JPH08192154A - 尿素の分析方法 - Google Patents
尿素の分析方法Info
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- JPH08192154A JPH08192154A JP490195A JP490195A JPH08192154A JP H08192154 A JPH08192154 A JP H08192154A JP 490195 A JP490195 A JP 490195A JP 490195 A JP490195 A JP 490195A JP H08192154 A JPH08192154 A JP H08192154A
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- Japan
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- urea
- water
- exchange resin
- concentration
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- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 尿素濃度を1ppb以下の値まで精度良く測
定する。 【構成】 試料水をカチオン交換樹脂とアニオン交換樹
脂とを混合した混合樹脂と接触させた後、蒸留濃縮し、
得られた濃縮水中の尿素を分析する。 【効果】 ミックスタイプのイオン交換樹脂で前処理す
ることにより、シリカ、カルシウム成分を除去し、高濃
縮による難溶解性物質の析出を防止する。析出物への尿
素の吸着による尿素分析値の誤差を防止して、極低尿素
濃度の試料水であっても精度良く分析することが可能と
なる。
定する。 【構成】 試料水をカチオン交換樹脂とアニオン交換樹
脂とを混合した混合樹脂と接触させた後、蒸留濃縮し、
得られた濃縮水中の尿素を分析する。 【効果】 ミックスタイプのイオン交換樹脂で前処理す
ることにより、シリカ、カルシウム成分を除去し、高濃
縮による難溶解性物質の析出を防止する。析出物への尿
素の吸着による尿素分析値の誤差を防止して、極低尿素
濃度の試料水であっても精度良く分析することが可能と
なる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は尿素の分析方法に係り、
特に、河川水、湖沼水、地下水等の天然水の尿素濃度を
1ppb以下の値まで精度良く測定することができる方
法に関する。
特に、河川水、湖沼水、地下水等の天然水の尿素濃度を
1ppb以下の値まで精度良く測定することができる方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】河川水、湖沼水、地下水等の天然水中に
は、動、植物の排泄物や生活排水由来の尿素が流入し、
通常、数〜数百ppbの濃度で尿素が含有されている。
は、動、植物の排泄物や生活排水由来の尿素が流入し、
通常、数〜数百ppbの濃度で尿素が含有されている。
【0003】この尿素の分析法としては、一般に、Ne
wellらによって改良されたジアセチルモノオキシム
と尿素との反応を利用した呈色法があり、この方法が従
来法のなかでも最も分析精度の高いものとされている。
wellらによって改良されたジアセチルモノオキシム
と尿素との反応を利用した呈色法があり、この方法が従
来法のなかでも最も分析精度の高いものとされている。
【0004】以下に、この呈色法による尿素の分析法に
ついて、図2を参照して説明する。なお、水としては、
超純水を二段蒸留したものを用いる。
ついて、図2を参照して説明する。なお、水としては、
超純水を二段蒸留したものを用いる。
【0005】分析に当っては、次の手順に従って、試薬
A〜Cを調製する。
A〜Cを調製する。
【0006】リン酸二水素ナトリウム(NaH2 PO4
・2H2 O)42.5gを濃硫酸500mlにスターラ
ーで攪拌して溶解させて試薬Aを調製し、500ml容
の褐色試薬ビンに保存する。
・2H2 O)42.5gを濃硫酸500mlにスターラ
ーで攪拌して溶解させて試薬Aを調製し、500ml容
の褐色試薬ビンに保存する。
【0007】別に、ジアセチルモノオキシム2.5gを
50mlの温水に溶かし、放冷してから塩酸セミカルバ
ジド水溶液(水100mlに塩酸セミカルバジド10g
を溶解して冷蔵したもの)0.3mlを加え、試薬Bを
調製する。
50mlの温水に溶かし、放冷してから塩酸セミカルバ
ジド水溶液(水100mlに塩酸セミカルバジド10g
を溶解して冷蔵したもの)0.3mlを加え、試薬Bを
調製する。
【0008】更に、塩化マンガン(MnCl2 ・4H2
O)20gと硝酸カリウム(KNO3 )0.4gを50
mlの水にスターラーで攪拌して溶解させ、試薬Cを調
製する。
O)20gと硝酸カリウム(KNO3 )0.4gを50
mlの水にスターラーで攪拌して溶解させ、試薬Cを調
製する。
【0009】この試薬Bと試薬Cとは各々20mlを混
合し、試薬B:試薬C=1:1(容量比)の混合液を調
製する。
合し、試薬B:試薬C=1:1(容量比)の混合液を調
製する。
【0010】また、次の手順で尿素標準溶液を調製す
る。
る。
【0011】1リットル容のメスフラスコを用いて、水
に尿素(特級)0.1gを溶かした100ppmの尿素
水溶液を調製する(この標準溶液は冷蔵する。)。
に尿素(特級)0.1gを溶かした100ppmの尿素
水溶液を調製する(この標準溶液は冷蔵する。)。
【0012】更に、十分に共洗いした1リットル容のメ
スフラスコに、上記100ppmの尿素水溶液10ml
を採り、1/100倍希釈して1ppmの尿素水溶液を
調製する(この標準溶液も冷蔵する。)。
スフラスコに、上記100ppmの尿素水溶液10ml
を採り、1/100倍希釈して1ppmの尿素水溶液を
調製する(この標準溶液も冷蔵する。)。
【0013】この1ppmの尿素水溶液を、各々、10
0ml容のメスフラスコに5ml,15ml,25ml
採り、それぞれ100mlになるように希釈して50p
pb,150ppb,250ppbの各尿素標準溶液を
調製する。
0ml容のメスフラスコに5ml,15ml,25ml
採り、それぞれ100mlになるように希釈して50p
pb,150ppb,250ppbの各尿素標準溶液を
調製する。
【0014】次に、試薬A〜C及び試料として各尿素標
準溶液を用いて、図2に示す如く、下記〜の手順に
従って検量線を作製し、この検量線に基いて試料の分析
を行う。
準溶液を用いて、図2に示す如く、下記〜の手順に
従って検量線を作製し、この検量線に基いて試料の分析
を行う。
【0015】 数本の100ml容の比色管(通常は
2本の比色管を用い、2回ずつ測定を行う。)に、試料
を30ml採り、塩化ナトリウム(NaCl:特級)
5.5gを加えて十分に混合する。
2本の比色管を用い、2回ずつ測定を行う。)に、試料
を30ml採り、塩化ナトリウム(NaCl:特級)
5.5gを加えて十分に混合する。
【0016】 NaClが完全に溶解した後、試薬A
を4ml加え、流水中で30〜60分程度冷却する。
を4ml加え、流水中で30〜60分程度冷却する。
【0017】 比色管をアルミホイルで包むなどして
遮光した後、試薬Bと試薬Cの1:1(容量比)混合液
1mlを加え、この比色管を70℃の温水浴中で120
分間加温してから流水中で30分間冷却する。
遮光した後、試薬Bと試薬Cの1:1(容量比)混合液
1mlを加え、この比色管を70℃の温水浴中で120
分間加温してから流水中で30分間冷却する。
【0018】 その後、520nmで吸光度を測定す
る。
る。
【0019】 上記〜の操作を各尿素濃度の尿素
標準溶液毎に行って、検量線を作製する。
標準溶液毎に行って、検量線を作製する。
【0020】 天然水等の試料を用いて、上記〜
の操作を行って吸光度を求め、で予め作製した検量線
から尿素濃度を求める。
の操作を行って吸光度を求め、で予め作製した検量線
から尿素濃度を求める。
【0021】しかしながら、上記呈色法による分析で
は、試料を濃縮せずに直接測定可能な尿素濃度の下限値
は50ppbであるため、天然水中の尿素濃度の測定に
は、通常の場合、45℃減圧蒸留法(45℃のホットバ
ス中に試料を入れ、バキュームポンプで減圧して蒸留す
る。)により試料水を10〜20倍に濃縮した後、分析
を行っている。
は、試料を濃縮せずに直接測定可能な尿素濃度の下限値
は50ppbであるため、天然水中の尿素濃度の測定に
は、通常の場合、45℃減圧蒸留法(45℃のホットバ
ス中に試料を入れ、バキュームポンプで減圧して蒸留す
る。)により試料水を10〜20倍に濃縮した後、分析
を行っている。
【0022】ところで、本出願人は、天然水中に存在す
る尿素が超純水中に残在するTOC(全有機炭素:Tota
l organic carbon)の主成分であることを発見し、その
分解法として、生物処理法或いはウレアーゼを用いた酵
素分解法を提案した(特開平6−63592号公報,同
6−86997号公報)。この分解法、例えば、生物処
理法により天然水中の尿素を分解することにより、処理
水の尿素濃度を1〜5ppbまで低減することができ
る。
る尿素が超純水中に残在するTOC(全有機炭素:Tota
l organic carbon)の主成分であることを発見し、その
分解法として、生物処理法或いはウレアーゼを用いた酵
素分解法を提案した(特開平6−63592号公報,同
6−86997号公報)。この分解法、例えば、生物処
理法により天然水中の尿素を分解することにより、処理
水の尿素濃度を1〜5ppbまで低減することができ
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述の尿素分解法によ
る分解効率を検討する場合には、尿素濃度を1〜5pp
bにまで低減した処理水について、尿素濃度を測定する
必要が生じるが、例えば、尿素濃度1ppbの試料につ
いて呈色法により分析を行う場合には、試料水を少なく
とも50倍以上濃縮することが必要とされる。
る分解効率を検討する場合には、尿素濃度を1〜5pp
bにまで低減した処理水について、尿素濃度を測定する
必要が生じるが、例えば、尿素濃度1ppbの試料につ
いて呈色法により分析を行う場合には、試料水を少なく
とも50倍以上濃縮することが必要とされる。
【0024】しかしながら、天然水中には、シリカ,C
a等の溶解度の低いものが含有されているため、このよ
うな天然水について尿素分解を行って得られる処理水
を、これらの難溶解性物質の溶解度以上に濃縮すると、
シリカ,CaCO3 が析出する。しかして、この析出に
際して尿素が吸着されるため、この濃縮水について尿素
の分析を行っても、正しい値が得られないという問題が
ある。なお、CaCO3は天然水のpHを酸性側(pH
4以下)にすることで析出を防止することができるが、
シリカについては析出を防止することができず、尿素の
吸着による測定値の誤差を防ぐことは不可能である。
a等の溶解度の低いものが含有されているため、このよ
うな天然水について尿素分解を行って得られる処理水
を、これらの難溶解性物質の溶解度以上に濃縮すると、
シリカ,CaCO3 が析出する。しかして、この析出に
際して尿素が吸着されるため、この濃縮水について尿素
の分析を行っても、正しい値が得られないという問題が
ある。なお、CaCO3は天然水のpHを酸性側(pH
4以下)にすることで析出を防止することができるが、
シリカについては析出を防止することができず、尿素の
吸着による測定値の誤差を防ぐことは不可能である。
【0025】このようなことから、従来においては、数
ppbオーダーの低濃度尿素を精度良く測定することが
できなかった。
ppbオーダーの低濃度尿素を精度良く測定することが
できなかった。
【0026】本発明は上記従来の問題点を解決し、1p
pb以下の極低濃度であっても尿素を精度良く測定する
ことができる尿素の分析方法を提供することを目的とす
る。
pb以下の極低濃度であっても尿素を精度良く測定する
ことができる尿素の分析方法を提供することを目的とす
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の尿素の分析方法
は、試料水中の尿素濃度を分析するに当り、該試料水を
カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混合した混合
樹脂と接触させた後、蒸留濃縮し、得られた濃縮水中の
尿素を分析することを特徴とする。
は、試料水中の尿素濃度を分析するに当り、該試料水を
カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混合した混合
樹脂と接触させた後、蒸留濃縮し、得られた濃縮水中の
尿素を分析することを特徴とする。
【0028】以下に図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
する。
【0029】図1は本発明の尿素の分析方法における前
処理操作の実施例を示すフローである。
処理操作の実施例を示すフローである。
【0030】図1(a)の方法は、試料水が濁質を含む
工業用水等の場合であり、この場合には、まず、ガラス
繊維フィルター(例えば、Whatman glass fibre filter
GF/C 1.2μ)等で濾過して濁質を除去する。この濾
過処理により、後段のイオン交換樹脂の目詰まりを防止
する。次いで、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂と
を混合した混合樹脂と接触させる。この混合樹脂による
脱塩処理方法には特に制限はないが、通常の場合、適当
なカラムに混合樹脂を充填し、このカラムに試料水を通
水して行うのが好ましい。
工業用水等の場合であり、この場合には、まず、ガラス
繊維フィルター(例えば、Whatman glass fibre filter
GF/C 1.2μ)等で濾過して濁質を除去する。この濾
過処理により、後段のイオン交換樹脂の目詰まりを防止
する。次いで、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂と
を混合した混合樹脂と接触させる。この混合樹脂による
脱塩処理方法には特に制限はないが、通常の場合、適当
なカラムに混合樹脂を充填し、このカラムに試料水を通
水して行うのが好ましい。
【0031】この場合、試料水の通水速度はSV≧30
hr-1、好ましくはSV=60〜120hr-1とするの
が望ましい。即ち、イオン交換樹脂層に純水を通水する
と、イオン交換樹脂から若干のシアン化物(C−N結合
を有する化合物)が溶出してくる可能性があるが、単位
時間当りの通水SVが30hr-1以上であれば、その溶
出物による尿素の分析結果への影響は少なく、特に、S
V60hr-1以上であれば殆ど影響はなくなる。この通
水SVは過度に大きいとイオン交換樹脂による脱塩効果
が十分に得られなくなることから、SV120hr-1以
下とするのが好ましい。
hr-1、好ましくはSV=60〜120hr-1とするの
が望ましい。即ち、イオン交換樹脂層に純水を通水する
と、イオン交換樹脂から若干のシアン化物(C−N結合
を有する化合物)が溶出してくる可能性があるが、単位
時間当りの通水SVが30hr-1以上であれば、その溶
出物による尿素の分析結果への影響は少なく、特に、S
V60hr-1以上であれば殆ど影響はなくなる。この通
水SVは過度に大きいとイオン交換樹脂による脱塩効果
が十分に得られなくなることから、SV120hr-1以
下とするのが好ましい。
【0032】なお、イオン交換樹脂としては、市販のも
のを用いることができ、特に、超純水製造用の低溶出性
イオン交換樹脂を用いるのが望ましい。
のを用いることができ、特に、超純水製造用の低溶出性
イオン交換樹脂を用いるのが望ましい。
【0033】また、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹
脂との混合割合は、カチオン交換樹脂:アニオン交換樹
脂=1:1〜1:2(容量比)の範囲とするのが好まし
い。
脂との混合割合は、カチオン交換樹脂:アニオン交換樹
脂=1:1〜1:2(容量比)の範囲とするのが好まし
い。
【0034】カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との
混合樹脂で処理した後は、常法に従って蒸留濃縮する。
この蒸留濃縮法としては、例えば、前述の45℃減圧蒸
留法を採用することができる。濃縮倍数は、試料水中の
尿素濃度に応じて適宜決定され、通常の場合、10〜5
0倍程度に濃縮することにより、濃縮水中の尿素濃度を
50ppb以上、望ましくは50〜250ppbとする
のが好ましい。
混合樹脂で処理した後は、常法に従って蒸留濃縮する。
この蒸留濃縮法としては、例えば、前述の45℃減圧蒸
留法を採用することができる。濃縮倍数は、試料水中の
尿素濃度に応じて適宜決定され、通常の場合、10〜5
0倍程度に濃縮することにより、濃縮水中の尿素濃度を
50ppb以上、望ましくは50〜250ppbとする
のが好ましい。
【0035】本発明においては、この濃縮により得られ
た濃縮水について、常法に従って尿素の分析を行う。こ
の尿素分析法としては、従来法のうち最も分析精度が高
いことから、前述の呈色法を採用するのが好ましい。
た濃縮水について、常法に従って尿素の分析を行う。こ
の尿素分析法としては、従来法のうち最も分析精度が高
いことから、前述の呈色法を採用するのが好ましい。
【0036】図1(b)に示す前処理法は、通常の市水
や地下水等の、濁質を含まない試料水を分析する場合の
方法であって、試料水を直接混合樹脂で脱塩処理した
後、蒸留濃縮し、濃縮水を尿素の分析に供する。
や地下水等の、濁質を含まない試料水を分析する場合の
方法であって、試料水を直接混合樹脂で脱塩処理した
後、蒸留濃縮し、濃縮水を尿素の分析に供する。
【0037】このように、本発明に従って、予め混合樹
脂で脱塩処理した水を濃縮することにより、濃縮時の難
溶解性物質の析出及びこの析出物への尿素の吸着を防止
して、尿素の測定誤差を解消することができる。
脂で脱塩処理した水を濃縮することにより、濃縮時の難
溶解性物質の析出及びこの析出物への尿素の吸着を防止
して、尿素の測定誤差を解消することができる。
【0038】
【作用】前述の如く、低濃度尿素の分析誤差の原因は、
濃縮によるシリカ,Ca等の難溶解性物質の析出であ
り、このうち、pH調整によっても防止し得ないものは
シリカの析出である。
濃縮によるシリカ,Ca等の難溶解性物質の析出であ
り、このうち、pH調整によっても防止し得ないものは
シリカの析出である。
【0039】従って、基本的には、試料水中のシリカ成
分を濃縮に先立ち予め除去すれば良く、そのためにはア
ニオン交換樹脂で前処理を行えば良い。しかしながら、
アニオン交換樹脂のみの前処理では、処理水がアルカリ
性となり、CaCO3 析出防止のために濃縮に先立ち更
に酸を添加してpH4以下に調整することが必要とな
る。
分を濃縮に先立ち予め除去すれば良く、そのためにはア
ニオン交換樹脂で前処理を行えば良い。しかしながら、
アニオン交換樹脂のみの前処理では、処理水がアルカリ
性となり、CaCO3 析出防止のために濃縮に先立ち更
に酸を添加してpH4以下に調整することが必要とな
る。
【0040】本発明では、カチオン交換樹脂とアニオン
交換樹脂とを均一に混合したミックスタイプのイオン交
換樹脂で前処理することにより、シリカ、カルシウム成
分を除去し、高濃縮による難溶解性物質の析出を防止す
る。
交換樹脂とを均一に混合したミックスタイプのイオン交
換樹脂で前処理することにより、シリカ、カルシウム成
分を除去し、高濃縮による難溶解性物質の析出を防止す
る。
【0041】これにより、析出物への尿素の吸着による
尿素分析値の誤差を防止して、極低尿素濃度の試料水で
あっても精度良く分析することが可能となる。
尿素分析値の誤差を防止して、極低尿素濃度の試料水で
あっても精度良く分析することが可能となる。
【0042】なお、このようなミックスタイプのイオン
交換樹脂で処理する場合において問題となることは、試
料水中の尿素がイオン交換樹脂に吸着されて、その測定
値が実際の濃度より低くなる可能性である。
交換樹脂で処理する場合において問題となることは、試
料水中の尿素がイオン交換樹脂に吸着されて、その測定
値が実際の濃度より低くなる可能性である。
【0043】しかしながら、本発明者は、この尿素の吸
着の問題を検討するために、試薬尿素及び天然水中の尿
素をミックスタイプのイオン交換樹脂に通水し、その通
水前後での尿素濃度を比較した結果、いずれの場合も、
尿素濃度は一致し、ミックスタイプのイオン交換樹脂で
前処理する方法は、尿素吸着の問題がないことを確認し
た。
着の問題を検討するために、試薬尿素及び天然水中の尿
素をミックスタイプのイオン交換樹脂に通水し、その通
水前後での尿素濃度を比較した結果、いずれの場合も、
尿素濃度は一致し、ミックスタイプのイオン交換樹脂で
前処理する方法は、尿素吸着の問題がないことを確認し
た。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
説明する。
【0045】実施例1 図1(b)に示す手順に従って、厚木市水(平成6年1
0月10日採取)1リットルを前処理した後、図2に示
す前記〜の手順に従って尿素の分析を行った。
0月10日採取)1リットルを前処理した後、図2に示
す前記〜の手順に従って尿素の分析を行った。
【0046】なお、脱塩に用いた混合樹脂は、カチオン
交換樹脂(栗田工業株式会社製「EX−CG」(均一粒
径の樹脂低溶出タイプ)):アニオン交換樹脂(栗田工
業株式会社製「EX−AG」(均一粒径の樹脂低溶出タ
イプ))=1:2(容量比)のものであり、通水SV=
100hr-1で処理し、その後、45℃減圧蒸留法で1
0倍に濃縮した。
交換樹脂(栗田工業株式会社製「EX−CG」(均一粒
径の樹脂低溶出タイプ)):アニオン交換樹脂(栗田工
業株式会社製「EX−AG」(均一粒径の樹脂低溶出タ
イプ))=1:2(容量比)のものであり、通水SV=
100hr-1で処理し、その後、45℃減圧蒸留法で1
0倍に濃縮した。
【0047】尿素濃度の分析値を表1No. 1に示す。
【0048】確認のため、同厚木市水1リットルに塩酸
を添加してpH4に調整した後、45℃減圧蒸留法で1
0倍濃縮した試料についても、図2に示す手順に従って
尿素の分析を行い、結果を表1No. 2に示した。
を添加してpH4に調整した後、45℃減圧蒸留法で1
0倍濃縮した試料についても、図2に示す手順に従って
尿素の分析を行い、結果を表1No. 2に示した。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 厚木市水を上向流接触酸化法(担体:粒状活性炭(20
/40メッシュ),通水速度HRT=30分)で生物処
理して得られた処理水5リットルを、実施例1で用いた
ものと同様の混合樹脂に通水SV=100hr-1で処理
した後、45℃減圧蒸留法で50倍に濃縮する前処理を
行った後、図2に示す前記〜の手順に従って尿素の
分析を行い、結果を表2のNo. 3に示した。
/40メッシュ),通水速度HRT=30分)で生物処
理して得られた処理水5リットルを、実施例1で用いた
ものと同様の混合樹脂に通水SV=100hr-1で処理
した後、45℃減圧蒸留法で50倍に濃縮する前処理を
行った後、図2に示す前記〜の手順に従って尿素の
分析を行い、結果を表2のNo. 3に示した。
【0051】確認のため、上記操作を繰り返し行って尿
素の分析を行い、結果を表2No. 4に示した。
素の分析を行い、結果を表2No. 4に示した。
【0052】
【表2】
【0053】表1,2より、本発明によれば数ppb〜
1ppb以下の極低濃度の尿素についても、再現性良く
分析可能であることが明らかである。
1ppb以下の極低濃度の尿素についても、再現性良く
分析可能であることが明らかである。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の尿素の分析
方法によれば、天然水、又はその処理水等の各種試料水
中の尿素濃度を、1ppb以下の極低濃度まで精度良く
分析することができる。
方法によれば、天然水、又はその処理水等の各種試料水
中の尿素濃度を、1ppb以下の極低濃度まで精度良く
分析することができる。
【図1】本発明の尿素の分析方法における前処理操作の
実施例を示すフローである。
実施例を示すフローである。
【図2】呈色法による尿素の分析操作を示すフローであ
る。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 試料水中の尿素濃度を分析するに当り、
該試料水をカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混
合した混合樹脂と接触させた後、蒸留濃縮し、得られた
濃縮水中の尿素を分析することを特徴とする尿素の分析
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP490195A JPH08192154A (ja) | 1995-01-17 | 1995-01-17 | 尿素の分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP490195A JPH08192154A (ja) | 1995-01-17 | 1995-01-17 | 尿素の分析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08192154A true JPH08192154A (ja) | 1996-07-30 |
Family
ID=11596574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP490195A Pending JPH08192154A (ja) | 1995-01-17 | 1995-01-17 | 尿素の分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08192154A (ja) |
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1995
- 1995-01-17 JP JP490195A patent/JPH08192154A/ja active Pending
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