JPH081897A

JPH081897A - 化粧材

Info

Publication number: JPH081897A
Application number: JP16293294A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Yamamoto; 政宏山本; Masaki Tsukada; 正樹塚田; Tadamichi Ishii; 忠道石井
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1994-06-22
Filing date: 1994-06-22
Publication date: 1996-01-09

Abstract

(57)【要約】【目的】表面の光沢、耐化学薬品性、耐磨耗性に優
れ、焼却時塩素に起因する有害ガスの、発生のない化粧
材を提供する。【構成】ポリオレフィン系シート、エチレン・ビニル
アルコール共重合体シート、ポリエステルシート、ポリ
アミドシート及びポリオレフィン系合成紙等の単層シー
ト又は積層シートを被印刷シート１として、少なくとも
一方の面に必要によってはコロナ放電処理面２を介して
絵柄層４を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、化粧シートに係わり、
表面特性、特に絵柄層の意匠性、耐磨耗性、耐薬品性に
優れ、焼却して廃棄するときや、火災のときに発生す
る、黒煙、塩化水素ガスによる二次災害等塩素に起因す
る腐食性の強酸性ガス、有害ガスを発生しない建築部材
を構成する接着性をもつ化粧材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、弱電製品、床材、壁面材等の
建築部材等に用いる化粧材の印刷シートは、可撓性、硬
質〜軟質の調整が可塑剤の添加量で任意に調整でき、ま
た、凹凸模様を設けるエンボス加工適性に優れるポリ塩
化ビニルのシートによるものが多用されていた。そし
て、所望の表面化粧を設けたシートを、プラスチック、
合板等の剛性体に積層して用いられていた。

【０００３】また、表面物性の向上を目的とする化粧シ
ートは、基材シートに所望の意匠を形成した後、表面樹
脂層としてのプラスチックシートを貼合したり、溶剤可
溶性の樹脂ワニス、熱硬化型樹脂組成物、あるいは、電
離放射線硬化性樹脂を塗布したりしたものがあった。そ
して、電離放射線硬化性樹脂を塗布したものは、必要に
よっては、該塗布面に凹凸模様をもつフイルムで被覆
し、電離放射線を照射して化粧シートの表面に凹凸模様
層を形成していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の化粧シートの表面樹脂層に用いられたポリ塩化ビニ
ルは、透明感、鏡面性、立体感に欠ける傾向がある。ま
た、火災のときに発生する、黒煙、塩化水素ガスによる
二次災害の問題があり、また、その廃棄物を焼却処理す
るときに発生する塩化水素ガスや、塩素ガスによる焼却
炉の腐食、強酸性ガスの問題から廃ガスの処理費用を生
ずる問題があった。その問題点を減少する目的で、化粧
シートに含まれる塩素量を減少させる印刷化粧面の表面
樹脂層を透明のポリ塩化ビニルシートではなく、透明な
樹脂ワニスによる方法も行われてきた。

【０００５】化粧材の透明の表面樹脂層として、溶剤可
溶性樹脂ワニスを塗布したものは、単なる溶剤を蒸発す
る乾燥のみで、表面の保護皮膜を形成する簡易さはある
が、表面硬度、光沢、耐摩擦性、耐薬品性等に充分満足
できるものではなく、塗布表面の形状、光沢も極く限定
されたものであった。そして、被印刷シートにポリ塩化
ビニルを使用すれば、本質的に上記の塩素に起因する問
題点を解決するものではなかった。

【０００６】表面樹脂層を熱硬化型樹脂組成物より形成
するものは、表面硬度、耐薬品性等はある程度は満足で
きるものの、絵柄を設けるシートがこの組成物の硬化温
度に耐えることが条件となり、被印刷シートの選定に限
度があった。そして、一般的な、ポリ塩化ビニルや、ポ
リオレフインに適用し難いという問題があった。しかし
ながら、被印刷シートにポリ塩化ビニルを使用した場合
は、本質的に塩素に起因する前記の諸問題を解決できる
ものではなかった。

【０００７】本発明は、鏡面性に優れた表面光沢をも
ち、表面形状の凹凸模様層を形成できるとともに、耐磨
耗性、耐薬品性をもつ化粧材において、焼却時、塩素に
起因する公害の発生がない化粧材を提供することを目的
としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の化粧材においては、ポリオレフィン系シ
ート、エチレン・ビニルアルコール共重合体シート、ポ
リエステル系シート、ポリアミド系シート、及びポリオ
レフィン系合成紙等の単層、又は積層シートの少なくと
も一方の側に絵柄層を設けた化粧材である。また、上記
単層、又は積層シートの少なくとも一方の側に絵柄層を
設け、更にその上、又は他の側に接着樹脂層を設けた化
粧材である。そして請求項３の発明は、上記の接着樹脂
層の他の側に鏡面、又は凹凸模様をもつ表面樹脂層を設
けた化粧材である。

【０００９】本発明は、図１、図２及び図５に示すとお
りの、ポリオレフィン系シート、エチレン・ビニルアル
コール共重合体シート、ポリエステルシート、ポリアミ
ド系シート、及びポリオレフィン系合成紙等の単層、又
は積層シートを被印刷シート１として少なくとも一方の
側に必要によってはコロナ放電処理面２を設けた面に、
絵柄層４を形成した化粧材Ｋである。また、上記の被印
刷シート１の一方の側に絵柄層４を設け、更に、その上
又は他の側に接着樹脂層７を設けたものである。請求項
３の発明は、上記の接着樹脂層７の他の側に鏡面又は図
２、７に示す凹凸模様層６１をもつ表面樹脂層６を設け
た化粧材Ｋである。そして、必要によっては、コロナ放
電処理面２、及び／又はプライマー層３を行うことによ
り、絵柄層４を含む各層間の接着を強固にするものであ
る。

【００１０】本発明に使用する、被印刷シートに適用す
る樹脂は、燃焼時に有害ガスを発生せず、巻取りでの印
刷適性をもつことが好ましい。例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体、６・６ナイロン、６
ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチ
レンテレフタレート等がある。

【００１１】被印刷シートは、上記の樹脂を、延伸ある
いは未延伸のシートに形成し、そして単層、又は多層の
シートを使用する。また、必要によっては着色すること
もできる。該シートの厚さは、印刷やエンボス加工の後
加工に支障がない３０〜２００μｍで行われる。また、
その印刷を施す面には通常印刷インキとの接着を強固に
するためコロナ放電処理を行う。

【００１２】コロナ放電処理は、高電圧に直結した電極
と、シリコン被覆の金属ロールとの間隙に、高周波で高
電圧をかけると高圧コロナが発生する。ここにシートを
一定の速度で走行すると、オゾン、酸化窒素が反応し
て、カルボニル基等を生じて親水化される。同時に、ア
ーク放電により表面に無数の孔による疎面を形成し、ま
た、シート表面の低分子物を処理して印刷インキ等の接
着性を向上し強固にするものである。

【００１３】効果的なコロナ放電処理量は、４６〜５０
ダイン／ｃｍである。５０ダイン／ｃｍ以上になると巻
取りにブロッキングや、アーク放電によりシートにピン
ホールを生ずることがある。４６ダイン／ｃｍ以下の場
合は、印刷インキの接着に安定性を欠くと同時に、後加
工で他の基材との接着力が得られないことがある。

【００１４】本発明の絵柄層を設ける印刷インキの展色
料として、ポリウレタン、ポリエステル・イソシアネー
ト、ポリエーテル・イソシアネート等の二液硬化反応型
インキ、アクリル系樹脂、線状ポリエステル、セルロー
ス誘導体、ポリアミド等のワニスを単独あるいは混合し
て用いた溶剤の蒸発乾燥型インキ等がある。また、図１
に示すように被印刷シート１の絵柄層４を裏面印刷で設
けることにより、被印刷シートの光沢面を化粧材の表面
とすることができる。

【００１５】そしてインキの接着を強固にするプライマ
ー層を施せば、更に展色料の種類を多くすることができ
る。プライマー層としてポリエステル・イソシアネー
ト、ポリエーテル・イソシアネート、アクリル樹脂等を
用いれば、インキの展色料にポリビニルブチラール、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体などを使用することがで
きる。

【００１６】本発明のシートの接着に用いる接着剤層
や、インキを強固に接着をするプライマー層は、塩素化
ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリエステル・
イソシアネート、ポリエーテル・イソシアネート、アク
リル樹脂、セルロース誘導体、ポリイソシアネート等の
ワニスを単独あるいは混合して用いるものである。

【００１７】本発明に使用する、表面樹脂層に適用でき
る樹脂は、燃焼時に有害ガスを発生しないものであり、
貼合工程に必要な巻取り加工ができる製膜適性、あるい
は、被印刷シートにコーティングして透明樹脂層を形成
できるものである。また化粧材を形成するときに凹凸模
様層の賦型適性をもつことが好ましい。例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリメチル
ペンテン、アイオノマー、ポリカーボネート、メタアク
リル酸メチル、アクリル酸メチル、エチレン・アクリル
酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、
６・６ナイロン、６ナイロン、ポリエチレンテレフタレ
ート、及びポリブチレンテレフタレートなどがある。

【００１８】本発明の接着性樹脂層に使用できる樹脂
は、溶剤に溶かしたワニスを通常のグラビアコーティン
グ、ロールコーティングできるもの、あるいは熱溶融し
てコーティングできるもので、好ましくは塩素を含まな
いものである。例えば、ポリエチレン、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・アクリル酸
共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポ
リアミド、線状ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、
塩素化ポリエチレン、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体
などがある。

【００１９】

【作用】上記のように本発明は、塩素を含まないプラス
チックシートであるポリオレフィン系シート、エチレン
・ビニルアルコール共重合体シート、ポリエステルシー
ト、ポリアミド系シート、及びポリオレフィン系合成紙
等の単層、又は積層シートを被印刷シートとして精巧な
印刷を施して、更に必要によっては、塩素を含まないプ
ラスチックシートあるいは樹脂を表面樹脂層や接着樹脂
層に形成するものである。したがって、表面樹脂層の凹
凸模様層、被印刷シートの透明感、鏡面性、立体感のあ
る表面特性をもつと同時に、単に熱圧着することにより
所望の剛体に優れた絵柄層をもつ化粧材が得られる。表
面樹脂層は、耐磨耗性、耐薬品性に優れ、絵柄層の耐久
性を保持する作用をもつものである。そして、本発明の
化粧材は、それを焼却、廃棄するときに塩化水素等の有
害ガスを発生することがないように作用するものであ
る。

【００２０】

【実施例】次に、本発明における化粧材を図を参考にし
て、実施例を説明する。

【００２１】（実施例１）図１において、被印刷シー
ト１として厚さ２５μｍ二軸延伸延伸ナイロンシートの
一方の面にコロナ放電処理面２、ポリウレタン二液硬化
反応型インキ（ＡＬＦＡ（株）ザインクテック製）を用
いて抽象柄の絵柄層４の印刷を施し、実施例１の化粧材
Ｋを作成した。該化粧材Ｋの絵柄層４と、厚さ２ｍｍの
合板とを着色顔料を含む隠蔽性を与えた、酢酸ビニル・
アクリル酸エステル樹脂共重合エマルジョンを介して貼
合し化粧合板を構成した。該化粧合板は、絵柄層４を二
軸延伸ナイロン層１を通してみるため、表面光沢がある
鏡面性、立体感をもつ意匠効果のあるものである。そし
て燃焼したところ、塩素に起因する塩化水素等の腐食性
ガスの発生もないものであった。

【００２２】（実施例２）図１において、被印刷シー
ト１として、厚さ８０μｍのエチレン・アクリル酸共重
合体シートの一方の面にコロナ放電処理面２に、ポリウ
レタン二液硬化反応型インキ（ＡＬＦＡ（株）ザインク
テック製）を用いて木目柄の絵柄層４の印刷を施し、実
施例１の化粧材Ｋを作成した。該化粧材Ｋの絵柄層４
と、厚さ２ｍｍの合板とを、酸化チタン等をよりなる着
色顔料を含む隠蔽性を付加した酢酸ビニル・アクリル酸
系樹脂エマルジョンを介して貼合し化粧合板を構成し
た。該化粧合板は、絵柄層４を被印刷シート１を通して
みるため、表面光沢がある意匠効果のあるものであり、
燃焼したところ、塩素に起因する塩化水素等の腐食性ガ
スの発生もないものであった。

【００２３】（実施例３）図２において、被印刷シー
ト１として、厚さ２５μｍの延伸ポリプロピレンシート
の一方の面にコロナ放電処理面２に、ポリウレタン二液
硬化反応型インキ（ＡＬＦＡ（株）ザインクテック製）
を用いて石目柄の絵柄層４の印刷、トルエンジイソシア
ネート系プライマー層３を介して、接着樹脂層７として
酢酸ビニル含有量が１０重量％のエチレン・酢酸ビニル
共重合体を２０μｍの厚さで溶融押出しコーティングで
設けた。更に、他の面にコロナ放電処理面２を設け、ポ
リエステル・イソシアネート系プライマー層３を介し
て、極限粘度数０．６〜１．０のポリエステルを厚さ３
５μｍで、表面に凹凸模様層をもつ冷却ロールを使用し
て、溶融押出しコーティングして、凹凸模様層６１をを
もつ表面樹脂層６を施した図２に示す化粧材Ｋを構成し
た。該化粧材の接着樹脂層７と、厚さ１．５ｍｍエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体のシートとを、１２０℃、50Kg
／ｍ²の条件で熱圧着して床材を構成した。該床材は、
透明感、鏡面性、立体感のある表面光沢がある意匠効果
のあるものであり、耐磨耗性、耐薬品性に優れ、そし
て、燃焼したところ、塩素に起因する塩化水素等の腐食
性ガスの発生もないものであった。

【００２４】（実施例４）図３において、被印刷シー
ト１として、厚さ２５μｍのポリエチレンテレフタレー
トシートの一方の面にポリウレタン二液硬化反応型イン
キ（ＡＬＦＡ（株）ザインクテック製）を用いて木目柄
の絵柄層４の印刷、ポリエーテル・イソシアネート系接
着剤層３１を介して、厚さ４０μｍの酢酸ビニル含有量
が２６重量％のエチレン・酢酸ビニル共重合体をのシー
トを接着樹脂層７として通常のドライラミネーション工
程で設けた。更に、他の面に、厚さ５０μｍのポリカー
ボネートのシートを表面樹脂層６としてポリエステル・
イソシアネート接着剤層３１を介してドライラミネーシ
ョン工程で設けて図３及び図７に示す化粧材Ｋを構成し
た。凹凸模様層をもつステレンス板と該化粧材Ｋの表面
樹脂層６とを、及び接着樹脂層７と、厚さ３ｍｍのポリ
ウレタンシート１０とを相接して積層し、１５０℃、５
０Ｋｇ／ｍ²の条件で熱圧着して、図７に示す凹凸模様
層を６１をもつ床材を構成した。該床材は、立体感に富
む表面光沢をもつ意匠効果のあるものであり、耐磨耗
性、耐薬品性に優れ、そして、燃焼したところ、塩素に
起因する塩化水素等の腐食性ガスの発生もないものであ
った。

【００２５】（実施例５）図４において、被印刷シー
ト１として、厚さ３８μｍのポリエチレンテレフタレー
トシートの一方の面に、コロナ放電処理面２、ポリウレ
タン系ワニスによるプライマー層３、線状ポリエステル
を展色料とするインキ（ＡＬＦＡ─Ｌ（株）ザインクテ
ック製）を用いた印刷による木目柄の絵柄層４、及び塩
素化ポリプロピレンワニスを１０ｇ／ｍ²塗布した接着
樹脂層７順に設けて図４に示す化粧材Ｋを構成した。該
化粧材の接着樹脂層７と、厚さ３．５ｍｍのポリウレタ
ンシートとを、１３０℃、５０Ｋｇ／ｍ²の条件で圧着
した床材を構成した。該床材は、表面光沢がある意匠効
果のあるものであり、耐磨耗性、耐薬品性に優れ、そし
て、燃焼したところ、塩素に起因する塩化水素等の腐食
性ガスの発生も少ないものであった。また、被印刷シー
ト１に対する絵柄層４の接着は極めて強固であり、無理
に剥離すれば絵柄層４の間で破壊して剥離するものであ
った。

【００２６】（実施例６）被印刷シート１として、厚
さ７５μｍの一方の面に合成紙タフパー（タツノ化学
（株）製）の一方の面に、ポリウレタン二液硬化反応型
インキ（ＡＬＦＡ（株）ザインクテック製）を用いた印
刷による木目柄の絵柄層４、そして他の面に１０ｇ／ｍ
²設けた、塩素化ポリプロピレン系ワニスによる接着樹
脂層７を１０ｇ／ｍ²塗布した図５に示す化粧材Ｋを構
成した。該化粧材の接着樹脂層７と、厚さ２ｍｍのファ
イバーボードとを１３０℃、５０Ｋｇ／ｍ²の条件で圧
着して貼合した家具の側面板を構成した。該側面板は、
合成紙の隠蔽性により、ファイバーボードの色に関係な
く表面状態が均一であり、合成紙の面に設けられた絵柄
層は意匠効果の高いものであった。そして燃焼したとこ
ろ、塩素に起因する塩化水素等の腐食性ガスの発生もな
いものであった。

【００２７】（実施例７）被印刷シート１として、厚
さ７５μｍのアクリルシート（ＨＢＳ００１三菱レーヨ
ン（株）製）の一方の面に、アクリル系樹脂を展色料と
するインキ（化Ｘ昭和インク工業（株）製）を用いた印
刷による絵柄層４、及び線状ポリエステル系のワニスを
１０ｇ／ｍ²塗布して、接着樹脂層７を順に設けて図６
に示す化粧材Ｋを構成した。該化粧材の接着樹脂層７
と、厚さ０．５ｍｍのアクリルシートとを、１３０℃、
５０Ｋｇ／ｍ²の条件で熱圧着して貼合したショウケー
ス用プレートを構成した。該プレートは、アクリル樹脂
特有の耐候性と、鏡面性、立体感をもつ光沢のある表面
状態と、また、印刷した絵柄層は、透明なアクリル樹脂
を通して見るためディスプレィ性の高い意匠効果のある
ものであった。そして燃焼したところ、塩素に起因する
塩化水素等の腐食性ガスの発生もないものであった。

【００２８】（実施例８）被印刷シート１として、厚
さ６０μｍのエチレン・ビニルアルコール共重合体シー
ト（（株）クラレ製）の一方の面に、線状ポリエステル
を展色料とするインキ（ＡＬＦＡ−Ｌ（株）ザインクテ
ック製）を用いた印刷による絵柄層４、及び線状ポリエ
ステル系のワニスを１０ｇ／ｍ²塗布した接着樹脂層７
を順に設けて図６に示す化粧材Ｋを構成した。該化粧材
の接着樹脂層７と、厚さ０．５ｍｍのアクリルシートと
を、１３０℃、５０Ｋｇ／ｍ²の条件で熱圧着して貼合
したショウケース用プレートを構成した。該プレート
は、静電気に起因するごみの付着もなく、光沢のある表
面状態をもつものであり、透明シートを介して見る印刷
した絵柄層を鮮明に表現できるディスプレィ性の高い意
匠効果のあるものであった。そして燃焼したところ、塩
素に起因する塩化水素等の腐食性ガスの発生もないもの
であった。

【００２９】

【発明の効果】上記のように本発明は、塩素を含まない
プラスチックシートであるポリオレフィン系シート、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体シート、ポリエステ
ルシート、ポリアミド系シート、及びポリオレフィン系
合成紙等単層、又は積層シートを被印刷シートとし
て、精巧な印刷を施して、更に必要によっては、塩素を
含まないプラスチックシートあるいは樹脂を表面樹脂層
や接着樹脂層に塗布し成形したものである。したがっ
て、優れた絵柄層、鏡面性、透明感、立体感のある意匠
性をもつとともにもつと同時に、単に熱圧着により構成
された化粧材は、その表面の耐磨耗性、耐薬品性に優
れ、透明シートを介して設けられた絵柄層は耐久性に富
む表面特性をもつものである。そして、それを焼却、廃
棄するときに塩化水素等の有害ガスを発生することがな
いという効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の化粧材の断面概略図である。

【図２】接着樹脂層をもつ本発明の化粧材を示す断面概
略図である。

【図３】接着樹脂層をもつ本発明の他の対応例の化粧材
を示す断面概略図である。

【図４】接着樹脂層をもつ本発明の他の対応例の化粧材
を示す断面概略図である。

【図５】不透明の被印刷シートに絵柄層を設けた化粧材
を示す断面概略図である。

【図６】透明の被印刷シートの裏面に絵柄層積層樹脂層
を設けた化粧材を示す断面概略図である。

【図７】化粧材の表面樹脂層に凹凸模様層を設けた積層
体を示す断面概略図である。

【符号の説明】

１被印刷シート２コロナ放電処理面、３プライマー層３１接着剤層４絵柄層６表面樹脂層６１凹凸模様層７接着樹脂層１０ポリウレタンシートＫ化粧材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｅ０４Ｆ 13/08 Ａ 9127−2ＥＥ 9127−2Ｅ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ポリオレフィン系シート、エチレン・ビ
ニルアルコール共重合体シート、ポリエステル系シー
ト、ポリアミド系シート、及びポリオレフィン系合成紙
等の単層、又は積層シートの少なくとも一方の側に絵柄
層をもつ化粧材。
【請求項２】請求項１記載の単層、又は積層シートの
少なくとも一方の側に絵柄層を設け、更にその上、又は
他の側に接着樹脂層をもつ化粧材。
【請求項３】請求項２記載の接着樹脂層の他の側に、
鏡面又は凹凸模様の表面樹脂層をもつ化粧材。