JPH08184763A - 顕微鏡の粗微動焦準装置 - Google Patents

顕微鏡の粗微動焦準装置

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JPH08184763A
JPH08184763A JP7273784A JP27378495A JPH08184763A JP H08184763 A JPH08184763 A JP H08184763A JP 7273784 A JP7273784 A JP 7273784A JP 27378495 A JP27378495 A JP 27378495A JP H08184763 A JPH08184763 A JP H08184763A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顕微鏡の粗微動焦準装置において歯車機構の
バックラッシュを無くし、正確なピント合わせを容易に
行えるようにする。 【解決手段】 微動ノブ軸1に固設した太陽歯車3と、
該微動ノブ軸1と同軸上に不回転に設けられた内歯歯車
5と、太陽歯車3及び内歯歯車5に噛み合う第一の遊星
歯車4と、を有する顕微鏡の粗微動焦準装置において、
第一の遊星歯車4と同歯数同モジュールで第一の遊星歯
車と同軸上に配されて太陽歯車に噛み合う第二の遊星歯
車7を有し、第一の遊星歯車と第二の遊星歯車との間に
は互いに逆方向の回転力を付与する弾性部材18を有し、
更に、第一の遊星歯車と同歯数同モジュールで第一の遊
星歯車と同軸上に配されて内歯歯車と噛み合う第三の遊
星歯車8を有し、第一の遊星歯車と第三の遊星歯車との
間にも互いに逆方向の回転力を付与する弾性部材を有す
る粗微動焦準装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顕微鏡の粗微動焦準
装置に関するものであり、特に遊星歯車機構を用いた粗
微動焦準装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、顕微鏡の焦準装置は、粗動ノブと
微動ノブとを同軸に配置し、粗動ノブを回転させるとス
テージを比較的大きく上下移動させ、微動ノブを回転さ
せるとステージを細かく上下移動させることができるよ
うにされた一軸粗微動型のものが多い。
【0003】この一軸粗微動型の粗微動焦準装置は、図
7(a)及び(b)に示すように、微動軸21の端部近くには太
陽歯車23が固設され、遊星歯車24と噛み合っている。こ
の遊星歯車24の軸26はピニオンケース29に植設され、ピ
ニオンケース29の中央部外周に形成されたピニオンギア
31はラック32と噛み合っている。一方、遊星歯車24は粗
微動焦準装置本体35に固設された内歯歯車25と噛み合っ
ている。また、ピニオンケース29には粗動ノブ30が固設
されており、微動軸21の端部には微動ノブ22が固設され
ている。
【0004】尚、図7(b)は図7(a)のBB位置断面を示
す図である。従って、微動軸21の両端に固設された微動
ノブ22を回転させると、微動軸21に固設した太陽歯車23
が回転し、太陽歯車23に噛み合った遊星歯車24は太陽歯
車23の回りを公転しながら更に遊星歯車軸26を中心とし
て自転する。遊星歯車24の公転によりピニオンケース29
は微動軸21の回りに回転し、ピニオンギア31に噛み合っ
たラック32が上下動し、スライダー34が上下動すること
により図示していない顕微鏡又はステージが上下動して
顕微鏡のピント合わせが行われる。この場合、内歯歯車
25は静止している故、微動軸21に対するピニオンギア31
の減速比γは γ=1/((内歯歯車25の歯数/太陽歯車23の歯数)+
1) となる。
【0005】一方粗動ノブ30を回転すると、ピニオンギ
ア31は粗動ノブ30と同数回転し、ピニオンギア31に噛み
合ったラック32が上下動し、従って図示していない顕微
鏡がスライダー34と共に上下動し、顕微鏡のピント合わ
せを行うことができる。従って迅速なピント合わせが必
要な場合は粗動ノブを回転させ、また正確なピント合わ
せをする場合は微動ノブを回転させることにより、適切
なピント合わせを可能としているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の遊
星歯車を用いた粗微動焦準装置においては、歯車を用い
ているために歯車間のバックラッシが生じることにな
る。しかも遊星歯車は太陽歯車と内歯歯車の両方に同時
に噛み合うため、中心間距離の調整によるバックラッシ
調整は不可能である。そしてこのバックラッシは正確な
ピント合わせを必要とする場合に大きな障害となるもの
である。
【0007】このため、歯車のバックラッシを避ける方
法として、歯車の代わりにボールを用いた遊星ボール減
速機構を用いることや、遊星摩擦車機構を備えた粗微動
焦準装置(例えば、実開平3−49511号、実開平6
−2313号)が提案されている。しかしながらこれら
は摩擦力を動力の伝達に使っているため、スリップによ
る伝達ロス又は磨耗により動力の伝達が不可能になるな
ど、耐久性に問題があるのみならず、構造が複雑でしか
も摩擦車及び摩擦車と接触する部品に耐磨耗性が必要と
され、製造コストが高くなるという問題点もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、バックラッシ
がなく、正確なピント合わせが可能で、且つ動力の伝達
ロスがなく十分な耐久性を有する顕微鏡の粗微動焦準装
置を提供するために、微動ノブ軸(1)に固設した太陽
歯車(3)と、該微動ノブ軸と同軸上に不回転に設けら
れた内歯歯車(5)と、太陽歯車(3)及び内歯歯車
(5)に噛み合う第一の遊星歯車(4)とを有する粗微
動焦準装置において、第一の遊星歯車(4)と同歯数同
モジュールで第一の遊星歯車と同軸上に配され太陽歯車
(3)に噛み合う第二の遊星歯車(7)を設け、第一の
遊星歯車(4)と第二の遊星歯車(7)の間に互いに逆
方向の回転力を付与する第一弾性部材(18)を設け、
第一の遊星歯車と同歯数同モジュールで第一の遊星歯車
と同軸上に配され内歯歯車と噛み合う第三の遊星歯車
(8)を設け、第一の遊星歯車(4)と第三の遊星歯車
(8)の間にも互いに逆方向の回転力を付与する第二弾
性部材(28)を設けることとする。
【0009】又、この同軸とした第一の遊星歯車(4)
と第二の遊星歯車(7)と第三の遊星歯車(8)をもっ
て1個の遊星歯車体とし、複数個の遊星歯車体を太陽歯
車の回りに配置することもある。また、本発明において
は第一の遊星歯車と第二の遊星歯車との互いに向かい合
う側面に設けられ、各遊星歯車を嵌合するための凸部と
凹部とからなる第一嵌合手段(51、52a)と、第一
の遊星歯車と第三の遊星歯車との互いに向かい合う側面
に設けられ、各遊星歯車を嵌合するための凸部と凹部と
からなる第二嵌合手段(52b、53)とを有すること
が望ましい。
【0010】また、第一、第二、第三遊星歯車は、各遊
星歯車の回転軸とほぼ平行な方向に延びる断面が同形状
の貫通孔(61、62、63)を各々有することが望ま
しい。さらに、第一の遊星歯車と第二の遊星歯車との互
いに対向する側面間に設けられ、該側面に垂直な方向に
突出した突出部(54)と該突出部を緩やかに嵌合する
溝部(56)とからなる、各遊星歯車の相対回転を制限
する第一回転制限機構と、第一の遊星歯車と第三の遊星
歯車との互いに対向する側面間に設けられ、該側面に垂
直な方向に突出した突出部(55)と該突出部を緩やか
に嵌合する溝部(57)とからなる、各遊星歯車の相対
回転を制限する第二回転制限機構とを有することが望ま
しい。
【0011】本発明は、第一の遊星歯車と同歯数同モジ
ュールで第一の遊星歯車と同軸上に配され太陽歯車に噛
み合う第二の遊星歯車を設け、且つ、前記第一の遊星歯
車と第二の遊星歯車の間に互いに逆方向の回転力を付与
する弾性部材を設けている故、第一の遊星歯車と第二の
遊星歯車により太陽歯車の歯を挟んで太陽歯車と第一の
遊星歯車との間のガタ付きを無くし、第一の遊星歯車と
同歯数同モジュールで第一の遊星歯車と同軸上に配され
内歯歯車と噛み合う第三の遊星歯車を設け、且つ、第一
の遊星歯車と第三の遊星歯車の間にも互いに逆方向の回
転力を付与する弾性部材を設けている故、第一の遊星歯
車と第三の遊星歯車により内歯歯車の歯を挟んで内歯歯
車と第一の遊星歯車との間のガタ付きを無くし、ひいて
は歯車間のバックラッシのない遊星歯車減速機構とする
ことができる。
【0012】更に、第一の遊星歯車と第二の遊星歯車及
び第三の遊星歯車とを組み合わせて1個の遊星歯車体と
し、複数個の遊星歯車体を用いれば、内歯歯車や太陽歯
車と噛み合う各歯面にかかる押圧力を各遊星歯車体に分
散させて低減できる。そして、各遊星歯車を嵌合するた
めの凸部と凹部とからなる第一嵌合手段や第二嵌合手段
を設ければ、第一嵌合手段や第二嵌合手段とする各凸部
と凹部とを嵌合させることにより、第一乃至第三の遊星
歯車を一体として第一弾性部材や第二弾性部材を組み込
んだ遊星歯車体として1つのユニットに組み立てること
が容易となり、且つ、ユニットとした遊星歯車体の取り
扱いも容易となる。
【0013】又、第一の遊星歯車乃至第三の遊星歯車の
各遊星歯車に、各遊星歯車の回転軸とほぼ平行な方向に
延びる断面が同形状の貫通孔を設ければ、貫通孔の位置
を合わせておくことにより、この貫通孔にピンを挿入し
たとき、各遊星歯車の歯を揃えるようにすることができ
る。更に、各遊星歯車の相対回転を制限する第一回転制
限機構や第二回転制限機構を設けると、各突出部と溝部
とを嵌合させることにより各遊星歯車の相対的な回転を
制限することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る顕微鏡の粗微動焦準
装置としての第1の実施形態は、図1に示したように、
微動軸1の両端には微動ノブ2が固設され、且つ、微動
軸1の端部近くには太陽歯車3が固設されている。太陽
歯車3には第一の遊星歯車4が噛み合い、さらに第一の
遊星歯車4は太陽歯車3と同軸で焦準装置本体15に固設
された内歯歯車5に噛み合っている。さらに太陽歯車3
には第一の遊星歯車軸6の回りに回転可能な第二の遊星
歯車7が噛み合い、また内歯歯車5には第一の遊星歯車
軸6の回りに回転可能な第三の遊星歯車8が噛み合って
いる。第一の遊星歯車4と第二の遊星歯車7との間には
第一の弾性部材である圧縮コイルばね18が設けられ、第
一の遊星歯車4と第三の遊星歯車8との間には第二の弾
性部材である圧縮コイルばね28が設けられている。第一
の遊星歯車軸6はピニオンケース9に植設され、またピ
ニオンケース9の右端には粗動ノブ10が固定されてい
る。
【0015】そして、ピニオンケース9の中央外周には
ピニオンギア11が設けられ、ピニオンギア11はラック12
に噛み合い、ラック12はガイド13に案内され紙面に垂直
な方向に移動するスライダー14に固設されている。スラ
イダー14には不図示の顕微鏡が取り付けられている。焦
準装置本体15は不図示のスタンドの支柱16に挿入されク
ランプねじ17にて固定される。
【0016】尚、図1(b)は図1(a)のAA断面図であ
る。次に微動焦準操作について説明する。微動ノブ2を
回転させると微動ノブ2と同量太陽歯車3が回転する。
これにより第一の遊星歯車4が回転を始めるが第一の遊
星歯車4は内歯歯車5にも噛み合っているため、第一の
遊星歯車は太陽歯車3の回りを公転しながら、且つ第一
の遊星歯車軸6の回りを自転する。
【0017】従って第一の遊星歯車4の太陽歯車3の回
りの公転はピニオンケース9の回転となりピニオンケー
ス9の中央に設けられたピニオンギア11に噛み合ったラ
ック12が紙面に垂直な方向に移動し、顕微鏡が取り付け
られたスライダー14が移動し、その結果微動ノブ2の回
転が減速され顕微鏡の上下動になりピント合わせが行わ
れる。微動ノブ2に対するピニオンギア11の減速比γ
は、 γ=1/((内歯歯車5の歯数/太陽歯車3の歯数)+
1) である。
【0018】一方粗動焦準操作においては、粗動ノブ10
はピニオンケース9に固設されているため、粗動ノブ10
の回転はそのままピニオンギア9に伝わり、顕微鏡が上
下動し、迅速なピント合わせが行われる。次に第二、第
三の遊星歯車の機能について説明する。図2(a) は太陽
歯車と遊星歯車の部分拡大図であり、図2(b) は噛み合
う歯の部分拡大図である。第一の遊星歯車4と第二の遊
星歯車7の互いに向かい合う側面には円周に沿って溝が
設けられ、圧縮コイルばね18が第一の遊星歯車4と第二
の遊星歯車7とに逆方向の回転力を与える弾性部材とし
て挿入されている。そして第一の遊星歯車4の側面には
幅dで圧縮コイルばね18の外径の1/2よりやや深い溝
19が歯車のピッチ円の円周に沿って19aから19bまで延在
し、また第二の遊星歯車7の側面にも幅dで圧縮コイル
ばね18の外径の1/2よりやや深い溝20が歯車のピッチ
円の円周に沿って20aから20bまで延在する。各溝の幅d
は圧縮コイルばね18の外径よりやや大きい。圧縮コイル
ばね18の一端18aは第一の遊星歯車4の側面の溝19の端
部19aに接し、一方圧縮コイルばね18のもう一方の端面1
8bは第二の遊星歯車の側面の溝20の端部20aに接してい
る。第二の遊星歯車7は圧縮コイルばね18が圧縮される
ように第一の遊星歯車軸の回りに回転させ太陽歯車3と
噛み合わせる。従って圧縮コイルばね18の伸長力により
第一の遊星歯車4と第二の遊星歯車7には互いに逆方向
の回転力が付与され、図2(b)において第一の遊星歯車
4の歯面4aは太陽歯車3の歯面3aに常に圧着され、また
一方第二の遊星歯車7の歯面7aは前記太陽歯車3の歯面
3aに対向する歯面3bに常に圧着されている。従って太陽
歯車3と第一の遊星歯車4間のバックラッシが解消され
る。
【0019】第一の遊星歯車4と第三の遊星歯車8の間
も同様に構成し、第三の遊星歯車8を圧縮コイルばね28
を圧縮状態として内歯歯車5と噛み合わせ、第三の遊星
歯車8により内歯歯車5の一方の歯面を第一の遊星歯車
4の一方の歯面に常に圧着させることにより第一の遊星
歯車4と内歯歯車5との間のバックラッシを解消させて
いる。
【0020】尚、圧縮コイルばねは、図3に示すように
複数個用いても良い。このように、本実施形態では3枚
の遊星歯車を1組として遊星歯車体とし、第一の遊星歯
車4と第二の遊星歯車7との2枚の遊星歯車により太陽
歯車の歯を挟み、又、第一の遊星歯車4と第三の遊星歯
車8との2枚の遊星歯車により内歯歯車の歯を挟み、バ
ックラッシのない遊星歯車減速機構としており、バック
ラッシのない遊星歯車減速機構を用いているので、動力
伝達効率が高く且つ耐久性の良い顕微鏡の粗微動焦準装
置が実現できる。
【0021】また各歯車は射出成形にて製作できるため
低コストである。図4は本発明の第2の実施形態を示す
図である。本実施形態は第一、第二及び第三の遊星歯車
による遊星歯車体を太陽歯車の円周上に3等分位置とし
て配した実施形態であり、前記第1の実施形態に比べ、
ひと組の遊星歯車に付与する逆回転力は1/3とするこ
とができるものである。
【0022】このように、遊星歯車を複数組使用すれ
ば、噛み合う歯面にかかる押圧力を低減できるので、歯
面間の摩擦抵抗が小さくなり作動をスムーズとすること
ができる。尚、遊星歯車体の個数は、3個に限ることな
く、2個又は4個以上とすることもできるものである。
尤も、遊星歯車体を等間隔に3個配置すれば、太陽歯車
の周囲から等しく力を加え、安定した力の伝達を行うこ
とができるものである。
【0023】又、図5(a)、図5(b)、図5(c)、及び図
6は夫々本発明の第3の実施形態を示す図である。そし
て、図5(b)は図5(a)のCC断面図、図5(c)は図5(a)
のDD断面図であり、図6はその要部分解斜視図であ
る。この実施形態は、歯部を同一形状とする第一、第
二、第三の遊星歯車からなる遊星歯車体を1つのユニッ
トとして外部で組み立てられるような構成にし、粗微動
焦準装置の組み立てを簡単にした所が前述の実施形態と
は異なるものである。
【0024】即ち、この実施形態における第二の遊星歯
車41及び第三の遊星歯車43の中心部には円柱状の凸
部51、53を形成し、夫々第一の遊星歯車42の中心
部に形成された円柱状の凹部52a、52bに嵌合させ
るものである。このように、第一の遊星歯車42の凹部
52aと第二の遊星歯車41の凸部51とにより第一嵌
合手段を形成し、第一の遊星歯車42の凹部52bと第
三の遊星歯車43の凸部53とにより第二嵌合手段を形
成し、第一嵌合手段により第一の遊星歯車42と第二の
遊星歯車41との位置合わせを行い、第二嵌合手段によ
り第一の遊星歯車42と第三の遊星歯車43との位置合
わせを行い、これら3つの遊星歯車を同軸位置に位置合
わせした状態で回転軸6に挿入するものとしている。
【0025】従って、第一の弾性部材とした圧縮コイル
ばね18や第二の弾性部材とした圧縮コイルばね28を挿入
した状態で第一の遊星歯車42と第二の遊星歯車41と
第三の遊星歯車43との3枚の歯車を中心を合わせるよ
うにして重ねることが容易に可能であり、回転軸6へ3
枚の歯車を重ねた遊星歯車体を取り付けることが容易に
行えるようになる。
【0026】尚、この遊星歯車体を回転軸6に取り付け
るとき、3つの遊星歯車間の嵌合隙間が非常に狭いと、
各遊星歯車の製造精度のばらつきにより、中心部の開口
(回転軸6に嵌合する開口)がずれて、回転軸6に挿入
できなくなる。従って、各遊星歯車間の嵌合隙間は各遊
星歯車と回転軸6との嵌合隙間よりも大きくする必要が
ある。
【0027】また、各遊星歯車41〜43には、断面が
同形状の貫通孔61、62、63を夫々設けている。そ
して、これらの貫通孔61〜63を揃えてピンを差し込
むことにより、各遊星歯車の歯が揃うように各貫通孔6
1〜63の位置をモジュールの形状に合わせている。従
って、ピンを貫通孔61〜63差し込むと、第二の遊星
歯車41や第三の遊星歯車43の歯の位置を第一の遊星
歯車42の歯の位置に合わせ、太陽歯車3や内歯歯車5
と噛合するように遊星歯車体を回転軸6に取り付けるこ
とが容易にでき、ピンを抜くことにより、第一の遊星歯
車42の歯面と第二の遊星歯車41の歯面とにより太陽
歯車3の各歯面を挾持して第一の遊星歯車42の歯面を
太陽歯車3の歯面に常に圧着し、第一の遊星歯車42の
歯面と第三の遊星歯車43の歯面とにより内歯歯車5の
各歯面を挾持して第一の遊星歯車42の歯面を内歯歯車
5の歯面に常に圧着することができる。
【0028】また、各貫通孔61〜63を揃えるとき
は、各遊星歯車間に配置された圧縮コイルばねにより、
隣り合う遊星歯車が互いに回転するような力が加わって
いるため、ピンの挿入作業がしずらい場合がある。しか
し、本実施形態では、図5(c)及び図6に示すように、
第二、第三の遊星歯車の側面に突出部54、55を設け
ており、第一の遊星歯車の側面に夫々の突出部54、5
5を緩やかに挿入するための溝56、57を設けてい
る。このように、第一の遊星歯車の側面に設けた溝56
と第一の遊星歯車42の側面に設けた突出部54とによ
る第一回転制限機構を形成し、第一の遊星歯車の側面に
設けた溝57と第三の遊星歯車43の側面に設けた突出
部54とによる第二回転制限機構を形成し、これらの突
出部と溝とを互いに係合させると、各遊星歯車の相対的
な回転を制限することができるため、ある程度貫通孔6
1〜63が揃った状態を保つようにすることができる。
従って、ピンの貫通孔61〜63への挿入を容易とする
ことができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、第一の遊星歯車と第二の遊星
歯車とを太陽歯車と噛み合わせつつ第一の遊星歯車と第
二の遊星歯車との間に逆回転力を弾性部材により付与
し、第一の遊星歯車と第三の遊星歯車とを内歯歯車と噛
み合わせつつ第一の遊星歯車と第三の遊星歯車との間に
逆回転力を弾性部材により付与してバックラッシのない
遊星歯車減速機構とし、バックラッシのない遊星歯車減
速機構を用いるので、動力伝達効率が高く、且つ、耐久
性の良い顕微鏡の粗微動焦準装置を実現することができ
る。
【0030】本発明の請求項2においては、3枚の遊星
歯車を組み合わせた遊星歯車体を複数個使用すれば、内
歯歯車や太陽歯車と噛み合う各歯面にかかる押圧力を低
減できるので、歯面間の摩擦抵抗を小さくすることがで
き、作動を一層スムーズとすることができる。本発明の
請求項3においては、各遊星歯車を回転軸に組み込む
際、遊星歯車体を1つのユニットとして外部で組み立て
ることができるため、装置の組み立てが極めて簡単にな
る。
【0031】本発明の請求項4においては、各遊星歯車
に設けられた貫通孔にピンを挿入することより、遊星歯
車体を1つのユニットとして外部で組み立てるときに各
遊星歯車の歯を揃えることができ、太陽歯車及び内歯歯
車への噛み合わせをスムーズに行うことができる。本発
明の請求項5においては、遊星歯車体を1つのユニット
として外部で組み立てる際、弾性部材である圧縮コイル
ばねによる弾性力による各遊星歯車の相対的な回転を制
限するため、組み立てが極めて簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る顕微鏡の粗微動焦準装置の水平断
面図及び要部を示す垂直断面図。
【図2】本発明に係る顕微鏡の粗微動焦準装置の要部を
示す拡大部分断面図。
【図3】本発明に係る顕微鏡の粗微動焦準装置の要部の
他の例を示す拡大部分断面図。
【図4】本発明に係る顕微鏡の粗微動焦準装置の第2の
実施形態を示す図。
【図5】本発明に係る顕微鏡の粗微動焦準装置の要部と
なる遊星歯車体の他の実施形態を示す図。
【図6】本発明に係る顕微鏡の粗微動焦準装置の要部と
なる遊星歯車体の他の実施形態を示す斜視図。
【図7】従来の顕微鏡の粗微動焦準装置の一例を示す水
平断面図及び要部を示す垂直断面図。
【符号の説明】
1 微動軸 2 微動ノブ 3 太陽歯車 4 第一の遊星歯
車 5 内歯歯車 6 遊星歯車軸 7 第二の遊星歯車 8 第三の遊星歯
車 9 ピニオンケース 10 粗動ノブ 11 ピニオンギヤ 12 ラック 13 ガイド 14 スライダー 15 焦準装置本体 16 支柱 17 クランプねじ 18 圧縮コイル
ばね 19 溝 20 溝 21 微動軸 22 微動ノブ 23 太陽歯車 24 遊星歯車 25 内歯歯車 26 遊星歯車軸 28 圧縮コイルばね 29 ピニオンケ
ース 30 粗動ノブ 31 ピニオンギ
ヤ 32 ラック 34 スライダー 35 焦準装置本体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微動ノブ軸に固設した太陽歯車と、該微
    動ノブ軸と同軸上に不回転に設けられた内歯歯車と、太
    陽歯車及び内歯歯車に噛み合う第一の遊星歯車と、を有
    する顕微鏡の粗微動焦準装置において、 前記第一の遊星歯車と同歯数同モジュールで前記第一の
    遊星歯車と同軸上に配されて前記太陽歯車に噛み合う第
    二の遊星歯車を有し、前記第一の遊星歯車と前記第二の
    遊星歯車との間には互いに逆方向の回転力を付与する第
    一弾性部材を有し、更に、前記第一の遊星歯車と同歯数
    同モジュールで前記第一の遊星歯車と同軸上に配されて
    前記内歯歯車と噛み合う第三の遊星歯車を有し、前記第
    一の遊星歯車と前記第三の遊星歯車との間にも互いに逆
    方向の回転力を付与する第二弾性部材を有すること、を
    特徴とする顕微鏡の粗微動焦準装置。
  2. 【請求項2】 前記第一の遊星歯車と前記第二の遊星歯
    車と前記第三の遊星歯車とを同軸に組み合わせて1個の
    遊星歯車体とし、前記太陽歯車の回りに複数個の遊星歯
    車体を有することを特徴とする請求項1に記載の粗微動
    焦準装置。
  3. 【請求項3】 前記第一の遊星歯車と前記第二の遊星歯
    車との互いに向かい合う側面に設けられ、各遊星歯車を
    嵌合するための凸部と凹部とからなる第一嵌合手段と、 前記第一の遊星歯車と前記第3の遊星歯車との互いに向
    かい合う側面に設けられ、各遊星歯車を嵌合するための
    凸部と凹部とからなる第二嵌合手段とを有することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の粗微動焦準装置。
  4. 【請求項4】 前記第一、第二、第三遊星歯車は、各遊
    星歯車の回転軸とほぼ平行な方向に延びる断面が同形状
    の貫通孔を各々有することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の粗微動焦準装置。
  5. 【請求項5】 前記第一の遊星歯車と前記第二の遊星歯
    車との互いに対向する側面間に設けられ、該側面に垂直
    な方向に突出した突出部と該突出部を緩やかに嵌合する
    溝部とからなる、各遊星歯車の相対回転を制限する第一
    回転制限機構と、 前記第一の遊星歯車と前記第三の遊星歯車との互いに対
    向する側面間に設けられ、該側面に垂直な方向に突出し
    た突出部と該突出部を緩やかに嵌合する溝部とからな
    る、各遊星歯車の相対回転を制限する第二回転制限機構
    とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の粗微動焦準装置。
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