JPH08187817A - 建築用材料 - Google Patents

建築用材料

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JPH08187817A
JPH08187817A JP7003531A JP353195A JPH08187817A JP H08187817 A JPH08187817 A JP H08187817A JP 7003531 A JP7003531 A JP 7003531A JP 353195 A JP353195 A JP 353195A JP H08187817 A JPH08187817 A JP H08187817A
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gypsum
board
building material
curved
papermaking
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JP7003531A
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English (en)
Inventor
Norifumi Nagata
憲史 永田
Yoshikazu Nakakuki
義和 中茎
Shinkichi Tanabe
進吉 田辺
Tadanori Miyaji
貞憲 宮路
Seishiro Suzuki
征四郎 鈴木
Yoshitatsu Takamiya
善立 高宮
Masayuki Miyake
雅之 三宅
Tetsuo Sasano
哲郎 笹野
Masayuki Aikawa
雅行 相川
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NIPPON SEKKO BOARD KK
Ask Corp
Chichibu Onoda Cement Corp
Original Assignee
NIPPON SEKKO BOARD KK
Ask Corp
Chichibu Onoda Cement Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐火性、現場での施工性、耐衝撃性にも優
れ、多様化する建築内装材の意匠性に対しても柔軟に対
応でき、且つ安価な建築材料として使用することが出来
ることを特徴としている。 【構成】 石膏抄造板と石膏ボードから成り且つ円弧状
に湾曲されていて、石膏抄造板と石膏ボードが接着剤、
釘、ネジ、ステープルタッカーから選ばれた少なくとも
1種以上の接合材によって接合され、且つ表面には石膏
抄造板、裏面には1枚以上の石膏ボードが積層配置され
ていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築材料として使用
される円弧状に湾曲された建築用材料、更に詳しくは、
防火性や耐火性、断熱性、施工性、意匠性および耐衝撃
性等に優れ且つ安価な建築用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物の高層化、デザインの多様
化に伴い、建築構造物の鉄骨柱および梁等には、耐火性
および意匠性が強く求められている。例えば、ホテルの
ロビーやエントランスホール等の耐火被覆材料では、従
来、角柱型の耐火被覆材料が主流であったのに対し、最
近では多角形、或は円形状のものが多く使用される様に
成って来ている。更に、この様な場所では一般に人の往
来が激しく、或る程度の強度特性、すなわち耐衝撃性を
有していなくては成らないことも重要である。一方、施
工職人の老齢化や減少等といった問題を背景にして、施
工現場では簡単に扱える建材への要求が益々高くなって
来ており、施工性に優れた建築用部材の開発が益々活発
化している。この様なことから、耐火性、意匠性、施工
性および耐衝撃性等に優れた耐火被覆材料を安価に得る
ことが求められているが、円形の耐火被覆材料の製造は
非常に困難とされており、特殊な板材成形技術、或は施
工技術が望まれている。
【0003】こうした要求に対応する材料として、例え
ば特開昭52ー115825号公報に示される珪酸カル
シウム系材料から成る複合円筒体が挙げられる。これ
は、珪酸カルシウム系結晶から成る円筒層と、モルタル
やコンクリート、或は石膏およびテラゾの様な高強度お
よび高硬度を有する無機成形材料から成形された円筒層
との複合構造を有しており、これらの円筒層が遠心成型
法によって成形されて一体化されたものである。この様
な材料は、煙突用を初めとして、保温保冷用および耐火
被覆用等への応用を目的としたものであるが、これらの
複合円筒体の成形には、特殊な設備を必要とする遠心成
形機が採用されており、且つ珪酸カルシウムは合成方法
が複雑であるために、一般に高価であり、建築用材料と
して使用する場合でも、尚その適所箇所は限られている
のが現状である。
【0004】一方、安価な建築用材料として広く利用さ
れている耐火材料に石膏ボードが挙げられる。石膏ボー
ドは、ピンミキサーの様な連続ミキサーに、焼き石膏、
水、界面活性材およびその他の副資材を供給し、得られ
るスラリー状混合物を連続的に2枚の紙の間に流し込
み、硬化させることによって製造されるために生産性が
高く、様々な建築用材料の中でも特に安価な材料であ
る。この石膏ボードは、建築物の内装材として多用され
ており、通常には平面形状の板材として使われている
が、建築内装物の形状の多様化に伴い、曲面形状に加工
する方法も有る。その基本的な手法としては、社団法人
石膏ボード工業会から出版されている「石膏ボードハン
ドブック」(昭和39年刊行)に紹介されている様に、
求められる曲率半径が小さな場合には、石膏ボードの片
面の紙に10〜15mmの間隔で切り溝を入れて折り曲
げるものである。こうした技術に関連して、更に、強度
を確保して、施工性の改善を目的とした曲面石膏ボード
も提案されている。例えば、実開平3ー33131号公
報に示される石膏ボードを用いた曲面石膏ボードでは、
石膏ボードの片面に設けた凹溝の中にペースト状接合物
を充填、固化させて、折り曲げ部分の強度を確保する方
法が提案されている。また、補強用のネットまたはシー
トを切り込み部側に積層接着して、折り曲げた石膏ボー
ドの強度および作業性を向上させる方法も提案されてい
る。
【0005】併し乍ら、これら一連の技術において、先
ず、石膏ボードに何等かの切り溝を入れて折り曲げると
いう方法は、如何に溝の間隔を小さくしようとも、折り
曲げられた石膏ボードの表面は多角形を呈しており、滑
らかな曲面を形成させることは出来ない。また、この問
題を解決するために石膏プラスター等で石膏ボードの表
面を平滑にする方法も提案されているが、作業工程が煩
雑と成り、コストアップおよび工期の延長等が避けられ
ない。更に、円形の石膏ボードにクロスを張り付けて、
その後に改装等でクロスを剥がす場合に、石膏ボードの
原紙も一緒に剥がれてしまうという問題も有る。
【0006】従って、この発明の目的は、耐火性、現場
での施工性、耐衝撃性にも優れ、多様化する建築内装材
の意匠性に対しても柔軟に対応でき、且つ安価な建築材
料として使用することが出来る円弧状に湾曲した建築用
材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者等は、かゝる実情に鑑み鋭意検討した結
果、円弧状に湾曲した建築用材料を石膏抄造板と石膏ボ
ードから構成させることにより、耐火性、施工性、意匠
性および耐衝撃性等に優れ、且つ安価な建築用材料と成
ることを見い出し、この発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、この発明は先ず第1に、石膏抄
造板と石膏ボードから成り且つ円弧状に湾曲されてい
て、該石膏抄造板と該石膏ボードが、接着剤、釘、ネ
ジ、ステープルタッカーから選ばれた少なくとも1種以
上の接合材によって接合され、且つ表面には石膏抄造
板、裏面には1枚以上の石膏ボードが積層配置されてい
ることを特徴とする建築用材料を提供するものである。
【0009】この発明は、また第2に、石膏ボードが、
一方の面に互いに平行な複数個の溝が設けられ且つ湾曲
されていることを特徴とする上記の建築用材料を提供す
るものである。
【0010】更に、この発明は、第3に、複数枚の石膏
ボードが接合剤、釘、ネジ、ステープルタッカーから選
ばれた少なくとも1種以上の接合材により積層され、積
層された石膏ボードの一方の面に互いに平行な複数個の
溝が設けられ且つ湾曲されていることを特徴とする上記
の建築用材料を提供するものである。
【0011】この発明は、第4に、石膏ボードに設けら
れた互いに平行な複数個の溝に、無機系接着剤または無
機系充填剤が充填されていることを特徴とする上記の建
築用材料を提供するものである。
【0012】
【作用】先ず、この発明の建築用材料は、石膏抄造板と
石膏ボードを基本構成としている。こゝで、石膏抄造板
とは表面材として機能するものである。この様な石膏抄
造板は石膏をマトリックスとし、繊維を分散材とした繊
維複合材料の一種であって、焼き石膏、繊維および水か
ら成るスラリーをスクリーンによって濾過し、得られた
ケーキを養生し、乾燥して製造するために、石膏の内部
には繊維が均質に配合されており、他の石膏製品と異な
る優れた特性を有している。すなわち、斯様な石膏抄造
板は撓みが多くて靭性に富んだ材料であり、耐衝撃性に
優れ、角欠けが少なく、吸水性にも優れており、また、
従来の大工が行う釘打ち、鋸引き等の加工性が良く、更
に不燃材料である。
【0013】この発明の建築用材料は、この様な特性を
有する石膏抄造板を、予め湾曲成形して表面に配置して
いるために、石膏ボード単体で円筒体を施工する場合の
様に何等かの湾曲成形を施した石膏ボードの表面処理を
行う行程を省略することが出来、表面滑性および耐衝撃
性に優れた建築用材料を製造できる。更に、石膏抄造板
は石膏ボードとは異なり、表面にボード原紙が張られて
いないために、一旦張り付けたクロスを張り替える場合
でも、原紙の剥がれによる張り替え面の劣化を防止する
ことが出来、美しい仕上がりを見せることが出来る。ま
た、この様な石膏抄造板は石膏ボードと比較して耐火性
に優れているために、石膏抄造板を配置して成るこの発
明の建築用材料は、石膏ボード単体から製作された円筒
体に比較して板厚を薄くすることが出来ることも大きな
特徴の1つである。
【0014】石膏抄造板を湾曲成形するには、従来法に
従って、平板の石膏抄造板に適度の水分を付与し、半円
筒状の型枠上で破壊しないように徐々に力を加えて湾曲
させる方法、石膏抄造板の製造過程で湾曲プレスして湾
曲成形する方法等を用ることが出来る。いずれにせよ、
所望する曲率半径に適した湾曲成形法を適宜選択して用
いることが出来るものである。
【0015】また、建築用材料の裏面に配する部材に
は、建築用材料として一般に市販されている石膏ボード
を用いることが出来る。この石膏ボードはピンミキサー
の様な連続ミキサーに、焼き石膏、水およびその他の副
資材を供給して、得られるスラリー状混合物を連続的に
2枚のボード用原紙の間に流し込んで、硬化および乾燥
させることで製造されるために、生産性が高く、様々な
建築用材料の中でも特に安価な材料であり、且つ耐火性
に優れた材料でもある。この発明の建築用材料は、表面
に石膏抄造板、裏面に石膏ボードを夫々配置して一体に
複合化されているので、従来、各々単体では達成し得な
かった高度の耐火性を有した建築用材料を安価に提供す
ることが出来るものである。
【0016】石膏ボードを湾曲に成形するには、従来法
に従って、平板の石膏ボードに適度の水分を付与し、半
円筒状の型枠上で破壊しない様に徐々に力を加えて湾曲
させる方法、石膏ボードの製造過程で、湾曲プレスして
湾曲成形する方法、石膏ボードの表面紙を10〜15m
m間隔に切って湾曲させる方法、または石膏ボードの一
方の面に互いに平行な複数個の溝を設けて湾曲させる方
法等を用いることが出来る。いずれにせよ、所望する曲
率半径に適した湾曲成形法を適宜選択して用いることが
出来るものである。
【0017】こゝで、石膏ボードの一方の面に互いに平
行な複数個の溝を設けて湾曲させる方法において、曲率
半径は、石膏ボードに設けられる溝の幅、深さおよび切
り溝の間隔によって自在に設定することが出来る。例え
ば、この発明の建築用材料において、曲率半径の小さい
円筒を欲する場合には、望まれる曲率に合わせた石膏抄
造板を用意し、これに適合する様に、適宜石膏ボードに
設けられる溝の幅を広くするか、または深く切り溝を入
れるか、或は溝の間隔を狭める等の手段を夫々採るか或
は任意に組み合わせる等で実施することが出来る。一
方、曲率半径が大きい円筒を望む場合は、望まれる曲率
に合わせた石膏抄造板を用意し、これに適合する様に、
先に述べた溝の幅を狭くするか、または深さを浅くする
か、或は間隔を広げる等によって適宜対応することが出
来る。また、石膏抄造板と石膏ボードの接触面積を広く
することを望む場合、或は石膏ボードの表面を円形に近
付けたい場合には、上記の切り溝は頻繁に入れることが
好ましく、更に、石膏ボードの切り溝を入れた面を内側
にして湾曲させる場合には、所望する曲率に合わせ、切
り溝をV字型の溝にする等、適宜選択して用いることが
出来る。いずれにしても、石膏ボードに対する実用的な
切り溝加工とは、裏面に到達しない程度の深さの溝で、
且つ切り溝を入れた石膏ボードの形状が保たれるような
行為を指しており、一方で、特別な切り溝加工を施さず
とも所望の曲率が得られる場合には、含水による湾曲成
形等の手段も好適に用いられる。すなわち、この発明
は、石膏ボードの湾曲成形方法や、その曲率、或は抄造
板の湾曲成形方法等には何等の制約を受けるものではな
く、必要とする曲率の石膏抄造板と石膏ボードを用意し
て、表面には石膏抄造板を、裏面には石膏ボードを夫々
積層配置することで実施される。従って、この発明の建
築用材料はいかなる曲率半径にも対応することができ且
つ極めて意匠性に優れている。
【0018】この発明の建築用材料における石膏ボード
の積層は、耐火性および耐衝撃性の確保を目的とするも
のである。こゝで、一般に市販される石膏ボードの厚さ
は9〜25mmであり、所望する耐火等級を達成するた
めに必要にして且つ十分な厚さを確保するためには、1
枚或は必要に応じて複数枚の石膏ボードを適宜選択して
積層して使用している。
【0019】石膏ボードの積層方法は、一般に市販され
ている接着剤、例えば酢酸ビニル系等の有機系接着剤、
或は石膏、アルミナ、水ガラス等を主剤とする無機系接
着剤を使用するか、釘、ネジおよびステープルタッカー
等の接合材で止め付けて接合するが、これらの接着剤お
よび止め付け方法は単独で或は必要に応じて併用するこ
とが出来るものである。
【0020】また、複数枚の石膏ボードを用いて、建築
用材料とする場合には、石膏ボードは1枚毎に湾曲成形
を施したものを積層しても良いし、予め接着剤を用いて
積層して接着した後に、湾曲成形したものを用いても良
いが、湾曲成形の手段は適宜選択して用いることが出来
る。例えば、石膏ボードは1枚毎に複数個の切り溝を設
けて曲げ加工を施したものを積層して用いても良いし、
接着剤を用いて積層して接着した後に、厚さ方向に複数
個の切り溝を設けて曲げ加工したものを用いても良い。
特に、作業効率を確保するためには後者の方法が好まし
い。
【0021】この発明の建築用材料における石膏抄造板
と石膏ボードの積層は、一般に市販されている接着剤、
例えば酢酸ビニル系等の有機系接着剤、或は石膏、アル
ミナおよび水ガラス等を主剤とする無機系接着剤および
/または無機系充填剤等を使用するか、釘、ネジおよび
ステープルタッカー等で止め付けて接合するが、これら
の接着剤、充填剤および止め付け方法は単独で或は必要
に応じて併用することが出来る。石膏抄造板および石膏
ボードの接合は、接触面に接着剤を塗布し、或は無機系
接着剤および/または無機系充填剤を必要に応じて石膏
ボードに設けた溝にも充填する。この場合の主な目的は
耐火性能の向上である。
【0022】石膏ボードに設けた互いに平行な複数個の
溝に充填する無機系接着剤または無機系充填剤には、例
えば市販のジョイントセメント或は硬化型パテ或は乾燥
型パテ等を用いることが出来るが、無機系接着剤または
無機系充填剤であるならば、特に使用は限定されない。
また、石膏抄造板および石膏ボードとの接着性を特に考
慮する場合は、硬化型のパテの使用等を適宜選択して用
いることが出来る。耐火性能の向上を目的とした無機フ
ィラー、無機繊維、無機骨材の添加、或は防火性能、防
黴性等の諸性能の付与を目的とした各種薬剤の添加等
は、この発明の建築用材料全体の性能を向上させること
が出来る点で好ましい。すなわち、これらの接着剤およ
び充填剤、或は各種添加剤は所望に応じて単独で、或は
必要に応じて適宜混合して使用することが出来る。
【0023】この発明の建築用材料は、円周に対して垂
直に分割した成形体を用いることが出来る。こゝで、施
工後に現れる目地部の数は表面平滑性を高める点で少な
い方が好ましい。すなわち、成形体の分割数は出来るだ
け少ない方が好ましいが、入り角やコーナー等の施工に
用いる場合には、所望する大きさに分割したものを用意
するのが好適である。
【0024】
【実施例】次に、実施例を挙げてこの発明を更に詳細に
説明する。表1には、この発明に基づく実施例の内の代
表的な9例が示される共に、比較例が2例示されてい
る。尚、この発明は以下に示すこれらの実施例によって
何等制約を受けるものではない。
【0025】
【表1】
【0026】この発明の実施例には、市販の厚さ6mm
の石膏抄造板と、厚さ21mmの石膏ボードを用いた。
先ず、石膏抄造板の表面に水を散布して石膏抄造板に対
して約5重量部の水を含浸させ、更に、半円筒状の型枠
上で破壊しないように徐々に力を加えて湾曲して、半径
300mmの半円筒状に湾曲成形した。実施例1〜8お
よび比較例1、2は、この様な半円筒状部材を、鉄骨柱
の周りに円筒状に施工した下地材に、タッピングネジに
よって固定して、ジョイントセメントで目地処理を行っ
て、円形状の耐火被覆として施工した。また、実施例9
では、円周に対して4分割し、建築物内装の入り隅部が
曲面に成るように下地材にタッピングネジによって固定
して、ジョイントセメントで目地処理を行って施工し
た。
【0027】表面平滑性の評価は、目視および指の感触
で表面の凹凸状態を判定することによって評価した。耐
衝撃性の評価は、建築用材料の表面に重さ1kgのなす
型錘を高さ1mから落下させて、表面のへこみ等の状況
を観察して評価した。意匠性の評価は、表面に市販の壁
紙を張り、その後に、新たに張り替えを行って下地材の
剥離を観察することで判定した。耐火性の評価は、30
×30cmの平板を設置できる加熱炉で、JIS A 1
304建築構造部分の耐火試験方法に規定されている標
準加熱温度に準じて、60分間加熱して簡易的に評価し
た。すなわち、30×30cmの平板を試験体とし、耐
火炉に設置して加熱した。評価項目は裏面温度の測定お
よび放冷後に目視によって変形、破壊および脱落等の観
察を行った。
【0028】
【実施例1】実施例1では、図1に示される様に、石膏
ボード1を湾曲成形し、これを半円筒状の石膏抄造板2
上に配置し、図示の構造の建築用材料を以下の手順によ
り製作した。
【0029】先ず、半径が273mmの半円筒形の成形
型枠を設置し、その上に片面の紙を15mm間隔で切っ
た石膏ボード1を載置し、半円筒状の型枠上で破壊しな
いように徐々に力を加えて石膏ボード1を湾曲させた。
次に、この石膏ボード1の外面に、酢酸ビニル系の接着
剤を薄く一面に塗り付け、その上部に、石膏抄造板2を
張り合わせ、ステープルタッカー3を水平方向に300
mm間隔、垂直方向に200mm間隔で打ち付けて固定
した。その後、半径300mm、高さ1000mmの寸
法の半円筒体と成るように切断してこの発明による建築
用材料を得た。
【0030】表面平滑性の評価において、この発明の建
築用材料は石膏抄造板が円柱の表面に配置されており、
極めて滑らかな曲面であると判定された。また、耐衝撃
性の試験においては、へこみは何等見られず、更に、意
匠性の評価においても、その表面に剥離は見られず、従
って、この発明の建築用材料は耐衝撃性、意匠性とも共
に優れるものと判定された。
【0031】この発明の建築用材料は、石膏抄造板と石
膏ボードで構成され、同じ石膏を主成分とするために耐
火性に優れた材料である。耐火試験の結果、裏面温度は
230℃であり、また、取り出した試験体の形状は良く
保たれており、石膏抄造板と石膏ボードのひび割れは見
られなかった。以上のことにより、この発明による建築
用材料は耐火性、耐衝撃性および意匠性に優れた材料で
あると判定された。
【0032】
【実施例2】実施例2では、図2に示される様に、石膏
ボード4には、その一方の面に互いに平行な複数個の溝
6を設けて湾曲し、これを半円筒状の石膏抄造板2上に
積層配置して、図示の構造の建築用材料を以下の手順に
より製作した。
【0033】先ず、半径が273mmの半円筒形の成形
型枠を設置し、その上に、一方の面に互いに平行な複数
個の溝6を15mmピッチ、深さ19mmで設けた石膏
ボード4を湾曲させて載置した。次に、石膏抄造板2を
石膏ボード4上に貼り合わせて、ステープルタッカー3
を水平方向に300mm間隔、垂直方向に200mm間
隔で打ち付けて固定した。その後に、半径300mm、
高さ1000mmの寸法の半円筒体と成るように切断し
て、この発明による建築用材料を得た。
【0034】表面平滑性の評価において、この発明の建
築用材料は石膏抄造板が円柱の表面に配置されており、
極めて滑らかな曲面であると判定された。耐衝撃性の試
験においては、へこみは全く見られず、また、意匠性の
評価においては、その表面に剥離は見られず、この発明
の建築用材料は耐衝撃性、意匠性とも共に優れるものと
判定された。耐火試験の結果、裏面温度は240℃であ
り、取り出した試験体の形状は良く保たれていた。更
に、石膏抄造板と石膏ボードのひび割れは見られなかっ
た。以上のことから、この発明による建築用材料は耐火
性、耐衝撃性および意匠性に優れた材料であると判定さ
れた。
【0035】
【実施例3】実施例3では、図3に示される様に、石膏
ボード4は一方の面に互いに平行な複数個の溝6が設け
られて湾曲され、半円筒状の石膏抄造板2上に積層配置
されて、図示の様な構造の建築用材料が以下の手順によ
って製作された。
【0036】先ず、半径が271mmの半円筒形の成形
型枠を設置し、その上に、一方の面に互いに平行な複数
個の溝6が15mmピッチ、深さ19mmで設けられた
石膏ボード4を湾曲させ乍ら載置した。次に、この湾曲
させた石膏ボード4の溝6およびその表面に石膏系硬化
型パテ5を塗り付けた。続いて、石膏抄造板2を上記石
膏系硬化型パテ5を介して石膏ボード4上に貼り合わせ
た。石膏系硬化型パテ5の硬化後に、形成された積層体
を成形型枠から脱型して、室内養生および乾燥させた
後、半径300mmで厚さ29mm、高さ1000mm
の寸法の半円筒体と成るように切断して、この発明によ
る建築用材料を得た。
【0037】表面平滑性の評価において、この発明の建
築用材料は石膏抄造板が円柱の表面に配置されており、
極めて滑らかな曲面であると判定された。耐衝撃性の試
験においては、何等へこみは見られなかった。また、意
匠性の評価において、その表面には剥離が見られないこ
とから、この発明の建築用材料は耐衝撃性、意匠性とも
共に優れるものと判定された。耐火試験の結果、裏面温
度は225℃であり、取り出した試験体の形状も良く保
たれていた。更に、石膏抄造板と石膏ボードのひび割れ
は見られなかった。以上のことから、この発明による建
築用材料は耐火性、耐衝撃性および意匠性に優れた材料
であると判定された。
【0038】
【実施例4】実施例4では、図4に示される様に、半円
筒形の成形型枠の上に内側の石膏ボード1を湾曲させ乍
ら載置し、この内側の石膏ボード1の上に次の2枚目の
外側の石膏ボード1を適宜な接着剤を介して積層して湾
曲成形し、この様に2枚積層された外側の石膏ボード1
の上に半円筒状の石膏抄造板2を配置して、図示の構造
の建築用材料を以下の手順によって製作した。
【0039】先ず、半径が252mmの半円筒形の成形
型枠を設置し、その上に、片面の紙を15mm間隔で切
った1枚目の内側の石膏ボード1を載置し、この石膏ボ
ード1を半円筒状の型枠上で破壊しないように徐々に力
を加えて湾曲させた。この1枚目の内側の石膏ボード1
の外面に、酢酸ビニル系等の適宜な接着剤を薄く一面に
塗り付けて、その上部に、2枚目の外側の同様な石膏ボ
ード1を配置して接着剤を介して積層して湾曲成形し
た。この様に、2枚の石膏ボード1が積層されて成る積
層体の上に同様に接着剤を塗り付けて半円筒状の石膏抄
造板2を上記と同様に積層して貼り合わせて、積層した
半円筒状の石膏ボード1を作製した。次いで、それ以下
の作成方法を実施例1に準拠して同様の寸法の半円筒体
と成るよう切断して、この発明による建築用材料を得
た。
【0040】表面平滑性の評価において、この発明の建
築用材料は石膏抄造板が円柱の表面に配置されており、
極めて滑らかな曲面であると判定された。耐衝撃性の試
験においては、何等へこみは見られず、また、意匠性の
評価においても、石膏抄造板の表面に剥離は見られず、
この発明の建築用材料は耐衝撃性、意匠性とも共に優れ
るものと判定された。
【0041】この発明の建築用材料は、石膏抄造板と石
膏ボードで構成されており、同じ石膏を主成分とするた
めに耐火性に優れた材料である。耐火試験の結果、裏面
温度は110℃であり、また、取り出した試験体の形状
は良く保たれており、石膏抄造板と石膏ボードのひび割
れも全く見られなかった。以上のことから、この発明に
よる建築用材料は耐火性、耐衝撃性および意匠性に優れ
た材料であると判定された。
【0042】
【実施例5】実施例5では、図5に示される様に、石膏
ボードは2枚の石膏ボード4を積層湾曲成形して成るも
ので、内側の石膏ボード4の一方の面に互いに平行な複
数個の溝6が設けられて湾曲され、その上に、同様に一
方の面に複数個の溝6が設けられた外側の石膏ボード4
が適宜な接着剤によって接着積層されて成り、これに半
円筒状の石膏抄造板2を配置して、図示の構造の建築用
材料を以下の手順によって製作した。
【0043】先ず、半径が252mmの半円筒形の成形
型枠を設置し、その上に、一方の面に互いに平行な複数
個の溝6が15mmピッチ、深さ19mmで設けられた
1枚目の内側の石膏ボード4を湾曲させて載置した。こ
の1枚目の内側の石膏ボード4の外面に酢酸ビニル系等
の適宜な接着剤を薄く塗り付けた上に、同様に複数個の
溝6が設けられた2枚目の外側の石膏ボード4を配置し
て接着剤を介して積層して湾曲成形して2枚の石膏ボー
ド4を貼り合わせた。この様に2枚の石膏ボード4が積
層されて成る積層体の外側の石膏ボード4の外面に、同
様な酢酸ビニル系の接着剤を薄く一面に塗り付けてその
上に半円筒状の石膏抄造板2を上記と同様に配置して貼
り合わせて、ステープルカッター3を所要の間隔を置い
て打ち付けて固定して積層した半円筒状の石膏ボードを
作製した。次いで、それ以下の作成方法を実施例2に準
拠して同様の寸法の半円筒体と成るよう切断して、この
発明による建築用材料を得た。
【0044】表面平滑性の評価において、この発明の建
築用材料は石膏抄造板を円柱の表面に配置しており、極
めて滑らかな曲面であると判定された。また、耐衝撃性
の試験において、へこみは何等見られず、更に、意匠性
の評価においても、石膏抄造板の表面に剥離が見られ
ず、この発明の建築用材料は耐衝撃性、意匠性とも共に
優れるものと判定された。
【0045】この発明の建築用材料は、石膏抄造板と石
膏ボードとから構成されており、同じ石膏を主成分とす
るために耐火性に優れた材料である。耐火試験の結果、
裏面温度は115℃であり、また、取り出した試験体の
形状も良く保たれており、石膏抄造板と石膏ボードのひ
び割れは何等見られなかった。以上のことより、この発
明による建築用材料は耐火性、耐衝撃性および意匠性に
優れた材料であると判定された。
【0046】
【実施例6】実施例6では、図6に示される様に、石膏
ボードは予め2枚の石膏ボード4を積層して湾曲成形し
て成り、これを半円筒状の石膏抄造板2上に配置し、図
示の構造の建築用材料を以下の手順により製作した。
【0047】先ず、半径が252mmの半円筒形の成形
型枠を設置し、その上に、一方の面に互いに平行な複数
個の溝6が15mmピッチ、深さ19mmで設けられた
1枚目の内側の石膏ボード4を湾曲させて載置した。次
いで、この1枚目の湾曲させた内側の石膏ボード4の溝
6に石膏系硬化型パテ5を充填し、裏面、すなわち外面
にも同様に石膏系硬化型パテ5を塗り付けた。この様な
湾曲された1枚目の内側の石膏ボード4の上に、同様な
複数個の溝が設けられた2枚目の外側の別の石膏ボード
4を上記同様に湾曲成形して積層して貼り合わせて、積
層した半円筒状の石膏ボード4を作製した。次いで、こ
の様に2枚の石膏ボード4が積層されて成る積層体の、
2枚目の外側の石膏ボード4の溝6に同様に石膏系硬化
型パテ5を充填すると共に外面にも石膏系硬化型パテ5
を塗り付けた上に半円筒状の石膏抄造板2を配置して貼
り合わせて、積層した半円筒状の石膏ボードを作製し
た。それ以下の作成方法を実施例3に準拠して同様の寸
法の半円筒体と成るよう切断して、この発明における建
築用材料を得た。
【0048】表面平滑性の評価において、この発明の建
築用材料は石膏抄造板を円柱の表面に配置しており、極
めて滑らかな曲面であると判定された。耐衝撃性の試験
においては、何等へこみは見られず、また、意匠性の評
価においても、石膏抄造板の表面に剥離は見られず、こ
の発明の建築用材料は耐衝撃性、意匠性とも共に優れる
ものと判定された。
【0049】この発明の建用材料は、石膏抄造板と石膏
ボードで構成されており、同じ石膏を主成分とするため
に耐火性に優れた材料である。耐火試験の結果、裏面温
度は105℃であり、また、取り出した試験体の形状も
良く保たれており、石膏抄造板と石膏ボードのひび割れ
は見られなかった。以上のことから、この発明による建
築用材料は耐火性、耐衝撃性および意匠性に優れた材料
であるものとと判定された。
【0050】
【実施例7】実施例7では、図7に示される様に、石膏
ボードを複数枚使用した、この発明の建築用材料の一例
として、2枚の石膏ボード4を積層して、図示の構造の
建築用材料を以下の手順によって製作した。
【0051】先ず、2枚の石膏ボード4を酢酸ビニル系
の接着剤で積層接着させて、一方の面に、互いに平行な
複数個の溝6’を15mmピッチ、深さ40mmで入れ
た溝付き石膏ボード4を用意した。次に、半径252m
mの半円筒形の成形型枠を設置して、前記の石膏ボード
4を湾曲させて載置した。次いで、この様に湾曲成形さ
れた積層した石膏ボード4の外面に接着剤を介して半円
筒状の石膏抄造板2を貼り合わせた。それ以下の製作方
法は実施例2に準拠して同様の寸法の半円筒体と成るよ
う切断して、この発明による建築用材料を得た。
【0052】表面平滑性の評価において、この発明の建
築用材料は石膏抄造板を円柱の表面に配置しており、極
めて滑らかな曲面であると判定された。耐衝撃性の試験
においては、何等へこみは見られず、また、意匠性の評
価においても、石膏抄造板の表面に剥離は見られなかっ
た。以上のことから、この発明による建築用材料は耐衝
撃性および意匠性とも共に優れたものと判定された。
【0053】耐火試験の結果、裏面温度は115℃であ
り、取り出した試験体の形状は良く保たれており、石膏
抄造板と石膏ボードのひび割れは全く見られなかった。
以上のことから、この発明による建築用材料は耐火性、
耐衝撃性および意匠性に優れた材料であると判断され
た。
【0054】
【実施例8】実施例8では、図8に示される様に、石膏
ボードを複数枚使用した、この発明の建築用材料の一例
として、2枚の石膏ボード4を積層し、積層した石膏ボ
ード4の一方の面に設けられた溝6’に石膏系硬化型パ
テ5を充填して図示の構造の建築用材料を以下の手順に
より製作した。
【0055】先ず、2枚の石膏ボード4を酢酸ビニル系
の接着剤で積層接着させ、一方の面に、互いに平行な複
数個の溝6’を15mmピッチ、深さ40mmで入れた
溝付き石膏ボード4を用意した。次に、半径250mm
の半円筒形の成形型枠を設置し、前記の積層した石膏ボ
ード4を湾曲させて載置した。次いで、この湾曲成形し
た石膏ボード4の溝6’に石膏系硬化型パテ5を充填す
ると共に外面にも同様に石膏系硬化型パテ5を塗り付け
た。続いて、石膏系硬化型パテ5が充填および塗布され
た積層した石膏ボード6’の上に半円筒状の石膏抄造板
2を配置して貼り合わせた。それ以下の作成方法は実施
例3に準拠して同様の寸法の半円筒体と成るよう切断し
て、この発明による建築用材料を得た。
【0056】表面平滑性の評価において、この発明の建
築用材料は石膏抄造板が円柱の表面に配置されており、
極めて滑らかな曲面であると判定された。耐衝撃性の試
験において、へこみは何等見られなかった。また、意匠
性の評価においても、石膏抄造板の表面に剥離は見られ
なかった。以上のことにより、この発明の建築用材料は
耐衝撃性および意匠性とも共に優れるものと判定され
た。
【0057】耐火試験の結果、裏面温度は100℃であ
り、取り出した試験体の形状は良く保たれており、石膏
抄造板と石膏ボードのひび割れも全く見られなかった。
以上のことから、この発明による建築用材料は耐火性、
耐衝撃性および意匠性に優れた材料であると判定され
た。
【0058】
【実施例9】実施例9では、図9に示される様に、石膏
ボード4の一方の面、すなわち内面に互いに平行な複数
個の溝6を設けて湾曲成形し、半円筒状の石膏抄造板2
上に積層配置して、図示の構造の建築用材料を以下の手
順により製作した。
【0059】先ず、半径が294mmの半円筒形の成形
型枠を設置して、その上に半円筒状の石膏抄造板2を載
置した。次に、一方の面に互いに平行な複数個の溝6が
15mmピッチ、深さ19mmで設けられた石膏ボード
4を、溝6およびその表面に石膏系硬化型パテ5を塗り
付け、溝6を入れた面を内側にして、湾曲させながら石
膏抄造板2上に貼り合わせた。石膏系硬化型パテ5の硬
化終了後、成形型枠から脱型して、室内養生および乾燥
させた後、半径323mm、厚み29mm、高さ100
0mm、円周に対して垂直方向に4分割と成るように切
断して、この発明における建築用材料を得た。
【0060】表面平滑性の評価において、この発明の建
築用材料は石膏抄造板が円柱の表面に配置されており、
極めて滑らかな曲面であると判定された。耐衝撃性の試
験においては、何等へこみは見られないことから、この
発明の建築用材料は、耐衝撃性および意匠性とも共に優
れるものと判定された。耐火試験の結果、裏面温度は2
30℃であり、取り出した試験体の形状も良く保たれて
いた。更に、石膏抄造板と石膏ボードのひび割れは全く
見られなかった。以上のことより、この発明による建築
用材料は耐火性、耐衝撃性および意匠性に優れた材料で
あると判定された。
【0061】
【比較例1】図10に示す様な半円筒状に湾曲させた石
膏抄造板2のみから成る円筒体を製作した。円筒体の半
径は300mm、高さ1000mmに設定した。
【0062】耐衝撃性の試験において、円筒体の縦方向
に長さ20cm、中央部の深さ10mmの亀裂を生じ
た。
【0063】耐火試験の結果、加熱15分で試験体の裏
面温度が260℃を越えたゝめに、その時点で加熱は中
止した。以上により、この比較例1の円筒体は耐火性、
或は耐衝撃性が先のこの発明の建築用材料のいずれの実
施例よりも比較して劣っており、耐火性または耐衝撃性
が要求される箇所への適用は全く不可であると判定され
た。
【0064】
【比較例2】石膏ボード4の一方の面に互いに平行な複
数個の溝6を設けて湾曲させて、図11に示す建築用材
料を製作した。先ず、半径273mmの半円筒形の成形
型枠を設置し、その上に一方の面に、互いに平行な複数
個の溝6が15mmピッチで設けられた石膏ボード4を
湾曲させて載置した。次に、この様な湾曲させた石膏ボ
ード4の溝6およびその表面にも石膏系硬化型パテ5を
塗り付けて6mm厚さのパテ層を成形した。石膏系硬化
型パテ5の硬化終了後、成形型から脱型して、その後、
室内養生および乾燥させ、半径300mm、高さ100
0mmと成るように切断して、建築用材料を得た。
【0065】表面平滑性の評価において、この比較例2
の建築用材料の表面は滑らかな曲面ではなく凹凸を有す
るものであり、平滑性に劣り、美観を損ねるものであっ
た。また、耐衝撃性の試験においては、表面に25mm
径のへこみが出来、表面の石膏系硬化型パテに多数のヒ
ビが生じた。更に、市販壁紙を貼り付けたが、その表面
は凹凸を有しており、壁紙の接着も良好でなかった。
【0066】耐火試験の結果、裏面温度は280℃であ
り、取り出した板材の表面には石膏系硬化型パテの剥離
が見られた。以上から、この比較例2の建築用材料の円
筒体は耐火性、耐衝撃性および意匠性が要求される箇所
への適用が不可であると判定された。
【0067】
【発明の効果】この様に構成されたこの発明の建築用材
料は、耐火性、耐衝撃性が良好で、現場での施工性にも
優れ、多様化する建築内装材の意匠性に対しても柔軟に
対応でき、且つ安価な建築用材料として使用することが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】円弧状に湾曲した石膏抄造板の裏面に、湾曲し
た石膏ボードを1枚配置してステープルタッカーで固定
したこの発明の建築用材料の斜視図である。
【図2】円弧状に湾曲した石膏抄造板の裏面に、石膏ボ
ードの一方の面に互いに平行な複数個の溝を設けて湾曲
した石膏ボードを積層配置して、ステープルタッカーで
固定したこの発明の建築用材料の斜視図である。
【図3】円弧状に湾曲した石膏抄造板の裏面に、石膏ボ
ードの一方の面に互いに平行な複数個の溝を設けた石膏
ボードの表面と溝に無機系接着剤または無機系充填剤を
塗布、充填し、積層配置したこの発明の建築用材料の斜
視図である。
【図4】円弧状に湾曲した石膏抄造板の裏面に、湾曲し
た石膏ボードを2枚配置してステープルタッカーで固定
したこの発明の建築用材料の斜視図である。
【図5】円弧状に湾曲した石膏抄造板の裏面に、石膏ボ
ードの一方の面に互いに平行な複数個の溝を設けて湾曲
した石膏ボードを2枚積層配置し、ステープルタッカー
で固定したこの発明の建築用材料の斜視図である。
【図6】円弧状に湾曲した石膏抄造板の裏面に、石膏ボ
ードの一方の面に互いに平行な複数個の溝を設けた石膏
ボードの表面と溝に無機系接着剤または無機系充填剤を
塗布、充填し、積層配置したこの発明の建築用材料の斜
視図である。
【図7】円弧状に湾曲した石膏抄造板の裏面に、予め積
層接着した2枚の石膏ボードの一方の面に互いに平行な
複数個の溝を設けて湾曲した石膏ボードを積層配置し、
ステープルタッカーで固定したこの発明の建築用材料の
斜視図である。
【図8】円弧状に湾曲した石膏抄造板の裏面に、予め積
層接着した2枚の石膏ボードの一方の面に互いに平行な
複数個の溝を設けた石膏ボードの溝とその表面に無機系
接着剤または無機系充填剤を塗布して充填したこの発明
の建築用材料の斜視図である。
【図9】円弧状に湾曲した石膏抄造板の裏面に、石膏ボ
ードの一方の面に互いに平行な複数個の溝を設けた石膏
ボードの表面と溝に無機系接着剤または無機系充填剤を
塗布、充填し、その面を内側にして湾曲し、積層配置し
たこの発明の建築用材料の斜視図である。
【図10】円弧状に湾曲した石膏抄造板のみから成る建
築用材料体の斜視図である。
【図11】一方の面に互いに平行な複数個の溝を設けて
湾曲させた石膏ボードの溝と表面に無機系接着剤または
無機系充填剤を充填し、その表面をコテ仕上げした建築
用材料の斜視図である。
【符号の説明】
1 石膏ボード 2 石膏抄造板 3 ステープルタッカー 4 切り溝入り石膏ボード 5 石膏系硬化型パテ 6 溝 6’ 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04F 13/14 102 A 8913−2E (72)発明者 永田 憲史 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 中茎 義和 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 田辺 進吉 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 宮路 貞憲 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 鈴木 征四郎 茨城県牛久市栄町3−182 (72)発明者 高宮 善立 茨城県石岡市東光台4−13−1−408 (72)発明者 三宅 雅之 茨城県石岡市東光台4−13−2 アスク筑 波寮内 (72)発明者 笹野 哲郎 千葉県市原市桜台3−15−3 (72)発明者 相川 雅行 千葉県袖ケ浦市蔵波台4−21−18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石膏抄造板と石膏ボードから成り且つ円
    弧状に湾曲されていて、該石膏抄造板と該石膏ボード
    が、接着剤、釘、ネジ、ステープルタッカーから選ばれ
    た少なくとも1種以上の接合材によって接合され、且つ
    表面には石膏抄造板、裏面には1枚以上の石膏ボードが
    積層配置されていることを特徴とする建築用材料。
  2. 【請求項2】 石膏ボードは、一方の面に互いに平行な
    複数個の溝が設けられ且つ湾曲されていることを特徴と
    する請求項1記載の建築用材料。
  3. 【請求項3】 複数枚の石膏ボードが接合剤、釘、ネ
    ジ、ステープルタッカーから選ばれた少なくとも1種以
    上の接合材によって積層され、積層された石膏ボードの
    一方の面に互いに平行な複数個の溝が設けられ且つ湾曲
    されていることを特徴とする請求項1記載の建築用材
    料。
  4. 【請求項4】 石膏ボードに設けられた互いに平行な複
    数個の溝に、無機系接着剤または無機系充填剤が充填さ
    れていることを特徴とする請求項2または3いずれか記
    載の建築用材料。
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