JP3103403B2 - 生分解性付与剤 - Google Patents
生分解性付与剤Info
- Publication number
- JP3103403B2 JP3103403B2 JP03262995A JP26299591A JP3103403B2 JP 3103403 B2 JP3103403 B2 JP 3103403B2 JP 03262995 A JP03262995 A JP 03262995A JP 26299591 A JP26299591 A JP 26299591A JP 3103403 B2 JP3103403 B2 JP 3103403B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- starch
- polyvinyl alcohol
- biodegradability
- film
- imparting agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性付与剤および生
分解性組成物に関する。
分解性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】屋外に放置すると自然に生分解して形態
崩壊する生分解性成形物は自然界を汚染することが少な
く、環境にやさしい成形物として検討が進められてい
る。従来、生分解性を有するでん粉等の物質を熱可塑性
樹脂に練り込むことにより、でん粉が生分解して形態崩
壊することをねらった組成物についての検討が広く試み
られているが、熱可塑性樹脂とでん粉の相溶性が悪いた
め、得られた成形物の強度がもとの熱可塑性樹脂に比べ
て著しく低下することや、でん粉と比べて生分解性が著
しく劣る熱可塑性樹脂の崩壊に時間がかかるという欠点
があった。また、でん粉等の生物に由来する高分子のみ
で生分解性成形物を作る試みも検討されているが、生物
に由来する高分子は一般に乾燥時にもろく、強靭な成形
物を作りにくいという欠点があった。さらに、でん粉等
の生物に由来する高分子の乾燥時のもろさを改善するた
めに、水溶性合成高分子であるポリビニルアルコール系
樹脂をでん粉にブレンドすることも検討されてきたが、
この両者は本質的に相溶性が悪いために、ブレンドする
際の水溶液の安定性が悪く、両者が分離したり、粘度が
経時的に変化するなど取扱い上の種々の問題を有し、さ
らにブレンドによって得られた成形物の機械的物性が満
足できるものは見出されていなかった。
崩壊する生分解性成形物は自然界を汚染することが少な
く、環境にやさしい成形物として検討が進められてい
る。従来、生分解性を有するでん粉等の物質を熱可塑性
樹脂に練り込むことにより、でん粉が生分解して形態崩
壊することをねらった組成物についての検討が広く試み
られているが、熱可塑性樹脂とでん粉の相溶性が悪いた
め、得られた成形物の強度がもとの熱可塑性樹脂に比べ
て著しく低下することや、でん粉と比べて生分解性が著
しく劣る熱可塑性樹脂の崩壊に時間がかかるという欠点
があった。また、でん粉等の生物に由来する高分子のみ
で生分解性成形物を作る試みも検討されているが、生物
に由来する高分子は一般に乾燥時にもろく、強靭な成形
物を作りにくいという欠点があった。さらに、でん粉等
の生物に由来する高分子の乾燥時のもろさを改善するた
めに、水溶性合成高分子であるポリビニルアルコール系
樹脂をでん粉にブレンドすることも検討されてきたが、
この両者は本質的に相溶性が悪いために、ブレンドする
際の水溶液の安定性が悪く、両者が分離したり、粘度が
経時的に変化するなど取扱い上の種々の問題を有し、さ
らにブレンドによって得られた成形物の機械的物性が満
足できるものは見出されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
がなく、熱可塑性樹脂、でん粉等に配合することにより
生分解性を付与または促進することを目的とした生分解
性付与剤を提供することにある。さらに詳しくは、乾燥
時にも強靭で、屋外に放置すると速やかに生分解される
成形物が得られる生分解性付与剤を提供することを目的
とする。
がなく、熱可塑性樹脂、でん粉等に配合することにより
生分解性を付与または促進することを目的とした生分解
性付与剤を提供することにある。さらに詳しくは、乾燥
時にも強靭で、屋外に放置すると速やかに生分解される
成形物が得られる生分解性付与剤を提供することを目的
とする。
【課題を解決するための手段】本発明者らは生分解性付
与剤について鋭意検討を進めた結果、炭素数が4〜50
のアルキル基を末端(好ましくは、片末端)に有する水
溶性ポリビニルアルコール系樹脂からなる生分解性付与
剤を添加して得られた成形物、とくに前記ポリビニルア
ルコール系樹脂をでん粉に添加した組成物から得られた
成形物は、乾燥時にも強靭で、屋外に放置すると速やか
に生分解されることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。
与剤について鋭意検討を進めた結果、炭素数が4〜50
のアルキル基を末端(好ましくは、片末端)に有する水
溶性ポリビニルアルコール系樹脂からなる生分解性付与
剤を添加して得られた成形物、とくに前記ポリビニルア
ルコール系樹脂をでん粉に添加した組成物から得られた
成形物は、乾燥時にも強靭で、屋外に放置すると速やか
に生分解されることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。
【0004】本発明に使用されるアルキル基を末端に有
する水溶性ポリビニルアルコール系樹脂の末端のアルキ
ル基の炭素数としては、4〜50が適当であり、6〜3
0がより好適であり、8〜20がさらにより好適であ
る。炭素数が4未満であれば未変性のビニルアルコール
系樹脂とあまり変わらず、熱可塑性樹脂やでん粉との相
溶性が良くない。炭素数が50を越えると、ビニルアル
コール系樹脂の生分解性が低下し、成形物の形態崩壊の
所要時間が長くなりすぎて好ましくない。本発明に使用
されるアルキル基としては炭素数が4〜50のアルキル
基であれば特に制限はなく、枝分かれしたアルキル基、
アルキルアリール基なども含まれ、さらに酸素、窒素、
硫黄等の原子により構成される連結基を有するアルキル
基も含まれる。本発明のポリビニルアルコール系樹脂の
分子中のビニルアルコール単位の含有量は、20〜10
0モル%が好ましく、30〜99.5モル%がより好ま
しく、40〜99モル%がさらにより好ましい。ポリビ
ニルアルコール系樹脂の分子中のビニルアルコール単位
の含有量が20モル%未満の場合には、でん粉との相溶
性が低下するために、好ましくない。本発明のポリビニ
ルアルコール系樹脂の粘度平均重合度は50〜3000
以下であり、100〜2500がより好ましく、200
〜2000がさらにより好ましい。
する水溶性ポリビニルアルコール系樹脂の末端のアルキ
ル基の炭素数としては、4〜50が適当であり、6〜3
0がより好適であり、8〜20がさらにより好適であ
る。炭素数が4未満であれば未変性のビニルアルコール
系樹脂とあまり変わらず、熱可塑性樹脂やでん粉との相
溶性が良くない。炭素数が50を越えると、ビニルアル
コール系樹脂の生分解性が低下し、成形物の形態崩壊の
所要時間が長くなりすぎて好ましくない。本発明に使用
されるアルキル基としては炭素数が4〜50のアルキル
基であれば特に制限はなく、枝分かれしたアルキル基、
アルキルアリール基なども含まれ、さらに酸素、窒素、
硫黄等の原子により構成される連結基を有するアルキル
基も含まれる。本発明のポリビニルアルコール系樹脂の
分子中のビニルアルコール単位の含有量は、20〜10
0モル%が好ましく、30〜99.5モル%がより好ま
しく、40〜99モル%がさらにより好ましい。ポリビ
ニルアルコール系樹脂の分子中のビニルアルコール単位
の含有量が20モル%未満の場合には、でん粉との相溶
性が低下するために、好ましくない。本発明のポリビニ
ルアルコール系樹脂の粘度平均重合度は50〜3000
以下であり、100〜2500がより好ましく、200
〜2000がさらにより好ましい。
【0005】本発明のポリビニルアルコール系樹脂は、
末端のアルキル基およびビニルアルコール単位以外の共
重合単位を含有していてもよい。これらの共重合単位と
しては、ビニルエステルと共重合可能なものであれば特
に制限はなく、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブ
テン、イソブテン、1−ヘキサデセン等のα−オレフィ
ン類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン
等のハロゲン含有単量体、(メタ)アクリル酸、フマル
酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸等のカルボン酸含有単量体およびその塩、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル類、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、クロ
トン酸ジメチル等のエステル類、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ラ
ウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体
およびその塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−t−(メタ)アクリルアミド、N
−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピ
ロリドン等のアミド基単量体、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有単量体、(メ
タ)アクリルアミド−プロピル−トリメチルアンモニウ
ムクロリド等の4級アンモニウム塩含有単量体、ビニル
ヒドロキシシラン、(メタ)アクリル酸−3−トリメト
キシシリルプロピル等のシリル基含有単量体、アリルア
ルコール、ジメチルアリルアルコール、イソプロペニル
アルコール等の水酸基含有単量体、アリルアセテート、
ジメチルアリルアセテート、イソプロペニルアセテート
等のアセチル基含有単量体等に由来する共重合単位があ
げられる。これらの共重合単位の含有量としては、特に
制限はないが、成形物の用途により、また水溶性の点か
ら、0〜10モル%のなかから、適宜選択される。本発
明の末端にアルキル基を有するポリビニルアルコール系
樹脂は、いくつかの方法により製造可能であるが、工業
的にはアルキル基を有するメルカプタンの存在下に酢酸
ビニル等のビニルエステルを主体とするモノマーを重合
し、得られたポリビニルエステル系重合体を常法により
けん化する方法が最も好ましい。
末端のアルキル基およびビニルアルコール単位以外の共
重合単位を含有していてもよい。これらの共重合単位と
しては、ビニルエステルと共重合可能なものであれば特
に制限はなく、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブ
テン、イソブテン、1−ヘキサデセン等のα−オレフィ
ン類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン
等のハロゲン含有単量体、(メタ)アクリル酸、フマル
酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸等のカルボン酸含有単量体およびその塩、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル類、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、クロ
トン酸ジメチル等のエステル類、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ラ
ウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体
およびその塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−t−(メタ)アクリルアミド、N
−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピ
ロリドン等のアミド基単量体、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有単量体、(メ
タ)アクリルアミド−プロピル−トリメチルアンモニウ
ムクロリド等の4級アンモニウム塩含有単量体、ビニル
ヒドロキシシラン、(メタ)アクリル酸−3−トリメト
キシシリルプロピル等のシリル基含有単量体、アリルア
ルコール、ジメチルアリルアルコール、イソプロペニル
アルコール等の水酸基含有単量体、アリルアセテート、
ジメチルアリルアセテート、イソプロペニルアセテート
等のアセチル基含有単量体等に由来する共重合単位があ
げられる。これらの共重合単位の含有量としては、特に
制限はないが、成形物の用途により、また水溶性の点か
ら、0〜10モル%のなかから、適宜選択される。本発
明の末端にアルキル基を有するポリビニルアルコール系
樹脂は、いくつかの方法により製造可能であるが、工業
的にはアルキル基を有するメルカプタンの存在下に酢酸
ビニル等のビニルエステルを主体とするモノマーを重合
し、得られたポリビニルエステル系重合体を常法により
けん化する方法が最も好ましい。
【0006】本発明の生分解性付与剤(A)が配合され
る高分子(B)としては特に制限はないが、でん粉、熱
可塑性樹脂、末端にアルキル基を有さないポリビニルア
ルコール系重合体、末端にアルキル基を有さないエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体等が好適例として挙げら
れるが、とくに後述する実施例に示すとおり、でん粉が
好適である。でん粉としては、小麦、コーン、米、馬鈴
薯、甘薯、タピオカ、サゴやし等より採ったでん粉があ
げられるが、一般的には小麦、コーン、馬鈴薯、タピオ
カでん粉が好適である。また、これらの生でん粉を原料
としたα化(糊化すみ)でん粉、酸化でん粉、エステル
化でん粉、エーテル化でん粉、グラフトでん粉、カルボ
キシメチル化でん粉、デキストリン等のでん粉誘導体な
ども用いられる。熱可塑性樹脂としては、炭素数2〜2
0のポリオレフィン系重合体、ポリスチレン系重合体、
ポリ塩化ビニル系重合体が挙げられる。 ポリビニルア
ルコール系樹脂(A)と高分子(B)との重量混合比
(A)/(B)は、(100/1)〜(1/100)が
好ましく、(100/10)〜(10/100)がさら
により好ましく、(100/50)〜(20/100)
が最も好ましい。重量混合比(A)/(B)が(100
/1)より多くなると、組成物の生分解性が低下する傾
向がある。重量混合比(A)/(B)が(1/100)
より小さくなると、組成物の乾燥時の強靭性が低下する
傾向がある。
る高分子(B)としては特に制限はないが、でん粉、熱
可塑性樹脂、末端にアルキル基を有さないポリビニルア
ルコール系重合体、末端にアルキル基を有さないエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体等が好適例として挙げら
れるが、とくに後述する実施例に示すとおり、でん粉が
好適である。でん粉としては、小麦、コーン、米、馬鈴
薯、甘薯、タピオカ、サゴやし等より採ったでん粉があ
げられるが、一般的には小麦、コーン、馬鈴薯、タピオ
カでん粉が好適である。また、これらの生でん粉を原料
としたα化(糊化すみ)でん粉、酸化でん粉、エステル
化でん粉、エーテル化でん粉、グラフトでん粉、カルボ
キシメチル化でん粉、デキストリン等のでん粉誘導体な
ども用いられる。熱可塑性樹脂としては、炭素数2〜2
0のポリオレフィン系重合体、ポリスチレン系重合体、
ポリ塩化ビニル系重合体が挙げられる。 ポリビニルア
ルコール系樹脂(A)と高分子(B)との重量混合比
(A)/(B)は、(100/1)〜(1/100)が
好ましく、(100/10)〜(10/100)がさら
により好ましく、(100/50)〜(20/100)
が最も好ましい。重量混合比(A)/(B)が(100
/1)より多くなると、組成物の生分解性が低下する傾
向がある。重量混合比(A)/(B)が(1/100)
より小さくなると、組成物の乾燥時の強靭性が低下する
傾向がある。
【0007】ポリビニルアルコール系樹脂(A)と高分
子(B)をブレンドする方法としては、ポリビニルアル
コール系樹脂(A)と高分子(B)を溶液の状態でブレ
ンドした後、溶剤を除去する方法、けん化度を下げる
か、可塑剤を添加して溶融可能な状態にしたポリビニル
アルコール系樹脂(A)を溶融させ、これに高分子
(B)を溶融混練によりブレンドする方法、粉体ドライ
ブレンドする方法、でん粉の場合に水酸基の全部あるい
は一部をエーテル化あるいはエステル化等により他の基
に置換することにより溶融可能な状態にした高分子
(B)あるいは可塑剤を添加して溶融可能な状態にした
高分子(B)とポリビニルアルコール系樹脂(A)を溶
融混練によりブレンドする方法のいずれも使用できる。
本発明の生分解性付与剤を配合した樹脂組成物の成形方
法としてはキャスト成形、プレス成形、押出成形、射出
成形、ブロー成形等があげられるが、これらに限定され
るものではない。また、本発明の生分解性付与剤を配合
した樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、紫外線
吸収剤、滑剤、着色剤、熱安定化剤、可塑剤等を加える
こともできる。また、他の高分子化合物も、本発明の作
用効果が阻害されない程度にブレンドすることができ
る。本発明の生分解性付与剤を配合した樹脂組成物を用
いて成形した成形物は屋外に放置するとゆるやかに生分
解され、自然に形態崩壊する。本発明の生分解性付与剤
を配合した成形物の用途としては農業用マルチフィルム
等の農業機材、使い捨て買い物袋、使い捨てボトル等の
使い捨て成形物等があげられる。
子(B)をブレンドする方法としては、ポリビニルアル
コール系樹脂(A)と高分子(B)を溶液の状態でブレ
ンドした後、溶剤を除去する方法、けん化度を下げる
か、可塑剤を添加して溶融可能な状態にしたポリビニル
アルコール系樹脂(A)を溶融させ、これに高分子
(B)を溶融混練によりブレンドする方法、粉体ドライ
ブレンドする方法、でん粉の場合に水酸基の全部あるい
は一部をエーテル化あるいはエステル化等により他の基
に置換することにより溶融可能な状態にした高分子
(B)あるいは可塑剤を添加して溶融可能な状態にした
高分子(B)とポリビニルアルコール系樹脂(A)を溶
融混練によりブレンドする方法のいずれも使用できる。
本発明の生分解性付与剤を配合した樹脂組成物の成形方
法としてはキャスト成形、プレス成形、押出成形、射出
成形、ブロー成形等があげられるが、これらに限定され
るものではない。また、本発明の生分解性付与剤を配合
した樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、紫外線
吸収剤、滑剤、着色剤、熱安定化剤、可塑剤等を加える
こともできる。また、他の高分子化合物も、本発明の作
用効果が阻害されない程度にブレンドすることができ
る。本発明の生分解性付与剤を配合した樹脂組成物を用
いて成形した成形物は屋外に放置するとゆるやかに生分
解され、自然に形態崩壊する。本発明の生分解性付与剤
を配合した成形物の用途としては農業用マルチフィルム
等の農業機材、使い捨て買い物袋、使い捨てボトル等の
使い捨て成形物等があげられる。
【0008】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により、なんら限定
されるものではない。なお以下で、「部」および「%」
は特に断らないかぎり、それぞれ「重量部」および「重
量%」を意味する。なお、本実施例で示すフィルムの引
張強伸度は、20℃、65%RHにて10日間調湿した
フィルムを、チャック間距離50mm、製膜方向に対して
垂直な方向に引張速度500mm/分にて引張る方法で測
定したものである。
明するが、本発明はこれらの実施例により、なんら限定
されるものではない。なお以下で、「部」および「%」
は特に断らないかぎり、それぞれ「重量部」および「重
量%」を意味する。なお、本実施例で示すフィルムの引
張強伸度は、20℃、65%RHにて10日間調湿した
フィルムを、チャック間距離50mm、製膜方向に対して
垂直な方向に引張速度500mm/分にて引張る方法で測
定したものである。
【0009】実施例1 市販のコーンスターチ100部および片末端にn−ドデ
シル基を有する重合度500、けん化度98.5モル%
のポリビニルアルコール系樹脂100部を混合水溶液と
し、表面温度70℃としたポリエステルフィルムで覆っ
た回転ドラム上にキャスト、乾燥して、厚さ50μのフ
ィルムを得た。得られたフィルムの引張強伸度と、地下
30cmに6カ月間埋没した後の形態変化を表1に示す。
シル基を有する重合度500、けん化度98.5モル%
のポリビニルアルコール系樹脂100部を混合水溶液と
し、表面温度70℃としたポリエステルフィルムで覆っ
た回転ドラム上にキャスト、乾燥して、厚さ50μのフ
ィルムを得た。得られたフィルムの引張強伸度と、地下
30cmに6カ月間埋没した後の形態変化を表1に示す。
【0010】実施例2 実施例1で使用したポリビニルアルコール系樹脂に代え
て、片末端にn−ドデシル基を有する重合度500、け
ん化度88モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用い
て、実施例1と同様にして厚さ50μのフィルムを得
た。得られたフィルムの引張強伸度と、地下30cmに6
カ月間埋没した後の形態変化を表1に示す。
て、片末端にn−ドデシル基を有する重合度500、け
ん化度88モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用い
て、実施例1と同様にして厚さ50μのフィルムを得
た。得られたフィルムの引張強伸度と、地下30cmに6
カ月間埋没した後の形態変化を表1に示す。
【0011】実施例3 実施例1で使用したと同じポリビニルアルコール系樹脂
100部、市販のコーンスターチ100部に、市販の重
合度1700、けん化度98.5モル%の未変性ポリビ
ニルアルコール100部を混合し、実施例1と同様にし
て厚さ50μのフィルムを得た。得られたフィルムの引
張強伸度と、地下30cmに6カ月間埋没した後の形態変
化を表1に示す。
100部、市販のコーンスターチ100部に、市販の重
合度1700、けん化度98.5モル%の未変性ポリビ
ニルアルコール100部を混合し、実施例1と同様にし
て厚さ50μのフィルムを得た。得られたフィルムの引
張強伸度と、地下30cmに6カ月間埋没した後の形態変
化を表1に示す。
【0012】比較例1 実施例1で使用した片末端にn−ドデシル基を有するポ
リビニルアルコール系樹脂に代えて、重合度500、け
ん化度98.5モル%の未変性ポリビニルアルコールを
使用して、実施例1と同様にして厚さ50μのフィルム
を得た。フィルムの引張強伸度と、地下30cmに6カ月
間埋没した後の形態変化を表1に示す。 比較例2 実施例1で使用した市販のコーンスターチのみを使用し
て、実施例1と同様にしてキャストフィルムを作成しよ
うと試みたが、乾燥過程でフィルムがひび割れして良好
なフィルムを得ることはできなかった。
リビニルアルコール系樹脂に代えて、重合度500、け
ん化度98.5モル%の未変性ポリビニルアルコールを
使用して、実施例1と同様にして厚さ50μのフィルム
を得た。フィルムの引張強伸度と、地下30cmに6カ月
間埋没した後の形態変化を表1に示す。 比較例2 実施例1で使用した市販のコーンスターチのみを使用し
て、実施例1と同様にしてキャストフィルムを作成しよ
うと試みたが、乾燥過程でフィルムがひび割れして良好
なフィルムを得ることはできなかった。
【0013】比較例3 市販の重合度500、けん化度88モル%の未変性ポリ
ビニルアルコールのみを使用して、実施例1と同様にし
て厚さ50μのフィルムを得た。フィルムの引張強伸度
と、地下30cmに6カ月間埋没した後の形態変化を表1
に示す。 比較例4 市販の低密度ポリエチレンのみを使用して、160℃で
溶融押出製膜し、厚さ50μのフィルムを得た。フィル
ムの引張強伸度と、地下30cmに6カ月間埋没した後の
形態変化を表1に示す。
ビニルアルコールのみを使用して、実施例1と同様にし
て厚さ50μのフィルムを得た。フィルムの引張強伸度
と、地下30cmに6カ月間埋没した後の形態変化を表1
に示す。 比較例4 市販の低密度ポリエチレンのみを使用して、160℃で
溶融押出製膜し、厚さ50μのフィルムを得た。フィル
ムの引張強伸度と、地下30cmに6カ月間埋没した後の
形態変化を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明の生分解性付与剤を配合した組成
物、とくに本発明の生分解性付与剤をでん粉に配合した
組成物を用いて成形した成形物は、乾燥時にも強靭で、
屋外に放置すると速やかに生分解され、さらにはブレン
ドする際の水溶液の安定性も良好で、粘度変化も少ない
という点で、工業的価値がきわめて高いものである。
物、とくに本発明の生分解性付与剤をでん粉に配合した
組成物を用いて成形した成形物は、乾燥時にも強靭で、
屋外に放置すると速やかに生分解され、さらにはブレン
ドする際の水溶液の安定性も良好で、粘度変化も少ない
という点で、工業的価値がきわめて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−301206(JP,A) 特開 平3−15469(JP,A) 特開 平2−298525(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/02 C08F 16/06 C08L 3/00 - 3/02
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素数が4〜50のアルキル基を末端に
有する水溶性ポリビニルアルコール系樹脂からなる生分
解性付与剤。 - 【請求項2】 炭素数が4〜50のアルキル基を末端に
有する水溶性ポリビニルアルコール系樹脂およびでん粉
からなる生分解性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03262995A JP3103403B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 生分解性付与剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03262995A JP3103403B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 生分解性付与剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0570515A JPH0570515A (ja) | 1993-03-23 |
JP3103403B2 true JP3103403B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=17383440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03262995A Expired - Fee Related JP3103403B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 生分解性付与剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3103403B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102822266A (zh) * | 2010-02-01 | 2012-12-12 | 可乐丽股份有限公司 | 聚氯乙烯用热稳定剂、聚氯乙烯树脂组合物及其制备方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6188015B2 (ja) | 2013-05-21 | 2017-08-30 | 兵神装備株式会社 | 一軸偏心ねじポンプ |
-
1991
- 1991-09-13 JP JP03262995A patent/JP3103403B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102822266A (zh) * | 2010-02-01 | 2012-12-12 | 可乐丽股份有限公司 | 聚氯乙烯用热稳定剂、聚氯乙烯树脂组合物及其制备方法 |
CN102822266B (zh) * | 2010-02-01 | 2015-09-16 | 可乐丽股份有限公司 | 聚氯乙烯用热稳定剂、聚氯乙烯树脂组合物及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0570515A (ja) | 1993-03-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2018785C (en) | Polymer base blend compositions containing destructurized starch | |
KR0178391B1 (ko) | 분해된 전분을 함유하는 중합체 기초 혼합 조성물 | |
EP0404727B1 (en) | Polymer base blend compositions containing destructurized starch | |
EP0901506B1 (en) | Biodegradable polyester and natural polymer compositions and films therefrom | |
EP0682070B1 (en) | Melt-processed polymer blends | |
IE902531A1 (en) | Polymer base blend compositions containing destructurized starch | |
JPH07258488A (ja) | デンプン基組成物 | |
IL94966A (en) | Polymeric base blend preparations containing starch whose structure has been destroyed | |
EP0575349A1 (en) | Biodegradable polymeric compositions based on starch and thermoplastic polymers | |
JP2002532600A (ja) | 生分解性ポリマー | |
EP0417828B1 (en) | Composition containing a polymer of unsaturated hydrocarbon and a starch derivative | |
JP3103403B2 (ja) | 生分解性付与剤 | |
JP3108472B2 (ja) | 生分解性樹脂組成物 | |
JP2001072710A (ja) | 変性ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法 | |
JP3033919B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH04114044A (ja) | 生分解性成形物の製造法 | |
JPH07113028A (ja) | アイオノマー組成物及びその製法 | |
JP3009258B2 (ja) | 易崩壊性樹脂組成物 | |
JPH05125266A (ja) | 生分解性高分子組成物 | |
JPH04202544A (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH04258654A (ja) | 成形物 | |
JPH09328581A (ja) | ポリビニルアルコール系成形物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080825 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110825 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |