JPH08184525A - 空気力学的振動のシミュレーション方法 - Google Patents

空気力学的振動のシミュレーション方法

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JPH08184525A
JPH08184525A JP6328077A JP32807794A JPH08184525A JP H08184525 A JPH08184525 A JP H08184525A JP 6328077 A JP6328077 A JP 6328077A JP 32807794 A JP32807794 A JP 32807794A JP H08184525 A JPH08184525 A JP H08184525A
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rigid model
simulation
model
computer
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Eizo Maruta
栄蔵 丸田
Akira Kanda
亮 神田
Yoshinori Honma
義教 本間
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 剛模型の振動特性に関する値を容易且つ厳密
に設定することができるとともに、実際のシミュレーシ
ョン対象物の不安定振動を正確且つ容易にシミュレーシ
ョンすることができる空気力学的振動のシミュレーショ
ン方法を提供することである。 【構成】 構造物を模した剛模型を固定部に対しすりこ
ぎ運動可能に支持し、剛模型を加振する加振装置を設け
るとともに、剛模型に加わる風荷重を測定するロードセ
ルを設けてなる装置を用い、振動方程式M・X2+C・
X1+K・X=F(X2,X1,t)を仮定し(M,
C,Kは実際の構造物の質量、減衰、剛性マトリック
ス、X2,X1,X,F(X2,X1,t),tは加速
度、速度変位ベクトル、応答値、外力ベクトル、時
刻)、M,C,Kの値を初期設定し、振動方程式に基づ
いて応答値Xn+1 を演算し、初期応答値Xn+1 をサーボ
モータに出力して剛模型を強制的に加振し、ロードセル
によって模型に作用する実際の風外力を測定し、実際の
風外力から応答加速度及び応答速度を演算し、n をn+1
とするステップを順に繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば構造物が風を
受けたときに発生する振動、特に不安定振動をシュミレ
ートすることができる空気力学的振動のシミュレーショ
ン方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】構造物が風を受けたときに発生する振
動、特に空気力学的振動をシミュレーションする方法と
しては、次の二つのものが知られている。
【0003】従来技術A まず、従来技術Aに用いられる装置を図11に基づいて
説明すると、固定架台101に対しx軸を中心として回
転可能なジンバル102と、ジンバル102に対しy軸
及びz軸を中心として回転可能に支持されたサポート1
03と、サポート103の上端部に連結された剛模型1
04とを備え、剛模型104及びサポート103がジン
バル102を中心としてすりこぎ運動可能となってい
る。サポート103の下端部はオイル槽105内に挿入
され、オイル槽105へのシリコンオイルC等のオイル
充填量を増減してオイルへのサポート103の挿入量を
変更することにより剛模型104の減衰が調整される
(オイル抵抗に代えて磁力を利用する方法も採用されて
いる)。また、サポート103の中間部には引張スプリ
ング106が張設され、スプリング106の付勢力によ
り剛模型104の固有振動数が調整されるとともに、ス
プリング106の他端には後述するロードセル107が
設けられている。なお、サポート103には、必要に応
じて粘土等の調整用質量108が取付けられる。
【0004】そして、実際の構造物の質量、固有振動数
を用いて相似則から剛模型104の固有振動数を設定す
る。また、剛模型104の減衰は実際の構造物と同一に
設定する。
【0005】次いで、剛模型104の頂部に水平荷重P
を加え、該頂部の水平変位Xを例えば非接触型のレーザ
変位計を用いて計測するとともに、ロードセル107に
加わる力Vとを計測し、水平荷重Pを変化させてX,V
を順次計測することにより、ロードセルの出力Vと頂部
水平変位X,転倒モーメントとの一次比例定数を算出す
る。転倒モーメントはM=P×H式により算出され、H
はジンバル102の中心から剛模型104の頂部までの
高さである。なお、静止状態における頂部水平変位X,
ロードセルの出力Vを0に初期設定しておくことは勿論
である。
【0006】その後、風速U0 の風F1 を剛模型104
にあて、ロードセル107の出力Vを計測することによ
り、風速U0 で振動する剛模型104の水平変位X並び
に転倒モーメントを求める。風速Uを変化させてロード
セル107の出力Vを順次計測することにより、風速U
と剛模型104の頂部水平変位X及び転倒モーメントと
の関係を求めることができ、実構造物の頂部水平変位及
び転倒モーメントは相似則に従って容易に算出すること
ができる。
【0007】従来技術B 一方、従来技術Bでは、図12に示すように、固定架台
201に固定支持されたロードセル202に剛模型20
3を直接或いは治具を介して固定し、剛模型203全体
に作用する風外力(風力)F2 に対する応答値をロード
セル202によって計測し、この応答値から風力の時刻
歴データF(t)を求め、このデータF(t)をスペク
トル解析して風力のスペクトルを求める。次いで、風力
のスペクトルに実構造物質量,減衰,剛性,風速の機械
式アドミッタンス(変換子)をかけて一般変位のスペク
トルを求める。変位のスペクトルを
【数1】 式に従って積分すると、構造物の変動変位の分散が求め
られる。そして、
【数2】 式に従って変動変位の標準偏差σが算出される。平均変
位は構造物を片持ち梁として作用する平均風力を用いて
求め、最大変位(通常5程度)はピークファクタを用い
て求められる。すなわち、 最大変位=平均変位+σ×ピークファクタ であり、 ピークファクタ=(最大値−平均値)/σ で求められる。
【0008】ところで、減衰は、通常の中高層ビルで2
%前後、頑強に構築された建物で4%程度、スレンダー
なタワー構築物にあっては1〜2%程度、橋にあっては
0.5%程度であり、この減衰が小さいと(特に0.5
%以下)ある風速で振動した場合に振動が増大すること
とが知られている。このように振動が増大する現象とし
ては、渦励振と不安定振動(ギャロッピング振動、フラ
ッター振動)と称されるものがある。渦励振は建物の背
後に生ずる交番渦の周期と建物周期とが一致したときに
発生(共振)するが、周期がずれるとおさまるのに対
し、不安定振動は、通常の高層ビルでは風速が百数十m
/s以上で発生するが、減衰が小さいと振動の発生風速
も低くなり、発振すると減衰が負減衰になって振動が増
長されるといった特性を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術A並びにBは、以下に説明するような技術的
課題があった。
【0010】すなわち、従来技術Aにかかるシュミレー
ション方法によれば、相似則に基づいた剛模型104の
値を厳密に設定する必要がある。特に、剛模型104の
支持を多自由度系とした本構造では質量,振動数,減衰
(特に「減衰」)を正確に設定することが困難であると
いった欠点がある。また、シミュレーション対象物自身
の応答値との正確な相互作用を有する非定常空気力をシ
ミュレーションできるが、それを直接測定できないとい
う欠点もある。
【0011】さらに、従来技術Bでは、剛模型が固定さ
れたものであるため、実際の構造物の設計上問題となる
不安定振動の空力不安定現象をシミュレーションするこ
とができないという欠点がある。つまり、従来技術Bで
は、実験の風力スペクトルを用いるため、不安定振動領
域がスペクトルで表現することができず、シミュレーシ
ョンすることができないのである。
【0012】本発明は、剛模型の振動特性に関する値を
容易且つ厳密に設定することができるとともに、実際の
シミュレーション対象物の不安定振動をシミュレーショ
ンすることができる空気力学的振動のシミュレーション
方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかる空気力学的振動のシミュレーション
方法は、構造物等のシミュレーション対象物を模した剛
模型を固定部に対し自由に運動可能に支持し、該剛模型
を加振するコンピュータで制御可能な加振手段を設ける
とともに、前記剛模型に加わる空気外力を測定し前記コ
ンピュータと結合した計測器を設けてなるシミュレーシ
ョン装置を用い前記コンピュータ内で空気力学的振動を
シミュレーションする方法であって、振動方程式M・X
2+C・X1+K・X=F(X2,X1,t)を仮定し
(M,C,Kは相似則に基づいて計算された前記シミュ
レーション対象物の質量、減衰、剛性マトリックス、X
2,X1,X,F(X2,X1,t),tは加速度、速
度変位ベクトル、応答値、外力ベクトル、時刻)、前記
M,C,Kの値を初期設定して応答値Xn+1 を演算した
後、前記初期応答値Xn+1 を加振手段に出力して剛模型
を強制的に加振するステップと、前記計測器によって剛
模型に作用する実際の空気外力を測定するステップと、
実際の空気外力から応答加速度及び応答速度を演算する
ステップを交互に且つリアルタイムで繰り返すことを特
徴とする(請求項1)。
【0014】また、他の発明にかかる空気力学的振動の
シミュレーション方法は、構造物等のシミュレーション
対象物を模した剛模型を固定部に対し自由に運動可能に
支持し、該剛模型を加振するコンピュータで制御可能な
加振手段を設けるとともに、前記剛模型に加わる空気外
力を測定し前記コンピュータと結合した計測器を設けて
なるシミュレーション装置を用い前記コンピュータ内で
空気力学的振動をシミュレーションする方法であって、
振動方程式M・X2+C・X1+K・X=F(X2,X
1,t)を仮定する第1のステップ(M,C,Kは相似
則に基づいて計算された前記シミュレーション対象物の
質量、減衰、剛性マトリックス、X2,X1,X,F
(X2,X1,t),tは加速度、速度変位ベクトル、
応答値、外力ベクトル、時刻)、前記M,C,Kの値を
初期設定する第2のステップ、前記振動方程式に基づい
て応答値Xn+1 を演算する第3のステップ、前記初期応
答値Xn+1 を加振手段に出力して剛模型を強制的に加振
する第4のステップ、前記計測器によって剛模型に作用
する実際の空気外力を測定する第5のステップ、実際の
空気外力から応答加速度及び応答速度を演算する第6の
ステップ、前記n をn+1 として第3のステップに戻る第
6のステップをリアルタイムで繰り返すことを特徴とす
る(請求項2)。
【0015】さらに、他の発明では、前記コンピュータ
内で他の振動系を数値的に練成することを特徴としたり
(請求項3)、前記剛模型を加振することにより前記計
測器に生じる本来の空気外力以外の慣性力がシミュレー
ションをあやまった方向へ導くおそれがあるため、これ
を数学モデルやダミー模型より発生する慣性力によって
補正し、もって精度を高めることを特徴としている(請
求項4)。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0017】図1は本発明にかかるシミュレーション方
法の基本的な概念を示す図である。また、図2は本発明
方法に用いられる装置の一実施例を示し、固定架台(固
定部)1に対しx軸(図中で左右方向の軸)を中心とし
て回転可能なジンバル2と、ジンバル2の上方に位置し
且つジンバル2に対しy軸(図中で紙面と直交する方
向)及びz軸(図中で上下方向の軸)を中心として回転
可能に支持されたロードセル(計測器)3と、ロードセ
ル3の上部に設けられた剛模型4と、ロードセル3の下
部にこれと一体的に設けられたサポート5とを備え、剛
模型4,ロードセル3,サポート5がジンバル2を中心
としてすりこぎ運動可能となっている。
【0018】ここで、構成上特徴となる点は、サポート
5の下端部には回転軸受6が設けられ、この回転軸受6
に連結されたベッド7をサーボモータ8によりボールネ
ジ機構9を介して進退移動することにより、剛模型4を
x軸方向に加振することである。なお、サーボモータ
8,ボールネジ機構9等は加振手段を構成している。サ
ーボモータ8はコンピュータで制御可能であり、前記ロ
ードセル3は該コンピュータと結合されている。また、
ベッド7は一対の固定レール10,10に沿って移動す
るよう構成され、ベッド7の移動量(加振量)はマグネ
ットスケール11によって計測される。剛模型4の頂部
水平変位は、ジンバル2の中心から頂部までの高さH
と、該ジンバル2の中心から回転軸受6までの距離aと
の比(H/a)で求められ、例えばベッド7を1mm左
方向に移動すると、剛模型4の頂部は(H/a)mm右
方向に移動することになる。
【0019】そして、本発明方法では、図3に示すよう
に、サーボモータ8によるベッド7の移動量(剛模型4
の加振量)を、ロードセル3の出力に基づいてコンピュ
ータで演算処理された値に応じて変更することを特徴と
している。
【0020】まず、振動方程式 M・X2+C・X1+K・X=F(X2,X1,t) を仮定する。ここで、Mは相似則に基づいて計算された
建築構造物(シミュレーション対象物)の質量、Cは減
衰、Kは剛性マトリックスであり、X2は加速度、X1
は速度変位ベクトル、Xは応答値、F(X2,X1,
t)は外力ベクトル、tは時刻である。
【0021】次いで、M,C,Kの値を初期設定し、上
記振動方程式に基づいて初期応答値X0 を演算する(ス
テップ1)。次いで、この初期応答値X0 をサーボモー
タ8に出力して剛模型4を強制的に加振し(ステップ
2)、ロードセルによって模型に作用する実際の風外力
を測定する(ステップ3)。そして、剛模型4にかかる
実際の風外力から応答加速度及び応答速度を演算して
(ステップ4)、その値を表示・記憶するとともに、n
=n+1としてステップ1に戻る。
【0022】つまり、本発明は、風洞実験によって求め
られる構造物の非定常空気力を振動方程式の外力項にみ
たてた応答解析を行い、非定常空気力による構造物の振
動現象をシミュレーションするものである。このとき、
構造物の質量、剛性、減衰はコンピュータ内で数値的に
設定され、構造物に作用する風外力は風洞実験装置内に
設置された模型より測定される。また、応答値はコンピ
ュータ内で応答計算を行い求める。更に、その応答値
は、外力項を測定する剛模型4上にリアルタイムで再現
される(図1を参照)。
【0023】これにより、剛模型4にかかる風外力はシ
ミュレーション対象物である構造物自身の応答値に依存
しているため、この応答値との正確な相互作用を有する
非定常空気力をコンピュータ内でシミュレーションする
ことができる。すなわち、風荷重に対する応答を実際の
構造物で見たときには、該構造物が振動し、振動してい
る構造物が更に風荷重を受けたときに不安定振動が誘発
されるが、本発明によれば、このように風外力と構造物
の応答に相互作用がある場合でも、構造物の全ての振動
現象をシミュレーションすることができるのである。し
かも、剛模型4の振動系が数値的に設定されているた
め、正確且つ容易に振動系の設定を行うことができる。
また、振動系が、数値的に設定できるので、多自由度系
において減衰値が直行性を有するものなども設定可能で
ある。
【0024】そして、本発明によれば、振動系の設定の
仕方により、実際には練成していない複数の振動系を数
値的に練成(重畳)させたシミュレーションを行うこと
ができる。例えば、免震装置或いは制振装置を備えた振
動系モデルにあっては当該装置による減衰効果を計算式
中に付与することにより剛模型の変位を求めることがで
きるのである。図4は、免震ダンパーの数学モデルをコ
ンピュータ内に組み込み、実験で設定した系と数値的に
練成することにより、実際にはダンパーのない実験模型
があたかもダンパーを有するがごとき構造物として応答
することを示している。これにより、新たに開発された
制振装置が実際に使えるかどうかを実験により確認する
ことができる。
【0025】なお、本願発明は上記実施例のものに限定
されず、例えば上記実施例では、剛模型4,ロードセル
3,サポート5がジンバル2を中心としてすりこぎ運動
可能となるように構成したが、すりこぎ運動以外の他の
自由運動可能となる構成であってもよい。また、上記実
施例では、風荷重の計測器としてロードセル3を採用
し、加振手段としてサーボモータ8を作用したが、計測
器,加振手段は他のものを採用することもできる。さら
に、空気外力として風荷重を測定したが、風荷重以外の
他の空気外力を測定することもできる。
【0026】また、上記実施例では、シミュレーション
対象物として建築構造物を例示したが、本発明は、建築
構造物に限定されるものではなく、また、大スパン屋根
等の建築構造物、土木分野における橋梁、航空機の翼等
のように空気の流れが二次元となる二次元流れのシミュ
レーションにも適用することができ、このように二次元
流れ、或いは三次元流れに拘わらずあらゆる物体の空力
振動に適用することができる。
【0027】さらに、前記サポート5を下方に延長し、
該サポート5の下端に、回転軸受6を中心として上方の
剛模型4と対称な位置にダミー模型を連結し、このダミ
ー模型より発生する慣性力によって補正することによ
り、前記ロードセル3に生じる慣性力(本来の風外力で
はない力)がシミュレーションをあやまった方向へ導く
おそれを除去し、精度の高いシミュレーションを行うこ
とができる。この場合、ダミー模型を設定することに代
え、コンピュータ内で数学モデルを設定して補正するこ
ともできる。
【0028】実験例 風洞気流中にある角柱(100 ×100 ×500 ) のランダ
ム振動のシミュレーションを実験により行った。本実験
に用いた角柱及びコンピュータに入力した各パラメータ
は、回転慣性I=3.53kgf ・S 2 /cm/cm2 、固有振動数
0 =6Hz、積分時間刻みΔt=4msecに設定し、減衰
定数hを0.00, 0.01, 0.02, 0.03の四種類に設定した。
実験に使用した気流は、べき指数α=0.27、乱れ強さI
t =10%(高さ500mm ) の乱流境界層である。
【0029】ランダム振動のシミュレーションでは、ま
ず、バフェティング振動をシミュレーションした。図
5,6は応答部材角の平均値及び最大値を換算風速(V
/f0B,Vは風速、Bは角柱の幅)に対し示したもの
である。図中の値は、全て同様なシミュレーションを5
回行って求めた平均値である。また、図7はh=0.01の
場合の時刻歴応答変位を示したものである。応答部材角
の平均値は、全てのhでほぼ同じ値を示し、風速が増す
ごとに大きくなっている。図5から、一定の平均値回り
を振動する様子がよく分かる。図6の応答部材角の最大
値は、h=0.00の場合、低風速で一定値を示しながら換
算風速8で上昇する傾向を示している。これに対し、h
=0.01および0.02では、低風速から高風速まで一定に上
昇している。本来ならば、h=0.00もh=0.01、h=0.
02と同様に右上がりの曲線を描くはずである。しかし、
この結果では、低速の領域で右上がりとなっていない。
これは、サーボモータの強制力によるノイズの影響と思
われる。ノイズによる影響は、応答変位の振幅が小さい
場合に特に顕著である。本実験でシミュレーションした
バフェティング振動は、h=0.00の低風速領域を除けば
全体的に良好な結果を示している。本実施例より、本発
明におけるランダム振動の応答解析を行いながら、精度
のよい制御を行うことに関しては問題がないことが分か
った。
【0030】次に、風直行方向振動をシミュレーション
する。使用した気流、角柱並びにコンピュータに入力し
たパラメータは、減衰定数を除き、全てバフェティング
振動の場合と同じである。図8は、風直行方向振動の部
材角のRMS値を換算風速に対し示したものである。h
=0.06(0.5%) 以上では、RMS値は換算風速10まで
は比例的に上昇し、10以上ではゆるやかな上昇を示し
ている。しかし、h=0.04以下では換算風速10でギャ
ロッピングと思われる著しい発散現象がみられる。
【0031】また、図8により、換算風速10で発生し
ている発散現象の様子がよく分かる。さらに、h=0.4
%以下で発散現象が生じているにも関わらず、h=0.5
%以上で発散が生じなくなっている。このことから、発
散現象に関する減衰の臨界値は、h=0.4 %〜0.5 %に
存在していることが分かる。このように、本発明によれ
ば、減衰を正確に設定できるという点を生かして、発散
現象に関する臨界減衰値などを求めることができる。
【0032】次に、本発明は、風外力と構造物の応答の
相互作用によって、生じる発散現象がシミュレーション
できることを明らかにするため、上述した従来技術Bの
方法、すなわちあらかじめ風外力を測定し、応答解析を
行う方法を用いてシミュレーションを行った。シミュレ
ーションに関する緒言は、応答計算に基づいた強制振動
を剛模型に与えること以外は全て本発明方法を用いて行
った風直行方向のシミュレーションと同様である。その
結果を図9に示す。すべてのhでRMS値が換算風速に
伴い上昇している。しかし、本実験でみられるような著
しい発散現象はみられない。なお、図10は、h=0.00
の場合について応答変位の時刻歴を示したものである。
【0033】以上より、本実験によれば、バフェティン
グ振動はもとより、ギャロッピング等の空力不安定現象
もシミュレーションすることができることが分かった。
【0034】
【発明の効果】以上実施例によって説明したように、こ
の発明によれば、剛模型の振動特性に関する値を容易且
つ厳密に設定することができ、実際のシミュレーション
対象物の不安定振動を含む全ての空力振動を正確且つ容
易にシミュレーションすることができるとともに、シミ
ュレーション対象物に作用する非定常空気力を直接測定
できる。また、複数の振動系を重畳させたシミュレーシ
ョンを行うことができるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるシミュレーション方法の基本的
な概念図である。
【図2】(a)本発明にかかるシミュレーション装置の
好適な実施例を示す一部を切り欠いた側面図である。 (b)図2(a)の平面図である。
【図3】本発明にかかるシミュレーション方法を説明す
るためのフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施例を示すモデル的な説明図で
ある。
【図5】本発明の実験例にかかる応答部材角の平均値を
示すグラフである。
【図6】同実験例にかかる応答部材角の最大値を示すグ
ラフである。
【図7】同実験例にかかる応答変位の時刻歴を示すグラ
フである。
【図8】同実験例にかかるRMS値を示すグラフであ
る。
【図9】同実験例にかかる従来方法によるRMS値を示
すグラフである。
【図10】同実験例にかかるある条件下での応答変位の
時刻歴を示すグラフである。
【図11】従来技術Aを示す側面図である。
【図12】従来技術Bを示す側面図である。
【符号の説明】
1 固定架台(固定部) 2 ジンバル 3 ロードセル(計測器) 4 剛模型 5 サポート 6 回転軸受 8 サーボモータ(加振手段) 9 ボールネジ機構
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月6日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】本発明にかかるシミュレーション装置の好適な
実施例を示す一部を切り欠いた側面図である。
フロントページの続き (72)発明者 丸田 栄蔵 千葉県習志野市泉町1−2−1 日本大学 生産工学部内 (72)発明者 神田 亮 千葉県習志野市泉町1−2−1 日本大学 生産工学部内 (72)発明者 本間 義教 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物等のシミュレーション対象物を模
    した剛模型を固定部に対し自由に運動可能に支持し、該
    剛模型を加振するコンピュータで制御可能な加振手段を
    設けるとともに、前記剛模型に加わる空気外力を測定し
    前記コンピュータと結合した計測器を設けてなるシミュ
    レーション装置を用い前記コンピュータ内で空気力学的
    振動をシミュレーションする方法であって、 振動方程式M・X2+C・X1+K・X=F(X2,X
    1,t)を仮定し(M,C,Kは相似則に基づいて計算
    された前記シミュレーション対象物の質量、減衰、剛性
    マトリックス、X2,X1,X,F(X2,X1,
    t),tは加速度、速度変位ベクトル、応答値、外力ベ
    クトル、時刻)、前記M,C,Kの値を初期設定して応
    答値Xn+1 を演算した後、 前記初期応答値Xn+1 を加振手段に出力して剛模型を強
    制的に加振するステップと、前記計測器によって剛模型
    に作用する実際の空気外力を測定するステップと、実際
    の空気外力から応答加速度及び応答速度を演算するステ
    ップを交互に且つリアルタイムで繰り返すことを特徴と
    する空気力学的振動のシミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 構造物等のシミュレーション対象物を模
    した剛模型を固定部に対し自由に運動可能に支持し、該
    剛模型を加振するコンピュータで制御可能な加振手段を
    設けるとともに、前記剛模型に加わる空気外力を測定し
    前記コンピュータと結合した計測器を設けてなるシミュ
    レーション装置を用い前記コンピュータ内で空気力学的
    振動をシミュレーションする方法であって、 振動方程式M・X2+C・X1+K・X=F(X2,X
    1,t)を仮定する第1のステップ(M,C,Kは相似
    則に基づいて計算された前記シミュレーション対象物の
    質量、減衰、剛性マトリックス、X2,X1,X,F
    (X2,X1,t),tは加速度、速度変位ベクトル、
    応答値、外力ベクトル、時刻)、前記M,C,Kの値を
    初期設定する第2のステップ、前記振動方程式に基づい
    て応答値Xn+1 を演算する第3のステップ、前記初期応
    答値Xn+1 を加振手段に出力して剛模型を強制的に加振
    する第4のステップ、前記計測器によって剛模型に作用
    する実際の空気外力を測定する第5のステップ、実際の
    空気外力から応答加速度及び応答速度を演算する第6の
    ステップ、前記n をn+1 として第3のステップに戻る第
    6のステップをリアルタイムで繰り返すことを特徴とす
    る空気力学的振動のシミュレーション方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の空気力学的振
    動のシミュレーション方法であって、前記コンピュータ
    内で他の振動系を数値的に練成させることを特徴とする
    空気力学的振動のシミュレーション方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3に記載の空気力学的振
    動のシミュレーション方法であって、前記剛模型を加振
    することにより前記計測器に生じる本来の空気外力以外
    の慣性力がシミュレーションをあやまった方向へ導くお
    それがあるため、これを数学モデルやダミー模型より発
    生する慣性力によって補正し、もって精度を高めること
    を特徴とする空気力学的振動のシミュレーション方法。
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