JPH08188696A - 樹脂組成物 - Google Patents
樹脂組成物Info
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- JPH08188696A JPH08188696A JP183895A JP183895A JPH08188696A JP H08188696 A JPH08188696 A JP H08188696A JP 183895 A JP183895 A JP 183895A JP 183895 A JP183895 A JP 183895A JP H08188696 A JPH08188696 A JP H08188696A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリビニルアルコール系重合体(A)と、水
の存在下でシラノール基に転化しうるケイ素含有基から
選ばれる官能基を片末端に有する重合体(B)からなる
樹脂組成物。 【効果】 本発明の樹脂組成物は、成分(A)および成
分(B)の組合わせ、特に重合体(B)の種類により、
非常に広範な物性を示す。重合体(B)が水溶性もしく
は水分散性で軟化点が室温よりも十分に低い場合には、
低温、低湿度下でも十分な柔軟性と耐衝撃性を有し、可
塑剤添加系とは異なり、物性の経時変化のない水溶性フ
ィルム、シートおよびボトル等の成形物用として有用で
ある。一方、軟化点が室温よりも十分に高い場合には紙
に腰を与える紙加工剤として有用である。重合体(B)
が非水溶性で、軟化点が室温よりも十分に低い場合に
は、耐水性のある柔軟性材料としてフィルムおよびシー
ト等の成形物や感光性樹脂材料として有用である。一方
軟化点が室温よりも十分に高い場合には、吸湿性や吸水
性のある成形物として有用である。
の存在下でシラノール基に転化しうるケイ素含有基から
選ばれる官能基を片末端に有する重合体(B)からなる
樹脂組成物。 【効果】 本発明の樹脂組成物は、成分(A)および成
分(B)の組合わせ、特に重合体(B)の種類により、
非常に広範な物性を示す。重合体(B)が水溶性もしく
は水分散性で軟化点が室温よりも十分に低い場合には、
低温、低湿度下でも十分な柔軟性と耐衝撃性を有し、可
塑剤添加系とは異なり、物性の経時変化のない水溶性フ
ィルム、シートおよびボトル等の成形物用として有用で
ある。一方、軟化点が室温よりも十分に高い場合には紙
に腰を与える紙加工剤として有用である。重合体(B)
が非水溶性で、軟化点が室温よりも十分に低い場合に
は、耐水性のある柔軟性材料としてフィルムおよびシー
ト等の成形物や感光性樹脂材料として有用である。一方
軟化点が室温よりも十分に高い場合には、吸湿性や吸水
性のある成形物として有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は相溶性および透明性に優
れた樹脂組成物に関する。
れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール系重合体(以下P
VAと略記する)は、造膜性、透明性および強度に優れ
ていることから、紙用コーティング剤および紙用内添剤
などの紙用改質剤、紙、木材および無機物などの接着
剤、経糸糊剤、各種フィルムおよびシート等の用途に広
く使用されている。しかしPVAには吸湿による物性変
化、特に力学的性質の変化が大きいことや耐水性が悪い
といった問題点がある。たとえばフィルムとして用いる
場合、低温、低湿度下ではもろく割れ等が生じたり、逆
に高温、高湿度下では弾性率が低くなりすぎるといった
問題点がある。これらの問題点を改善するために、従来
は可塑剤あるいは他種の重合体をブレンドする方法が取
られてきたが、可塑剤を添加する場合には経時的に可塑
剤の含量が減少するという問題のために、長期間の使用
により、可塑剤含量が低下し冬期の低湿度下での柔軟性
の不足によるフィルムの割れ、ひび等のトラブルが発生
することが多かった。また、PVAと他種の重合体をブ
レンドする場合には、両者間の相溶性がほとんどないこ
とから、これらのブレンド物からなる成形物やフィルム
は機械的特性が著しく低下したり、透明性が大きく低下
するという問題があった。
VAと略記する)は、造膜性、透明性および強度に優れ
ていることから、紙用コーティング剤および紙用内添剤
などの紙用改質剤、紙、木材および無機物などの接着
剤、経糸糊剤、各種フィルムおよびシート等の用途に広
く使用されている。しかしPVAには吸湿による物性変
化、特に力学的性質の変化が大きいことや耐水性が悪い
といった問題点がある。たとえばフィルムとして用いる
場合、低温、低湿度下ではもろく割れ等が生じたり、逆
に高温、高湿度下では弾性率が低くなりすぎるといった
問題点がある。これらの問題点を改善するために、従来
は可塑剤あるいは他種の重合体をブレンドする方法が取
られてきたが、可塑剤を添加する場合には経時的に可塑
剤の含量が減少するという問題のために、長期間の使用
により、可塑剤含量が低下し冬期の低湿度下での柔軟性
の不足によるフィルムの割れ、ひび等のトラブルが発生
することが多かった。また、PVAと他種の重合体をブ
レンドする場合には、両者間の相溶性がほとんどないこ
とから、これらのブレンド物からなる成形物やフィルム
は機械的特性が著しく低下したり、透明性が大きく低下
するという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、相溶
性および透明性に優れ、力学的性質に優れたPVAを1
成分とする樹脂組成物を提供することにある。
性および透明性に優れ、力学的性質に優れたPVAを1
成分とする樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール系重合体
(A)と、水の存在下でシラノール基に転化しうるケイ
素含有基から選ばれる官能基を片末端に有する重合体
(B)からなる樹脂組成物を見出し、本発明を完成させ
るに至った。
に鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール系重合体
(A)と、水の存在下でシラノール基に転化しうるケイ
素含有基から選ばれる官能基を片末端に有する重合体
(B)からなる樹脂組成物を見出し、本発明を完成させ
るに至った。
【0005】本発明のPVA(A)は、ビニルアルコー
ル単位を10モル%以上、好ましくは30モル%以上、
さらに好ましくは50モル%以上含有する重合体であ
り、通常ビニルエステルやビニルエーテルの単独重合体
や共重合体を加水分解(けん化、加アルコール分解等)
することによって得られる。ここでビニルエステルとし
ては酢酸ビニルが代表例として挙げられ、その他にギ酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バレ
リン酸ビニル、カプリン酸ビニル、安息香酸ビニル等が
挙げられる。ビニルエーテルとしてはt−ブチルビニル
エーテル、ベンジルビニルエーテル、トリアルコキシシ
リルビニルエーテル等が挙げられる。
ル単位を10モル%以上、好ましくは30モル%以上、
さらに好ましくは50モル%以上含有する重合体であ
り、通常ビニルエステルやビニルエーテルの単独重合体
や共重合体を加水分解(けん化、加アルコール分解等)
することによって得られる。ここでビニルエステルとし
ては酢酸ビニルが代表例として挙げられ、その他にギ酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バレ
リン酸ビニル、カプリン酸ビニル、安息香酸ビニル等が
挙げられる。ビニルエーテルとしてはt−ブチルビニル
エーテル、ベンジルビニルエーテル、トリアルコキシシ
リルビニルエーテル等が挙げられる。
【0006】本発明のPVA(A)は、下記の単量体単
位を含んでいても良い。これらの単量体単位としては、
エチレンを除くプロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の不飽
和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノま
たはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1
〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホ
ン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチル
アミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリ
ルアミド類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−
アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリ
ルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あ
るいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリル
アミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムア
ミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド
類;酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、8−
ヒドロキシ−1−オクテン等のアリル化合物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、
炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシ
アルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化
ビニル類;ジメチルアリルアルコール、ビニルケトン等
が挙げられる。また、本発明に用いるPVA(A)の粘
度平均(以下、重合度と略記する)重合度は特に制限は
ないが、50〜30,000が好ましく、50〜10,
000がより好ましく、100〜5,000が特に好ま
しい。
位を含んでいても良い。これらの単量体単位としては、
エチレンを除くプロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の不飽
和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノま
たはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1
〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホ
ン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチル
アミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリ
ルアミド類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−
アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリ
ルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あ
るいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリル
アミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムア
ミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド
類;酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、8−
ヒドロキシ−1−オクテン等のアリル化合物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、
炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシ
アルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化
ビニル類;ジメチルアリルアルコール、ビニルケトン等
が挙げられる。また、本発明に用いるPVA(A)の粘
度平均(以下、重合度と略記する)重合度は特に制限は
ないが、50〜30,000が好ましく、50〜10,
000がより好ましく、100〜5,000が特に好ま
しい。
【0007】本発明に使用する水の存在下でシラノール
基に転化しうるケイ素含有基から選ばれる官能基を片末
端に有する重合体(B)とは、水の存在下でシラノール
基に転化しうるケイ素含有基から選ばれる官能基が、ケ
イ素−炭素結合により重合体の片末端(好ましくは片末
端のみ)に有する重合体である。本発明において、シラ
ノール基とは、下記の化1〜化3で示されるものであ
り、熱溶融成形する場合には、化3で示されるものが好
ましい。
基に転化しうるケイ素含有基から選ばれる官能基を片末
端に有する重合体(B)とは、水の存在下でシラノール
基に転化しうるケイ素含有基から選ばれる官能基が、ケ
イ素−炭素結合により重合体の片末端(好ましくは片末
端のみ)に有する重合体である。本発明において、シラ
ノール基とは、下記の化1〜化3で示されるものであ
り、熱溶融成形する場合には、化3で示されるものが好
ましい。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】また水の存在下でシラノール基に転化しう
るケイ素含有基(以下単にケイ素含有基と略記する)と
しては、水の存在下で加水分解を受けて上記化1〜化3
で示されるシラノール基に転化しうるケイ素含有基であ
ればよく、代表例として下記の化4で示されるトリアル
コキシシリル基、下記の化5で示されるジアルコキシア
ルキルシリル基、下記の化6で示されるアルコキシジア
ルキルシリル基が挙げられる。下記の化4〜化6で示さ
れるものであり、熱溶融成形する場合には、化6で示さ
れるものが好ましい。
るケイ素含有基(以下単にケイ素含有基と略記する)と
しては、水の存在下で加水分解を受けて上記化1〜化3
で示されるシラノール基に転化しうるケイ素含有基であ
ればよく、代表例として下記の化4で示されるトリアル
コキシシリル基、下記の化5で示されるジアルコキシア
ルキルシリル基、下記の化6で示されるアルコキシジア
ルキルシリル基が挙げられる。下記の化4〜化6で示さ
れるものであり、熱溶融成形する場合には、化6で示さ
れるものが好ましい。
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】{式中、R1 ,R2 ,R3 は脂肪族炭化水
素基(炭素数1〜20の直鎖状または分岐状アルキル
基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基(シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香族炭
化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表し、R
1 ,R2 ,R3 は同じ基でもよいし、異なっていてもよ
い。また上記のR1 ,R2 ,R3 には他の基、例えばカ
ルボキシル基、ハロゲン原子などを有していてもよい。
上記の化4〜化6で示されるケイ素含有基の具体例とし
てはトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ト
リイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル
基、ジエトキシメチルシリル基、メトキシジメチルシリ
ル基、エトキシジメチルシリル基等が挙げられる。な
お、本発明において、水の存在下でシラノール基に転化
しうるケイ素含有基とは、重合体(B)を水または水と
有機溶媒(トルエン、キシレン、アセトンなど)との混
合液体中で、反応時間10分〜2時間、反応温度室温〜
150℃の条件下で加水分解した場合に、シラノール基
に転化しうる基を意味する。
素基(炭素数1〜20の直鎖状または分岐状アルキル
基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基(シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香族炭
化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表し、R
1 ,R2 ,R3 は同じ基でもよいし、異なっていてもよ
い。また上記のR1 ,R2 ,R3 には他の基、例えばカ
ルボキシル基、ハロゲン原子などを有していてもよい。
上記の化4〜化6で示されるケイ素含有基の具体例とし
てはトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ト
リイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル
基、ジエトキシメチルシリル基、メトキシジメチルシリ
ル基、エトキシジメチルシリル基等が挙げられる。な
お、本発明において、水の存在下でシラノール基に転化
しうるケイ素含有基とは、重合体(B)を水または水と
有機溶媒(トルエン、キシレン、アセトンなど)との混
合液体中で、反応時間10分〜2時間、反応温度室温〜
150℃の条件下で加水分解した場合に、シラノール基
に転化しうる基を意味する。
【0016】本発明の重合体(B)は、水の存在下でシ
ラノール基に転化しうるケイ素含有基から選ばれる官能
基を片末端に有する重合体であればその構造に特に制限
はなく、オレフィン系重合体、アクリル酸エステル系重
合体、メタクリル酸エステル系重合体、芳香族ビニル系
重合体、アクリルアミド系重合体、メタクリルアミド系
重合体、N−ビニルアミド系重合体、オキシアルキレン
系重合体、ビニルエステル系重合体、シアン化ビニル系
重合体、ハロゲン化ビニル系重合体、ビニルエーテル系
重合体、ジエン系重合体等が挙げられる。これらの重合
体を構成する単量体としては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、イソブテン、3−メチルペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン等のα−オレフィン類;アクリル
酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエ
チル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒド
ロキシブチル、アクリル酸モノグリセリン等のアクリル
酸類;メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ドデシ
ル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸モノグリセリン等のメタ
クリル酸類;スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチ
ルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル類;ア
クリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のN
−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンある
いはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド
類;メタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルア
ミド等のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメ
チルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパン
スルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピル
ジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等
のメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビ
ニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビ
ニルアミド類;オキシエチレン、オキシプロピレン、オ
キシテトラメチレン等のオキシアルキレン類;酢酸ビニ
ル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、バーサティック酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビ
ニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル類;塩化ビニル、塩化
ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロ
ゲン化ビニル類;メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプ
ロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、メトキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル
類、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン
類が挙げられる。
ラノール基に転化しうるケイ素含有基から選ばれる官能
基を片末端に有する重合体であればその構造に特に制限
はなく、オレフィン系重合体、アクリル酸エステル系重
合体、メタクリル酸エステル系重合体、芳香族ビニル系
重合体、アクリルアミド系重合体、メタクリルアミド系
重合体、N−ビニルアミド系重合体、オキシアルキレン
系重合体、ビニルエステル系重合体、シアン化ビニル系
重合体、ハロゲン化ビニル系重合体、ビニルエーテル系
重合体、ジエン系重合体等が挙げられる。これらの重合
体を構成する単量体としては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、イソブテン、3−メチルペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン等のα−オレフィン類;アクリル
酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエ
チル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒド
ロキシブチル、アクリル酸モノグリセリン等のアクリル
酸類;メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ドデシ
ル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸モノグリセリン等のメタ
クリル酸類;スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチ
ルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル類;ア
クリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のN
−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンある
いはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド
類;メタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルア
ミド等のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメ
チルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパン
スルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピル
ジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等
のメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビ
ニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビ
ニルアミド類;オキシエチレン、オキシプロピレン、オ
キシテトラメチレン等のオキシアルキレン類;酢酸ビニ
ル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、バーサティック酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビ
ニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル類;塩化ビニル、塩化
ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロ
ゲン化ビニル類;メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプ
ロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、メトキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル
類、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン
類が挙げられる。
【0017】本発明の重合体(B)の分子量としては特
に制限はないが、50〜100,000が好ましく、1
00〜50,000がより好ましい。メルトインデック
ス(MI)(190℃、2160g荷重)に換算した値
としては0.01〜1000g/10分が好ましく、
0.1〜100g/10分がより好ましい。
に制限はないが、50〜100,000が好ましく、1
00〜50,000がより好ましい。メルトインデック
ス(MI)(190℃、2160g荷重)に換算した値
としては0.01〜1000g/10分が好ましく、
0.1〜100g/10分がより好ましい。
【0018】次に本発明に用いるケイ素含有基のうち少
なくとも1つの官能基を片末端に有する重合体(B)の
代表的な製法について説明する。 第一の製法;片末端にケイ素含有基を有する重合体は、
片末端に二重結合を有する重合体にシラン類を反応させ
ることによって得られる。ケイ素含有基の導入は、窒素
雰囲気下で、片末端に二重結合を有する重合体に、シラ
ン類を遊離基開始剤あるいは遷移金属触媒および塩基触
媒を用いて付加させることによって行われる。シラン類
としては、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、
エチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメ
トキシシラン、ジメトキシメチルシラン、メトキシジメ
チルシラン、エトキシジメチルシラン等が好ましい。シ
ラン類の仕込量は、重合体の二重結合に対し等量から1
0等量の範囲が好ましい。反応温度は室温〜300℃が
好ましく、50〜250℃がより好ましい。また、反応
時間は1分〜48時間が好ましく、5分〜24時間で行
うのがより好ましい。ケイ素含有基の種類は、水あるい
はアルコールの存在によって容易に変換できる。例えば
メトキシジメチルシリル基は水と反応することによりジ
メチルシラノール基になり、トリクロロシリル基はメタ
ノールと反応することによりトリメトキシシリル基にな
る。
なくとも1つの官能基を片末端に有する重合体(B)の
代表的な製法について説明する。 第一の製法;片末端にケイ素含有基を有する重合体は、
片末端に二重結合を有する重合体にシラン類を反応させ
ることによって得られる。ケイ素含有基の導入は、窒素
雰囲気下で、片末端に二重結合を有する重合体に、シラ
ン類を遊離基開始剤あるいは遷移金属触媒および塩基触
媒を用いて付加させることによって行われる。シラン類
としては、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、
エチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメ
トキシシラン、ジメトキシメチルシラン、メトキシジメ
チルシラン、エトキシジメチルシラン等が好ましい。シ
ラン類の仕込量は、重合体の二重結合に対し等量から1
0等量の範囲が好ましい。反応温度は室温〜300℃が
好ましく、50〜250℃がより好ましい。また、反応
時間は1分〜48時間が好ましく、5分〜24時間で行
うのがより好ましい。ケイ素含有基の種類は、水あるい
はアルコールの存在によって容易に変換できる。例えば
メトキシジメチルシリル基は水と反応することによりジ
メチルシラノール基になり、トリクロロシリル基はメタ
ノールと反応することによりトリメトキシシリル基にな
る。
【0019】第二の製法;片末端にケイ素含有基を有す
る重合体は、該ケイ素含有基を有するチオール存在下
で、ラジカル重合可能な単量体をラジカル重合すること
によって得られる。原料のケイ素含有基を有するチオー
ルは、窒素雰囲気下で二重結合を有するチオールにシラ
ン類を反応後、アルコール類または水を加えることによ
って得られる。ここで二重結合を有するチオールとして
は2−プロペン−1−チオール、2−メチル−2−プロ
ペン−1−チオール、3−ブテン−1−チオール、4−
ペンテン−1−チオール等が挙げられ、このうち2−プ
ロペン−1−チオールおよび2−メチル−2−プロペン
−1−チオールが好ましい。シラン類としては、前記し
たのと同様なものが使用される。シラン類の添加量は、
二重結合を有するチオールに対し等量から10等量の範
囲が好ましい。反応条件としては室温〜200℃が好ま
しい。溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、ジ
グライム等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、エ
チルシクロヘキサン、デカリン等の飽和炭化水素系溶媒
などが挙げられる。反応後に添加するアルコール類とし
てはメタノール、エタノール等の低級アルコールが好ま
しく、特にメタノールが好ましい。
る重合体は、該ケイ素含有基を有するチオール存在下
で、ラジカル重合可能な単量体をラジカル重合すること
によって得られる。原料のケイ素含有基を有するチオー
ルは、窒素雰囲気下で二重結合を有するチオールにシラ
ン類を反応後、アルコール類または水を加えることによ
って得られる。ここで二重結合を有するチオールとして
は2−プロペン−1−チオール、2−メチル−2−プロ
ペン−1−チオール、3−ブテン−1−チオール、4−
ペンテン−1−チオール等が挙げられ、このうち2−プ
ロペン−1−チオールおよび2−メチル−2−プロペン
−1−チオールが好ましい。シラン類としては、前記し
たのと同様なものが使用される。シラン類の添加量は、
二重結合を有するチオールに対し等量から10等量の範
囲が好ましい。反応条件としては室温〜200℃が好ま
しい。溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、ジ
グライム等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、エ
チルシクロヘキサン、デカリン等の飽和炭化水素系溶媒
などが挙げられる。反応後に添加するアルコール類とし
てはメタノール、エタノール等の低級アルコールが好ま
しく、特にメタノールが好ましい。
【0020】このようにして得られた、ケイ素含有基を
有するチオールの存在下でのラジカル重合は、通常の方
法で実施できる。重合条件としては、アゾ系あるいは過
酸化物系の開始剤を用い、重合温度は室温〜150℃の
範囲が好ましい。該官能基を有するチオールの添加量と
しては、単量体1g当たり0.001〜1ミリモル程度
が好ましい。チオールの添加方法としては、特に制限は
ないが、単量体として酢酸ビニル、スチレン等の連鎖移
動しやすいものを使用する場合は、重合時にチオールを
逐次添加することが好ましく、メタクリル酸メチル等の
連鎖移動しにくいものを使用する場合にはチオールを最
初から加えておくことが好ましい。
有するチオールの存在下でのラジカル重合は、通常の方
法で実施できる。重合条件としては、アゾ系あるいは過
酸化物系の開始剤を用い、重合温度は室温〜150℃の
範囲が好ましい。該官能基を有するチオールの添加量と
しては、単量体1g当たり0.001〜1ミリモル程度
が好ましい。チオールの添加方法としては、特に制限は
ないが、単量体として酢酸ビニル、スチレン等の連鎖移
動しやすいものを使用する場合は、重合時にチオールを
逐次添加することが好ましく、メタクリル酸メチル等の
連鎖移動しにくいものを使用する場合にはチオールを最
初から加えておくことが好ましい。
【0021】本発明の樹脂組成物は、PVA(A)およ
びケイ素含有基から選ばれる官能基を片末端に有する重
合体(B)からなり、成分(A)と成分(B)の重量配
合比は、99:1〜1:99の範囲から選ばれ、95:
5〜5:99がより好ましい。さらに本発明の樹脂組成
物は、成分(A)および成分(B)に、さらに成分
(A)および成分(B)以外の重合体(C)、特に成分
(A)と本質的に相溶性のよくない重合体(C)を配合
した態様も含まれる。この場合の成分(A)、成分
(B)および成分(C)の重量配合比は、(A):
〔(B)+(C)〕は99:1〜1:99の範囲から選
ばれ、95:5〜5:95がより好ましい。重合体
(C)としては、成分(B)のベースポリマー、特にP
VA(A)と本質的に相溶性のよくないベースポリマー
が挙げられる。重合体(C)としては、ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレー
ト等)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアセター
ルなどが挙げられる。
びケイ素含有基から選ばれる官能基を片末端に有する重
合体(B)からなり、成分(A)と成分(B)の重量配
合比は、99:1〜1:99の範囲から選ばれ、95:
5〜5:99がより好ましい。さらに本発明の樹脂組成
物は、成分(A)および成分(B)に、さらに成分
(A)および成分(B)以外の重合体(C)、特に成分
(A)と本質的に相溶性のよくない重合体(C)を配合
した態様も含まれる。この場合の成分(A)、成分
(B)および成分(C)の重量配合比は、(A):
〔(B)+(C)〕は99:1〜1:99の範囲から選
ばれ、95:5〜5:95がより好ましい。重合体
(C)としては、成分(B)のベースポリマー、特にP
VA(A)と本質的に相溶性のよくないベースポリマー
が挙げられる。重合体(C)としては、ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレー
ト等)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアセター
ルなどが挙げられる。
【0022】さらに、本発明の作用効果を阻害されない
範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、帯
電防止剤、着色剤等を配合できる。これら各成分のブレ
ンド方法には、単軸あるいは二軸スクリュー押出機によ
る溶融ブレンド方法など公知の方法が採用できる。ま
た、本発明でいう樹脂組成物の成形法としては、成分
(A)、成分(B)および成分(C)をブレンドした物
を加熱可塑化して成形する方法であれば特に制限はな
い。例えば、押出成形法、射出成形法、インフレ成形
法、プレス成形法またはブロー成形法が挙げられる。こ
れらの成形法により、フィルム、シート、チューブ、ボ
トル等の任意の成形品が得られる。本発明の樹脂組成物
は、成分(A)および成分(B)の両者の共通溶媒であ
る水またはジメチルスルホキシド(DMSO)などの溶
液の形態で使用したり、成分(A)および成分(B)の
両者を熱溶融することにより、相溶性に優れ、透明性が
良好で、力学的に優れた性質を発揮し、PVAの公知の
各種用途に使用できる。例えば、紙用コーティング剤お
よび紙用内添剤などの紙用改質剤、紙、木材および無機
物などの接着剤、経糸糊剤、各種フィルム、シート、ボ
トルおよび繊維等の成形物用途に有用である。
範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、帯
電防止剤、着色剤等を配合できる。これら各成分のブレ
ンド方法には、単軸あるいは二軸スクリュー押出機によ
る溶融ブレンド方法など公知の方法が採用できる。ま
た、本発明でいう樹脂組成物の成形法としては、成分
(A)、成分(B)および成分(C)をブレンドした物
を加熱可塑化して成形する方法であれば特に制限はな
い。例えば、押出成形法、射出成形法、インフレ成形
法、プレス成形法またはブロー成形法が挙げられる。こ
れらの成形法により、フィルム、シート、チューブ、ボ
トル等の任意の成形品が得られる。本発明の樹脂組成物
は、成分(A)および成分(B)の両者の共通溶媒であ
る水またはジメチルスルホキシド(DMSO)などの溶
液の形態で使用したり、成分(A)および成分(B)の
両者を熱溶融することにより、相溶性に優れ、透明性が
良好で、力学的に優れた性質を発揮し、PVAの公知の
各種用途に使用できる。例えば、紙用コーティング剤お
よび紙用内添剤などの紙用改質剤、紙、木材および無機
物などの接着剤、経糸糊剤、各種フィルム、シート、ボ
トルおよび繊維等の成形物用途に有用である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定さ
れるものではない。なお、以下の合成例および実施例に
おいて特に断りのない限り、比率は重量比を意味し、
「%」は「重量%」を意味する。重合体(B)中のケイ
素含有基量については270MHz 1H−NMRにより
定量した。1 H−NMR測定時のポリエチレンの溶媒は
重パラキシレン/重クロロホルム=8/2の比率の混合
液を用い、ポリアクリルアミドの溶媒は重水を用い、そ
れ以外の重合体の溶媒は重クロロホルムを用いた。混練
条件および物性測定条件を以下に示す。
明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定さ
れるものではない。なお、以下の合成例および実施例に
おいて特に断りのない限り、比率は重量比を意味し、
「%」は「重量%」を意味する。重合体(B)中のケイ
素含有基量については270MHz 1H−NMRにより
定量した。1 H−NMR測定時のポリエチレンの溶媒は
重パラキシレン/重クロロホルム=8/2の比率の混合
液を用い、ポリアクリルアミドの溶媒は重水を用い、そ
れ以外の重合体の溶媒は重クロロホルムを用いた。混練
条件および物性測定条件を以下に示す。
【0024】(混練条件) 使用機械:ラボプラストミル(東洋精機製) 回転数 :80回転/分 混練時間:10分
【0025】(低温衝撃強度)5℃、−5℃の恒温室に
試験フィルムを1日放置し、フィルムインパクトテスタ
ー(東洋精機製)にて測定した。 (フィルム強度)得られたフィルムを20℃、湿度65
%に48時間保存後、オートグラフ〔(株)島津製作所
製〕で引っ張り試験を行い、強度、伸度およびヤング率
を測定した。
試験フィルムを1日放置し、フィルムインパクトテスタ
ー(東洋精機製)にて測定した。 (フィルム強度)得られたフィルムを20℃、湿度65
%に48時間保存後、オートグラフ〔(株)島津製作所
製〕で引っ張り試験を行い、強度、伸度およびヤング率
を測定した。
【0026】(表面電気抵抗)得られたフィルムを20
℃、湿度65%の条件下で1週間調湿し、その表面電気
抵抗を電気抵抗測定器(HEWLETT PACKAR
D製)にて測定した。
℃、湿度65%の条件下で1週間調湿し、その表面電気
抵抗を電気抵抗測定器(HEWLETT PACKAR
D製)にて測定した。
【0027】合成例1 片末端にメトキシジメチルシリル基を有するポリエチレ
ングリコールの合成;冷却器付きのセパラブルフラスコ
に平均分子量350のポリエチレングリコールモノアリ
ルエーテル(ユニオックスPKA−5006;日本油脂
(株)製)50g、エトキシジメチルシラン14.89
gおよび塩化白金酸H2 PtCl6 ・6H2 O 0.0
02gを仕込み、窒素置換を行った。この混合物を50
℃で20時間加熱した。この反応混合物を冷却し、メタ
ノール100gを加えて室温で1時間撹拌した後、減圧
蒸留することにより片末端にメトキシジメチルシリル基
を2.5meq/g有するポリエチレングリコール(以
下、PEGと略記する)を得た。
ングリコールの合成;冷却器付きのセパラブルフラスコ
に平均分子量350のポリエチレングリコールモノアリ
ルエーテル(ユニオックスPKA−5006;日本油脂
(株)製)50g、エトキシジメチルシラン14.89
gおよび塩化白金酸H2 PtCl6 ・6H2 O 0.0
02gを仕込み、窒素置換を行った。この混合物を50
℃で20時間加熱した。この反応混合物を冷却し、メタ
ノール100gを加えて室温で1時間撹拌した後、減圧
蒸留することにより片末端にメトキシジメチルシリル基
を2.5meq/g有するポリエチレングリコール(以
下、PEGと略記する)を得た。
【0028】合成例2 片末端にトリメトキシシリル基を有するポリ−4−ヒド
ロキシブチルアクリレートの合成:撹拌機および冷却器
を備えたセパラブルフラスコに4−ヒドロキシブチルア
クリレート100g、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン(サイラエースS810;チッソ(株)製)
1.18gを仕込み、窒素置換を行った後、80℃に昇
温し、別途調製したアゾビスイソブチロニトリルの0.
23%トルエン溶液を最初1.5ml添加後、30分ご
とに0.5ml添加した。5時間後冷却し、重合を停止
させた。このときの重合率は47%であった。得られた
ポリ−4−ヒドロキシブチルアクリレートをヘキサンで
再沈後乾燥することにより、片末端にトリメトキシシリ
ル基を0.05meq/g有する平均分子量17,00
0のポリ−4−ヒドロキシブチルアクリレートを得た。
ロキシブチルアクリレートの合成:撹拌機および冷却器
を備えたセパラブルフラスコに4−ヒドロキシブチルア
クリレート100g、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン(サイラエースS810;チッソ(株)製)
1.18gを仕込み、窒素置換を行った後、80℃に昇
温し、別途調製したアゾビスイソブチロニトリルの0.
23%トルエン溶液を最初1.5ml添加後、30分ご
とに0.5ml添加した。5時間後冷却し、重合を停止
させた。このときの重合率は47%であった。得られた
ポリ−4−ヒドロキシブチルアクリレートをヘキサンで
再沈後乾燥することにより、片末端にトリメトキシシリ
ル基を0.05meq/g有する平均分子量17,00
0のポリ−4−ヒドロキシブチルアクリレートを得た。
【0029】合成例3 二重結合を片末端に有する低密度ポリエチレンの合成:
セパラブルフラスコにMI0.35g/10分の低密度
ポリエチレン200gを仕込み、真空下、バス温260
℃で30分加熱後、さらにバス温を340℃に昇温し2
時間加熱を行うことにより、二重結合量0.06meq
/g、MI90g/10分の二重結合を片末端に有する
低密度ポリエチレンを得た。
セパラブルフラスコにMI0.35g/10分の低密度
ポリエチレン200gを仕込み、真空下、バス温260
℃で30分加熱後、さらにバス温を340℃に昇温し2
時間加熱を行うことにより、二重結合量0.06meq
/g、MI90g/10分の二重結合を片末端に有する
低密度ポリエチレンを得た。
【0030】合成例4 片末端にエトキシジメチルシリル基を有する低密度ポリ
エチレンの合成:オートクレーブに合成例3で得られた
低密度ポリエチレン30g、エトキシジメチルシラン
0.188g、塩化白金酸H2 PtCl6 ・6H2 O
0.001gおよびデカリン50gを仕込み、190℃
で3時間反応を行った。室温に冷却し、得られたゲル状
ポリエチレンをメタノール−アセトン1:1の混合溶媒
で良く洗浄後、乾燥することにより、片末端にエトキシ
ジメチルシリル基を0.035meq/g有するMI2
g/10分の低密度ポリエチレンを得た。
エチレンの合成:オートクレーブに合成例3で得られた
低密度ポリエチレン30g、エトキシジメチルシラン
0.188g、塩化白金酸H2 PtCl6 ・6H2 O
0.001gおよびデカリン50gを仕込み、190℃
で3時間反応を行った。室温に冷却し、得られたゲル状
ポリエチレンをメタノール−アセトン1:1の混合溶媒
で良く洗浄後、乾燥することにより、片末端にエトキシ
ジメチルシリル基を0.035meq/g有するMI2
g/10分の低密度ポリエチレンを得た。
【0031】合成例5 メトキシ−3−メルカプトプロピルジメチルシランの合
成 オートクレーブに2−プロペン−1−チオール100
g、エトキシジメチルシラン140gおよび塩化白金酸
H2 PtCl6 ・6H2 O 0.002gを仕込み、7
0℃で24時間撹拌した。この反応混合物を冷却し、メ
タノール100gを加えて室温で1時間撹拌した後、減
圧蒸留することによりメトキシ−3−メルカプトプロピ
ルジメチルシランを得た。
成 オートクレーブに2−プロペン−1−チオール100
g、エトキシジメチルシラン140gおよび塩化白金酸
H2 PtCl6 ・6H2 O 0.002gを仕込み、7
0℃で24時間撹拌した。この反応混合物を冷却し、メ
タノール100gを加えて室温で1時間撹拌した後、減
圧蒸留することによりメトキシ−3−メルカプトプロピ
ルジメチルシランを得た。
【0032】合成例6 片末端にメトキシジメチルシリル基を有するポリメチル
メタクリレートの合成;冷却器および滴下ロート付きの
セパラブルフラスコに、メチルメタクリレート150g
および合成例5で得られたメトキシ−3−メルカプトプ
ロピルジメチルシラン0.984gを仕込み、窒素置換
を行った。次に80℃に昇温し、別途調製したアゾビス
イソブチロニトリルの0.23%トルエン溶液を最初
1.5ml添加後、30分ごとに0.5ml添加した。
5時間後冷却し、重合を停止させた。このときの重合率
は49%だった。得られたポリメチルメタクリレートを
メタノールで再沈後、乾燥することにより、片末端にメ
トキシジメチルシリル基を0.029meq/g有する
平均分子量25000のポリメチルメタクリレートを得
た。
メタクリレートの合成;冷却器および滴下ロート付きの
セパラブルフラスコに、メチルメタクリレート150g
および合成例5で得られたメトキシ−3−メルカプトプ
ロピルジメチルシラン0.984gを仕込み、窒素置換
を行った。次に80℃に昇温し、別途調製したアゾビス
イソブチロニトリルの0.23%トルエン溶液を最初
1.5ml添加後、30分ごとに0.5ml添加した。
5時間後冷却し、重合を停止させた。このときの重合率
は49%だった。得られたポリメチルメタクリレートを
メタノールで再沈後、乾燥することにより、片末端にメ
トキシジメチルシリル基を0.029meq/g有する
平均分子量25000のポリメチルメタクリレートを得
た。
【0033】合成例7 片末端にメトキシジメチルシリル基を有するポリスチレ
ンの合成:撹拌機および還流冷却器を備えたセパラブル
フラスコにスチレン500gおよび合成例5で得られた
メトキシ−3−メルカプトプロピルジメチルシラン0.
0861gを仕込み、窒素置換を行った。120℃に加
熱後、メトキシ−3−メルカプトプロピルジメチルシラ
ン0.443%、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリ
ル0.069%のスチレン溶液を最初、7.2mlフィ
ード後、0.5ml/分の割合でフィードを行い、21
0分後反応およびフィードを停止した。この時の重合率
は47%であった。このポリスチレンをメタノールで再
沈することにより精製し、さらに乾燥することにより、
平均分子量68,000の、片末端にメトキシジメチル
シリル基を0.013meq/g有するポリスチレンを
得た。
ンの合成:撹拌機および還流冷却器を備えたセパラブル
フラスコにスチレン500gおよび合成例5で得られた
メトキシ−3−メルカプトプロピルジメチルシラン0.
0861gを仕込み、窒素置換を行った。120℃に加
熱後、メトキシ−3−メルカプトプロピルジメチルシラ
ン0.443%、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリ
ル0.069%のスチレン溶液を最初、7.2mlフィ
ード後、0.5ml/分の割合でフィードを行い、21
0分後反応およびフィードを停止した。この時の重合率
は47%であった。このポリスチレンをメタノールで再
沈することにより精製し、さらに乾燥することにより、
平均分子量68,000の、片末端にメトキシジメチル
シリル基を0.013meq/g有するポリスチレンを
得た。
【0034】合成例8 片末端にトリメトキシシリル基を有するポリエチルアク
リレートの合成:冷却器および滴下ロート付きのセパラ
ブルフラスコに、エチルアクリレート150gおよびト
リメトキシシラン1.18gを仕込み、窒素置換を行っ
た。次に80℃に昇温し、別途調製したアゾビスイソブ
チロニトリルの0.23%トルエン溶液を最初1.5m
l添加後、30分ごとに0.5ml添加した。5時間後
冷却し、重合を停止させた。このときの重合率は46%
だった。得られたポリエチルアクリレートをヘキサンで
再沈後乾燥することにより、片末端にトリメトキシシリ
ル基を0.028meq/g有する平均分子量27,0
00のポリエチルアクリレートを得た。
リレートの合成:冷却器および滴下ロート付きのセパラ
ブルフラスコに、エチルアクリレート150gおよびト
リメトキシシラン1.18gを仕込み、窒素置換を行っ
た。次に80℃に昇温し、別途調製したアゾビスイソブ
チロニトリルの0.23%トルエン溶液を最初1.5m
l添加後、30分ごとに0.5ml添加した。5時間後
冷却し、重合を停止させた。このときの重合率は46%
だった。得られたポリエチルアクリレートをヘキサンで
再沈後乾燥することにより、片末端にトリメトキシシリ
ル基を0.028meq/g有する平均分子量27,0
00のポリエチルアクリレートを得た。
【0035】合成例9 片末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリアクリ
ルアミドの合成:撹拌機および冷却器を備えたセパラブ
ルフラスコにアクリルアミド100g、メタノール10
0gおよびジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチル
シラン(LS−1375;信越化学工業(株)製)1.
08gを仕込み、窒素置換を行った。60℃に昇温し、
アゾビスイソブチロニトリル30mgを添加し重合を開
始した。5時間後冷却し重合を停止させた。このときの
重合率は49%だった。得られたポリアクリルアミドを
濾取し、メタノールにて洗浄後乾燥することにより、片
末端にジメトキシメチルシリル基を0.06meq/g
有する平均分子量14,000のポリアクリルアミドを
得た。
ルアミドの合成:撹拌機および冷却器を備えたセパラブ
ルフラスコにアクリルアミド100g、メタノール10
0gおよびジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチル
シラン(LS−1375;信越化学工業(株)製)1.
08gを仕込み、窒素置換を行った。60℃に昇温し、
アゾビスイソブチロニトリル30mgを添加し重合を開
始した。5時間後冷却し重合を停止させた。このときの
重合率は49%だった。得られたポリアクリルアミドを
濾取し、メタノールにて洗浄後乾燥することにより、片
末端にジメトキシメチルシリル基を0.06meq/g
有する平均分子量14,000のポリアクリルアミドを
得た。
【0036】実施例1 合成例1の片末端にメトキシジメチルシリル基を有する
PEG20部とPVA(重合度500、けん化度73モ
ル%)80部からなる樹脂組成物を用いて、180℃で
10分溶融混練を行った後、180℃で熱プレスするこ
とによって厚さ50μmのフィルムを得た。このフィル
ムを幅3cm、長さ3cmにカットし、ケイソウ土中に
埋め込んで50℃の恒温槽中に30日放置してフィルム
中のPEG含量の変化を調べた。NMRによりPEGの
含量を定量したところ、初期値20.3%が30日後で
も19.7%であり、PEGのケイソウ土への移行はほ
とんどなかった。
PEG20部とPVA(重合度500、けん化度73モ
ル%)80部からなる樹脂組成物を用いて、180℃で
10分溶融混練を行った後、180℃で熱プレスするこ
とによって厚さ50μmのフィルムを得た。このフィル
ムを幅3cm、長さ3cmにカットし、ケイソウ土中に
埋め込んで50℃の恒温槽中に30日放置してフィルム
中のPEG含量の変化を調べた。NMRによりPEGの
含量を定量したところ、初期値20.3%が30日後で
も19.7%であり、PEGのケイソウ土への移行はほ
とんどなかった。
【0037】比較例1 片末端にメトキシジメチルシリル基を有するPEGに代
えて未変性PEG(平均分子量350)を用いた他は実
施例1と同様にしてフィルムを作成し、ケイソウ土中に
埋め込んで放置試験を実施した。PEG含量は初期の2
0.1%から4.3%まで減少し、PEGのほとんどが
ケイソウ土へ移行した。上記の実施例1および比較例1
から明らかなように、本発明の組成物は可塑剤移行のな
いPVA系フィルム材料として有用である。
えて未変性PEG(平均分子量350)を用いた他は実
施例1と同様にしてフィルムを作成し、ケイソウ土中に
埋め込んで放置試験を実施した。PEG含量は初期の2
0.1%から4.3%まで減少し、PEGのほとんどが
ケイソウ土へ移行した。上記の実施例1および比較例1
から明らかなように、本発明の組成物は可塑剤移行のな
いPVA系フィルム材料として有用である。
【0038】実施例2 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナ
トリウム3モル%変性PVA(重合度1700、けん化
度98.5モル%)80部と、合成例2の片末端にトリ
メトキシシリル基を有するポリ4−ヒドロキシブチルア
クリレート20部からなる組成物に水400部を添加
し、撹拌下90℃で加熱溶解した。得られた水溶液を表
面温度70℃の回転ドラム上にキャスティングしてフィ
ルム化し、乾燥厚み40μmのフィルムを得た。フィル
ムは透明性が良好で、該フィルムの耐衝撃強度を5℃お
よび−5℃で測定したところ、それぞれ3.4kg−c
mおよび3.1kg−cmであった。
トリウム3モル%変性PVA(重合度1700、けん化
度98.5モル%)80部と、合成例2の片末端にトリ
メトキシシリル基を有するポリ4−ヒドロキシブチルア
クリレート20部からなる組成物に水400部を添加
し、撹拌下90℃で加熱溶解した。得られた水溶液を表
面温度70℃の回転ドラム上にキャスティングしてフィ
ルム化し、乾燥厚み40μmのフィルムを得た。フィル
ムは透明性が良好で、該フィルムの耐衝撃強度を5℃お
よび−5℃で測定したところ、それぞれ3.4kg−c
mおよび3.1kg−cmであった。
【0039】比較例2 合成例2で3−メルトカプトプロピルトリメトキシシラ
ン1.18gに代えて2−メルトカプトエタノール0.
464gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキシエチ
ルチイル基を有するポリ4−ヒドロキシブチルアクリレ
ート(平均分子量17,000)を用いる以外は実施例
2と同様にして、厚み40μmのフィルムを得た。フィ
ルムは不透明で明らかな相分離が認められた。また該フ
ィルムの耐衝撃強度を5℃および−5℃で測定したとこ
ろ、それぞれ1.3kg−cmおよび0.9kg−cm
であった。上記の実施例2および比較例2から明らかな
ように、本発明の組成物を用いることにより、相溶性が
良好で耐衝撃性のあるフィルムを得ることができる。
ン1.18gに代えて2−メルトカプトエタノール0.
464gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキシエチ
ルチイル基を有するポリ4−ヒドロキシブチルアクリレ
ート(平均分子量17,000)を用いる以外は実施例
2と同様にして、厚み40μmのフィルムを得た。フィ
ルムは不透明で明らかな相分離が認められた。また該フ
ィルムの耐衝撃強度を5℃および−5℃で測定したとこ
ろ、それぞれ1.3kg−cmおよび0.9kg−cm
であった。上記の実施例2および比較例2から明らかな
ように、本発明の組成物を用いることにより、相溶性が
良好で耐衝撃性のあるフィルムを得ることができる。
【0040】実施例3 合成例4の片末端にエトキシジメチルシリル基を有する
低密度ポリエチレン10部、未変性低密度ポリエチレン
(190℃、2160gの測定条件によるMI3g/1
0分)80部およびPVA(重合度500、けん化度7
3モル%)10部からなる組成物を、200℃で10分
溶融混練を行い、200℃で熱プレスすることによって
厚さ50μmのフィルムを得た。該フィルムは透明性が
良好であり、20℃×65%RH下で1週間調湿後測定
した表面抵抗率は、3.1×1011Ω/□であった。
低密度ポリエチレン10部、未変性低密度ポリエチレン
(190℃、2160gの測定条件によるMI3g/1
0分)80部およびPVA(重合度500、けん化度7
3モル%)10部からなる組成物を、200℃で10分
溶融混練を行い、200℃で熱プレスすることによって
厚さ50μmのフィルムを得た。該フィルムは透明性が
良好であり、20℃×65%RH下で1週間調湿後測定
した表面抵抗率は、3.1×1011Ω/□であった。
【0041】比較例3 実施例3の片末端にエトキシジメチルシリル基を有する
低密度ポリエチレン10部を未変性低密度ポリエチレン
(190℃、2160gの測定条件によるMI3g/1
0分)10部に代えた他は実施例3と同様にしてフィル
ムを作成した。該フィルムは透明性が悪く白濁してお
り、20℃×65%RH下で1週間調湿後測定した表面
抵抗率は、2.9×1012Ω/□であった。
低密度ポリエチレン10部を未変性低密度ポリエチレン
(190℃、2160gの測定条件によるMI3g/1
0分)10部に代えた他は実施例3と同様にしてフィル
ムを作成した。該フィルムは透明性が悪く白濁してお
り、20℃×65%RH下で1週間調湿後測定した表面
抵抗率は、2.9×1012Ω/□であった。
【0042】実施例4 合成例6の片末端にメトキシジメチルシリル基を有する
ポリメチルメタクリレート10部、未変性ポリメチルメ
タクリレート(商品名:パラペットG、(株)クラレ
製)80部およびアリルアセテート6モル%変性PVA
(重合度540、けん化度99.1モル%)10部から
なる組成物を用いて、220℃で10分溶融混練した
後、230℃で熱プレスすることによって厚さ50μm
のフィルムを得た。該フィルムは透明性が良好であり、
20℃×65%RH下で1週間調湿後測定した表面抵抗
率は、5.8×1011Ω/□であった。
ポリメチルメタクリレート10部、未変性ポリメチルメ
タクリレート(商品名:パラペットG、(株)クラレ
製)80部およびアリルアセテート6モル%変性PVA
(重合度540、けん化度99.1モル%)10部から
なる組成物を用いて、220℃で10分溶融混練した
後、230℃で熱プレスすることによって厚さ50μm
のフィルムを得た。該フィルムは透明性が良好であり、
20℃×65%RH下で1週間調湿後測定した表面抵抗
率は、5.8×1011Ω/□であった。
【0043】比較例4 合成例6でメトキシ−3−メルカプトプロピルジメチル
シラン0.984gに代えて2−メルカプトエタノール
0.464gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキシ
エチルチイル基を有するポリメチルメタクリレート(平
均分子量25,000)を用いる以外は実施例4と同様
にして、厚さ50μmのフィルムを作成した。該フィル
ムは透明性が悪く白濁しており、20℃×65%RH下
で1週間調湿後測定した表面抵抗率は、7.7×1013
Ω/□であった。
シラン0.984gに代えて2−メルカプトエタノール
0.464gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキシ
エチルチイル基を有するポリメチルメタクリレート(平
均分子量25,000)を用いる以外は実施例4と同様
にして、厚さ50μmのフィルムを作成した。該フィル
ムは透明性が悪く白濁しており、20℃×65%RH下
で1週間調湿後測定した表面抵抗率は、7.7×1013
Ω/□であった。
【0044】実施例5 合成例7の片末端にメトキシジメチルシリル基を有する
ポリスチレン10部、未変性ポリスチレン(商品名:ス
タイロン666、旭化成工業(株)製)80部およびエ
チルビニルエーテル5モル%変性PVA(重合度45
0、けん化度99.0モル%)10部からなる組成物を
用いて、190℃で10分溶融混練した後、210℃で
熱プレスすることによって厚さ50μmのフィルムを得
た。該フィルムは透明性が良好であり、20℃×65%
RH下で1週間調湿後測定した表面抵抗率は、2.2×
1011Ω/□であった。
ポリスチレン10部、未変性ポリスチレン(商品名:ス
タイロン666、旭化成工業(株)製)80部およびエ
チルビニルエーテル5モル%変性PVA(重合度45
0、けん化度99.0モル%)10部からなる組成物を
用いて、190℃で10分溶融混練した後、210℃で
熱プレスすることによって厚さ50μmのフィルムを得
た。該フィルムは透明性が良好であり、20℃×65%
RH下で1週間調湿後測定した表面抵抗率は、2.2×
1011Ω/□であった。
【0045】比較例5 合成例7でメトキシ−3−メルカプトプロピルジメチル
シラン0.536gに代えて、2−メルカプトエタノー
ル0.254gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキ
シエチルチイル基を有するポリスチレン(平均分子量6
5,000)を用いる以外は実施例5と同様にして、厚
さ50μmのフィルムを作成した。該フィルムは透明性
が悪く白濁しており、20℃×65%RH下で1週間調
湿後測定した表面抵抗率は、5.9×1012Ω/□であ
った。上記の実施例3〜5および比較例3〜5から、本
発明の組成物を用いることにより、透明性の良好な帯電
防止性に優れた成形物が得ることができる。
シラン0.536gに代えて、2−メルカプトエタノー
ル0.254gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキ
シエチルチイル基を有するポリスチレン(平均分子量6
5,000)を用いる以外は実施例5と同様にして、厚
さ50μmのフィルムを作成した。該フィルムは透明性
が悪く白濁しており、20℃×65%RH下で1週間調
湿後測定した表面抵抗率は、5.9×1012Ω/□であ
った。上記の実施例3〜5および比較例3〜5から、本
発明の組成物を用いることにより、透明性の良好な帯電
防止性に優れた成形物が得ることができる。
【0046】実施例6 合成例8の片末端にトリメトキシシリル基を有するポリ
エチルアクリレート20部とPVA(重合度1700、
けん化度98.5モル%)80部からなる組成物にDM
SO400部を添加し、窒素気流中で70℃に加熱撹拌
して溶解した。該溶液を50℃の熱風乾燥機中で流延製
膜することにより、厚さ50μmのフィルムを得た。該
フィルムの20℃、65%RHでの強度、伸度およびヤ
ング率はそれぞれ5.7kg/mm2 、175%、54
kg/mm2 であった。
エチルアクリレート20部とPVA(重合度1700、
けん化度98.5モル%)80部からなる組成物にDM
SO400部を添加し、窒素気流中で70℃に加熱撹拌
して溶解した。該溶液を50℃の熱風乾燥機中で流延製
膜することにより、厚さ50μmのフィルムを得た。該
フィルムの20℃、65%RHでの強度、伸度およびヤ
ング率はそれぞれ5.7kg/mm2 、175%、54
kg/mm2 であった。
【0047】比較例6 合成例8で3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
1.18gに代えて、2−メルカプトエタノール0.4
64gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキシエチル
チイル基を有するポリエチルアクリレート(平均分子量
25,000)を用いる以外は実施例6と同様にして厚
さ50μmのフィルムを作成した。該フィルムは明らか
に相分離した不均一フィルムであり、20℃、65%R
Hでの強度、伸度およびヤング率はそれぞれ4.1kg
/mm2 、134%、78kg/mm2 であった。
1.18gに代えて、2−メルカプトエタノール0.4
64gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキシエチル
チイル基を有するポリエチルアクリレート(平均分子量
25,000)を用いる以外は実施例6と同様にして厚
さ50μmのフィルムを作成した。該フィルムは明らか
に相分離した不均一フィルムであり、20℃、65%R
Hでの強度、伸度およびヤング率はそれぞれ4.1kg
/mm2 、134%、78kg/mm2 であった。
【0048】実施例7 合成例9の片末端にジメトキシメチルシリル基を有する
ポリアクリルアミド100部とPVA(重合度170
0、けん化度98.5モル%)100部からなる組成物
に水1400部を添加し、90℃に加熱撹拌して溶解し
た。得られた溶液を表面温度70℃の回転ドラム上にキ
ャスティングしてフィルム化し、乾燥厚み40μmのフ
ィルムを得た。該フィルムの20℃、65%RHでの強
度、伸度およびヤング率はそれぞれ6.3kg/m
m2 、158%、91kg/mm2 であった。
ポリアクリルアミド100部とPVA(重合度170
0、けん化度98.5モル%)100部からなる組成物
に水1400部を添加し、90℃に加熱撹拌して溶解し
た。得られた溶液を表面温度70℃の回転ドラム上にキ
ャスティングしてフィルム化し、乾燥厚み40μmのフ
ィルムを得た。該フィルムの20℃、65%RHでの強
度、伸度およびヤング率はそれぞれ6.3kg/m
m2 、158%、91kg/mm2 であった。
【0049】比較例7 合成例9でジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチル
シラン1.08gに代えて、2−メルカプトエタノール
0.464gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキシ
エチルチイル基を有するポリアクリルアミド(平均分子
量12,000)を用いる以外は実施例7と同様にし
て、厚さ40μmのフィルムを作成した。該フィルムは
明らかに相分離した不均一でもろいフィルムであり強伸
度測定ができなかった。上記の実施例6〜7および比較
例6〜7から明らかなように、本発明の樹脂組成物を用
いることにより、相溶性が良好で力学的性質に優れたフ
ィルムが得られる。
シラン1.08gに代えて、2−メルカプトエタノール
0.464gを用いて合成した片末端に2−ヒドロキシ
エチルチイル基を有するポリアクリルアミド(平均分子
量12,000)を用いる以外は実施例7と同様にし
て、厚さ40μmのフィルムを作成した。該フィルムは
明らかに相分離した不均一でもろいフィルムであり強伸
度測定ができなかった。上記の実施例6〜7および比較
例6〜7から明らかなように、本発明の樹脂組成物を用
いることにより、相溶性が良好で力学的性質に優れたフ
ィルムが得られる。
【0050】
【発明の効果】本発明の組成物は、フィルム、シート、
ボトルおよび繊維等の成形物に加工される際、または
紙、木材および繊維の処理剤等として使用される際に、
水溶液のような溶液の形態を経たり、加熱処理を受ける
ことにより重合体(B)が片末端に有する官能基とPV
A(A)の水酸基がエステル交換反応により結合すると
推定される。なお本発明において樹脂組成物が透明性に
優れているとは、PVAとケイ素含有基を含まない未変
性の重合体との樹脂組成物の透明性に比較して優れてい
ることを意味する。本発明の樹脂組成物は、成分(A)
および成分(B)の組合わせ、特に重合体(B)の種類
により、非常に広範な物性を示す。以下にその一例を示
す。重合体(B)が水溶性もしくは水分散性で、軟化点
が室温よりも十分に低い場合には、低温、低湿度下でも
十分な柔軟性と耐衝撃性を有し、可塑剤添加系とは異な
り、物性の経時変化のない水溶性のフィルム、シートお
よびボトル等の成形物用として有用である。一方、軟化
点が室温よりも十分に高い場合には紙に腰を与える紙加
工剤として有用である。重合体(B)が非水溶性で、軟
化点が室温よりも十分に低い場合には、耐水性のある柔
軟性材料としてフィルムおよびシート等の成形物や感光
性樹脂材料として有用である。一方軟化点が室温よりも
十分に高い場合には、吸湿性や吸水性のある成形物とし
て有用である。
ボトルおよび繊維等の成形物に加工される際、または
紙、木材および繊維の処理剤等として使用される際に、
水溶液のような溶液の形態を経たり、加熱処理を受ける
ことにより重合体(B)が片末端に有する官能基とPV
A(A)の水酸基がエステル交換反応により結合すると
推定される。なお本発明において樹脂組成物が透明性に
優れているとは、PVAとケイ素含有基を含まない未変
性の重合体との樹脂組成物の透明性に比較して優れてい
ることを意味する。本発明の樹脂組成物は、成分(A)
および成分(B)の組合わせ、特に重合体(B)の種類
により、非常に広範な物性を示す。以下にその一例を示
す。重合体(B)が水溶性もしくは水分散性で、軟化点
が室温よりも十分に低い場合には、低温、低湿度下でも
十分な柔軟性と耐衝撃性を有し、可塑剤添加系とは異な
り、物性の経時変化のない水溶性のフィルム、シートお
よびボトル等の成形物用として有用である。一方、軟化
点が室温よりも十分に高い場合には紙に腰を与える紙加
工剤として有用である。重合体(B)が非水溶性で、軟
化点が室温よりも十分に低い場合には、耐水性のある柔
軟性材料としてフィルムおよびシート等の成形物や感光
性樹脂材料として有用である。一方軟化点が室温よりも
十分に高い場合には、吸湿性や吸水性のある成形物とし
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 直樹 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 佐藤 寿昭 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 丸山 均 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコール系重合体(A)
と、水の存在下でシラノール基に転化しうるケイ素含有
基から選ばれる官能基を片末端に有する重合体(B)か
らなる樹脂組成物。 - 【請求項2】 成分(A)と成分(B)の重量配合比が
99:1〜1:99である請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 成分(B)が水の存在下でシラノール基
に転化しうるケイ素含有基から選ばれる官能基を片末端
に有するオキシアルキレン基含有重合体である請求項1
または2記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1記載の樹脂組成物を熱溶融成形
することを特徴とする成形物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP183895A JPH08188696A (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | 樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP183895A JPH08188696A (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | 樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08188696A true JPH08188696A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=11512708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP183895A Pending JPH08188696A (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | 樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08188696A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014501822A (ja) * | 2010-12-20 | 2014-01-23 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | 官能化熱可塑性ポリマーを含むゴム組成物 |
-
1995
- 1995-01-10 JP JP183895A patent/JPH08188696A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014501822A (ja) * | 2010-12-20 | 2014-01-23 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | 官能化熱可塑性ポリマーを含むゴム組成物 |
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