JPH08192756A - 操舵力調整装置 - Google Patents

操舵力調整装置

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JPH08192756A
JPH08192756A JP747695A JP747695A JPH08192756A JP H08192756 A JPH08192756 A JP H08192756A JP 747695 A JP747695 A JP 747695A JP 747695 A JP747695 A JP 747695A JP H08192756 A JPH08192756 A JP H08192756A
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steering
force
slide nut
adjusting device
force adjusting
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JP747695A
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Tadayuki Suzuki
忠幸 鈴木
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は操舵トルク可変式の操舵力調整装置に
関し、操向比を変化させることなく操舵感の向上を図る
ことを目的とする。 【構成】操舵操作により変位する変位部材と、この操舵
操作に伴い変位部材に対しその変位を妨げる方向に力を
付与する操舵力付与手段とを設ける。具体的には、操舵
力付与手段をステアラリングホイール11と接続される
と共にネジ部17を有するメインシャフト12により構
成する。また、操舵力付与手段を、メインシャフト12
の回転に伴って軸方向へ移動するスライドナット14
と、このスライドナット14の移動を妨げる方向の押圧
力をメインシャフト12に付与するコンプレッションス
プリング15,16とにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は操舵力調整装置に係り、
特に操舵トルク可変式の操舵力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ステアリングホイールの操作に
より車輪を操舵する操舵装置は、操舵感を向上させる面
より、ステアリングホイールを操作し、実際に操舵輪が
操舵され始める時においては操作するのに要するトルク
(操舵トルク)を小さく設定し、またステアリングホイ
ールが操作されていくに従って操舵トルクを大きく設定
することが行われている。これにより、ステアリング操
作時に操作に応じた手応え感を得ることができる。
【0003】しかしながら、操舵装置の形式或いは車両
の形式によって上記の適切な操舵感が得られない場合が
ある。いま、操舵装置の操舵特性として適切でないもの
の一例を図12に示す。同図に示すのは操舵感を表す代
表的な特性である操舵トルク(TM)と操舵角(MA)
との関係を示している。同図に示されるように、この操
舵特性では、操舵角に対する操舵トルク(TM/MA:
図における傾き)が小さく、よって運転者に手応え感が
不足している感じを与え、操舵感としては不良となる。
【0004】これに対し、適切な操舵特性を図13に示
す。この特性では、前述の適切でない特性のものに比
べ、操舵角に対する操舵トルク(TM/MA)は大きく
なっており、運転者は所望の手応え感を感じることがで
き、適切な操舵感を得ることができる。
【0005】上記のような適切な操舵特性を与えるため
に、操舵力調整装置を取り付ける事が考えられる。その
ような操舵力調整装置として、例えば特開昭56−71
668号公報に開示された機構を利用することができ
る。同公報に開示された操舵装置は、ステアリングホイ
ールに接続された回転軸をステアリングホイールに接続
された入力軸と、実際に車輪を操舵する操舵機構に接続
された出力軸とに切り離すと共に、この切り離された回
転軸をカム機構により接続した構成とされている。
【0006】上記公報においては、ステアリングホイー
ル(入力軸)をある操舵角θ1だけ操作した時に、実際
に操舵輪が操舵された角度(実舵角:θ2)を求め、こ
の操舵角θ1と実舵角θ2との比(θ1/θ2)を操向
比とされ、その操舵装置は、カム機構を設けることによ
り操向比を可変できる構成とされており、具体的には操
舵角が大きくなるに従い操向比が減少する構成とされて
いる。
【0007】ここで操向比と操舵トルクとの関係を考察
すると、従来構成の操舵装置では、中立位置を中心とし
てステアリングホイールの操作が小さい時(以下、小操
作時という)においは操向比は大きくなっており(小操
作時の操向比をα1とする)、これに対してステアリン
グホイールの大操作時においては操向比は小さくなって
いる(大操作時の操向比をα2とする)。上記の関係を
式で表すと下式のようになる。
【0008】
【数1】
【0009】いま、小操作時及び大操作時において等し
い実舵角を得るために必要な操舵角を求める。小操作時
及び大操作時において実舵角は等しいため、θ2S =θ
Lである。説明の便宜上、θ2S =θ2L =1とする
と、上式は、
【0010】
【数2】
【0011】となる。また、前記したようにα1>α2
であるため、(3),(4) 式より、θ1S>θ1L となる。
即ち、或る実舵角を得るために必要な操舵角は、小操作
時に比べて大操作時は小さな角度となり、よって大操作
時においては操舵トルクが増大する。
【0012】従って、上記した従来構成の機構を用いれ
ば、ステアリングホイールの操舵角が大きくなる程操向
比を減少させるよう操向比を可変させることにより、操
舵トルクを増大させ、操舵力を調整することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記のよう
に操向比を可変する構成の操舵装置では、大操作時にお
いて操向比が小さくなることにより、車輪側からの入力
に対してステアリングホイールに接続された入力軸が容
易に回転してしまい、これが新たな操舵感を不良とする
原因となってしまうという可能性がある。これは、特に
凹凸の激しい路面走行時において重大である。
【0014】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、車輪の操舵操作により変位する前記変位部材に対
し、前記車輪の操舵に伴いその変位を妨げる方向に力を
付与することにより、操向比を変化させることなく操舵
感の向上を図った操舵力調整装置を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、下記の手段を講じたことを特徴とするも
のである。請求項1の発明では、操舵操作により変位す
る変位部材と、前記車輪の操舵に伴い、前記変位部材に
対し路面側から入力する力に加え、その変位を妨げる方
向に力を付与する操舵力付与手段とを設けたことを特徴
とするものである。
【0016】また、請求項2の発明では、前記請求項1
記載の操舵力調整装置において、前記変位部材をステア
リングシャフトにより構成すると共に、前記操舵力付与
手段を、前記ステアリングシャフトの回転に伴って軸方
向へ移動する移動部材と、前記移動部材の移動を妨げる
方向の押圧力を前記移動部材に付与する押圧部材とによ
り構成したことを特徴とするものである。
【0017】
【作用】上記の各手段は下記のように作用する。請求項
1の発明によれば、操舵操作により変位部材が変位する
と、操舵力付与手段は変位部材の変位を妨げる方向に力
を付与する。この操舵力付与手段が発生する力は、操舵
操作を妨げる力となり、よって操舵トルクを増大させる
ことができる。これにより、手応え感の不足を補うこと
ができ、操舵感を向上させることができる。
【0018】また、操舵操作により変位する変位部材に
操舵操作を妨げる力を付勢するため、操舵力調整装置の
入力側と出力側で操舵操作による回転角が変化すること
はない。即ち、操向比を変化させることなく操舵トルク
を増大させることができるため、路面より車輪を介して
外力が印加された場合においても、変位部材が容易に変
位することはなく、良好な操舵感を得ることができる。
【0019】また、請求項2の発明によれば、操舵力付
与手段はネジ部を有するステアリングシャフトにより構
成され、操舵力付与手段はステアリングシャフトの回転
に伴って軸方向へ移動する移動部材とステアリングシャ
フトに対して所定方向に押圧力を付与する押圧部材とに
より構成されているため、請求項1による作用を有する
操舵力調整装置を簡単な構成で実現することができる。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。図1及び図2は、本発明の第1実施例である操舵
力調整装置10の断面を示しており、また図3は図1に
おけるA−A線に沿う断面を示している。この操舵力調
整装置10は、本実施例においてはステアリングホイー
ル11と実際に車輪の操舵を行うステアリング機構(図
示しないステアリングギヤ,ラックバー,ナックルアー
ム等により構成される)との間に配設され、操舵力(操
舵トルク)を可変調整する機能を奏するものである。以
下、具体的な構成について説明する。
【0021】操舵力調整装置10は、大略するとメイン
シャフト12、コラムチューブ13、スライドナット1
4、コンプレッションスプリング15,16等により構
成されている。メインシャフト12は円柱状形状を有し
た1本のシャフトであり、その中央所定範囲にわたって
ネジ部17が形成されている。このメインシャフト12
は、図中右端部12a(以下、入力側端部12aとい
う)がステアリングホイール11に接続されており、ま
た図中左端部(以下、出力側端部12bという)が車輪
の操舵を行うステアリング機構に接続された構成とされ
ている。
【0022】また、メインシャフト12に形成されたネ
ジ部17には、スライドナット14が螺合している。こ
のスライドナット14は、図3に示されるように、外周
部に3個の凹形状の回り止め部18が形成されている。
また、スライドナット14は、メインシャフト12が回
転することによりネジ部17が回転すると、この回転に
伴い図中矢印X1,X2方向に移動可能な構成とされて
いる。
【0023】尚、上記のスライドナット14は、ステア
リングホイール11が中立位置にある状態において、メ
インシャフト12に形成されているネジ部17の略中央
位置に位置するよう構成されている。上記のようにスラ
イドナット14が螺合されたメインシャフト12は、コ
ラムチューブ13内に回転自在な構成で配設されてい
る。コラムチューブ13は略円筒状の形状を有した部材
であり、その両端開口部近傍にはベアリング20,21
が配設されている。この一対のベアリング20,21に
より、メインシャフト12はその両端部近傍を軸承され
ており、よってコラムチューブ13内に回転自在に支承
された構成となっている。
【0024】また、図3に示されるように、コラムチュ
ーブ13にはスライドナット14に形成された回り止め
部18と係合する凹状の回り止め部19が形成されてい
る。この各回り止め部18,19が係合することによ
り、コラムチューブ13内におけるスライドナット14
の回転は規制されており、よってメインシャフト12の
回転に伴いスライドナット14はX1,X2方向に正確
に移動する構成となっている。
【0025】コンプレッションスプリング15,16は
コイルスプリングであり、コラムチューブ13内に形成
されたフック22,23に各一端部15a,16aが固
定された構成とされている。フック22はコラムチュー
ブ13内のX1方向端部近傍に形成されており、またフ
ック23はコラムチューブ13内のX2方向端部近傍に
形成されている。
【0026】また、コンプレッションスプリング15,
16のフック22,23に固定された端部15a,15
aと異なる側の端部15b,16bは自由端とされてい
る。そして、メインシャフト12が中立位置にある状態
において、各コンプレッションスプリング15,16は
伸長して前記したスライドナット14の側部と当接した
構成となっている。
【0027】上記したように、本実施例に係る操舵力調
整装置10は、主にメインシャフト12、コラムチュー
ブ13、スライドナット14、コンプレッションスプリ
ング15,16等によりなる簡単な構成である。このた
め、操舵力調整装置10の低コスト化及び組み立て作業
の簡単化を図ることができる。
【0028】続いて、上記構成とされた操舵力調整装置
10の動作について説明する。図1はメインシャフト1
2が中立位置にある状態を示している。前記したよう
に、メインシャフト12が中立位置にある状態では、ス
ライドナット14はメインシャフト12に形成されたネ
ジ部17の略中央位置に位置しており、また一対のコン
プレッションスプリング15,16は夫々伸長してスラ
イドナット14の側部と当接した構成となっている。
【0029】上記中立状態より、ステアリングホイール
11を反時計方向に回転操作した状態を図2に示す。ス
テアリングホイール11を反時計方向に回転操作するこ
とにより、ステアリングホイール11と接続されたメイ
ンシャフト12も反時計方向に回転する。また、メイン
シャフト12が回転することにより、メインシャフト1
2に形成されたネジ部17に螺合したスライドナット1
4はX2方向に移動する構成とされている。
【0030】前記したように、スライドナット14及び
これが装着されたコラムチューブ13には、互いに係合
する回り止め部18,19が形成されているため、コラ
ムチューブ13に対してスライドナット14が回転する
ことはなく、よってメインシャフト12の回転に伴いス
ライドナット14は確実にX2方向に移動する。
【0031】スライドナット14がX2方向に移動する
と、スライドナット14はコンプレッションスプリング
16の端部16bをX2方向に押圧付勢することとな
る。このスライドナット14の押圧力によりコンプレッ
ションスプリング16は圧縮変形され、よってコンプレ
ッションスプリング16は弾性力を蓄成する。このコン
プレッションスプリング16で発生する弾性力は、スラ
イドナット14のX2方向に対する移動を妨げる力とし
て作用する。
【0032】また、コンプレッションスプリング16に
発生する弾性力をF,コンプレッションスプリング16
のバネ定数をk,スライドナット14の変位量をxとす
ると、弾性力FはF=k・xとして示すことができる。
よって、スライドナット14のX2方向に対する移動を
妨げる弾性力Fは、スライドナット14の変位量xが増
大する程大きくなる。即ち、スライドナット14が変位
量xが増大する程、スライドナット14の移動を妨げる
力は増大する。
【0033】上記のコンプレッションスプリング16に
より発生するスライドナット14の移動を妨げる力は、
メインシャフト12の回転を妨げる力として作用する。
即ち、スライドナット14の移動を妨げる力はステアリ
ングホイール11の回転操作を妨げる力(以下、回転反
力という)として作用するため、操舵トルクを増大させ
ることができる。また前記したように、回転反力(コン
プレッションスプリング16に発生する弾性力Fと等
価)は、スライドナット14の変位量xの増大に伴い、
即ちステアリングホイール11の操作(操舵角)が大き
くなるに従い操舵トルクも増大する。
【0034】尚、上記した説明では、ステアリングホイ
ール11を反時計方向に回転操作した場合を例に挙げて
説明したが、ステアリングホイール11を時計方向に回
転操作した場合には、コンプレッションスプリング16
に代わりコンプレッションスプリング15がスライドナ
ット14により変形されてステアリングホイール11の
回転操作を妨げる回転反力を発生させる。このコンプレ
ッションスプリング15が回転反力を発生させる機構
は、上記したコンプレッションスプリング16が回転反
力を発生させる機構と同様であるため、その説明は省略
するものとする。
【0035】図9乃至図11は、上記構成とされた操舵
力調整装置10を搭載した操舵装置の操舵トルク(T
M)と操舵角(MA)との関係を示している。図9は、
適切でない操舵特性の一例を示している。同図に示され
るように、この特性によれば、操舵角MAの変化に対し
て操舵トルクTMの増大は少なく、よって手応え感が不
足した特性となっている。
【0036】また、図10は本実施例に係る操舵力調整
装置10が発生する操舵トルクの特性を示している。前
記したように操舵力調整装置10は、スライドナット1
4の変位量xの増大に伴い(即ちステアリングホイール
11の操舵角が大きくなるに従い)、操舵トルクがリニ
アに増大する特性を有している。従って、操舵力調整装
置10を搭載した操舵装置全体としての特性は、図9に
示す特性と図10に示す特性を合わせた特性となる。図
11は、操舵力調整装置10を搭載した操舵装置全体と
しての特性を示している。
【0037】同図に示されるように、操舵力調整装置1
0を搭載した操舵装置全体としての特性は、ステアリン
グホイール11の操舵角が小さい小操作時においては操
舵トルクは小さくなっている。また、ステアリングホイ
ール11の操舵角が大きくなっていく程操舵トルクTM
は増大しており、よって運転者は良好な手応え感を得る
ことができる。尚、上記の手応え感は、コンプレッショ
ンスプリング15,16のバネ定数を変更することによ
り調整することが可能である。
【0038】ここで、本実施例に係る操舵力調整装置1
0の操向比について考察する。前記したように、操向比
は、ステアリングホイール11が操舵角θ1だけ操作し
た時に実際に操舵輪が操舵された角度がθ2であった場
合、この操舵角θ1と実舵角θ2との比(θ1/θ2)
として定義することができる。
【0039】本実施例に係る操舵力調整装置10は、入
力軸はメインシャフト12の入力側端部12aと等価で
あり、また出力軸はメインシャフト12の出力側端部1
2bと等価である。また、操舵力調整装置10に設けら
れているメインシャフト12は1本の剛体シャフトであ
り、よってステアリングホイール11を介してメインシ
ャフト12の入力側端部12aに操舵角θ1が与えられ
ると、それに応じた実舵角θ2が現れるが、操向比は変
化することがない。従って、路面より車輪を介して外力
が出力側端部12bに印加された場合においても、入力
側端部12aが容易に変位することはなく、良好な操舵
感を得ることができる。
【0040】続いて、本発明の第2実施例について説明
する。図4及び図5は、本発明の第2実施例である操舵
力調整装置30を示している。尚、各図において、図1
乃至図3を用いて説明した第1実施例に係る操舵力調整
装置10と同一構成については同一符号を付してその説
明を省略する。
【0041】前記した第1実施例におては、コンプレッ
ションスプリング15,16が発生する弾性力がスライ
ドナット14の変位を妨げる方向に作用するよう構成す
ることにより、操舵トルクを増大させる構成とされてい
た。本実施例においては、コンプレッションスプリング
15,16に変えて弾性部材32,33を用いることに
より、スライドナット31の変位を妨げる力を発生させ
るよう構成したことを特徴とするものである。
【0042】スライドナット31は、第1実施例と同様
にメインシャフト12に形成されたネジ部17と螺合し
ており、メインシャフト12の回転に伴いX1,X2方
向に移動可能な構成とされている。このスライドナット
31の軸方向両端部の外周部分には、テーパ部31aが
形成されている。尚、このスライドナット31とコラム
チューブ13には夫々回り止め部(図示せず)が形成さ
れており、コラムチューブ13に対してスライドナット
31が回転してしまわないように構成されている。
【0043】一方、弾性部材32,33は筒状部材であ
り、コラムチューブ13内の所定位置に、このスライド
ナット31を挟むようにして配設されている。この弾性
部材32,33は、例えばシリコンゴム,或いは弾性樹
脂等により構成されており、弾性変形することにより所
定の弾性力を発生する構成とされている。
【0044】本実施例に係る操舵力調整装置30におい
て、ステアリングホイール11を反時計方向に回転操作
するとメインシャフト12も反時計方向に回転し、これ
に伴いネジ部17に螺合したスライドナット31はX2
方向に移動する。スライドナット31がX2方向に移動
すると、スライドナット31に形成されているテーパ部
31aは弾性部材33の内周部33a内に進入し、更に
X2方向の進行が進むとスライドナット31は弾性部材
33と係合し、弾性部材33はスライドナット31によ
り圧縮変形される。よって、スライドナット31により
圧縮変形されることにより、弾性部材33は弾性力を蓄
成し、この蓄成された弾性力はスライドナット31のX
2方向に対する移動を妨げる力として作用する。この弾
性部材33が発生するスライドナット31の移動を妨げ
る力は、スライドナット31の変位量xが増大する程増
大する。
【0045】上記の弾性部材33で発生するスライドナ
ット31の移動を妨げる力は、ステアリングホイール1
1の回転操作を妨げる力(以下、回転反力という)とし
て作用するため、操舵トルクを増大させることができ
る。また、本実施例に係る操舵力調整装置30も、第1
実施例に係る操舵力調整装置10と同様に、メインシャ
フト12は1本の剛体シャフトであるため、操舵力調整
装置30の操向比は変化せず、従って路面より車輪を介
して外力が出力側端部12bに印加された場合において
も、入力側端部12aが大きく変位することはなく、良
好な操舵感を得ることができる。
【0046】続いて、本発明の第3実施例について説明
する。図6は、従来の操舵装置の一例である操舵トルク
(TM)と操舵角(MA)との関係を示している。同図
に示されるように、この操舵特性では、例えば操舵装置
の形式或いは懸架装置の形式等により、大操舵時におい
てのみ必要とする操舵トルク(図中、破線で示す)に対
して操舵トルクが減少してしまい、これが操舵感の不安
定さや巻き込み感の原因となる問題点が生じる。
【0047】本実施例は、この操舵感の不安定さや巻き
込み感の発生を防止するよう構成したものである。図7
は第3実施例に係る操舵力調整装置40を示している。
本実施例においても、第1実施例に係る操舵力調整装置
10と同一構成については同一符号を付してその説明を
省略する。
【0048】本実施例に係る操舵力調整装置40は、ス
テアリングホイール11が中立位置にある状態におい
て、スライドナット14と各コンプレッションスプリン
グ15,16の端部15b,16bとの間に所定の離間
距離Hを設けたことを特徴とするものである。
【0049】このように、スライドナット14と各コン
プレッションスプリング15,16の端部15b,16
bとの間に離間距離Hを設けることにより、ステアリン
グホイール11を操作しても、スライドナット14が距
離Hだけ移動するまでの間は、コンプレッションスプリ
ング15,16による弾性力がスライドナット14に印
加されず、スライドナット14が距離H以上変位したし
た時点で始めてスライドナット14にコンプレッション
スプリング15,16の弾性力が印加されるようにな
る。
【0050】よって、スライドナット14の移動を妨げ
る力(即ち、ステアリングホイール11の回転操作を妨
げる回転反力)は、ステアリングホイール11の小操作
時においては作用せず、ステアリングホイール11を大
きく操作した大操作時において始めて作用するようにな
るため、特に大操作時における操作トルクの向上を図る
ことができる。
【0051】図8は、本実施例に係る操舵力調整機構4
0により発生する操舵トルク特性を示している。同図に
示されるように、操舵角MAが距離Hに相当する角度回
転するまでは、操舵トルクTMは増大することなくTM
=0の状態を維持している。しかるに、操舵角MAが距
離Hに相当する角度回転以上回転されると、操舵トルク
TMは増大する。よって、操舵力調整機構40を図6に
示す特性を有する操舵装置に取り付けることにより、全
体としての操舵トルク−操舵角特性は、図11に示す特
性となり、大操舵時における操舵トルクの減少を防止で
き、よって操舵感の不安定さや巻き込み感の発生を防止
することができる。
【0052】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、下記の種々
の効果を実現することができる。請求項1の発明によれ
ば、手応え感の不足を補うことができ操舵感を向上させ
ることができると共に、操向比を変化させることなく操
舵トルクを増大させることができるため、路面より車輪
を介して外力が印加された場合においても、変位部材が
容易に変位することはなく良好な操舵感を得ることがで
きる。
【0053】また、請求項2の発明によれば、請求項1
による作用を有する操舵力調整装置を簡単な構成で実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である操舵力調整装置の断
面図である。
【図2】本発明の第1実施例である操舵力調整装置の動
作を説明するための図である。
【図3】図1におけるA−A線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第2実施例である操舵力調整装置の断
面図である。
【図5】本発明の第2実施例である操舵力調整装置の動
作を説明するための図である。
【図6】従来の操舵装置における特性の一例を示す図で
ある。
【図7】本発明の第3実施例である操舵力調整装置の断
面図である。
【図8】本発明の第3実施例である操舵力調整装置が発
生する操舵トルク特性を示す図である。
【図9】適切でない操舵特性の一例をを示す図である。
【図10】第1実施例に係る操舵力調整装置が発生する
操舵トルクの特性を示す図である。
【図11】第1実施例に係る操舵力調整装置を搭載した
操舵装置全体としての操舵トルクの特性を示す図であ
る。
【図12】操舵装置の操舵特性として適切でないものの
一例を示す図である。
【図13】操舵力調整装置を設けた従来の操舵装置の操
舵トルク特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
10,30,40 操舵力調整装置 11 ステアリングホイール 12 メインシャフト 12a 入力側端部 12b 出力側端部 13 コラムチューブ 14,31 スライドナット 15,16 コンプレッションスプリング 17 ネジ部 18,19 回り止め部 31a テーパ部 32,33 弾性部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵操作により変位する変位部材と、 前記操舵操作に伴い、前記変位部材に対し路面側から入
    力する力に加え、その変位を妨げる方向に力を付与する
    操舵力付与手段とを設けたことを特徴とする操舵力調整
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の操舵力調整装置におい
    て、 前記変位部材をステアリングシャフトにより構成すると
    共に、 前記操舵力付与手段を、前記ステアリングシャフトの回
    転に伴って軸方向へ移動する移動部材と、前記移動部材
    の移動を妨げる方向の押圧力を前記移動部材に付与する
    押圧部材とにより構成したことを特徴とする操舵力調整
    装置。
JP747695A 1995-01-20 1995-01-20 操舵力調整装置 Pending JPH08192756A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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