JPH08184818A - アクティブマトリクス表示素子 - Google Patents

アクティブマトリクス表示素子

Info

Publication number
JPH08184818A
JPH08184818A JP32636194A JP32636194A JPH08184818A JP H08184818 A JPH08184818 A JP H08184818A JP 32636194 A JP32636194 A JP 32636194A JP 32636194 A JP32636194 A JP 32636194A JP H08184818 A JPH08184818 A JP H08184818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
thin film
film layer
shielding film
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32636194A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Fujisawa
敦 冨士澤
Ryohei Shimoda
良平 下田
Manabu Furuta
学 古田
Yukihiko Takeuchi
志彦 竹内
Yutaka Kobashi
裕 小橋
Tomoko Uemura
倫子 植村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP32636194A priority Critical patent/JPH08184818A/ja
Publication of JPH08184818A publication Critical patent/JPH08184818A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一対の透明な絶縁性の基板1・2と、上記基
板1上にマトリクス状に形成された絵素電極3と、基板
2の上記絵素電極3の対向面側に形成され、この対向す
る絵素電極3の表示領域以外の部分を覆う遮光膜7とを
有する。上記遮光膜7は、光の入射側にアルミニウム薄
膜からなる第1薄膜層7a、この第1薄膜7a上に酸化
アルミニウム薄膜からなる第2薄膜層7bが形成されて
いる。 【効果】 強い照射光を用いて表示画面の高輝度化が図
れ、しかも、温度上昇が小さく、高コントラスト値を有
する投射型の画像表示装置に好適に使用されるアクティ
ブマトリクス表示素子を容易に、しかも安価に提供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクリーン上に画像を
拡大投射する投射型の画像表示装置に好適に用いられる
アクティブマトリクス表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリクス表示素子において
は、対向する基板の一方に絵素電極がマトリクス状に配
列されて、絵素と呼ばれる表示単位が構成されている。
これらの絵素電極には、薄膜トランジスタ(Thin Film
Transistor,以下、TFTと称する)等のスイッチング
素子を介して独立した駆動電圧が印加される。駆動電圧
が印加されると、絵素電極と他方の基板上の対向電極と
の間に封入された液晶等の表示媒体の光学的性質が変化
し、絵素が表示される。これらの複数の絵素によって画
像や文字等が表示される。
【0003】このような表示素子は、従来、パーソナル
コンピュータ、ワードプロセッサ、ポケットテレビ等
の、直視型の画像表示装置に用いられてきた。しかし、
近年、これらの表示素子は、画像を投影レンズによって
スクリーン上に拡大投射する投射型の画像表示装置にも
用いられるようになった。
【0004】ところで、アクティブマトリクス方式の表
示素子に用いられるTFTには、アモルファスシリコ
ン、多結晶シリコン等の半導体が使われる。これらの半
導体では、一般に光によってキャリアが励起され、スイ
ッチング素子としてのオフ特性が悪くなるという問題点
があった。この問題点を解決するために、特開昭56−
14032号公報には、TFTを覆った遮光膜が設けら
れているアクティブマトリクス表示素子が開示されてい
る。また、TFTを駆動するバス配線と絵素電極との間
の浮遊容量を低減するために、通常これらの間にギャッ
プを設け、これらが互いに重なり合わないように設計さ
れている。ところが、このギャップから光が漏れるた
め、コントラストが低下するという問題点があった。
【0005】そこで、このようなコントラストの低下を
避けるために、例えば特開昭59−116721号公報
には、TFTと光源との間に、絵素よりも小さな開口部
を有する遮光膜が設けられた「液晶表示装置」が開示さ
れている。一般に、表示に寄与しない遮光膜によって反
射した光が目に入るとコントラストが低下するので、直
視型の画像表示装置に用いられる遮光膜には、反射率の
低い金属が従来より用いられている。具体的には、クロ
ム、モリブデン、タンタル等が挙げられる。ところが、
投射型の画像表示装置においては、強い光が照射される
ため、上述のような反射率の低い金属からなる遮光膜を
設けると、遮光膜が光を吸収して表示素子の温度が上昇
し表示の不良を起こし、これによって、表示素子の信頼
性が低下するという問題が生じる。
【0006】そこで、表示素子の温度上昇の問題を解決
するために、例えば特開平1−102430号公報に
は、遮光膜として、光の入射側に反射率の高い膜、液晶
層側に反射率の低い膜となる2層膜構造の遮光膜(第2
図)が開示されている。上記高反射率の膜の材料として
アルミニウムを使用し、低反射率の膜の材料としてクロ
ム等を使用している。このような遮光膜では、入射光に
よる温度上昇を抑える一方、液晶層内の入射光の反射に
よるTFTへの光の入射を抑えることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に遮光膜を高反射率の膜と低反射率の膜との2層構造と
した場合、上記したようにそれぞれ材料が異なるため、
それぞれの材料に応じた膜形成を行なう必要がある。こ
のため、入射光による温度上昇を抑える一方、液晶層内
の入射光の反射によるTFTへの光の入射を抑えること
ができるものの、遮光膜を単層構造にした場合に比べ
て、遮光膜の材料費が向上すると共に製造工程が繁雑と
なる。したがって、アクティブマトリクス表示素子の製
造に係る費用が高くなるという問題が生じる。
【0008】本発明は、上記の問題点に鑑みなされたも
のであり、その目的は、強い照射光を用いて表示画面の
高輝度化が図れると共に、温度上昇が小さく、高コント
ラスト値を有する投射型の画像表示装置に好適に使用さ
れ、しかも、容易に且つ安価に製造し得るアクティブマ
トリクス表示素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のアクティブマ
トリクス表示素子は、一対の透明な絶縁性の基板と、上
記一対の基板の一方にマトリクス状に形成された絵素電
極と、他方の基板の上記絵素電極との対向面側に形成さ
れ、この対向する絵素電極の表示領域以外の部分を覆う
遮光膜とを有し、上記遮光膜は、基板上に形成されたア
ルミニウム薄膜層と、このアルミニウム薄膜層上に形成
された酸化アルミニウム薄膜層とからなることを特徴と
している。
【0010】請求項2のアクティブマトリクス表示素子
は、一対の透明な絶縁性の基板と、上記一対の基板の一
方にマトリクス状に形成された絵素電極と、他方の基板
の上記絵素電極との対向面側に形成され、この対向する
絵素電極の表示領域以外の部分を覆うアルミニウム薄膜
からなる遮光膜とを有し、上記遮光膜は、基板上に常温
で形成された第1薄膜層と、この第1薄膜層上に上記第
1薄膜層よりも光の反射率が低くなるように、上記第1
薄膜層の形成温度よりも高い温度で形成された第2薄膜
層とからなることを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1の構成によれば、遮光膜が、基板上に
形成されたアルミニウム薄膜層と、このアルミニウム薄
膜上に形成された酸化アルミニウム薄膜層とからなるこ
とで、遮光膜の光の入射側での光の反射率は高く、絵素
電極側での光の反射率を光の入射側よりも低くすること
ができる。
【0012】これにより、アクティブマトリクス表示素
子への入射光は、遮光膜の開口部より絵素電極側に透過
する一方、遮光膜のアルミニウム薄膜層により殆ど反射
される。また、遮光膜の端縁部への照射光は、回折光と
なっても、酸化アルミニウム薄膜層により吸収されてし
まうので、光漏れを起こしたりすることはない。さら
に、遮光膜の開口部より入射した照射光は、その殆どが
透過するが、仮に絵素電極上で反射しても、その反射光
は、遮光膜の酸化アルミニウム薄膜層に吸収されるた
め、散乱光等が発生することはなく、絵素電極を駆動す
るための、例えば薄膜トランジスタ等の能動素子に入射
される光を抑えることができる。
【0013】また、遮光膜は、基板にアルミニウム薄膜
を形成した後、その表面を酸化処理するだけで形成する
ことができるので、高反射率の膜としてアルミニウム膜
を使用し、低反射率の膜としてクロム膜を使用した場合
のように、別々の材料にて遮光膜を製造した場合に比べ
て、遮光膜の材料費を低減すると共に製造工程を簡略化
することができる。
【0014】したがって、強い照射光を用いて表示画面
の高輝度化が図れ、しかも、温度上昇が小さく、高コン
トラスト値を有する投射型の画像表示装置に好適に使用
されるアクティブマトリクス表示素子を容易に、しかも
安価に提供することができる。
【0015】請求項2の構成によれば、遮光膜が、基板
上に常温で形成された第1薄膜層と、この第1薄膜層上
に上記第1薄膜層よりも光の反射率が低くなるように、
上記第1薄膜層の形成温度よりも高い温度で形成された
第2薄膜層とからなることで、遮光膜の光の入射側での
光の反射率は高く、絵素電極側での光の反射率を光の入
射側よりも低くすることができる。
【0016】このことは、膜形成時の温度とその膜の鏡
面反射率との関係、例えばアルミニウム薄膜をスパッタ
リングにより形成した場合、アルミニウムがスパッタリ
ングされる基板の温度が上昇すれば、形成されるアルミ
ニウムの鏡面反射率が低下するという関係から明らかで
ある。この場合、一般に、基板温度が約120℃以上に
なれば、急激に鏡面反射率が低下し、特に、200℃〜
300℃の高温では、その低下が著しいことが分かって
いる。
【0017】したがって、遮光膜を形成する工程、例え
ばアルミニウム薄膜層をスパッタリングにより形成する
工程において、アルミニウム薄膜層が形成される基板の
温度を換えるだけで光の反射率を、光の入射側と絵素電
極側とで換えることができる。これにより、従来のよう
に、異なる素材により積層された遮光膜を製造する場合
に比べて、製造工程を簡略化することができ、製造に係
る装置の簡素化も図ることができるので、アクティブマ
トリクス表示素子の製造を、容易に、しかも安価に提供
することができる。
【0018】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例について図1および図3
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0019】本実施例に係るアクティブマトリクス表示
素子としての液晶表示素子11は、図1に示すように、
一対の透明な絶縁性の基板(例えば、ガラス基板)1・
2を有している。
【0020】一方の基板1上には、絵素電極3が形成さ
れている。この絵素電極3は、同じく基板1上に形成さ
れた、スイッチング素子として機能する薄膜トランジス
タ(Thin Film Transistor,以下、TFTと称する)4
に接続されている。また、図2に示すように、各絵素電
極3…の間には、透明性の絶縁材料、例えばシリコンか
らなる絶縁膜10(図1)を介してゲートバス配線5お
よびソースバス配線6が互いに直交するように設けられ
ている。
【0021】他方の基板2上には、遮光膜7が形成され
ている。この遮光膜7は、対向する基板1上の、TFT
4、および絵素電極3の周縁部を覆うように、即ち、絵
素電極3の表示領域以外の部分を覆うように形成されて
いる。また、遮光膜7は、光の反射率の異なる層、第1
薄膜層7aと第2薄膜層7bとの2層からなる積層構造
となっている。上記第1薄膜層7aは、高い反射率で光
を反射するアルミニウム薄膜からなり、また、上記第2
薄膜層7bは、第1薄膜層7aよりも光の反射率が低い
代わりに高い光の吸収率を示す酸化アルミニウム薄膜か
らなっている。
【0022】上記の遮光膜7は、以下のようにして形成
される。まず、基板2上に、例えばスパッタリング法等
の薄膜形成技術によって、アルミニウム薄膜である第1
薄膜層7aを形成する。次に、この第1薄膜層7aに、
例えばフォトリソグラフィ法を用いて、上記の基板1上
の絵素電極3の絵素領域と対向する位置に開口部7cを
設ける。即ち、TFT4を覆い、かつ、絵素電極3の周
縁部を覆い囲むように、マトリクス状に第1薄膜層7a
が形成される。そして、この基板2に、酸化炉処理、ま
たは陽極酸化法を施して、アルミニウム薄膜からなる第
1薄膜層7aの表面を酸化させて、第2薄膜層7bであ
る酸化アルミニウム薄膜を形成する。このようにして、
基板2上に、第1薄膜層7aのアルミニウム薄膜に第2
薄膜層7bの酸化アルミニウム薄膜が積層された遮光膜
7が形成される。
【0023】また、基板2上には、この遮光膜7を覆っ
て、全面に、スパッタリングによりITO(Indium-Tin
Oxide)膜からなる対向電極8が形成されている。さら
に、この対向電極8上に、ポリイミド樹脂を焼成して、
ラビング処理を行なった配向膜9が設けられている。そ
して、これらの基板1および2間に、液晶(図示せず)
が封入されている。
【0024】上記の構成の液晶表示素子11は、一般
に、図3に示すように、投射型の画像表示装置に使用さ
れる。この液晶表示素子11の両側には、偏光板14・
15が配置されている。上記投射型の画像表示装置で
は、記液晶表示素子11を、ツイスティッドネマティッ
ク(TN)モードにて表示させている。これにより、上
記偏光板14・15は、光軸を互いに直交するように配
置されている。
【0025】上記投射型の画像表示装置は、上記液晶表
示素子11に光を照射する光源12と、この光源12か
らの出射光を平行にするレンズ13、液晶表示素子11
から出射された画像を拡大するレンズ16、拡大された
画像を投影するスクリーン17を有している。
【0026】即ち、上記投射型の画像表示装置では、光
源12から出射された光は、レンズ13にて平行光に変
換されて偏光板14に出射される。この光は、偏光板1
4にて偏光され、液晶表示素子11にて電圧が印加され
た画素領域において90°回転して偏光板15側に出射
される一方、液晶表示素子11にて電圧が印加されてい
ない画素領域においては変調されずに偏光板15側に出
射される。この90°回転した光、即ち変調された光
は、偏光板15を透過するが、変調されない光は、偏光
板15にて遮断される。そして、偏光板15を透過した
光は、レンズ16を介してスクリーン17上に拡大投影
される。したがって、光源12から出射された光によ
り、液晶表示素子11にて形成された画像は、スクリー
ン17に拡大投影される。
【0027】このときの液晶表示素子11の表示画面の
大きさは対角線が75mm(およそ3インチ)である。
また、絵素ピッチは縦190μm×横161μmであ
り、絵素領域(開口部)は縦88μm×横104μmで
あり、画面中の絵素領域の占める割合(開口率)は30
%である。
【0028】上記の構成において、液晶表示素子11
は、図1に示すように、光源12(図3)からの光が、
基板2側から入射され、基板1側からスクリーン17
(図3)に出射される。このとき、液晶表示素子11へ
の入射光は、遮光膜7の開口部7cを透過する一方、遮
光膜7の第1薄膜層7aのアルミニウム薄膜により殆ど
反射される。このときの反射率は、約80%であった。
この反射率は、従来のクロム等から成る遮光膜の反射率
50%に比較して、かなり高い値である。この第1薄膜
層7aの反射率の高さ故に、温度上昇が引き起こされる
ことはない。
【0029】また、遮光膜7の端縁部への照射光は、回
折光となっても、第2薄膜層7bの酸化アルミニウム薄
膜により吸収されてしまうので、光漏れを起こしたりす
ることはない。
【0030】さらに、遮光膜7の開口部7cより入射し
た照射光は、その殆どが液晶層を透過するが、仮に絵素
電極3上で反射しても、その反射光は、遮光膜7の第2
薄膜層7bの酸化アルミニウム薄膜に吸収されるため、
散乱光等が発生することはなく、TFT4に入射される
光を抑えることができる。
【0031】したがって、本実施例の液晶表示素子11
を投射型の画像表示装置に用いた場合、光源に高輝度の
ものを使用したとしても、まず、遮光膜7に照射される
光は、その遮光膜7の第1薄膜層7aの反射率の高さ故
に、温度上昇等をもたらすことなく反射されて、遮光さ
れる。また、回折光、あるいは開口部7cから入射して
絵素電極3上で反射した光も、遮光膜7の第2薄膜層7
bに吸収されてしまい、散乱光等となって光漏れを起こ
すことはない。即ち、表示に寄与する以外の光は、何等
不都合をもたらすことなく、このアルミニウム薄膜であ
る第1薄膜層7aおよび酸化アルミニウム薄膜である第
2薄膜層7bから成る遮光膜7により、反射あるいは吸
収されて、完全に遮光されてしまう。これにより、従来
用いられているよりもより高輝度の光源を使用して、輝
度が高く、かつ、高コントラストである画像表示を実現
することができる。
【0032】また、遮光膜7は、第1薄膜層7aがアル
ミニウム薄膜からなり、第2薄膜層7bが第1薄膜層7
aを酸化した酸化アルミニウム薄膜からなることで、従
来のように、高反射率の膜と低反射率の膜とを、別々
の、例えば高反射率の膜としてアルミニウム膜を使用
し、低反射率の膜としてクロム膜を使用した場合に比べ
て、遮光膜7の材料費を低減すると共に製造工程を簡略
化することができる。したがって、液晶表示素子11の
製造に係る時間および費用を低減することができる。
【0033】以上のことから、本実施例の遮光膜7によ
れば、強い照射光を用いて表示画面の高輝度化が図れ、
しかも、温度上昇が小さく、高コントラスト値を有する
投射型の画像表示装置に好適に使用されるアクティブマ
トリクス表示素子としての液晶表示素子11を容易に、
しかも安価に提供することができる。
【0034】〔実施例2〕本発明の他の実施例について
図1および図4に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前記の実施例の図面に示した部
材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0035】本実施例に係るアクティブマトリクス表示
素子としての液晶表示素子21は、図1に示すように、
上記実施例1の遮光膜7の代わりに遮光膜22を有して
いる。本実施例における遮光膜22は、第1薄膜層7a
が常温にて、第2薄膜層7bが200〜300℃の高温
にて、それぞれアルミニウムターゲットのスパッタリン
グ法により形成されたものである。即ち、第1薄膜層7
aおよび第2薄膜層7bは、同じアルミニウム薄膜から
なっている。
【0036】この場合、遮光膜22に、例えばフォトリ
ソグラフィ法を用いて、上記の基板1上の絵素電極3の
絵素領域と対向する位置に開口部7cが形成される。即
ち、TFT4を覆い、かつ、絵素電極3の周縁部を覆い
囲むように、マトリクス状に遮光膜22が形成される。
【0037】一般に、アルミニウムがスパッタリングさ
れる基板の温度が上昇すれば、形成されるアルミニウム
の鏡面反射率が低下する。これは、図4に示す純粋なア
ルミニウムを基板にスパッタリングした場合の基板温度
と鏡面反射率との関係を示すグラフ(日刊工業新聞社刊
『薄膜作成の基礎(第2版)』麻蒔立男著)から明らか
である。即ち、基板温度が約120℃以上になれば、ス
パッタリング速度に関係無く、急激に鏡面反射率が低下
し、特に、200℃〜300℃の高温では、その低下が
著しいことが分かる。
【0038】したがって、常温にて形成された第1薄膜
層7aであるアルミニウム薄膜は、光に対して高反射率
となっている。一方、200℃〜300℃の高温で形成
された第2薄膜層7bであるアルミニウム薄膜は、第1
薄膜層7aと比較して光に対して低反射率となってい
る。
【0039】上記構成の液晶表示素子21を図3に示す
投射型の画像表示装置に用いた場合も、その効果は前記
実施例1と同様であった。
【0040】このように、上記の遮光膜22を備えた液
晶表示素子21では、この遮光膜22を形成する工程、
即ちアルミニウムをスパッタリングする工程において、
その基板温度を換えるだけで光の反射率を、基板2側と
基板1側とで換えるようになっている。したがって、本
実施例の遮光膜22を備えた液晶表示素子21では、従
来のように、異なる素材により積層された遮光膜を製造
する場合に比べて、製造工程を簡略化することができ、
製造に係る装置の簡素化も図ることができるので、液晶
表示素子21の製造を、容易に、しかも安価に提供する
ことができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明のアクティブマトリクス
表示素子は、以上のように、一対の透明な絶縁性の基板
と、上記一対の基板の一方にマトリクス状に形成された
絵素電極と、他方の基板の上記絵素電極との対向面側に
形成され、この対向する絵素電極の表示領域以外の部分
を覆う遮光膜とを有し、上記遮光膜は、基板上に形成さ
れたアルミニウム薄膜層と、このアルミニウム薄膜層上
に形成された酸化アルミニウム薄膜層とからなる構成で
ある。
【0042】これにより、アクティブマトリクス表示素
子への入射光は、遮光膜の開口部より絵素電極側に透過
する一方、遮光膜のアルミニウム薄膜層により殆ど反射
される。また、遮光膜の端縁部への照射光は、回折光と
なっても、酸化アルミニウム薄膜層により吸収されてし
まうので、光漏れを起こしたりすることはない。さら
に、遮光膜の開口部より入射した照射光は、その殆どが
透過するが、仮に絵素電極上で反射しても、その反射光
は、遮光膜の酸化アルミニウム薄膜層に吸収されるた
め、散乱光等が発生することはなく、絵素電極を駆動す
るための、例えば薄膜トランジスタ等に入射される光を
抑えることができる。また、遮光膜は、例えば基板にア
ルミニウム薄膜を形成した後、酸化処理するだけで形成
することができるので、遮光膜を異なる素材で2層構造
とした場合よりも製造費および製造工程を簡略化するこ
とができる。
【0043】したがって、強い照射光を用いて表示画面
の高輝度化が図れ、しかも、温度上昇が小さく、高コン
トラスト値を有する投射型の画像表示装置に好適に使用
されるアクティブマトリクス表示素子を容易に、しかも
安価に提供することができるという効果を奏する。
【0044】請求項2の発明のアクティブマトリクス表
示素子は、以上のように、一対の透明な絶縁性の基板
と、上記一対の基板の一方にマトリクス状に形成された
絵素電極と、他方の基板の上記絵素電極との対向面側に
形成され、この対向する絵素電極の表示領域以外の部分
を覆うアルミニウム薄膜からなる遮光膜とを有し、上記
遮光膜は、基板上に常温で形成された第1薄膜層と、こ
の第1薄膜層上に上記第1薄膜層よりも光の反射率が低
くなるように、上記第1薄膜層の形成温度よりも高い温
度で形成された第2薄膜層とからなる構成である。
【0045】これにより、アクティブマトリクス表示素
子への入射光は、遮光膜の開口部より絵素電極側に透過
する一方、遮光膜のアルミニウム薄膜層により殆ど反射
される。また、遮光膜の端縁部への照射光は、回折光と
なっても、酸化アルミニウム薄膜層により吸収されてし
まうので、光漏れを起こしたりすることはない。さら
に、遮光膜の開口部より入射した照射光は、その殆どが
透過するが、仮に絵素電極上で反射しても、その反射光
は、遮光膜の酸化アルミニウム薄膜層に吸収されるた
め、散乱光等が発生することはなく、絵素電極を駆動す
るための、例えば薄膜トランジスタ等に入射される光を
抑えることができる。
【0046】また、遮光膜を形成する工程、例えばアル
ミニウム薄膜層をスパッタリングにより形成する工程に
おいて、アルミニウム薄膜層が形成される基板の温度を
換えるだけで光の反射率を、光の入射側と絵素電極側と
で換えることができる。
【0047】したがって、従来のように、異なる素材に
より積層された遮光膜を製造する場合に比べて、製造工
程を簡略化することができ、製造に係る装置の簡素化も
図ることができるので、アクティブマトリクス表示素子
の製造を、容易に、しかも安価に提供することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブマトリクス表示素子の概略
断面図である。
【図2】図1に示すアクティブマトリクス表示素子の絵
素電極形成側基板の概略の平面図である。
【図3】図1に示すアクティブマトリクス表示素子を備
えた投射型の画像表示装置の概略構成図である。
【図4】純粋なアルミニウムのスパッタリングでの基板
温度と鏡面反射率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 基板 3 絵素電極 7 遮光膜 7a 第1薄膜層(アルミニウム薄膜層) 7b 第2薄膜層(酸化アルミニウム薄膜層) 11 液晶表示素子(アクティブマトリクス表示素
子) 21 液晶表示素子(アクティブマトリクス表示素
子) 22 遮光膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 志彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 小橋 裕 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 植村 倫子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の透明な絶縁性の基板と、 上記一対の基板の一方にマトリクス状に形成された絵素
    電極と、 他方の基板の上記絵素電極との対向面側に形成され、こ
    の対向する絵素電極の表示領域以外の部分を覆う遮光膜
    とを有し、 上記遮光膜は、基板上に形成されたアルミニウム薄膜層
    と、このアルミニウム薄膜層上に形成された酸化アルミ
    ニウム薄膜層とからなることを特徴とするアクティブマ
    トリクス表示素子。
  2. 【請求項2】一対の透明な絶縁性の基板と、 上記一対の基板の一方にマトリクス状に形成された絵素
    電極と、 他方の基板の上記絵素電極との対向面側に形成され、こ
    の対向する絵素電極の表示領域以外の部分を覆うアルミ
    ニウム薄膜からなる遮光膜とを有し、 上記遮光膜は、基板上に常温で形成された第1薄膜層
    と、この第1薄膜層上に上記第1薄膜層よりも光の反射
    率が低くなるように、上記第1薄膜層の形成温度よりも
    高い温度で形成された第2薄膜層とからなることを特徴
    とするアクティブマトリクス表示素子。
JP32636194A 1994-12-27 1994-12-27 アクティブマトリクス表示素子 Pending JPH08184818A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32636194A JPH08184818A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 アクティブマトリクス表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32636194A JPH08184818A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 アクティブマトリクス表示素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08184818A true JPH08184818A (ja) 1996-07-16

Family

ID=18186943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32636194A Pending JPH08184818A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 アクティブマトリクス表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08184818A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016080385A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 シャープ株式会社 液晶表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016080385A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 シャープ株式会社 液晶表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7639331B2 (en) Liquid crystal display device
JP3867597B2 (ja) 電気光学装置並びに電子機器及び投射型表示装置
US7554632B2 (en) Liquid crystal device and electronic apparatus provided with the same
JPH06194687A (ja) 透過型アクティブマトリクス型液晶素子
JPH06273800A (ja) 反射型液晶表示装置
JP3661669B2 (ja) アクティブマトリクス基板、電気光学装置、電子機器
JP4317705B2 (ja) 液晶表示装置
US20070258020A1 (en) Liquid Crystal Display Device
JP2002189228A (ja) 電気光学装置及びその製造方法、並びに投射型表示装置
JP2004252309A (ja) 電気光学パネル及び電子機器
JP2010085537A (ja) 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
JP2002149089A (ja) 電気光学装置及び投射型表示装置
JP2001330821A (ja) 電気光学装置
JP2010129733A (ja) 薄膜トランジスタ及び電気光学装置並びに電子機器
JPH09211493A (ja) 反射型液晶表示装置
JPH08184818A (ja) アクティブマトリクス表示素子
JP2503845B2 (ja) アクティブマトリクス型液晶素子
JPH0545643A (ja) アクテイブマトリクス表示素子
JP2003241210A (ja) 液晶表示装置及びその製造方法とプロジェクタ装置
JP2752011B2 (ja) アクティブマトリクス表示素子
JP5176852B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP2002072925A (ja) 電気光学装置
JP2011221119A (ja) 電気光学装置及び電子機器、並びに電気光学装置の製造方法
JP3750360B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP3729071B2 (ja) 電気光学装置及びプロジェクタ