JPH08188991A - 紙用の蛍光増白剤、紙塗工用組成物、表面処理紙および内添紙 - Google Patents

紙用の蛍光増白剤、紙塗工用組成物、表面処理紙および内添紙

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JPH08188991A
JPH08188991A JP24172195A JP24172195A JPH08188991A JP H08188991 A JPH08188991 A JP H08188991A JP 24172195 A JP24172195 A JP 24172195A JP 24172195 A JP24172195 A JP 24172195A JP H08188991 A JPH08188991 A JP H08188991A
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fluorescent
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polymer particles
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JP24172195A
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English (en)
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Fujio Sakurai
冨士夫 桜井
Kouji Shiho
浩司 志保
Tetsuo Sekiguchi
哲夫 関口
Katsuhiko Tsuruoka
勝彦 鶴岡
Shigeru Niigae
滋 新ヶ江
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い増白効果を有する紙用の蛍光増白剤、こ
の蛍光増白剤を用いて得られる紙塗工用組成物、表面処
理紙および内添紙を提供すること。 【解決手段】 本発明の紙用の蛍光増白剤は、粒子内
に、水に不溶もしくは難溶でかつ油性有機溶剤に可溶な
蛍光染料を含有するポリマー粒子からなることを特徴と
する。本発明の紙塗工用組成物は前記蛍光増白剤と顔料
とを含有してなる。本発明の表面処理紙は前記蛍光増白
剤を含有する表面処理剤を紙基材表面に塗布処理するこ
とにより得られる。本発明の内添紙は前記蛍光増白剤を
パルプスラリーに含有させて抄紙することにより得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い増白効果を有
する紙用の蛍光増白剤、並びに、この蛍光増白剤を用い
て得られる紙塗工用組成物、表面処理紙および内添紙に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、塗工紙、表面処理紙および内
添紙における白色度を向上させるために、紙塗工用組成
物、紙用表面処理剤および紙用内添剤の構成成分として
蛍光増白剤を含有させることが行われている。ここに、
蛍光増白剤としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸
誘導体などの水溶性蛍光染料よりなるものが広く用いら
れている。
【0003】しかし、水溶性蛍光染料よりなる蛍光増白
剤を紙塗工用組成物の成分として用いる場合には、当該
蛍光増白剤が基材の内部に浸透してしまうために、その
増白効果を十分に発揮することができない、という問題
がある。また、塗工層の耐水化剤等として紙塗工用組成
物に含有されるカチオン性物質によって蛍光増白剤が失
活してしまう、という問題もある。
【0004】このような水溶性蛍光染料よりなる蛍光増
白剤について、塗工層中における分散安定性を向上させ
るための手段として、当該蛍光増白剤に対する吸着性が
良好な水溶性ポリマーであるヒドロキシエチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール等を併用する技術が紹介され
ている(例えば特公昭57−13678号公報、特公平
2−23639号公報参照)。しかし、これらの技術で
は、紙塗工用組成物の製造コストが高くなるとともに、
得られる組成物の粘度が上昇して塗工性が損なわれ、更
に、形成される塗工層が耐水性に劣るものとなる。
【0005】また、アニオン基を有する通常の水溶性蛍
光染料よりなる蛍光増白剤を紙用表面処理剤や紙用内添
剤の成分として用いる場合において、当該蛍光増白剤
が、紙用表面処理剤等に含まれている種々のカチオン性
物質と電荷的に結合して凝集を起こすためその蛍光増白
効果が著しく損なわれる、という問題がある。
【0006】更に、例えば、塗工紙表面の一部に水が接
触した場合には、水溶性蛍光染料よりなる蛍光増白剤が
水中に溶出してしまい、水との接触部分における白色度
が低下して白色度にムラを生じる、という問題がある。
【0007】一方、上記のような問題を有しない紙塗工
用組成物として、特定の水不溶性蛍光染料の微細粒子を
含有する組成物が紹介されている(特開平4−1857
97号公報参照)。しかし、このような組成物において
は、染料微粒子同士が接近し過ぎるために、ある染料微
粒子から発生した光が、近くに存在する染料微粒子によ
って吸収されてしまう、という濃度消光現象が起こるた
めに、増白効果を十分に発揮することができない。
【0008】また、特定の水不溶性蛍光染料をビニル系
単量体に溶解もしくは分散させ、当該ビニル系単量体を
重合して得られるポリマーエマルジョンを紙塗工用組成
物として用いる技術が紹介されている(特開平5−11
7993号公報参照)。しかし、このような技術では、
重合中に発生するラジカル物質と蛍光染料とが反応して
当該蛍光染料が失活してしまい、増白効果が著しく損な
われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基いてなされたものであって、その目的は、優
れた増白効果を有し、少ない使用量で白色度の高い塗工
紙、表面処理紙および内添紙を得ることのできる紙用の
蛍光増白剤を提供することにある。本発明の他の目的
は、白色性に優れた塗工紙を得ることのできる紙塗工用
組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、白
色性に優れた表面処理紙を提供することにある。本発明
の他の目的は、白色性に優れた内添紙を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、水に不溶も
しくは難溶でかつ油性有機溶剤に可溶な蛍光染料を粒子
内に含有するポリマー粒子によれば優れた増白効果が発
揮されること、例えば、 水に不溶もしくは難溶でか
つ油性有機溶剤に可溶な蛍光染料を油性有機溶剤に溶解
させて得られる蛍光染料溶液と、特定範囲の数平均粒子
径を有し、前記油性有機溶剤により膨潤乃至は溶解され
るポリマー粒子の水分散体とを混合し、あるいは、
前記蛍光染料溶液を水系媒体中に分散させて調製した蛍
光染料エマルジョンと、前記ポリマー粒子の水分散体と
を混合して、油性有機溶剤および蛍光染料を前記ポリマ
ー粒子に吸収もしくは吸着させることにより、前記蛍光
染料を失活させることなく、この蛍光染料とポリマー粒
子とを複合させることにより、優れた増白効果を有する
新規な蛍光増白剤が得られること、および、この新規な
蛍光増白剤を用いることによって、白色性、耐水性、耐
薬品性、塗工層の強度に優れた塗工紙、表面処理紙、内
添紙が得られることを見出し、斯かる知見に基いて、本
発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の紙用の蛍光増白剤は、
水に不溶もしくは難溶でかつ油性有機溶剤に可溶な蛍光
染料を粒子内に含有するポリマー粒子(以下「蛍光染料
含有ポリマー粒子」ともいう)からなることを特徴とす
る。
【0012】また、本発明の紙用の蛍光増白剤は、水に
不溶もしくは難溶でかつ油性有機溶剤に可溶な蛍光染料
(A)0.001〜100重量部を油性有機溶剤に溶解
させて得られる蛍光染料溶液(B)と、数平均粒子径が
30〜50,000nmでかつトルエン不溶解分が98
重量%以下のポリマー粒子(C)100重量部が水系媒
体中に分散されてなるポリマー粒子水分散体(D)とを
混合することによって、蛍光染料(A)および油性有機
溶剤をポリマー粒子(C)に吸収させ、必要に応じて、
油性有機溶剤を除去することにより得られることを特徴
とする。
【0013】さらに、本発明の紙用の蛍光増白剤は、水
に不溶もしくは難溶でかつ油性有機溶剤に可溶な蛍光染
料(A)0.001〜100重量部を油性有機溶剤に溶
解させて得られる蛍光染料溶液(B)を水系媒体中に分
散させて調製される蛍光染料エマルジョン(B')と、数
平均粒子径が30〜50,000nmでかつトルエン不
溶解分が98重量%以下のポリマー粒子(C)100重
量部が水系媒体中に分散されてなるポリマー粒子水分散
体(D)とを混合することによって、蛍光染料(A)お
よび油性有機溶剤をポリマー粒子(C)に吸収させ、必
要に応じて、油性有機溶剤を除去することにより得られ
ることを特徴とする。
【0014】本発明の紙塗工用組成物は、前記蛍光増白
剤と顔料とを含有してなり、蛍光増白剤を構成する蛍光
染料(A)が、顔料100重量部に対して0.001〜
5重量部の割合となるように、蛍光増白剤が含有されて
いることを特徴とする。
【0015】本発明の表面処理紙は、前記蛍光増白剤を
含有する水系の表面処理剤を紙基材表面に塗布処理する
ことにより得られることを特徴とする。
【0016】本発明の内添紙は、前記蛍光増白剤をパル
プスラリーに含有させて抄紙することにより得られるこ
とを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 <蛍光増白剤>本発明の蛍光増白剤は、蛍光染料(A)
を油性有機溶剤に溶解させて得られる蛍光染料溶液
(B)と、ポリマー粒子(C)が水系媒体中に分散され
てなるポリマー粒子水分散体(D)とを混合することに
より製造することができ、さらに、前記蛍光染料溶液
(B)を水系媒体中に分散させて調製された染料エマル
ジョン(B')と、前記ポリマー粒子水分散体(D)とを
混合することによっても製造することができる。
【0018】上記の場合において、蛍光染料溶液(B)
または染料エマルジョン(B')と、ポリマー粒子水分散
体(D)とを混合後、攪拌しながら、ポリマー粒子
(C)に油性有機溶剤および蛍光染料(A)を吸収させ
ることが必要となるが、この際、混合系の温度は、通常
10〜90℃、好ましくは20〜80℃に保ち、30分
〜20時間ほどで吸収させることができる。混合系の温
度が低すぎると蛍光染料(A)の吸収が不十分となり、
高すぎると蛍光染料(A)の吸収が不均一となりやす
い。
【0019】本発明の蛍光増白剤を製造するに際して、
蛍光染料溶液(B)または染料エマルジョン(B')と、
ポリマー粒子水分散体(D)とを混合した後、必要に応
じて、この混合分散系を10〜90℃程度の温度下、7
60mmHg以下に減圧する等の処理を施すことによっ
て油性有機溶剤を除去することもできる。そして、混合
分散系から油性有機溶剤を除去することが、蛍光増白剤
からの蛍光染料の流出が抑制されるので好ましい。
【0020】<蛍光染料(A)>本発明の蛍光増白剤を
構成する蛍光染料(A)は、水に不溶もしくは難溶でか
つ油性有機溶剤に可溶な蛍光染料である。具体的には、
当該蛍光染料の水に対する溶解度aと油性有機溶剤に対
する溶解度bとの比a/bが1/10以下のものであ
り、好ましくは1/20以下のものである。
【0021】この蛍光染料(A)は油性有機溶剤への溶
解度が高いものほど好ましく、具体的にはトルエン10
0gに対し0.5g以上溶解するものが好ましく、更に
好ましくは1g以上、特に好ましくは5g以上溶解する
ものである。このように油性有機溶剤に対する溶解度の
高い蛍光染料を使用することにより、溶剤の使用量を少
量とすることができ、高い濃度の蛍光染料溶液(B)を
用いて、ポリマー粒子(C)と蛍光染料(A)とを効率
的に複合化することができる。また、蛍光染料(A)
は、水100gに対して5g以下の溶解度のものが好ま
しく、更に好ましくは1g以下、特に好ましくは0.5
g以下のものである。水に対する溶解度が低いものは、
得られる蛍光増白剤が耐水性や耐薬品性などに優れたも
のとなる。
【0022】蛍光染料(A)としては、上記のような溶
解度を有するものが好ましいが、使用することのできる
染料の範囲が広いため、所望の染料を選択して使用する
ことができる。一般的には油溶性蛍光色素やレーザ色素
と称されるものも用いることができる。蛍光染料(A)
の具体例としては、ピレン, ペリレン、ナイルブルー、
ナイルレッド、クマリン、ローダミン6G、アントラセ
ン、2−(1−ナフチル)−5−フエニルオキサゾー
ル、4−4’−ジフエニルスチルベン、2,5−ビス−
(ビフェニル)オキサゾール、p−ビス−(o−メチル
スチリル)ベンゼンおよびこれらの誘導体などを挙げる
ことができる。これら蛍光染料のうち、油への溶解度の
高さや単位重量当たりの蛍光発光の能力が高いクマリン
系蛍光染料が好ましい。
【0023】蛍光染料(A)は、耐熱温度の高いもので
あることが好ましい。耐熱性に優れた蛍光染料(A)を
用いることにより、ポリマー粒子(C)との複合化後、
混合分散系から油性有機溶剤を除去する場合に、当該油
性有機溶剤の除去手段として、スチームストリップ法、
減圧蒸留法などの温度上昇を伴う手段を有利に利用する
ことができる。また、紙や塗工紙の製造時の乾燥処理や
カレンダー処理の点からも耐熱温度は100℃以上であ
ることが好ましく、さらに好ましくは150℃以上、特
に好ましくは200℃以上である。
【0024】蛍光染料(A)は、油性有機溶剤に溶解さ
せて蛍光染料溶液(B)として調製される。ここに用い
られる油性有機溶剤は、蛍光染料(A)との複合化に供
されるポリマー粒子(C)を膨潤させ、あるいは一部溶
解するものすなわち、ポリマー中に含まれる三次元的に
架橋していないポリマーを溶解しうるものであることが
必要である。また、この油性有機溶剤は、水に対する溶
解度が10重量%以下のものであることが好ましく、こ
れにより、水相における蛍光染料(A)の析出を防止す
ることができ、蛍光染料(A)とポリマー粒子(C)と
の複合化を、速やかでかつ効率的に行うことができる。
このような油性有機溶剤の具体例としては、トルエン、
クロロホルム、ベンゼン、エチルベンゼン、塩化メチレ
ン、キシレン、シクロヘキサノン、トリクロルエチレ
ン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどを例示する
ことができ、ビニルトルエン、メチルメタクリレート、
ジビニルベンゼン、スチレン、ブチルアクリレート、ブ
タジエンなどのモノマーを使用することもできる。これ
らの有機溶剤のうち、トルエン、キシレンのような芳香
族系溶剤やメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリ
レート、スチレン、ブタジエンなどが好ましい。
【0025】蛍光染料(A)を溶解するために用いられ
る油性有機溶剤の量は、蛍光染料(A)1重量部に対し
て200重量部以下であることが好ましく、更に好まし
くは0.3〜100重量部、特に好ましくは0.5〜2
0重量部である。
【0026】<蛍光染料溶液(B)>蛍光染料(A)を
油性有機溶剤に溶解させて得られる蛍光染料溶液(B)
は、ポリマー粒子水分散体(D)と直接混合することが
でき、これにより、前記蛍光染料(A)が、ポリマー粒
子水分散体(D)のポリマー粒子(C)に吸収される。
【0027】<蛍光染料エマルジョン(B')>また、蛍
光染料溶液(B)は、界面活性剤および/または分散安
定剤の存在下において水系媒体中に分散され、これによ
り染料エマルジョン(B')が調製される。そして、この
染料エマルジョン(B')と、ポリマー粒子水分散体
(D)とを混合することにより、蛍光染料溶液(B)
と、ポリマー粒子水分散体(D)とを混合するときより
も、ポリマー粒子(C)への蛍光染料(A)の吸収効率
が向上して、蛍光染料(A)とポリマー粒子(C)との
複合化を短時間で達成することができる。
【0028】蛍光染料エマルジョン(B')を調製するた
めの蛍光染料溶液(B)の分散処理に用いられる攪拌手
段は、通常の攪拌翼等によるものでよいが、より一層の
微分散状態を達成するためには、例えば超音波を作用さ
せる手段、高速回転するホモジナイザーなどを利用する
ことができる。そして、通常は、界面活性剤および/ま
たは分散安定剤と水系媒体との混合物に蛍光染料溶液
(B)を加えて分散させればよいが、界面活性剤を予め
蛍光染料溶液(B)に混合したものを水系媒体に分散さ
せてもよい。本発明において、水系媒体としては、例え
ば水、各種の緩衝溶液などを挙げることができる。
【0029】蛍光染料溶液(B)を分散させる際に使用
される界面活性剤および分散安定剤は、複合されるポリ
マー粒子に好ましくない影響を与えるものでなければ特
に限定されるものではない。界面活性剤および分散安定
剤は、勿論、乳化力あるいは分散安定化能が大きいもの
が好ましい。
【0030】界面活性剤の具体例としては、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステ
ル塩、硫酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤およ
びノニオン系界面活性剤を挙げることができ、ソディウ
ムドデシルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ソルビ
タンモノステアレートなどを好ましいものとして挙げる
ことができる。
【0031】また、分散安定剤の具体例としては、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコールメチルセルロースなどの水溶性高分子物質
を挙げることができる。これらのうち、特に好ましくは
界面活性剤である。
【0032】蛍光染料溶液(B)を分散させる水系媒体
の使用量は、蛍光染料溶液(B)100重量部に対して
15〜2000重量部であることが好ましく、更に好ま
しくは20〜1000重量部、特に好ましくは25〜3
00重量部である。
【0033】蛍光染料溶液(B)を分散させる際に使用
される界面活性剤および/または分散安定剤の使用量
は、蛍光染料溶液(B)100重量部に対して0.02
〜10重量部であることが好ましく、更に好ましくは
0.05〜5重量部、特に好ましくは0.1〜2重量部
である。
【0034】界面活性剤および/または分散安定剤並び
に水系媒体の使用量を、上記の好ましい範囲に規定する
ことにより、微粒化された蛍光染料溶液(B)が安定的
に分散されてなる蛍光染料エマルジョン(B')を調製す
ることができ、このような蛍光染料エマルジョン(B')
を用いることにより、蛍光染料(A)とポリマー粒子
(C)との複合化を更に速やかにより効率的に行うこと
ができる。
【0035】<ポリマー粒子(C)>ポリマー粒子
(C)は、蛍光染料(A)との複合化に供されて本発明
の蛍光増白剤を構成するポリマー粒子である。ポリマー
粒子(C)の数平均粒子径は、通常30〜50,000
nmであり、好ましくは50〜20,000nm、更に
好ましくは50〜10,000nmである。数平均粒子
径が30nm未満である場合には、ポリマー粒子の表面
自由エネルギーの過大となって油性有機溶剤が吸収され
にくくなるため、蛍光染料(A)との複合化処理に適さ
ない。一方、数平均粒径が50,000nmを超える場
合には、得られる蛍光増白剤を、紙塗工用組成物、表面
処理剤および内添剤に用いる際に、塗工のストリークや
紙の地合い低下などを起こしやすく、また、水系コーテ
ィング剤などに用いる際に、光沢度を著しく低下させる
原因となり好ましくない。
【0036】また、ポリマー粒子(C)は、蛍光染料溶
液(B)を構成する油性有機溶剤により膨潤し、あるい
は一部溶解されるものであることが必要である。具体的
には、代表的な油性有機溶剤であるトルエンに対する不
溶解分が98%以下であることが必要であり、不溶解分
が95%以下であることが好ましく、更に好ましくは8
5%以下である。
【0037】ポリマー粒子(C)は、上記の条件(数平
均粒子径およびトルエンに対する不溶解分)を具備する
ものであれば、ポリマーの種類や分子量などについては
特に限定されるものではない。
【0038】ポリマー粒子(C)を構成するポリマーの
具体例としては、例えばスチレン、ジビニルベンゼン、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリ
シジル、エチレングリコール−ジ−(メタ)アクリル酸
エステル、(メタ)アクリル酸トリブロモフエニル、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン、
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−(メタ)ア
クリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、イソプレ
ン、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの
(共)重合体よりなるポリマー粒子を好適に用いること
ができる。以上のようなポリマー粒子を製造するために
は、乳化重合法、シード重合法、ソープフリー重合法、
懸濁重合法、膨潤重合法、再乳化法などを利用すること
ができる。好ましくは、ポリスチレン、カルボキシ変性
ポリスチレン、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン系
ラテックス、カルボキシ変性(メタ)アクリルエマルジ
ョン、カルボキシ変性スチレン(メタ)アクリルエマル
ジョンなどである。
【0039】ポリマー粒子(C)は、蛍光増白剤を製造
する際の蛍光染料(A)との複合化工程および必要に応
じてなされる溶剤除去工程において安定であることが好
ましい。そのため、例えばポリマー粒子(C)自体がそ
の表面に、カルボン酸基、硫酸基、スルホン酸基など、
好ましくはカルボン酸基による負の電荷を多く有するこ
とが好ましい。特にカルボン酸基を、ポリマー粒子
(C)100重量部当たり0.3〜10重量部含有する
ものが好ましい。なお、水系媒体中におけるポリマー粒
子(C)自体の安定性が低い場合には、界面活性剤およ
び/または分散安定剤を添加することにより、ポリマー
粒子(C)を安定化させることもできる。
【0040】<ポリマー粒子水分散体(D)>本発明の
蛍光増白剤を製造する際において、上記のポリマー粒子
(C)は、水系媒体中に分散された状態、すなわち、ポ
リマー粒子水分散体(D)として用いられる。ポリマー
粒子水分散体(D)におけるポリマー粒子(C)の含有
割合〔固形分濃度〕は5〜60重量%であることが好ま
しく、更に好ましくは10〜50重量%である。
【0041】<蛍光染料(A)とポリマー粒子(C)の
使用割合>本発明の蛍光増白剤は、蛍光染料溶液(B)
とポリマー粒子水分散体(D)とを混合することによ
り、あるいは、染料エマルジョン(B')とポリマー粒子
水分散体(D)とを混合することにより得られる。
【0042】斯かる混合分散系を得るために使用する蛍
光染料(A)とポリマー粒子(C)の割合としては、
「ポリマー粒子(C):蛍光染料(A)〔重量〕」が1
00:0.001〜100であり、好ましくは100:
0.01〜30、更に好ましくは100:0.1〜20
重量部である。ポリマー粒子(C)100重量部に対す
る蛍光染料(A)の使用量が0.001重量部未満の場
合には、得られる蛍光増白剤が高い増白効果を有するも
のとならず、一方、蛍光染料(A)の使用量が100重
量部を超える場合にも、染料粒子同士の間隔が過小とな
って濃度消光効果が起こるために、得られる蛍光増白剤
は十分な増白効果を発揮することができない。
【0043】<蛍光染料含有ポリマー粒子>本発明の蛍
光増白剤は、上記のような製造方法により得られる蛍光
染料含有ポリマー粒子からなる。この蛍光染料含有ポリ
マー粒子中における蛍光染料(A)の含有割合として
は、通常0.001〜100重量%とされ、好ましくは
0.01〜30重量%とされる。蛍光染料含有ポリマー
粒子の数平均粒子径は、通常30〜50,000nmと
され、好ましくは50〜20,000nmとされる。
【0044】本発明において、蛍光増白剤は、水性分散
体の状態でも、乾燥して粉末としても用いることができ
る。
【0045】<紙塗工用組成物>次に、本発明の紙塗工
用組成物について説明する。本発明の紙塗工用組成物
は、上記本発明の蛍光増白剤〔以下「蛍光増白剤
(E)」ともいう〕が、顔料に対して特定の割合で含有
されている組成物である。
【0046】本発明の紙塗工用組成物において、顔料お
よび水性バインダーなど各構成成分の使用量は、従来の
一般的な紙塗工用組成物の配合処方と同様である。例え
ば、顔料100重量部に対する水性バインダーの使用量
は50重量部以下であることが好ましく、更に好ましく
は5〜30重量部である。また、ポリマー粒子(C)を
後述する水性バインダーとなる合成高分子化合物で形成
すれば、蛍光増白剤(E)に水性バインダーとしての機
能を付与させることもでき、斯かる場合には、水性バイ
ンダーを使用しなくてもよい。また、紙塗工用組成物の
固形分濃度は10〜70重量%が好ましく、さらに好ま
しくは20〜68重量%である。
【0047】本発明の紙塗工用組成物における蛍光増白
剤(E)の含有割合は、紙塗工用組成物中の顔料の含有
割合、および、蛍光増白剤(E)に含まれる蛍光染料
(A)の割合によって異なる。具体的には、顔料100
重量部に対して、蛍光染料(A)が0.001〜5重量
部となるような割合、好ましくは蛍光染料(A)が0.
005〜2重量部となるような割合で蛍光増白剤(E)
が含有される。顔料100重量部に対する蛍光染料
(A)の割合が0.001重量部未満では増白効果が十
分に発揮されず、一方、この割合が5重量部を超える場
合には濃度消光効果によって増白効果が損なわれる。
【0048】本発明の紙塗工用組成物の必須成分である
顔料としては、例えばカオリンクレー、炭酸カルシウ
ム、サチンホワイト、二酸化チタン、タルク、水酸化ア
ルミニウムなどの無機顔料;ポリスチレン、尿素樹脂な
どの白色有機顔料を挙げることができる。これらは単独
であるいは任意の割合で併用することができる。
【0049】本発明の紙塗工用組成物の任意成分である
水性バインダーとしては、例えばデンプン、酸化デンプ
ン、エステル化デンプン、ポリビニルアルコール、カゼ
イン等の水溶性バインダー;スチレン−ブタジエン系、
酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系、(メタ)アク
リル酸エステル系などの合成高分子化合物の水乳化・分
散系のバインダーなどを挙げることができる。これらは
単独であるいは任意の割合で併用することができる。
【0050】また、本発明の紙塗工用組成物には、その
他に必要に応じて、分散剤、pH調整剤、消泡剤、防腐
剤、潤滑剤、耐水化剤、粘度調整剤、印刷適性向上剤、
青味付け顔料、青味付け染料、赤味付け顔料、赤味付け
染料、水溶性蛍光染料などが適宜含有されていてもよ
い。
【0051】本発明の紙塗工用組成物は、ブレードコー
ター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプ
レスコーター、ゲートロールコーター、キャストコータ
ーなどを用いて紙基材表面に塗工処理され、乾燥処理さ
れた後、必要に応じて、マシンカレンダーなどで光沢向
上処理され、これにより、白色性に優れた塗工紙を得る
ことができる。
【0052】<表面処理紙>次に、本発明の表面処理紙
について説明する。本発明の表面処理紙は、蛍光増白剤
(E)を含有する水系の表面処理剤を紙基材表面に塗布
処理することにより製造される。
【0053】本発明の表面処理紙を得るために使用され
る表面処理剤には、必要に応じて、ロジンエステル、ア
クリル樹脂、アルキルケテンダイマーなどのサイズ剤、
デンプン類、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリ
ウムなどの紙力補強剤などが適宜含有されていてもよ
い。これらの物質は、通常の水溶性蛍光染料よりなる蛍
光増白剤と相互作用を起こし、当該蛍光増白剤による増
白効果を損なわせる傾向があるが、蛍光増白剤(E)と
の相互作用は殆どないので、増白効果が損なわれること
はない。なお、この表面処理剤において、固形分濃度は
0.5〜50重量%であることが好ましい。
【0054】本発明の表面処理紙を得るために使用され
る表面処理剤の好ましい使用量としては、処理される紙
基材の重量、表面処理剤を構成する蛍光増白剤(E)に
含まれる蛍光染料(A)の割合によって異なる。具体的
には、紙基材100重量部に対して、蛍光染料(A)の
使用量が0.001〜2重量部となるような割合で表面
処理剤が使用されることが好ましい。紙基材100重量
部あたりの蛍光染料(A)の使用量が0.001重量部
未満では増白効果が十分に発揮されず、一方、2重量部
を超えて使用しても、使用量に見合った増白効果の向上
を図ることができない。
【0055】この表面処理剤は、例えばサイズプレスコ
ーター、シムサイザー、ゲートロールコーターなどを用
いて紙基材表面に塗布処理することができる。表面処理
剤が塗布された紙基材は、乾燥処理された後、必要に応
じて、ソフトニップカレンダーなどで光沢向上処理さ
れ、白色性に優れた表面処理紙となる。
【0056】<内添紙>次に、本発明の内添紙について
説明する。本発明の内添紙は、紙の抄紙工程において、
パルプ、フィラー、その他の薬剤からなる紙原料混合物
(パルプスラリー)に蛍光増白剤(E)を含有させて抄
紙することにより製造される。
【0057】パルプスラリーを構成するフィラーとして
は、クレー、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタンな
どの無機顔料や尿素樹脂などの白色有機顔料が挙げられ
る。パルプスラリーを構成するその他の薬剤としては、
サイズ剤、紙力増強剤、発色剤、水溶性蛍光染料、歩留
り向上剤、消泡剤、ピッチ抑制剤、殺菌剤などが挙げら
れ、これらは必要に応じて適宜用いることができる。
【0058】ここに、蛍光増白剤(E)は、パルプスラ
リーを構成する薬剤の影響を受けることがないので、当
該蛍光増白剤(E)による増白効果が十分に発揮され、
得られる内添紙は白色性に優れたものとなる。
【0059】本発明の内添紙を得るために使用される蛍
光増白剤(E)の好ましい使用量としては、パルプの重
量、蛍光増白剤(E)に含まれる蛍光染料(A)の割合
によって異なる。具体的には、乾燥パルプ100重量部
に対して、蛍光染料(A)の使用量が0.0001〜
0.5重量部となるような割合で蛍光増白剤(E)が使
用されることが好ましい。乾燥パルプ100重量部あた
りの蛍光染料(A)の使用量が0.0001重量部未満
では増白効果が十分に発揮されず、一方、0.5重量部
を超えて使用しても、紙層への歩留りが低く使用量に見
合った増白効果の向上を図ることができない。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明がこれら実施例によって限定されるもので
はない。なお、以下において、「部」は「重量部」を意
味するものとする。また、各ポリマー粒子におけるトル
エン不溶分は、ラテックスをpH8.0に調整した後、
イソプロパノールで凝固し、この凝固物を洗浄した後、
所定量(約0.3g)の試料を所定量(約100ml)
のトルエン中に常温で20時間浸漬し、その後、120
メッシュの金網で濾過し、残存する固形分の仕込み全固
形分に対する重量割合として求めた。
【0061】<蛍光増白剤の製造> 〔製造例1〕蛍光染料(A)としてピレン〔和光純薬
(株)製〕5部をトルエン50部に溶解して蛍光染料溶
液(B)を調製した。一方、界面活性剤としてソディウ
ムドデシルサルフェート(以下「SDS」という)0.
3部を水100部に溶解してこれを水系媒体とし、この
水系媒体中に上記の蛍光染料溶液(B)を加え、攪拌し
ながら蛍光染料溶液(B)を分散させて乳化することに
より蛍光染料エマルジョン(B')を調製した。
【0062】得られた蛍光染料エマルジョン(B')15
5.3部を、ポリマー粒子水分散体(D)としてポリス
チレンラテックス〔固形分10重量%,ポリスチレン粒
子の数平均粒子径300nm,トルエン不溶解分0重量
%〕1000部に添加混合し、これを2リットルのフラ
スコ内に入れ、25℃に保ちながら、錨型攪拌翼(翼直
径100mm・シャフト径5mm)を用いて200rp
mで10時間攪拌して、混合分散エマルジョンを得た。
【0063】得られた混合分散エマルジョン中における
ポリマー粒子の粒子径を光散乱型粒子径測定機「サブミ
クロンアナライザーモデルN4」(コールター社製)を
用いて測定したところ、数平均粒子径が340nmであ
り、粒子径分布もほぼ単分散であった。なお、この混合
分散エマルジョンを24時間静置したが油成分(トルエ
ン)の分離は認められなかった。また、暗室下におい
て、この混合分散エマルジョンに紫外線を照射すると、
青白色の発光が均一に観察された。これは蛍光染料
(A)であるピレンが、ポリマー粒子(C)であるポリ
スチレン粒子にほぼ完全に保持された状態で安定して水
中に分散しているためと考えられる。
【0064】次いで、得られた混合分散エマルジョンに
ついて、スチームストリッピング処理および加熱減圧に
よる濃縮処理を行うことによってトルエンを除去し、残
留トルエン濃度50ppm以下、固形分50重量%、数
平均粒子径300nmのピレン−ポリスチレン複合粒子
のエマルジョンよりなる蛍光増白剤を得た。これを「蛍
光増白剤(E−1)」という。
【0065】〔製造例2〜4〕表1に示す処方に従っ
て、蛍光染料(A)であるピレンの使用量並びにポリマ
ー粒子水分散体(D)の種類(カルボキシ変性スチレン
−ブタジエン粒子の数平均粒子径,トルエン不溶解分)
および使用量を変更したこと以外は製造例1と同様にし
て混合分散エマルジョンを得た。なお、これらの混合分
散エマルジョンを24時間静置したが油成分の分離は認
められなかった。次いで、これら混合分散エマルジョン
の各々について、スチームストリッピング処理および加
熱減圧による濃縮処理を行うことによってトルエンを除
去し、残留トルエン濃度50ppm以下、固形分50重
量%のピレン−ポリマー複合粒子のエマルジョンよりな
る蛍光増白剤を得た。これらを、それぞれ「蛍光増白剤
(E−2)〜(E−4)」という。なお、蛍光増白剤
(E−2)〜(E−4)中における複合粒子の粒子径を
光散乱型粒子径測定機「サブミクロンアナライザーモデ
ルN4」(コールター社製)を用いて測定した。数平均
粒子径を表1に併せて示す。
【0066】〔製造例5〕表1に示す処方に従って、蛍
光染料(A)としてクマリン系油溶性蛍光染料フルオレ
ッセントブライトナー91(以下「FB91」という)
「カヤライトB」〔日本化薬(株)製〕15部をトルエ
ン50部に溶解して蛍光染料溶液(B)を調製したこと
以外は製造例2と同様にして混合分散エマルジョンを得
た。なお、この混合分散エマルジョンを24時間静置し
たが油成分の分離は認められなかった。次いで、この混
合分散エマルジョンについて、スチームストリッピング
処理および加熱減圧による濃縮処理を行うことによって
トルエンを除去し、残留トルエン濃度50ppm以下、
固形分50重量%、数平均粒子径250nmのFB91
−スチレン・ブタジエン共重合体複合粒子のエマルジョ
ンよりなる蛍光増白剤を得た。これを「蛍光増白剤(E
−5)」という。
【0067】〔製造例6〕表1に示す処方に従って、蛍
光染料(A)としてFB91「カヤライトB」〔日本化
薬(株)製〕5部をスチレン15部に溶解して蛍光染料
溶液(B)を調製し、得られた蛍光染料溶液(B)20
部を、ポリマー粒子水分散体(D)に直接添加混合した
こと以外は製造例2と同様にして混合分散エマルジョン
を得た。なお、この混合分散エマルジョンを24時間静
置したが油成分の分離は認められなかった。次いで、こ
の混合分散エマルジョンについて、スチームストリッピ
ング処理および加熱減圧による濃縮処理を行うことによ
ってスチレンを除去し、残留スチレン濃度50ppm以
下、固形分50重量%、数平均粒子径250nmのFB
91−スチレン・ブタジエン共重合体複合粒子のエマル
ジョンよりなる蛍光増白剤を得た。これを「蛍光増白剤
(E−6)」という。
【0068】〔比較製造例1〕表1に示す処方に従っ
て、蛍光染料(A)としてFB91「カヤライトB」
〔日本化薬(株)製〕120部をトルエン250部に溶
解して蛍光染料溶液(B)を調製したこと以外は製造例
2と同様にして混合分散エマルジョンを得た。なお、こ
の混合分散エマルジョンを24時間静置したところ、油
成分の分離がやや多く認められた。次いで、この混合分
散エマルジョンについて、スチームストリッピング処理
および加熱減圧による濃縮処理を行うことによってトル
エンを除去し、残留トルエン濃度50ppm以下、固形
分50重量%、数平均粒子径230nmのFB91−ス
チレン・ブタジエン共重合体複合粒子のエマルジョンよ
りなる蛍光増白剤を得た。これを「蛍光増白剤(e−
1)」という。
【0069】〔比較製造例2〕表1に示す処方に従っ
て、蛍光染料(A)としてFB91「カヤライトB」
〔日本化薬(株)製〕0.0001部をトルエン50部
に溶解して蛍光染料溶液(B)を調製したこと以外は製
造例4と同様にして混合分散エマルジョンを得た。な
お、この混合分散エマルジョンを24時間静置したが油
成分の分離は認められなかった。次いで、この混合分散
エマルジョンについて、スチームストリッピング処理お
よび加熱減圧による濃縮処理を行うことによってトルエ
ンを除去し、残留トルエン濃度50ppm以下、固形分
50重量%、数平均粒子径180nmのFB91−スチ
レン・ブタジエン共重合体複合粒子のエマルジョンより
なる蛍光増白剤を得た。これを「蛍光増白剤(e−
2)」という。
【0070】〔比較製造例3〕表1に示す処方に従っ
て、蛍光染料(A)であるピレンの使用量を1部に変更
し、ポリマー粒子水分散体(D)としてスチレン−アク
リル系のマイクロエマルジョン〔花王(株)製、固形分
30重量%、ポリマー粒子の粒子径10〜20nm、ト
ルエン不溶分0重量%〕333.3部を使用したこと以
外は製造例1と同様にして混合分散エマルジョンを得
た。なお、この混合分散エマルジョンを24時間静置し
たところ、油成分の分離がやや多く認められた。次い
で、この混合分散エマルジョンについて、スチームスト
リッピング処理および加熱減圧による濃縮処理を行うこ
とによってトルエンを除去し、残留トルエン濃度50p
pm以下、固形分30重量%、粒子径10〜20nmの
ピレン−ポリマー複合粒子のエマルジョンよりなる蛍光
増白剤を得た。これを「蛍光増白剤(e−3)」とい
う。
【0071】〔比較製造例4〕ポリスチレンビーズ(粒
子径60,000〜200,000nm、トルエン不溶
分2重量%)100部をポリビニルアルコール「ゴーセ
ノールGH20」〔日本合成(株)製〕5部を用いて水
媒体中に分散させて調製した固形分10重量%のポリマ
ー粒子水分散体(D)1000部を使用したこと以外は
比較製造例3と同様にして混合分散エマルジョンを得
た。なお、この混合分散エマルジョンを24時間静置し
たところ、油成分の分離がやや多く認められた。次い
で、この混合分散エマルジョンについて、スチームスト
リッピング処理および加熱減圧による濃縮処理を行うこ
とによってトルエンを除去し、残留トルエン濃度50p
pm以下、固形分20重量%、粒子径50,000〜1
00,000nmのピレン−ポリスチレン複合粒子のエ
マルジョンよりなる蛍光増白剤を得た。これを「蛍光増
白剤(e−4)」という。
【0072】〔比較製造例5〕ポリマー粒子水分散体
(D)として、高度に架橋されたポリジビニルベンゼン
ラテックス(固形分20重量%、数平均粒子径300n
m、トルエン不溶分99.5重量%)500部を使用し
たこと以外は比較製造例3と同様にして混合分散エマル
ジョンを得た。なお、この混合分散エマルジョンを24
時間静置したところ、油成分の分離が多く認められた。
次いで、この混合分散エマルジョンについて、スチーム
ストリッピング処理および加熱減圧による濃縮処理を行
うことによってトルエンを除去し、残留トルエン濃度5
0ppm以下、固形分25重量%、数平均粒子径300
nmのピレン−ポリジビニルベンゼン複合粒子のエマル
ジョンよりなる蛍光増白剤を得た。これを「蛍光増白剤
(e−5)」という。
【0073】
【表1】
【0074】※1「JSR#0640」:カルボキシ変
性スチレン−ブタジエンラテックス〔日本合成ゴム
(株)製〕 ※2「JSR#0898」:カルボキシ変性スチレン−
ブタジエンラテックス〔日本合成ゴム(株)製〕 ※3「JSR#0613」:カルボキシ変性スチレン−
ブタジエンラテックス〔日本合成ゴム(株)製〕 ※4「St−AC」:スチレン−アクリル系マイクロエ
マルジョン〔花王(株)製〕
【0075】<紙塗工用組成物の製造> 〔実施例1〜8〕表2に示す処方に従って、本発明の蛍
光増白剤(E−1)〜(E−6)のそれぞれを含む配合
成分を混合することにより、本発明の紙塗工用組成物を
製造した。
【0076】〔比較例1〜13〕表3に示す処方に従っ
て、比較用の蛍光増白剤(e−1)〜(e−5)、本発
明の蛍光増白剤(E−4),(E−5)および従来公知
のアミノスチルベンジスルホン酸系の水溶性蛍光増白剤
「カヤホールPASリキッド」(日本化薬社製)のそれ
ぞれを含む配合成分、並びに、蛍光増白剤を含まない配
合成分(比較例1)を混合することにより、比較用の紙
塗工用組成物を製造した。
【0077】なお、表2および表3中、カオリンクレー
としては「ウルトラホワイト90」(エンゲルハルド社
製)、炭酸カルシウムとしては「カービタル90」(富
士カオリン社製)、ラテックスとしては「JSR#06
13」〔日本合成ゴム(株)製〕、分散剤としては「ア
ロンT−40」(東亜合成社製)、変性デンプンとして
は「MS−4600」(日本食品加工社製)をそれぞれ
用いた。また、本発明および比較用の紙塗工用組成物
は、それぞれ、固形分濃度が60重量%となるように水
を添加して調製した。
【0078】<紙塗工用組成物の評価>上記の実施例お
よび比較例により得られた紙塗工用組成物の各々を、電
導式ブレードコーター(熊谷理器社製)を用いて、坪量
70±2g/m2 の紙基材表面に塗工処理した。ここ
に、紙塗工用組成物の使用量としては、片面あたり1
5.0±0.5g/m2 となるように制御した。塗工処
理が施された紙基材を電気式熱風乾燥機を用いて150
℃で15秒間乾燥した。次いで、この紙基材を、温度2
3℃、湿度50%の恒温恒湿槽内に1昼夜放置し、次い
で、線圧70kg/cm、ロール温度50℃の条件でス
ーパーカレンダー処理を4回行い塗工紙を得た。得られ
た塗工紙について、ドライピック強度、ウェットピック
強度、白紙光沢、白色度・蛍光増白強度、色相、塗工性
について評価した。結果を表2および表3に示す。な
お、評価方法は以下のとおりである。
【0079】(1)ドライピック強度 RI印刷機を用いて印刷したときのピッキング(塗工層
の脱落・破損)の程度を肉眼で判定し、1〜5の数値
(数値は測定回数6回の平均値)で評価した。この数値
が大きい程ピッキング現象が少なく良好である。
【0080】(2)ウェットピック強度 塗工紙の表面を吸水ロールで湿らせてから、RI印刷機
を用いて印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定
し、1〜5の数値(数値は測定回数6回の平均値)で評
価した。この数値が大きい程ピッキング現象が少なく良
好である。
【0081】(3)白紙光沢 村上式光沢計を用いて、入射角75°−反射角75°の
光沢値(%)を測定した。この値が大きいほど光沢性に
優れている。
【0082】(4)白色度、蛍光増白強度 積分球式反射率計「CD−109」〔(株)村上色彩技
術研究所製〕を用い、457nmの光の45°入射−0
°反射の反射強度Rとして白色度の尺度とした。また、
光源からの光にUV成分がある場合の反射強度を
「RUV」、UV成分がない場合の反射強度を「RVI」と
するとき、「RUV−RVI」の値を蛍光増白強度とした。
【0083】(5)色相 SMカラーコンピューター「Model SM−4」
〔スガ試験機(株)製〕を用いてYI値を測定した。Y
I数値が低いほど黄色みが低く、白色性に優れている。
【0084】(6)塗工性 塗工紙のストリークの発生や面感を目視で判定して評価
した。塗工性のよいものから順に「○」、「△」、
「×」の3段階で評価結果を示した。
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】表2に示す結果から明らかなように、本発
明の紙塗工用組成物を用いて得られた塗工紙は、白色度
が高くてYI数値が低く、極めて優れた白色性を有し、
光沢性が良好で、塗工層の強度も大きい。しかも、本発
明の組成物は、染料成分重量あたりの増白効果が大きく
て増白効率にも優れている。
【0088】これに対して、表3に示すように、蛍光増
白剤を含まない比較例1の組成物を用いて得られた塗工
紙は、白色度が低く、黄色みの尺度であるYI値が高
い。
【0089】また、水溶性の蛍光増白剤よりなる組成物
(比較例2〜5)を用いて得られた塗工紙の評価結果か
ら、蛍光増白剤の含有量が少ない場合には当該蛍光増白
剤の増加に伴って白色性が向上するものの、1.0部以
上の割合で蛍光増白剤を含有させても、濃度消光効果に
よって、使用量に見合った増白効果の向上を図ることが
できないことが理解される。また、染料成分が0.10
部の場合(比較例2)の蛍光増白強度は0.1%であ
り、実施例2〜4における蛍光増白強度(1.5%)に
比して1/15に止まっている。更に、蛍光増白剤の含
有量が増加することに伴い、得られる塗工層の強度、光
沢性、塗工性などが低下する傾向がある。
【0090】比較例6の組成物は、比較製造例1で得ら
れた蛍光増白剤(e−1)を含有する組成物であり、比
較例6の組成物には、蛍光増白剤(e−1)を構成する
蛍光染料(A)が、顔料100部に対して5部を超える
割合で含まれている。そして、この比較例6の組成物を
用いて得られた塗工紙は、実施例6の組成物を用いて得
られた塗工紙に比べて白色性、塗工層の強度、光沢性お
よび塗工性に劣るものであった。
【0091】比較例7の組成物は、比較製造例2で得ら
れた蛍光増白剤(e−2)を含有する組成物であり、比
較例7の組成物には、蛍光増白剤(e−2)を構成する
蛍光染料(A)が、顔料100部に対して0.001部
未満の割合で含まれている。そして、この比較例7の組
成物は増白効果を殆ど有しないものであった。
【0092】比較例8の組成物は、粒子径が30nm未
満のポリマー粒子により構成された蛍光増白剤(e−
3)を含む組成物であって増白効果が極めて低いもので
あった。これは、当該ポリマー粒子の粒子径が過小であ
るために、蛍光染料溶液(B)が吸収されにくかったか
らであると考えられる。
【0093】比較例9の組成物は、粒子径が50,00
0nm以上のポリマー粒子により構成された蛍光増白剤
(e−4)を含む組成物であって増白効果を殆ど有しな
かった。これは、当該ポリマー粒子の粒子径が過大であ
るために、当該ポリマー粒子に蛍光染料溶液(B)が吸
収されにくかったからであると考えられる。また、比較
例9の組成物を塗工する際において、ストリークが著し
く発生した。
【0094】比較例10の組成物は、トルエン不溶分が
98%を超える高度に架橋されたポリマー粒子により構
成された蛍光増白剤(e−5)を含む組成物であって増
白効果を殆ど有しないものであった。これは、当該ポリ
マー粒子に蛍光染料溶液(B)が吸収されにくかったか
らであると考えられる。比較例11の組成物は、比較製
造例1で得られた蛍光増白剤(e−1)を含有する組成
物であり、蛍光増白剤(e−1)には、ポリマー粒子1
00部に対して蛍光染料が100部を超える割合で含ま
れている。この組成物を用いて得られた塗工紙は蛍光増
白効果や塗工性に劣るものであった。比較例12の組成
物は、本発明の蛍光増白剤(E−4)を、顔料100部
に対して染料(A)成分換算で0.001部未満の過少
量を使用した例であり、蛍光増白効果は殆ど確認できな
かった。比較例13の組成物は、本発明の蛍光増白剤
(E−5)を、顔料100部に対して染料(A)成分換
算で5部を超える過剰量を使用した例であり、染料の使
用量に対して蛍光増白効果が低いものであり、また、塗
工性も劣るものであった。
【0095】<表面処理紙> 〔実施例9〕表4に示す処方に従って、製造例2で得ら
れた蛍光増白剤(E−2)を固形分換算で10部と、酸
化デンプン「王子エースC」(王子コーンスターチ社
製)2部とを混合し、次いで、水で希釈することにより
固形分濃度3%の塗布液(表面処理剤)を調製した。
【0096】この表面処理剤を、サイズプレスコーター
を用いて、坪量70±2g/m2 の紙基材の片面に塗布
処理した。ここに、表面処理剤の使用量としては、塗布
固形分量が1.2g/m2 となるように制御した。塗布
処理が施された紙基材を表面温度110℃のドラムドラ
イヤーで乾燥した。次いで、この紙基材を、線圧40k
g/cm、ロール温度30℃の条件でカレンダー処理を
2回行って本発明の表面処理紙を得た。
【0097】〔実施例10〕表4に示す処方に従って、
蛍光増白剤(E−2)に代えて、製造例5で得られた蛍
光増白剤(E−5)を固形分換算で10部用いたこと以
外は実施例9と同様にして固形分濃度3%の表面処理剤
を調製し、この表面処理剤を用いて実施例9と同様にし
て本発明の表面処理紙を得た。
【0098】〔実施例11〕表4に示す処方に従って、
蛍光増白剤(E−2)に代えて、製造例6で得られた蛍
光増白剤(E−6)を固形分換算で10部用いたこと以
外は実施例9と同様にして固形分濃度3%の表面処理剤
を調製し、この表面処理剤を用いて実施例9と同様にし
て本発明の表面処理紙を得た。
【0099】〔比較例14〕表4に示す処方に従って、
蛍光増白剤(E−2)に代えて、従来公知の水溶性蛍光
増白剤「カヤホールPASリキッド」(日本化薬社製)
を固形分換算で2部用いたこと以外は実施例9と同様に
して固形分濃度3%の表面処理剤を調製し、この表面処
理剤を用いて実施例9と同様にして比較用の表面処理紙
を得た。なお、表面処理剤の使用量としては、塗布固形
分量が0.4g/m2 となるように制御した。
【0100】〔比較例15〕表4に示す処方に従って、
酸化デンプン「王子エースC」の3重量%水溶液よりな
る表面処理剤を調製し、この表面処理剤を用いて実施例
9と同様にして比較用の表面処理紙を得た。なお、表面
処理剤の使用量としては、塗布固形分量が0.2g/m
2 となるように制御した。
【0101】以上のようにして得られた表面処理紙の各
々について、上記(4)に示した方法で白色度、蛍光増
白強度を測定し、上記(5)に示した方法でYI値を測
定した。また、蛍光増白効果の耐水性試験として、表面
処理紙の上に一滴の水滴を滴下し、乾燥後、水滴の滴下
領域の白色度と、周辺部(非滴下領域)の白色度との差
を目視で判定して評価した。評価は、「○」(周辺部と
の差が殆どなし)、「△」(やや差があり)、「×」
(非常に差があり)の3段階で示した。結果を表4に併
せて示す。
【0102】
【表4】
【0103】表4に示す結果から明らかなように、本発
明の表面処理紙は、白色度が高くてまた、水と接触して
も良好な白色性が維持されている。これに対して、水溶
性蛍光増白剤を含む表面処理剤を用いて得られた比較例
14の表面処理紙は、白色度が低く、また、水との接触
によって白色性が著しく低下する。また、蛍光増白剤を
含まない表面処理剤を用いて得られた比較例15の表面
処理紙は、白色度が低く、YI値が大きくて黄色みが強
いものであった。
【0104】<内添紙> 〔実施例12〜15、比較例16〜18〕1重量%のパ
ルプスラリーに、パルプ固形分に対して0.1重量%の
アルキルケテンダイマーを添加した後、攪拌しながら、
パルプ固形分に対して1重量%のカチオン化デンプン
と、パルプ固形分に対して0.01重量%のアニオン性
ポリアクリルアミドとを添加し、更に、表5に示す処方
に従って、蛍光増白剤を添加し、常法によりTAPPI
スタンダードシートマシーンを用いて抄紙した。次い
で、このようにして得られた湿紙を圧縮脱水処理し、表
面温度110℃のドラムドライヤーで3分間乾燥して本
発明の内添紙および比較用の内添紙を得た。これらの内
添紙の各々について、線圧40kg/cm、ロール温度
30℃の条件でカレンダー処理を2回行い、温度23
℃、湿度50%の恒温恒湿槽内に24時間放置して調湿
した。調湿後における内添紙の坪量は65±0.5g/
2 であった。以上のようにして得られた内添紙の各々
について、上記(4)に示した方法で白色度、蛍光増白
強度を測定し、上記(5)に示した方法でYI値を測定
した。結果を併せて表5に示す。表5に示す結果から明
らかなように、本発明の内添紙は、白色度が高くて白色
性に優れている。
【0105】
【表5】
【0106】
【発明の効果】本発明の蛍光増白剤によれば、従来公知
の蛍光増白剤よりも優れた増白効果を有し、白色度の高
い塗工紙、表面処理紙および内添紙を得ることができ
る。しかも、本発明の組成物は、染料成分重量あたりの
増白効果が大きくて増白効率にも優れている。本発明の
紙塗工用組成物によれば、白色度が高くて極めて優れた
白色性を有し、光沢性が良好で、また、塗工層の強度が
大きい塗工紙を得ることができる。本発明の表面処理紙
は、白色度が高く、また、水と接触しても良好な白色性
を維持することができる。本発明の内添紙は、白色度が
高くて白色性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/36 19/00 D21H 1/46 (72)発明者 鶴岡 勝彦 東京都中央区築地2丁目11番24号日本合成 ゴム株式会社内 (72)発明者 新ヶ江 滋 東京都中央区築地2丁目11番24号日本合成 ゴム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子内に、水に不溶もしくは難溶でかつ
    油性有機溶剤に可溶な蛍光染料を含有するポリマー粒子
    からなることを特徴とする紙用の蛍光増白剤。
  2. 【請求項2】 水に不溶もしくは難溶でかつ油性有機溶
    剤に可溶な蛍光染料(A)0.001〜100重量部を
    油性有機溶剤に溶解させて得られる蛍光染料溶液(B)
    と、数平均粒子径が30〜50,000nmでかつトル
    エン不溶解分が98重量% 以下のポリマー粒子(C)100重量部が水系媒体中に
    分散されてなるポリマー粒子水分散体(D)とを混合す
    ることによって、蛍光染料(A)および油性有機溶剤を
    ポリマー粒子(C)に吸収させ、必要に応じて、油性有
    機溶剤を除去することにより得られることを特徴とする
    紙用の蛍光増白剤。
  3. 【請求項3】 水に不溶もしくは難溶でかつ油性有機溶
    剤に可溶な蛍光染料(A)0.001〜100重量部を
    油性有機溶剤に溶解させて得られる蛍光染料溶液(B)
    を水系媒体中に分散させて調製される蛍光染料エマルジ
    ョン(B')と、 数平均粒子径が30〜50,000nmでかつトルエン
    不溶解分が98重量%以下のポリマー粒子(C)100
    重量部が水系媒体中に分散されてなるポリマー粒子水分
    散体(D)とを混合することによって、蛍光染料(A)
    および油性有機溶剤をポリマー粒子(C)に吸収させ、
    必要に応じて、油性有機溶剤を除去することにより得ら
    れることを特徴とする紙用の蛍光増白剤。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の蛍光増白
    剤と顔料とを含有してなり、前記蛍光増白剤を構成する
    蛍光染料(A)が、顔料100重量部に対して0.00
    1〜5重量部の割合となるように、蛍光増白剤が含有さ
    れていることを特徴とする紙塗工用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項2又は請求項3に記載の蛍光増白
    剤を含有する水系の表面処理剤を紙基材表面に塗布処理
    することにより得られる白色性に優れた表面処理紙。
  6. 【請求項6】 請求項2又は請求項3に記載の蛍光増白
    剤をパルプスラリーに含有させて抄紙することにより得
    られる白色性に優れた内添紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006057064A1 (ja) * 2004-11-29 2006-06-01 Pt. Pabrik Kertas Tjiwi Kimia Tbk. 高白色度用紙
JP2006183192A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Tokushu Paper Mfg Co Ltd 印刷用紙
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WO2015144577A1 (de) * 2014-03-28 2015-10-01 Basf Se Lignocellulosewerkstoffwerkstoffe, die mit polymerpartikeln, enthaltend fluoreszenzfarbstoff, markiert sind
EP3131957A1 (en) * 2014-04-15 2017-02-22 ENI S.p.A. Process for the impregnation of polymer substrates

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