JPH0818Y2 - 化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本案はマスカラ等の化粧料容器に係り、詳しくは容器
内に差込むブラシを偏心位置にセットし、容器の周壁に
付着する残存化粧料を容易に取出し得るようにすると共
に更に容器内にブラシを差込むことによつて化粧料を収
納した容器が自動的に回動してブラシに残存する化粧料
が付着するようにした極めて有益な化粧料容器に関する
ものである。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 従来周知のマスカラ等の化粧料容器においては、ある
程度化粧料を使用した後は容器の内周壁に付着している
残存化粧料を取出すためにブラシ軸を傾けて攪拌操作を
したりするのが常であるが、このような方法によつても
容器内に化粧料が残つてしまい非常に不経済であつた。

又前記の欠点を改良するために実開昭64-40317号の如
く軸上にラセンを設け、このラセンを回転させて化粧料
をかき落すようにしたものも提案されているが、ラセン
に化粧料が付着したりして完全な取出しは不可能であ
る。

本案は塗布ブラシを容器内の偏心位置にセットして常
に容器の内壁面に接触するように設け、しかも塗布ブラ
シを容器内に差込むと化粧料の収納容器が自動的にある
程度回動して壁面に付着している化粧料が塗布ブラシに
移行し残存化粧料を特別な操作を必要とせずに容易に取
出し得るようになる新規の化粧料容器を提供することを
目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本案はブラシを容器内の偏心位置にセットすると共に
ブラシを容器内に差込むと化粧料を収納した容器が自動
的に回動して前記ブラシに残存化粧料が付着し易くした
点に特徴を有し、容器本体と、該容器本体に上下動並び
に回動可能に格納された化粧料の収納容器と、該収納容
器内に偏心位置に挿入され、収納容器の一側内壁面と常
に接触状態を保持するブラシを有し、前記容器本体に着
脱自在に螺合する蓋体とからなり、前記容器本体の底部
に前記収納容器を弾圧するスプリングを設置すると共に
前記容器本体の下部内周面に上壁部と底壁部に斜面カム
を有し、しかも相隣接する溝の中間に該溝の中途位置ま
で延びる下向き及び上向きのリブを突設してなる鈎状の
連続状態をなすガイド溝を形成し、該ガイド溝に前記収
納容器に突設したピンを係合せしめてなる構成を要旨と
するものである。

実施例 以下本案の具体的構成を図面に示す実施例について説
明すると、１は容器本体であつて、外側の胴筒1aの下部
に筒状のガイド枠1bと、その上部に同じく筒状の中枠1c
を固定し、開口部には偏心位置に頸部1eを有し、内部に
払拭部材1fを設置してなる中具1dを固定した構造からな
つており、前記中枠1cのガイド枠1bは図面においては別
体のものとなつているが、一体的に形成することも可能
である。２は前記容器本体１内に上下動並びに回動可能
に格納した化粧料の収納容器であつて、開口部にラツパ
状の開拡片2aを設け、該開拡片2aが常に容器本体１の内
壁即ち中枠1cに密接してあり、又該収納容器２は容器本
体１の底部に弾装したスプリング３によつて常時上方に
弾圧されている。４は容器本体１の頸部1eに着脱自在に
螺合する蓋体であつて、軸ホルダー4aに固定された軸５
の先端にブラシ６を設け、該ブラシ６を容器内に挿入す
ると収納容器２内において偏心位置にセットされ、常に
収納容器２の一側内壁面に接触するようになる。７は容
器本体１の下部即ち前記ガイド枠1bの内周面に穿設され
たガイド溝であつて、該ガイド溝７は鈎状の連続した溝
と相隣接する溝の間に端面が斜状にカットされた下向き
及び上向きのリブ7a,7bが溝の中途位置まで延びた状態
で突設され、又各溝の上端及び底部に斜面カム7c,7dが
形成されている。８は前記収納容器２の下部外側に突設
したピンであつて、このピン８を前記ガイド溝７に係合
せしめる。尚ピン８の断面形状は好ましくは円形状のも
のが多く用いられるが、多角形状のものでも同じ効果が
得られる。

考案の作用、効果 而して容器本体１から蓋体４を取外すと、収納容器２
はスプリング３の弾圧で上限位置まで上昇し、この時ピ
ン８は第４図に示す如くガイド溝７の上壁のａ位置にあ
り、蓋体２を容器本体１にネジ込んで行くとブラシ６の
先端が収納容器２の底に当り、更にネジ込みを続行する
と収納容器２が下降し、ピン８はガイド溝７の底部に当
つてｂ位置から斜面カム7dをすべり落ちてｃの位置に到
達しこれと同時に収納容器２は１ピッチ分回動し、この
状態では収納容器２は最下部まで下降し、第１図の状態
にある。次に前記状態において、蓋体４を緩め、軸５を
引上げるとスプリング３の弾圧で収納容器２が上昇し、
ピン８はガイド溝７の上壁の斜面カム7aに接してｄの位
置に到達すると同時に斜面カム7cを上昇してｅの位置に
突き当り、この動作によつて収納容器２は１ピッチ分回
動するようになる。即ちブラシ６の差込時と引上げ時に
夫々収納容器２は１ピッチ分自動的に回動することにな
る。

本案は叙上の如く、容器本体と、該容器本体に上下動
並びに回動可能に格納された化粧料の収納容器と、該収
納容器内に偏心位置に挿入され、収納容器の一側内壁面
と常に接触状態を保持するブラシを有し、前記容器本体
に着脱自在に螺合する蓋体とからなり、前記容器本体の
底部に前記収納容器を弾圧するスプリングを設置すると
共に前記容器本体の下部内周面に上壁部と底壁部に斜面
カムを有し、しかも相隣接する溝の中間に該溝の中途位
置まで延びる下向き及び上向きのリブを突設してなる鈎
状の連続状態をなすガイド溝を形成し、該ガイド溝に前
記収納容器に突設したピンを係合せしめてなる構成に係
り、ブラシの差込時と引上げ時に収納容器が夫々１ピッ
チ回動し、しかも収納容器内におけるブラシは該容器の
一側内壁面に常に接触状態にあるため、前記収納容器の
回動時に壁面の残存化粧料がブラシに確実に付着し、従
来品のような特別な操作を要することなく、残存化粧料
を容易に取出すことが可能であり、使用簡便にして極め
て有益な化粧料容器を提供し得る利点を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示すもので、第１図はブラシを完
全に差込んだ状態の容器の縦断面図、第２図はブラシを
引上げた状態の同縦断面図、第３図はガイド溝の形状と
収納容器のピンを示す斜視図、第４図はガイド溝内にお
けるピンの移行を示す作用説明図である。 １……容器本体、２……収納容器、４……蓋体、６……
ブラシ、７……ガイド溝、８……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体と、該容器本体に上下動並びに回
   動可能に格納された化粧料の収納容器と、該収納容器内
   に偏心位置に挿入され、収納容器の一側内壁面と常に接
   触状態を保持するブラシを有し、前記容器本体に着脱自
   在に螺合する蓋体とからなり、前記容器本体の底部に前
   記収納容器を弾圧するスプリングを設置すると共に前記
   容器本体の下部内周面に上壁部と底壁部に斜面カムを有
   し、しかも相隣接する溝の中間に該溝の中途位置まで延
   びる下向き及び上向きのリブを突設してなる鈎状の連続
   状態をなすガイド溝を形成し、該ガイド溝に前記収納容
   器に突設したピンを係合せしめてなる化粧料容器。