JPH081917A - グラビア印刷機のファニッシャローラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磨耗が少なく長時間の連続使用が可能なグラ
ビア印刷機のファニッシャローラーを提供する。 【構成】 金属芯体２１にゴム筒体２２を介しモルトン
筒体２３を設けて構成し、金属芯体２１の両端に一体形
成された支軸部２１ａで回転自在に支持し、モルトン筒
体２３を下部がインキパン１１内のインキに浸漬した状
態で外周面が版胴１３と接触するように配置した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、グラビア印刷機のフ
ァニッシャローラーに関する。

【０００２】

【従来の技術】着けローラー型のインキ供給方式を採用
するグラビア印刷機においては、ファニッシャローラー
と称せられる着けローラーを一部がインキパン内のイン
キに浸漬するように配置し、このファニッシャローラー
を版胴に接触させて版胴にインキを供給する。そして、
従来、この種のファニッシャローラーとして、インキロ
ーラーの周面に柔軟なインキ供給層を形成したものが実
開平４−２２２３４号公報で知られる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た実開平４−２２２３４号公報に記載されたファニッシ
ャローラーにあっては、金属製のインキローラーの周面
に直接にインキ供給層を設けるため、インキ供給層と版
胴との接触圧が大きく、インキ供給層が磨耗しやすく、
頻繁な交換が不可欠で円滑な印刷の妨げになるという問
題がある。この発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、耐久性に優れ長時間の使用が可能なファニッシャロ
ーラーを提供し、印刷の円滑化を図ることを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、インキパン内のインキに一部が浸漬し
た状態で版胴と接触し、前記インキパン内のインキを外
周面に保持して前記版胴に供給するグラビア印刷機のフ
ァニッシャローラーであって、支軸に一体的に設けられ
た金属芯体と、該金属胴部の外周に設けられたゴム筒体
と、該ゴム筒体の外周に設けられたモルトン布筒体とを
備える。

【０００５】

【作用】この発明のファニッシャローラーによれば、モ
ルトン布筒体がゴム筒体を介して金属芯体に設けられ、
モルトン布筒体と金属芯体との間にゴム筒体が介在して
モルトン布筒体に弾性的な撓み特性が付与されるため、
モルトン布筒体と版胴とを適正な接触圧で接触させるこ
とができ、モルトン布筒体の磨耗が抑制され、長時間の
連続使用が可能となり印刷を円滑に行える。また、ゴム
筒体はインキに浸漬させられることで若干膨潤するため
ゴム筒体を安定的に金属芯体に固定できる。

【０００６】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図１から図３はこの発明の一実施例に係るグラ
ビア印刷機のファニッシャローラーを示し、図１が一部
を破断した斜視図、図２が横断面図、図３がグラビア印
刷機のインキ供給機構廻りの模式図である。

【０００７】図３において、１１はインキを貯留するイ
ンキパン、１２はインキパン１１内のインキに下部が浸
漬されたファニッシャローラー、１３は版胴、１４はド
クター、１５は圧胴である。周知のように、版胴１３は
図外の駆動機構と連結され、この駆動機構により駆動さ
れて版胴１３とファニッシャローラー１２とは一体に回
転する（図中矢印参照）。ドクターブレード１４は版胴
１３の版面に摺接して版面の余分なインキを掻き取り、
版胴１３と圧胴１５との間に印刷紙Ｐが挟圧され、この
印刷紙Ｐに印刷が施される。

【０００８】なお、上述した図３は一般的な着けローラ
ー形のインキ供給機構を示すが、ファニッシャローラー
１２を版胴１３と別個に駆動機構と連結して駆動する形
式、ファニッシャローラー１２を版胴１３と同方向に回
転駆動する形式のものにも本発明のファニッシャローラ
ーは適用することができる。

【０００９】ファニッシャローラー１２は、図１および
図２に示すように、両端に支軸部２１ａが一体に形成さ
れた金属芯体２１を有し、この金属芯体２１の外周にゴ
ム筒体２２とモルトン布筒体２３とを積層して構成され
る。金属芯体２１は、鉄やアルミ合金等の金属から支軸
部２１ａを含め全体が一体に形成され、各支軸部２１ａ
が図外の軸受部に回転自在に支持される。ゴム筒体２２
は、内径が金属芯体２１の外径と略等しい、あるいはや
や小さい円筒形状を有し、金属芯体２１に弾性的に嵌着
される。このゴム筒体２２は、耐溶剤に優れたゴム材
料、例えば、ポリウレタン系のゴムから構成される。モ
ルトン布筒体２３は、保水（溶剤）に優れた綿や合成繊
維の織布（モルトン布）からなり、金属芯体２１に装着
されたゴム筒体２２外周に円筒状に巻き付けて設けられ
る。

【００１０】この実施例にあっては、図３に示すよう
に、ファニッシャローラー１２は下部をインキパン１１
内のインキに浸漬させた状態でモルトン布筒体２３が版
胴１３と接触し、ファニッシャローラー１２が版胴１３
と一体的に回転してインキパン１１内のインキを版胴１
３の版面に供給する。この時、ファニッシャローラー１
２は金属芯体２１にゴム筒体２２を介してモルトン布筒
体２３を設けて構成されるため、版胴１３と接触するモ
ルトン布筒体２３は自身の変形のみならずゴム筒体２２
を弾性的に変形させて撓むことができる。したがって、
モルトン布筒体２３と版胴１３との接触圧が過大となる
こともなく、モルトン布筒体２３の磨耗が抑制され、フ
ァニッシャローラー１２の長時間の連続使用が可能で、
印刷を中断すること無く円滑に行える。

【００１１】また、ファニッシャローラー１２は、イン
キパン１１内のインキに浸漬されることでゴム筒体２２
が若干膨潤し、このゴム筒体２２の膨潤でゴム筒体２２
とモルトン布筒体２３とが締着する。このため、モルト
ン布筒体２３の取付が安定し、モルトン布筒体２３の脱
落等も有効に防止できる。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るグ
ラビア印刷機のファニッシャローラーによれば、金属芯
体にゴム筒体を介しモルトン布筒体を設けて構成したた
め、モルトン布筒体を版胴に適正な接触圧で接触させる
ことができモルトン布筒体の磨耗が抑制され、その耐久
性、寿命を改善でき、また、モルトン布筒体を安定的に
支持でき、そのズレ等も有効に防止できるという効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例にかかるグラビア印刷機の
ファニッシャローラーの一部を破断した斜視図である。

【図２】同ファニシャローラーの横断面図である。

【図３】同ファニッシャローラーを用いたグラビア印刷
機のインキ供給機構の模式図である。

【符号の説明】

１１ インキパン １２ ファニッシャローラー １３ 版胴 １４ ドクター １５ 圧胴 ２１ 金属芯体 ２１ａ 支軸部 ２２ ゴム筒体 ２３ モルトン布筒体 Ｐ 印刷紙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村越 利夫 東京都文京区小石川４丁目14番12号 共同 印刷株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インキパン内のインキに一部が浸漬した
   状態で版胴と接触し、前記インキパン内のインキを外周
   面に保持して前記版胴に供給するグラビア印刷機のファ
   ニッシャローラーであって、 支軸に一体的に設けられた金属芯体と、該金属胴部の外
   周に設けられたゴム筒体と、該ゴム筒体の外周に設けら
   れたモルトン布筒体とを備えることを特徴とするグラビ
   ア印刷機のファニッシャローラー。