JPH08193925A - 熱流動試験用模擬燃料棒 - Google Patents

熱流動試験用模擬燃料棒

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JPH08193925A
JPH08193925A JP1965695A JP1965695A JPH08193925A JP H08193925 A JPH08193925 A JP H08193925A JP 1965695 A JP1965695 A JP 1965695A JP 1965695 A JP1965695 A JP 1965695A JP H08193925 A JPH08193925 A JP H08193925A
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JP
Japan
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core member
fuel rod
heat
heating coil
simulated fuel
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Withdrawn
Application number
JP1965695A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Ikeno
勉 池野
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Nuclear Fuel Industries Ltd
Original Assignee
Nuclear Fuel Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 模擬燃料棒内部の空間部に、通電によりこの
燃料棒を加熱する発熱体を収納してなる熱流動試験用模
擬燃料棒において、正の抵抗温度係数による発熱体の発
熱増加に対応して自動的にこれを吸収する。 【構成】 上記発熱体3を、棒状の巻芯部材4と、この
巻芯部材4を遊挿して螺旋状に巻回した発熱コイル5と
により形成し、上記巻芯部材4を熱膨張係数の大なる金
属にて構成すると共に、上記発熱コイル5の両端5a,
5bを上記巻芯部材の上端部4aと下端部4bとに夫々
絶縁状態で固定したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱流動試験に用いられる
通電加熱式の模擬燃料棒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料棒が過度に発熱した場合に、燃料棒
周囲の冷却材が核沸騰状態から離脱し、熱伝達率の低い
膜沸騰状態へと移行する(DNB)ことがあり、これが
生じると燃料棒の表面表度が急上昇し、バーンアウト破
損に至る可能性が高まることから前記熱流動試験が行わ
れる。
【0003】この熱流動試験に用いられる試験体には通
電加熱方式の模擬燃料棒があり、この模擬燃料棒として
は従来、被覆管が形成する空間部に、通電により発熱す
る発熱体を収納する構造のものが知られている。上記発
熱体は、絶縁素材からなるスピンドルにニクロム線を巻
回したものからなり、このニクロム線の電気抵抗を発熱
に利用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記発
熱材料として用いられるニクロム等の金属は、一般に抵
抗温度係数が正であることから、模擬燃料棒の温度上昇
に伴って電気抵抗が増大し、模擬燃料棒の熱出力を更に
加速する性質を有している。
【0005】このため、特にDNB試験等において冷却
材の膜沸騰状態を現出するなどの際には、上記模擬燃料
棒の温度を厳重に監視し、外部からの厳しい出力制御が
必要であった。
【0006】本発明は叙上の如き実状に対処し、上記模
擬燃料棒の温度上昇に対応して自動的に出力を減少させ
ることにより、模擬燃料棒の温度過上昇による破損を防
止することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的に適
合する本発明の熱流動試験用模擬燃料棒の特徴は、模擬
燃料棒内部の空間部に、通電によりこの燃料棒を加熱す
る発熱体を収納してなる模擬燃料棒であって、上記発熱
体を、棒状の巻芯部材と、この巻芯部材を遊挿して螺旋
状に巻回した発熱コイルとにより形成し、上記巻芯部材
を熱膨張係数の大なる金属にて構成すると共に、上記発
熱コイルの両端を上記巻芯部材の上端部と下端部とに夫
々絶縁状態で固定したところにある。
【0008】
【作用】上記本発明の模擬燃料棒では、温度上昇時に
は、上記巻芯部材が軸方向に伸長して発熱コイルのピッ
チを広げ、発熱コイルの単位長さ当たりの巻き数を減少
させる。即ち、これによって模擬燃料棒表面の熱流束を
低下させ、発熱コイルの前記抵抗温度係数が正であるこ
とによる発熱増加分を吸収することが可能となる。
【0009】
【実施例】以下さらに添付図面を参照して、本発明の実
施例を説明する。
【0010】図1は本発明実施例の熱流動試験用模擬燃
料棒を示す断面図であり、この実施例の模擬燃料棒は、
その被覆管1および内部の絶縁体2が形成する空間部
に、通電により上記燃料棒を加熱する発熱体3を収納し
ている。
【0011】上記発熱体3は、円筒または円柱からなる
長い棒状の巻芯部材4と、この巻芯部材4を遊挿せしめ
て螺旋状に巻回されたニクロム線の発熱コイル5とを有
しており、上記巻芯部材4は1200℃以上の耐熱性を
有し、かつ熱膨張係数の大きな黄銅によって形成されて
いる。この巻芯部材4は、下端部4bが空間部の下壁6
に固定されており、また巻芯部材4の上端部4aと空間
部上壁7との間には、この巻芯部材4が伸長した場合の
ために予備空間8が形成されている。なお、巻芯部材4
の上端には、この巻芯部材4の上端部4aの半径方向の
安定を確保するプレート9が固定されている。このプレ
ート9は空間部内を上記巻芯部材上端部4aと一体に上
下に移動する。
【0012】一方、上記発熱コイル5は、その両端5
a,5bが上記巻芯部材4の上端部4aと下端部4bと
に夫々、絶縁された状態で固定されている。この巻芯部
材4に対する絶縁は、前記螺旋状に巻回する部分におい
てもなされている。また、発熱コイル端部5bの巻芯部
材下端部4bへの固定は、巻芯部材下端部4bが前述の
如く空間部下壁6に固定されている場合は、この空間部
下壁6または被覆管1の下部を介して行うことも可能で
ある。
【0013】しかして、上記本発明実施例の熱流動試験
用模擬燃料棒においては、温度上昇時に上記黄銅からな
る巻芯部材4が上方に伸長して発熱コイル5の巻きピッ
チを広げ、このコイル5の単位長さ当たりの巻き数を減
少させる。即ち、上記模擬燃料棒では、上記作用によっ
て燃料棒表面の熱流束を低下させることができ、これに
よって発熱コイル5の抵抗温度係数が正であることによ
る発熱増加分を吸収することができる。
【0014】また、DNB発生直後に燃料棒表面温度の
急上昇が始まるが、DNB発生はその直前の出力変動に
対して非常に敏感であり、このため、上述の如く出力減
分があれば、模擬燃料棒の破損を避ける上で特に有効
で、さらに発熱体3の温度上昇運転にも余裕が生じる。
【0015】(実験例1)模擬燃料棒の表面温度が通常
運転時の300℃からDNBの発生後に1200℃に上
昇したとする。前記発熱体3の巻芯部材4を構成する黄
銅の熱膨張係数は、20.8×10- 6 °K - 1であるの
で、上記巻芯部材4の全長(L)を4mとすると、この
ときの巻芯部材4の伸びΔLは下記式・数1に表され
る。
【0016】
【数1】 ΔL=400 ×20.8×10- 6 ×(1200−300)≒7.5cm
【0017】すると、このときの発熱コイル5のコイル
ピッチは、下記式・数2のようになる。
【0018】
【数2】
【0019】このように、コイルピッチが1.02倍になる
と熱流束は、1/1.02=0.98倍に低下する。
【0020】一方、比抵抗の温度係数による熱流束q″
の増加は、ニクロムの比抵抗ρ=109×10- 6 Ωc
m、比抵抗の温度係数α=0.1 ×10- 3 とすると、3
00℃から1200℃への温度上昇時、比抵抗は下記式
・数3のようになる。
【0021】
【数3】109 ×10- 6 {1+0.1 ×10- 3 ×(1200−30
0)}=119 ×10- 6 Ωcm(1.09 倍)
【0022】ニクロムの熱膨張による長さと断面積の変
化を無視すれば、熱流束q″は比抵抗に比例して増加す
るので、q″1 = 1.09 q″0 である。
【0023】これに対し、本発明実施例の発熱体の伸長
による熱流束の減分は、q″1 =0.98q″0 であり、こ
れにより、上記比抵抗温度係数により増加した熱流束を
発熱緩和し、模擬燃料棒の破損防止や試験装置運転の余
裕増加を生むことができる。
【0024】(実験例2)また、本発明では、上述の如
き温度過上昇による模擬燃料棒の破損を防止する他、巻
芯部材4を図2に示すように熱膨張係数の異なる複数の
材料で構成し実質的な熱膨張係数を調整することによ
り、核燃料の実炉内燃焼時でのドップラー効果を模擬す
ることも可能である。
【0025】即ち、温度上昇ΔTがあるとすると巻芯部
材4の伸び量ΔLは、下記式・数4にて表される。
【0026】
【数4】 ΔL=ΔLA +ΔLB =(αA A +αB B )ΔT
【0027】このとき、熱流束q″が、q″0 からq″
1 に低下するとすれば、q″1 は下記式・数5となるの
で、 以下余白
【0028】
【数5】
【0029】上記数4を数5に代入すると、下記式・数
6となる。
【0030】
【数6】
【0031】一方、ドップラー効果による出力低減にお
いては、ドップラー係数(炉によって決まる)をAとす
ると、下記式・数7となり、
【0032】
【数7】q″1 =q″0 (1−A・ΔT)
【0033】さらに、上記数6と数7の比較により、下
記式・数8となる。 以下余白
【0034】
【数8】
【0035】これを整理して、下記式・数9を得る。
【0036】
【数9】(αA A +αB B )(1−AΔT)=(L
A +LB
【0037】そして、前記数7のドップラー係数Aに対
して、上記数9を満たすようなαA,αB (材質)とL
A ,LB (巻芯部材の長さ)を決めれば、ドップラー効
果を再現することができる。
【0038】なお、この再現は、上記の如くAとBとで
材料を変える代わりに、A,B各領域内で発熱コイル
(図示せず)の巻きピッチを変え、各領域への投熱量を
変えることによっても再現することが可能である。
【0039】以上、本発明の実施例を説明したが、前記
巻芯部材4を構成する素材としては、耐熱性と熱膨張係
数の大きさとを考慮すればやはり金属が適当であり、そ
の熱膨張係数としては、前記黄銅程度かそれ以上が作用
を効果的に達成する上で好適である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱流動試
験用模擬燃料棒は、模擬燃料棒内部の空間部に、通電に
よりこの燃料棒を加熱する発熱体を収納してなり、上記
発熱体を、棒状の巻芯部材と、この巻芯部材を遊挿して
螺旋状に巻回した発熱コイルとにより形成し、上記巻芯
部材を熱膨張係数の大なる金属にて構成すると共に、上
記発熱コイルの両端を上記巻芯部材の上端部と下端部と
に夫々絶縁状態で固定したものであり、燃料棒の温度上
昇時に上記巻芯部材が伸長し、発熱コイルの巻きピッチ
を広げて燃料棒表面の熱流束を低減せしめ、これにより
上記発熱コイルの正の抵抗温度係数による発熱増加分を
吸収するとの顕著な効果を奏するものである。
【0041】特に、DNB発生はその直前の出力変動に
非常に敏感であるが、これに対し上記発熱増加分の吸収
作用は、模擬燃料棒の破損を避ける上で非常に有効であ
るとともに、さらに発熱体の温度上昇運転にも余裕を持
たせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の熱流動試験用模擬燃料棒を示す
断面図である。
【図2】本発明実施例の巻芯部材の他の例を示す正面図
である。
【符号の説明】
1 被覆管 2 絶縁体 3 発熱体 4 巻芯部材 4a 巻芯部材の上端部 4b 巻芯部材の下端部 5 発熱コイル 5a,5b 発熱コイルの端部 6 空間部の下壁 7 空間部の上壁 8 予備空間 9 プレート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 模擬燃料棒内部の空間部に、通電により
    この燃料棒を加熱する発熱体を収納してなる熱流動試験
    用模擬燃料棒において、上記発熱体を、棒状の巻芯部材
    と、この巻芯部材を遊挿して螺旋状に巻回した発熱コイ
    ルとにより形成し、上記巻芯部材を熱膨張係数の大なる
    金属にて構成すると共に、上記発熱コイルの両端を上記
    巻芯部材の上端部と下端部とに夫々絶縁状態で固定した
    ことを特徴とする熱流動試験用模擬燃料棒。
JP1965695A 1995-01-11 1995-01-11 熱流動試験用模擬燃料棒 Withdrawn JPH08193925A (ja)

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JP1965695A JPH08193925A (ja) 1995-01-11 1995-01-11 熱流動試験用模擬燃料棒

Publications (1)

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JPH08193925A true JPH08193925A (ja) 1996-07-30

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ID=12005299

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2006203060B2 (en) * 2005-07-14 2007-11-08 Lg Electronics Inc Heating body

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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AU2006203060B2 (en) * 2005-07-14 2007-11-08 Lg Electronics Inc Heating body

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Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020402