JPH08190388A - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JPH08190388A
JPH08190388A JP7009936A JP993695A JPH08190388A JP H08190388 A JPH08190388 A JP H08190388A JP 7009936 A JP7009936 A JP 7009936A JP 993695 A JP993695 A JP 993695A JP H08190388 A JPH08190388 A JP H08190388A
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Hiroyuki Hashimoto
裕之 橋本
Kenichi Terai
賢一 寺井
Yasutoshi Nakama
保利 中間
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 能動的騒音制御を用いた消音装置に関するも
ので、誤差検出器を設置した位置以外の評価点で消音効
果が得られる消音装置を提供する。 【構成】 騒音を検出するマイクロホン1と、検出され
た騒音信号を適応制御するアダプティブフィルタ3と、
同じ騒音信号を信号処理するFIRフィルタ5と、アダ
プティブフィルタ3の出力を信号処理するFIRフィル
タ6とFIRフィルタ7と、アダプティブフィルタ3の
出力を再生するスピーカ4と、その再生音と騒音源から
の騒音を検出するマイクロホン2と、マイクロホン2の
出力からFIRフィルタ7の出力を減算する減算器10
と、減算器10の出力とFIRフィルタ6の出力を加算
する加算器9と、加算器9とFIRフィルタ5の出力か
らアダプティブフィルタ3の係数を演算して更新するL
MS演算器8とから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は能動的騒音制御を用いた
消音装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、空調騒音、あるいは工場や自動車
の室内騒音などをディジタル信号処理技術を用いてスピ
ーカから制御音を出力して消音する能動的騒音制御方法
が提案されている。
【0003】以下、図面を参照しながら従来の消音装置
について説明する。(図18)は従来の消音装置のブロ
ック図を示すものである。(図18)において、1、2
は騒音検出器および誤差検出器であるところのマイクロ
ホン、3はアダプティブフィルタ、4はスピーカ、5は
第1のディジタルフィルタであるところのFIRフィル
タ、8は係数演算器であるところのLMS演算器であ
る。
【0004】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず、騒音はマイ
クロホン1で検出され、その検出信号がアダプティブフ
ィルタ3とFIRフィルタ5に入力される。そして、ア
ダプティブフィルタ3で信号処理された騒音信号はスピ
ーカ4から出力される。そして、受聴者の耳元に設置さ
れたマイクロホン2ではスピーカ4からの再生音と騒音
源からの騒音が干渉し、アダプティブフィルタ3の係数
を変化させることによって騒音を減衰させる。
【0005】今、アダプティブフィルタ3についての係
数更新を考えると、受聴者の耳元に配置されたマイクロ
ホン2の検出信号は、LMS演算器8に入力され、この
検出音とFIRフィルタ5の出力によりマイクロホン2
の検出信号が最小となるようにLMS演算(最小自乗
法)を行って、アダプティブフィルタ3の係数を更新す
る。これによって、マイクロホン2においてスピーカ4
からの制御音により騒音が減衰する。ここでFIRフィ
ルタ5には、予めスピーカ4からマイクロホン2までの
伝達関数B(jω)が係数b(n)として近似されている。
【0006】この方法をFiltered-x LMSアルゴリズム
(例えば参考文献として、B. Widrowand S. Stearns,
「Adaptive Signal Processing」(Prentice-Hall,Engle
wood Cliffs,NJ,1985))という。これを用いて、アダプ
ティブフィルタ3の係数更新を数式で表現すると以下の
ように表わせる。
【0007】 e(n)=yT(n)B(n)+XT(n)G1(n) なので、
【0008】
【数1】
【0009】となる。ここで、 wT(n)={w0(n),w1(n),…,wN-1(n)} r(n)=xT(n)b(n) xT(n)={x(n),x(n−1),…,x(n−N+1)} bT(n)={b0(n),b1(n),…,bN-1(n)} yT(n)={y(n),y(n−1),…,y(n−N+1)} y(n)=xT(n)w(n) ただし、 w(n) ;アダプティブフィルタ3の係数(タップ数は
N) α ;ステップパラメータ r(n) ;FIRフィルタ5の出力信号 e(n) ;マイクロホン2の出力信号 B(n) ;スピーカ4からマイクロホン2までの伝達関
数 G1(n);騒音源からマイクロホン2までの伝達関数 (数1)により e(n)≒0 に近づくとすると、アダプ
ティブフィルタ3の係数w(n)の周波数特性W(k)は
{−G1(k)/B(k)}に近似される。
【0010】さて、FIRフィルタ5の係数b(n)は上記
演算を行う前に求めるが、これは(図19)に示すよう
に、測定ノイズ発生器12よりホワイトノイズを発生し
て行う。FIRフィルタ5の出力とマイクロホン2の検
出信号を減算器11で減算し、その結果を誤差信号とし
てLMS演算を行って係数を求める。
【0011】以上の信号処理により、受聴者の耳元位置
において騒音が減衰することになるが、実際には(図2
0)のようにスピーカ4およびマイクロホン2を受聴者
の近くあるいは耳元付近に設置できないことが多い。
(図20)ではFIRフィルタ5の係数が(図21)に
示す同定によってc(n)となっており、また騒音源からマ
イクロホン2までの騒音特性がG0(jω)となっている
ので、アダプティブフィルタ3の係数w(n)の周波数
特性W(k)は{−G0(k)/C(k)}に近似される。よ
って(図18)の場合と比べてアダプティブフィルタ3
の係数が異なっているので、(図20)の構成ではマイ
クロホン2の位置では消音されていても、受聴者の耳元
位置では騒音減衰効果が劣化してしまう。
【0012】次に複数の位置での騒音制御を考える。
(図22)はスピーカを2個用いて2点制御を行う場合
を示している。(図22)において、1は騒音検出器で
あるところのマイクロホン、2a〜2bは誤差検出器で
あるところのマイクロホン、3a〜3bはアダプティブ
フィルタ、4a〜4bはスピーカ、5a〜5dは第1の
ディジタルフィルタであるところのFIRフィルタ、8
a〜8dは係数演算器であるところのLMS演算器、1
3a〜13bは係数加算器である。
【0013】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず騒音はマイク
ロホン1で検出され、その検出信号がアダプティブフィ
ルタ3a〜3bとFIRフィルタ5a〜5dに入力され
る。そして、アダプティブフィルタ3aで信号処理され
た騒音信号はスピーカ4aから出力され、アダプティブ
フィルタ3bで信号処理された騒音信号はスピーカ4b
から出力される。そして、制御位置に設置されたマイク
ロホン2a〜2bでは、スピーカ4a〜4bからの再生
音と騒音源からの騒音が干渉し、アダプティブフィルタ
3a〜3bの係数を変化させることによって騒音を減衰
させる。
【0014】今、アダプティブフィルタ3aについての
係数更新を考えると、マイクロホン2a〜2bの検出信
号はそれぞれLMS演算器8a〜8bに入力され、この
検出音とFIRフィルタ5a〜5bの出力により、マイ
クロホン2aおよびマイクロホン2bの検出信号が最小
となるようにLMS演算を行い、その各係数を係数加算
器13aによって加算してアダプティブフィルタ3aの
係数を更新する。これによって、マイクロホン2a〜2
bにおいてスピーカ4aからの制御音により騒音が減衰
する。同様に、スピーカ4bからの制御音によってマイ
クロホン2a〜2bにおける騒音を減衰するようにアダ
プティブフィルタ3bの係数が変化する。ここで、FI
Rフィルタ5aにはスピーカ4aからマイクロホン2a
までの伝達関数C11(jω)が係数c11(n)として近似さ
れており、FIRフィルタ5bにはスピーカ4aからマ
イクロホン2bまでの伝達関数C12(jω)が係数c12
(n)として近似されており、FIRフィルタ5cにはス
ピーカ4bからマイクロホン2aまでの伝達関数C21
(jω)が係数c21(n)として近似されており、FIRフィ
ルタ5dにはスピーカ4bからマイクロホン2bまでの
伝達関数C22(jω)が係数c22(n)として近似されてい
る。
【0015】この方法をMultiple Error Filtered-x LM
Sアルゴリズム(例えば参考文献として、S. J. Elliot
t, I. M. Stothers and P. A. Nelson,("A multiple er
rorLMS algorithm and its application to the active
control of sound and vibration."IEEE Trans. Acous
t. Speech Signal Process. ASSP-35,pp1423-1434(198
7)))という。これを数式で一般的に表現すると以下の
ように表わせる。今、一つの騒音に対して制御スピーカ
をm個、制御点位置のマイクロホンをk個とすると、
【0016】
【数2】
【0017】となる。これを(図22)に適用すると、
【0018】
【数3】
【0019】なので、 w1(n+1)=w1(n)+α{r11(n)e1(n)+r12(n)
e2(n)} w2(n+1)=w2(n)+α{r21(n)e1(n)+r22(n)
e2(n)} ただし、 w1(n) ;アダプティブフィルタ3aの係数(タップ数
はN) w2(n) ;アダプティブフィルタ3bの係数(タップ数
はN) α ;ステップパラメータ r11(n);FIRフィルタ5aの出力信号 r12(n);FIRフィルタ5bの出力信号 r21(n);FIRフィルタ5cの出力信号 r22(n);FIRフィルタ5dの出力信号 e1(n) ;マイクロホン2aの出力信号 e2(n) ;マイクロホン2bの出力信号 以上のように、このアルゴリズムを用いることにより複
数の制御点での騒音制御が可能となる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら(図1
8)のようにスピーカ4とマイクロホン2を受聴者の近
くに設置できることは希であり、実際には(図20)や
(図22)のように受聴者から離れたところに設置され
る。特にマイクロホン2、2a〜2bが受聴者の耳元か
ら離れていると、マイクロホン2、2a〜2bでは騒音
が十分に減衰していても耳元位置では効果の劣化を生じ
る。よって聴感効果が不十分なものとなってしまう。
【0021】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、その第1の目的は、誤差検出用マイクロホンとスピ
ーカを実際の評価点から離れたところに設置する場合で
も、その評価点での消音効果の劣化を抑制することであ
る。第2の目的は、人の両耳など複数の評価点が存在す
る場合に、第1の目的と同様にその評価点がマイクロホ
ンおよびスピーカと離れた位置にあっても消音効果の劣
化を抑制することである。第3の目的は第2の目的に加
えて、複数の騒音源が存在する場合にも制御可能なこと
である。第4の目的は第3の目的に加えて演算量を低減
することであり、第5の目的は第1の目的を周期性騒音
に適用することである。さらに第6の目的は第2の目的
を周期性騒音に適用することであり、第7の目的は第6
の目的を安定にしかも精度良く達成することである。第
8の目的は、誤差検出用マイクロホンとスピーカを実際
の評価点から離れたところに設置する場合でも、その評
価点に誤差検出用マイクロホンを設置した場合と同じ消
音効果を得ることである。第9の目的は、人の両耳など
複数の評価点が存在する場合に、第8の目的と同様にそ
の評価点がマイクロホンおよびスピーカと離れた位置に
あってもその評価点に誤差検出用マイクロホンを設置し
た場合と同じ消音効果を得ることである。第10の目的
は第8の目的を周期性騒音に適用することである。さら
に第11の目的は第9の目的を周期性騒音に適用するこ
とであり、第12の目的は第9の目的を安定にしかも精
度良く達成することのできる消音装置を提供することで
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために第1の発明の消音装置は、騒音源からの騒音を
検出する騒音検出器と、前記騒音検出器からの騒音を適
応制御するアダプティブフィルタと、前記騒音源からの
騒音を信号処理する第1のディジタルフィルタと、前記
アダプティブフィルタの出力を再生するスピーカと、前
記アダプティブフィルタの出力を信号処理する第2のデ
ィジタルフィルタと、前記アダプティブフィルタの出力
を信号処理する第3のディジタルフィルタと、騒音制御
による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置から離
れたところに設置された誤差検出器と、前記誤差検出器
の出力から前記第3のディジタルフィルタの出力を減算
する減算器と、前記減算器の出力と前記第2のディジタ
ルフィルタの出力を加算する加算器と、前記第1のディ
ジタルフィルタの出力と前記加算器の出力から前記アダ
プティブフィルタの係数を演算して更新する係数演算器
とから構成されている。
【0023】第2の目的を達成するために第2の発明の
消音装置は、騒音源からの騒音を検出する騒音検出器
と、m個のアダプティブフィルタと、(m×n)個の第
1のディジタルフィルタと、m個のスピーカと、(m×
n)個の第2のディジタルフィルタと、(m×n)個の
第3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減衰
効果を得るところの騒音制御位置から離れたところに設
置されたn個の誤差検出器と、n個の減算器と、(m×
n)個の加算器と、(m×n)個の係数演算器と、m個
の係数加算器を有し、騒音検出器の出力はj(j=1、
2、…、m)番目のアダプティブフィルタとjk(k=
1、2、…、n)番目の第1のディジタルフィルタに入
力され、あるj(=J)番目のアダプティブフィルタの
出力はn個のJk番目の第2のディジタルフィルタとn
個のJk番目の第3のディジタルフィルタに入力され、
またJ番目のアダプティブフィルタの出力はJ番目のス
ピーカにより再生され、あるk(=K)番目の減算器に
よってK番目の誤差検出器の出力からJK番目の第3の
ディジタルフィルタの出力と(m−1)個のJ'K(J'
≠J)番目の第3のディジタルフィルタの出力を減算し
てその出力をm個のjK番目の加算器に入力し、JK番
目の加算器によってK番目の減算器の出力とJK番目の
第2のディジタルフィルタの出力を加算し、JK番目の
係数演算器はJK番目の第1のディジタルフィルタの出
力とJK番目の加算器の出力によってK番目の騒音制御
点におけるJ番目のアダプティブフィルタについての係
数を求め、J番目の係数加算器によってJK番目の係数
演算器の出力と(n−1)個のJK'(K'≠K)番目の
係数演算器の出力を加算してJ番目のアダプティブフィ
ルタの係数を更新するように構成されている。
【0024】第3の目的を達成するために第3の発明の
消音装置は、l個の騒音源からの騒音を検出するl個の
騒音検出器と、(l×m)個のアダプティブフィルタ
と、(l×m×n)個の第1のディジタルフィルタと、
m個のスピーカと、m個の制御信号加算器と、(l×m
×n)個の第2のディジタルフィルタと、(m×n)個
の第3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減
衰効果を得るところの騒音制御位置から離れたところに
設置されたn個の誤差検出器と、n個の減算器と、(l
×m×n)個の加算器と、(l×m×n)個の係数演算
器と、(l×m)個の係数加算器を有し、i(i=1、
2、…、l)番目の騒音検出器の内、あるi(=I)番
目の騒音検出器の出力はm個のIj(j=1、2、…、
m)番目のアダプティブフィルタと(m×n)個のIj
k(k=1、2、…、n)番目の第1のディジタルフィ
ルタに入力され、あるひとつのIj(=IJ)番目のア
ダプティブフィルタの出力はn個のIJk番目の第2の
ディジタルフィルタとJ番目の制御信号加算器に入力さ
れ、そのJ番目の制御信号加算器によってIJ番目のア
ダプティブフィルタの出力と(l−1)個のI'J(I'
≠I)番目のアダプティブフィルタの出力を加算し、J
番目の制御信号加算器の出力はn個のJk番目の第3の
ディジタルフィルタとJ番目のスピーカに入力され、あ
るk(=K)番目の減算器によってK番目の誤差検出器
の出力からJK番目の第3のディジタルフィルタの出力
と(m−1)個のJ'K(J'≠K)番目の第3のディジ
タルフィルタの出力を減算してその出力を(l×m)個
のijK番目の加算器に入力し、IJK番目の加算器に
よってK番目の減算器の出力とIJK番目の第2のディ
ジタルフィルタの出力を加算し、IJK番目の係数演算
器はIJK番目の第1のディジタルフィルタの出力とI
JK番目の加算器の出力によってK番目の騒音制御点に
おけるJ番目のスピーカによるI番目の騒音に対するI
J番目のアダプティブフィルタの係数を求め、IJ番目
の係数加算器によってIJK番目の係数演算器の出力と
(n−1)個のIJK'(K'≠K)番目の係数演算器の
出力を加算してIJ番目のアダプティブフィルタの係数
を更新するように構成されている。
【0025】第4の目的を達成するために第4の発明の
消音装置は、l個の騒音源からの騒音を検出するl個の
騒音検出器と、(l×m)個のアダプティブフィルタ
と、(l×m×n)個の第1のディジタルフィルタと、
m個のスピーカと、m個の制御信号加算器と、(m×
n)個の第2のディジタルフィルタと、(m×n)個の
第3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減衰
効果を得るところの騒音制御位置から離れたところに設
置されたn個の誤差検出器と、n個の減算器と、(m×
n)個の加算器と、(l×m×n)個の係数演算器と、
(l×m)個の係数加算器を有し、i(i=1、2、
…、l)番目の騒音検出器の内、あるi(=I)番目の
騒音検出器の出力はm個のIj(j=1、2、…、m)
番目のアダプティブフィルタと(m×n)個のIjk
(k=1、2、…、n)番目の第1のディジタルフィル
タに入力され、あるひとつのIj(=IJ)番目のアダ
プティブフィルタの出力はJ番目の制御信号加算器に入
力され、そのJ番目の制御信号加算器によってIJ番目
のアダプティブフィルタの出力と(l−1)個のI'J
(I'≠I)番目のアダプティブフィルタの出力を加算
し、J番目の制御信号加算器の出力はn個のJk番目の
第2のディジタルフィルタとn個のJk番目の第3のデ
ィジタルフィルタとJ番目のスピーカに入力され、ある
k(=K)番目の減算器によってK番目の誤差検出器の
出力からJK番目の第3のディジタルフィルタの出力と
(m−1)個のJ'K(J'≠K)番目の第3のディジタ
ルフィルタの出力を減算してその出力をm個のjK番目
の加算器に入力し、JK番目の加算器によってK番目の
減算器の出力とJK番目の第2のディジタルフィルタの
出力を加算してその出力をl個のiJK番目の係数演算
器に入力し、IJK番目の係数演算器はIJK番目の第
1のディジタルフィルタの出力とJK番目の加算器の出
力によってK番目の騒音制御点におけるJ番目のスピー
カによるI番目の騒音に対するIJ番目のアダプティブ
フィルタの係数を求め、IJ番目の係数加算器によって
IJK番目の係数演算器の出力と(n−1)個のIJ
K'(K'≠K)番目の係数演算器の出力を加算してIJ
番目のアダプティブフィルタの係数を更新するように構
成されている。
【0026】第5の目的を達成するために第5の発明の
消音装置は、騒音を適応制御するアダプティブフィルタ
と、同じく騒音を信号処理する第1のディジタルフィル
タと、前記アダプティブフィルタの出力を再生するスピ
ーカと、前記アダプティブフィルタの出力を信号処理す
る第2のディジタルフィルタと、同じく前記アダプティ
ブフィルタの出力を信号処理する第3のディジタルフィ
ルタと、騒音制御による最適減衰効果を得るところの騒
音制御位置から離れたところに設置された誤差検出器
と、前記誤差検出器の出力から前記第3のディジタルフ
ィルタの出力を減算してその出力を前記アダプティブフ
ィルタと第1のディジタルフィルタの騒音入力信号とす
る減算器と、前記減算器の出力と前記第2のディジタル
フィルタの出力を加算する加算器と、前記第1のディジ
タルフィルタの出力と前記加算器の出力から前記アダプ
ティブフィルタの係数を演算して更新する係数演算器と
から構成されている。
【0027】第6の目的を達成するために第6の発明の
消音装置は、m個のアダプティブフィルタと、(m×
n)個の第1のディジタルフィルタと、m個のスピーカ
と、(m×n)個の第2のディジタルフィルタと、(m
×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒音制御によ
る最適減衰効果を得るところの騒音制御位置から離れた
ところに設置されたn個の誤差検出器と、n個の減算器
と、(m×n)個の加算器と、(m×n)個の係数演算
器と、m個の係数加算器を有し、騒音信号はj(j=
1、2、…、m)番目のアダプティブフィルタとjk
(k=1、2、…、n)番目の第1のディジタルフィル
タでそれぞれ信号処理され、あるj(=J)番目のアダ
プティブフィルタの出力はn個のJk番目の第2のディ
ジタルフィルタとn個のJk番目の第3のディジタルフ
ィルタに入力され、またJ番目のアダプティブフィルタ
の出力はJ番目のスピーカにより再生され、あるk(=
K)番目の減算器によってK番目の誤差検出器の出力か
らJK番目の第3のディジタルフィルタの出力と(m−
1)個のJ'K(J'≠J)番目の第3のディジタルフィ
ルタの出力を減算してその出力をJ番目のアダプティブ
フィルタとn個のJk番目の第1のディジタルフィルタ
の騒音信号として入力し、さらにK番目の減算器の出力
はm個のjK番目の加算器に入力され、JK番目の加算
器によってK番目の減算器の出力とJK番目の第2のデ
ィジタルフィルタの出力を加算し、JK番目の係数演算
器はJK番目の第1のディジタルフィルタの出力とJK
番目の加算器の出力によってK番目の騒音制御点におけ
るJ番目のアダプティブフィルタについての係数を求
め、J番目の係数加算器によってJK番目の係数演算器
の出力と(n−1)個のJK'(K'≠K)番目の係数演
算器の出力を加算してJ番目のアダプティブフィルタの
係数を更新するように構成されている。
【0028】第7の目的を達成するために第7の発明の
消音装置は、(m×n)個のアダプティブフィルタと、
(m×n)個の第1のディジタルフィルタと、m個のス
ピーカと、(m×n)個の第2のディジタルフィルタ
と、(m×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒音
制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置か
ら離れたところに設置されたn個の誤差検出器と、n個
の減算器と、(m×n)個の加算器と、(m×n)個の
係数演算器と、m個の制御信号加算器を有し、騒音信号
はjk(j=1、2、…、m ;k=1、2、…、n)
番目のアダプティブフィルタとjk番目の第1のディジ
タルフィルタでそれぞれ信号処理され、あるjk(=J
K)番目のアダプティブフィルタの出力と(n−1)個
のJK'(K'≠K)番目のアダプティブフィルタの出力
はJ番目の制御信号加算器によって加算され、J番目の
制御信号加算器の出力はn個のJk番目の第2のディジ
タルフィルタとn個のJk番目の第3のディジタルフィ
ルタに入力され、またJ番目の制御信号加算器の出力は
J番目のスピーカにより再生され、K番目の減算器によ
ってK番目の誤差検出器の出力からJK番目の第3のデ
ィジタルフィルタの出力と(m−1)個のJ'K(J'≠
J)番目の第3のディジタルフィルタの出力を減算して
その出力をm個のjK番目のアダプティブフィルタとm
個のjK番目の第1のディジタルフィルタの騒音信号と
して入力し、さらにK番目の減算器の出力はm個のjK
番目の加算器に入力され、JK番目の加算器によってK
番目の減算器の出力とJK番目の第2のディジタルフィ
ルタの出力を加算し、JK番目の係数演算器はJK番目
の第1のディジタルフィルタの出力とJK番目の加算器
の出力によってJ番目のアダプティブフィルタの係数を
求めて更新するように構成されている。
【0029】同じく第7の目的を達成するために第8の
発明の消音装置は、(m×n)個のアダプティブフィル
タと、(m×n)個の第1のディジタルフィルタと、m
個のスピーカと、(m×n)個の第2のディジタルフィ
ルタと、(m×n)個の第3のディジタルフィルタと、
騒音制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位
置から離れたところに設置されたn個の誤差検出器と、
n個の減算器と、(m×n)個の加算器と、(m×n)
個の係数演算器と、m個の制御信号加算器を有し、騒音
信号はjk(j=1、2、…、m ;k=1、2、…、
n)番目のアダプティブフィルタとjk番目の第1のデ
ィジタルフィルタでそれぞれ信号処理され、あるjk
(=JK)番目のアダプティブフィルタの出力はJK番
目の第2のディジタルフィルタとJ番目の制御信号加算
器に入力され、J番目の制御信号加算器によってJK番
目のアダプティブフィルタの出力と(n−1)個のJ
K'(K'≠K)番目のアダプティブフィルタの出力が加
算され、J番目の制御信号加算器の出力はn個のJk番
目の第3のディジタルフィルタに入力され、またJ番目
の制御信号加算器の出力はJ番目のスピーカにより再生
され、K番目の減算器によってK番目の誤差検出器の出
力からJK番目の第3のディジタルフィルタの出力と
(m−1)個のJ'K(J'≠J)番目の第3のディジタ
ルフィルタの出力を減算してその出力をm個のjK番目
のアダプティブフィルタとm個のjK番目の第1のディ
ジタルフィルタの騒音信号として入力し、さらにK番目
の減算器の出力はm個のjK番目の加算器に入力され、
JK番目の加算器によってK番目の減算器の出力とJK
番目の第2のディジタルフィルタの出力を加算し、JK
番目の係数演算器はJK番目の第1のディジタルフィル
タの出力とJK番目の加算器の出力によってJ番目のア
ダプティブフィルタの係数を求めて更新するように構成
されている。
【0030】第8の目的を達成するために第9の発明の
消音装置は、騒音源からの騒音を検出する騒音検出器
と、前記騒音検出器からの騒音を適応制御するアダプテ
ィブフィルタと、前記騒音源からの騒音を信号処理する
第1のディジタルフィルタと、前記アダプティブフィル
タの出力を再生するスピーカと、前記アダプティブフィ
ルタの出力を信号処理する第2のディジタルフィルタ
と、前記アダプティブフィルタの出力を信号処理する第
3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減衰効
果を得るところの騒音制御位置から離れたところに設置
された誤差検出器と、前記誤差検出器の出力を信号処理
する第4のディジタルフィルタと、前記第4のディジタ
ルフィルタの出力から前記第3のディジタルフィルタの
出力を減算する減算器と、前記減算器の出力と前記第2
のディジタルフィルタの出力を加算する加算器と、前記
第1のディジタルフィルタの出力と前記加算器の出力か
ら前記アダプティブフィルタの係数を演算して更新する
係数演算器とから構成されている。
【0031】第9の目的を達成するために第10の発明
の消音装置は、騒音源からの騒音を検出する騒音検出器
と、m個のアダプティブフィルタと、(m×n)個の第
1のディジタルフィルタと、m個のスピーカと、(m×
n)個の第2のディジタルフィルタと、(m×n)個の
第3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減衰
効果を得るところの騒音制御位置から離れたところに設
置されたn個の誤差検出器と、n個の第4のディジタル
フィルタと、n個の減算器と、(m×n)個の加算器
と、(m×n)個の係数演算器と、m個の係数加算器を
有し、騒音検出器の出力はj(j=1、2、…、m)番
目のアダプティブフィルタとjk(k=1、2、…、
n)番目の第1のディジタルフィルタに入力され、ある
j(=J)番目のアダプティブフィルタの出力はn個の
Jk番目の第2のディジタルフィルタとn個のJk番目
の第3のディジタルフィルタに入力され、またJ番目の
アダプティブフィルタの出力はJ番目のスピーカにより
再生され、あるk(=K)番目の誤差検出器の出力はK
番目の第4のディジタルフィルタで信号処理され、K番
目の減算器によってK番目の第4のディジタルフィルタ
の出力からJK番目の第3のディジタルフィルタの出力
と(m−1)個のJ'K(J'≠J)番目の第3のディジ
タルフィルタの出力を減算してその出力をm個のjK番
目の加算器に入力し、JK番目の加算器によってK番目
の減算器の出力とJK番目の第2のディジタルフィルタ
の出力を加算し、JK番目の係数演算器はJK番目の第
1のディジタルフィルタの出力とJK番目の加算器の出
力によってK番目の騒音制御点におけるJ番目のアダプ
ティブフィルタについての係数を求め、J番目の係数加
算器によってJK番目の係数演算器の出力と(n−1)
個のJK'(K'≠K)番目の係数演算器の出力を加算し
てJ番目のアダプティブフィルタの係数を更新するよう
に構成されている。
【0032】第10の目的を達成するために第11の発
明の消音装置は、騒音を適応制御するアダプティブフィ
ルタと、騒音を信号処理する第1のディジタルフィルタ
と、前記アダプティブフィルタの出力を再生するスピー
カと、前記アダプティブフィルタの出力を信号処理する
第2のディジタルフィルタと、前記アダプティブフィル
タの出力を信号処理する第3のディジタルフィルタと、
騒音制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位
置から離れたところに設置された誤差検出器と、前記誤
差検出器の出力を信号処理する第4のディジタルフィル
タと、前記第4のディジタルフィルタの出力から前記第
3のディジタルフィルタの出力を減算してその出力を前
記アダプティブフィルタと第1のディジタルフィルタの
騒音入力信号とする減算器と、前記減算器の出力と前記
第2のディジタルフィルタの出力を加算する加算器と、
前記第1のディジタルフィルタの出力と前記加算器の出
力から前記アダプティブフィルタの係数を演算して更新
する係数演算器とから構成されている。
【0033】第11の目的を達成するために第12の発
明の消音装置は、m個のアダプティブフィルタと、(m
×n)個の第1のディジタルフィルタと、m個のスピー
カと、(m×n)個の第2のディジタルフィルタと、
(m×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒音制御
による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置から離
れたところに設置されたn個の誤差検出器と、n個の第
4のディジタルフィルタと、n個の減算器と、(m×
n)個の加算器と、(m×n)個の係数演算器と、m個
の係数加算器を有し、騒音信号はj(j=1、2、…、
m)番目のアダプティブフィルタとjk(k=1、2、
…、n)番目の第1のディジタルフィルタでそれぞれ信
号処理され、あるj(=J)番目のアダプティブフィル
タの出力はn個のJk番目の第2のディジタルフィルタ
とn個のJk番目の第3のディジタルフィルタに入力さ
れ、またJ番目のアダプティブフィルタの出力はJ番目
のスピーカにより再生され、あるk(=K)番目の誤差
検出器の出力はK番目の第4のディジタルフィルタで信
号処理され、K番目の減算器によってK番目の第4のデ
ィジタルフィルタの出力からJK番目の第3のディジタ
ルフィルタの出力と(m−1)個のJ'K(J'≠J)番
目の第3のディジタルフィルタの出力を減算してその出
力をJ番目のアダプティブフィルタとn個のJk番目の
第1のディジタルフィルタの騒音信号として入力し、さ
らにK番目の減算器の出力はm個のjK番目の加算器に
入力され、JK番目の加算器によってK番目の減算器の
出力とJK番目の第2のディジタルフィルタの出力を加
算し、JK番目の係数演算器はJK番目の第1のディジ
タルフィルタの出力とJK番目の加算器の出力によって
K番目の騒音制御点におけるJ番目のアダプティブフィ
ルタについての係数を求め、J番目の係数加算器によっ
てJK番目の係数演算器の出力と(n−1)個のJK'
(K'≠K)番目の係数演算器の出力を加算してJ番目
のアダプティブフィルタの係数を更新するように構成さ
れている。
【0034】第12の目的を達成するために第13の発
明の消音装置は、(m×n)個のアダプティブフィルタ
と、(m×n)個の第1のディジタルフィルタと、m個
のスピーカと、(m×n)個の第2のディジタルフィル
タと、(m×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒
音制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置
から離れたところに設置されたn個の誤差検出器と、n
個の第4のディジタルフィルタと、n個の減算器と、
(m×n)個の加算器と、(m×n)個の係数演算器
と、m個の制御信号加算器を有し、騒音信号はjk(j
=1、2、…、m;k=1、2、…、n)番目のアダプ
ティブフィルタとjk番目の第1のディジタルフィルタ
でそれぞれ信号処理され、あるjk(=JK)番目のア
ダプティブフィルタの出力と(n−1)個のJK'(K'
≠K)番目のアダプティブフィルタの出力はJ番目の制
御信号加算器によって加算され、J番目の制御信号加算
器の出力はn個のJk番目の第2のディジタルフィルタ
とn個のJk番目の第3のディジタルフィルタに入力さ
れ、またJ番目の制御信号加算器の出力はJ番目のスピ
ーカにより再生され、K番目の誤差検出器の出力はK番
目の第4のディジタルフィルタで信号処理され、K番目
の減算器によってK番目の第4のディジタルフィルタの
出力からJK番目の第3のディジタルフィルタの出力と
(m−1)個のJ'K(J'≠J)番目の第3のディジタ
ルフィルタの出力を減算してその出力をm個のjK番目
のアダプティブフィルタとm個のjK番目の第1のディ
ジタルフィルタの騒音信号として入力し、さらにK番目
の減算器の出力はm個のjK番目の加算器に入力され、
JK番目の加算器によってK番目の減算器の出力とJK
番目の第2のディジタルフィルタの出力を加算し、JK
番目の係数演算器はJK番目の第1のディジタルフィル
タの出力とJK番目の加算器の出力によってJ番目のア
ダプティブフィルタの係数を求めて更新するように構成
されている。
【0035】同じく第12の目的を達成するために第1
4の発明の消音装置は、(m×n)個のアダプティブフ
ィルタと、(m×n)個の第1のディジタルフィルタ
と、m個のスピーカと、(m×n)個の第2のディジタ
ルフィルタと、(m×n)個の第3のディジタルフィル
タと、騒音制御による最適減衰効果を得るところの騒音
制御位置から離れたところに設置されたn個の誤差検出
器と、n個の第4のディジタルフィルタと、n個の減算
器と、(m×n)個の加算器と、(m×n)個の係数演
算器と、m個の制御信号加算器を有し、騒音信号はjk
(j=1、2、…、m ;k=1、2、…、n)番目の
アダプティブフィルタとjk番目の第1のディジタルフ
ィルタでそれぞれ信号処理され、あるjk(=JK)番
目のアダプティブフィルタの出力はJK番目の第2のデ
ィジタルフィルタとJ番目の制御信号加算器に入力さ
れ、J番目の制御信号加算器によってJK番目のアダプ
ティブフィルタの出力と(n−1)個のJK'(K'≠
K)番目のアダプティブフィルタの出力が加算され、J
番目の制御信号加算器の出力はn個のJk番目の第3の
ディジタルフィルタに入力され、またJ番目の制御信号
加算器の出力はJ番目のスピーカにより再生され、K番
目の誤差検出器の出力はK番目の第4のディジタルフィ
ルタで信号処理され、K番目の減算器によってK番目の
第4のディジタルフィルタの出力からJK番目の第3の
ディジタルフィルタの出力と(m−1)個のJ'K(J'
≠J)番目の第3のディジタルフィルタの出力を減算し
てその出力をm個のjK番目のアダプティブフィルタと
m個のjK番目の第1のディジタルフィルタの騒音信号
として入力し、さらにK番目の減算器の出力はm個のj
K番目の加算器に入力され、JK番目の加算器によって
K番目の減算器の出力とJK番目の第2のディジタルフ
ィルタの出力を加算し、JK番目の係数演算器はJK番
目の第1のディジタルフィルタの出力とJK番目の加算
器の出力によってJ番目のアダプティブフィルタの係数
を求めて更新するように構成されている。
【0036】
【作用】第1の発明の構成により、誤差検出器が実際の
評価点から離れた位置に設置されていても、第2および
第3のディジタルフィルタによる制御信号の補正によ
り、アダプティブフィルタは実際の評価点を制御するよ
うに係数更新されるので、誤差検出器から離れた評価点
において騒音を十分に減衰することができる。
【0037】第2の発明では、複数のスピーカと誤差検
出器を用いて騒音制御を行う構成となっているので、第
1の発明の効果を複数の評価点で得ることができる。
【0038】第3の発明の構成は、第2の発明の構成を
複数の騒音源に対して制御可能な構成となっているの
で、複数の騒音源に対しても第2の発明と同様の効果を
得ることができる。
【0039】第4の発明の構成は、第3の発明における
第2のディジタルフィルタを制御信号加算器からの出力
を信号処理する構成としたことにより、演算量を軽減し
ながら第3の発明と同様の効果を得ることができる。
【0040】第5の発明の構成では、減算器の出力をア
ダプティブフィルタと第1のディジタルフィルタの入力
信号としたことによりハードウエアを軽減でき、しかも
第3のディジタルフィルタによる制御信号の補正により
誤差検出器から離れた評価点において周期性騒音を十分
に減衰することができる。
【0041】第6の発明では、減算器の出力をアダプテ
ィブフィルタと第1のディジタルフィルタの入力信号と
し、しかも複数のスピーカと誤差検出器を用いて騒音制
御を行う構成となっているので、第5の発明の効果を複
数の評価点で得ることができる。
【0042】第7の発明では、アダプティブフィルタと
第1のディジタルフィルタが制御を行う誤差検出器で検
出した騒音信号を出力する減算器の出力をアダプティブ
フィルタと第1のディジタルフィルタの入力信号とし、
しかも複数のスピーカと誤差検出器を用いて騒音制御を
行う構成となっているので、第6の発明の効果をより安
定に得ることができる。
【0043】第8の発明では、各LMS演算器の誤差信
号にはそのLMS演算器が求めるアダプティブフィルタ
の出力以外のアダプティブフィルタの出力は含まれない
ので、各LMS演算器は効率よく演算できる。
【0044】第9の発明の構成により、誤差検出器が実
際の評価点から離れた位置に設置されていても、第4の
ディジタルフィルタによる誤差検出信号の補正により、
実際の評価点における騒音信号を検出でき、また第2お
よび第3のディジタルフィルタによる制御信号の補正に
より、アダプティブフィルタは実際の評価点を制御する
ように係数更新されるので、誤差検出器から離れた評価
点においてあたかも評価点に誤差検出器を設置した場合
と同じ効果を得ることができる。
【0045】第10の発明では、複数のスピーカと誤差
検出器を用いて騒音制御を行う構成となっているので、
第9の発明の効果を複数の評価点で得ることができる。
【0046】第11の発明の構成では、減算器の出力を
アダプティブフィルタと第1のディジタルフィルタの入
力信号としたことによりハードウエアを軽減でき、しか
も第4のディジタルフィルタによる誤差検出信号の補正
と第3のディジタルフィルタによる制御信号の補正によ
り誤差検出器から離れた評価点においてあたかも評価点
に誤差検出器を設置した場合と同じ効果を得ることがで
きる。
【0047】第12の発明では、減算器の出力をアダプ
ティブフィルタと第1のディジタルフィルタの入力信号
とし、しかも複数のスピーカと誤差検出器を用いて騒音
制御を行う構成となっているので、第11の発明の効果
を複数の評価点で得ることができる。
【0048】第13の発明では、アダプティブフィルタ
と第1のディジタルフィルタが制御を行う誤差検出器で
検出した騒音信号を出力する減算器の出力をアダプティ
ブフィルタと第1のディジタルフィルタの入力信号と
し、しかも複数のスピーカと誤差検出器を用いて騒音制
御を行う構成となっているので、第12の発明の効果を
より安定に得ることができる。
【0049】第14の発明では、各LMS演算器の誤差
信号にはそのLMS演算器が求めるアダプティブフィル
タの出力以外のアダプティブフィルタの出力は含まれな
いので、各LMS演算器は効率よく演算できる。
【0050】
【実施例】以下、第1の発明の一実施例について、図面
を参照しながら説明する。
【0051】(図1)は第1の発明の一実施例における
消音装置のブロック図を示すものである。(図1)にお
いて、1は騒音検出器であるところのマイクロホン、2
は誤差検出器であるところのマイクロホン、3はアダプ
ティブフィルタ、4はスピーカ、5は第1のディジタル
フィルタであるところのFIRフィルタ、6は第2のデ
ィジタルフィルタであるところのFIRフィルタ、7は
第3のディジタルフィルタであるところのFIRフィル
タ、8は係数演算器であるところのLMS演算器、9は
加算器、10は減算器である。
【0052】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず騒音はマイク
ロホン1で検出され、その検出信号がアダプティブフィ
ルタ3とFIRフィルタ5に入力される。そして、アダ
プティブフィルタ3で信号処理された騒音信号はFIR
フィルタ6、FIRフィルタ7、スピーカ4に入力され
る。そして、実際の評価点から離れた位置に設置された
マイクロホン2ではスピーカ4からの再生音と騒音源か
らの騒音が検出される。
【0053】マイクロホン2の検出信号は、減算器10
においてFIRフィルタ7の出力信号と減算される。こ
こで、FIRフィルタ7には、予めスピーカ4からマイ
クロホン2までの伝達関数C(jω)が係数c(n)として同
定されている。よって、減算器10の出力にはアダプテ
ィブフィルタ3の出力成分が除去されることになり、結
果としてマイクロホン2で検出される騒音信号だけにな
る。そして、その減算器10の出力は加算器9において
FIRフィルタ6の出力と加算され、LMS演算器8に
入力される。ここで、FIRフィルタ6には予めスピー
カ4から実際の評価点(例えば受聴者の耳元)までの伝
達関数B(jω)が係数b(n)として同定されている。よっ
て、加算器9の出力は、あたかも実際の評価点に設置し
たマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。
【0054】LMS演算器8はFIRフィルタ5と加算
器9の出力により、加算器9の出力が最小となるように
アダプティブフィルタ3の係数を更新する。これを数式
で表現すると以下のように表わせる。
【0055】e3(n)=y3(n)+e2(n) =y1T (n)b(n)+e1(n)−y2(n) =y1T (n)b(n)+XT (n)G0(n) +y1T (n)C(n)−y1T (n)c(n) ここで、C(n)≒c(n) とすると、 e3(n)=y1T(n)b(n)+xT(n)G0
(n) となるので、
【0056】
【数4】
【0057】ただし、 w(n) ;アダプティブフィルタ3の係数 α ;ステップパラメータ r(n) ;FIRフィルタ5の出力信号 e3(n);加算器9の出力信号 (数4)により e3(n)≒0 に近づくとすると、アダプ
ティブフィルタ3の係数w(n)の周波数特性W(k)は
{−G0(k)/B(k)}に近似される。よって、(図1
8)および(図20)の場合と比べると、アダプティブ
フィルタ3の係数W(k)は(図18)の{−G1(k)/
B(k)}とは分子のみが異なっているだけであり、(図
20)の分母も分子も異なっている場合よりもその差は
小さくなっている。このことより、実際の評価点での効
果は伝達関数C(jω)には影響されず、騒音特性にのみ
影響される。騒音が低周波数成分を多く含む場合、評価
点での消音効果の劣化は抑制され、特にスピーカ4とマ
イクロホン2の距離差を無視できる低周波騒音の場合に
は(図18)の効果と殆ど同じ効果を得ることができ
る。
【0058】さて、FIRフィルタ5〜7の係数b(n)、
c(n)は上記演算を行う前に求めるが、FIRフィルタ7
の係数c(n)は(図21)の場合と同様に求め、FIRフ
ィルタ5〜6の係数b(n)は(図19)の場合と同様に求
める。ただし、FIRフィルタ5については(図2)の
構成で求めても良い。
【0059】次に、第2の発明の一実施例について、図
面を参照しながら説明する。(図3)は第2の発明の一
実施例における消音装置のブロック図を示すものであ
り、複数の制御点が存在する場合である。(図3)にお
いて、1は騒音検出器であるところのマイクロホン、2
a〜2bは誤差検出器であるところのマイクロホン、3
a〜3bはアダプティブフィルタ、4a〜4bはスピー
カ、5a〜5dは第1のディジタルフィルタであるとこ
ろのFIRフィルタ、6a〜6dは第2のディジタルフ
ィルタであるところのFIRフィルタ、7a〜7dは第
3のディジタルフィルタであるところのFIRフィル
タ、8a〜8dは係数演算器であるところのLMS演算
器、9a〜9dは加算器、10a〜10dは減算器、1
3a〜13bは係数加算器である。
【0060】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず騒音はマイク
ロホン1で検出され、その検出信号がアダプティブフィ
ルタ3a〜3bとFIRフィルタ5a〜5dに入力され
る。そして、アダプティブフィルタ3aで信号処理され
た騒音信号はFIRフィルタ6a〜6bとFIRフィル
タ7a〜7bとスピーカ4aに入力され、アダプティブ
フィルタ3bで信号処理された騒音信号はFIRフィル
タ6c〜6dとFIRフィルタ7c〜7dとスピーカ4
bに入力される。そして、制御位置に設置されたマイク
ロホン2a〜2bでは、スピーカ4a〜4bからの再生
音と騒音源からの騒音を検出する。マイクロホン2aの
検出信号は、減算器10aにおいてFIRフィルタ7a
の出力信号と減算される。ここで、FIRフィルタ7a
には、予めスピーカ4aからマイクロホン2aまでの伝
達関数C11(jω)が係数c11(n)として同定されてい
る。よって、減算器10aの出力にはアダプティブフィ
ルタ3aの出力成分が除去されることになる。
【0061】次に、その出力は減算器10cにおいてF
IRフィルタ7cの出力信号と減算される。ここで、F
IRフィルタ7cには、予めスピーカ4bからマイクロ
ホン2aまでの伝達関数C21(jω)が係数c21(n)とし
て同定されている。よって、減算器10cの出力にはア
ダプティブフィルタ3bの出力成分が除去されることに
なり、結果としてマイクロホン2aで検出される騒音信
号だけになる。
【0062】同様に、減算器10bの出力にはアダプテ
ィブフィルタ3a〜3bの出力成分が除去されて、マイ
クロホン2bで検出される騒音信号だけになる。そし
て、減算器10cの出力は加算器9aにおいてFIRフ
ィルタ6aの出力と加算され、LMS演算器8aに入力
される。ここで、FIRフィルタ6aには、予めスピー
カ4aから実際の評価点(例えば受聴者の右耳元)まで
の伝達関数B11(jω)が係数b11(n)として同定されて
いる。よって加算器9aの出力は、あたかも実際の評価
点である右耳元に設置したマイクロホンの検出信号にお
よそ等しくなる。
【0063】同様に、加算器9b、9dの出力はあたか
も左耳元に設置したマイクロホンの検出信号におよそ等
しくなり、加算器9cの出力はあたかも右耳元に設置し
たマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。LMS
演算器8aはFIRフィルタ5aと加算器9aの出力に
より、加算器9aの出力が最小となるようにアダプティ
ブフィルタ3aの係数を計算する。よってLMS演算器
8aでは、アダプティブフィルタ3aがスピーカ4aを
用いて右耳元を制御するときの係数が求められる。
【0064】同様に、LMS演算器8bはFIRフィル
タ5bと加算器9bの出力により、加算器9bの出力が
最小となるようにアダプティブフィルタ3aの係数を計
算し、その係数はアダプティブフィルタ3aがスピーカ
4aを用いて左耳元を制御するときのものとなる。そし
て、係数加算器13aにおいて、LMS演算器8aで求
めた係数とLMS演算器8bで求めた係数を加算して、
アダプティブフィルタ3aの係数を更新する。アダプテ
ィブフィルタ3bについても同様である。
【0065】以上より、(図1)の場合と同様にアダプ
ティブフィルタ3a〜3bは、スピーカ4a〜4bとマ
イクロホン2a〜2bが評価点よりも離れたところに設
置されていても、あたかも評価点を制御しているように
動作するので、評価点での消音効果の劣化を抑制するこ
とができる。また例えば、LMS演算器8aに注目する
と、LMS演算の誤差入力である加算器9aの出力に
は、マイクロホン2aで検出した騒音信号とFIRフィ
ルタ6aで信号処理されたアダプティブフィルタ3aの
出力信号のみが含まれるので、LMS演算が効率よく、
また精度よく実行される。
【0066】なお本実施例では、誤差検出用マイクロホ
ンおよびスピーカを2個としたが、用途に応じて増やせ
ばよく、その場合増加分に対してアルゴリズムを自然に
拡張してやれば良い。また、減算器10aと減算器10
cを一つにまとめてマイクロホン2aの出力からFIR
フィルタ7a、7cの出力を減算し、同様に減算器10
bと減算器10dを一つにまとめて、マイクロホン2b
の出力からFIRフィルタ7b、7dの出力を減算する
構成でも良い。
【0067】次に、第3の発明の一実施例について、図
面を参照しながら説明する。(図4)は第3の発明の一
実施例における消音装置のブロック図を示すものであ
り、複数の騒音を複数の制御点で制御する場合である。
(図4)において、1a〜1bは騒音検出器であるとこ
ろのマイクロホン、2a〜2bは誤差検出器であるとこ
ろのマイクロホン、3a〜3dはアダプティブフィル
タ、4a〜4bはスピーカ、5a〜5hは第1のディジ
タルフィルタであるところのFIRフィルタ、6a〜6
hは第2のディジタルフィルタであるところのFIRフ
ィルタ、7a〜7dは第3のディジタルフィルタである
ところのFIRフィルタ、8a〜8hは係数演算器であ
るところのLMS演算器、9a〜9hは加算器、10a
〜10dは減算器、13a〜13dは係数加算器、14
a〜14bは制御信号加算器である。
【0068】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず、騒音はマイ
クロホン1a〜1bでそれぞれ検出され、その検出信号
がアダプティブフィルタ3a〜3dとFIRフィルタ5
a〜5hにそれぞれ入力される。まず、スピーカ4aに
よる制御を考える。アダプティブフィルタ3aで信号処
理された騒音信号はFIRフィルタ6a〜6bに入力さ
れ、アダプティブフィルタ3cで信号処理された騒音信
号はFIRフィルタ6e〜6fに入力される。また、ア
ダプティブフィルタ3a、3cの出力は制御信号加算器
14aによって加算される。そして、その出力はFIR
フィルタ7a〜7bとスピーカ4aに入力される。そし
て、制御位置に設置されたマイクロホン2a〜2bでは
スピーカ4aからの再生音と騒音源からの騒音を検出す
る。マイクロホン2aの検出信号は、減算器10aにお
いてFIRフィルタ7aの出力信号と減算される。ここ
で、FIRフィルタ7aには、予めスピーカ4aからマ
イクロホン2aまでの伝達関数C11(jω)が係数c11
(n)として同定されている。よって、減算器10aの出
力には、アダプティブフィルタ3a、3cの出力成分が
除去されることになる。
【0069】次に、その出力は減算器10cにおいてF
IRフィルタ7cの出力信号と減算される。ここで、F
IRフィルタ7cには、予めスピーカ4bからマイクロ
ホン2aまでの伝達関数C21(jω)が係数c21(n)とし
て同定されている。よって、減算器10cの出力にはア
ダプティブフィルタ3b、3dの出力成分が除去される
ことになり、結果としてマイクロホン2aで検出される
騒音信号だけになる。同様に、減算器10bの出力には
マイクロホン2bで検出される騒音信号だけになる。そ
して、減算器10cの出力は加算器9a、9eにおいて
FIRフィルタ6a、6eの出力と加算されLMS演算
器8a、8eに入力される。ここで、FIRフィルタ6
a、6eには、予めスピーカ4aから実際の評価点(例
えば受聴者の右耳元)までの伝達関数B11(jω)が係
数b11(n)として同定されている。よって、加算器9a、
9eの出力は、あたかも実際の評価点である右耳元に設
置したマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。
【0070】同様に、加算器9b、9fの出力はあたか
も左耳元に設置したマイクロホンの検出信号におよそ等
しくなる。LMS演算器8aはFIRフィルタ5aと加
算器9aの出力により、加算器9aの出力が最小となる
ようにアダプティブフィルタ3aの係数を計算する。よ
ってLMS演算器8aでは、アダプティブフィルタ3a
がスピーカ4aを用いて右耳元を制御するときの係数が
求められる。
【0071】同様に、LMS演算器8bはFIRフィル
タ5bと加算器9bの出力により、加算器9bの出力が
最小となるようにアダプティブフィルタ3aの係数を計
算し、その係数はアダプティブフィルタ3aがスピーカ
4aを用いて左耳元を制御するときのものとなる。そし
て係数加算器13aにおいて、LMS演算器8aで求め
た係数とLMS演算器8bで求めた係数を加算して、ア
ダプティブフィルタ3aの係数を更新する。同様に、ア
ダプティブフィルタ3cについてもスピーカ4aによっ
て耳元を制御するように動作する。
【0072】以上がスピーカ4aによる制御についてで
あるが、アダプティブフィルタ3b、3dを同様に動作
させることにより、スピーカ4bによる耳元の制御が可
能となる。
【0073】よって、騒音源が複数個存在する場合に
も、アダプティブフィルタ3a〜3dは、スピーカ4a
〜4bとマイクロホン2a〜2bが評価点よりも離れた
ところに設置されていても、あたかも評価点を制御して
いるように動作するので評価点での消音効果の劣化を抑
制することができる。また例えば、LMS演算器8aに
注目すると、LMS演算の誤差入力である加算器9aの
出力には、マイクロホン2aで検出した騒音信号とFI
Rフィルタ6aで信号処理されたアダプティブフィルタ
3aの出力信号のみが含まれるので、LMS演算が効率
よく、また精度よく実行される。
【0074】なお本実施例では、騒音源が2個存在する
場合を例に取って示したが、騒音源がそれ以上に増えた
場合にはその個数分のアルゴリズムの拡張を行い、その
各フィルタ出力を制御信号加算器によってスピーカの個
数にまとめれば良い。また、減算器10aと減算器10
cを一つにまとめて、マイクロホン2aの出力からFI
Rフィルタ7a、7cの出力を減算し、同様に減算器1
0bと減算器10dを一つにまとめて、マイクロホン2
bの出力からFIRフィルタ7b、7dの出力を減算す
る構成でも良い。
【0075】次に、第4の発明の一実施例について、図
面を参照しながら説明する。(図5)は第4の発明の一
実施例における消音装置のブロック図を示すものであ
り、複数の騒音を複数の制御点で制御する場合である。
(図5)において、1a〜1bは騒音検出器であるとこ
ろのマイクロホン、2a〜2bは誤差検出器であるとこ
ろのマイクロホン、3a〜3dはアダプティブフィル
タ、4a〜4bはスピーカ、5a〜5hは第1のディジ
タルフィルタであるところのFIRフィルタ、6a〜6
dは第2のディジタルフィルタであるところのFIRフ
ィルタ、7a〜7dは第3のディジタルフィルタである
ところのFIRフィルタ、8a〜8hは係数演算器であ
るところのLMS演算器、9a〜9dは加算器、10a
〜10dは減算器、13a〜13dは係数加算器、14
a〜14bは制御信号加算器である。
【0076】(図5)の構成では、制御信号加算器14
a〜14bの出力をFIRフィルタ6a〜6dの入力と
することによりFIRフィルタの個数を半分としてい
る。よって、LMS演算器8a〜8hの誤差信号には
(図4)の場合よりも多くの信号が含まれているが、元
のMultiple Error Filtered-x LMSアルゴリズムと変わ
らないので安定性に問題はない。
【0077】よって、この構成でもアダプティブフィル
タ3a〜3dは、スピーカ4a〜4bとマイクロホン2
a〜2bが評価点よりも離れたところに設置されていて
も、あたかも評価点を制御しているように動作するの
で、評価点での消音効果の劣化を抑制することができ
る。また、FIRフィルタの個数を半分にすることがで
きるので、演算量の軽減およびハードウエアの小型化が
可能となる。
【0078】なお、減算器10aと減算器10cを一つ
にまとめて、マイクロホン2aの出力からFIRフィル
タ7a、7cの出力を減算し、同様に減算器10bと減
算器10dを一つにまとめて、マイクロホン2bの出力
からFIRフィルタ7b、7dの出力を減算する構成で
も良い。
【0079】次に、第5の発明の一実施例について、図
面を参照しながら説明する。(図6)は第5の発明の一
実施例における消音装置のブロック図を示すものであ
り、周期性騒音の制御を行う場合である。(図6)にお
いて、2は誤差検出器であるところのマイクロホン、3
はアダプティブフィルタ、4はスピーカ、5は第1のデ
ィジタルフィルタであるところのFIRフィルタ、6は
第2のディジタルフィルタであるところのFIRフィル
タ、7は第3のディジタルフィルタであるところのFI
Rフィルタ、8は係数演算器であるところのLMS演算
器、9は加算器、10は減算器である。
【0080】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず、マイクロホ
ン2は騒音検出器と誤差検出器を兼ねているため、マイ
クロホン2によって騒音を検出する。その検出した騒音
信号は、減算器10によってFIRフィルタ7の出力を
減算される。ここで、FIRフィルタ7には、予めスピ
ーカ4からマイクロホン2までの伝達関数C(jω)が係
数c(n)として同定されているので、(図1)の場合と同
様に減算器10の出力にはアダプティブフィルタ3の出
力成分が除去されることになり、結果としてマイクロホ
ン2で検出される騒音信号だけになる。そして、この騒
音信号がアダプティブフィルタ3とFIRフィルタ5に
入力される。アダプティブフィルタ3で信号処理された
騒音信号はFIRフィルタ6、FIRフィルタ7、スピ
ーカ4に入力される。そして、実際の評価点から離れた
位置に設置されたマイクロホン2において、スピーカ4
からの再生音と騒音源からの騒音が干渉することにな
る。
【0081】一方、先ほどの減算器10の出力は加算器
9においてFIRフィルタ6の出力と加算されLMS演
算器8に入力される。ここで、FIRフィルタ6には、
予めスピーカ4から実際の評価点(例えば受聴者の耳
元)までの伝達関数B(jω)が係数b(n)として同定され
ている。よって加算器9の出力は、あたかも実際の評価
点に設置したマイクロホンの検出信号におよそ等しくな
る。LMS演算器8はFIRフィルタ5と加算器9の出
力により、加算器9の出力が最小となるようにアダプテ
ィブフィルタ3の係数を更新する。よって、実際の評価
点において周期性騒音が十分に減衰することになる。こ
れを数式で表現すると以下のように表わせる。
【0082】x(n)=e2(n)=e1(n)−y2
(n)=N(n)+y1T (n)C(n)−y1
T (n)c(n) ここで、C(n)≒c(n) とすると、 x(n)=e2(n)=g0(n)N(n)=N’
(n) となるので、 e3(n)=y3(n)+e2(n)=y1T(n)b
(n)+N’(n) となる。よって、
【0083】
【数5】
【0084】ただし、 w(n) ;アダプティブフィルタ3の係数 α ;ステップパラメータ r(n) ;FIRフィルタ5の出力信号 e3(n);加算器9の出力信号 N’(n);周期性騒音 (数5)と(数4)を比較すれば、騒音信号がN'(n)、x
(n)に異なるだけである。よって、(図6)の場合も
(図1)の場合と同様に制御可能である。ただし上記説
明からもわかるように、(図6)の構成では(図1)の
場合のように騒音検出用マイクロホン1で予め騒音源の
騒音を検出するのではなく、誤差検出用マイクロホン2
によって制御点に到達した騒音を検出するために、騒音
制御に遅れが生じる。よって、このアルゴリズムは周期
性騒音などの繰り返し特性の強い騒音にのみ有効であ
る。
【0085】以上より、低周波の周期性騒音の場合、
(図1)の場合と同様に評価点での消音効果の劣化が抑
制され、また減算器10の出力を加算器9への入力信号
とアダプティブフィルタ3およびFIRフィルタ5の入
力信号とに共用することにより、騒音検出用マイクロホ
ンやそれに伴うハードウエア(例えばアンチエイリアス
フィルタやA/Dコンバータなど)を軽減できる。な
お、周期性騒音源が複数存在する場合でも同じ構成で制
御可能である。
【0086】次に、第6の発明の一実施例について、図
面を参照しながら説明する。(図7)は第6の発明の一
実施例における消音装置のブロック図を示すものであ
り、周期性騒音を複数の制御点で制御する場合である。
(図7)において、2a〜2bは誤差検出器であるとこ
ろのマイクロホン、3a〜3bはアダプティブフィル
タ、4a〜4bはスピーカ、5a〜5dは第1のディジ
タルフィルタであるところのFIRフィルタ、6a〜6
dは第2のディジタルフィルタであるところのFIRフ
ィルタ、7a〜7dは第3のディジタルフィルタである
ところのFIRフィルタ、8a〜8dは係数演算器であ
るところのLMS演算器、9a〜9dは加算器、10a
〜10dは減算器、13a〜13bは係数加算器であ
る。
【0087】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず、マイクロホ
ン2a〜2bは騒音検出器と誤差検出器を兼ねているた
め、マイクロホン2a〜2bによって騒音を検出する。
マイクロホン2aで検出した騒音信号は、減算器10a
によってFIRフィルタ7aの出力を減算される。ここ
で、FIRフィルタ7aには、予めスピーカ4aからマ
イクロホン2aまでの伝達関数C11(jω)が係数c11
(n)として同定されているので、(図3)の場合と同様
に減算器10aの出力にはアダプティブフィルタ3aの
出力成分が除去されることになる。
【0088】次に、その出力は減算器10cにおいてF
IRフィルタ7cの出力信号と減算される。ここで、F
IRフィルタ7cには、予めスピーカ4bからマイクロ
ホン2aまでの伝達関数C21(jω)が係数c21(n)とし
て同定されている。よって、減算器10cの出力にはア
ダプティブフィルタ3bの出力成分が除去されることに
なり、結果としてマイクロホン2aで検出される騒音信
号だけになる。同様に、減算器10bの出力にはアダプ
ティブフィルタ3a〜3bの出力成分が除去されて、マ
イクロホン2bで検出される騒音信号だけになる。そし
て、この騒音信号がそれぞれアダプティブフィルタ3a
〜3bとFIRフィルタ5a〜5dに入力される。アダ
プティブフィルタ3aで信号処理された騒音信号は、F
IRフィルタ6a〜6bとFIRフィルタ7a〜7bと
スピーカ4aに入力され、アダプティブフィルタ3bで
信号処理された騒音信号はFIRフィルタ6c〜6dと
FIRフィルタ7c〜7dとスピーカ4bに入力され
る。そして、制御位置に設置されたマイクロホン2a〜
2bでは、スピーカ4a〜4bからの再生音と騒音源か
らの騒音が干渉することになる。
【0089】一方、先ほどの減算器10cの出力は、加
算器9aにおいてFIRフィルタ6aの出力と加算さ
れ、LMS演算器8aに入力される。ここで、FIRフ
ィルタ6aには、予めスピーカ4aから実際の評価点
(例えば受聴者の右耳元)までの伝達関数B11(jω)
が係数b11(n)として同定されている。よって、加算器9
aの出力は、あたかも実際の評価点である右耳元に設置
したマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。
【0090】同様に、加算器9b、9dの出力はあたか
も左耳元に設置したマイクロホンの検出信号におよそ等
しくなり、加算器9cの出力はあたかも右耳元に設置し
たマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。LMS
演算器8aはFIRフィルタ5aと加算器9aの出力に
より、加算器9aの出力が最小となるようにアダプティ
ブフィルタ3aの係数を計算する。よって、LMS演算
器8aでは、アダプティブフィルタ3aがスピーカ4a
を用いて右耳元を制御するときの係数が求められる。
【0091】同様に、LMS演算器8bはFIRフィル
タ5bと加算器9bの出力により、加算器9bの出力が
最小となるようにアダプティブフィルタ3aの係数を計
算し、その係数はアダプティブフィルタ3aがスピーカ
4aを用いて左耳元を制御するときのものとなる。そし
て、係数加算器13aにおいて、LMS演算器8aで求
めた係数とLMS演算器8bで求めた係数を加算して、
アダプティブフィルタ3aの係数を更新する。アダプテ
ィブフィルタ3bについても同様である。よって、周期
性騒音が受聴者の両耳元で十分に減衰することになる。
【0092】上記説明からもわかるように、(図7)の
構成では(図3)の場合のように騒音検出用マイクロホ
ン1で予め騒音源の騒音を検出するのではなく、誤差検
出用マイクロホン2a〜2bによって制御点に到達した
騒音を検出するために、騒音制御に遅れが生じる。よっ
て、このアルゴリズムは周期性騒音などの繰り返し特性
の強い騒音にのみ有効である。また(図7)と(図6)
を比較すると、(図7)の構成は(図6)の構成を基本
にして、複数点での制御を可能とするようにアルゴリズ
ムを(図3)の場合と同様に自然と拡張したものであ
る。
【0093】以上より、低周波の周期性騒音の場合、複
数の制御点が存在しても(図6)の場合と同様に評価点
での消音効果の劣化が抑制され、また減算器10b、1
0cの出力を、加算器9a〜9dへの入力信号とアダプ
ティブフィルタ3a〜3bおよびFIRフィルタ5a〜
5dの入力信号とに共用することにより、騒音検出用マ
イクロホンやそれに伴うハードウエア(例えばアンチエ
イリアスフィルタやA/Dコンバータなど)を軽減でき
る。
【0094】なお本実施例では、誤差検出用マイクロホ
ンおよびスピーカを2個としたが、用途に応じて増やせ
ばよく、その場合増加分に対してアルゴリズムを自然に
拡張してやれば良い。また、減算器10aと減算器10
cを一つにまとめて、マイクロホン2aの出力からFI
Rフィルタ7a、7cの出力を減算し、同様に減算器1
0bと減算器10dを一つにまとめて、マイクロホン2
bの出力からFIRフィルタ7b、7dの出力を減算す
る構成でも良い。さらに、周期性騒音源が複数存在する
場合でも同じ構成で制御可能である。
【0095】次に、第7の発明の一実施例について、図
面を参照しながら説明する。(図8)は第7の発明の一
実施例における消音装置のブロック図を示すものであ
り、周期性騒音を複数の制御点で制御する場合である。
(図8)において、2a〜2bは誤差検出器であるとこ
ろのマイクロホン、3a〜3dはアダプティブフィル
タ、4a〜4bはスピーカ、5a〜5dは第1のディジ
タルフィルタであるところのFIRフィルタ、6a〜6
dは第2のディジタルフィルタであるところのFIRフ
ィルタ、7a〜7dは第3のディジタルフィルタである
ところのFIRフィルタ、8a〜8dは係数演算器であ
るところのLMS演算器、9a〜9dは加算器、10a
〜10dは減算器、14a〜14bは制御信号加算器で
ある。
【0096】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。(図7)と同様
に、マイクロホン2a〜2bは騒音検出器と誤差検出器
を兼ねているため、マイクロホン2a〜2bによって騒
音を検出する。マイクロホン2aで検出した騒音信号
は、減算器10aによってFIRフィルタ7aの出力を
減算される。ここで、FIRフィルタ7aには、予めス
ピーカ4aからマイクロホン2aまでの伝達関数C11
(jω)が係数c11(n)として同定されているので、(図
7)の場合と同様に減算器10aの出力にはアダプティ
ブフィルタ3aの出力成分が除去されることになる。
【0097】次に、その出力は減算器10cにおいてF
IRフィルタ7cの出力信号と減算される。ここで、F
IRフィルタ7cには、予めスピーカ4bからマイクロ
ホン2aまでの伝達関数C21(jω)が係数c21(n)とし
て同定されている。よって、減算器10cの出力にはア
ダプティブフィルタ3bの出力成分が除去されることに
なり、結果としてマイクロホン2aで検出される騒音信
号だけになる。
【0098】同様に、減算器10bの出力にはアダプテ
ィブフィルタ3a〜3bの出力成分が除去されて、マイ
クロホン2bで検出される騒音信号だけになる。そし
て、減算器10cの出力がアダプティブフィルタ3a、
3cとFIRフィルタ5a、5cに入力され、減算器1
0bの出力がアダプティブフィルタ3b、3dとFIR
フィルタ5b、5dに入力される。アダプティブフィル
タ3aで信号処理された減算器10cからの騒音信号
は、アダプティブフィルタ3bで信号処理された減算器
10bからの騒音信号と制御信号加算器14aで加算さ
れ、その出力がFIRフィルタ6a〜6bとFIRフィ
ルタ7a〜7bとスピーカ4aに入力される。
【0099】同様に、アダプティブフィルタ3cで信号
処理された減算器10cからの騒音信号は、アダプティ
ブフィルタ3dで信号処理された減算器10bからの騒
音信号と制御信号加算器14bで加算され、その出力が
FIRフィルタ6c〜6dとFIRフィルタ7c〜7d
とスピーカ4bに入力される。そして制御位置に設置さ
れたマイクロホン2a〜2bでは、スピーカ4a〜4b
からの再生音と騒音源からの騒音が干渉することにな
る。
【0100】一方、先ほどの減算器10cの出力は加算
器9aにおいてFIRフィルタ6aの出力と加算され、
LMS演算器8aに入力され、また加算器9cにおいて
FIRフィルタ6cの出力と加算されLMS演算器8c
に入力される。ここで、FIRフィルタ6aには、予め
スピーカ4aから実際の評価点(例えば受聴者の右耳
元)までの伝達関数B11(jω)が係数b11(n)として同
定されている。よって、加算器9aの出力は、あたかも
実際の評価点である右耳元に設置したマイクロホンの検
出信号におよそ等しくなる。
【0101】同様に、加算器9b、9dの出力はあたか
も左耳元に設置したマイクロホンの検出信号におよそ等
しくなり、加算器9cの出力はあたかも右耳元に設置し
たマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。LMS
演算器8aはFIRフィルタ5aと加算器9aの出力に
より、加算器9aの出力が最小となるようにアダプティ
ブフィルタ3aの係数を計算する。よってLMS演算器
8aでは、アダプティブフィルタ3aがスピーカ4aを
用いて右耳元を制御するときの係数が求められる。
【0102】同様に、LMS演算器8bはFIRフィル
タ5bと加算器9bの出力により、加算器9bの出力が
最小となるようにアダプティブフィルタ3bの係数を計
算し、その係数はアダプティブフィルタ3bがスピーカ
4aを用いて左耳元を制御するときのものとなる。アダ
プティブフィルタ3c〜dについても同様である。よっ
て、周期性騒音が受聴者の両耳元で十分に減衰すること
になる。
【0103】上記説明からもわかるように、(図8)の
構成は(図7)の構成におけるLMS演算器8a〜8d
の一つ一つにアダプティブフィルタを設けたものであ
る。よって、(図7)と比べると演算量が増えることに
なるが、各アダプティブフィルタ3a〜3dで信号処理
する騒音信号とLMS演算器8a〜8dで求められる係
数が、各FIRフィルタ5a〜5dに応じたマイクロホ
ン2a〜2bの検出信号を用いて求められているので、
騒音制御を精度良くしかも安定に実行できる。そしてま
た、(図7)の場合と同様に評価点での消音効果の劣化
が抑制され、さらに減算器10b、10cの出力を加算
器9a〜9dへの入力信号とアダプティブフィルタ3a
〜3dおよびFIRフィルタ5a〜5dの入力信号とに
共用することにより、騒音検出用マイクロホンやそれに
伴うハードウエア(例えばアンチエイリアスフィルタや
A/Dコンバータなど)を軽減できる。
【0104】なお本実施例では、誤差検出用マイクロホ
ンおよびスピーカを2個としたが、用途に応じて増やせ
ばよく、その場合増加分に対してアルゴリズムを自然に
拡張してやれば良い。また、減算器10aと減算器10
cを一つにまとめて、マイクロホン2aの出力からFI
Rフィルタ7a、7cの出力を減算し、同様に減算器1
0bと減算器10dを一つにまとめて、マイクロホン2
bの出力からFIRフィルタ7b、7dの出力を減算す
る構成でも良い。さらに、周期性騒音源が複数存在する
場合でも同じ構成で制御可能である。
【0105】(図9)は第8の発明の一実施例における
消音装置のブロック図を示すものであり、周期性騒音を
複数の制御点で制御する場合である。(図9)におい
て、2a〜2bは誤差検出器であるところのマイクロホ
ン、3a〜3dはアダプティブフィルタ、4a〜4bは
スピーカ、5a〜5dは第1のディジタルフィルタであ
るところのFIRフィルタ、6a〜6dは第2のディジ
タルフィルタであるところのFIRフィルタ、7a〜7
dは第3のディジタルフィルタであるところのFIRフ
ィルタ、8a〜8dは係数演算器であるところのLMS
演算器、9a〜9dは加算器、10a〜10dは減算
器、14a〜14bは制御信号加算器である。
【0106】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。(図9)と(図
8)を比較すると、(図8)ではFIRフィルタ6a〜
6dは制御信号加算器14a〜14bの出力を信号処理
する構成となっているが、(図9)ではFIRフィルタ
6a〜6dはアダプティブフィルタ3a〜3dの出力を
信号処理する構成となっているだけである。
【0107】よって、(図8)の場合と同様の効果を得
ることができ、さらにLMS演算器8a〜8dで行うL
MS演算の誤差信号には、各LMS演算器8a〜8dが
係数を求めるアダプティブフィルタ3a〜3dの出力と
マイクロホン2a〜2bで検出された騒音信号だけが含
まれるので(例えばLMS演算器8aの場合、アダプテ
ィブフィルタ3aからの出力信号とマイクロホン2aか
らの騒音信号以外のアダプティブフィルタ3b〜3dの
出力信号は含まれない)、LMS演算が効率よく、精度
良く実行される。
【0108】なお本実施例では、誤差検出用マイクロホ
ンおよびスピーカを2個としたが、用途に応じて増やせ
ばよく、その場合増加分に対してアルゴリズムを自然に
拡張してやれば良い。また、減算器10aと減算器10
cを一つにまとめて、マイクロホン2aの出力からFI
Rフィルタ7a、7cの出力を減算し、同様に減算器1
0bと減算器10dを一つにまとめて、マイクロホン2
bの出力からFIRフィルタ7b、7dの出力を減算す
る構成でも良い。さらに、周期性騒音源が複数存在する
場合でも同じ構成で制御可能である。
【0109】以下、第9の発明の一実施例について、図
面を参照しながら説明する。(図23)は第9の発明の
一実施例における消音装置のブロック図を示すものであ
る。(図23)において、1は騒音検出器であるところ
のマイクロホン、2は誤差検出器であるところのマイク
ロホン、3はアダプティブフィルタ、4はスピーカ、5
は第1のディジタルフィルタであるところのFIRフィ
ルタ、6は第2のディジタルフィルタであるところのF
IRフィルタ、7は第3のディジタルフィルタであると
ころのFIRフィルタ、8は係数演算器であるところの
LMS演算器、9は加算器、10は減算器、17は第4
のディジタルフィルタであるところのFIRフィルタで
ある。
【0110】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず騒音はマイク
ロホン1で検出され、その検出信号がアダプティブフィ
ルタ3とFIRフィルタ5に入力される。そして、アダ
プティブフィルタ3で信号処理された騒音信号はFIR
フィルタ6、FIRフィルタ7、スピーカ4に入力され
る。そして、実際の評価点から離れた位置に設置された
マイクロホン2ではスピーカ4からの再生音と騒音源か
らの騒音が検出される。
【0111】マイクロホン2の検出信号は、FIRフィ
ルタ17によって騒音特性が補正され、さらに減算器1
0においてFIRフィルタ7の出力信号と減算される。
ここで、FIRフィルタ17には、予め騒音源からマイ
クロホン2までの伝達関数G0(jω)と騒音源から実際
の評価点までの伝達関数G1(jω)の比が係数g1/g0
(n)として同定されており、FIRフィルタ7には、予
めスピーカ4からFIRフィルタ17までの伝達関数が
係数cg1/g0(n)として同定されている。
【0112】ここでFIRフィルタ17の係数は、(図
24)に示す構成で求められる。(図24)において、
2は誤差検出位置に設置されたマイクロホン、17はF
IRフィルタ、18は実際の評価点に置いたマイクロホ
ン、19はLMS演算器、20は減算器である。このよ
うにマイクロホン2を騒音検出用、マイクロホン18を
誤差検出用に用いることにより騒音源からマイクロホン
2までの伝達関数G0(jω)と騒音源から実際の評価点
までの伝達関数G1(jω)の比である係数g1/g0(n)を
求めることができる。同様にFIRフィルタ7の係数
は、FIRフィルタ17の係数を求めた後、(図25)
に示す構成で求められる。
【0113】以上より、減算器10の出力にはアダプテ
ィブフィルタ3の出力成分が除去されることになり、結
果としてマイクロホン2で検出される騒音信号だけにな
り、さらにこの騒音信号はFIRフィルタ17により伝
達関数G0(jω)を除去されて伝達関数G1(jω)のみ
が影響していることになる。そして、その減算器10の
出力は加算器9においてFIRフィルタ6の出力と加算
され、LMS演算器8に入力される。ここで、FIRフ
ィルタ6には予めスピーカ4から実際の評価点(例えば
受聴者の耳元)までの伝達関数B(jω)が係数b(n)とし
て同定されている。よって、加算器9の出力は、あたか
も実際の評価点に設置したマイクロホンの検出信号にお
よそ等しくなる。
【0114】LMS演算器8はFIRフィルタ5と加算
器9の出力により、加算器9の出力が最小となるように
アダプティブフィルタ3の係数を更新する。これを数式
で表現すると以下のように表わせる。
【0115】ここで、C(n)≒c(n) とすると、 e4(n)=y1T(n)b(n)+xT(n)g1
(n) となるので、
【0116】
【数6】
【0117】ただし、 w(n) ;アダプティブフィルタ3の係数 α ;ステップパラメータ r(n) ;FIRフィルタ5の出力信号 e4(n);加算器9の出力信号 (数6)により e4(n)≒0 に近づくとすると、アダプ
ティブフィルタ3の係数w(n)の周波数特性W(k)は
{−G1(k)/B(k)}に近似される。よって、(図1
8)の場合と比べると、アダプティブフィルタ3の係数
W(k)は(図18)の{−G1(k)/B(k)}と等しく
なる。よって低周波領域だけでなく制御帯域の全てで
(図18)の効果と同じ効果を得ることができる。
【0118】次に、第10の発明の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。(図26)は第10の発
明の一実施例における消音装置のブロック図を示すもの
であり、複数の制御点が存在する場合である。(図2
6)において、1は騒音検出器であるところのマイクロ
ホン、2a〜2bは誤差検出器であるところのマイクロ
ホン、3a〜3bはアダプティブフィルタ、4a〜4b
はスピーカ、5a〜5dは第1のディジタルフィルタで
あるところのFIRフィルタ、6a〜6dは第2のディ
ジタルフィルタであるところのFIRフィルタ、7a〜
7dは第3のディジタルフィルタであるところのFIR
フィルタ、8a〜8dは係数演算器であるところのLM
S演算器、9a〜9dは加算器、10a〜10dは減算
器、13a〜13bは係数加算器、17a〜17bは第
4のディジタルフィルタであるところのFIRフィルタ
である。
【0119】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず騒音はマイク
ロホン1で検出され、その検出信号がアダプティブフィ
ルタ3a〜3bとFIRフィルタ5a〜5dに入力され
る。そして、アダプティブフィルタ3aで信号処理され
た騒音信号はFIRフィルタ6a〜6bとFIRフィル
タ7a〜7bとスピーカ4aに入力され、アダプティブ
フィルタ3bで信号処理された騒音信号はFIRフィル
タ6c〜6dとFIRフィルタ7c〜7dとスピーカ4
bに入力される。そして、制御位置に設置されたマイク
ロホン2a〜2bでは、スピーカ4a〜4bからの再生
音と騒音源からの騒音を検出する。マイクロホン2aの
検出信号は、FIRフィルタ17aによって騒音特性が
補正され、さらに減算器10aにおいてFIRフィルタ
7aの出力信号と減算される。
【0120】ここで、騒音源からの伝達関数が(図2
2)に示すような場合、FIRフィルタ17aには、予
め騒音源からマイクロホン2aまでの伝達関数G0(j
ω)と騒音源から実際の評価点(例えば受聴者の右耳)
までの伝達関数G2(jω)の比が係数g2/g0(n)として
同定されており、FIRフィルタ7aには、予めスピー
カ4aからFIRフィルタ17aまでの伝達関数が係数
c11g2/g0(n)として同定されている。ここでFIRフィ
ルタ17aおよび17bの係数は、(図24)の場合と
同様にしてそれぞれ別に求めれば良い。
【0121】以上より、減算器10aの出力にはアダプ
ティブフィルタ3aの出力成分が除去されることにな
る。次に、その出力は減算器10cにおいてFIRフィ
ルタ7cの出力信号と減算される。ここで、FIRフィ
ルタ7cには、予めスピーカ4bからFIRフィルタ1
7aまでの伝達関数が係数c21g2/g0(n)として同定され
ている。よって、減算器10cの出力にはアダプティブ
フィルタ3bの出力成分が除去されることになり、結果
としてマイクロホン2aで検出される騒音信号だけにな
る。さらにこの騒音信号はFIRフィルタ17aにより
伝達関数G0(jω)を除去されて伝達関数G2(jω)の
みが影響していることになる。
【0122】同様に、減算器10bの出力にはアダプテ
ィブフィルタ3a〜3bの出力成分が除去されて、マイ
クロホン2bで検出される騒音信号だけになり、その騒
音信号はFIRフィルタ17bにより伝達関数G1(j
ω)を除去されて伝達関数G3(jω)のみが影響してい
ることになる。そして、減算器10cの出力は加算器9
aにおいてFIRフィルタ6aの出力と加算され、LM
S演算器8aに入力される。ここで、FIRフィルタ6
aには、予めスピーカ4aから実際の評価点(例えば受
聴者の右耳元)までの伝達関数B11(jω)が係数b11
(n)として同定されている。よって加算器9aの出力
は、あたかも実際の評価点である右耳元に設置したマイ
クロホンの検出信号におよそ等しくなる。
【0123】同様に、加算器9b、9dの出力はあたか
も左耳元に設置したマイクロホンの検出信号におよそ等
しくなり、加算器9cの出力はあたかも右耳元に設置し
たマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。LMS
演算器8aはFIRフィルタ5aと加算器9aの出力に
より、加算器9aの出力が最小となるようにアダプティ
ブフィルタ3aの係数を計算する。よってLMS演算器
8aでは、アダプティブフィルタ3aがスピーカ4aを
用いて右耳元を制御するときの係数が求められる。
【0124】同様に、LMS演算器8bはFIRフィル
タ5bと加算器9bの出力により、加算器9bの出力が
最小となるようにアダプティブフィルタ3aの係数を計
算し、その係数はアダプティブフィルタ3aがスピーカ
4aを用いて左耳元を制御するときのものとなる。そし
て、係数加算器13aにおいて、LMS演算器8aで求
めた係数とLMS演算器8bで求めた係数を加算して、
アダプティブフィルタ3aの係数を更新する。アダプテ
ィブフィルタ3bについても同様である。
【0125】以上より、(図23)の場合と同様にアダ
プティブフィルタ3a〜3bは、スピーカ4a〜4bと
マイクロホン2a〜2bが評価点よりも離れたところに
設置されていても、あたかも評価点を制御しているよう
に動作するので、評価点にマイクロホン2a〜2bを設
置した場合と等しい効果を得ることができる。また例え
ば、LMS演算器8aに注目すると、LMS演算の誤差
入力である加算器9aの出力には、マイクロホン2aで
検出した騒音信号とFIRフィルタ6aで信号処理され
たアダプティブフィルタ3aの出力信号のみが含まれる
ので、LMS演算が効率よく、また精度よく実行され
る。
【0126】なお本実施例では、誤差検出用マイクロホ
ンおよびスピーカを2個としたが、用途に応じて増やせ
ばよく、その場合増加分に対してアルゴリズムを自然に
拡張してやれば良い。また、減算器10aと減算器10
cを一つにまとめてFIRフィルタ17aの出力からF
IRフィルタ7a、7cの出力を減算し、同様に減算器
10bと減算器10dを一つにまとめて、FIRフィル
タ17bの出力からFIRフィルタ7b、7dの出力を
減算する構成でも良い。
【0127】次に、第11の発明の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。(図27)は第11の発
明の一実施例における消音装置のブロック図を示すもの
であり、周期性騒音の制御を行う場合である。(図2
7)において、2は誤差検出器であるところのマイクロ
ホン、3はアダプティブフィルタ、4はスピーカ、5は
第1のディジタルフィルタであるところのFIRフィル
タ、6は第2のディジタルフィルタであるところのFI
Rフィルタ、7は第3のディジタルフィルタであるとこ
ろのFIRフィルタ、8は係数演算器であるところのL
MS演算器、9は加算器、10は減算器、17は第4の
ディジタルフィルタであるところのFIRフィルタであ
る。
【0128】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず、マイクロホ
ン2は騒音検出器と誤差検出器を兼ねているため、マイ
クロホン2によって騒音を検出する。その検出した騒音
信号は、FIRフィルタ17によって信号処理され、F
IRフィルタ17の出力は減算器10によってFIRフ
ィルタ7の出力を減算される。ここで、FIRフィルタ
17には予め騒音源からマイクロホン2までの伝達関数
G0(jω)と騒音源から実際の評価点までの伝達関数
G1(jω)との比が係数g1/g0(n)として同定されて
おり、FIRフィルタ7には、あらかじめスピーカ4か
らFIRフィルタ17までの伝達関数が係数cg1/g0(n)
として同定されている。
【0129】ここでFIRフィルタ17の係数は、(図
28)に示す構成で求められる。(図28)において、
2は誤差検出位置に設置されたマイクロホン、17はF
IRフィルタ、18は実際の評価点に置いたマイクロホ
ン、19はLMS演算器、20は減算器である。このよ
うにマイクロホン2を騒音検出用、マイクロホン18を
誤差検出用に用いることにより、騒音源からマイクロホ
ン2までの伝達関数G0(jω)と騒音源から実際の評価
点までの伝達関数G1(jω)の比である係数g1/g0(n)
を求めることができる。ここで注意しなければならない
ことは、周期騒音N(t)が有する周波数成分のみ係数
g1/g0(n)として求められることであり、(図23)の
場合とは異なる。
【0130】以上より(図23)の場合と同様に、減算
器10の出力にはアダプティブフィルタ3の出力成分が
除去されることになり、結果としてマイクロホン2で検
出される騒音信号だけになり、さらにこの騒音信号はF
IRフィルタ17により伝達関数G0(jω)を除去され
て伝達関数G1(jω)のみが影響していることになる。
そして、この騒音信号がアダプティブフィルタ3とFI
Rフィルタ5に入力される。アダプティブフィルタ3で
信号処理された騒音信号はFIRフィルタ6、FIRフ
ィルタ7、スピーカ4に入力される。そして、実際の評
価点から離れた位置に設置されたマイクロホン2におい
て、スピーカ4からの再生音と騒音源からの騒音が干渉
することになる。
【0131】一方、先ほどの減算器10の出力は加算器
9においてFIRフィルタ6の出力と加算されLMS演
算器8に入力される。ここで、FIRフィルタ6には、
予めスピーカ4から実際の評価点(例えば受聴者の耳
元)までの伝達関数B(jω)が係数b(n)として同定され
ている。よって加算器9の出力は、あたかも実際の評価
点に設置したマイクロホンの検出信号におよそ等しくな
る。LMS演算器8はFIRフィルタ5と加算器9の出
力により、加算器9の出力が最小となるようにアダプテ
ィブフィルタ3の係数を更新する。よって、実際の評価
点において周期性騒音が十分に減衰することになる。こ
れを数式で表現すると以下のように表わせる。
【0132】ここで、C(n)≒c(n) とすると、 x(n)=e3(n)=g1(n)N(n)=N’
(n) となるので、 e4(n)=y3(n)+e3(n) =y1T(n)b(n)+N’(n) となる。よって、
【0133】
【数7】
【0134】ただし、 w(n) ;アダプティブフィルタ3の係数 α ;ステップパラメータ r(n) ;FIRフィルタ5の出力信号 e4(n);加算器9の出力信号 N’(n);周期性騒音 (数7)と(数6)を比較すれば、騒音信号がN'(n)、x
(n)に異なるだけである。よって、(図27)の場合も
(図23)の場合と同様に制御可能である。ただし上記
説明からもわかるように、(図27)の構成では(図2
3)の場合のように騒音検出用マイクロホン1で予め騒
音源の騒音を検出するのではなく、誤差検出用マイクロ
ホン2によって制御点に到達した騒音を検出するため
に、騒音制御に遅れが生じる。よって、このアルゴリズ
ムは周期性騒音などの繰り返し特性の強い騒音にのみ有
効である。
【0135】以上より、(図23)の場合と同様に全制
御帯域において評価点にマイクロホン2を設置した場合
に等しい効果を得ることができる。また減算器10の出
力を加算器9への入力信号とアダプティブフィルタ3お
よびFIRフィルタ5の入力信号とに共用することによ
り、騒音検出用マイクロホンやそれに伴うハードウエア
(例えばアンチエイリアスフィルタやA/Dコンバータ
など)を軽減できる。
【0136】次に、第12の発明の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。(図29)は第12の発
明の一実施例における消音装置のブロック図を示すもの
であり、周期性騒音を複数の制御点で制御する場合であ
る。(図29)において、2a〜2bは誤差検出器であ
るところのマイクロホン、3a〜3bはアダプティブフ
ィルタ、4a〜4bはスピーカ、5a〜5dは第1のデ
ィジタルフィルタであるところのFIRフィルタ、6a
〜6dは第2のディジタルフィルタであるところのFI
Rフィルタ、7a〜7dは第3のディジタルフィルタで
あるところのFIRフィルタ、8a〜8dは係数演算器
であるところのLMS演算器、9a〜9dは加算器、1
0a〜10dは減算器、13a〜13bは係数加算器、
17a〜17bは第4のディジタルフィルタであるとこ
ろのFIRフィルタである。
【0137】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。まず、マイクロホ
ン2a〜2bは騒音検出器と誤差検出器を兼ねているた
め、マイクロホン2a〜2bによって騒音を検出する。
マイクロホン2aで検出した騒音信号は、FIRフィル
タ17aによって信号処理され、FIRフィルタ17a
の出力は減算器10aによってFIRフィルタ7aの出
力を減算される。ここで、騒音源からの伝達関数が(図
30)に示すような場合、FIRフィルタ17aには予
め騒音源からマイクロホン2aまでの伝達関数G0(j
ω)と騒音源から実際の評価点(例えば受聴者の耳元)
までの伝達関数G2(jω)との比が係数g2/g0(n)と
して同定されており、FIRフィルタ7aには、予めス
ピーカ4aからFIRフィルタ17aまでの伝達関数が
係数c11g2/g0(n)として同定されている。ここでFIR
フィルタ17aおよび17bの係数は、(図28)の場
合と同様にしてそれぞれ別に求めれば良い。
【0138】ここで注意しなければならないことは、周
期騒音N(t)が有する周波数成分のみ係数g2/g0(n)
あるいはg3/g1(n)として求められることであり、(図
26)の場合とは異なる。
【0139】以上より、減算器10aの出力にはアダプ
ティブフィルタ3aの出力成分が除去されることにな
る。
【0140】次に、その出力は減算器10cにおいてF
IRフィルタ7cの出力信号と減算される。ここで、F
IRフィルタ7cには、予めスピーカ4bからFIRフ
ィルタ17aまでの伝達関数が係数c21g2/g0(n)として
同定されている。よって、減算器10cの出力にはアダ
プティブフィルタ3bの出力成分が除去されることにな
り、さらにFIRフィルタ17aにより伝達関数G0
(jω)を除去されて伝達関数G2(jω)のみが影響して
いる騒音信号だけになる。同様に、減算器10bの出力
にはアダプティブフィルタ3a〜3bの出力成分が除去
されて、FIRフィルタ17bにより伝達関数G1(j
ω)を除去されて伝達関数G3(jω)のみが影響してい
る騒音信号だけになる。そして、この騒音信号がそれぞ
れアダプティブフィルタ3a〜3bとFIRフィルタ5
a〜5dに入力される。アダプティブフィルタ3aで信
号処理された騒音信号は、FIRフィルタ6a〜6bと
FIRフィルタ7a〜7bとスピーカ4aに入力され、
アダプティブフィルタ3bで信号処理された騒音信号は
FIRフィルタ6c〜6dとFIRフィルタ7c〜7d
とスピーカ4bに入力される。そして、制御位置に設置
されたマイクロホン2a〜2bでは、スピーカ4a〜4
bからの再生音と騒音源からの騒音が干渉することにな
る。
【0141】一方、先ほどの減算器10cの出力は、加
算器9aにおいてFIRフィルタ6aの出力と加算さ
れ、LMS演算器8aに入力される。ここで、FIRフ
ィルタ6aには、予めスピーカ4aから実際の評価点
(例えば受聴者の右耳元)までの伝達関数B11(jω)
が係数b11(n)として同定されている。よって、加算器9
aの出力は、あたかも実際の評価点である右耳元に設置
したマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。
【0142】同様に、加算器9b、9dの出力はあたか
も左耳元に設置したマイクロホンの検出信号におよそ等
しくなり、加算器9cの出力はあたかも右耳元に設置し
たマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。LMS
演算器8aはFIRフィルタ5aと加算器9aの出力に
より、加算器9aの出力が最小となるようにアダプティ
ブフィルタ3aの係数を計算する。よって、LMS演算
器8aでは、アダプティブフィルタ3aがスピーカ4a
を用いて右耳元を制御するときの係数が求められる。
【0143】同様に、LMS演算器8bはFIRフィル
タ5bと加算器9bの出力により、加算器9bの出力が
最小となるようにアダプティブフィルタ3aの係数を計
算し、その係数はアダプティブフィルタ3aがスピーカ
4aを用いて左耳元を制御するときのものとなる。そし
て、係数加算器13aにおいて、LMS演算器8aで求
めた係数とLMS演算器8bで求めた係数を加算して、
アダプティブフィルタ3aの係数を更新する。アダプテ
ィブフィルタ3bについても同様である。よって、周期
性騒音が受聴者の両耳元で十分に減衰することになる。
【0144】上記説明からもわかるように、(図29)
の構成では(図26)の場合のように騒音検出用マイク
ロホン1で予め騒音源の騒音を検出するのではなく、誤
差検出用マイクロホン2a〜2bによって制御点に到達
した騒音を検出するために、騒音制御に遅れが生じる。
よって、このアルゴリズムは周期性騒音などの繰り返し
特性の強い騒音にのみ有効である。また(図29)と
(図27)を比較すると、(図29)の構成は(図2
7)の構成を基本にして、複数点での制御を可能とする
ようにアルゴリズムを(図26)の場合と同様に自然と
拡張したものである。
【0145】以上より、(図27)の場合と同様にマイ
クロホン2a〜2bを評価点に設置した場合と同様の効
果が得られ、また減算器10b、10cの出力を、加算
器9a〜9dへの入力信号とアダプティブフィルタ3a
〜3bおよびFIRフィルタ5a〜5dの入力信号とに
共用することにより、騒音検出用マイクロホンやそれに
伴うハードウエア(例えばアンチエイリアスフィルタや
A/Dコンバータなど)を軽減できる。
【0146】なお本実施例では、誤差検出用マイクロホ
ンおよびスピーカを2個としたが、用途に応じて増やせ
ばよく、その場合増加分に対してアルゴリズムを自然に
拡張してやれば良い。また、減算器10aと減算器10
cを一つにまとめて、FIRフィルタ17aの出力から
FIRフィルタ7a、7cの出力を減算し、同様に減算
器10bと減算器10dを一つにまとめて、FIRフィ
ルタ17bの出力からFIRフィルタ7b、7dの出力
を減算する構成でも良い。
【0147】次に、第13の発明の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。(図31)は第13の発
明の一実施例における消音装置のブロック図を示すもの
であり、周期性騒音を複数の制御点で制御する場合であ
る。(図31)において、2a〜2bは誤差検出器であ
るところのマイクロホン、3a〜3dはアダプティブフ
ィルタ、4a〜4bはスピーカ、5a〜5dは第1のデ
ィジタルフィルタであるところのFIRフィルタ、6a
〜6dは第2のディジタルフィルタであるところのFI
Rフィルタ、7a〜7dは第3のディジタルフィルタで
あるところのFIRフィルタ、8a〜8dは係数演算器
であるところのLMS演算器、9a〜9dは加算器、1
0a〜10dは減算器、14a〜14bは制御信号加算
器、17a〜17bは第4のディジタルフィルタである
ところのFIRフィルタである。
【0148】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。(図29)と同様
に、マイクロホン2a〜2bは騒音検出器と誤差検出器
を兼ねているため、マイクロホン2a〜2bによって騒
音を検出する。マイクロホン2aで検出した騒音信号
は、FIRフィルタ17aによって信号処理され、FI
Rフィルタ17aの出力は減算器10aによってFIR
フィルタ7aの出力を減算される。ここで、騒音源から
の伝達関数が(図30)に示すような場合、FIRフィ
ルタ17aには予め騒音源からマイクロホン2aまでの
伝達関数G0(jω)と騒音源から実際の評価点(例え
ば受聴者の耳元)までの伝達関数G2(jω)との比が
係数g2/g0(n)として同定されており、FIRフィルタ
7aには、予めスピーカ4aからFIRフィルタ17a
までの伝達関数が係数c11g2/g0(n)として同定されてい
る。ここでFIRフィルタ17aおよび17bの係数
は、(図28)の場合と同様にしてそれぞれ別に求めれ
ば良い。
【0149】ここで注意しなければならないことは、周
期騒音N(t)が有する周波数成分のみ係数g2/g0(n)
あるいはg3/g1(n)として求められることであり、(図
26)の場合とは異なる。
【0150】以上より減算器10aの出力にはアダプテ
ィブフィルタ3aの出力成分が除去されることになる。
【0151】次に、その出力は減算器10cにおいてF
IRフィルタ7cの出力信号と減算される。ここで、F
IRフィルタ7cには、予めスピーカ4bからFIRフ
ィルタ17aまでの伝達関数が係数c21g2/g0(n)として
同定されている。よって、減算器10cの出力にはアダ
プティブフィルタ3bの出力成分が除去されることにな
り、さらにFIRフィルタ17aにより伝達関数G0
(jω)を除去されて伝達関数G2(jω)のみが影響して
いる騒音信号だけになる。同様に、減算器10bの出力
にはアダプティブフィルタ3a〜3bの出力成分が除去
されて、FIRフィルタ17bにより伝達関数G1(j
ω)を除去されて伝達関数G3(jω)のみが影響してい
る騒音信号だけになる。そして、この騒音信号がそれぞ
れアダプティブフィルタ3a〜3bとFIRフィルタ5
a〜5dに入力される。アダプティブフィルタ3aで信
号処理された騒音信号は、制御信号加算器14aによっ
てアダプティブフィルタ3bの出力と加算された後、F
IRフィルタ6a〜6bとFIRフィルタ7a〜7bと
スピーカ4aに入力される。またアダプティブフィルタ
3bで信号処理された騒音信号は制御信号加算器14b
によってアダプティブフィルタ3dの出力と加算された
後、FIRフィルタ6c〜6dとFIRフィルタ7c〜
7dとスピーカ4bに入力される。そして、制御位置に
設置されたマイクロホン2a〜2bでは、スピーカ4a
〜4bからの再生音と騒音源からの騒音が干渉すること
になる。
【0152】一方、先ほどの減算器10cの出力は加算
器9aにおいてFIRフィルタ6aの出力と加算され、
LMS演算器8aに入力され、また加算器9cにおいて
FIRフィルタ6cの出力と加算されLMS演算器8c
に入力される。ここで、FIRフィルタ6aには、予め
スピーカ4aから実際の評価点(例えば受聴者の右耳
元)までの伝達関数B11(jω)が係数b11(n)として同
定されている。よって、加算器9aの出力は、あたかも
実際の評価点である右耳元に設置したマイクロホンの検
出信号におよそ等しくなる。
【0153】同様に、加算器9b、9dの出力はあたか
も左耳元に設置したマイクロホンの検出信号におよそ等
しくなり、加算器9cの出力はあたかも右耳元に設置し
たマイクロホンの検出信号におよそ等しくなる。LMS
演算器8aはFIRフィルタ5aと加算器9aの出力に
より、加算器9aの出力が最小となるようにアダプティ
ブフィルタ3aの係数を計算する。よってLMS演算器
8aでは、アダプティブフィルタ3aがスピーカ4aを
用いて右耳元を制御するときの係数が求められる。
【0154】同様に、LMS演算器8bはFIRフィル
タ5bと加算器9bの出力により、加算器9bの出力が
最小となるようにアダプティブフィルタ3bの係数を計
算し、その係数はアダプティブフィルタ3bがスピーカ
4aを用いて左耳元を制御するときのものとなる。アダ
プティブフィルタ3c〜dについても同様である。よっ
て、周期性騒音が受聴者の両耳元で十分に減衰すること
になる。
【0155】上記説明からもわかるように、(図31)
の構成は(図29)の構成におけるLMS演算器8a〜
8dの一つ一つにアダプティブフィルタを設けたもので
ある。よって、(図29)と比べると演算量が増えるこ
とになるが、各アダプティブフィルタ3a〜3dで信号
処理する騒音信号とLMS演算器8a〜8dで求められ
る係数が、各FIRフィルタ5a〜5dに応じたマイク
ロホン2a〜2bの検出信号を用いて求められているの
で、騒音制御を精度良くしかも安定に実行できる。そし
てまた、(図29)の場合と同様にマイクロホン2a〜
2bを評価点に設置した場合と同様の効果が得られる。
さらに、減算器10b、10cの出力を加算器9a〜9
dへの入力信号とアダプティブフィルタ3a〜3dおよ
びFIRフィルタ5a〜5dの入力信号とに共用するこ
とにより、騒音検出用マイクロホンやそれに伴うハード
ウエア(例えばアンチエイリアスフィルタやA/Dコン
バータなど)を軽減できる。
【0156】なお本実施例では、誤差検出用マイクロホ
ンおよびスピーカを2個としたが、用途に応じて増やせ
ばよく、その場合増加分に対してアルゴリズムを自然に
拡張してやれば良い。また、減算器10aと減算器10
cを一つにまとめて、FIRフィルタ17aの出力から
FIRフィルタ7a、7cの出力を減算し、同様に減算
器10bと減算器10dを一つにまとめて、FIRフィ
ルタ17bの出力からFIRフィルタ7b、7dの出力
を減算する構成でも良い。
【0157】(図32)は第14の発明の一実施例にお
ける消音装置のブロック図を示すものであり、周期性騒
音を複数の制御点で制御する場合である。(図32)に
おいて、2a〜2bは誤差検出器であるところのマイク
ロホン、3a〜3dはアダプティブフィルタ、4a〜4
bはスピーカ、5a〜5dは第1のディジタルフィルタ
であるところのFIRフィルタ、6a〜6dは第2のデ
ィジタルフィルタであるところのFIRフィルタ、7a
〜7dは第3のディジタルフィルタであるところのFI
Rフィルタ、8a〜8dは係数演算器であるところのL
MS演算器、9a〜9dは加算器、10a〜10dは減
算器、14a〜14bは制御信号加算器、17a〜17
bは第4のディジタルフィルタであるところのFIRフ
ィルタである。
【0158】以上のように構成された消音装置につい
て、以下その動作について説明する。(図32)と(図
31)を比較すると、(図31)ではFIRフィルタ6
a〜6dは制御信号加算器14a〜14bの出力を信号
処理する構成となっているが、(図32)ではFIRフ
ィルタ6a〜6dはアダプティブフィルタ3a〜3dの
出力を信号処理する構成となっているだけである。
【0159】よって、(図31)の場合と同様の効果を
得ることができ、さらにLMS演算器8a〜8dで行う
LMS演算の誤差信号には、各LMS演算器8a〜8d
が係数を求めるアダプティブフィルタ3a〜3dの出力
とマイクロホン2a〜2bで検出された騒音信号だけが
含まれるので(例えばLMS演算器8aの場合、アダプ
ティブフィルタ3aからの出力信号とマイクロホン2a
からの騒音信号以外のアダプティブフィルタ3b〜3d
の出力信号は含まれない)、LMS演算が効率よく、精
度良く実行される。
【0160】なお本実施例では、誤差検出用マイクロホ
ンおよびスピーカを2個としたが、用途に応じて増やせ
ばよく、その場合増加分に対してアルゴリズムを自然に
拡張してやれば良い。また、減算器10aと減算器10
cを一つにまとめて、FIRフィルタ17aの出力から
FIRフィルタ7a、7cの出力を減算し、同様に減算
器10bと減算器10dを一つにまとめて、FIRフィ
ルタ17bの出力からFIRフィルタ7b、7dの出力
を減算する構成でも良い。
【0161】さて、(図3)、(図4)、(図5)、
(図7)、(図8)、(図9)、(図26)、(図2
9)、(図31)、(図32)の説明では、スピーカ4
a〜4bとマイクロホン2a〜2bをそれぞれ2つ用い
た場合を示したが、その1つの応用として(図10)の
ように、スピーカ4a〜4bとマイクロホン2a〜2b
を椅子15のヘッドレスト部分に設置したものが考えら
れる。この場合、スピーカ4a〜4bからマイクロホン
2a〜2bまでの伝達関数C11(jω)、C12(j
ω)、C21(jω)、C22(jω)と、スピーカ4a〜
4bから受聴者の両耳までの伝達関数B11(jω)、B
12(jω)、B21(jω)、B22(jω)は(図11)
のようになる。このように実際の応用では、スピーカ4
a〜4bとマイクロホン2a〜2bは、椅子15のヘッ
ドレスト部など受聴者の頭部付近ではあるが、耳元より
は幾らか離れたところに設置することになる。このと
き、(図14)に示す従来の制御方法では、スピーカ4
a〜4bとマイクロホン2a〜2bを覆っている椅子1
5のクッション材や表カバーによる影響、およびマイク
ロホン2a〜2bと両耳との距離差により、マイクロホ
ン2a〜2bでは十分に消音効果が得られても受聴者の
耳元ではその効果が劣化してしまう。しかし、(図
3)、(図4)、(図5)、(図7)、(図8)、(図
9)、(図26)、(図29)、(図31)、(図3
2)の構成では、スピーカ4a〜4bとマイクロホン2
a〜2bが椅子15内に設置されていても、これまで説
明したように受聴者の耳元で消音効果が十分に得ること
ができる。
【0162】また、(図12)、(図13)、(図1
4)に示すように、椅子15のヘッドレスト部に受聴者
頭部の位置決めを行うくぼみを設けることにより、受聴
者の両耳を常に最適な制御位置に案内できる。また椅子
15は、(図10)、(図12)に示すように背もたれ
部分とヘッドレスト部が一体構成となっているが、自動
車の座席のようにヘッドレスト部が取り外し可能な構成
の場合でも、ヘッドレスト部にスピーカ4a〜4bとマ
イクロホン2a〜2bを設置し、ヘッドレスト部と背も
たれ部を接続した状態(通常の使用状態)で動作させれ
ば同様の効果が得られる。さらに、(図15)に示す枕
16にスピーカ4a〜4bとマイクロホン2a〜2bを
設置して、(図3)、(図4)、(図5)、(図7)、
(図8)、(図9)、(図26)、(図29)、(図3
1)、(図32)の制御を行うことにより、隣の人のい
びきなどを耳元位置で小さくすることができる。
【0163】なお、かなり低い周波数のみを制御する場
合には、(図16)のようにスピーカ4とマイクロホン
2を一つづつ用いて、(図1)あるいは(図6)の制御
を行っても良い。また、(図17)に示すように、受聴
者を取り囲む壁や天井などの覆いにスピーカ4a〜4c
やマイクロホン2a〜2cを設置しても良い。
【0164】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、第1の
発明は、誤差検出器が実際の評価点から離れた位置に設
置されていても第2および第3のディジタルフィルタに
よる制御信号の補正により、アダプティブフィルタは実
際の評価点を制御するように係数更新されるので、誤差
検出器から離れた評価点において騒音を十分に減衰する
ことができる。
【0165】第2の発明は、複数のスピーカと誤差検出
器を用いて騒音制御を行い、しかも第1の発明と同様
に、誤差検出器が実際の評価点から離れた位置に設置さ
れていても、第2および第3のディジタルフィルタによ
る制御信号の補正により、アダプティブフィルタはそれ
ぞれ実際の評価点を制御するように係数更新される構成
となっているので、各誤差検出器から離れた複数の評価
点において騒音を十分に減衰することができる。
【0166】第3の発明は、複数の騒音源に対して複数
のスピーカと誤差検出器を用いて騒音制御を行い、しか
も第1の発明と同様に誤差検出器が実際の評価点から離
れた位置に設置されていても、第2および第3のディジ
タルフィルタによる制御信号の補正により、アダプティ
ブフィルタはそれぞれ実際の評価点を制御するように係
数更新される構成となっているので、各誤差検出器から
離れた複数の評価点において複数の騒音を十分に減衰す
ることができる。
【0167】第4の発明は、第3の発明における第2の
ディジタルフィルタを、制御信号加算器からの出力を信
号処理する構成としたことにより、演算量を軽減しなが
ら第3の発明と同様の効果を得ることができ、第5の発
明は、減算器の出力をアダプティブフィルタと第1のデ
ィジタルフィルタの入力信号としたことによりハードウ
エアを軽減でき、しかも第3のディジタルフィルタによ
る制御信号の補正により、誤差検出器から離れた評価点
において一つあるいは複数の周期性騒音を十分に減衰す
ることができる。
【0168】第6の発明は、減算器の出力をアダプティ
ブフィルタと第1のディジタルフィルタの入力信号と
し、しかも複数のスピーカと誤差検出器を用いて騒音制
御を行う構成となっているので、各誤差検出器から離れ
た複数の評価点において一つあるいは複数の周期性騒音
を十分に減衰することができるなどの優れた効果を有す
る消音装置を実現できる。
【0169】第7の発明は、アダプティブフィルタと第
1のディジタルフィルタが制御を行う誤差検出器で検出
した騒音信号を出力する減算器の出力をアダプティブフ
ィルタと第1のディジタルフィルタの入力信号とし、し
かも複数のスピーカと誤差検出器を用いて騒音制御を行
う構成となっているので、第6の発明の効果をより安定
に得ることができる。
【0170】第8の発明は、各LMS演算器の誤差信号
には、そのLMS演算器が求めるアダプティブフィルタ
の出力以外のアダプティブフィルタの出力は含まれない
ので、各LMS演算器は効率よく演算できる。
【0171】第9の発明は、誤差検出器が実際の評価点
から離れた位置に設置されていても第2および第3のデ
ィジタルフィルタによる制御信号の補正と第4のディジ
タルフィルタによる誤差信号の補正により、アダプティ
ブフィルタは実際の評価点を制御するように係数更新さ
れるので、あたかも誤差検出器を評価点に設置した場合
と同様の効果を得ることができる。
【0172】第10の発明は、複数のスピーカと誤差検
出器を用いて騒音制御を行い、しかも第9の発明と同様
に、誤差検出器が実際の評価点から離れた位置に設置さ
れていても、第2および第3のディジタルフィルタによ
る制御信号の補正と第4のディジタルフィルタによる誤
差信号の補正により、アダプティブフィルタはそれぞれ
実際の評価点を制御するように係数更新される構成とな
っているので、あたかも各誤差検出器をそれぞれの評価
点に設置した場合と同様の効果を得ることができる。
【0173】第11の発明は、減算器の出力をアダプテ
ィブフィルタと第1のディジタルフィルタの入力信号と
したことによりハードウエアを軽減でき、しかも第3の
ディジタルフィルタによる制御信号の補正と第4のディ
ジタルフィルタによる誤差信号の補正により、あたかも
誤差検出器を評価点に設置した場合と同様に周期性騒音
を十分に減衰することができる。
【0174】第12の発明は、減算器の出力をアダプテ
ィブフィルタと第1のディジタルフィルタの入力信号と
し、しかも複数のスピーカと誤差検出器を用いて騒音制
御を行う構成となっており、さらに第3のディジタルフ
ィルタによる制御信号の補正と第4のディジタルフィル
タによる誤差信号の補正によって、各誤差検出器から離
れた複数の評価点においてあたかも各誤差検出器をそれ
ぞれの評価点に設置した場合と同様の効果を得ることが
できる。
【0175】第13の発明は、アダプティブフィルタと
第1のディジタルフィルタが制御を行う誤差検出器で検
出した騒音信号を出力する減算器の出力をアダプティブ
フィルタと第1のディジタルフィルタの入力信号とし、
しかも複数のスピーカと誤差検出器を用いて騒音制御を
行う構成となっており、さらに第3のディジタルフィル
タによる制御信号の補正と第4のディジタルフィルタに
よる誤差信号の補正によって、第12の発明の効果をよ
り安定に得ることができる。
【0176】第14の発明は、各LMS演算器の誤差信
号には、そのLMS演算器が求めるアダプティブフィル
タの出力以外のアダプティブフィルタの出力は含まれな
いので、各LMS演算器は効率よく演算できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例のブロック図
【図2】第1の発明の一実施例におけるFIRフィルタ
5の係数を同定する方法を示したブロック図
【図3】第2の発明の一実施例のブロック図
【図4】第3の発明の一実施例のブロック図
【図5】第4の発明の一実施例のブロック図
【図6】第5の発明の一実施例のブロック図
【図7】第6の発明の一実施例のブロック図
【図8】第7の発明の一実施例のブロック図
【図9】第8の発明の一実施例のブロック図
【図10】第2〜第4、第6〜第8の発明の実施例にお
けるスピーカ4a〜4bとマイクロホン2a〜2bを設
置した椅子15を示す図
【図11】(図10)の椅子15におけるスピーカ4a
〜4bからマイクロホン2a〜2bまでの伝達経路を示
した図
【図12】第2〜第4、第6〜第8の発明の実施例にお
けるスピーカ4a〜4bとマイクロホン2a〜2bを設
置し、しかもくぼみを設けられた椅子15を示す図
【図13】(図12)の椅子15におけるスピーカ4a
〜4bからマイクロホン2a〜2bまでの伝達経路を示
した図
【図14】(図12)の椅子15におけるスピーカ4a
〜4bからマイクロホン2a〜2bまでの伝達経路を示
した図
【図15】第2〜第4、第6〜第8の発明の実施例にお
けるスピーカ4a〜4bとマイクロホン2a〜2bを設
置した枕16を示す図
【図16】第1、第5の発明の実施例におけるスピーカ
4とマイクロホン2を設置した椅子15を示す図
【図17】スピーカ4a〜4cとマイクロホン2a〜2
cを壁や天井に設置した例を示す図
【図18】従来の消音装置を示すブロック図
【図19】(図18)におけるFIRフィルタ5の係数
を同定する方法を示したブロック図
【図20】従来の消音装置を示すブロック図
【図21】(図20)におけるFIRフィルタ5の係数
を同定する方法を示したブロック図
【図22】従来の消音装置を示すブロック図
【図23】第9の発明の一実施例のブロック図
【図24】第9の発明の一実施例におけるFIRフィル
タ17の係数を同定する方法を示したブロック図
【図25】第9の発明の一実施例におけるFIRフィル
タ7の係数を同定する方法を示したブロック図
【図26】第10の発明の一実施例のブロック図
【図27】第11の発明の一実施例のブロック図
【図28】第11の発明の一実施例におけるFIRフィ
ルタ17の係数を同定する方法を示したブロック図
【図29】第12の発明の一実施例のブロック図
【図30】周期性騒音を複数の制御点で制御する場合の
騒音源から各制御点までの伝達関数を示した図
【図31】第13の発明の一実施例のブロック図
【図32】第14の発明の一実施例のブロック図
【符号の説明】
1、1a、1b マイクロホン 2、2a、2b、2c マイクロホン 3、3a、3b、3c、3d アダプティブフィルタ 4、4a、4b、4c スピーカ 5、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h
FIRフィルタ 6、6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h
FIRフィルタ 7、7a、7b、7c、7d FIRフィルタ 8、8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h
LMS演算器 9、9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g、9h
加算器 10、10a、10b、10c、10d 減算器 11 減算器 12 測定ノイズ発生器 13a、13b、13c、13d 係数加算器 14a、14b 制御信号加算器 15 椅子 16 枕 17、17a、17b FIRフィルタ 18 マイクロホン 19 LMS演算器 20 減算器 21 消音装置の制御回路ブロック

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】騒音源からの騒音を検出する騒音検出器
    と、前記騒音検出器からの騒音を適応制御するアダプテ
    ィブフィルタと、前記騒音源からの騒音を信号処理する
    第1のディジタルフィルタと、前記アダプティブフィル
    タの出力を再生するスピーカと、前記アダプティブフィ
    ルタの出力を信号処理する第2のディジタルフィルタ
    と、前記アダプティブフィルタの出力を信号処理する第
    3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減衰効
    果を得るところの騒音制御位置から離れたところに設置
    された誤差検出器と、前記誤差検出器の出力から前記第
    3のディジタルフィルタの出力を減算する減算器と、前
    記減算器の出力と前記第2のディジタルフィルタの出力
    を加算する加算器と、前記第1のディジタルフィルタの
    出力と前記加算器の出力から前記アダプティブフィルタ
    の係数を演算して更新する係数演算器とから構成される
    消音装置において、 第1のディジタルフィルタと第2のディジタルフィルタ
    には前記スピーカから最適減衰効果を得るところの騒音
    制御位置までの伝達関数を予め係数として同定してお
    り、 第3のディジタルフィルタには前記スピーカから前記誤
    差検出器までの伝達関数を予め係数として同定している
    ことを特徴とする消音装置。
  2. 【請求項2】騒音をm個のスピーカを用いてn箇所の騒
    音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、騒音源からの騒音を検出する騒音検出
    器と、m個のアダプティブフィルタと、(m×n)個の
    第1のディジタルフィルタと、m個のスピーカと、(m
    ×n)個の第2のディジタルフィルタと、(m×n)個
    の第3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減
    衰効果を得るところの騒音制御位置から離れたところに
    設置されたn個の誤差検出器と、n個の減算器と、(m
    ×n)個の加算器と、(m×n)個の係数演算器と、m
    個の係数加算器を有し、 騒音検出器の出力はj(j=1、2、…、m)番目のア
    ダプティブフィルタとjk(k=1、2、…、n)番目
    の第1のディジタルフィルタに入力され、あるj(=
    J)番目のアダプティブフィルタの出力はn個のJk番
    目の第2のディジタルフィルタとn個のJk番目の第3
    のディジタルフィルタに入力され、またJ番目のアダプ
    ティブフィルタの出力はJ番目のスピーカにより再生さ
    れ、あるk(=K)番目の減算器によってK番目の誤差
    検出器の出力からJK番目の第3のディジタルフィルタ
    の出力と(m−1)個のJ'K(J'≠J)番目の第3の
    ディジタルフィルタの出力を減算してその出力をm個の
    jK番目の加算器に入力し、JK番目の加算器によって
    K番目の減算器の出力とJK番目の第2のディジタルフ
    ィルタの出力を加算し、JK番目の係数演算器はJK番
    目の第1のディジタルフィルタの出力とJK番目の加算
    器の出力によってK番目の騒音制御点におけるJ番目の
    アダプティブフィルタについての係数を求め、J番目の
    係数加算器によってJK番目の係数演算器の出力と(n
    −1)個のJK'(K'≠K)番目の係数演算器の出力を
    加算してJ番目のアダプティブフィルタの係数を更新す
    るように構成され、 JK番目の第1のディジタルフィルタとJK番目の第2
    のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカから最
    適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器までの伝達関数を
    予め係数として同定していることを特徴とする消音装
    置。
  3. 【請求項3】l個の騒音をm個のスピーカを用いてn箇
    所の騒音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、l個の騒音源からの騒音を検出するl
    個の騒音検出器と、(l×m)個のアダプティブフィル
    タと、(l×m×n)個の第1のディジタルフィルタ
    と、m個のスピーカと、m個の制御信号加算器と、(l
    ×m×n)個の第2のディジタルフィルタと、(m×
    n)個の第3のディジタルフィルタと、騒音制御による
    最適減衰効果を得るところの騒音制御位置から離れたと
    ころに設置されたn個の誤差検出器と、n個の減算器
    と、(l×m×n)個の加算器と、(l×m×n)個の
    係数演算器と、(l×m)個の係数加算器を有し、 i(i=1、2、…、l)番目の騒音検出器の内、ある
    i(=I)番目の騒音検出器の出力はm個のIj(j=
    1、2、…、m)番目のアダプティブフィルタと(m×
    n)個のIjk(k=1、2、…、n)番目の第1のデ
    ィジタルフィルタに入力され、あるひとつのIj(=I
    J)番目のアダプティブフィルタの出力はn個のIJk
    番目の第2のディジタルフィルタとJ番目の制御信号加
    算器に入力され、そのJ番目の制御信号加算器によって
    IJ番目のアダプティブフィルタの出力と(l−1)個
    のI'J(I'≠I)番目のアダプティブフィルタの出力
    を加算し、J番目の制御信号加算器の出力はn個のJk
    番目の第3のディジタルフィルタとJ番目のスピーカに
    入力され、あるk(=K)番目の減算器によってK番目
    の誤差検出器の出力からJK番目の第3のディジタルフ
    ィルタの出力と(m−1)個のJ'K(J'≠K)番目の
    第3のディジタルフィルタの出力を減算してその出力を
    (l×m)個のijK番目の加算器に入力し、IJK番
    目の加算器によってK番目の減算器の出力とIJK番目
    の第2のディジタルフィルタの出力を加算し、IJK番
    目の係数演算器はIJK番目の第1のディジタルフィル
    タの出力とIJK番目の加算器の出力によってK番目の
    騒音制御点におけるJ番目のスピーカによるI番目の騒
    音に対するIJ番目のアダプティブフィルタの係数を求
    め、IJ番目の係数加算器によってIJK番目の係数演
    算器の出力と(n−1)個のIJK'(K'≠K)番目の
    係数演算器の出力を加算してIJ番目のアダプティブフ
    ィルタの係数を更新するように構成され、 IJK番目の第1のディジタルフィルタとIJK番目の
    第2のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカか
    ら最適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置ま
    での伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器までの伝達関数を
    予め係数として同定していることを特徴とする消音装
    置。
  4. 【請求項4】l個の騒音をm個のスピーカを用いてn箇
    所の騒音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、l個の騒音源からの騒音を検出するl
    個の騒音検出器と、(l×m)個のアダプティブフィル
    タと、(l×m×n)個の第1のディジタルフィルタ
    と、m個のスピーカと、m個の制御信号加算器と、(m
    ×n)個の第2のディジタルフィルタと、(m×n)個
    の第3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減
    衰効果を得るところの騒音制御位置から離れたところに
    設置されたn個の誤差検出器と、n個の減算器と、(m
    ×n)個の加算器と、(l×m×n)個の係数演算器
    と、(l×m)個の係数加算器を有し、 i(i=1、2、…、l)番目の騒音検出器の内、ある
    i(=I)番目の騒音検出器の出力はm個のIj(j=
    1、2、…、m)番目のアダプティブフィルタと(m×
    n)個のIjk(k=1、2、…、n)番目の第1のデ
    ィジタルフィルタに入力され、あるひとつのIj(=I
    J)番目のアダプティブフィルタの出力はJ番目の制御
    信号加算器に入力され、そのJ番目の制御信号加算器に
    よってIJ番目のアダプティブフィルタの出力と(l−
    1)個のI'J(I'≠I)番目のアダプティブフィルタ
    の出力を加算し、J番目の制御信号加算器の出力はn個
    のJk番目の第2のディジタルフィルタとn個のJk番
    目の第3のディジタルフィルタとJ番目のスピーカに入
    力され、あるk(=K)番目の減算器によってK番目の
    誤差検出器の出力からJK番目の第3のディジタルフィ
    ルタの出力と(m−1)個のJ'K(J'≠K)番目の第
    3のディジタルフィルタの出力を減算してその出力をm
    個のjK番目の加算器に入力し、JK番目の加算器によ
    ってK番目の減算器の出力とJK番目の第2のディジタ
    ルフィルタの出力を加算してその出力をl個のiJK番
    目の係数演算器に入力し、IJK番目の係数演算器はI
    JK番目の第1のディジタルフィルタの出力とJK番目
    の加算器の出力によってK番目の騒音制御点におけるJ
    番目のスピーカによるI番目の騒音に対するIJ番目の
    アダプティブフィルタの係数を求め、IJ番目の係数加
    算器によってIJK番目の係数演算器の出力と(n−
    1)個のIJK'(K'≠K)番目の係数演算器の出力を
    加算してIJ番目のアダプティブフィルタの係数を更新
    するように構成され、 IJK番目の第1のディジタルフィルタとJK番目の第
    2のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカから
    最適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置まで
    の伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器までの伝達関数を
    予め係数として同定していることを特徴とする消音装
    置。
  5. 【請求項5】騒音を適応制御するアダプティブフィルタ
    と、騒音を信号処理する第1のディジタルフィルタと、
    前記アダプティブフィルタの出力を再生するスピーカ
    と、前記アダプティブフィルタの出力を信号処理する第
    2のディジタルフィルタと、前記アダプティブフィルタ
    の出力を信号処理する第3のディジタルフィルタと、騒
    音制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置
    から離れたところに設置された誤差検出器と、前記誤差
    検出器の出力から前記第3のディジタルフィルタの出力
    を減算してその出力を前記アダプティブフィルタと第1
    のディジタルフィルタの騒音入力信号とする減算器と、
    前記減算器の出力と前記第2のディジタルフィルタの出
    力を加算する加算器と、前記第1のディジタルフィルタ
    の出力と前記加算器の出力から前記アダプティブフィル
    タの係数を演算して更新する係数演算器とから構成され
    る、周期性騒音の制御を行う消音装置において、 第1のディジタルフィルタと第2のディジタルフィルタ
    には前記スピーカから最適減衰効果を得るところの騒音
    制御位置までの伝達関数を予め係数として同定してお
    り、 第3のディジタルフィルタには前記スピーカから前記誤
    差検出器までの伝達関数を予め係数として同定している
    ことを特徴とする消音装置。
  6. 【請求項6】周期性騒音をm個のスピーカを用いてn箇
    所の騒音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、m個のアダプティブフィルタと、(m
    ×n)個の第1のディジタルフィルタと、m個のスピー
    カと、(m×n)個の第2のディジタルフィルタと、
    (m×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒音制御
    による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置から離
    れたところに設置されたn個の誤差検出器と、n個の減
    算器と、(m×n)個の加算器と、(m×n)個の係数
    演算器と、m個の係数加算器を有し、 騒音信号はj(j=1、2、…、m)番目のアダプティ
    ブフィルタとjk(k=1、2、…、n)番目の第1の
    ディジタルフィルタでそれぞれ信号処理され、あるj
    (=J)番目のアダプティブフィルタの出力はn個のJ
    k番目の第2のディジタルフィルタとn個のJk番目の
    第3のディジタルフィルタに入力され、またJ番目のア
    ダプティブフィルタの出力はJ番目のスピーカにより再
    生され、あるk(=K)番目の減算器によってK番目の
    誤差検出器の出力からJK番目の第3のディジタルフィ
    ルタの出力と(m−1)個のJ'K(J'≠J)番目の第
    3のディジタルフィルタの出力を減算してその出力をJ
    番目のアダプティブフィルタとn個のJk番目の第1の
    ディジタルフィルタの騒音信号として入力し、さらにK
    番目の減算器の出力はm個のjK番目の加算器に入力さ
    れ、JK番目の加算器によってK番目の減算器の出力と
    JK番目の第2のディジタルフィルタの出力を加算し、
    JK番目の係数演算器はJK番目の第1のディジタルフ
    ィルタの出力とJK番目の加算器の出力によってK番目
    の騒音制御点におけるJ番目のアダプティブフィルタに
    ついての係数を求め、J番目の係数加算器によってJK
    番目の係数演算器の出力と(n−1)個のJK'(K'≠
    K)番目の係数演算器の出力を加算してJ番目のアダプ
    ティブフィルタの係数を更新するように構成され、 JK番目の第1のディジタルフィルタとJK番目の第2
    のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカから最
    適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器までの伝達関数を
    予め係数として同定していることを特徴とする消音装
    置。
  7. 【請求項7】周期性騒音をm個のスピーカを用いてn箇
    所の騒音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、(m×n)個のアダプティブフィルタ
    と、(m×n)個の第1のディジタルフィルタと、m個
    のスピーカと、(m×n)個の第2のディジタルフィル
    タと、(m×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒
    音制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置
    から離れたところに設置されたn個の誤差検出器と、n
    個の減算器と、(m×n)個の加算器と、(m×n)個
    の係数演算器と、m個の制御信号加算器を有し、 騒音信号はjk(j=1、2、…、m ;k=1、2、
    …、n)番目のアダプティブフィルタとjk番目の第1
    のディジタルフィルタでそれぞれ信号処理され、あるj
    k(=JK)番目のアダプティブフィルタの出力と(n
    −1)個のJK'(K'≠K)番目のアダプティブフィル
    タの出力はJ番目の制御信号加算器によって加算され、
    J番目の制御信号加算器の出力はn個のJk番目の第2
    のディジタルフィルタとn個のJk番目の第3のディジ
    タルフィルタに入力され、またJ番目の制御信号加算器
    の出力はJ番目のスピーカにより再生され、K番目の減
    算器によってK番目の誤差検出器の出力からJK番目の
    第3のディジタルフィルタの出力と(m−1)個のJ'
    K(J'≠J)番目の第3のディジタルフィルタの出力
    を減算してその出力をm個のjK番目のアダプティブフ
    ィルタとm個のjK番目の第1のディジタルフィルタの
    騒音信号として入力し、さらにK番目の減算器の出力は
    m個のjK番目の加算器に入力され、JK番目の加算器
    によってK番目の減算器の出力とJK番目の第2のディ
    ジタルフィルタの出力を加算し、JK番目の係数演算器
    はJK番目の第1のディジタルフィルタの出力とJK番
    目の加算器の出力によってJ番目のアダプティブフィル
    タの係数を求めて更新するように構成され、 JK番目の第1のディジタルフィルタとJK番目の第2
    のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカから最
    適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器までの伝達関数を
    予め係数として同定していることを特徴とする消音装
    置。
  8. 【請求項8】周期性騒音をm個のスピーカを用いてn箇
    所の騒音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、(m×n)個のアダプティブフィルタ
    と、(m×n)個の第1のディジタルフィルタと、m個
    のスピーカと、(m×n)個の第2のディジタルフィル
    タと、(m×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒
    音制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置
    から離れたところに設置されたn個の誤差検出器と、n
    個の減算器と、(m×n)個の加算器と、(m×n)個
    の係数演算器と、m個の制御信号加算器を有し、 騒音信号はjk(j=1、2、…、m ;k=1、2、
    …、n)番目のアダプティブフィルタとjk番目の第1
    のディジタルフィルタでそれぞれ信号処理され、あるj
    k(=JK)番目のアダプティブフィルタの出力はJK
    番目の第2のディジタルフィルタとJ番目の制御信号加
    算器に入力され、J番目の制御信号加算器によってJK
    番目のアダプティブフィルタの出力と(n−1)個のJ
    K'(K'≠K)番目のアダプティブフィルタの出力が加
    算され、J番目の制御信号加算器の出力はn個のJk番
    目の第3のディジタルフィルタに入力され、またJ番目
    の制御信号加算器の出力はJ番目のスピーカにより再生
    され、K番目の減算器によってK番目の誤差検出器の出
    力からJK番目の第3のディジタルフィルタの出力と
    (m−1)個のJ'K(J'≠J)番目の第3のディジタ
    ルフィルタの出力を減算してその出力をm個のjK番目
    のアダプティブフィルタとm個のjK番目の第1のディ
    ジタルフィルタの騒音信号として入力し、さらにK番目
    の減算器の出力はm個のjK番目の加算器に入力され、
    JK番目の加算器によってK番目の減算器の出力とJK
    番目の第2のディジタルフィルタの出力を加算し、JK
    番目の係数演算器はJK番目の第1のディジタルフィル
    タの出力とJK番目の加算器の出力によってJ番目のア
    ダプティブフィルタの係数を求めて更新するように構成
    され、 JK番目の第1のディジタルフィルタとJK番目の第2
    のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカから最
    適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器までの伝達関数を
    予め係数として同定していることを特徴とする消音装
    置。
  9. 【請求項9】騒音源からの騒音を検出する騒音検出器
    と、前記騒音検出器からの騒音を適応制御するアダプテ
    ィブフィルタと、前記騒音源からの騒音を信号処理する
    第1のディジタルフィルタと、前記アダプティブフィル
    タの出力を再生するスピーカと、前記アダプティブフィ
    ルタの出力を信号処理する第2のディジタルフィルタ
    と、前記アダプティブフィルタの出力を信号処理する第
    3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減衰効
    果を得るところの騒音制御位置から離れたところに設置
    された誤差検出器と、前記誤差検出器の出力を信号処理
    する第4のディジタルフィルタと、前記第4のディジタ
    ルフィルタの出力から前記第3のディジタルフィルタの
    出力を減算する減算器と、前記減算器の出力と前記第2
    のディジタルフィルタの出力を加算する加算器と、前記
    第1のディジタルフィルタの出力と前記加算器の出力か
    ら前記アダプティブフィルタの係数を演算して更新する
    係数演算器とから構成される消音装置において、 第1のディジタルフィルタと第2のディジタルフィルタ
    には前記スピーカから最適減衰効果を得るところの騒音
    制御位置までの伝達関数を予め係数として同定してお
    り、 第3のディジタルフィルタには前記スピーカから前記誤
    差検出器を通って前記第4のディジタルフィルタまでの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 第4のディジタルフィルタには騒音源から前記誤差検出
    器までの伝達関数と騒音源から最適減衰効果を得るとこ
    ろの騒音制御位置までの伝達関数との比が予め係数とし
    て同定していることを特徴とする消音装置。
  10. 【請求項10】騒音をm個のスピーカを用いてn箇所の
    騒音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、騒音源からの騒音を検出する騒音検出
    器と、m個のアダプティブフィルタと、(m×n)個の
    第1のディジタルフィルタと、m個のスピーカと、(m
    ×n)個の第2のディジタルフィルタと、(m×n)個
    の第3のディジタルフィルタと、騒音制御による最適減
    衰効果を得るところの騒音制御位置から離れたところに
    設置されたn個の誤差検出器と、n個の第4のディジタ
    ルフィルタと、n個の減算器と、(m×n)個の加算器
    と、(m×n)個の係数演算器と、m個の係数加算器を
    有し、 騒音検出器の出力はj(j=1、2、…、m)番目のア
    ダプティブフィルタとjk(k=1、2、…、n)番目
    の第1のディジタルフィルタに入力され、あるj(=
    J)番目のアダプティブフィルタの出力はn個のJk番
    目の第2のディジタルフィルタとn個のJk番目の第3
    のディジタルフィルタに入力され、またJ番目のアダプ
    ティブフィルタの出力はJ番目のスピーカにより再生さ
    れ、あるk(=K)番目の誤差検出器の出力はK番目の
    第4のディジタルフィルタで信号処理され、K番目の減
    算器によってK番目の第4のディジタルフィルタの出力
    からJK番目の第3のディジタルフィルタの出力と(m
    −1)個のJ'K(J'≠J)番目の第3のディジタルフ
    ィルタの出力を減算してその出力をm個のjK番目の加
    算器に入力し、JK番目の加算器によってK番目の減算
    器の出力とJK番目の第2のディジタルフィルタの出力
    を加算し、JK番目の係数演算器はJK番目の第1のデ
    ィジタルフィルタの出力とJK番目の加算器の出力によ
    ってK番目の騒音制御点におけるJ番目のアダプティブ
    フィルタについての係数を求め、J番目の係数加算器に
    よってJK番目の係数演算器の出力と(n−1)個のJ
    K'(K'≠K)番目の係数演算器の出力を加算してJ番
    目のアダプティブフィルタの係数を更新するように構成
    され、 JK番目の第1のディジタルフィルタとJK番目の第2
    のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカから最
    適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器を通って前記K番
    目の第4のディジタルフィルタまでの伝達関数を予め係
    数として同定しており、 K番目の第4のディジタルフィルタには騒音源から前記
    K番目の誤差検出器までの伝達関数と騒音源から最適減
    衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの伝達
    関数との比を予め係数として同定していることを特徴と
    する消音装置。
  11. 【請求項11】騒音を適応制御するアダプティブフィル
    タと、騒音を信号処理する第1のディジタルフィルタ
    と、前記アダプティブフィルタの出力を再生するスピー
    カと、前記アダプティブフィルタの出力を信号処理する
    第2のディジタルフィルタと、前記アダプティブフィル
    タの出力を信号処理する第3のディジタルフィルタと、
    騒音制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位
    置から離れたところに設置された誤差検出器と、前記誤
    差検出器の出力を信号処理する第4のディジタルフィル
    タと、前記第4のディジタルフィルタの出力から前記第
    3のディジタルフィルタの出力を減算してその出力を前
    記アダプティブフィルタと第1のディジタルフィルタの
    騒音入力信号とする減算器と、前記減算器の出力と前記
    第2のディジタルフィルタの出力を加算する加算器と、
    前記第1のディジタルフィルタの出力と前記加算器の出
    力から前記アダプティブフィルタの係数を演算して更新
    する係数演算器とから構成される、周期性騒音の制御を
    行う消音装置において、 第1のディジタルフィルタと第2のディジタルフィルタ
    には前記スピーカから最適減衰効果を得るところの騒音
    制御位置までの伝達関数を予め係数として同定してお
    り、 第3のディジタルフィルタには前記スピーカから前記誤
    差検出器を通って前記第4のディジタルフィルタまでの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 第4のディジタルフィルタには騒音源から前記誤差検出
    器までの伝達関数と騒音源から最適減衰効果を得るとこ
    ろの騒音制御位置までの伝達関数との比が予め係数とし
    て同定していることを特徴とする消音装置。
  12. 【請求項12】周期性騒音をm個のスピーカを用いてn
    箇所の騒音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、m個のアダプティブフィルタと、(m
    ×n)個の第1のディジタルフィルタと、m個のスピー
    カと、(m×n)個の第2のディジタルフィルタと、
    (m×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒音制御
    による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置から離
    れたところに設置されたn個の誤差検出器と、n個の第
    4のディジタルフィルタと、n個の減算器と、(m×
    n)個の加算器と、(m×n)個の係数演算器と、m個
    の係数加算器を有し、 騒音信号はj(j=1、2、…、m)番目のアダプティ
    ブフィルタとjk(k=1、2、…、n)番目の第1の
    ディジタルフィルタでそれぞれ信号処理され、あるj
    (=J)番目のアダプティブフィルタの出力はn個のJ
    k番目の第2のディジタルフィルタとn個のJk番目の
    第3のディジタルフィルタに入力され、またJ番目のア
    ダプティブフィルタの出力はJ番目のスピーカにより再
    生され、あるk(=K)番目の誤差検出器の出力はK番
    目の第4のディジタルフィルタで信号処理され、K番目
    の減算器によってK番目の第4のディジタルフィルタの
    出力からJK番目の第3のディジタルフィルタの出力と
    (m−1)個のJ'K(J'≠J)番目の第3のディジタ
    ルフィルタの出力を減算してその出力をJ番目のアダプ
    ティブフィルタとn個のJk番目の第1のディジタルフ
    ィルタの騒音信号として入力し、さらにK番目の減算器
    の出力はm個のjK番目の加算器に入力され、JK番目
    の加算器によってK番目の減算器の出力とJK番目の第
    2のディジタルフィルタの出力を加算し、JK番目の係
    数演算器はJK番目の第1のディジタルフィルタの出力
    とJK番目の加算器の出力によってK番目の騒音制御点
    におけるJ番目のアダプティブフィルタについての係数
    を求め、J番目の係数加算器によってJK番目の係数演
    算器の出力と(n−1)個のJK'(K'≠K)番目の係
    数演算器の出力を加算してJ番目のアダプティブフィル
    タの係数を更新するように構成され、 JK番目の第1のディジタルフィルタとJK番目の第2
    のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカから最
    適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器を通って前記K番
    目の第4のディジタルフィルタまでの伝達関数を予め係
    数として同定しており、 K番目の第4のディジタルフィルタには騒音源から前記
    K番目の誤差検出器までの伝達関数と騒音源から最適減
    衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの伝達
    関数との比を予め係数として同定していることを特徴と
    する消音装置。
  13. 【請求項13】周期性騒音をm個のスピーカを用いてn
    箇所の騒音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、(m×n)個のアダプティブフィルタ
    と、(m×n)個の第1のディジタルフィルタと、m個
    のスピーカと、(m×n)個の第2のディジタルフィル
    タと、(m×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒
    音制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置
    から離れたところに設置されたn個の誤差検出器と、n
    個の第4のディジタルフィルタと、n個の減算器と、
    (m×n)個の加算器と、(m×n)個の係数演算器
    と、m個の制御信号加算器を有し、 騒音信号はjk(j=1、2、…、m ;k=1、2、
    …、n)番目のアダプティブフィルタとjk番目の第1
    のディジタルフィルタでそれぞれ信号処理され、あるj
    k(=JK)番目のアダプティブフィルタの出力と(n
    −1)個のJK'(K'≠K)番目のアダプティブフィル
    タの出力はJ番目の制御信号加算器によって加算され、
    J番目の制御信号加算器の出力はn個のJk番目の第2
    のディジタルフィルタとn個のJk番目の第3のディジ
    タルフィルタに入力され、またJ番目の制御信号加算器
    の出力はJ番目のスピーカにより再生され、K番目の誤
    差検出器の出力はK番目の第4のディジタルフィルタで
    信号処理され、K番目の減算器によってK番目の第4の
    ディジタルフィルタの出力からJK番目の第3のディジ
    タルフィルタの出力と(m−1)個のJ'K(J'≠J)
    番目の第3のディジタルフィルタの出力を減算してその
    出力をm個のjK番目のアダプティブフィルタとm個の
    jK番目の第1のディジタルフィルタの騒音信号として
    入力し、さらにK番目の減算器の出力はm個のjK番目
    の加算器に入力され、JK番目の加算器によってK番目
    の減算器の出力とJK番目の第2のディジタルフィルタ
    の出力を加算し、JK番目の係数演算器はJK番目の第
    1のディジタルフィルタの出力とJK番目の加算器の出
    力によってJ番目のアダプティブフィルタの係数を求め
    て更新するように構成され、 JK番目の第1のディジタルフィルタとJK番目の第2
    のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカから最
    適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器を通って前記K番
    目の第4のディジタルフィルタまでの伝達関数を予め係
    数として同定しており、 K番目の第4のディジタルフィルタには騒音源から前記
    K番目の誤差検出器までの伝達関数と騒音源から最適減
    衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの伝達
    関数との比を予め係数として同定していることを特徴と
    する消音装置。
  14. 【請求項14】周期性騒音をm個のスピーカを用いてn
    箇所の騒音制御を行う消音装置において、 前記消音装置は、(m×n)個のアダプティブフィルタ
    と、(m×n)個の第1のディジタルフィルタと、m個
    のスピーカと、(m×n)個の第2のディジタルフィル
    タと、(m×n)個の第3のディジタルフィルタと、騒
    音制御による最適減衰効果を得るところの騒音制御位置
    から離れたところに設置されたn個の誤差検出器と、n
    個の第4のディジタルフィルタと、n個の減算器と、
    (m×n)個の加算器と、(m×n)個の係数演算器
    と、m個の制御信号加算器を有し、 騒音信号はjk(j=1、2、…、m ;k=1、2、
    …、n)番目のアダプティブフィルタとjk番目の第1
    のディジタルフィルタでそれぞれ信号処理され、あるj
    k(=JK)番目のアダプティブフィルタの出力はJK
    番目の第2のディジタルフィルタとJ番目の制御信号加
    算器に入力され、J番目の制御信号加算器によってJK
    番目のアダプティブフィルタの出力と(n−1)個のJ
    K'(K'≠K)番目のアダプティブフィルタの出力が加
    算され、J番目の制御信号加算器の出力はn個のJk番
    目の第3のディジタルフィルタに入力され、またJ番目
    の制御信号加算器の出力はJ番目のスピーカにより再生
    され、K番目の誤差検出器の出力はK番目の第4のディ
    ジタルフィルタで信号処理され、K番目の減算器によっ
    てK番目の第4のディジタルフィルタの出力からJK番
    目の第3のディジタルフィルタの出力と(m−1)個の
    J'K(J'≠J)番目の第3のディジタルフィルタの出
    力を減算してその出力をm個のjK番目のアダプティブ
    フィルタとm個のjK番目の第1のディジタルフィルタ
    の騒音信号として入力し、さらにK番目の減算器の出力
    はm個のjK番目の加算器に入力され、JK番目の加算
    器によってK番目の減算器の出力とJK番目の第2のデ
    ィジタルフィルタの出力を加算し、JK番目の係数演算
    器はJK番目の第1のディジタルフィルタの出力とJK
    番目の加算器の出力によってJ番目のアダプティブフィ
    ルタの係数を求めて更新するように構成され、 JK番目の第1のディジタルフィルタとJK番目の第2
    のディジタルフィルタには前記J番目のスピーカから最
    適減衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの
    伝達関数を予め係数として同定しており、 JK番目の第3のディジタルフィルタには前記J番目の
    スピーカから前記K番目の誤差検出器を通って前記K番
    目の第4のディジタルフィルタまでの伝達関数を予め係
    数として同定しており、 K番目の第4のディジタルフィルタには騒音源から前記
    K番目の誤差検出器までの伝達関数と騒音源から最適減
    衰効果を得るところのK番目の騒音制御位置までの伝達
    関数との比を予め係数として同定していることを特徴と
    する消音装置。
  15. 【請求項15】スピーカと誤差検出器は頭部付近に設置
    されていることを特徴とする請求項1から14のいずれ
    かに記載の消音装置。
  16. 【請求項16】スピーカおよび誤差検出器は、ヘッドレ
    ストに設置されたことを特徴とする請求項15記載の消
    音装置。
  17. 【請求項17】ヘッドレストは、頭部を必然的に固定す
    るくぼみを有することを特徴とする請求項16記載の消
    音装置。
  18. 【請求項18】ヘッドレストは椅子に設けられているこ
    とを特徴とする請求項16記載の消音装置。
  19. 【請求項19】ヘッドレストは枕であることを特徴とす
    る請求項16記載の消音装置。
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