JPH08187697A - スリッタスコアラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で保守・点検及び耐久性に優れ、
迅速かつ確実な位置調整と固定が可能なヘッドクランプ
装置を備えたスリッタスコアラを提供する。 【構成】 走行する段ボールウエブ１等に対して直交す
る幅方向に設置された梁６上を摺動して任意の位置で固
定自在にされたスリッタナイフ及び罫線ロール取付用ヘ
ッド４を軸支したそれぞれのブラケット９を備えるスリ
ッタスコアラにおいて、前記梁６上に設置された複数組
のエアシリンダ１２の作動による当板１４との接触によ
って前記各ブラケット９が所定位置に固定されるように
構成されたことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は段ボールコルゲータ等に
設備するスリッタスコアラに係り、特にスリッタナイフ
や罫線ロール取付用ヘッドを軸支させたブラケットを段
ボールウエブの横幅方向における任意の位置へ固定する
クランプ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３〜図５により従来型のスリッタスコ
アラについて説明すると、図３は従来型スリッタナイフ
取付用ヘッド及び罫線ロール取付用ヘッドの固定方法例
説明図、図４は段ボールウエブにおける罫入れ、切断加
工状況図、図５は一般的なスリッタスコアラの全体概略
構成説明図である。スリッタスコアラは、一対の罫線ロ
ール３ａ，３ｂとスリッタナイフ２によって図４に示す
如く走行する段ボールウエブ１に対し所定の罫線Ｋ及び
スリッティング溝Ｓの加工を施す装置である。同段ボー
ルウエブ１は製造する製品シート１５の横幅Ｗｏよりも
やや広い規格のものＷを選定しておき、原紙貼合わせに
当たってのズレ、或いは糊のハミ出し等不良の発生し易
い両幅端部は帯状に切断し損紙屑１６としてそれぞれの
トリムダクト１７において吸入処理し、良紙部分のみを
製品シート１５として取り出すものである。前記製品シ
ート１５には後工程において製造する段ボール箱の仕様
（形状，寸法）によって種々多様なものがあり、段ボー
ルウエブ１を切断するスリッタナイフ２、罫線を形成す
る罫線ロール３は同ウエブ１の横幅方向において複数組
を配設する事が多く、又機能上仕様に対応して駆動軸１
０上の任意の位置へ移動設定できる事が必要である。通
常、スリッタナイフ２や罫線ロール３を固着した取付用
ヘッド４は駆動軸１０端部のストレージ位置から軸方向
に移動自在なキャリア（図示せず）を介し軸に沿って移
送された後、次オーダーシート１５の形状に対応した所
定位置において固定される。

【０００３】次にスリッタナイフ２、罫線ロール３を固
着したヘッド４の固定方法について説明する。公知一般
的な固定方法としては図３に例示した如く駆動軸１０の
軸方向に沿ってキー溝を加工し長尺のキー１９を嵌合さ
せると共に、同キー１９の内側（軸心側）に位置した油
圧チューブ２０を具備させたものが多用されている。本
装置は駆動軸１０の外周側へ係合させたヘッド４に対し
前記油圧チューブ２０へ外部から圧油を給送し、チュー
ブ２０を拡大する事によってキー１９を軸の半径方向外
側へ押し出し、前記ヘッド４の内周面と、キー１９表面
へ発生する接触抵抗によってヘッド４を所定位置へ固定
するように構成されている。なお油圧チューブ２０内の
油圧を減圧し、同チューブ２０を収縮させればキー１９
が引き込まれて接触抵抗が小さくなり、ヘッド４を駆動
軸１０の軸方向に沿って自由に移動する事ができる。本
形式のクランプ装置は油圧チューブ２０への圧油の給送
及び油圧チューブ２０からの圧油の抜き取りによってヘ
ッド４に係合するキー１９を接離させるもので、油圧チ
ューブの拡縮において作動時間が長くかかり再設定の時
間が短縮できず、またチューブ２０としてゴム等の弾性
体を使用する構造上、耐久性が劣ると共に付属設備とし
て油圧装置等が必要で製造原価が高騰するといった欠点
がある。

【０００４】またその他のクランプ方法として、ヘッド
４を駆動軸１０上の所定位置へ移送した後にマグネット
を介して固定したり、或いはスリッタナイフ２の取付用
ヘッドや罫線ロール３の取付用ヘッドを支持させたブラ
ケットを搬送ネジを介して移動し、ネジの回転を停止す
る事によって位置を固定する方法等がある（図示省
略）。しかしこれらは構造が複雑で装置の製造原価が大
幅に高騰すると共に保守点検、修理が困難となる欠点が
あった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記した如く従来型ス
リッタスコアラでは、スリッタナイフ取付用ヘッド、罫
線ロール取付用ヘッドを駆動軸上の任意位置において固
定する方法として、同駆動軸表面へ軸方向に沿って長尺
のキーを埋め込み、同キーの内側（軸心側）へ設けた油
圧チューブの拡大を手段としてキーを軸の半径方向へ移
動し、軸上に摺動できるよう軸着したスリッタナイフ取
付用ヘッド、罫線ロール取付用ヘッドへ接触させる事に
よって固定する方式が一般的であったが、本方式は、 （１）ゴム等弾性体で形成した油圧チューブを使用する
構造上耐久性が劣しく、長期の使用によって破損（破
裂）の虞れがある。また駆動軸の強度も低下する。 （２）油圧チューブへ高圧の油を給送し、油圧チューブ
の拡大に伴う押上げ力を介してキー表面とヘッドに摩擦
力を発生させるもので、作動時間が長くかかるため設定
時間が短縮できない。 （３）油圧装置等を設備する必要があるため機械の製造
原価が高騰する。 等の問題があった。またネジ軸によりスリッタナイフ、
罫線ロール取付用ヘッドを移動設定する形式のものは位
置精度が安定するものの段ボールウエブの横幅方向にお
いて複数組のスリッタナイフ、罫線ロールを配置させる
ため構造が複雑になり製造原価が高騰する欠点があっ
た。その他マグネットによりスリッタナイフや罫線ロー
ルをクランプする形式のものでは固定機能が低く機械稼
働時において、軸方向のずれを生じたり、或いは確実に
固定するため大型の磁石を設備する必要がある等の不具
合があった。そこで本発明はスリッタスコアラにおいて
これらの課題を解決して、構造が簡単で保守・点検及び
耐久性に優れ、迅速かつ確実な位置調整と固定が可能な
ヘッドクランプ装置を備えたスリッタスコアラを提供す
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、走行
する段ボールウエブ等に対して直交する幅方向に設置さ
れた梁上を摺動して任意の位置で固定自在にされたスリ
ッタナイフ及び罫線ロール取付用ヘッドを軸支したそれ
ぞれのブラケットを備えるスリッタスコアラにおいて、
前記梁上に設置された複数組のエアシリンダの作動によ
る当板との接触によって前記各ブラケットが所定位置に
固定されるように構成されたもので、これを課題解決の
ための手段とするものである。また本発明は、前記梁を
断面門型チャンネルに形成すると共に同梁の両側に位置
して一対のレールを固着し、各レールに係合したリニア
ウエイを介してスリッタナイフ及び罫線ロールを取付け
たヘッドの位置決め用の各ブラケットを移動可能に支承
させてなるものであり、さらに前記梁上に設置され、梁
の両幅方向へ伸縮する一対のロッドを具備したエアシリ
ンダ複数組の各側ロッドの先端へ固着した一対の当板を
介して押圧接触させる事によって前記ブラケットを任意
の位置へ固定できるよう構成してなるもので、これを課
題解決のための手段とするものである。

【０００７】

【作用】前記構造のもと、つまり複数組のエアシリンダ
を介した押付けによるクランプ方式を採用し、オーダー
チェンジに伴いキャリアを介して所定位置迄移送された
複数組のブラケットは同位置においてキャリアから開放
されて停止した後、エアシリンダの梁の両幅方向への伸
長作動によってエアシリンダの各ロッドの先端に固着し
た当板により内側面を外側に押し出され、接触面に発生
する摩擦力を介して同位置に固定される。スリッタナイ
フを固着したヘッドはブラケットによって駆動軸上を摺
動した後、同ブラケットによって軸方向の位置が確実に
設定される。続いて駆動軸の回転によりスリッタナイフ
を回転させながら前記梁（チャンネル）を下降させ、走
行する段ボールウエブへ喰い込ませて切断加工を行わせ
る。また罫線ロールについてもヘッドを前記スリッタナ
イフと同様にブラケットへ軸支させた状態で移動させ所
定位置へ設定した後、段ボールウエブ１へ接近係合させ
て罫線加工を行わせる。以上のようにエアシリンダによ
るロッドの伸縮によってスリッタナイフ取付用ヘッドや
罫線ロール取付用ヘッドを支持するブラケットの固定及
び解除に係る作動時間を短くする事が可能で、これによ
ってオーダーチェンジに当たっての再設定時間を大幅に
短縮する事ができ、省力化と機械の稼働率向上が図れる
こととなった。しかも、構造が簡単で部品の加工費が低
減でき、また組立調整時間が短縮できるため機械製造費
のコストダウンが図れる。更に油圧チューブを使用しな
いため耐久性が大幅に向上し、保守点検、修理も容易に
なる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を図面について説明する
と、図１及び図２は本発明型スリッタスコアラに設備し
たスリッタユニット部の構成、機能説明図である。連続
走行する段ボールウエブ１に対し進行方向に沿った罫入
れ、切断加工を施すスリッタスコアラとしての基本機能
は前記従来技術の項において説明したものと同様であ
る。さて本発明では後工程において形成する段ボール箱
の仕様（形状、寸法）に対応して段ボールウエブ１の横
幅方向の所定位置へ移動設定するスリッタナイフ取付用
ヘッド４ａ、罫線ロール取付用ヘッド４ｂを固定するク
ランプ方式について提案するもので、以下構成及び機能
について説明する。本装置は図１及び図２に例示した如
く走行する段ボールウエブ１の両幅側に立設したフレー
ム５ａ，５ｂ間へ断面門型チャンネル等で形成した梁６
を走行する段ボールウエブ１等に対して直交する方向に
設置すると共に、同梁６の両側面に位置して一対のレー
ル７ａ，７ｂを固着させ、各レール７ａ，７ｂへ係合し
たリニアウエイ８ａ，８ｂを介してスリッタナイフ２及
び罫線ロール３を取付ける各ヘッド４の位置決め用ブラ
ケット９を支承させている。各ブラケット９の下端には
ベアリングを介して前記ヘッド４を回動可能に軸支させ
ている。またヘッド４は駆動軸１０に具備させたキー１
１により同駆動軸１０に対して回転方向の動きが規制さ
れ、つまり駆動軸１０と共に回転する。また軸方向へは
ブラケット９の摺動により自由に動く事ができるように
なっている。前記した横梁６の上面には長手方向（段ボ
ールウエブの横幅方向）において複数組のエアシリンダ
１２が並設してある。同各エアシリンダ１２は梁６の横
幅方向へ同期して伸縮する一対のロッド１３ａ，１３ｂ
を具備した形式のもので、各ロッド１３ａ，１３ｂ先端
には各々段ボールウエブ１の横幅全域に亘る長さの当板
１４ａ，１４ｂを固着させてある。前記ヘッド４を軸支
させた各ブラケット９はキャリア１８を介して段ボール
ウエブ１横幅方向の所定位置へ搬送された後、同位置に
おいて解放されるようになっている。

【０００９】前記構造のもと、次に作用について説明す
る。オーダーチェンジに伴いキャリアを介して所定位置
迄移送された複数組のブラケットは同位置においてキャ
リアから開放されて停止した後、エアシリンダの梁の両
幅方向への伸長作動によってエアシリンダの各ロッドの
先端に固着した当板により内側面を外側に押し出され、
接触面に発生する摩擦力を介して同位置に固定される。
スリッタナイフを固着したヘッドはブラケットによって
駆動軸上を摺動した後、同ブラケットによって軸方向の
位置が確実に設定される。続いて駆動軸の回転によりス
リッタナイフを回転させながら前記梁（チャンネル）を
下降させ、走行する段ボールウエブへ喰い込ませて切断
加工を行わせる。また罫線ロールについてもヘッドを前
記スリッタナイフと同様にブラケットへ軸支させた状態
で移動させ所定位置へ設定した後、段ボールウエブ１へ
接近係合させて罫線加工を行わせる。本発明型スリッタ
ナイフ、罫線ロール部のクランプ方式は以上の如きもの
で、エアシリンダ１２を手段とした固定方式に特徴を有
し、作動における応答速度が早く、かつ耐久性を大幅に
向上させる事ができるようになっている。また同スリッ
タナイフ２、罫線ロール３を支持した状態でブラケット
９を固定する構造上、機械稼働時において横方向（軸方
向）にずれを生じる虞れがなく、切断位置及び罫線位置
に精度が安定化する等後述する種々の効果を得ることが
可能となった。なお、前記したエアシリンダ１２は、例
示した伸長作動によってブラケット９を押付け固定する
以外、収縮によりブラケット９の一部を引き寄せ固定す
るように構成する事もできる。またシリンダ配置例とし
てはロッド１３を一側に設けたエアシリンダを千鳥状に
配置する等別の形式も採用できる。これら本発明は、前
記実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るもので
ある。

【００１０】

【発明の効果】以上詳細に説明した如く本発明は、エア
シリンダを手段とした固定方式によりリニアウエイを介
して軸方向に移動するスリッタユニット及び罫線ロール
ユニット等の各ブラケットを固定するので、固定におけ
る作動時間を短くする事ができ、オーダーチェンジに当
たっての再設定時間を大幅に短縮する事ができる。しか
も、構造が簡単で部品の加工コストが安価になり組立調
整時間が短縮できるため機械製造費のコストダウンが図
れる。また耐久性が大幅に向上し、保守点検、修理も容
易になる。更に稼働率の向上により生産性を上げる事が
できる等優れた効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るスリッタスコアラに設備したスリ
ッタユニット部の構成、機能説明図の側面図である。

【図２】図１のＡ部詳細図である。

【図３】従来型スリッタユニット、罫線ロールユニット
の固定方法例説明図である。

【図４】段ボールウエブにおける罫入れ加工切断加工状
況図である。

【図５】一般的なスリッタスコアラの全体概略構成説明
図である。

【符号の説明】

１ 段ボールウエブ ２ スリッタナイフ ３ 罫線ロール ４ 取付用ヘッド ５ フレーム ６ 梁 ７ レール ８ リニアウエイ ９ ブラケット １０ 駆動軸 １１ キー １２ エアシリンダ １３ ロッド １４ 当板 １５ 製品シート １６ 損紙屑（トリム） １７ トリムダクト １８ キャリア Ｋ 罫線 Ｓ スリッティング溝

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行する段ボールウエブ等に対して直交
   する幅方向に設置された梁上を摺動して任意の位置で固
   定自在にされたスリッタナイフ及び罫線ロール取付用ヘ
   ッドを軸支したそれぞれのブラケットを備えるスリッタ
   スコアラにおいて、前記梁上に設置された複数組のエア
   シリンダの作動による当板との接触によって前記各ブラ
   ケットが所定位置に固定されるように構成されたことを
   特徴とするスリッタスコアラ。
2. 【請求項２】 前記梁を断面門型チャンネルに形成する
   と共に同梁の両側に位置して一対のレールを固着し、各
   レールに係合したリニアウエイを介してスリッタナイフ
   及び罫線ロールを取付けたヘッドの位置決め用の各ブラ
   ケットを移動可能に支承させたことを特徴とする請求項
   １記載のスリッタスコアラ。
3. 【請求項３】 前記梁上に設置され、梁の両幅方向へ伸
   縮する一対のロッドを具備したエアシリンダ複数組の各
   側ロッドの先端へ固着した一対の当板を介して押圧接触
   させる事によって前記ブラケットを任意の位置へ固定で
   きるよう構成したことを特徴とする請求項２記載にスリ
   ッタスコアラ。