JPH08188895A - 水電解方法 - Google Patents

水電解方法

Info

Publication number
JPH08188895A
JPH08188895A JP7018752A JP1875295A JPH08188895A JP H08188895 A JPH08188895 A JP H08188895A JP 7018752 A JP7018752 A JP 7018752A JP 1875295 A JP1875295 A JP 1875295A JP H08188895 A JPH08188895 A JP H08188895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exchange membrane
ion exchange
ozone
water electrolysis
electrolysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7018752A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3716002B2 (ja
Inventor
Takayuki Shimamune
孝之 島宗
Yoshinori Nishiki
善則 錦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
De Nora Permelec Ltd
Original Assignee
Permelec Electrode Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Permelec Electrode Ltd filed Critical Permelec Electrode Ltd
Priority to JP01875295A priority Critical patent/JP3716002B2/ja
Publication of JPH08188895A publication Critical patent/JPH08188895A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3716002B2 publication Critical patent/JP3716002B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の水電解によるオゾン製造では、高温に
なると効率が低下するため冷却を行ないながら運転して
いた。しかしこの方法では冷却設備分のコスト上昇や十
分冷却できない場合の効率低下という問題があった。本
発明は冷却を行なうことなく水電解によるオゾン製造を
行ない得る方法を提供する。 【構成】 水電解セル1の隔膜としてリン酸型イオン交
換膜2を使用する。該リン酸型イオン交換膜を使用する
水電解では、低温では従来のスルホン酸型イオン交換膜
と同等の効率でオゾンが発生し、高温でもこの効率が維
持され、温度に影響されることなく、水電解によるオゾ
ン製造を行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高効率で純水を電解す
る方法に関し、より詳細には高温においても純水を高効
率で電解し、オゾンと酸素の混合ガスを得るための方法
に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】水電解によりオゾンを製造す
る工夫は古くから行われ、2種類の電解法により高濃度
で高純度のオゾンが得られている。第1の方法は、補助
電解質として高電気陰性度の陰イオンを含む液を電解し
てオゾンを製造する溶液電解法であり、第2の方法は高
分子固体電解質を使用する純粋な水電解方法である。前
者の方法は電極物質、溶液(電解液)及び電解条件等の
選択により極めて高い電流効率が得られるが、電解液の
極めて高い腐食性のため実験室的に検討が進んでいるの
みで実用装置として市販されていない。
【0003】一方パーフルオロカーボンスルホン酸系陽
イオン交換膜を固体電解質としその両側に陰極及び陽極
を密着させた所謂固体電解質型又はゼロギャップ型電解
である第2の方法は、構造が比較的簡単であり生成する
オゾン以外には腐食性あるいは危険のある物質が存在し
ないため取扱いが容易であることも含めて、数種の装置
が商品化されている。この装置のオゾン発生の電流効率
は現在のところ最高で20%程度、通常は13〜18%であ
り、得られる生成ガスは13〜18重量%のオゾンを含む水
が飽和した酸素ガスである。この装置を使用する電解系
では液成分が脱イオン水であり腐食性は殆どないと考え
てよいので、電極の消耗やその他の成分の溶出がなく、
不純物が混入しないため、純粋に近い混合ガスが得られ
るという特徴がある。従って従前からの殺菌等の応用分
野に加えて、エレクトロニクスの洗浄等の精密工学の分
野にもオゾンの使用が拡大されつつある。
【0004】この水電解によるオゾン製造方法に使用さ
れるイオン交換膜は、多くの場合耐薬品性に優れたフッ
素樹脂系イオン交換膜である。このイオン交換膜はスル
ホン酸型であること殆どであり、該スルホン酸型イオン
交換膜は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹
脂とパーフルオロスルホニルエトキシビニルエーテルの
共重合物(XR−レジン)を成膜し加水分解することに
より得られる。この他にカルボン酸型イオン交換膜、該
カルボン酸型イオン交換膜と前記スルホン酸型イオン交
換膜との積層膜、これらの膜に強度向上のためにフッ素
樹脂繊維を埋め込んだ膜、及び表面に酸化物被覆を施し
親水性を改良した膜などが市販されている。
【0005】前記イオン交換膜は各種電解に使用され、
各電解用としては最適な物性のイオン交換膜が使用され
るべきである。該物性としては、電流効率及び電気伝導
度等があり、これらはイオン交換基の種類や濃度により
決定されるが、市販されているイオン交換膜は上述の通
り限定され、所定の電解に最適なイオン交換膜が入手で
きるとは限らない。水を電解すると、陽極から酸素やオ
ゾンが、又陰極から水素や過酸化水素が発生するが、特
に該水電解方法では膜の特性が電解性能に決定的な影響
を及ぼすことが多い。即ち、膜の抵抗が大きいと電力原
単位が増加し、これを減少させるために薄い膜を使用す
ると生成するガスの純度が低下するといった相反する効
果が現れる。
【0006】特に電解によりオゾンを生成する純水電解
系で使用する膜は、単なる隔膜や電解質としての役割の
みならず、オゾンの生成効率に大きな寄与を有すると考
えられている〔J. Electroanalytical. Chem. 228, p40
7-415 (1987)] 。このオゾン発生装置の欠点として、オ
ゾン生成効率が20〜40℃で最大となり、通常の運転条件
ではオゾン生成に伴う熱のため液温が40℃を越えるた
め、十分な冷却を施さなければならないことが挙げられ
ている。又セル電圧は陰極を水素発生反応としたときに
3.0 〜3.5 Vとなり、電力原単位は他の生成方法と比較
して2〜3倍に達し、又陰極に酸素還元陰極を用いた場
合ではセル電圧は2.0 〜2.5Vに低減できるが、より以
上の改良が望まれている。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述の従来技術の問題点を解
消し、電解電圧を減少させ、特に高温領域での電流効率
を維持し効率良く水電解を行なってオゾン等を製造でき
る水電解方法を提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明は、その両側に
それぞれ陽極及び陰極を密着配置させたパーフルオロカ
ーボン系イオン交換膜を固体電解質とした水電解セルに
脱イオン水を供給して電解する水電解方法において、前
記陽イオン交換膜のイオン交換基の一部又は全部がリン
酸基であることを特徴とする水電解方法である。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明で
は、水電解による酸素及び/又はオゾン生成の際に、従
来のパーフルオロカーボン系スルホン酸型又はカルボン
酸型イオン交換膜に代えて、パーフルオロカーボン系リ
ン酸型イオン交換膜を使用する。なお本発明ではイオン
交換基の一部又は全部がリン酸基であるイオン交換膜を
リン酸型イオン交換膜と称する。従来のパーフルオロカ
ーボン系スルホン酸型イオン交換膜等を使用しても低温
領域では比較的高電流効率でオゾン等を生成できるが、
前述の通り電解温度が高くなると徐々に電流効率が低下
するという欠点があった。
【0010】リン酸型イオン交換膜を使用して水電解を
行なうと、液温が40℃程度までは前記スルホン酸型イオ
ン交換膜を使用する電解とほぼ同じ電流効率でオゾンが
発生するが、40℃を越えると急速にスルホン酸型イオン
交換膜を使用する水電解の電流効率が低下し一方前記リ
ン酸型イオン交換膜を使用する水電解では電流効率がほ
ぼ一定に維持され、両電解における電流効率の差異が顕
著になる。従来のスルホン酸型イオン交換膜を使用する
水電解特に電解オゾンの生成では、温度上昇に伴う電流
効率の低下を抑制するため電解セルの冷却を行なってい
たが、この冷却に必要とされる設備費は多大であり、し
かも必ずしも十分に冷却されず電流効率の低下を抑制で
きなかった。
【0011】これに対しパーフルオロカーボン系リン酸
型イオン交換膜を使用する本発明の水電解方法では、温
度上昇に伴う電流効率の低下自体が殆どないため、冷却
が不要になり、付随設備を設置することなくオゾン等の
生成効率をほぼ一定に維持できる。水電解にリン酸型イ
オン交換膜を使用する際に高温域での電流効率の低下が
生じない理由は明確ではないが、オゾン発生メカニズム
が電解質成分及び濃度と深い関係にあり、本発明におけ
るイオン交換膜中のリン酸基と後述する酸化鉛及び白金
等の陽極物質の組合せが、高温域の電流効率の維持に寄
与しているものと推測できる。
【0012】本発明の前記パーフルオロカーボン系リン
酸型イオン交換膜は特に限定されず、従来公知のイオン
交換膜をそのまま使用すれば良く、例えば該イオン交換
膜は市販の前記スルホン酸型イオン交換膜を濃厚リン酸
溶液中に高温(例えば120 〜180 ℃)で数時間から数日
浸漬することにより調製できる。又カルボン酸型イオン
交換膜のカルボン酸基を水素化リチウムアルミニウム等
の還元剤を用いて水酸基とした後、オキシ塩化リンでリ
ン酸化し次いで加水分解を行なうことによりリン酸エス
テル型に変換することもできる。更に原料成分としての
パーフルオロスルホニルエトキシビニルエーテルモノマ
ーやパーフルオロビニルエーテルモノマーをリン酸基を
有する基とした後にPTFEと共重合して成膜し所望の
リン酸型イオン交換膜を得ることもできる。本発明で
は、イオン交換膜のイオン交換基が全てリン酸基である
必要はなく、スルホン酸基やカルボン酸基とリン酸基が
共存していてもよい。
【0013】次に本発明に係わる水電解方法で使用する
イオン交換膜以外の各部材について説明する。陽極物質
としては、酸素発生電解を意図する場合にはルテニウ
ム、白金及びイリジウム等の貴金属又はその酸化物を、
オゾン発生を意図する場合にはα−又はβ−二酸化鉛あ
るいは白金等が好ましく使用される。これらの陽極物質
は前記イオン交換膜に直接被覆しても、微細な多孔質電
極基材に被覆しこれを前記イオン交換膜と強く接触させ
る所謂ゼロギャップタイプとして前記イオン交換膜と一
体化しても良い。しかしながら二酸化鉛は湿潤状態のイ
オン交換膜との接触下で不安定であるためゼロギャップ
タイプとすることが望ましい。本発明では前述の直接被
覆とゼロギャップタイプの両者を含めて「密着」とい
う。
【0014】これらの陽極物質は、チタンやタンタル等
の弁金属から成る粉末あるいは繊維焼結体等の集電体
(基体)上に、必要に応じて該集電体の酸化を防止しか
つ電導性を保持するための貴金属や金属酸化物を含む下
地層を介して、担持させる。この担持は、例えば前記陽
極物質をPTFE等の樹脂と混練しペーストとして前記
集電体上に担持するか、あるいは公知の電着法や熱分解
法により行なえば良い。陰極物質も同様に水電解用とし
て汎用されている物質を使用すれば良く、水素発生を伴
う場合には過電圧の小さい触媒、即ちルテニウムや白金
等の貴金属又はその酸化物を好ましく使用でき、陽極物
質と同様にして担持できる。又集電体としてはカーボ
ン、ニッケル及びステンレス等の市販の材料を使用すれ
ば良い。更に該陰極も前記陽極と同様に直接被覆又はゼ
ロギャップタイプにより前記イオン交換膜の陽極と反対
側に密着させる。なお本発明方法では陰極としてガス拡
散電極を使用することも可能である。
【0015】このように陽極−イオン交換膜−陰極の順
に積層したセル構造体を、樹脂、チタンあるいはステン
レス等から成り、気液供給及び除去用の通路を有する水
電解セル内に設置する。両集電体への給電部材としては
気液透過用の溝や穴を有するチタンやステンレス製の多
孔質板を使用することが好ましい。電極の周囲には気液
シール用のガスケット材を挟み込み、全体をボルト及び
ナットを使用して締め付けて一体化でき、電極物質と膜
との面圧は3〜50kgf/cm2 となるように調節する
ことが望ましい。このような構成から成るリン酸型イオ
ン交換膜を有する水電解セルの陽極室及び陰極室に純水
を入れ、電源を両極の給電端子に接続して好ましくは10
〜200 A/dm2 程度の電流密度で通電する。この範囲
を越える電流密度では膜内の水分が発熱により気化し膜
の破壊に繋がる恐れがあり、又この範囲未満ではオゾン
発生効率が著しく低下する。
【0016】セル内温度は20〜100 ℃が好ましく特に30
〜70℃が望ましい。本発明方法による電解では通常の電
解条件ではこの範囲を越えることはなく、付帯設備を設
置して加熱してもオゾン等の発生効率が低下し電極物質
の活性も低下するため意味がない。前記範囲未満の温度
にするには冷却が必要となり、かつ該冷却によりオゾン
等の発生効率が低下するため無意味である。本発明方法
による電解では広い温度範囲に亘って安定し、従来の電
解オゾン発生方法と異なり温度制御を行なう必要がな
い。
【0017】セル内の圧力は1〜5kgf/cm2 とす
ることが、又陽陰極室間の差圧は0〜5kgf/cm2
とすることが望ましい。5kgf/cm2 を越えるとガ
スの混入及び膜の強度低下の可能性が生じる。本発明で
使用するリン酸型イオン交換膜の電導度は従来のスルホ
ン酸型イオン交換膜より小さいため、エネルギ原単位の
低減が期待され、更に特にオゾン発生の場合、オゾン発
生効率が高温下でも低下せず温度変動を考慮することな
く高い発生効率でオゾンを得ることができる。
【0018】次に添付図面に基づいて本発明に係わる水
電解方法で使用可能な水電解セルの一例を説明する。図
1は、本発明方法で使用可能な水電解セルの概略断面図
である。電解オゾン発生装置である電解セル1は、固体
電解質であるパーフルオロカーボン系リン酸型陽イオン
交換膜2により陽極室3と陰極室4とに区画されてい
る。前記イオン交換膜2の陽極室側及び陰極室側には、
それぞれ陽極物質5を被覆した陽極集電体6及び陰極物
質7を被覆した陰極集電体8が密着し、ゼロギャップタ
イプの構造を形成している。
【0019】前記陽極集電体6及び陰極集電体8には、
それぞれ多孔性の陽極給電体9及び陰極給電体10が接続
され、両給電体から両極へ通電される。両給電体と前記
イオン交換膜2の間の前記電極物質及び両集電体の周囲
には、1対の額縁状ガスケット11が配設され、セル内を
密閉状態に維持している。12は陽極液供給口、13は陰極
液供給口、14は陽極液及びガス排出口、15は陰極液及び
ガス排出口である。
【0020】このような構成から成る電解セル1の陽極
室3及び陰極室4にイオン交換水や蒸留水等の純水を入
れ、両極間に通電すると、陽極物質5表面で水が分解さ
れて酸素及びオゾンが発生し、前記陽極液及びガス排出
口14からセル外に取り出される。この際にオゾン発生に
伴って熱が生じ電解液が加熱されて昇温するが、イオン
交換膜2が温度変動に対してオゾン発生効率の変動が殆
どないリン酸型イオン交換膜であるため、冷却等の付帯
設備を必要とすることなく、常に安定した高効率でオゾ
ン発生を行なうことができる。
【0021】
【実施例】次に本発明に係わる水電解方法によるオゾン
製造の実施例を記載するが、該実施例は本発明を限定す
るものではない。
【実施例1】デュポン社の商品名「ナフィオン117 」パ
ーフルオロスルホン酸系陽イオン交換膜を約140 ℃の濃
厚リン酸溶液中に24時間浸漬し、前記スルホン酸基をリ
ン酸基に変換した。赤外線吸収スペクトルによる分析の
結果、90%のスルホン酸基がリン酸基に変換されてい
た。
【0022】このイオン交換膜を固体電解質として幅10
0 mm、高さ300 mmで、電解面積300 cm2 の図1に
示すような脱イオン水が満たされた箱型のオゾン発生用
電解セルを組み立てた。陽極触媒として酸化鉛を、陰極
触媒として白金をそれぞれ使用し、熱分解法によりチタ
ン基体上に電極被覆を形成した。陽極室及び陰極室に空
気を供給しながら電流密度100 A/dm2 となるように
電解を行ない、20〜70℃の温度で10℃刻みでオゾン生成
の電流効率を測定し、その結果を図2中に実線で示し
た。又同様の条件でセル電圧の温度変化を測定し、その
結果を図3中に実線で示した。
【0023】
【比較例1】リン酸への変性を行なっていないナフィオ
ン117 パーフルオロスルホン酸系陽イオン交換膜を固体
電解質として使用したこと以外は実施例1と同一条件で
オゾン生成の電流効率を測定し、その結果を図2中に点
線で示した。又同様の条件でセル電圧の温度変化を測定
し、その結果を図3中に点線で示した。図3から、実施
例1のリン酸型イオン交換膜と比較例1のスルホン酸型
イオン交換膜ではセル電圧の温度依存性には殆ど差異が
ないのに対し、図2からは、実施例1のリン酸型イオン
交換膜の方が比較例1のスルホン酸型イオン交換膜より
特に高温領域におけるオゾン生成の電流効率が高いこと
が分かる。又同一条件での運転を行なった際の実施例1
及び比較例1の消費電力量を比較したところ、実施例1
の運転の方が電力量が20%少なかった。
【0024】
【実施例2】陽極触媒として酸化イリジウム−酸化ルテ
ニウムを、陰極触媒として酸化ルテニウムを使用したこ
と以外は実施例1と同一条件で水電解によるオゾン生成
を行ない、その際の電流密度のセル電圧依存性を測定し
たところ、図4の実線で示すとおりであった。
【0025】
【比較例2】リン酸への変性を行なっていないナフィオ
ン117 パーフルオロスルホン酸系陽イオン交換膜を固体
電解質として使用したこと以外は実施例2と同一条件で
電流密度のセル電圧依存性を測定したところ、図4の点
線で示すとおりであった。図4から、実施例2のリン酸
型イオン交換膜を使用するオゾン発生用電解セルと比較
例1のスルホン酸型イオン交換膜を使用する電解セルと
では前者の方が200 A/dm2 において、100 mVのセ
ル電圧の低減があったことが分かる。なお陽極酸素ガス
中への陰極水素ガス混入率は、実施例2及び比較例2と
も0.01%以下であった。
【0026】
【実施例3】実施例1の電解セルで、陰極を白金と炭素
粉末から成るガス拡散電極とし、酸素ボンベから酸素ガ
スを必要量の2倍供給しながら電流密度50〜150 A/d
2、温度50℃で運転した結果を図5に示した。電流密
度が100 A/dm2 のとき、セル電圧1.8 V及び電流効
率18%となり、電力原単位として35Wh/g−O3 が得
られた。
【0027】
【実施例4】実施例1の電解セルを電流密度100 A/d
2 及び温度60℃で長期運転したところ、4000時間経過
した時点でセル電圧2.6 V、オゾン生成電流効率15〜18
%を得た。初期から性能変化は殆ど認められなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、その両側にそれぞれ陽極及び
陰極を密着配置させたパーフルオロカーボン系陽イオン
交換膜を固体電解質とした水電解セルに脱イオン水を供
給して電解する水電解方法において、前記陽イオン交換
膜のイオン交換基の一部又は全部がリン酸基であること
を特徴とする水電解方法である。
【0029】本発明では、前記リン酸型イオン交換膜の
水電解、特に電解オゾン発生における温度変動に対する
性能変化が殆どなく、比較的高温つまり通常の電解条件
で達し得る最高温度においても、低温の場合と同等のオ
ゾン発生効率が得られる。従って従来のスルホン酸型イ
オン交換膜を使用する電解オゾン発生の際に行なわれて
いるセルの冷却を行なう必要がなく、換言すると電解時
の温度変動に配慮することなく水電解を行なうことがで
きる。これにより従来の特に電解オゾン発生における必
須要素であったオゾン発生効率維持のための冷却が不要
となり、付帯設備及び冷却水のコストが節約できるだけ
でなく、冷却が十分に行なわれないことに起因する効率
低下も起こることがなくなり、安定した水電解を実施で
きる。
【0030】前記リン酸型イオン交換膜は、市販のパー
フルオロカーボンスルホン酸系陽イオン交換膜を濃厚リ
ン酸溶液に浸漬して変性したり、パーフルオロカーボン
カルボン酸系陽イオン交換膜のカルボン酸基の還元及び
リン化合物との反応により変性したりして得ることがで
きる。前記リン酸型イオン交換膜を使用する際の前述の
温度安定性は、使用する陽極物質との関連で生ずるもの
と推測され、該陽極物質としては酸化鉛又は白金が好ま
しく使用され、該陽極物質の使用により高濃度のオゾン
を含む酸素ガスが生成する。又陰極してガス拡散電極を
使用し酸素含有ガスを供給しながら電解を行なうと陰極
反応が水素発生反応から水生成反応へ変換され、消費電
力が更に低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる水電解方法に使用可能な水電解
セルの概略断面図。
【図2】実施例1及び比較例1におけるオゾン生成の電
流効率の温度依存性を示すグラフ。
【図3】実施例1及び比較例1におけるセル電圧の温度
依存性を示すグラフ。
【図4】実施例2及び比較例2における電流密度のセル
温度依存性を示すグラフ。
【図5】実施例3における電流密度のセル温度依存性を
示すグラフ。
【符号の説明】
1・・・電解セル 2・・・イオン交換膜 3・・・陽
極室 4・・・陰極室 5・・・陽極物質 6・・・陽極集電体 7・・・陰極
物質 8・・・陰極集電体 9・・・陽極給電体 10・
・・陰極給電体 11・・・ガスケット 12・・・陽極液
供給口 13・・・陰極液供給口 14・・・陽極液及びガ
ス排出口 15・・・陰極液及びガス排出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その両側にそれぞれ陽極及び陰極を密着
    配置させたパーフルオロカーボン系イオン交換膜を固体
    電解質とした水電解セルに脱イオン水を供給して電解す
    る水電解方法において、前記イオン交換膜のイオン交換
    基の一部又は全部がリン酸基であることを特徴とする水
    電解方法。
  2. 【請求項2】 陽極物質が酸化鉛又は白金であり、陽極
    生成物がオゾンと酸素の混合物である請求項1に記載の
    水電解方法。
  3. 【請求項3】 イオン交換膜がパーフルオロカーボンス
    ルホン酸系陽イオン交換膜又はパーフルオロカーボンカ
    ルボン酸系陽イオン交換膜を変性して製造した膜である
    請求項1に記載の水電解方法。
  4. 【請求項4】 陰極がガス拡散電極である請求項1に記
    載の水電解方法。
JP01875295A 1995-01-11 1995-01-11 水電解方法 Expired - Fee Related JP3716002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01875295A JP3716002B2 (ja) 1995-01-11 1995-01-11 水電解方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01875295A JP3716002B2 (ja) 1995-01-11 1995-01-11 水電解方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08188895A true JPH08188895A (ja) 1996-07-23
JP3716002B2 JP3716002B2 (ja) 2005-11-16

Family

ID=11980392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01875295A Expired - Fee Related JP3716002B2 (ja) 1995-01-11 1995-01-11 水電解方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3716002B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000011756A (ja) * 1998-06-22 2000-01-14 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 高耐久性固体高分子電解質
JP2005511205A (ja) * 2001-12-12 2005-04-28 オクシファスト コーポレーション 創傷ケア用酸素製造装置
WO2018070444A1 (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 旭硝子株式会社 アルカリ水電解用隔膜およびアルカリ水電解装置
KR20200047948A (ko) * 2018-10-28 2020-05-08 주식회사 이노켐텍 전극생산방법, 전극모듈, 전극모듈 이용한 살균가스 발생기

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000011756A (ja) * 1998-06-22 2000-01-14 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 高耐久性固体高分子電解質
JP2005511205A (ja) * 2001-12-12 2005-04-28 オクシファスト コーポレーション 創傷ケア用酸素製造装置
WO2018070444A1 (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 旭硝子株式会社 アルカリ水電解用隔膜およびアルカリ水電解装置
KR20200047948A (ko) * 2018-10-28 2020-05-08 주식회사 이노켐텍 전극생산방법, 전극모듈, 전극모듈 이용한 살균가스 발생기

Also Published As

Publication number Publication date
JP3716002B2 (ja) 2005-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5460705A (en) Method and apparatus for electrochemical production of ozone
US5635039A (en) Membrane with internal passages to permit fluid flow and an electrochemical cell containing the same
US5770033A (en) Methods and apparatus for using gas and liquid phase cathodic depolarizers
US4707229A (en) Method for evolution of oxygen with ternary electrocatalysts containing valve metals
US4457824A (en) Method and device for evolution of oxygen with ternary electrocatalysts containing valve metals
KR101340239B1 (ko) 오존 생성 장치
US4528083A (en) Device for evolution of oxygen with ternary electrocatalysts containing valve metals
KR20080096408A (ko) 물 전해장치
US5529683A (en) Method for preventing degradation of membranes used in electrolytic ozone production systems during system shutdown
JP2000104189A (ja) 過酸化水素の製造方法及び製造用電解槽
KR20100039240A (ko) 오존 발생 장치의 운전 방법 및 오존 발생 장치
JP3007137B2 (ja) 電解オゾン発生方法及び装置
TW401373B (en) Electrolytic ozone generating apparatus
JP3304563B2 (ja) 電解オゾン発生装置
JP3274880B2 (ja) 電解オゾン発生装置
Katoh et al. Polymer electrolyte-type electrochemical ozone generator with an oxygen cathode
JP3716002B2 (ja) 水電解方法
US20040101723A1 (en) Portable elektrochemical oxygen generator
JP5408653B2 (ja) オゾン生成方法及びオゾン生成装置
JP3056578B2 (ja) 固体高分子電解質膜を用いた電気化学的酸素濃度調整器
Kuwertz et al. Material development and process optimization for gas-phase hydrogen chloride electrolysis with oxygen depolarized cathode
Fujita et al. An electrochemical oxygen separator using an ion-exchange membrane as the electrolyte
CN111206265B (zh) 气水循环系统及其多功能水电解装置
JP3538271B2 (ja) 塩酸電解装置
TWI682068B (zh) 氣水循環系統及其多功能水電解裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080902

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees