JPH08190715A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH08190715A
JPH08190715A JP7244641A JP24464195A JPH08190715A JP H08190715 A JPH08190715 A JP H08190715A JP 7244641 A JP7244641 A JP 7244641A JP 24464195 A JP24464195 A JP 24464195A JP H08190715 A JPH08190715 A JP H08190715A
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JP7244641A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Nobumasa
均 信正
Futoshi Okuyama
太 奥山
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
Kusato Hirota
草人 廣田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消去率、ジッタ特性が良好で、高い記録密度
でも良好なオーバライト性能が得られる書換可能相変化
型光記録媒体を提供する。 【解決手段】 ビーム径よりも間隔の離れた記録マーク
の再生信号の振幅をビーム径よりも間隔の狭い記録マー
クの再生信号の振幅の5倍以下となるように記録するこ
とを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。
【0002】特に、本発明は、記録情報の消去、書換機
能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可能な光
ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相変化型
光記録媒体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下のごときものである。これらの光記録媒体
は、テルルなどを主成分とする記録層を有し、記録時
は、結晶状態の記録層に集束したレーザー光パルスを短
時間照射し、記録層を部分的に溶融する。溶融した部分
は熱拡散により急冷され、固化し、アモルファス状態の
記録マークが形成される。この記録マークの光線反射率
は、結晶状態より低く、光学的に記録信号として再生可
能である。
【0004】また、消去時には、記録マーク部分にレー
ザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の
温度に加熱することによって、アモルファス状態の記録
マークを結晶化し、もとの未記録状態にもどす。
【0005】これらの書換型相変化光記録媒体の記録層
の材料としては、Ge2 Sb2 Te5 などの合金(N.Ya
mada et al, Proc.Int.Symp.on Optical Memory 1987 p
61-66 )が知られている。
【0006】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する誘電体層を
設け、記録時に記録層に変形、開口が発生することを防
いでいる。さらに、光ビーム入射方向と反対側の誘電体
層に、光反射性のAlなどの金属反射層を設け、光学的
な干渉効果により、再生時の信号コントラストを改善す
ると共に、記録層の冷却効果により、非晶状態の記録マ
ークの形成を容易にし、かつ消去特性、繰り返し特性を
改善する技術が知られている。
【0007】特に、記録層と反射層の間の誘電体層を5
0nm程度よりも薄くした「急冷構成」では、誘電体層
を200nm程度に厚くした「徐冷構成」に比べ、書き
換えの繰り返しによる記録特性の変化が少なく、また消
去パワー・マージンが広い点で優れていることが知られ
ている(T.Ohta et al,Japanese Journal of AppliedPh
ysics,Vol28(1989) Suppl.28-3 pp123-128) 。
【0008】前述の急冷構成の相変化型光ディスクで
は、高線速度で記録した場合、あるいは短波長レーザを
用いて光スポットを微小化し記録を高密度化した場合な
どでは、オーバライト記録前の部分が結晶であるか、非
晶マークであるかによって、記録時の昇温状態に顕著な
差が生じ、その結果、新たにオーバライト記録した記録
マークの形状や形成位置がオーバライト前の信号で変調
を受け、消去率やジッタ特性を制限する原因となってい
た。
【0009】この原因として、非晶状態の記録マークと
結晶状態の部分の反射率差が大きいため、記録膜の非晶
状態の光吸収量が結晶状態の光吸収量より高くなり、既
に記録してある記録マーク部分が記録時により速く加熱
されることが考えられる。
【0010】最近、前述の光吸収量の差を補正した層構
成の光ディスクの提案があり、消去率、ジッタ特性が向
上しつつあるが、トラック方向の線記録密度を高くした
場合には、未だ記録マークの再生波形に歪みが大きく、
実用上十分な記録特性を実現しているとは言えない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の従来の光記録媒体の課題を解決し、トラック方向の線
記録密度を高くした場合の再生波形の歪みを低減し、消
去特性などの記録特性に優れた光記録媒体を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に形成
された記録層に光を照射することによって、情報の記
録、消去、再生が可能であり、情報の記録及び消去が、
非晶相と結晶相の間の相変化により行われる光記録媒体
において、用いる光の波長をλ、光ヘッドの対物レンズ
の開口数をNAとした時に、トラックの記録方向の前方
および後方の記録マーク間隔がいずれもλ/NAを越え
る記録マークの再生キャリア信号強度を、前記のマーク
間隔の条件を満たさない記録マークの再生キャリア信号
強度の5倍以下とすることを特徴とする光記録媒体に関
するものである。これを第1発明とする。
【0013】また、本発明は、トラックの記録方向の前
方および後方の記録マーク間隔がいずれもλ/NAを越
える記録マーク上に、前記マーク間隔の条件を満たさな
い記録マークをオーバライトした時の、後者の記録マー
クの再生キャリア信号強度を、オーバライトされ消去さ
れた前者記録マークの消去残りの再生キャリア信号強度
の5倍以上とすることを特徴とする第1発明の光記録媒
体に関するものである。これを第2発明とする。
【0014】さらに、本発明は、基板上に形成された記
録層に光を照射することによって、情報の記録、消去、
再生が可能であり、情報の記録及び消去が、非晶相と結
晶相の間の相変化により行われる光記録媒体において、
該光記録媒体が少なくとも誘電体層と記録層と反射層、
あるいは少なくとも誘電体層と記録層と光吸収層を有
し、記録層と反射層の間あるいは記録層と光吸収層の間
の誘電体層の厚さが50nm以下であることを特徴とす
る第1発明または第2発明の光記録媒体に関するもので
ある。これを第3発明とする。
【0015】さらにまた、本発明は基板上に形成された
記録層に光を照射することによって、情報の記録、消
去、再生が可能であり、情報の記録及び消去が、非晶相
と結晶相の間の相変化により行われる光記録媒体におい
て、該光記録媒体が少なくとも誘電体層と記録層と反射
層を有し、記録層の厚さが25nmを越え60nm以下
であり、該記録層と反射層の間に、厚さ1nm以上25
nm以下の誘電体層を有することを特徴とする光記録媒
体、および、基板上に形成された記録層に光を照射する
ことによって、情報の記録、消去、再生が可能であり、
情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の相変化に
より行われる光記録媒体において、該光記録媒体が少な
くとも誘電体層と記録層とTiあるいはTiを主成分と
する合金、化合物よりなる光吸収層を有し、記録層の厚
さが20nm以上60nm以下であり、該記録層と光吸
収層の間に、厚さ1nm以上10nm未満の誘電体層を
有することを特徴とする光記録媒体、および、基板上に
形成された記録層に光を照射することによって、情報の
記録、消去、再生が可能であり、情報の記録及び消去
が、非晶相と結晶相の間の相変化により行われる光記録
媒体において、該光記録媒体が少なくとも誘電体層と記
録層とWあるいはMoとSiの混合物、あるいは合金よ
りなる光吸収層を有し、記録層の厚さが20nm以上6
0nm以下であり、該記録層と光吸収層の間に、厚さ1
nm以上25nm以下の誘電体層を有することを特徴と
する光記録媒体に関するものである。
【0016】従来、書換型相変化光ディスクなどの光記
録媒体を記録する場合、一定の時間幅と記録パワーレベ
ルを有するレーザ光パルスを記録するマークの位置に応
じて照射することにより記録を行っている。そのため、
例えば、マーク・ポジション記録方式で記録する場合、
記録トラック上にほぼ一定のサイズ、面積の記録マーク
が変調コードに対応して記録されている。
【0017】オーバライトにより記録を書き換える場合
には、先に記録されている記録マークの再生信号振幅を
小さくなるように形成するほど、先に述べた非晶部分と
結晶部分の光吸収量の差や熱伝導度の差に起因する昇温
の不均一が小さくなり、また、先に記録されている記録
マークの消去特性を良くするほど再生波形の歪みは低減
できる。
【0018】しかしながら、記録マークの間隔が照射し
ている光ビームのサイズ程度(λ/NA)以下になる記
録領域では、光学的分解能の制約から再生信号の振幅が
小さくなるため、この部分の再生信号の強度が極めて小
さくなり、正常なデータ検出は困難になる。ここで、再
生キャリア信号強度とは、例えばラジオ技術社出版の
「光ディスク技術」(平成元年発行)の第219〜22
0頁に記載のようにスペクトラムアナライザーを用いて
周波数分解して測定した特定周波数の再生信号強度を意
味する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、この点に鑑み考案した
ものであり、トラックの記録方向の前方および後方の記
録マーク間隔がいずれもλ/NAを越える記録マークの
再生キャリア信号強度が、前記のマーク間隔の条件を満
たさない記録マークの再生キャリア信号強度を5倍以
下、好ましくは3倍以下、より好ましくは2倍以下とす
るか、トラックの記録方向の前方および後方の記録マー
ク間隔がいずれもλ/NAを越える記録マーク上に、前
記マーク間隔の条件を満たさない記録マークをオーバラ
イトした時の、後者の記録マークの再生キャリア信号強
度が、オーバライトされ消去された前者記録マークの消
去残りの再生キャリア信号強度の振幅の5倍以上、好ま
しくは8倍以上、より好ましくは10倍以上であるよう
に記録、消去できることを特徴とする上記光記録媒体を
提供するものである。
【0020】このように、トラックの記録方向の前方お
よび後方の記録マーク間隔がいずれもλ/NAを越える
記録マークの再生キャリア信号強度と、前記のマーク間
隔の条件を満たさない記録マークの再生キャリア信号強
度の差が5倍以下、好ましくは3倍以下、より好ましく
は2倍以下とできることから、トラックの記録方向の前
方および後方の記録マーク間隔がいずれもλ/NAを越
える記録マークの再生信号のキャリア対ノイズ比が、前
記のマーク間隔の条件を満たさない記録マークの再生信
号のキャリア対ノイズ比よりも小さくなる記録パワー領
域が存在するように記録できる。このような光記録媒体
を用いることにより、記録・再生特性が良好になり、オ
ーバーライト時のジッタも低減される。
【0021】また、本発明では、そのための層構成とし
て、まず、第2誘電体層は、上述した様に、書き換えの
繰り返しによる記録特性の変化が少なく、また、消去パ
ワー・マージンが広い点から50nm以下であることが
好ましい。そのために、本発明はさらに、次のような光
記録媒体の構成部材の層構成を提案するものである。
【0022】すなわち、(a) 基板上に第1誘電体層を形
成し、次に25nmを越え60nm以下の厚さの記録層
を形成し、次に、1nm以上25nm以下の厚さの第2
誘電体層を形成し、さらに反射層を形成して構成するも
のや、(b) 基板上に第1誘電体層を形成し、次に20n
m以上、60nm以下の厚さの記録層を形成し、次に、
1nm以上10nm未満の厚さの第2誘電体層を形成
し、次に、TiあるいはTiを主成分とする合金、化合
物よりなる光吸収層を構成し、さらに必要ならば反射層
を形成して構成するものや、(c) 基板上に第1誘電体層
を形成し、次に20nm以上60nm以下の厚さの記録
層を形成し、次に、1nm以上25nm以下の厚さの第
2誘電体層を形成し、次に、WあるいはMoとSiの混
合物、あるいは合金よりなる光吸収層を構成し、さらに
必要ならば反射層を形成して構成するものである。ただ
し、これに限定するものではない。
【0023】本発明の光記録媒体では、光吸収層を有さ
ない場合は記録層の厚みを25nmを越え60nm以下
とし、第2誘電体層の厚みを1nm以上25nm以下と
し、TiあるいはTiを主成分とする合金、化合物より
なる光吸収層を有する場合は、記録層の厚みを20nm
以上、60nm以下とし、第2誘電体層の厚みを1nm
以上、10nm未満とし、WあるいはMoとSiの混合
物、あるいは合金よりなる光吸収層を有する場合は、記
録層の厚みを20nm以上60nm以下とし、第2誘電
体層の厚みを1nm以上、25nm以下とすることによ
りマーク間隔が狭いマークの記録時には、その前方の記
録マーク形成時の熱干渉によりマーク間隔が広い場合よ
りも記録マークを形成しやすくし、また、消去時にも、
消去しやすくする。さらに、光吸収層を設けた場合は、
非晶状態の記録層の光吸収量を低減し、結晶状態との光
吸収量差を小さくし、記録マーク形状の乱れ、形成位置
のずれなどを低減でき、消去特性などの記録特性が改善
できる。
【0024】本発明の第1及び第2誘電体層には、記録
時に基板、記録層などが熱によって変形し記録特性が劣
化することを防止する効果と、光学的な干渉効果によ
り、再生時の信号コントラストを改善する効果とがあ
る。
【0025】この誘電体層としては、通常、ZnS、S
iO2 、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機薄
膜がある。特にZnSの薄膜、Si、Ge、Al、T
i、Zr、Taなどの金属の酸化物の薄膜、Si、Al
などの窒化物の薄膜、Ti、Zr、Hfなどの炭化物の
薄膜及びこれらの化合物の混合物の膜が、耐熱性が高い
ことから好ましい。また、これらに炭素や、MgF2
どのフッ化物を混合したものも、膜の残留応力が小さい
ことから好ましい。とりわけZnSとSiO2 の混合膜
あるいは、ZnSとSiO2 と炭素の混合膜は、記録、
消去の繰り返しによっても、記録感度、C/N、消去率
などの劣化が起きにくいことから好ましく、特にZnS
とSiO2 と炭素の混合膜が好ましい。
【0026】第1誘電体層の厚さは、通常、およそ10
〜500nmである。基板や記録層から剥離し難く、ク
ラックなどの欠陥が生じ難いことから、50〜400n
mが好ましい。特に、記録層の非晶状態と結晶状態の光
吸収量差が小さくできることから、第1誘電体層の厚さ
は、次式を満たすように設定することが好ましい。 Nλ/4−0.2λ≦nd1≦Nλ/4+0.2λ ここで、Nは、N=2m+1 (ただし、mは0およ
び正の整数)であり、λは、記録に用いる波長、nは、
第1誘電体層の屈折率(実部)、d1は、第1誘電体層
の厚さである。
【0027】第2誘電体層の厚さは、光吸収層がない場
合および、WあるいはMoとSiの混合物、あるいは合
金よりなる光吸収層を有する場合は、1nm以上25n
m以下が必要である。第2誘電体層の厚さが上記より薄
いと、膜としての形態を形成し難く、たとえ膜形状にな
ってもクラック等の欠陥を生じ、繰り返し耐久性が低下
するために好ましくない。また、第2誘電体層の厚さ
が、上記より厚いと記録時および消去時における記録層
の冷却度が低くなるために、記録特性、消去特性に対し
好ましくない。記録、消去時の記録層の冷却度を考慮す
ると、好ましくは20nm未満であり、より好ましくは
10nm未満である。特に、第2誘電体層の厚さは記録
層の冷却に関し、より直接的に影響が大きく、より良好
な消去特性や繰り返し耐久性を得るためと、記録マーク
の間隔を光ビームサイズ程度以下にした記録を新たにオ
ーバライト記録した時に良好な消去特性を得るために、
5nm未満がより効果的である。
【0028】TiあるいはTiを主成分とする合金、化
合物よりなる光吸収層を有する場合は、第2誘電体層の
厚さは、1nm以上10nm未満が必要である。第2誘
電体層の厚さが上記より薄いと、光吸収層がない場合お
よび、WあるいはMoとSiの混合物、あるいは合金よ
りなる光吸収層を有する場合と同様、膜としての形態を
形成し難く、たとえ膜形状になってもクラック等の欠陥
を生じ、繰り返し耐久性が低下するために好ましくな
い。また、第2誘電体層の厚さが、10nm以上になる
と、熱伝導度の点から、記録時および消去時における記
録層の冷却度が低くなるために、記録特性、消去特性に
対し、好ましくない。記録、消去時の記録層の冷却度を
考慮すると、第2誘電体層の厚さは記録層の冷却に関
し、より直接的に影響が大きく、より良好な消去特性や
繰り返し耐久性を得るためと、記録マークの間隔を光ビ
ームサイズ程度以下にした記録を新たにオーバライト記
録した時に良好な消去特性を得るために、5nm未満が
より効果的である。
【0029】本発明の記録層としては、特に限定するも
のではないが、In−Se合金、Ge−Sb−Te合
金、In−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合
金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−
Te合金、Ni−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−
Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Pd−
Nb−Ge−Sb−Te合金などがある。特に、Ge−
Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Pt−
Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、
Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金は、消去時間が短
く、かつ多数回の記録、消去の繰り返しが可能であり、
C/N、消去率などの記録特性に優れることから好まし
い。
【0030】また、記録層の厚さは、光吸収層を有さな
い場合は、25nmを越え、60nm以下が必要であ
る。記録層の厚さが上記よりも薄い場合は、記録マーク
間距離が短い場合の記録特性が低下し、また、消去時に
結晶化に必要な温度以上に記録層を保持する時間が短く
なるために、消去特性が悪くなる傾向がある。記録層の
厚さが上記よりも厚い場合は、感度が悪くなり、また、
記録、消去による記録層の移動が起こりやすいため、繰
り返し性が低下する傾向がある。これらの点から、記録
層の膜厚は30nmよりも厚く50nm未満であること
が好ましい。より好ましくは35nm以上、45nm以
下である。
【0031】一方、光吸収層が有る場合は、光吸収層に
よる記録マーク歪みの低減効果があり、これが消去特性
に効くため、光吸収層がない場合の記録層が薄くなる場
合の各特性低下がおさえられる。そのため、記録層の厚
さは20nm以上であればよい。一方、厚い方の制限は
光吸収層がない場合と同様であり、60nm以下とな
る。ただし、より、特性を良くするためには、記録層の
厚みは25nmよりも厚く、50nm未満であることが
好ましく、より好ましくは30nmより厚く50nm未
満である。
【0032】特に、線速度が速くなると、反射層の代わ
りに、あるいは第2誘電体層と反射層との間に光吸収層
を設けて、結晶部と非晶部の光吸収量差から生じるマー
ク歪みを解消することが好ましい。
【0033】光吸収層は、記録・再生で用いる光の波長
λで、40〜85%の光反射性と20〜50%の光吸収
性を有する金属材料で構成される。この光吸収効果によ
り非晶状態の記録層の光吸収量を低減している。
【0034】その材料としては、TiあるいはTiを主
成分とする合金、化合物、あるいはWあるいはMoとS
iの混合物あるいは合金が耐熱性、強度、耐腐食性など
に優れており、また比較的熱伝導率が高いために急冷構
成のメリットが活かせ、さらに、光学定数が適度に大き
く、結晶部と非晶部の光吸収量差をなくしたりあるいは
逆転させることができることから好ましい。
【0035】光吸収層の厚さは、1nm〜200nmが
好ましい。光吸収層の厚さが上記より薄いと、光吸収の
効果が得られず好ましくない。また、光吸収層の厚さが
上記よりも厚いと、記録マーク形成のため大きなレーザ
パワーが必要となり、実用的でない。より好ましくは1
nm〜100nmである。
【0036】反射層の材質としては、通常、光反射性を
有するAl、Auなどの金属、及びこれらを主成分と
し、Ti、Cr、Hfなどの添加元素を含む合金、及
び、Al、Auなどの金属にAl、Siなどの金属窒化
物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金属化合物
を混合したものなどがあげられる。Al、Auなどの金
属、およびこれらを主成分とする合金は、光反射性が高
く、かつ熱伝導度を高くできることから好ましい。前述
の合金として、AlにSi、Mg、Cu、Pd、Ti、
Cr、Hf、Ta、Nb、Mnなどの少なくとも1種の
元素を合計で5原子%以下、1原子%以上加えたもの、
あるいは、Auに、Cr、Ag、Cu、Pd、Pt、N
iなどの少なくとも1種の元素を合計で20原子%以
下、1原子%以上加えたものなどがある。
【0037】特に、材料の価格を安くできることから、
Alを主成分とする合金が好ましく、とりわけ、耐腐食
性が良好なことから、AlにTi、Cr、Ta、Hf、
Zr、Mn、Pdから選ばれる少なくとも1種以上の元
素を合計で5原子%以下、0.5原子%以上添加した合
金が好ましい。
【0038】とりわけ、耐腐食性が良好でかつヒロック
などの発生が起こりにくいことから、反射層を、添加元
素を合計で0.5原子%以上、3原子%未満含む、Al
−Hf−Pd合金、Al−Hf合金、Al−Ti合金、
Al−Ti−Hf合金、Al−Cr合金、Al−Ta合
金、Al−Ti−Cr合金、Al−Si−Mn合金のい
ずれかのAlを主成分とする合金で構成することが好ま
しい。
【0039】反射層は光吸収層を設ける場合必ずしも必
要ではないが、記録層の冷却程度を制御し感度を調整す
るためや、光の利用効率を向上させるため、あるいは光
吸収層などの保護などのために、さらに反射層を設ける
ことが好ましい。
【0040】特に、記録感度が高く、高速でワンビーム
・オーバーライトが可能であり、かつ消去率が大きく消
去特性が良好であることから、次のごとく、光記録媒体
の主要部を構成することが好ましい。
【0041】すなわち、記録層としては、構成元素とし
てGe、Sb、Teの3元素を少なくとも含む合金を用
い、第1誘電体層の厚さをd1 、第1誘電体層の屈折率
(実部)をn、2m+1(ただし、mは0および正の整
数)をN、記録に用いるレーザー波長をλ、記録層の厚
さをdr 、第2誘電体層の厚さをd2 、反射層の厚さを
da とするとき、光吸収層を有さない場合は、次式を満
足するように層厚さを設定することが好ましい。 Nλ/4−0.2λ≦nd1 ≦Nλ/4+0.2λ 25<dr ≦ 60(単位nm) 1≦d2 ≦ 25(単位nm) 20≦da ≦200(単位nm) また、一方、TiあるいはTiを主成分とする合金、化
合物よりなる光吸収層を有する場合は、光吸収層の厚さ
をdh とし、次式を満足するように層厚さを設定するこ
とが好ましい。 Nλ/4−0.2λ≦nd1 ≦Nλ/4+0.2λ 25≦dr ≦ 60(単位nm) 1≦d2 < 10(単位nm) 0≦dh ≦200(単位nm) 20≦da ≦200(単位nm)
【0042】さらに、WあるいはMoとSiの混合物あ
るいは合金よりなる光吸収層を有する場合は、次式を満
足するように層厚さを設定することが好ましい。 Nλ/4−0.2λ≦nd1 ≦Nλ/4+0.2λ 25≦dr ≦ 60(単位nm) 1≦d2 ≦ 25(単位nm) 0≦dh ≦200(単位nm) 20≦da ≦200(単位nm)
【0043】また、誘電体層が少なくともZnSとSi
O2 を構成材料とする混合膜であり、SiO2 の混合比
が15〜35モル%であり、かつ記録層の組成が次式で
表される範囲にあることがさらに好ましい。 組成式 Mz (Sbx Te1-x 1-y-z (Ge0.5 Te0.5 y 0.4≦x≦0.6 0.3≦y≦0.5 0 ≦z≦0.05 ここで、Mはパラジウム、ニオブ、白金、銀、金、コバ
ルトから選ばれる少なくとも一種の金属、x、y、z、
及び数字は、各元素の原子の数(各元素のモル数)を表
す。
【0044】本発明の基板の材料としては、透明な各種
の合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。ほこり、基
板の傷などの影響をさけるために、透明基板を用い、集
束した光ビームで基板側から記録を行なうことが好まし
く、この様な透明基板材料としては、ガラス、ポリカー
ボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン
樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられ
る。特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小さく、成
形が容易であることからポリカーボネート樹脂、アモル
ファス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0045】基板の厚さは特に限定するものではない
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビームで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になる。
【0046】基板はフレキシブルなものであっても良い
し、リジッドなものであっても良い。フレキシブルな基
板は、テープ状、シート状、カード状で使用する。リジ
ッドな基板は、カード状、あるいはディスク状で使用す
る。また、これらの基板は、記録層などを形成した後、
2枚の基板を用いて、エアーサンドイッチ構造、エアー
インシデント構造、密着張合せ構造としてもよい。
【0047】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
であり、特に半導体レーザー光は、光源が小型化できる
こと、消費電力が小さいこと、変調が容易であることか
ら好ましい。
【0048】記録は結晶状態の記録層にレーザー光パル
スなどを照射してアモルファスの記録マークを形成して
行う。また、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の記録
マークを形成してもよい。消去はレーザー光照射によっ
て、アモルファスの記録マークを結晶化するか、もしく
は、結晶状態の記録マークをアモルファス化して行うこ
とができる。
【0049】記録速度を高速化でき、かつ記録層の変形
が発生しにくいことから記録時はアモルファスの記録マ
ークを形成し、消去時は結晶化を行う方法が好ましい。
また、記録マーク形成時は光強度を高く、消去時はやや
弱くし、1回の光ビームの照射により書換を行う1ビー
ム・オーバーライトは、書換の所要時間が短くなること
から好ましい。
【0050】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。反射層、記録層などを基板上に形成する方
法としては、公知の真空中での薄膜形成法、例えば真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法な
どがあげられる。特に組成、膜厚のコントロールが容易
であることから、スパッタリング法が好ましい。
【0051】形成する記録層などの厚さの制御は、公知
の技術である水晶振動子膜厚計などで、堆積状態をモニ
タリングすることで、容易に行える。
【0052】記録層などの形成は、基板を固定したま
ま、あるいは移動、回転した状態のどちらでもよい。膜
厚の面内の均一性に優れることから、基板を自転させる
ことが好ましく、さらに公転を組合わせることが、より
好ましい。
【0053】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層などを形成した後、傷、変形の防止
などのため、ZnS、SiO2 、ZnS−SiO2 など
の誘電体層あるいは紫外線硬化樹脂などの保護層などを
必要に応じて設けてもよい。さらにまた、基板にはハブ
などを必要に応じて設けてもよい。また、反射層などを
形成した後、あるいはさらに前述の樹脂保護層を形成し
た後、2枚の基板を対向して、接着剤で張り合わせても
よい。
【0054】記録層は、実際に記録を行う前に、予めレ
ーザー光、キセノンフラッシュランプなどの光を照射し
予め結晶化させておくことが好ましい。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0056】(分析,測定方法)反射層、記録層の組成
は、ICP発光分析(セイコー電子工業(株)製)によ
り確認した。またC/Nおよび消去率(記録後と消去後
の再生キャリア信号強度の差)は、スペクトラムアナラ
イザにより測定した。
【0057】記録層、誘電体層、光吸収層、反射層の形
成中の膜厚は、水晶振動子膜厚計によりモニターした。
また各層の厚さは、走査型あるいは透過型電子顕微鏡で
断面を観察することにより測定した。
【0058】実施例1 厚さ0.6mm、直径8.6cm、1.0μmピッチの
スパイラルグルーブ付きポリカーボネート製基板を毎分
30回転で回転させながら、高周波スパッタ法により、
記録層、誘電体層、反射層を形成した。
【0059】まず、真空容器内を1×10-5Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でSiO
2 を20mol%添加したZnSをスパッタし、基板上
に膜厚230nmの第1誘電体層を形成した。続いて、
Ge−Sb−Teの3元合金ターゲットをスパッタし
て、組成Ge0.24Sb0.23Te0.53の膜厚35nmの記
録層を形成した。さらに、第1誘電体層と同様の材質の
第2誘電体層を5nm形成した。さらに、Hf−Pd−
Al合金をスパッタして膜厚50nmの反射層を形成し
た。
【0060】このディスクを真空容器より取り出した
後、この反射層上にアクリル系紫外線硬化樹脂をスピン
コートし、紫外線照射により硬化させて樹脂層を形成し
本発明の光記録媒体を得た。さらに同様に形成した同種
のディスクとホットメルト接着剤で張り合わせて両面デ
ィスクを作製した。
【0061】この光記録媒体に波長820nmの半導体
レーザーのビームを照射して、ディスク全面の記録層を
結晶化し初期化した。
【0062】このディスクの非晶状態および結晶状態光
吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光の
波長680nmにおいて、それぞれ、78%、71%で
あり、非晶状態の光吸収量が結晶状態のそれよりも大き
いが、その差はさほど大きくなかった。計算から求めら
れた結晶状態の反射率は25%であり、実際にディスク
を測定した値とほぼ一致していることから、本計算結果
は妥当であることが確認できた。
【0063】その後、このディスクを回転数3600r
pmにて回転させ、半径39mmのトラックに、対物レ
ンズの開口数0.6、半導体レーザーの波長680nm
の光学ヘッドを使用して、周波数5.73MHz(パル
ス幅20ns)および周波数15.3MHzで、ピーク
パワー8〜15mW、ボトムパワー3〜8mWの各条件
に変調した半導体レーザー光で100回オーバーライト
記録した後、再生パワー1.2mWの半導体レーザ光を
照射してバンド幅30kHzの条件でC/Nを測定し
た。
【0064】さらに周波数5.73MHzでC/Nを測
定した部分を15.3MHz(パルス幅20ns)で、
先と同様に変調した半導体レーザ光を照射し、ワンビー
ム・オーバーライトし、この時の5.73MHzの前記
録信号の消去率を測定した。
【0065】記録パワーが12mWよりも低い場合は、
15.3MHzで記録した時のC/Nの方が5.73M
Hzで記録した時のC/Nよりも大きいが、12mW以
上では5.73MHzで記録した時のC/Nの方が1
5.3MHzで記録した時のC/Nよりも大きかった。
また、測定したピークパワーにおいて最高のC/Nが得
られる記録パワー値における再生信号振幅の大きさを比
較したところ、5.73MHzで記録した再生信号の方
が15.3MHzで記録した再生信号よりも約8dB大
きかった。さらに、ボトムパワー4〜6mWで17dB
以上の消去率が得られ、また、この時、15.3MHz
で記録したマークの信号振幅は5.73MHzで記録し
た消去残りのマークの再生信号振幅の約5.1倍であっ
た。
【0066】さらにピーク・パワー12mW、ボトムパ
ワー5mW、周波数15.3MHzの条件で、ワンビー
ム・オーバーライトの繰り返しを1万回行った後、同様
の測定を行ったが、C/N、消去率の変化は、いずれも
2dB以内でほとんど劣化が認められなかった。
【0067】実施例2 記録層の組成がGe0.24Sb0.23Te0.53である以外は
実施例1と同様の本発明の光記録媒体を作製した。この
光記録媒体のC/N、消去率および繰り返し特性を、実
施例1と同様の方法で測定したところ、実施例1とほぼ
同等の特性が得られた。
【0068】実施例3 記録層の組成がNb0.005 Ge0.175 Sb0.26Te0.56
である以外は実施例1と同様の本発明の光記録媒体を作
製した。この光記録媒体のC/N、消去率および繰り返
し特性を、実施例1と同様の方法で測定したところ、実
施例1とほぼ同等の特性が得られた。
【0069】実施例4 記録層の組成がPd0.002 Nb0.003 Ge0.175 Sb
0.26Te0.56である以外は実施例1と同様の本発明の光
記録媒体を作製した。この光記録媒体のC/N、消去率
および繰り返し特性を、実施例1と同様の方法で測定し
たところ、実施例1とほぼ同等の特性が得られた。
【0070】実施例5 実施例1と同様の基板を用い、実施例4と同様の組成の
記録層、誘電体層、反射層を同様の方法で形成し、さら
に、第2誘電体層と反射層の間に光吸収層を設けた。光
吸収層はTiターゲットをスパッタし、形成した。
【0071】膜厚は、第1誘電体層、記録層、第2誘電
体層、光吸収層、反射層、それぞれ210nm、35n
m、5nm、40nm、50nmであった。
【0072】このディスクの非晶状態および結晶状態の
光吸収量は、各層の厚さ、屈折率から計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、63%、66%
であり結晶状態の光吸収量が非晶状態のそれよりも大き
かった。計算から求められた反射率は25%であり、実
際にディスクを測定した値とほぼ一致している事から本
計算は妥当であることが確認できた。
【0073】その後、実施例1と同様にしてC/Nおよ
び消去率を測定したところ、ピークパワー13mWで1
5.3MHzで記録した時のC/Nと5.73MHzで
記録した時のC/Nの大きさが逆転した。また、測定し
たピークパワーにおいて最高のC/Nが得られる記録パ
ワー値における再生信号振幅の大きさを比較したとこ
ろ、5.73MHzで記録した再生信号の方が15.3
MHzで記録した再生信号よりも約7dB大きかった。
さらに、ボトムパワー4.5〜6.5mWで20dB以
上の消去率が得られ、また、この時、5.73MHzで
記録した消去残りのマークの再生信号振幅とオーバライ
ト記録した15.3MHzマークの信号振幅の差は19
dBであった。
【0074】さらにピーク・パワー13.0mW、ボト
ムパワー6mW、周波数15.3MHzの条件で、ワン
ビーム・オーバーライトの繰り返しを1万回行った後、
同様の測定を行ったが、C/N、消去率の変化は、いず
れも2dB以内でほとんど劣化が認められなかった。
【0075】実施例6 実施例1と同様の基板を用い、実施例5と同様の組成の
記録層、誘電体層、吸収量補正層、反射層を同様の方法
で形成した。
【0076】膜厚は、第1誘電体層、記録層、第2誘電
体層、光吸収層、反射層、それぞれ220nm、35n
m、4nm、40nm、30nmであった。
【0077】このディスクの非晶状態および結晶状態の
光吸収量は、各層の厚さ、屈折率から計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、65%、67%
であり結晶状態の光吸収量が非晶状態のそれよりも大き
かった。計算から求められた反射率は26%であり、実
際にディスクを測定した値とほぼ一致している事から本
計算は妥当であることが確認できた。
【0078】その後、実施例1と同様にしてC/Nおよ
び消去率を測定したところ、ピークパワー13mWで1
5.3MHzで記録した時のC/Nと5.73MHzで
記録した時のC/Nの大きさが逆転した。また、測定し
たピークパワーにおいて最高のC/Nが得られる記録パ
ワー値における再生信号振幅の大きさを比較したとこ
ろ、5.73MHzで記録した再生信号の方が15.3
MHzで記録した再生信号よりも約6dB大きかった。
さらに、ボトムパワー4.5〜6.5mWで20dB以
上の消去率が得られ、また、この時、5.73MHzで
記録した消去残りのマークの再生信号振幅とオーバライ
ト記録した15.3MHzマークの信号振幅の差は20
dBであった。
【0079】さらにピーク・パワー13.0mW、ボト
ムパワー6mW、周波数15.3MHzの条件で、ワン
ビーム・オーバーライトの繰り返しを1万回行った後、
同様の測定を行ったが、C/N、消去率の変化は、いず
れも2dB以内でほとんど劣化が認められなかった。
【0080】実施例7 実施例1と同様の基板を用い、実施例5と同様の組成の
誘電体層を同様の方法で形成し、記録層は組成をNb
0.005 Ge0.175 Sb0.26Te0.56とし、光吸収層はW
Si2 ターゲットをスパッタし、形成した。このディス
クの膜厚は、第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、光
吸収層、反射層、それぞれ235nm、40nm、8n
m、40nm、30nmであった。
【0081】このディスクの非晶状態および結晶状態光
吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光の
波長680nmにおいて、それぞれ、64%、66%で
あり、結晶状態の光吸収量が非晶状態のそれとほぼ同等
であった。計算から求められた結晶状態の反射率は26
%であり、実際にディスクを測定した値と一致している
ことから、本計算結果は妥当であることが確認できた。
【0082】その後、実施例1と同様にしてC/Nおよ
び消去率を測定したところ、ピークパワー11mWで1
5.3MHzで記録した時のC/Nと5.73MHzで
記録した時のC/Nの大きさが逆転した。また、測定し
たピークパワーにおいて最高のC/Nが得られる記録パ
ワー値における再生信号振幅の大きさを比較したとこ
ろ、5.73MHzで記録した再生信号の方が15.3
MHzで記録した再生信号よりも約10dB大きかっ
た。さらに、ボトムパワー3.5〜5mWで20dB以
上の消去率が得られ、また、この時、5.73MHzで
記録した消去残りのマークの再生信号振幅はオーバライ
ト記録した15.3MHzマークの信号振幅の差は17
dBであった。
【0083】さらにピーク・パワー13.0mW、ボト
ムパワー6mW、周波数15.3MHzの条件で、ワン
ビーム・オーバーライトの繰り返しを1万回行った後、
同様の測定を行ったが、C/N、消去率の変化は、いず
れも2dB以内でほとんど劣化が認められなかった。
【0084】
【発明の効果】本発明は、光記録媒体に新たに光吸収層
を設けたので、以下の効果が得られた。 (1) 消去率、ジッタ特性が良好である。 (2) 多数回の記録消去を繰り返しても、動作が安定して
おり、特性の劣化、欠陥の発生がほとんどない。 (3) スパッタ法により容易に作製できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/24 561 7215−5D (72)発明者 廣田 草人 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された記録層に光を照射す
    ることによって、情報の記録、消去、再生が可能であ
    り、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の相変
    化により行われる光記録媒体において、用いる光の波長
    をλ、光ヘッドの対物レンズの開口数をNAとした時
    に、トラックの記録方向の前方および後方の記録マーク
    間隔がいずれもλ/NAを越える記録マークの再生キャ
    リア信号強度を、前記のマーク間隔の条件を満たさない
    記録マークの再生キャリア信号強度の5倍以下とするこ
    とを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 トラックの記録方向の前方および後方の
    記録マーク間隔がいずれもλ/NAを越える記録マーク
    上に、前記マーク間隔の条件を満たさない記録マークを
    オーバライトした時の、後者の記録マークの再生キャリ
    ア信号強度を、オーバライトされ消去された前者記録マ
    ークの消去残りの再生キャリア信号強度の5倍以上とす
    ることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 光記録媒体が少なくとも誘電体層と記録
    層と反射層、あるいは少なくとも誘電体層と記録層と光
    吸収層を有し、記録層と反射層の間あるいは記録層と光
    吸収層の間の誘電体層の厚さが50nm以下であること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 基板上に形成された記録層に光を照射す
    ることによって、情報の記録、消去、再生が可能であ
    り、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の相変
    化により行われる光記録媒体において、該光記録媒体が
    少なくとも誘電体層と記録層と反射層を有し、記録層の
    厚さが25nmを越え60nm以下であり、該記録層と
    反射層の間に、厚さ1nm以上25nm以下の誘電体層
    を有することを特徴とする光記録媒体。
  5. 【請求項5】 基板上に形成された記録層に光を照射す
    ることによって、情報の記録、消去、再生が可能であ
    り、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の相変
    化により行われる光記録媒体において、該光記録媒体が
    少なくとも誘電体層と記録層とTiあるいはTiを主成
    分とする合金、化合物よりなる光吸収層を有し、記録層
    の厚さが20nm以上60nm以下であり、該記録層と
    光吸収層の間に、厚さ1nm以上10nm未満の誘電体
    層を有することを特徴とする光記録媒体。
  6. 【請求項6】 基板上に形成された記録層に光を照射す
    ることによって、情報の記録、消去、再生が可能であ
    り、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の相変
    化により行われる光記録媒体において、該光記録媒体が
    少なくとも誘電体層と記録層とWあるいはMoとSiの
    混合物、あるいは合金よりなる光吸収層を有し、記録層
    の厚さが20nm以上60nm以下であり、該記録層と
    光吸収層の間に、厚さ1nm以上25nm以下の誘電体
    層を有することを特徴とする光記録媒体。
JP7244641A 1994-11-07 1995-09-22 光記録媒体 Pending JPH08190715A (ja)

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