成物は成分の化合物の分子鎖長の差がエチレン
基に相当する鎖長であると考えられる物である。
この組成物は0〜65℃でSC 相を示し、65℃でSA相と
なり、69℃でコレステリツク相(以下Ch相と略記する)
となり、84℃で等方性液体となつた。また、この組成物
の自発分極の大きさは、20℃で3.8nC/cm2であつた。
実施例3 一般式(i)で表わされる次の4種の化合物 からなる組成物を調製した。この液晶組成物は成分のカ
イラルスメクチツク液晶化合物の分子鎖長の最大の差が
エチレン基に相当する鎖長であると考えられる物であ
る。この組成物は10℃からSC 相を示し、40℃でSA相と
なり、63℃で等方性液体となつた。また、この組成物の
自発分極の大きさは20℃で6nC/cm2であつた。
実施例4 一般式(i)で表わされる化合物として次の3種の化
合物 からなる液晶組成物を調製した。これは成分の化合物の
分子鎖長の最大の差がテトラメチレン基に相当する長さ
であると考えられるカイラルスメクチツク液晶組成物で
ある。該組成物は13℃からSC 相を示し、46℃でSA相に
なり、89℃で等方性液体となつた。該組成物の自発分極
の大きさは25℃で30nC/cm2であつた。
実施例5 (i)式で表わされる次の4種の化合物 からなる液晶組成物を調製した。これは成分鎖長の最大
の差が炭素数5のアルキル直鎖、すなわち、ペンタメチ
レン基の長さに相当すると考えられる組成物である。該
組成物は16℃からSC 相を示し、41℃でSA相になり、73
℃で等方性液体となつた。また20℃における自発分極の
大きさは18nC/cm2であつた。
実施例6 (i)式で表わされる次の3種の化合物 からなる組成物を調製した。これは成分の分子鎖長の最
大の差が炭素数5のアルキル直鎖に相当すると考えられ
る物である。該組成物は16℃からSC 相を示し、49℃で
SA相になり、64℃でCh相になり、69℃で等方性液体とな
つた。また、該組成物の自発分極の大きさは20℃で20nC
/cm2であつた。
実施例7 実施例1で調製した強誘電性カイラルスメクチツク液
晶組成物を配向処理剤としてPVAを塗布し、表面をラビ
ンジして平行配向処理を施したセルギヤツプ3μmの透
明電極を備えたセルに注入し、この液晶セルを直交ニコ
ル状態に配置した2枚の偏光子の間にはさみ、0.5Hz、1
5Vの低周波数の交流を印加したところ、明瞭なスイツチ
ング動作が観察され、非常にコントラストも良く、応答
時間が20℃で2msecと非常に応答の速い液晶表示素子が
得られた。
実施例8 実施例2で調製した強誘電性カイラルスメクチツク液
晶組成物にアントラキノン系色素のD−16(BDH社製)
を3重量%添加していわゆるゲスト・ホスト型にしたも
のを実施例3と同様なセルに注入し、1枚の偏光子を偏
光面が分子軸に平行になるように配置し、0.5Hz、15Vの
低周波数の交流を印加したところ、明瞭なスイツチング
動作が観察され、非常にコントラストも良く、応答時間
が20℃で3msecと非常に応答の速いカラー液晶表示素子
が得られた。
【図面の簡単な説明】
図1〜図21はそれぞれ、前記した化合物A〜化合物Wの
中から表1に示すように組合せた二成分系の相図であ
る。図において、Iso.は等方性液体相を、Cryst.は結晶
相を、SAはスメクチツクA相を、SBはスメクチツクB相
を、SC はカイラルスメクチツクC相を、SH はカイラ
ルスメクチツクH相を、Ch.はコレステリツク相をそれ
ぞれ示す。また、破線はその相領域が降温過程でのみ現
われることを示し、このような相は記号を()にて示
す。これらの図において組成は重量%である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−118744(JP,A) 特開 昭60−203692(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、mとnはそれぞれ1または2の整数を示し、X
    または単結合を示し、Rは炭素数1〜18のアルキル基ま
    たはアルコキシ基を示し、Yは不斉炭素原子を有するア
    ルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
    ルカノイル基またはアルカノイルオキシ基を示す。)に
    て表わされ、分子鎖長の差が炭素数5のアルキル直鎖に
    相当する分子鎖長を越えない、少なくとも3個のカイラ
    ルスメクチック液晶化合物からなる強誘電性カイラルス
    メクチック液晶組成物。 ただし、次に記す からなるカイラルスメクチック液晶組成物および からなるカイラルスメクチック液晶組成物を除く。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、mとnはそれぞれ1または2の整数を示し、X
    または単結合を示し、Rは炭素数1〜18のアルキル基ま
    たはアルコキシ基を示し、Yは不斉炭素原子を有するア
    ルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
    ルカノイル基またはアルカノイルオキシ基を示す。)に
    て表わされ、分子鎖長の差が炭素数5のアルキル直鎖に
    相当する分子鎖長を越えない、少なくとも3個のカイラ
    ルスメクチック液晶化合物からなり、かつ、後記の2つ
    のカイラルスメクチック液晶組成物を除く、強誘電性カ
    イラルスメクチック液晶組成物を利用することを特徴と
    する光スイッチング素子。 からなるカイラルスメクチック液晶組成物および からなるカイラルスメクチック液晶組成物。
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