JPH081875Y2 - プリンタのペーパーガイド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、回転軸にペーパーガイドとともにカムが
取り付けられているプリンタのペーパーガイド装置に関
するものである。

［従来の技術］ 従来、プリンタ内で用紙をガイドするペーパーガイド
の支軸を、省スペースなどのために、例えばクランパ開
閉用などのカムの回転軸と共用する場合がある。第３図
は従来のこの種のペパーガイド装置の一例を示す断面図
である。

図において、符号（１）は外周面の４カ所に位置決め
溝（1a）が設けられている断面円形の回転軸、（２）は
回転軸（１）の位置決め溝（1a）間に回転自在に支持さ
れている円筒状のペパーガイド、（３）は回転軸（１）
の位置決め溝（1a）間に取り付けられている用紙クラン
パ（図示せず）開閉用のカムであり、このカム（３）
は、中央部の貫通孔（3a）に回転軸（１）が貫通してお
り、かつ回転軸（１）とともに回転するようになってい
る。（４）は各位置決め溝（1a）にそれぞれ取り付けら
れているＥ形止め輪であり、これらのＥ形止め輪（４）
により、ペーパーガイド（２）及びカム（３）の軸方向
に対する位置決め固定が行われている。

上記のように従来のペーパーガイド装置においては、
これを組み立てる場合、回転軸（１）をその軸端部から
ペーパーガイド（２）及び（３）の貫通孔（3a）に貫通
させ、これらペーパーガイド（２）及びカム（３）をそ
れぞれ所定の位置決め溝（1a）間に移動させる。この
後、Ｅ形止め輪（４）を軸方向に対して直角の方向から
位置決め溝（1a）に嵌め込む。これにより、ペーパーガ
イド（２）及び（３）が所定の位置に取り付けられる。

このようなペーパーガイド装置では、回転軸（１）の
回転によりカム（３）が回転し、クランパが開閉され
る。また、搬送された用紙の移動とともに、回転軸
（１）の回転とは無関係にペーパーガイド（２）が回転
して用紙をガイドする。

［考案が解決しよとする課題］ 上記のように構成された従来のプリンタのペーパーガ
イド装置においては、ペーパーガイド（２）及びカム
（３）のそれぞれ両端にＥ形止め輪（４）が必要である
ため、部品点数が多くなってしまい、またペーパーガイ
ド（２）及びカム（３）の両方を回転軸（１）の軸端部
から通して行く必要があるため、組立に手間がかかり、
さらに摩耗などのためにカム（３）を交換する際にも手
間がかかるなどの問題点があった。

この考案は、上記のような問題点を解決することを課
題としてなされたものであり、部品点数を削減すること
ができ、かつ回転軸に対するカムの着脱を容易にするこ
とができ、これにより組立性及び保守性を向上させるこ
とができるプリンタのペーパーガイド装置を得ることを
目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案に係るプリンタのペーパーガイド装置は、外
周面に平面部を設けることにより回転軸に取付部を設
け、またカムに溝部を設け、この溝部を取付部に係合さ
せ、さらにカムの軸方向端部に第１の係合部を設けると
ともに、ペーパーガイドの軸方向端部に第２の係合部を
設け、これら第１及び第２の係合部を互いに係合させ、
さらにまたペーパーガイドの軸方向固定手段を回転軸に
設けたものである。

［作用］ この考案においては、カムの溝部を回転軸の取付部に
係合させることにより、回転軸に対する軸方向及び回転
方向へのカムの固定を行い、また第１及び第２の係合部
を互いに係合させることによりカムの回転軸に対する径
方向への固定を行い、さらに軸方向固定手段によりペー
パーガイドの回転軸に対する軸方向への固定を行う。

［実施例］ 以下、この考案の実施例を図について説明する。第１
図はこの考案の一実施例によるプリンタのペーパーガイ
ド装置を示す分解斜視図、第２図は第１図の装置の組立
後の断面図である。

図において、符号（11）は断面円形の回転軸であり、
この回転軸（11）の軸方向の途中には、フライス加工に
より外周面に互いに平行な２つの平面部が形成され（い
わゆる両面Ｄカットが施され）てなる取付部（11a）が
設けられている。また、回転軸（11）には、取付部（11
a）から軸方向に所定の距離をおいて、軸方向固定手段
であるＥ形止め輪（４）を取り付けるための止め輪溝
（11b）が設けられている。

（12）は取付部（11a）に取り付けられ、外周部から
中央部に向けてＵ字状の溝部（12a）が設けられている
用紙クランパ（図示せず）開閉用のカムであり、このカ
ム（12）は、溝部（12a）を取付部（11a）に係合させる
ことにより、回転軸（11）に軸方向及び回転方向（周方
向）に対して固定されている。また、カム（12）の軸方
向端部には、第１の係合部である円形の凹部（12b）が
設けられている。

（13）は回転軸（11）に回転自在に取り付けられ、用
紙をガイドする円筒状のペーパーガイドであり、このペ
ーパーガイド（13）のカム（12）側の軸方向端部には、
第２の係合部である凸部（13a）が設けられており、こ
の凸部（13a）が凹部（12b）に係合することにより、回
転軸（11）に対する径方向（着脱方向）へのカム（12）
の固定が行われている。また、ペーパーガイド（13）
は、Ｅ形止め輪（４）により、凸部（13a）が凹部（12
b）に係合した状態で軸方向に対して固定されている。

上記のように構成されたペーパーガイド装置において
は、これを組み立てる場合、まず径方向から溝部（12
a）を取付部（11a）に係合させることにより、回転軸
（11）にカム（12）を取り付ける。これとともに、筒状
のペーパーガイド（13）に回転軸（11）を貫通させる。
この後、ペーパーガイド（13）を所定の位置まで移動さ
せ、凸部（13a）を凹部（12b）に係合させる。この後、
Ｅ形止め輪（４）を止め輪溝（11b）に嵌め込む。

このようにして組み立てられたペーパーガイド装置で
は、溝部（12a）を取付部（11a）に係合させることによ
り、カム（12）の回転軸（11）に対する軸方向及び回転
方向への固定が行われる。また、凸部（13a）を凹部（1
2b）に係合させることにより、カム（12）の回転軸（1
1）に対する径方向への固定が行われ、カム（12）が回
転軸（11）から外れるのが防止される。さらに、Ｅ形止
め輪（４）により、ペーパーガイド（13）の回転軸（1
1）に対する軸方向への固定が行われる。このため、従
来と同様に、カム（12）は回転軸（11）の回転とともに
回転し、ペーパーガイド（13）は回転軸（11）に対して
回転自在になっている。

このようなペーパーガイド装置では、従来４個必要で
あったＥ形止め輪（４）が１個になり、従来より部品点
数が削減されている。また、ペーパーガイド（13）は軸
端部から回転軸（11）に取り付ける必要があるが、カム
（12）は径方向から容易に取り付けられるので、カム
（12）の組立性が向上する。

さらに、カム（12）を交換する場合などには、Ｅ形止
め輪（４）を外し、ペーパーガイド（13）を少しずらし
て、凸部（13a）と凹部（12b）との係合を解除すれば、
カム（12）を回転軸（11）から簡単に外すことができ、
これによりカム（12）の保守性も向上する。

なお、上記実施例では回転軸（11）にカム（12）とペ
ーパーガイド（13）とがそれぞれ１個ずつ取り付けられ
たものを示したが、通常はそれぞれ複数個ずつ取り付け
られる場合が多く、この場合にもこの考案を適用できる
ことは言うまでもない。この場合、例えば取付部（11
a）をカム（12）の個数分設け、カム（12）の両側に凹
部（12b）を設けるとともに、ペーパーガイド（13）の
両端部に凸部（13a）を設け、カム（12）とペーパーガ
イド（13）とを交互に配置すればよい。

また、上記実施例では取付部（11a）として両面Ｄカッ
トしたものを示したが、片面でもよい。

さらに、上記実施例では第１及び第２の係合部として
それぞれ凹部（12b）及び凸部（13a）を示したが、これ
らに限定されるものではなく、例えば凹凸を逆にするな
どしてもよい。

さらにまた、上記実施例ではカム（12）として用紙ク
ランパ開閉用のものを示したが、例えばプラテンローラ
に対してヘッドを往復動させるためのもの、ピンチロー
ラをプラテンローラに対して開閉させるためのもの、又
は給紙部の用紙送り出しのためのものなどであってもよ
い。

また、上記実施例では軸方向固定手段としてＥ形止め
輪（４）を示したが、例えば他のタイプの止め輪など、
他のものであってもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案のプリンタのペーパー
ガイド装置は、回転軸の外周面に平面部を設けてなる取
付部に、カムの溝部を係合させることにより、カムの回
転軸に対する軸方向及び回転方向への固定を行い、また
カムの第１の係合部とペーパーガイドの第２の係合部と
を互いに係合させることにより、カムの回転軸に対する
径方向への固定を行い、軸方向固定手段によりペーパー
ガイドの回転軸に対する軸方向への固定を行ったので、
部品点数を削減することができ、かつ回転軸に対するカ
ムの着脱を容易にすることができ、これにより組立性及
び保守性を向上させることができるなどの効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す分解斜視図、第２図
は第１図の組立状態の断面図、第３図は従来例を示す断
面図である。 図において、（４）はＥ形止め輪（軸方向固定手段）、
（11）は回転軸、（11a）は取付部、（12）はカム、（1
2a）は溝部、（12b）は凹部（第１の係合部）、（13）
はペーパーガイド、（13a）は凸部（第２の係合部）で
ある。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外周面に平面部を設けてなる取付部を有し
   ている回転軸と、 溝部を有しており、この溝部を前記取付部に係合させる
   ことにより、前記回転軸に軸方向及び回転方向に対して
   固定されており、かつ軸方向端部に第１の係合部が設け
   られているカムと、 前記回転軸に貫通され、かつ軸方向端部に設けられてい
   る第２の係合部が前記第１の係合部に係合して前記カム
   の前記回転軸に対する径方向への固定を行うとともに、
   前記回転軸に対して回転自在になっており、プリンタの
   用紙をガイドする筒状のペーパーガイドと、 前記回転軸に設けられ、前記ペーパーガイドを軸方向に
   対して固定するための軸方向固定手段と を備えていることを特徴とするプリンタのペーパーガイ
   ド装置。