JPH08188660A - ブロッキング性の改善されたポリビニルブチラールシートの製造方法 - Google Patents

ブロッキング性の改善されたポリビニルブチラールシートの製造方法

Info

Publication number
JPH08188660A
JPH08188660A JP242495A JP242495A JPH08188660A JP H08188660 A JPH08188660 A JP H08188660A JP 242495 A JP242495 A JP 242495A JP 242495 A JP242495 A JP 242495A JP H08188660 A JPH08188660 A JP H08188660A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
polyvinyl butyral
gas
fluorine
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP242495A
Other languages
English (en)
Inventor
Motokazu Yuasa
基和 湯浅
Naoki Ueda
直樹 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP242495A priority Critical patent/JPH08188660A/ja
Publication of JPH08188660A publication Critical patent/JPH08188660A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】合わせガラスを作製した際に耐衝撃性等の物性
を低下させることなく、さらに、経時変化によりブロッ
キング性の防止効果が低下することのないブロッキング
性の改善されたポリビニルブチラールシートの製造方法
を提供する。 【構成】可塑化されたポリビニルブチラールのシート状
物7を、相対する一対の金属電極4,5の少なくとも一
方の対向面に固体誘電体6が配設された金属電極4,5
間に配置し、10体積%以下のフッ素含有ガスと残部が
不活性ガスからなる混合ガス雰囲気中で大気圧近傍の圧
力に保ち、金属電極4,5に電圧を印加して放電プラズ
マを発生させ、該放電プラズマを該シート状物7表面に
接触させ、その表面をフッ素化することを特徴とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロッキング性の改善
されたポリビニルブチラールシートの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層安全ガラスは、建築用及
び自動車のフロントガラス用等に広く使用されている。
この積層安全ガラスの代表的なものとして、可塑化され
たポリビニルアセタール樹脂組成物からなる中間膜シー
トを、一対のガラス板間に介装して貼り合わせたものが
ある。可塑化されたポリビニルブチラールシートはシー
ト相互のブロッキング性が強いので、シートの運搬や保
存の際には、重炭酸ソーダ等の粉末をシートの表面にふ
りかけたり、20℃以下の温度にシートを冷却すること
によりポリビニルブチラールシートのブロッキングを防
止している。
【0003】しかしながら、粉末をふりかける方法はポ
リビニルブチラールシートを積層品として安全ガラスの
ような製品にする際には粉末を除去する行程を必要とす
るため面倒であり、冷却方法はポリビニルブチラールシ
ートの製造から包装、輸送、保存そしてその使用時まで
冷却装置が必要でありコスト高になるという問題点があ
った。
【0004】そのため、ポリビニルブチラールシート自
体のブロッキング性を低下させる方法として、例えば、
特公昭43ー29679号公報には、窒素からなる雰囲
気中でシート表面を放電処理する方法や、特公昭59ー
30730号公報には酸素、窒素からなる雰囲気でシー
ト表面を低温プラズマ処理する方法が記載されている。
上記の処理によってシート表面に窒化層及び酸化層が形
成されるが、これらの窒化層及び酸化層は室温、大気中
でポリビニルブチラールシート内部に拡散し易いため、
経時的にブロッキング性の防止効果が消失するという欠
点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決するものであり、その目的は、合わせガラス
を作製した際に耐衝撃性等の物性を低下させることな
く、さらに、経時変化によりブロッキング性の防止効果
が低下することのないブロッキング性の改善されたポリ
ビニルブチラールシートの製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明のブロッキング
性の改善されたポリビニルブチラールシートの製造方法
は、可塑化されたポリビニルブチラールより製せられた
シート状物を、少なくとも一方の対向面に固体誘電体が
配置された金属電極間に配置し、10体積%以下のフッ
素含有ガスと残部が不活性ガスからなる混合ガスの雰囲
気中で大気圧近傍の圧力に保ち、電極に電圧を印加する
ことにより発生する放電プラズマを該シート状物面に接
触させ、その表面をフッ素化することを特徴とする。
【0007】上記ポリビニルブチラールより製せられた
シート状物とは、可塑化されたポリブチラールより公知
の成形手段を用いて製せられたシートである。
【0008】上記ポリビニルブチラールの重合度は、特
に制限されるものではないが、1,000〜3,000
が好ましい。また、上記ポリビニルブチラールのブチラ
ール化度は、50〜80モル%が好ましく、特に好まし
くは、60〜75モル%である。また、ブチラール基の
一部が炭素数1〜20の脂肪族飽和アルデヒドから合成
された異種のアセタール基に置換されていてもよい。
【0009】上記ポリビニルブチラールには可塑化する
ために可塑剤が使用されるが、可塑剤としては、エチレ
ングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,3−プ
ロピレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,
4−プロピレングリコール−ジ−2−エチルブチレー
ト、1,4−ブチレングリコール−ジ−2−エチルブチ
レート、1,2−ブチレングリコール−ジ−2−エチレ
ンブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチレ
ンブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチル
ヘキソエート、ジプロピレングリコール−ジ−2−エチ
ルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチ
ルペントエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エ
チルヘキソエート、テトラエチレングリコール−ジ−2
−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエ
ート、トリエチレングリコールジカプリエート、ジヘキ
シルアジペート等が挙げられる。
【0010】上記可塑剤の添加量は、上記ポリビニルブ
チラール100重量部に対して10〜60重量部が好ま
しく、より好ましくは20〜55重量部である。
【0011】また、上記ポリビニルブチラールには、必
要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ガラス板との
接着力調整剤、顔料等を含有させてもよく、これらは従
来公知のものが使用される。
【0012】上記ポリビニルブチラールは公知の方法に
よってシート状物に成形される。上記シート状物の厚み
は用途によって適宜決定されるが、安全ガラス用中間膜
として使用する場合は、薄すぎると耐貫通性が十分でな
いため安全ガラスとして使用することができず、厚すぎ
ると均一厚みに成形するのが困難なため、0.2〜1.
2mmの厚みが好ましい。
【0013】第1発明では、上記シート状物表面に、フ
ッ素含有ガスと不活性ガスの混合ガス雰囲気中で大気圧
近傍の圧力下で、放電プラズマを接触させ、表面をフッ
素化することによりブロッキング性が改善される。
【0014】上記フッ素含有ガスとしては、例えば、四
フッ化炭素(CF4)、六フッ化炭素(C26)、六フ
ッ化プロピレン(C36)等のフッ化炭化水素ガス;1
塩素化三フッ素化炭素ガス(CClF3)等のハロゲン
化炭化水素ガス;6フッ化硫黄(SF6) 等のフッ化硫
黄化合物が挙げられるが、安全でフッ化水素等の有害な
ガスを生成しない四フッ化炭素、六フッ化炭素、六フッ
化プロピレン等が好ましい。
【0015】上記不活性ガスとしては、ヘリウム、ネオ
ン、アルゴン、キセノン等の希ガスや窒素ガスが単独叉
は混合ガスとして用いられるが、準安定状態で寿命が長
いため、フッ素含有ガスを励起するのに有利なヘリウム
ガスを用いるのが好ましい。
【0016】また、不活性ガスとしてヘリウム以外のガ
スを用いる場合は、2体積%以下のアセトンやメタノー
ル等のガス;メタン、エタン等の炭化水素ガスを混合す
るのが好ましい。
【0017】上記フッ素含有ガスは、上記不活性ガスに
よって励起され基材と接触することにより、基材骨格表
面に−CFx(X=1、2、3)基やフッ素含有炭素膜
が強固に形成され、表面がフッ素化される。フッ素化さ
れた層の厚みは、用いるフッ素含有ガスによって異なる
が、厚すぎると、ガラス用中間膜として使用する場合
は、ガラスとの密着力が弱くなるので、20〜1000
Å程度が好ましい。
【0018】上記混合ガス中におけるフッ素含有ガスと
不活性ガスとの混合比は、用いるガスの種類により適宜
決定されるが、フッ素含有ガス濃度が10体積%を越え
ると、高電圧を印加しても放電プラズマが発生しなくな
るので、10体積%以下とする必要があり、好ましくは
0.1〜5体積%の範囲である。
【0019】上記フッ素含有ガスと不活性ガスの混合ガ
スの大気圧近傍の圧力とは、100〜800Torrの
ことであり、特に、圧力調整が容易で装置が簡便になる
700〜780Torrの範囲が好ましい。
【0020】基材骨格表面をフッ素化するために、基材
を加熱したり冷却してもよいが室温で十分である。ま
た、放電プラズマによる処理時間は5秒程度が十分であ
り、それ以上の時間をかけて処理してもフッ素化の増加
を期待することはできない。
【0021】以下に、第1発明の製造方法の大気圧近傍
で放電プラズマを照射する場合について、図面を参照し
て説明する。図1は、第1発明に使用される大気圧プラ
ズマ表面処理装置の一例を示す一部断面図である。この
装置は電源部1、処理容器2、上部電極4、下部電極5
から構成されている。電源1はkHz台の周波数が印加
可能であり、印加電圧の周波数としては、基材への影響
の少ない10〜30kHzが好ましい。
【0022】上記放電プラズマの形成は、高電圧印加に
よって行うが、印可電圧が低すぎるとプラズマ密度やセ
ルフバイアスは小さくなるため、処理に時間がかかり非
能率的であり、高すぎるとアーク放電に移行する挙動を
示すので、電界強度5〜50kV/cm程度になるよう
印加するのが好ましい。
【0023】上記処理容器2としては、通常、パイレッ
クスガラス製のものが使用されるが、アクリル樹脂やポ
リカーボネート等のプラスチック製容器も使用可能であ
り、電極との絶縁がとれているならばステンレスやアル
ミニウム等の金属製容器も使用可能である。処理容器2
内に一対の相対する平行平板型の上部電極4と下部電極
5が配置されている。電極配置構造としては、平行平板
型以外にも、同軸円筒型、円筒対向平板型、球対向平板
型、双局面対平板型でも、平板対向複数の細線からなる
場合でも構わない。
【0024】上記電極4及び5は、ステンレス、真鍮等
の多成分系の金属からなるものでもよく、銅、アルミニ
ウム等の純金属からなるものでもよい。下部電極5の上
部電極4との対向面には固体誘電体6が配設されてお
り、両者間の空間に放電プラズマを発生させる。
【0025】上記固体誘電体6は下部電極5の上部電極
4との対向面の全面を覆うように配設するのが好まし
い。一部でも覆われていない部分があると、その部分か
らアーク放電が生じるため好ましくない。なお、固体誘
電体6は上部電極4及び下部電極5の少なくとも一方の
対向面に配設されておれば十分である。
【0026】上記固体誘電体6としては、例えば、ポリ
フルオロエチレン(PTFE)やポリエチレンテレフタ
レート(PET)等のプラスチック;SiO2 、パイレ
ックスガラス、Al23、TiO2 等のガラスやセラミ
ックスが好適に用いられ、シート状でもフィルム状でも
使用可能である。しかし、固体誘電体6の厚みは、厚す
ぎると放電し難くなり、薄すぎると高電圧印加時に絶縁
破壊が起こりアーク放電が生じるため、材料の種類にも
よるが、通常0.05〜4mmの厚みが好ましい。
【0027】フッ素含有のガスは反応ガス導入管8を経
て多孔構造の上部電極4から、不活性ガスは不活性ガス
供給管9から、それぞれ、プラズマ照射部3に供給され
る。なお、上部電極4が多孔構造からなると、フッ素含
有ガスを表面処理部3に均一に供給して、均一な照射効
果が得られるため好ましいが、例えば、ガスを撹拌状態
にて供給するとか、ガスを高速で吹き付けるとかするこ
とにより、フッ素含有ガスをプラズマ照射部3に均一に
供給可能であれば、必ずしも多孔構造としなくてもよ
い。
【0028】また、不活性ガスはフッ素含有ガスと混合
して上部電極4から導入しても構わないが、均一性よく
照射効果を向上させるためには、フッ素含有のガスを上
部電極4から供給し、不活性ガスは不活性ガス導入管9
から供給するのが好ましい。
【0029】フッ素含有ガスや不活性ガスは、図示しな
いそれぞれのマスフローコントローラーによって流量が
制御されて供給される。そして、その混合ガスの大気圧
近傍の圧力下で、対向電極に電圧を印加することにより
放電プラズマを発生させ、その放電プラズマを固体誘電
体6上に装着されたポリビニルブチラールのシート状物
7に接触させ、その表面を処理する。
【0030】なお、上記の例では、シート状物7は片面
(図面では上面)のみが処理されるるが、両面の処理が
必要な場合は、金属電極4及び5間のプラズマ照射部3
に浮かせた状態で配置すればよい。
【0031】両方の電極間の距離は、供給されるガス流
量、印加電圧の大きさ、固体誘電体の材質及び厚みやシ
ート状物7の厚み等によって適宜決定されるが、一般に
1〜20mmが好ましい。この電極間の距離が20mm
を越えると電極空間のガス均一性が損なわれ易くなり、
逆に、1mm未満であると未使用のガスが多くなるため
非効率的となる。
【0032】過剰のフッ素含有ガスや不活性ガスは容器
のガス出口10から排出する。なお、処理容器2内にフ
ッ素含有ガス及び不活性ガスを導入する際に、処理容器
2内に残存する空気を排気口11から排気するのが好ま
しい。
【0033】次に、第2発明について説明する。第2発
明のブロッキング性の改善されたポリビニルブチラール
シートの製造方法は、可塑化されたポリビニルブチラー
ルより製せられたシート状物に、1×10-4〜100T
orrの圧力下でフッ素含有ガスが励起されたグロー放
電プラズマを接触させ該シート状物表面をフッ素化する
ことを特徴とする。
【0034】上記フッ素含有ガスとしては、第1発明と
同様のものが用いられる。上記フッ素含有ガスは、単独
で用いられてもよく、第1発明で使用されるものと同様
な不活性ガスと混合して使用してもよい。不活性ガスの
フッ素含有ガスに対する混合割合は、使用するガスの種
類によって適宜決定されるが、一般に50体積%以下が
好ましい。不活性ガスが過剰な場合は、不活性ガスの励
起種が処理面に多量に衝突し、該シート状物表面が低分
子量化され除去されてしまうおそれがある。
【0035】上記フッ素含有ガスはグロー放電プラズマ
によって励起される。グロー放電の発生手段としては、
例えば、直流電流、高周波、マイクロ波、電子サイクロ
トロン共鳴等による方法や、熱フィラメント加熱によっ
て熱分解する方法等が挙げられる。
【0036】第2発明で使用されるプラズマ処理装置と
しては、例えば、高周波容量結合型プラズマ処理装置が
挙げられる。
【0037】処理圧力は、1×10-4〜100Torr
の範囲内で励起手段によって適宜決定されるが、装置が
簡便で、比較的処理圧力が高い状態でもグロー放電プラ
ズマの発生可能な直流電流又は高周波電圧が印加でき
る、1×10-2〜100Torrの範囲が好ましい。処
理圧力が100Torrを超えると、熱プラズマとなり
遂にはアーク放電に移行してしまうため、該シート状物
が硬化したり焼けたりするので好ましくない。また、1
×10-4Torr未満であると、高価な真空チャンバー
や真空排気装置が必要となり、さらに、大面積のシート
状物を処理する場合は、処理容器の全体を大きくした
り、真空排気装置を大出力のものとする必要がある。
【0038】グロー放電プラズマ処理に要する投入電力
は、電極面積や形状にもよるが、30〜200Wが好ま
しい。投入電力が低すぎるとプラズマ密度やバイアスが
小さくなるため、処理に時間がかかり非能率的であり、
逆に高すぎると、シート状物の損傷が大きくなるため好
ましくない。
【0039】上記電極の構造は、平行平板型や曲面対向
平板型等の第1発明と同様の構造のものが用いられ、直
流電流や高周波電圧が容量結合形式で印加される。ま
た、高周波電圧印加の場合、外部電極を用いて誘導形式
によって印加可能である。
【0040】電極間の距離は処理圧力、シート状物の厚
み等によって適宜決定されるが、長すぎるとプラズマ密
度が低下し高電力が必要となるため、シート状物が電極
間に装着可能な範囲でなるべく小さくなるようにするの
がよい。グロー放電プラズマを接触させる場合、特にシ
ート状物を加熱したり冷却してもよいが室温下で十分で
ある。
【0041】また、処理時間は、投入電力によって適宜
決定され、投入電力が高くなれば、処理時間は短くてよ
く、一般的には、5秒程度で十分である。
【0042】本発明で得られたポリビニルブチラールシ
ートを、合わせガラス用中間膜として使用する場合は、
例えば、2枚のフロートガラス板の間またはガラス板と
プラスチックシートとの間に挟み、加温、加圧すること
により合わせガラスを作製することができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0044】(実施例1〜6)ポリビニルブチラール樹
脂(ブチラール化度65モル%)100重量部に対し
て、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート
40重量部を含有する樹脂組成物より、厚み0.7mm
のポリビニルブチラールシートを押出成形により作製し
た。次いで、図1に示すプラズマ処理装置(金属電極3
00□mm)使用し、上部電極4及び下部電極5間に該
ポリビニルブチラールシートのシート状物7を配置し、
処理容器2内を10Torrまでポンプ(図示しない)
で排気した。その後、表1に示すフッ素含有ガスを所定
のガス流量で多孔構造の上部電極4から、また、表1に
示すヘリウムガスを所定のガス流量でガス導入管9から
処理容器2内に導入し、処理容器2内の圧力を大気圧と
した後、表1に示す条件で放電プラズマを発生させ、シ
ート状物7に15秒間接触させ、ブロッキング性の改善
されたシート状物を得た。
【0045】(実施例7)高周波容量結合型プラズマ処
理装置(金属電極直径80mm)を用い、電極間距離3
0mmの電極空間内に、上記実施例1で得られたポリビ
ニルブチラールのシート状物を装着し処理容器内を1×
10-3Torrまでポンプで排気した。その処理容器内
に四フッ化炭素ガス(CF4)を導入し0.5Torr
に圧力調整した後、13.56MHzの高周波電圧を7
0Wの電力で印加して放電プラズマを発生させ、上記シ
ート状物に30秒間接触させ、ブロッキング性の改善さ
れたシート状物を得た。
【0046】(実施例8)四フッ化炭素ガスに代えて、
六フッ化プロピレン(CF3 CF・CF2)を導入し1分
間放電プラズマを接触させたこと以外は、実施例7と同
様にして、ブロッキング性の改善されたシート状物を得
た。
【0047】(比較例1)四フッ化炭素ガスに代えて、
酸素ガスを導入したこと以外は、実施例7と同様にし
て、表面処理されたシート状物を得た。
【0048】(比較例2)実施例1で使用されるものと
同様な、表面がフッ素化されていないポリビニルブチラ
ールシート同士を圧着してシート状積層体を得た。
【0049】上記実施例及び比較例で得られたシート状
物につき、下記のブロッキング性の性能評価を行い、そ
の結果を表1に示した。ブロッキング性能の評価方法 上記で得られたシート状物と未処理のポリブチラールシ
ートとを重ね合わせ、0.4kg/cm2の荷重を加
え、23℃、相対湿度50%の雰囲気で48時間放置し
て圧着させシート積層体を調製した後、剥離力試験機
(オリエンテックス社製)を用いて、シート積層体の1
80度剥離試験(引張り速度500mm/min)行
い、その剥離力(g/cm)を測定した。さらに、大気
中室温下で1ケ月間放置されたシー積層体について同様
な剥離試験を行い、ブロッキング性の経時変化を評価し
た。尚、比較例2については、得られたシート状積層体
をそのまま使用して180度剥離試験を行った。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明のブロッキング性の改善されたポ
リビニルブチラールシートの製造方法は、上述の構成で
あり、ポリビニルブチラールシートのブッロキッング性
が改善されているので、従来のように特殊な環境又はプ
ロセスを使用することなく、長期間の保存が可能であ
る。従って、合わせガラス用中間膜として使用する場
合、従来の製造方法に比べて煩雑な行程を必要としな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明で使用されるプラズマ処理装置の概略
図である。
【符号の説明】
1 電源部 2 処理容器 3 プラズマ照射部 4 上部電極 5 下部電極 6 固体誘電体 7 シート状物 8 フッ素含有ガス導入管 9 不活性ガス導入管 10 ガス出口 11 排気口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可塑化されたポリビニルブチラールのシー
    ト状物を、相対する一対の金属電極の少なくとも一方の
    対向面に固体誘電体が配設された金属電極間に配置し、
    10体積%以下のフッ素含有ガスと残部が不活性ガスか
    らなる混合ガス雰囲気中で大気圧近傍の圧力に保ち、電
    極に電圧を印加して放電プラズマを発生させ、該放電プ
    ラズマを該シート状物表面に接触させ、その表面をフッ
    素化することを特徴とするブロッキング性の改善された
    ポリビニルブチラールシートの製造方法。
  2. 【請求項2】可塑化されたポリビニルブチラールのシー
    ト状物に、1×10 -4〜100Torrの圧力下でフッ
    素含有ガスが励起されたグロー放電プラズマを接触さ
    せ、該シート状物表面をフッ素化することを特徴とする
    ブロッキング性の改善されたポリビニルブチラールシー
    トの製造方法。
JP242495A 1995-01-11 1995-01-11 ブロッキング性の改善されたポリビニルブチラールシートの製造方法 Pending JPH08188660A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP242495A JPH08188660A (ja) 1995-01-11 1995-01-11 ブロッキング性の改善されたポリビニルブチラールシートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP242495A JPH08188660A (ja) 1995-01-11 1995-01-11 ブロッキング性の改善されたポリビニルブチラールシートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08188660A true JPH08188660A (ja) 1996-07-23

Family

ID=11528880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP242495A Pending JPH08188660A (ja) 1995-01-11 1995-01-11 ブロッキング性の改善されたポリビニルブチラールシートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08188660A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004108804A1 (en) * 2003-06-03 2004-12-16 Solutia Incorporated Fluorinated polymer sheets
JP2015151326A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 株式会社クラレ 合わせガラス用中間膜およびそれを用いた合わせガラス

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004108804A1 (en) * 2003-06-03 2004-12-16 Solutia Incorporated Fluorinated polymer sheets
US6939612B2 (en) 2003-06-03 2005-09-06 Solutia Incorporated Fluorinated polymer sheets
JP2015151326A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 株式会社クラレ 合わせガラス用中間膜およびそれを用いた合わせガラス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI294466B (en) Dielectric-coated electrode,plasma discharge treatment and method for forming thin film
US6300641B1 (en) Process for modifying surfaces of materials, and materials having surfaces modified thereby
US4933060A (en) Surface modification of fluoropolymers by reactive gas plasmas
EP1796108A1 (en) Transparent conductive film
EP1645657A1 (en) Method for forming thin film and base having thin film formed by such method
Tatoulian et al. Role of helium plasma pretreatment in the stability of the wettability, adhesion, and mechanical properties of ammonia plasma-treated polymers. Application to the Al-polypropylene system
EP0127149B1 (en) A method for the treatment of a thermoplastic resin
JPH062149A (ja) プラズマ処理方法およびその装置
Vasilets et al. Improvement of the micro-wear resistance of silicone by vacuum ultraviolet irradiation
JP5747915B2 (ja) ガスバリアフィルムの製造方法
JPWO2006049153A1 (ja) フルオロカーボン膜およびその製造方法
JP2012143996A (ja) 積層体およびその製造方法
JPH08188660A (ja) ブロッキング性の改善されたポリビニルブチラールシートの製造方法
JP2004103271A (ja) 燃料電池用セパレータおよびその表面処理方法
JP2002151494A (ja) 常圧プラズマ処理方法及びその装置
JP5273074B2 (ja) バリアフィルムの製造方法
Dasilva et al. Adhesion of copper to poly (tetrafluoroethylene-co-hexafluoropropylene)(FEP) surfaces modified by vacuum UV photo-oxidation downstream from Ar microwave plasma
Cepeda-Jiménez et al. Surface modifications of EVA copolymers by using RF oxidizing and non-oxidizing plasmas
JPH08188658A (ja) 基材の表面処理方法
US3407130A (en) Process of treating polyvinylbutyral sheeting by an electric discharge in nitrogen toreduce blocking
JP2000129015A (ja) フッ素樹脂成形物の表面改質方法
JPH08188663A (ja) 基材の表面処理方法
JPH07204581A (ja) 積層体の製造方法
JPH06298971A (ja) フッ素樹脂成形品の表面処理方法
JP3134001B2 (ja) フッ素フイルムの表面改質方法