JPH08189832A - 圧電振動子を使用した検出回路 - Google Patents
圧電振動子を使用した検出回路Info
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- JPH08189832A JPH08189832A JP6337138A JP33713894A JPH08189832A JP H08189832 A JPH08189832 A JP H08189832A JP 6337138 A JP6337138 A JP 6337138A JP 33713894 A JP33713894 A JP 33713894A JP H08189832 A JPH08189832 A JP H08189832A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 圧電振動子からの振動出力を検出する検出回
路において、圧電振動子の制動容量の影響を低減させて
高感度な出力を得るようにする。 【構成】 交流駆動電源21から駆動側圧電素子に電力
が与えられて振動型ジャイロスコープなどの弾性体が駆
動される。この振動は圧電振動子により検出されるが、
圧電振動子の一方の電極11に容量Csが直列に接続さ
れ、経路L2により容量Csにかかる電圧が検出され
る。差動増幅器24により、出力経路L1の電圧から前
記容量Csの電圧が減ぜられるが、容量Csが圧電振動
子の制動容量Coのn倍であるとき、増幅器23の増幅
率を(n+1)倍に設定すると、圧電振動子の制動容量
Cdにかかる電圧が回路上にて打ち消され、高感度の振
動検出ができる。
路において、圧電振動子の制動容量の影響を低減させて
高感度な出力を得るようにする。 【構成】 交流駆動電源21から駆動側圧電素子に電力
が与えられて振動型ジャイロスコープなどの弾性体が駆
動される。この振動は圧電振動子により検出されるが、
圧電振動子の一方の電極11に容量Csが直列に接続さ
れ、経路L2により容量Csにかかる電圧が検出され
る。差動増幅器24により、出力経路L1の電圧から前
記容量Csの電圧が減ぜられるが、容量Csが圧電振動
子の制動容量Coのn倍であるとき、増幅器23の増幅
率を(n+1)倍に設定すると、圧電振動子の制動容量
Cdにかかる電圧が回路上にて打ち消され、高感度の振
動検出ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動型ジャイロスコー
プや加速度センサなどの圧電振動子を使用した各種検出
装置において、圧電振動子の振動成分を感度よく検出で
きるようにした検出回路に関する。
プや加速度センサなどの圧電振動子を使用した各種検出
装置において、圧電振動子の振動成分を感度よく検出で
きるようにした検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子は、回転系の角速度を検出す
る振動型ジャイロスコープや、加速度センサーなどに広
く使用されている。この種の検出装置では、圧電振動子
の振動に基づく電圧または電流が検出され、この検出出
力に基づいて、角速度や加速度の大きさが求められる。
る振動型ジャイロスコープや、加速度センサーなどに広
く使用されている。この種の検出装置では、圧電振動子
の振動に基づく電圧または電流が検出され、この検出出
力に基づいて、角速度や加速度の大きさが求められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図23(A)(B)は
圧電振動子の等価回路である。この等価回路におけるC
d,Coは制動容量である。圧電振動子を振動しないよ
うにクランプしたときに、圧電振動子には、制動容量C
dまたはCoにかかる電圧または制動容量に流れる電流
が検出される。上記制動容量Cd,Coを有している圧
電振動子に振動を与えた場合、圧電振動子から得られる
検出電圧または検出電流は、制動容量Cd,Coにかか
る電圧または電流分だけ低減させられ、圧電振動子の振
動を高感度に検出できない問題がある。
圧電振動子の等価回路である。この等価回路におけるC
d,Coは制動容量である。圧電振動子を振動しないよ
うにクランプしたときに、圧電振動子には、制動容量C
dまたはCoにかかる電圧または制動容量に流れる電流
が検出される。上記制動容量Cd,Coを有している圧
電振動子に振動を与えた場合、圧電振動子から得られる
検出電圧または検出電流は、制動容量Cd,Coにかか
る電圧または電流分だけ低減させられ、圧電振動子の振
動を高感度に検出できない問題がある。
【0004】本発明は上記課題を解決するものであり、
圧電振動子の制動容量による出力の低減分を回路上にて
打ち消しまたは低減させることができるようにして、高
感度な振動検出ができるようにした圧電振動子の検出回
路を提供することを目的としている。
圧電振動子の制動容量による出力の低減分を回路上にて
打ち消しまたは低減させることができるようにして、高
感度な振動検出ができるようにした圧電振動子の検出回
路を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の検出回路は、振
動が与えられる圧電振動子と、圧電振動子にかかる電圧
または圧電振動子に流れる電流を検出する第1の検出経
路と、前記圧電振動子に接続された容量と、前記容量に
かかる電圧を検出する第2の検出経路と、第1の検出経
路と第2の検出経路の検出出力の差または和を求める手
段とが設けられていることを特徴とするものである。
動が与えられる圧電振動子と、圧電振動子にかかる電圧
または圧電振動子に流れる電流を検出する第1の検出経
路と、前記圧電振動子に接続された容量と、前記容量に
かかる電圧を検出する第2の検出経路と、第1の検出経
路と第2の検出経路の検出出力の差または和を求める手
段とが設けられていることを特徴とするものである。
【0006】上記において、容量が圧電振動子と直列に
接続され、第2の検出経路が、圧電振動子と容量の中間
に接続されている場合に、第2の検出経路の検出電圧あ
るいは電流を増幅する増幅器を設けることが好ましい。
ここで前記容量が圧電振動子の静電容量のn倍の容量値
の場合に、容量にかかる電圧または電流をほぼ(n+
1)倍に増幅する増幅手段とすることがさらに好まし
い。
接続され、第2の検出経路が、圧電振動子と容量の中間
に接続されている場合に、第2の検出経路の検出電圧あ
るいは電流を増幅する増幅器を設けることが好ましい。
ここで前記容量が圧電振動子の静電容量のn倍の容量値
の場合に、容量にかかる電圧または電流をほぼ(n+
1)倍に増幅する増幅手段とすることがさらに好まし
い。
【0007】また本発明の検出回路は、振動が与えられ
る圧電振動子と、圧電振動子にかかる電圧または圧電振
動子に流れる電流を検出する第1の検出経路と、圧電振
動子に接続された容量に流れる電流を検出する第2の検
出経路と、第1の検出経路と第2の検出経路の検出出力
の差または和を求める手段とが設けられていることを特
徴とするものである。
る圧電振動子と、圧電振動子にかかる電圧または圧電振
動子に流れる電流を検出する第1の検出経路と、圧電振
動子に接続された容量に流れる電流を検出する第2の検
出経路と、第1の検出経路と第2の検出経路の検出出力
の差または和を求める手段とが設けられていることを特
徴とするものである。
【0008】上記手段では、前記容量が圧電振動子と並
列に接続され、前記容量が圧電振動子の制動容量とほぼ
等価であることが好ましい。
列に接続され、前記容量が圧電振動子の制動容量とほぼ
等価であることが好ましい。
【0009】さらに本発明は、弾性体を振動させる駆動
用圧電素子と、弾性体を介して振動が与えられる圧電振
動子と、駆動用圧電素子と圧電振動子に共通する電極ま
たは圧電振動子と弾性体との間に位置する電極に接続さ
れた容量と、この容量を流れる電流を検出する第2の検
出経路と、圧電振動子の他方の電極から電圧または電流
を検出する第1の検出経路と、第1の検出経路と第2の
検出経路の検出出力の差または和を求める手段とが設け
られていることを特徴とするものである。
用圧電素子と、弾性体を介して振動が与えられる圧電振
動子と、駆動用圧電素子と圧電振動子に共通する電極ま
たは圧電振動子と弾性体との間に位置する電極に接続さ
れた容量と、この容量を流れる電流を検出する第2の検
出経路と、圧電振動子の他方の電極から電圧または電流
を検出する第1の検出経路と、第1の検出経路と第2の
検出経路の検出出力の差または和を求める手段とが設け
られていることを特徴とするものである。
【0010】前記いずれかの手段において、圧電振動子
の誘電体損失を打ち消すための抵抗成分を、前記容量に
接続することが可能である。
の誘電体損失を打ち消すための抵抗成分を、前記容量に
接続することが可能である。
【0011】本発明の検出回路の実装例としては、例え
ば弾性体を振動させる駆動手段すなわち駆動用圧電素子
が設けられ、回転系内に置かれた弾性体に作用するコリ
オリ力により前記圧電振動子に振動が与えられる振動型
ジャイロスコープが挙げられる。振動型ジャイロスコー
プでは、前記手段を適用することにより、圧電振動子か
らの電圧または電流の変動を高精度に検出できるように
なり、回転角速度を高感度に検出できるものとなる。
ば弾性体を振動させる駆動手段すなわち駆動用圧電素子
が設けられ、回転系内に置かれた弾性体に作用するコリ
オリ力により前記圧電振動子に振動が与えられる振動型
ジャイロスコープが挙げられる。振動型ジャイロスコー
プでは、前記手段を適用することにより、圧電振動子か
らの電圧または電流の変動を高精度に検出できるように
なり、回転角速度を高感度に検出できるものとなる。
【0012】
【作用】本発明の第1の手段では、圧電振動子に容量C
sが接続されており、圧電振動子が振動したときに容量
Csにかかる電圧が第2の検出経路により検出される。
第1の検出経路では、圧電振動子全体にかかる電圧また
は圧電振動子に流れる電流が検出される。差動手段とし
ては差動増幅器が使用され、第1の検出経路の検出電圧
と第2の検出経路の検出電圧との差が求められる。第1
の検出経路から電流が検出される場合、例えば第1の検
出経路で検出された電流が電圧に変換された後に、差動
増幅器において、第1の検出経路の電圧と、第2の検出
経路での検出電圧との差が求められる。また、第1の検
出経路と第2の検出経路とで得られる電圧の位相が18
0度相違しているときには、一方の経路に位相反転手段
が設けられて両経路の検出電圧の差が求められる。ある
いは両経路の位相の相違する電圧の和が求められてもよ
い。この場合の差動手段の代わりに和動回路が設けられ
ている。
sが接続されており、圧電振動子が振動したときに容量
Csにかかる電圧が第2の検出経路により検出される。
第1の検出経路では、圧電振動子全体にかかる電圧また
は圧電振動子に流れる電流が検出される。差動手段とし
ては差動増幅器が使用され、第1の検出経路の検出電圧
と第2の検出経路の検出電圧との差が求められる。第1
の検出経路から電流が検出される場合、例えば第1の検
出経路で検出された電流が電圧に変換された後に、差動
増幅器において、第1の検出経路の電圧と、第2の検出
経路での検出電圧との差が求められる。また、第1の検
出経路と第2の検出経路とで得られる電圧の位相が18
0度相違しているときには、一方の経路に位相反転手段
が設けられて両経路の検出電圧の差が求められる。ある
いは両経路の位相の相違する電圧の和が求められてもよ
い。この場合の差動手段の代わりに和動回路が設けられ
ている。
【0013】上記の差動または和動により、圧電振動子
の制動容量にかかる電圧または電流が回路上にて打ち消
されまたは低減され、圧電振動子の振動に基づく検出出
力から制動容量の影響が打ち消され、または低減される
ことになる。よって、高精度な振動検出出力が得られ
る。
の制動容量にかかる電圧または電流が回路上にて打ち消
されまたは低減され、圧電振動子の振動に基づく検出出
力から制動容量の影響が打ち消され、または低減される
ことになる。よって、高精度な振動検出出力が得られ
る。
【0014】上記第1の手段においては、付加された容
量の電圧が検出され、この電圧により、圧電振動子の制
動容量にかかる電圧成分が打ち消されまたは低減される
ものとなる。よって、例えば容量が圧電振動子の制動容
量と等価である場合には、この容量にかかる電圧を圧電
振動子にかかる電圧から差し引くことが必要である。こ
こで、圧電振動子と容量とが直列に接続され、容量の他
端が接地されまたは所定の電位に設定されている場合
に、第2の検出経路を圧電振動子と容量の中間に接続す
ることができる。この場合、第1の検出経路には、圧電
振動子と容量とにかかる電圧(または圧電振動子と容量
に流れる電流)が検出されることになり、第2の検出経
路では容量にのみかかる電圧が検出されることになる。
量の電圧が検出され、この電圧により、圧電振動子の制
動容量にかかる電圧成分が打ち消されまたは低減される
ものとなる。よって、例えば容量が圧電振動子の制動容
量と等価である場合には、この容量にかかる電圧を圧電
振動子にかかる電圧から差し引くことが必要である。こ
こで、圧電振動子と容量とが直列に接続され、容量の他
端が接地されまたは所定の電位に設定されている場合
に、第2の検出経路を圧電振動子と容量の中間に接続す
ることができる。この場合、第1の検出経路には、圧電
振動子と容量とにかかる電圧(または圧電振動子と容量
に流れる電流)が検出されることになり、第2の検出経
路では容量にのみかかる電圧が検出されることになる。
【0015】この場合において、容量Csが圧電振動子
の制動容量の容量値のn倍である場合に、第2の検出経
路により検出された容量Csにかかる電圧または電流を
ほぼ(n+1)倍に増幅すると、圧電振動子の制動容量
にかかる電圧が、容量Csにかかる電圧によりほぼ等価
的に打ち消される。
の制動容量の容量値のn倍である場合に、第2の検出経
路により検出された容量Csにかかる電圧または電流を
ほぼ(n+1)倍に増幅すると、圧電振動子の制動容量
にかかる電圧が、容量Csにかかる電圧によりほぼ等価
的に打ち消される。
【0016】本発明の第2の手段では、圧電振動子が振
動したときに、圧電振動子に接続された容量に流れる電
流が第2の検出経路により検出される。また第1の検出
経路では、圧電振動子に流れる電流または圧電振動子に
かかる電圧が検出される。差動手段は例えば差動増幅器
により構成される。この差動増幅器を用いて、第1の検
出経路により検出された電流を電圧に変換したものまた
は第1の検出経路にて検出された電圧から、第2の検出
経路により検出された電流を電圧に変換したものの差が
求められる。これにより圧電振動子に流れる電流が、付
加された容量に流れる電流により打ち消され、または低
減される。
動したときに、圧電振動子に接続された容量に流れる電
流が第2の検出経路により検出される。また第1の検出
経路では、圧電振動子に流れる電流または圧電振動子に
かかる電圧が検出される。差動手段は例えば差動増幅器
により構成される。この差動増幅器を用いて、第1の検
出経路により検出された電流を電圧に変換したものまた
は第1の検出経路にて検出された電圧から、第2の検出
経路により検出された電流を電圧に変換したものの差が
求められる。これにより圧電振動子に流れる電流が、付
加された容量に流れる電流により打ち消され、または低
減される。
【0017】また第1の検出経路と第2の検出経路と
で、差動すべき電圧の位相が180度相違している場合
には、いずれか一方の検出経路の電圧を位相変換手段に
より180度変化させてから、両経路の検出電圧の差が
求められる。あるいは両経路の180度位相の相違する
電圧の和を求めてもよい。この場合の差動手段の代わり
に和動回路が用いられる。この差動または和動手段を経
た出力は制動容量の影響を受けない高精度な振動検出出
力となる。
で、差動すべき電圧の位相が180度相違している場合
には、いずれか一方の検出経路の電圧を位相変換手段に
より180度変化させてから、両経路の検出電圧の差が
求められる。あるいは両経路の180度位相の相違する
電圧の和を求めてもよい。この場合の差動手段の代わり
に和動回路が用いられる。この差動または和動手段を経
た出力は制動容量の影響を受けない高精度な振動検出出
力となる。
【0018】上記第2の手段において、容量が圧電振動
子に直列に接続されている場合に、容量Csが圧電振動
子の制動容量の容量値と等価であれば、圧電振動子の制
動容量に流れる電流を等価的に打ち消すことができる。
ただし、付加される容量Csが圧電振動子の制動容量の
n倍である場合には、この容量に流れる電流または電圧
に変換したものを1/n倍に増幅し、差動手段により、
第1の検出経路の検出出力と、増幅された出力との差を
求めればよい。または容量Csが圧電振動子の制動容量
のn倍であるときに、第1の検出経路にn倍の増幅器を
設けても同じである。
子に直列に接続されている場合に、容量Csが圧電振動
子の制動容量の容量値と等価であれば、圧電振動子の制
動容量に流れる電流を等価的に打ち消すことができる。
ただし、付加される容量Csが圧電振動子の制動容量の
n倍である場合には、この容量に流れる電流または電圧
に変換したものを1/n倍に増幅し、差動手段により、
第1の検出経路の検出出力と、増幅された出力との差を
求めればよい。または容量Csが圧電振動子の制動容量
のn倍であるときに、第1の検出経路にn倍の増幅器を
設けても同じである。
【0019】上記第2の手段の好ましい構成となる第3
の手段では、駆動手段としての駆動用圧電素子により前
記検出用の圧電振動子に振動が直接に与えられ、あるい
は弾性体を介して検出用の圧電振動子に振動が与えられ
る。または例えば駆動用圧電素子により振動が与えられ
た弾性体が回転系に置かれ、コリオリ力により前記圧電
振動子に振動が与えられる。これらにおいて、駆動用圧
電素子と検出用圧電振動子とに共通の電極が設けられて
いる場合には、この共通の電極に容量Csおよび第2の
検出手段を接続すると、さらに高感度の差動または和動
検出出力が得られる。また、弾性体を挟んで一方の側に
駆動手段としての駆動用圧電素子が設けられ、他方の側
に本発明での検出側の圧電振動子が設けられている場
合、弾性体と検出側の圧電振動子との間に設けられた電
極に第2の検出手段を接続することにより、同様にして
高感度の検出出力を得ることができる。
の手段では、駆動手段としての駆動用圧電素子により前
記検出用の圧電振動子に振動が直接に与えられ、あるい
は弾性体を介して検出用の圧電振動子に振動が与えられ
る。または例えば駆動用圧電素子により振動が与えられ
た弾性体が回転系に置かれ、コリオリ力により前記圧電
振動子に振動が与えられる。これらにおいて、駆動用圧
電素子と検出用圧電振動子とに共通の電極が設けられて
いる場合には、この共通の電極に容量Csおよび第2の
検出手段を接続すると、さらに高感度の差動または和動
検出出力が得られる。また、弾性体を挟んで一方の側に
駆動手段としての駆動用圧電素子が設けられ、他方の側
に本発明での検出側の圧電振動子が設けられている場
合、弾性体と検出側の圧電振動子との間に設けられた電
極に第2の検出手段を接続することにより、同様にして
高感度の検出出力を得ることができる。
【0020】また上記第1ないし第3の手段において、
容量Csと直列な抵抗成分Rsを設けると、圧電振動子
の誘電体損失も同時に打ち消しまたは軽減でき、高精度
な振動検出出力を得られるようになる。この容量Csと
抵抗成分Rsは、圧電振動子と同じ誘電材料を用いるこ
とにより設定可能である。
容量Csと直列な抵抗成分Rsを設けると、圧電振動子
の誘電体損失も同時に打ち消しまたは軽減でき、高精度
な振動検出出力を得られるようになる。この容量Csと
抵抗成分Rsは、圧電振動子と同じ誘電材料を用いるこ
とにより設定可能である。
【0021】本発明の上記検出回路は、例えば振動型ジ
ャイロスコープに用いることができる。振動型ジャイロ
スコープでは、弾性体が駆動手段である駆動用圧電素子
により振動駆動される。この弾性体が回転系内に置かれ
ると、コリオリ力により検出側となる圧電振動子に振動
が与えられる。この圧電振動子の振動成分の検出に上記
第1の手段ないし第4の手段の検出回路を用いることに
より、高精度な角速度検出が可能になる。
ャイロスコープに用いることができる。振動型ジャイロ
スコープでは、弾性体が駆動手段である駆動用圧電素子
により振動駆動される。この弾性体が回転系内に置かれ
ると、コリオリ力により検出側となる圧電振動子に振動
が与えられる。この圧電振動子の振動成分の検出に上記
第1の手段ないし第4の手段の検出回路を用いることに
より、高精度な角速度検出が可能になる。
【0022】また、上記各手段において、付加された容
量により、制動容量にかかる電圧または電流を必ずしも
正確に等価的に打ち消す必要はなく、制動容量にかかる
電圧または電流を、付加された容量によりほぼ打消しま
たはある程度低減させるような構造であってもよい。
量により、制動容量にかかる電圧または電流を必ずしも
正確に等価的に打ち消す必要はなく、制動容量にかかる
電圧または電流を、付加された容量によりほぼ打消しま
たはある程度低減させるような構造であってもよい。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明の第1実施例による圧電振動子を使用した検出回
路、図2はその等価回路であり、図3(A)(B)は、
圧電振動子の構造を示すものである。図1と図2に示す
検出回路は圧電振動子の振動成分を電圧として検出する
ものである。図3は、圧電振動子を使用した検出装置の
一例として三脚型の振動型ジャイロスコープを示してい
る。図3(A)は振動型ジャイロスコープの平面図であ
り、同図(B)は振動型ジャイロスコープの右端面の拡
大図である。
発明の第1実施例による圧電振動子を使用した検出回
路、図2はその等価回路であり、図3(A)(B)は、
圧電振動子の構造を示すものである。図1と図2に示す
検出回路は圧電振動子の振動成分を電圧として検出する
ものである。図3は、圧電振動子を使用した検出装置の
一例として三脚型の振動型ジャイロスコープを示してい
る。図3(A)は振動型ジャイロスコープの平面図であ
り、同図(B)は振動型ジャイロスコープの右端面の拡
大図である。
【0024】図3(B)に示すように、この振動型ジャ
イロスコープ10は、エリンバなどの恒弾性材料の弾性
板(弾性体)11の表裏両面に圧電材料12,12が積
層されている。圧電材料12,12の誘電分極方向は図
3(B)において矢印で示す方向である。振動型ジャイ
ロスコープ10は、溝10d,10dで分離された3枚
の振動板10a,10b,10cを有している。各振動
板10a,10b,10cの幅方向両縁部では、圧電材
料12,12の表面に駆動電極13が積層されており、
各駆動電極13へ交流駆動電力を与える駆動端子Aが設
けられている。また恒弾性材料の弾性板11がコモン電
極(共通電極)であり、これに接続される端子をCで示
している。この振動型ジャイロスコープ10では、駆動
電極13と、コモン電極となる弾性板11に挟まれた部
分の圧電材料12,12が駆動手段すなわち駆動用圧電
素子となる。
イロスコープ10は、エリンバなどの恒弾性材料の弾性
板(弾性体)11の表裏両面に圧電材料12,12が積
層されている。圧電材料12,12の誘電分極方向は図
3(B)において矢印で示す方向である。振動型ジャイ
ロスコープ10は、溝10d,10dで分離された3枚
の振動板10a,10b,10cを有している。各振動
板10a,10b,10cの幅方向両縁部では、圧電材
料12,12の表面に駆動電極13が積層されており、
各駆動電極13へ交流駆動電力を与える駆動端子Aが設
けられている。また恒弾性材料の弾性板11がコモン電
極(共通電極)であり、これに接続される端子をCで示
している。この振動型ジャイロスコープ10では、駆動
電極13と、コモン電極となる弾性板11に挟まれた部
分の圧電材料12,12が駆動手段すなわち駆動用圧電
素子となる。
【0025】駆動端子Aを介して各駆動電極13に交流
駆動電力が印加されると、左右両側の振動板10b,1
0cと中央の振動板10aとが、異なる位相で板面方向
(x方向)へ駆動される。ある時点で、両側の振動板1
0bと10cの振幅方向が+x方向のとき、中央の振動
板10aの振幅方向は−x方向である。この振動型ジャ
イロスコープ10がY軸またはY軸と平行な軸を中心と
する角速度成分を有する回転系内に置かれると、コリオ
リ力により、各振動板10a,10b,10cにz方向
への振動が発生する。図4に示すように、左右両側の振
動板10b,10cと中央の振動板10aとは異なる位
相の振動となり、ある時点で振動板10b,10cの振
幅方向が−z方向のとき、中央の弾性板10aの振幅方
向は+z方向である。
駆動電力が印加されると、左右両側の振動板10b,1
0cと中央の振動板10aとが、異なる位相で板面方向
(x方向)へ駆動される。ある時点で、両側の振動板1
0bと10cの振幅方向が+x方向のとき、中央の振動
板10aの振幅方向は−x方向である。この振動型ジャ
イロスコープ10がY軸またはY軸と平行な軸を中心と
する角速度成分を有する回転系内に置かれると、コリオ
リ力により、各振動板10a,10b,10cにz方向
への振動が発生する。図4に示すように、左右両側の振
動板10b,10cと中央の振動板10aとは異なる位
相の振動となり、ある時点で振動板10b,10cの振
幅方向が−z方向のとき、中央の弾性板10aの振幅方
向は+z方向である。
【0026】本発明では、図4に示すように、z方向へ
振動したときの振動成分が圧電材料12,12から検出
される。この振動の検出のために、各振動板10a,1
0b,10cの幅方向中央部にて、表裏の圧電材料1
2,12の表面に検出電極14が形成されている。各検
出電極14の検出端子をBで示している。この実施例で
は、検出電極14とコモン電極となる弾性板11に挟ま
れた部分の圧電材料12,12が検出用の圧電振動子と
なる。各振動板10a,10b,10cがコリオリ力に
よりz方向へ振動する振動成分を検出することにより、
y軸回りの回転角速度を求めることが可能である。
振動したときの振動成分が圧電材料12,12から検出
される。この振動の検出のために、各振動板10a,1
0b,10cの幅方向中央部にて、表裏の圧電材料1
2,12の表面に検出電極14が形成されている。各検
出電極14の検出端子をBで示している。この実施例で
は、検出電極14とコモン電極となる弾性板11に挟ま
れた部分の圧電材料12,12が検出用の圧電振動子と
なる。各振動板10a,10b,10cがコリオリ力に
よりz方向へ振動する振動成分を検出することにより、
y軸回りの回転角速度を求めることが可能である。
【0027】図1に示す回路では、所定の周波数の交流
駆動電源21の一端が接地され、他端が駆動端子Aに接
続されて、各駆動電極13と弾性板11との間の駆動用
圧電素子に交流駆動電力が与えられる。検出回路(イ)
では、検出電極14に導通する検出端子Bに、第1の検
出経路L1が接続されている。第1の検出経路L1で
は、バッファアンプ(電圧フォロワ)22が設けられて
いる。
駆動電源21の一端が接地され、他端が駆動端子Aに接
続されて、各駆動電極13と弾性板11との間の駆動用
圧電素子に交流駆動電力が与えられる。検出回路(イ)
では、検出電極14に導通する検出端子Bに、第1の検
出経路L1が接続されている。第1の検出経路L1で
は、バッファアンプ(電圧フォロワ)22が設けられて
いる。
【0028】検出用の圧電振動子と駆動用の圧電素子の
コモン電極となる弾性板11の端子Cには容量Csが直
列に接続され、容量Csの一端は接地されている。ある
いは容量Csの一端が所定の電位に設定されていてもよ
い。端子BとC間に位置する圧電振動子の等価回路は図
2に示す通りであり、前記容量Csは、等価回路での制
動容量Coにかかる電圧を打ち消しまたは低減するため
に設けられている。したがって容量Csは制動容量Co
に近い容量値であることが好ましい。図1の実施例では
容量Csの容量値が可変できるものであり、図5は、容
量Csを可変させたときの検出出力(Vout)を示して
いる。
コモン電極となる弾性板11の端子Cには容量Csが直
列に接続され、容量Csの一端は接地されている。ある
いは容量Csの一端が所定の電位に設定されていてもよ
い。端子BとC間に位置する圧電振動子の等価回路は図
2に示す通りであり、前記容量Csは、等価回路での制
動容量Coにかかる電圧を打ち消しまたは低減するため
に設けられている。したがって容量Csは制動容量Co
に近い容量値であることが好ましい。図1の実施例では
容量Csの容量値が可変できるものであり、図5は、容
量Csを可変させたときの検出出力(Vout)を示して
いる。
【0029】第2の検出経路L2は、検出用の圧電振動
子と容量Csとの中間から電圧を検出するものである。
制動容量Coを容量Csにて等価的に打ち消すために、
第2の検出経路L2には電圧を2倍に増幅する増幅器2
3が設けられている。そして、差動手段である差動増幅
器24により、第1の検出経路L1での検出電圧から第
2の検出経路L2での検出電圧が減じられて、出力(V
out)が得られる。
子と容量Csとの中間から電圧を検出するものである。
制動容量Coを容量Csにて等価的に打ち消すために、
第2の検出経路L2には電圧を2倍に増幅する増幅器2
3が設けられている。そして、差動手段である差動増幅
器24により、第1の検出経路L1での検出電圧から第
2の検出経路L2での検出電圧が減じられて、出力(V
out)が得られる。
【0030】図3(A)(B)に示す振動型ジャイロス
コープでは、交流駆動電源21から駆動電極13に与え
られる電力により、各振動板10a,10b,10cに
x方向への振動が与えられる。このジャイロスコープが
y軸回りの回転系に置かれると、コリオリ力により、各
振動板10a,10b,10cが図4に示す位相にてz
方向へ振動する。図1の検出回路(イ)では、検出電極
14の端子Bからの検出電圧に対し、容量Csを付加し
たことによる電圧が減算され、これにより、圧電振動子
の制動容量Coが等価的に相殺され、または低減されて
いる。
コープでは、交流駆動電源21から駆動電極13に与え
られる電力により、各振動板10a,10b,10cに
x方向への振動が与えられる。このジャイロスコープが
y軸回りの回転系に置かれると、コリオリ力により、各
振動板10a,10b,10cが図4に示す位相にてz
方向へ振動する。図1の検出回路(イ)では、検出電極
14の端子Bからの検出電圧に対し、容量Csを付加し
たことによる電圧が減算され、これにより、圧電振動子
の制動容量Coが等価的に相殺され、または低減されて
いる。
【0031】図5は、図1に示す検出回路により検出さ
れた出力(Vout)を示している。図5は、横軸に周波
数を示し、縦軸に出力(Vout)を(dB)で示してい
る。図1に示す回路において、容量Csと第2の検出経
路L2および差動増幅器24を設けず、端子Cを直接に
接地した場合の出力変化線を(a)で示している。図5
に示す(a)以外の出力変化線は、容量Csを3300
pF、4700pF、6800pFまたは10000p
Fに設定した場合を示している。
れた出力(Vout)を示している。図5は、横軸に周波
数を示し、縦軸に出力(Vout)を(dB)で示してい
る。図1に示す回路において、容量Csと第2の検出経
路L2および差動増幅器24を設けず、端子Cを直接に
接地した場合の出力変化線を(a)で示している。図5
に示す(a)以外の出力変化線は、容量Csを3300
pF、4700pF、6800pFまたは10000p
Fに設定した場合を示している。
【0032】また、図5において、α点は、駆動用圧電
素子により振動板10a,10b,10cに与えられる
x方向の振動の共振周波数である。β点は、各振動板1
0a,10b,10cのコリオリ力によるz方向の曲げ
振動(2次共振モード)の共振周波数を示している。ま
たγ点は、前記x方向への駆動共振モードとz方向への
曲げ振動モードの結合振動の共振周波数であると予測さ
れる。振動型ジャイロスコープ10では、圧電振動子の
振動出力がβ点の周波数にて検出される。
素子により振動板10a,10b,10cに与えられる
x方向の振動の共振周波数である。β点は、各振動板1
0a,10b,10cのコリオリ力によるz方向の曲げ
振動(2次共振モード)の共振周波数を示している。ま
たγ点は、前記x方向への駆動共振モードとz方向への
曲げ振動モードの結合振動の共振周波数であると予測さ
れる。振動型ジャイロスコープ10では、圧電振動子の
振動出力がβ点の周波数にて検出される。
【0033】例えば容量Csが10000pFの場合で
のβ点の出力を見たとき、(g)が共振点で(h)が反
共振点となる。圧電振動子の振動を電圧にて検出する場
合には、共振点(g)にて電圧値が極小で反共振点
(h)で電圧値が極大になる。各振動板10a,10
b,10cがコリオリ力によりz方向へ振動したとき、
共振点(g)にて圧電振動子にかかる電圧が最小で流れ
る電流が最大になり、反共振点(h)では、圧電振動子
にかかる電圧が最大で流れる電流が最小となる。出力
(Vout)では、上記共振点(g)の極小値または反共
振点(h)での極大値を検出することにより、各振動板
10a,10b,10cの振幅が検出され、これに基づ
いて角速度が求められる。
のβ点の出力を見たとき、(g)が共振点で(h)が反
共振点となる。圧電振動子の振動を電圧にて検出する場
合には、共振点(g)にて電圧値が極小で反共振点
(h)で電圧値が極大になる。各振動板10a,10
b,10cがコリオリ力によりz方向へ振動したとき、
共振点(g)にて圧電振動子にかかる電圧が最小で流れ
る電流が最大になり、反共振点(h)では、圧電振動子
にかかる電圧が最大で流れる電流が最小となる。出力
(Vout)では、上記共振点(g)の極小値または反共
振点(h)での極大値を検出することにより、各振動板
10a,10b,10cの振幅が検出され、これに基づ
いて角速度が求められる。
【0034】図5の結果では、制動容量Coを等価的に
減じていない(a)では、振動による出力変化線の変動
が非常にわずかであり、各振動板10a,10b,10
cのz方向への振動周波数のβ点では、共振点(g)と
反共振点(h)のピークがほとんど検出できない。これ
に対し、容量Csにより制動容量Coにかかる電圧を低
減させたものでは、出力変化線の変動が大きくなってお
りβ点において共振点(g)と反共振点(h)のピーク
が明確に検出できることが解る。またこのピーク値は、
容量Csの値に左右され、図5ではCsが4700pF
のときに、最も高いピーク値が得られ感度の良い出力が
得られる。
減じていない(a)では、振動による出力変化線の変動
が非常にわずかであり、各振動板10a,10b,10
cのz方向への振動周波数のβ点では、共振点(g)と
反共振点(h)のピークがほとんど検出できない。これ
に対し、容量Csにより制動容量Coにかかる電圧を低
減させたものでは、出力変化線の変動が大きくなってお
りβ点において共振点(g)と反共振点(h)のピーク
が明確に検出できることが解る。またこのピーク値は、
容量Csの値に左右され、図5ではCsが4700pF
のときに、最も高いピーク値が得られ感度の良い出力が
得られる。
【0035】ここで、上記のように容量Csを付加した
ことにより、圧電振動子の制動容量Coにかかる電圧を
打消しまたは低減できる機能を、図2の等価回路を用い
て説明する。等価回路において、互いに並列に接続され
たインダクタンスL、容量C、振動抵抗Rからなるイン
ピーダンスをZ1とおく。このZ1は、圧電振動子が共
振する際のモーショナルインピーダンスである。
ことにより、圧電振動子の制動容量Coにかかる電圧を
打消しまたは低減できる機能を、図2の等価回路を用い
て説明する。等価回路において、互いに並列に接続され
たインダクタンスL、容量C、振動抵抗Rからなるイン
ピーダンスをZ1とおく。このZ1は、圧電振動子が共
振する際のモーショナルインピーダンスである。
【0036】図2の等価回路では、付加された容量Cs
が、圧電振動子の制動容量Coのn倍であり、電圧増幅
器23の増幅率が(n+1)倍となっている。B点での
電圧をV1とし、電圧増幅器23からの出力電圧をV2
とすると、V1とV2は数1に示す通りである。なお以
下において、Iは、圧電振動子と容量Csを流れる電流
である。
が、圧電振動子の制動容量Coのn倍であり、電圧増幅
器23の増幅率が(n+1)倍となっている。B点での
電圧をV1とし、電圧増幅器23からの出力電圧をV2
とすると、V1とV2は数1に示す通りである。なお以
下において、Iは、圧電振動子と容量Csを流れる電流
である。
【0037】
【数1】
【0038】差動手段である差動増幅器24からの出力
は数2に示す通りである。
は数2に示す通りである。
【0039】
【数2】
【0040】数2から、出力(Vout)では、制動容量
Coにかかる電圧が打ち消され、モーショナルインピー
ダンスZ1にかかる電圧のみが検出されることが解る。
圧電振動子からの検出電圧のうち制動容量Coにかかる
電圧が打ち消されることにより、高精度な振動検出が行
われていることが解る。図1は、増幅器23の増幅率を
n=1とした場合であり、図5はこのときの容量Csの
変化と出力(Vout)との関係を示したものである。図
5において容量Csが4700pFのときが、共振点
(g)と反共振点(h)でのピーク値が最も大きくなっ
ている。したがって図5に示した各実験値のうち、47
00pFが最も制動容量Coに近い容量値であることが
確認できる。
Coにかかる電圧が打ち消され、モーショナルインピー
ダンスZ1にかかる電圧のみが検出されることが解る。
圧電振動子からの検出電圧のうち制動容量Coにかかる
電圧が打ち消されることにより、高精度な振動検出が行
われていることが解る。図1は、増幅器23の増幅率を
n=1とした場合であり、図5はこのときの容量Csの
変化と出力(Vout)との関係を示したものである。図
5において容量Csが4700pFのときが、共振点
(g)と反共振点(h)でのピーク値が最も大きくなっ
ている。したがって図5に示した各実験値のうち、47
00pFが最も制動容量Coに近い容量値であることが
確認できる。
【0041】ただし、図5において容量Csが4700
pF以外のときでも、出力変化線(a)に比べて、検出
出力のピーク値が高くなっており、圧電振動子の振動検
出精度が高まることが解る。よって、増幅器23の増幅
率が2倍のときに、容量Csが制動容量Coと等価でな
くても、検出精度を高める効果を期待でき、また容量C
sが制動容量Coのn倍のときに、増幅器23の増幅率
が正確な(n+1)倍でなくても、振動検出の精度を高
めることが可能であることが解る。
pF以外のときでも、出力変化線(a)に比べて、検出
出力のピーク値が高くなっており、圧電振動子の振動検
出精度が高まることが解る。よって、増幅器23の増幅
率が2倍のときに、容量Csが制動容量Coと等価でな
くても、検出精度を高める効果を期待でき、また容量C
sが制動容量Coのn倍のときに、増幅器23の増幅率
が正確な(n+1)倍でなくても、振動検出の精度を高
めることが可能であることが解る。
【0042】図6と図7は、図1に示す第1実施例の変
形例を示している。図6では、第2の検出経路L2によ
り容量Csにかかる電圧が検出され、この電圧が増幅器
23により(n+1)倍(例えばn=1)に増幅され
る。一方、第1の検出経路L1では、圧電振動子に流れ
る電流が検出され、これが電流−電圧変換回路25によ
り電圧に変換される。そして第1の検出経路L1にて電
圧に変換された出力と、第2の検出経路L2にて得られ
る検出電圧との差が、差動増幅器24により求められ出
力(Vout)が得られる。
形例を示している。図6では、第2の検出経路L2によ
り容量Csにかかる電圧が検出され、この電圧が増幅器
23により(n+1)倍(例えばn=1)に増幅され
る。一方、第1の検出経路L1では、圧電振動子に流れ
る電流が検出され、これが電流−電圧変換回路25によ
り電圧に変換される。そして第1の検出経路L1にて電
圧に変換された出力と、第2の検出経路L2にて得られ
る検出電圧との差が、差動増幅器24により求められ出
力(Vout)が得られる。
【0043】図6において、第1の検出経路L1から差
動増幅器24に与えられる電圧と、第2の検出経路L2
から差動増幅器24に与えられる電圧とで、位相が異な
る場合には、いずれかの経路L1またはL2に位相変換
手段が設けられ、差動増幅器24に与えられる電圧の位
相が一致させられる。また、両経路L1とL2の電圧の
位相が180度ずれている場合には、差動手段の代わり
に、両経路の電圧の和を求める和動回路(和動手段)が
設けられてもよい。
動増幅器24に与えられる電圧と、第2の検出経路L2
から差動増幅器24に与えられる電圧とで、位相が異な
る場合には、いずれかの経路L1またはL2に位相変換
手段が設けられ、差動増幅器24に与えられる電圧の位
相が一致させられる。また、両経路L1とL2の電圧の
位相が180度ずれている場合には、差動手段の代わり
に、両経路の電圧の和を求める和動回路(和動手段)が
設けられてもよい。
【0044】図7に示す実施例では、検出側の圧電振動
子に直列な容量Cs2と、圧電振動子に並列な容量Cs
1が設けられている。両容量Cs1とCs2の容量値を
最適な組み合せに選び、また増幅器23の増幅率を最適
な状態に設定することにより、出力(Vout)から圧電
振動子の制動容量Coにかかる電圧成分を低減しあるい
は除去することが可能である。
子に直列な容量Cs2と、圧電振動子に並列な容量Cs
1が設けられている。両容量Cs1とCs2の容量値を
最適な組み合せに選び、また増幅器23の増幅率を最適
な状態に設定することにより、出力(Vout)から圧電
振動子の制動容量Coにかかる電圧成分を低減しあるい
は除去することが可能である。
【0045】図8は、本発明の第2実施例の圧電振動子
を使用した検出回路を示している。この第2実施例は、
図3に示す振動型ジャイロスコープ10において、検出
電極14からの振動出力を電流値として取り出すもので
ある。この実施例では、図1に示す実施例と同様に、交
流駆動電源21の駆動電力が駆動端子Aから駆動電極1
3に与えられる。
を使用した検出回路を示している。この第2実施例は、
図3に示す振動型ジャイロスコープ10において、検出
電極14からの振動出力を電流値として取り出すもので
ある。この実施例では、図1に示す実施例と同様に、交
流駆動電源21の駆動電力が駆動端子Aから駆動電極1
3に与えられる。
【0046】圧電振動子の検出回路(ロ)では、第1の
検出経路Laに電流−電圧変換回路25と、バッファア
ンプ(電圧フォロワ)26とが設けられている。第2の
検出経路Lbは、圧電振動子から容量Csを介して電流
を検出するものである。この経路Lbには、容量Csを
通過する電流を電圧に変換する電流−電圧変換回路27
およびバッファアンプ(電圧フォロワ)28が設けられ
ている。そして差動手段である差動増幅器24により、
第1の検出経路Laの検出出力(電圧)から第2の検出
経路Lbの検出出力(電圧)が減算される。図8の回路
では、第1の検出経路Laおよび第2の検出経路Lb
と、振動型ジャイロスコープ10の各端子BおよびCと
の接続が、(B−X)(C−Y)となる場合と、(B−
Y)(C−X)となる場合がある。
検出経路Laに電流−電圧変換回路25と、バッファア
ンプ(電圧フォロワ)26とが設けられている。第2の
検出経路Lbは、圧電振動子から容量Csを介して電流
を検出するものである。この経路Lbには、容量Csを
通過する電流を電圧に変換する電流−電圧変換回路27
およびバッファアンプ(電圧フォロワ)28が設けられ
ている。そして差動手段である差動増幅器24により、
第1の検出経路Laの検出出力(電圧)から第2の検出
経路Lbの検出出力(電圧)が減算される。図8の回路
では、第1の検出経路Laおよび第2の検出経路Lb
と、振動型ジャイロスコープ10の各端子BおよびCと
の接続が、(B−X)(C−Y)となる場合と、(B−
Y)(C−X)となる場合がある。
【0047】図9は、(B−X)(C−Y)の接続とな
る場合の等価回路を示し、図10は、(B−Y)(C−
X)の接続となる場合の等価回路を示している。この検
出回路(ロ)では、第1の検出経路Laにより、圧電材
料12,12から成る圧電振動子が振動したときに誘電
分極作用により生じる電力のうちの電流が検出される
が、第2の検出経路Lbでは、容量Csを介して電流が
検出される。よって差動増幅器24の差動出力では、圧
電振動子の等価回路での制動容量Cdが容量Csにより
等価的に打ち消されまたは低減される。
る場合の等価回路を示し、図10は、(B−Y)(C−
X)の接続となる場合の等価回路を示している。この検
出回路(ロ)では、第1の検出経路Laにより、圧電材
料12,12から成る圧電振動子が振動したときに誘電
分極作用により生じる電力のうちの電流が検出される
が、第2の検出経路Lbでは、容量Csを介して電流が
検出される。よって差動増幅器24の差動出力では、圧
電振動子の等価回路での制動容量Cdが容量Csにより
等価的に打ち消されまたは低減される。
【0048】図11と図12は、図8に示した検出回路
(ロ)の差動増幅器24を経た出力(Vout)を示して
いる。図11と図12では横軸が周波数で、縦軸が出力
(Vout)の変動を(dB)で示したものである。図5
と同様に、α点が駆動モードの共振周波数、β点が検出
モードの共振周波数である。β点は、コリオリ力により
各振動板10a,10b,10cに生じるz方向の振動
成分を検出したものである。図11と図12において、
(g)は各振動板10a,10b,10cのz方向への
共振点であり、(h)は反共振点である。図8の実施例
では、圧電振動子の振動により生じる電力が電流として
検出されているため、共振点(g)にて電流値が最大に
なりよって線図上は極大となり、反共振点(h)では電
流値が最小になり線図上は極小となる。すなわち図5に
示した電圧検出のものと極大と極小が逆になる。この共
振点(g)または反共振点(h)でのピーク値を検出す
ることにより、コリオリ力による振動成分が検出され、
角速度が求められる。
(ロ)の差動増幅器24を経た出力(Vout)を示して
いる。図11と図12では横軸が周波数で、縦軸が出力
(Vout)の変動を(dB)で示したものである。図5
と同様に、α点が駆動モードの共振周波数、β点が検出
モードの共振周波数である。β点は、コリオリ力により
各振動板10a,10b,10cに生じるz方向の振動
成分を検出したものである。図11と図12において、
(g)は各振動板10a,10b,10cのz方向への
共振点であり、(h)は反共振点である。図8の実施例
では、圧電振動子の振動により生じる電力が電流として
検出されているため、共振点(g)にて電流値が最大に
なりよって線図上は極大となり、反共振点(h)では電
流値が最小になり線図上は極小となる。すなわち図5に
示した電圧検出のものと極大と極小が逆になる。この共
振点(g)または反共振点(h)でのピーク値を検出す
ることにより、コリオリ力による振動成分が検出され、
角速度が求められる。
【0049】ここで、図11に示す結果は、回路の*印
の部分にて(B−X)(C−Y)の接続とした場合(図
9に示す等価回路)の出力(Vout)を示している。図
11において(b)で示す出力変化線は、容量Cs、第
2の検出経路Lbおよび差動増幅器24を設けず、端子
Xを直接接地した場合の測定結果である。(b)以外の
出力変化線は、前記容量Csをそれぞれ1000pF、
3300pF、または4700pFとした場合の出力
(Vout)である。図11では、出力変化線(b)での
出力(Vout)の変動が非常に小さく、共振点(g)と
反共振点(h)とでほとんどピーク値が現れていないの
に対し、容量Cs、第2の検出経路Lbおよび差動増幅
器24を設けたものでは、共振点(g)と反共振点
(h)とでピーク値が現れ、圧電振動子の振動に基づく
検出感度が高くなっているのが解る。
の部分にて(B−X)(C−Y)の接続とした場合(図
9に示す等価回路)の出力(Vout)を示している。図
11において(b)で示す出力変化線は、容量Cs、第
2の検出経路Lbおよび差動増幅器24を設けず、端子
Xを直接接地した場合の測定結果である。(b)以外の
出力変化線は、前記容量Csをそれぞれ1000pF、
3300pF、または4700pFとした場合の出力
(Vout)である。図11では、出力変化線(b)での
出力(Vout)の変動が非常に小さく、共振点(g)と
反共振点(h)とでほとんどピーク値が現れていないの
に対し、容量Cs、第2の検出経路Lbおよび差動増幅
器24を設けたものでは、共振点(g)と反共振点
(h)とでピーク値が現れ、圧電振動子の振動に基づく
検出感度が高くなっているのが解る。
【0050】図12に示す結果は、*印の部分にて(B
−Y)(C−X)の接続経路とした検出回路(図10に
示す等価回路)での出力(Vout)を示している。図1
2での出力変化線(c)は、容量Cs、第2の検出経路
Lbおよび差動増幅器24を設けず、端子Xを直接に接
地した場合を示している。(c)以外の出力変化線は、
容量Csを、1000pF、2200pF、3300p
Fまたは4700pFとしたときの出力変化線である。
図12では、容量Csを設け、この容量Csを経た電流
に基づく出力を第1の検出経路Laの出力から減じるこ
とにより、共振点(g)と反共振点(h)でのピーク値
が非常に高くなり、検出感度がきわめて高くなることが
解る。これは圧電振動子の制動容量Cdが、容量Csに
より等価的に打ち消されまたは低減され、これにより高
感度の出力が得られたことを意味している。
−Y)(C−X)の接続経路とした検出回路(図10に
示す等価回路)での出力(Vout)を示している。図1
2での出力変化線(c)は、容量Cs、第2の検出経路
Lbおよび差動増幅器24を設けず、端子Xを直接に接
地した場合を示している。(c)以外の出力変化線は、
容量Csを、1000pF、2200pF、3300p
Fまたは4700pFとしたときの出力変化線である。
図12では、容量Csを設け、この容量Csを経た電流
に基づく出力を第1の検出経路Laの出力から減じるこ
とにより、共振点(g)と反共振点(h)でのピーク値
が非常に高くなり、検出感度がきわめて高くなることが
解る。これは圧電振動子の制動容量Cdが、容量Csに
より等価的に打ち消されまたは低減され、これにより高
感度の出力が得られたことを意味している。
【0051】ここで図11と図12では、出力(Vou
t)の変動を示す縦軸のレンジが同じであり、また容量
Csの値も2200pFを除いて同じものである。図1
1と図12では、共に容量Csが3300pF付近で感
度が高くなっているが、図12の方が図11よりも検出
感度が高くなっていることが解る。図12の測定結果が
得られた検出回路(図10の等価回路)では、容量Cs
および第2の検出経路Lbが、駆動側圧電素子と検出側
圧電振動子のコモン電極である弾性板11に接続されて
いる。すなわち、駆動手段側の電極13および11と、
検出側の電極11および14とで、その共通電極となる
電極(弾性板)11から電流を取り出し、これを容量C
sに通過させ、差動増幅器24のマイナス側へ接続する
ことにより、図12に示すように圧電振動子の検出感度
を非常に高くできる。これは、コモン電極側から得られ
た電流を容量Csを通過させ、これを単独電極14から
の出力電流から減じた方が、差動する信号どうしの位相
が一致しやすく、高い差動出力が得やすくなるからであ
ると予測される。
t)の変動を示す縦軸のレンジが同じであり、また容量
Csの値も2200pFを除いて同じものである。図1
1と図12では、共に容量Csが3300pF付近で感
度が高くなっているが、図12の方が図11よりも検出
感度が高くなっていることが解る。図12の測定結果が
得られた検出回路(図10の等価回路)では、容量Cs
および第2の検出経路Lbが、駆動側圧電素子と検出側
圧電振動子のコモン電極である弾性板11に接続されて
いる。すなわち、駆動手段側の電極13および11と、
検出側の電極11および14とで、その共通電極となる
電極(弾性板)11から電流を取り出し、これを容量C
sに通過させ、差動増幅器24のマイナス側へ接続する
ことにより、図12に示すように圧電振動子の検出感度
を非常に高くできる。これは、コモン電極側から得られ
た電流を容量Csを通過させ、これを単独電極14から
の出力電流から減じた方が、差動する信号どうしの位相
が一致しやすく、高い差動出力が得やすくなるからであ
ると予測される。
【0052】以上から図8に示すような電流検出方式の
検出回路(ロ)では、駆動用圧電素子と検出用圧電振動
子の共通の電極となる側に容量Csと第2の検出経路L
bを接続することが好ましいものとなる。ただし、図9
に示す回路において、第1の検出経路Laまたは第2の
検出経路Lbに、検出電圧の位相を補償する手段を付加
し、差動増幅器24への入力電圧の位相を一致させるこ
とにより、図11に示すよりもさらに高い感度の検出出
力が得られるようになるものと予測される。
検出回路(ロ)では、駆動用圧電素子と検出用圧電振動
子の共通の電極となる側に容量Csと第2の検出経路L
bを接続することが好ましいものとなる。ただし、図9
に示す回路において、第1の検出経路Laまたは第2の
検出経路Lbに、検出電圧の位相を補償する手段を付加
し、差動増幅器24への入力電圧の位相を一致させるこ
とにより、図11に示すよりもさらに高い感度の検出出
力が得られるようになるものと予測される。
【0053】図9または図10に示すように、上記容量
Csを検出側の圧電振動子に並列に接続し、容量Csを
流れる電流を、圧電振動子に流れる電流から減算するこ
とにより、圧電振動子の振動検出感度が良好になるが、
その理由について説明する。図10に示すように、圧電
振動子の等価回路での直列な抵抗、容量、インダクタン
ス成分から成るモーショナルインピーダンスをZ2とす
る。モーショナルインピーダンスZ2に流れる電流をI
1、制動容量Cdに流れる電流をI2とするとB点に流
れる電流は(I1+I2)である。また容量Csを流れ
る電流をI3とする。B点での電圧をVとすると、I
1,I2,I3は数3に示す通りである。
Csを検出側の圧電振動子に並列に接続し、容量Csを
流れる電流を、圧電振動子に流れる電流から減算するこ
とにより、圧電振動子の振動検出感度が良好になるが、
その理由について説明する。図10に示すように、圧電
振動子の等価回路での直列な抵抗、容量、インダクタン
ス成分から成るモーショナルインピーダンスをZ2とす
る。モーショナルインピーダンスZ2に流れる電流をI
1、制動容量Cdに流れる電流をI2とするとB点に流
れる電流は(I1+I2)である。また容量Csを流れ
る電流をI3とする。B点での電圧をVとすると、I
1,I2,I3は数3に示す通りである。
【0054】
【数3】
【0055】上記各電流値を作動した結果は、数4の通
りである。
りである。
【0056】
【数4】
【0057】上記数4で示されるように、検出電流(I
out)では、制動容量Cdに流れる電流成分が打ち消さ
れている。この検出電流を電圧に変換した出力(Vou
t)でも、同様に制動容量Cdの成分が打ち消されてい
る。このように圧電振動子の制動容量Cdに流れる電流
が回路上にて打ち消されることにより、図11または図
12に示すような高感度の検出が可能になる。
out)では、制動容量Cdに流れる電流成分が打ち消さ
れている。この検出電流を電圧に変換した出力(Vou
t)でも、同様に制動容量Cdの成分が打ち消されてい
る。このように圧電振動子の制動容量Cdに流れる電流
が回路上にて打ち消されることにより、図11または図
12に示すような高感度の検出が可能になる。
【0058】なお、数4では、Cd=Csとして計算し
ているが、CsがCdと等価でなくても、制動容量Cd
に流れる電流を低減させることは可能である。また、容
量Csが制動容量Cdの容量値のn倍である場合には、
第2の検出経路Lbの電流−電圧変換回路27の次に1
/n倍の増幅率の増幅器を設ければ、結果的に、制動容
量Cdに流れる電流を等価的に打ち消すことができる。
あるいは、第1の検出経路Laの電流ー電圧変換回路2
5の次にn倍の増幅率の増幅器を設けてもよい。
ているが、CsがCdと等価でなくても、制動容量Cd
に流れる電流を低減させることは可能である。また、容
量Csが制動容量Cdの容量値のn倍である場合には、
第2の検出経路Lbの電流−電圧変換回路27の次に1
/n倍の増幅率の増幅器を設ければ、結果的に、制動容
量Cdに流れる電流を等価的に打ち消すことができる。
あるいは、第1の検出経路Laの電流ー電圧変換回路2
5の次にn倍の増幅率の増幅器を設けてもよい。
【0059】図13と図14は、図8に示す第2実施例
の変形例を示している。図13は図10を変形したもの
である。第2の検出経路Lbでは、容量Csを流れる電
流が検出され、この電流が電流−電圧変換回路27によ
り電圧に変換される。一方、第1の検出経路Laには、
バッファアンプ(電圧フォロワ)26が設けられ、圧電
振動子にかかる電圧がB点から検出される。また差動手
段である差動増幅器24により、第1の検出経路Laに
より検出された電圧と、第2の検出経路Lbにより検出
された電流から変換された電圧との差が求められる。こ
こで、差動増幅器24に入力する電圧の位相が、第1の
検出経路Laと第2の検出経路Lbとで相違していると
きには、経路LaとLbのいずれかに、電圧の位相を1
80度変化させる位相変換手段としてインバータ29が
設けられる。またはインバータ29を設けず、経路La
の電圧と経路Lbの電圧とが和動手段により加算されて
もよい。
の変形例を示している。図13は図10を変形したもの
である。第2の検出経路Lbでは、容量Csを流れる電
流が検出され、この電流が電流−電圧変換回路27によ
り電圧に変換される。一方、第1の検出経路Laには、
バッファアンプ(電圧フォロワ)26が設けられ、圧電
振動子にかかる電圧がB点から検出される。また差動手
段である差動増幅器24により、第1の検出経路Laに
より検出された電圧と、第2の検出経路Lbにより検出
された電流から変換された電圧との差が求められる。こ
こで、差動増幅器24に入力する電圧の位相が、第1の
検出経路Laと第2の検出経路Lbとで相違していると
きには、経路LaとLbのいずれかに、電圧の位相を1
80度変化させる位相変換手段としてインバータ29が
設けられる。またはインバータ29を設けず、経路La
の電圧と経路Lbの電圧とが和動手段により加算されて
もよい。
【0060】図14に示す回路では、圧電振動子の一方
の端子C(弾性板11)が接地されている。また第2の
検出経路LbはB点から取り出されている。そして第1
の検出経路Laには電流−電圧変換回路25が、第2の
検出経路Lbには、容量Csと電流−電圧変換回路27
とが設けられている。また、図13において、C点を接
地し、第2の検出経路LbをB点に接続してもよい。
の端子C(弾性板11)が接地されている。また第2の
検出経路LbはB点から取り出されている。そして第1
の検出経路Laには電流−電圧変換回路25が、第2の
検出経路Lbには、容量Csと電流−電圧変換回路27
とが設けられている。また、図13において、C点を接
地し、第2の検出経路LbをB点に接続してもよい。
【0061】図15は本発明の圧電振動子の検出回路の
第3実施例を示している。図15の回路が接続される検
出装置の構造を図16に示す。図16に示す検出装置3
0では、弾性体の一例としてガラス基板37が使用され
ている。ガラス基板37の一方の面には、電極31、圧
電材料32および駆動電極33が積層されている。ガラ
ス基板37の表面の電極31の端子をBで示し、駆動電
極33の端子をAで示している。この実施例では、圧電
材料32が駆動手段すなわち駆動用の圧電素子となる。
第3実施例を示している。図15の回路が接続される検
出装置の構造を図16に示す。図16に示す検出装置3
0では、弾性体の一例としてガラス基板37が使用され
ている。ガラス基板37の一方の面には、電極31、圧
電材料32および駆動電極33が積層されている。ガラ
ス基板37の表面の電極31の端子をBで示し、駆動電
極33の端子をAで示している。この実施例では、圧電
材料32が駆動手段すなわち駆動用の圧電素子となる。
【0062】ガラス基板37の他方の面には、電極3
4、圧電材料35および検出電極36が積層されてい
る。この圧電材料35が本発明の検出用の圧電振動子と
なる。電極34の端子はDで、検出電極36の端子はC
である。各圧電材料32と35の誘電分極方向は図16
にて矢印で示す通りである。図15に示す回路は、図1
に示したものと類似している。すなわち図2に示す等価
回路において、共通電極(11)を無くし、駆動側圧電
素子を設置したものと同じである。
4、圧電材料35および検出電極36が積層されてい
る。この圧電材料35が本発明の検出用の圧電振動子と
なる。電極34の端子はDで、検出電極36の端子はC
である。各圧電材料32と35の誘電分極方向は図16
にて矢印で示す通りである。図15に示す回路は、図1
に示したものと類似している。すなわち図2に示す等価
回路において、共通電極(11)を無くし、駆動側圧電
素子を設置したものと同じである。
【0063】交流駆動電源21からの交流駆動電力は端
子AとBの間に与えられ、その結果駆動側の圧電材料3
2はy方向への伸縮振動を生じ、これがガラス基板37
に与えられる。検出側の圧電材料(圧電振動子)35は
ガラス基板37の伸縮振動に追従して振動し、その結
果、端子CとD間に誘電分極に基づく振動出力が得られ
る。図15に示す検出回路(ハ)は、端子CとD間の振
動出力を電圧として取り出すものである。検出回路
(ハ)では、検出電極36および端子Cに第1の検出経
路L1が接続されており、この第1の検出経路L1には
バッファアンプ(電圧フォロワ)22が設けられてい
る。ガラス基板37の下面に設けられた電極34および
端子Dには容量Csが直列に接続され、容量Csの他端
は接地されている。あるいは所定の電位に設定されてい
る。
子AとBの間に与えられ、その結果駆動側の圧電材料3
2はy方向への伸縮振動を生じ、これがガラス基板37
に与えられる。検出側の圧電材料(圧電振動子)35は
ガラス基板37の伸縮振動に追従して振動し、その結
果、端子CとD間に誘電分極に基づく振動出力が得られ
る。図15に示す検出回路(ハ)は、端子CとD間の振
動出力を電圧として取り出すものである。検出回路
(ハ)では、検出電極36および端子Cに第1の検出経
路L1が接続されており、この第1の検出経路L1には
バッファアンプ(電圧フォロワ)22が設けられてい
る。ガラス基板37の下面に設けられた電極34および
端子Dには容量Csが直列に接続され、容量Csの他端
は接地されている。あるいは所定の電位に設定されてい
る。
【0064】端子Dと容量Csの中間に接続された第2
の検出経路L2に、電圧を2倍に増幅する増幅器23が
設けられている。容量Csが制動容量Cdと等価である
とすると、前記2倍の増幅器23を設けることにより、
容量Csを電流が通過したときの電圧を取り出すことが
できる。第1の検出経路L1の検出電圧と第2の検出経
路L2の検出電圧は差動増幅器24に与えられ、差動増
幅器24において、第1の検出経路L1の検出電圧から
第2の検出経路L2の検出電圧が減じられる。これによ
り、圧電振動子の制動容量Cdにかかる電圧が容量Cs
により等価的に打ち消されまたは低減される。
の検出経路L2に、電圧を2倍に増幅する増幅器23が
設けられている。容量Csが制動容量Cdと等価である
とすると、前記2倍の増幅器23を設けることにより、
容量Csを電流が通過したときの電圧を取り出すことが
できる。第1の検出経路L1の検出電圧と第2の検出経
路L2の検出電圧は差動増幅器24に与えられ、差動増
幅器24において、第1の検出経路L1の検出電圧から
第2の検出経路L2の検出電圧が減じられる。これによ
り、圧電振動子の制動容量Cdにかかる電圧が容量Cs
により等価的に打ち消されまたは低減される。
【0065】図17と図18は、図15に示した検出回
路(ハ)の出力(Vout)を示すものである。図17と
図18は線の重なりを防止するために、容量Csが相違
したときの出力変化線を2つの図に分けて示している。
図17と図18では、容量Cs、第2の検出経路L2お
よび差動増幅器24を設けず、電極34および端子Dを
直接に接地したときの出力変化線を(d)で示してい
る。(d)以外の出力変化線は図15に示す検出回路
(ハ)において、容量Csを1000pF、2000p
F、4700pFまたは10000pFとしたときの出
力(Vout)である。α点は、駆動側の圧電素子である
圧電材料32の共振周波数、β点は、検出側の圧電振動
子である圧電材料35の共振周波数である。β点の
(g)は圧電材料35の共振点、(h)は圧電材料35
の反共振点である。この共振点(g)または反共振点
(h)のピーク値が検出出力である。
路(ハ)の出力(Vout)を示すものである。図17と
図18は線の重なりを防止するために、容量Csが相違
したときの出力変化線を2つの図に分けて示している。
図17と図18では、容量Cs、第2の検出経路L2お
よび差動増幅器24を設けず、電極34および端子Dを
直接に接地したときの出力変化線を(d)で示してい
る。(d)以外の出力変化線は図15に示す検出回路
(ハ)において、容量Csを1000pF、2000p
F、4700pFまたは10000pFとしたときの出
力(Vout)である。α点は、駆動側の圧電素子である
圧電材料32の共振周波数、β点は、検出側の圧電振動
子である圧電材料35の共振周波数である。β点の
(g)は圧電材料35の共振点、(h)は圧電材料35
の反共振点である。この共振点(g)または反共振点
(h)のピーク値が検出出力である。
【0066】図17と図18では容量Csを設け、この
容量Csに基づく電圧を第1の検出経路L1の検出電圧
から減じることにより、出力変化線の変動が大きくな
り、共振点(g)または反共振点(h)のピーク値を高
感度に検出できることが解る。この実施例では、容量C
sが4700pF付近のときに、容量Csが制動容量C
dに最も近い値になり、制動容量Cdにかかる電圧が容
量Csにより等価的に打ち消されまたは低減されて高感
度の検出出力が得られることが確認できる。
容量Csに基づく電圧を第1の検出経路L1の検出電圧
から減じることにより、出力変化線の変動が大きくな
り、共振点(g)または反共振点(h)のピーク値を高
感度に検出できることが解る。この実施例では、容量C
sが4700pF付近のときに、容量Csが制動容量C
dに最も近い値になり、制動容量Cdにかかる電圧が容
量Csにより等価的に打ち消されまたは低減されて高感
度の検出出力が得られることが確認できる。
【0067】なお、図15において検出出力が高くなる
理由は数1と数2で説明したのと同じである。また、図
15において容量Csの容量値が制動容量Cdの容量値
のn倍の場合には、増幅器23の増幅率をほぼ(n+
1)倍に設定することが好ましい。また、図15に示す
第3実施例は、図6または図7に示したものと同様に変
形することが可能である。
理由は数1と数2で説明したのと同じである。また、図
15において容量Csの容量値が制動容量Cdの容量値
のn倍の場合には、増幅器23の増幅率をほぼ(n+
1)倍に設定することが好ましい。また、図15に示す
第3実施例は、図6または図7に示したものと同様に変
形することが可能である。
【0068】図19は、本発明の第4実施例の検出回路
であり、図16に示す検出装置30において、圧電振動
子の検出出力を電流として取り出すものである。この回
路は図8に示した回路と類似している。交流駆動電源2
1からの交流駆動電力は、端子AとBに与えられ、駆動
用圧電素子である圧電材料32がy方向へ伸縮振動させ
られる。検出側の圧電振動子である圧電材料35の端子
C,Dと図19に示す検出回路(二)との関係では、
(C−X)(D−Y)の接続と、(C−Y)(D−X)
の接続の組み合せがある。(C−X)(D−Y)の接続
は、図9の等価回路において、共通電極(11)を設け
ず、駆動側圧電素子の一方を接地したものと同じであ
る。図19に示す(C−Y)(D−X)の接続は、図1
0の等価回路において、共通電極(11)を設けず、駆
動側圧電素子の一方を接地したものと同じである。
であり、図16に示す検出装置30において、圧電振動
子の検出出力を電流として取り出すものである。この回
路は図8に示した回路と類似している。交流駆動電源2
1からの交流駆動電力は、端子AとBに与えられ、駆動
用圧電素子である圧電材料32がy方向へ伸縮振動させ
られる。検出側の圧電振動子である圧電材料35の端子
C,Dと図19に示す検出回路(二)との関係では、
(C−X)(D−Y)の接続と、(C−Y)(D−X)
の接続の組み合せがある。(C−X)(D−Y)の接続
は、図9の等価回路において、共通電極(11)を設け
ず、駆動側圧電素子の一方を接地したものと同じであ
る。図19に示す(C−Y)(D−X)の接続は、図1
0の等価回路において、共通電極(11)を設けず、駆
動側圧電素子の一方を接地したものと同じである。
【0069】端子Yには第1の検出経路Laが接続され
ており、この検出経路Laには、電流−電圧変換回路2
5とバッファアンプ(電圧フォロワ)26が設けられて
いる。端子Xには容量Csが接続され、この容量Csを
通過した電流は第2の検出経路Lbにより検出される。
第2の検出経路Lbには、電流−電圧変換回路27と、
バッファアンプ(電圧フォロワ)28とが設けられてい
る。そして差動増幅器24により、第1の検出経路La
の電圧から第2の検出経路Lbの電圧が減じられる。こ
の実施例でも、圧電振動子の制動容量Cdに流れる電流
が、容量Csにより等価的に打ち消され、または低減さ
れるものとなっている。
ており、この検出経路Laには、電流−電圧変換回路2
5とバッファアンプ(電圧フォロワ)26が設けられて
いる。端子Xには容量Csが接続され、この容量Csを
通過した電流は第2の検出経路Lbにより検出される。
第2の検出経路Lbには、電流−電圧変換回路27と、
バッファアンプ(電圧フォロワ)28とが設けられてい
る。そして差動増幅器24により、第1の検出経路La
の電圧から第2の検出経路Lbの電圧が減じられる。こ
の実施例でも、圧電振動子の制動容量Cdに流れる電流
が、容量Csにより等価的に打ち消され、または低減さ
れるものとなっている。
【0070】図20と図21は、図19に示す検出回路
(二)の出力(Vout)を示している。図19の検出回
路(二)の*印の部分において(C−X)(D−Y)を
接続した結果が図20であり、(C−Y)(D−X)を
接続した結果が図21である。図20と図21では縦軸
に出力(Vout)を同じレンジにて示している。図19
の回路において、容量Cs、第2の出力経路Lbおよび
差動増幅器24を設けず、X端子を直接に接地したとき
の出力(Vout)を出力変化線(e)(f)で示してい
る。(e)(f)以外の出力変化線は、容量Csを10
0pF、470pF、1000pF、または2200p
Fとしたものである。
(二)の出力(Vout)を示している。図19の検出回
路(二)の*印の部分において(C−X)(D−Y)を
接続した結果が図20であり、(C−Y)(D−X)を
接続した結果が図21である。図20と図21では縦軸
に出力(Vout)を同じレンジにて示している。図19
の回路において、容量Cs、第2の出力経路Lbおよび
差動増幅器24を設けず、X端子を直接に接地したとき
の出力(Vout)を出力変化線(e)(f)で示してい
る。(e)(f)以外の出力変化線は、容量Csを10
0pF、470pF、1000pF、または2200p
Fとしたものである。
【0071】α点は圧電材料32の共振周波数、β点は
圧電材料35の共振周波数である。さらに詳しくは、β
点において(g)が共振点、(h)が反共振点である。
図20と図21とから、容量Csを通過した電流値を減
じるための差動増幅器24を設けると、圧電振動子の制
動容量Cdが等価的に打ち消されまたは低減されて、高
感度の検出出力が得られることが解る。
圧電材料35の共振周波数である。さらに詳しくは、β
点において(g)が共振点、(h)が反共振点である。
図20と図21とから、容量Csを通過した電流値を減
じるための差動増幅器24を設けると、圧電振動子の制
動容量Cdが等価的に打ち消されまたは低減されて、高
感度の検出出力が得られることが解る。
【0072】また図20と図21を比較すると、図21
の方が検出感度が高いことが解る。すなわち、図19の
回路において、容量Csと第2の検出経路Lbを、弾性
体であるガラス基板37側の電極34に接続した方が検
出感度が高くなる。これは図8に示した回路での図12
の結果と同じであり、駆動手段の電極31と同じ弾性体
に設けられた電極34から得られる電流が容量Csを通
過するものとすることにより、差動増幅器24において
差動をとるそれぞれの電圧の位相が一致しやすくなり、
高精度な差動出力を得られるようになるからであると予
測できる。
の方が検出感度が高いことが解る。すなわち、図19の
回路において、容量Csと第2の検出経路Lbを、弾性
体であるガラス基板37側の電極34に接続した方が検
出感度が高くなる。これは図8に示した回路での図12
の結果と同じであり、駆動手段の電極31と同じ弾性体
に設けられた電極34から得られる電流が容量Csを通
過するものとすることにより、差動増幅器24において
差動をとるそれぞれの電圧の位相が一致しやすくなり、
高精度な差動出力を得られるようになるからであると予
測できる。
【0073】したがって、駆動手段を設け、且つ駆動手
段により振動させられた圧電振動子からの出力を電流と
して検出する場合、駆動手段により直接に振動を受ける
側の電極34に容量Csと第2の出力経路Lbを接続す
ることが好ましい。また図19に示す第4実施例では、
図13と図14に示したのと同様の変形例とすることが
可能である。
段により振動させられた圧電振動子からの出力を電流と
して検出する場合、駆動手段により直接に振動を受ける
側の電極34に容量Csと第2の出力経路Lbを接続す
ることが好ましい。また図19に示す第4実施例では、
図13と図14に示したのと同様の変形例とすることが
可能である。
【0074】次に図23に示す圧電振動子の等価回路に
は、誘電体損失に相当する抵抗成分が内在されている。
そこで、図22(A)に示すように、上記誘電体損失を
等価的に打消しまたは低減できる抵抗成分Rsを用い、
これを前記各実施例の検出回路において容量Csと直列
に設けることが好ましい。この抵抗成分Rsを容量Cs
と共に用いることにより、圧電振動子の制動容量と誘電
体損失の双方を等価的に打消しまたは低減でき、さらに
高感度の検出出力を得られるようになる。また、この場
合に、図22(B)に示すように、単に容量Csを設け
る代わりに圧電振動子と等価な材料40を使用し、この
材料を挟む電極41と42を前記各回路に接続してもよ
い。この材料40を使用することにより、制動容量Cd
と誘電体損失の双方を等価的に打消しまたは低減でき
る。
は、誘電体損失に相当する抵抗成分が内在されている。
そこで、図22(A)に示すように、上記誘電体損失を
等価的に打消しまたは低減できる抵抗成分Rsを用い、
これを前記各実施例の検出回路において容量Csと直列
に設けることが好ましい。この抵抗成分Rsを容量Cs
と共に用いることにより、圧電振動子の制動容量と誘電
体損失の双方を等価的に打消しまたは低減でき、さらに
高感度の検出出力を得られるようになる。また、この場
合に、図22(B)に示すように、単に容量Csを設け
る代わりに圧電振動子と等価な材料40を使用し、この
材料を挟む電極41と42を前記各回路に接続してもよ
い。この材料40を使用することにより、制動容量Cd
と誘電体損失の双方を等価的に打消しまたは低減でき
る。
【0075】また本発明は振動型ジャイロスコープに限
られず、駆動手段により弾性体を振動させ、この振動を
受ける圧電振動子の振動成分を検出する検出装置であれ
ば、どのようなものであっても実施可能である。
られず、駆動手段により弾性体を振動させ、この振動を
受ける圧電振動子の振動成分を検出する検出装置であれ
ば、どのようなものであっても実施可能である。
【0076】
【発明の効果】以上のように本発明では、圧電振動子の
制動容量の電圧または電流が、付加された容量により打
消されまたは低減されることにより、高感度な振動検出
が可能になる。また容量と共に抵抗成分を設けることに
より、圧電振動子の制動容量と誘電体損失を共に打消し
または低減することが可能である。
制動容量の電圧または電流が、付加された容量により打
消されまたは低減されることにより、高感度な振動検出
が可能になる。また容量と共に抵抗成分を設けることに
より、圧電振動子の制動容量と誘電体損失を共に打消し
または低減することが可能である。
【0077】また、圧電振動子の振動出力を電流として
取り出す場合に、駆動側の圧電素子と検出側の圧電振動
子の共通電極または弾性体と圧電振動子との間に有る電
極に容量および第2の検出経路を接続することにより、
さらに高感度の振動検出が可能になる。
取り出す場合に、駆動側の圧電素子と検出側の圧電振動
子の共通電極または弾性体と圧電振動子との間に有る電
極に容量および第2の検出経路を接続することにより、
さらに高感度の振動検出が可能になる。
【0078】本発明の検出回路を例えば振動型ジャイロ
スコープに設ければ、高感度な角速度検出が可能にな
る。
スコープに設ければ、高感度な角速度検出が可能にな
る。
【図1】本発明の第1実施例の検出回路を示す回路図、
【図2】図1を等価回路で表わした回路図、
【図3】図1に示す検出回路が接続される振動型ジャイ
ロスコープを示すものであり、(A)は平面図、(B)
は右端面の拡大図、
ロスコープを示すものであり、(A)は平面図、(B)
は右端面の拡大図、
【図4】振動型ジャイロスコープの振動変形方向を示す
斜視図、
斜視図、
【図5】図1に示す検出回路の出力の変動値を示す線
図、
図、
【図6】図1に示す第1実施例の変形例を示す回路図、
【図7】図1に示す第1実施例のさらに他の変形例を示
す等価回路図、
す等価回路図、
【図8】本発明の第2実施例の検出回路を示す回路図、
【図9】図8の検出回路において(B−X)(C−Y)
の接続とした場合の等価回路図、
の接続とした場合の等価回路図、
【図10】図8の検出回路において(B−Y)(C−
X)の接続とした場合の等価回路図、
X)の接続とした場合の等価回路図、
【図11】図8に示す検出回路の出力の変動値を示す線
図、
図、
【図12】図8に示す検出回路の出力の変動値を示す線
図、
図、
【図13】図8に示す第2実施例の変形例を示す回路
図、
図、
【図14】図8に示す第2実施例のさらに他の変形例を
示す等価回路図、
示す等価回路図、
【図15】本発明の第3実施例の検出回路を示す回路
図、
図、
【図16】図15に示す検出回路が接続される検出装置
の側面図、
の側面図、
【図17】図15に示す検出回路の出力の変動値を示す
線図、
線図、
【図18】図17と同じ変動値を示す線図、
【図19】本発明の第4実施例の検出回路を示す回路
図、
図、
【図20】図19に示す検出回路の出力の変動値を示す
線図、
線図、
【図21】図19に示す検出回路の出力の変動値を示す
線図、
線図、
【図22】(A)は容量と抵抗成分の双方を設ける場合
の説明図、(B)は等価材料を接続する場合の説明図、
の説明図、(B)は等価材料を接続する場合の説明図、
【図23】圧電振動子の等価回路図、
10 振動型ジャイロスコープ 11 弾性板 12 圧電材料 13 駆動電極 14 検出電極 21 交流駆動電源 22,26,28 バッファアンプ 23 増幅器 24 差動増幅器 25,27 電流−電圧変換回路 30 検出装置 32,35 圧電材料 L1,La 第1の検出経路 L2,Lb 第2の検出経路 Cd 制動容量 Cs 容量
Claims (7)
- 【請求項1】 振動が与えられる圧電振動子と、圧電振
動子にかかる電圧または電流を検出する第1の検出経路
と、前記圧電振動子に接続された容量と、前記容量にか
かる電圧を検出する第2の検出経路と、第1の検出経路
と第2の検出経路の検出出力の差または和を求める手段
とが設けられていることを特徴とする圧電振動子を使用
した検出回路。 - 【請求項2】 容量は圧電振動子と直列に接続され、第
2の検出経路が、圧電振動子と容量の中間に接続されて
おり、前記容量が圧電振動子の静電容量のn倍の容量値
で、第2の検出経路には、容量にかかる電圧をほぼ(n
+1)倍に増幅する増幅手段が設けられている請求項1
記載の圧電振動子を使用した検出回路。 - 【請求項3】 振動が与えられる圧電振動子と、圧電振
動子にかかる電圧または電流を検出する第1の検出経路
と、圧電振動子に接続された容量に流れる電流を検出す
る第2の検出経路と、第1の検出経路と第2の検出経路
の検出出力の差または和を求める手段とが設けられてい
ることを特徴とする圧電振動子を使用した検出回路。 - 【請求項4】 前記容量は圧電振動子と並列に接続され
ており、前記容量は圧電振動子の制動容量とほぼ等価で
ある請求項3記載の圧電振動子を使用した検出回路。 - 【請求項5】 弾性体を振動させる駆動用圧電素子と、
弾性体を介して振動が与えられる圧電振動子と、駆動用
圧電素子と圧電振動子に共通する電極または圧電振動子
と弾性体との間に位置する電極に接続された容量と、こ
の容量を流れる電流を検出する第2の検出経路と、圧電
振動子の他方の電極から電圧または電流を検出する第1
の検出経路と、第1の検出経路と第2の検出経路の検出
出力の差または和を求める手段とが設けられていること
を特徴とする圧電振動子を使用した検出回路。 - 【請求項6】 圧電振動子の誘電体損失を打ち消すため
の抵抗成分が、前記容量に接続されている請求項1ない
し5のいずれかに記載の圧電振動子を使用した検出回
路。 - 【請求項7】 弾性体を振動させる駆動手段が設けら
れ、回転系内に置かれた弾性体に作用するコリオリ力に
より前記圧電振動子に振動が与えられる請求項1ないし
6のいずれかに記載の圧電振動子を使用した検出回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6337138A JPH08189832A (ja) | 1994-11-10 | 1994-12-26 | 圧電振動子を使用した検出回路 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-302990 | 1994-11-10 | ||
JP30299094 | 1994-11-10 | ||
JP6337138A JPH08189832A (ja) | 1994-11-10 | 1994-12-26 | 圧電振動子を使用した検出回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08189832A true JPH08189832A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=26563341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6337138A Withdrawn JPH08189832A (ja) | 1994-11-10 | 1994-12-26 | 圧電振動子を使用した検出回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08189832A (ja) |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP6337138A patent/JPH08189832A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020305 |