JPH08184100A - 建物の建築工法 - Google Patents

建物の建築工法

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JPH08184100A
JPH08184100A JP32903694A JP32903694A JPH08184100A JP H08184100 A JPH08184100 A JP H08184100A JP 32903694 A JP32903694 A JP 32903694A JP 32903694 A JP32903694 A JP 32903694A JP H08184100 A JPH08184100 A JP H08184100A
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layer side
building
side portion
upper layer
vertical
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JP32903694A
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English (en)
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Susumu Tanaka
進 田中
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Kubota Corp
SUPER TOOL CO Ltd
Sanyo Homes Corp
Original Assignee
Kubota Corp
SUPER TOOL CO Ltd
Kubota House Co Ltd
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Publication date
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  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物を建築するに際し、建物基礎の上に屋根
を構築し、これを上昇してその下に2階部分を構築し、
更にこの2階部分を上昇してその下に1階部分を構築す
る方式を採る場合において、上階部分を上昇する途中に
ある構築物が横揺れしたり、落下したりすることがない
ようにする。 【構成】 上昇する構築物3と建物基礎1とを、伸びは
許容されるが縮みが阻止される構造を有した支柱11,
12を傾斜又は鉛直姿勢で連結しておき、構築物3を上
昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物の建築工法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近来における建物の建築工法として、コ
ンクリート基礎等の建物基礎に対し、まずその上部で屋
根部分を先に構築後、この屋根部分をトラッククレーン
やジャッキ等の上昇装置により所定高さに上昇させ、し
かる後、この屋根部分の下部に上階部分(二階居室等)
を構築し、またこの上階部分を上昇させた後に、その下
部に下階部分(一階居室等)を構築するという工法が提
案されている(例えば特公平5−30949号(以下、
第1従来例と言う)や特開平6−129109号(以
下、第2従来例と言う)等参照)。
【0003】この種建築工法では、上層側部分(屋根部
分又は上階部分)を上昇させた後、この下方で下層側部
分(屋根部分に対する上階部分、又は上階部分に対する
下階部分等)を構築している間に上層側部分が横揺れし
たり又は落下したりするのを防止するため、例えば上記
第1従来例では、伸長状態を固定可能な伸縮柱治具を上
層側部分の下部へ設けているし、また上記第2従来例で
も、構造的にやや複雑且つ大型であるが、上下のフレー
ムをパンタグラフ式に折り曲がり可能に結合させて成る
倒壊防止フレームを上層側部分の下部へ設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記伸縮柱治具や倒壊
防止フレームは、所定の起立固定状態に達するまでの
間、すなわち、上層側部分を上昇させ始めてから完了す
るまでの間は、上層側部分の横揺れや落下に対する防止
効果が殆どないものであった。本発明は、上記事情に鑑
みてなされたものであって、上層側部分を上昇させ始め
てから完了するまでの間にあっても、この上昇側部分が
横揺れや落下を起こすことがないようにし、しかも構造
的に大掛かりとならず、作業能率の低下及び建築コスト
の高騰化を招来することもないようにした建物の建築工
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明は、建物基礎に対し、建物の上層側部分を先ず構築
し、該上層側部分を所定高さに上昇させた後その下部に
下層側部分を構築するようにした建物の建築工法に関す
るものであって、請求項1に係る建築工法では、軸方向
に対し、伸びは許容するが収縮が阻止される構造を有す
る支柱を準備し、該支柱を傾斜させて一方端を上層側部
分の適所に、他方端を地盤固定物に、それぞれ連結した
後、上層側部分を所定の高さに上昇させることを特徴と
している。
【0006】また請求項2に係る建築工法では、軸方向
の伸びは許容するが収縮が阻止される構造を有した支柱
を準備し、該支柱を鉛直に一方端を上層側部分の適所
に、他方端を地盤固定物にそれぞれ連結した後、前記上
層側部分を所定の高さに上昇させることを特徴としてい
る。請求項3に係る工法では、請求項1記載の傾斜姿勢
の支柱と請求項2記載の鉛直姿勢の支柱とを適宜配置で
併用することが可能である。
【0007】請求項4に係る工法では、請求項2記載の
鉛直姿勢の支柱を水平ブレースで連結することが可能で
ある。請求項5に係る工法では、鉛直姿勢の支柱で形成
される少なくとも直交する鉛直面の支柱を鉛直ブレース
で連結することが可能である。請求項6に係る建築工法
では、前記請求項5に係る工法において鉛直姿勢の支柱
を水平ブレースで連結することを特徴としている。
【0008】
【作用】上層側部分と地盤固定物との間を傾斜姿勢で連
結する支柱は、軸方向に対し伸びが許容される構造を有
しているので、上層側部分を上昇させてゆく過程におい
て支柱は常に上層側部分と地盤固定物との間で傾斜した
架設姿勢を維持する(傾斜角度は徐々に変化する)よう
になる。しかも、この支柱は、伸びに対して収縮が阻止
される構造を有しているので、常に上層側部分の横揺れ
やねじれに対して防止作用を維持できる。
【0009】上層側部分と地盤固定物との間を鉛直姿勢
で連結する支柱は、軸方向に対し伸びが許容される構造
を有しているので、上層側部分を上昇させてゆく過程に
おいて支柱は常に上層側部分と地盤固定物との間で直立
姿勢を維持する。しかも、この支柱は、伸びに対して収
縮が阻止される構造を有しているので、常に上層側部分
の荷重を支える作用を維持できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。建築中の建物を示す図1において、1はコンクリ
ートによって形成された建物基礎、2は上階部分の床を
構成する梁組、3は屋根を構成する小屋組であり、図示
状態では、建物基礎1の上部に仮小柱5を介して梁組2
を載設し、次にこの梁組2の上部に仮小柱6を介して小
屋組3を載設した段階にある。
【0011】従ってこの次の段階では、梁組2を不動の
まま、仮小柱6を外してジャッキ等の上昇装置(図示
略)により小屋組3を上昇させるようにする(以下、小
屋組3が上層側部分(符号3を流用する)であり、梁組
2を床として構成される上階部分が下層側部分であるも
のとして説明する)が、本発明の建築工法では、上層側
部分3の上昇前に、上層側部分3が具備する梁組8と建
物基礎1で示す地盤固定物との上下間には、適数本の支
柱11をそれぞれ傾斜姿勢で架設する(その上下各端部
は枢支結合状態とする)と共に、適数本の支柱12をそ
れぞれ垂直姿勢で立設する。
【0012】傾斜姿勢の支柱11及び鉛直姿勢の支柱1
2は、いずれも、軸方向の伸びは許容されるがその伸び
に対する収縮が阻止される構造を有したものである(構
造の詳細は後述する)。本実施例では、梁組2の平面形
状を図2に示すように横長長方形の建物を建築するもの
としたので、傾斜姿勢の支柱11は建物の外回りにおい
て各鉛直面に2本づつ、合計8本設けるようにし、また
鉛直姿勢の支柱12は対向する一対の面に各々4本づ
つ、合計8本設けるようにしたものを例示している。
【0013】また、上層側部分3において屋内スペース
となるうちの中央部分(屋根において最も高くなる部分
の下方領域)には、建物基礎1に対し、上昇前の上層側
部分3内に許容される範囲で、合計4本の鉛直姿勢の支
柱12を立設する。そして、中央部分における各鉛直姿
勢の支柱12で形成される平面視方形部には、図3
(a)に示すようにその水平方向に沿って水平ブレース
16を交差状に架設して対角関係にある支柱12を連結
すると共に、必要に応じて四辺形状の水平ブレース17
をも架設している。また、図3(b)に示しているよう
に中央部分における鉛直姿勢の支柱12で形成される鉛
直面の各支柱12の相互間における起立方向に沿って鉛
直ブレース18を架設して連結している。
【0014】このようにした後、上層側部分3を上昇さ
せる。このときに用いる上昇装置としては、クライミン
グポールに対して孔係合により昇降する油圧スパンワー
ム方式(いわゆる、尺取り運動によって昇降する構造の
もの)のジャッキを用いるのが、落下防止を確実化する
うえで好適である。勿論、上昇装置として油圧シリンダ
式のジャッキやトラッククレーン等を用いることも可能
である。
【0015】上層側部分3を上昇させてゆくと、傾斜支
柱11は傾斜姿勢を維持する範囲内でその傾斜角度を変
化させつつ、また鉛直支柱12は垂直姿勢のまま、共に
軸方向へ伸びてゆく。この間、万が一、地震や突風が発
生したり、上昇装置が故障したりした場合でも傾斜支柱
11及び鉛直支柱12は縮むことがないので、上層側部
分3が横揺れやねじれを起こしたり、又は落下したりす
ることはない。
【0016】上層側部分3の上昇が完了した後は、この
上層側部分3と下層側部分とに本柱等を建付けした後、
梁組2を床として下層側部分(上階部分)の構築を行う
ようにする。そして、次に上記下層側部分(上階部分)
を今度は上層側部分とおき、また建物基礎1又はその上
部に対して設ける下階部分の床となる梁組(図示略)を
下層側部分として、上記手順を繰り返すようにする。
【0017】次に、各使用部材につき説明する。上記傾
斜支柱11(図1参照)は、主に、上昇中及び上昇後に
おける上層側部分3に横揺れやねじれが生じるのを防止
するために設けるものであって、図4(a)に示すよう
に下側とされる基部筒23に対して、その上方へ向けて
伸び軸24がガタを有しない程度に摺動自在となるよう
に挿入された二重軸構造を有している。
【0018】基部筒23には角パイプが用いられ、その
下端部には、建物基礎1(図1参照)等に対して枢支結
合するための下側枢支片25が設けられている。また伸
び軸24には基部筒23よりも一回り細い角パイプ又は
角棒が用いられ、その上端部には、上層側部分3(図1
参照)の梁組8等に対して枢支結合するための上側枢支
片26が設けられている。
【0019】基部筒23の上端部には縮退阻止装置26
が設けられている。この縮退阻止装置28は、角孔30
aを有したブレーキ板30が伸び軸24に嵌められ、こ
のブレーキ板30が伸び軸24の片側ではボルト31に
より上方へ向け押圧可能とされ、また伸び軸24を介し
た反対側ではバネ32により下方へ向けて引張付勢され
るようになったものである。
【0020】このようにして成る傾斜支柱11では、ま
ずボルト31を締め込んで図4(b)に示すようにブレ
ーキ板30が伸び軸24に対して傾くようにセットす
る。この状態では、基部筒23から伸び筒24を上方へ
引き出す動きに対して、ブレーキ板30がバネ32寄り
を上方へ傾け、伸び軸24に対する直交状態に近づくよ
うになるので、伸び筒24の引き出し(即ち、伸び)は
許容されるが、伸び筒24が基部筒23内へ戻ろうとす
る動きに対しては、ブレーキ板30の角孔30a内縁が
伸び筒24の外周面に圧接して、伸び軸24の戻り(即
ち、縮み)は阻止されるようになる。
【0021】なお、ボルト31を弛めた状態とすれば、
図4(a)に示すようにブレーキ板30が伸び軸24に
対して直交状態になるので、伸び軸24を基部筒23に
対して出し入れすることが自在に行えることは言うまで
もない。本実施例では、上記ボルト31に対してその根
元(下方)寄りに締め過ぎを防止するカラー35を挿通
させてあり、締め過ぎによるブレーキ板30又はボルト
31自体の曲がりや折れ、又は伸び軸24の外面損傷が
防止できるようにしてある。
【0022】また、ボルト31に対してその先端(上
方)寄りに弛め過ぎを防止するカラー36を挿通させて
あり、弛め過ぎによってブレーキ板30の逆傾斜に伴う
ブレーキ力が発生するのを防止してある。更に、バネ3
2を保護筒37内へ挿通させる構造として、その伸縮が
他物との接触干渉によって邪魔されることがないように
してある。
【0023】図5は縮退阻止装置28の別実施例を示し
たもので、この実施例では、ブレーキ板30に対し、ボ
ルト31寄りに枢支軸40を配して補助ブレーキ板41
が蝶動自在に設けられ、この補助ブレーキ板41がバネ
42によってブレーキ板30から上方へ開く方向へ付勢
されるようになっている。この補助ブレーキ板41に
も、伸び軸24を嵌める角孔41aが形成されている。
また、図4に示した縮退阻止装置28とは異なり、バネ
32は具備していない。
【0024】この縮退阻止装置28では、ボルト31を
締め込んでブレーキ板30を傾かせたとき、補助ブレー
キ板41はブレーキ板30とは逆方向に傾いて、その角
孔41aの内縁が伸び軸24の外周面に圧接するように
なっている。この状態で基部筒23から伸び軸24を引
き出すと、ブレーキ板30が伸び軸24と直交する状態
へ近づくべく引き上げられる(破線矢符参照)と共に、
補助ブレーキ板41についても伸び軸24と直交する状
態へ近づくようになるので、伸び筒24の引き出し(即
ち、伸び)は許容される。しかし、伸び筒24が基部筒
23内へ戻ろうとする動きに対しては、ブレーキ板30
及び補助ブレーキ板41が図示の傾斜状態となって、そ
れらの角孔30a,41aの内縁が伸び軸24の外周面
に圧接するので、伸び軸24の戻り(即ち、縮み)は阻
止されるものとなる。
【0025】伸び軸24を基部筒23内へ戻す(縮め
る)ようにする場合には、ブレーキ板30及び補助ブレ
ーキ板41に突設された把持片30b,41bを相互近
接方向へ把持すればよい。なお、この傾斜支柱11は、
図4及び図5に示すいずれもが上下を逆にして用いるこ
とが可能であるが、縮退阻止装置28の使用勝手を考慮
すれば、基部筒23を下とするのが好適である。
【0026】上記鉛直支柱12(図1参照)は、主に、
上昇中及び上昇後における上層側部分3の落下を防止す
るために設けるものであって、図6に示すように下側と
される基部筒45に対して、その上方へ向けて中間伸び
軸46がガタを有しない程度に摺動自在となるように外
挿され、且つこの中間伸び軸46に対してその上方へ上
側伸び軸47がガタを有しない程度に摺動自在となるよ
うに外挿された三重軸構造を有している。
【0027】基部筒45には角パイプ又は角棒が用いら
れ、その下端部には、建物基礎1(図1参照)等との結
合に用いられる起立固定装置50が設けられている。こ
の起立固定装置50には適宜のクランプ構造を有したも
のが用いられている。この基部筒45には、縦方向面の
一つに上下方向に所定間隔で多数のロック孔45a(本
実施例では100mmピッチで合計15個とした)が形
成されている。また、このうち最上位のロック孔45a
と同一高さにあって、その縦方向面とは異なる(例えば
裏面側となる)縦方向面には抜止め孔45bが形成され
ている。
【0028】中間伸び軸46には基部筒45よりも一回
り太い角パイプが用いられ、基部筒45のロック孔45
aと対応する縦方向面の下端部に、後述する縮退阻止装
置51が、また基部筒45の抜止め孔45bと対応する
縦方向面の下端部に、後述する抜止め装置52がそれぞ
れ設けられている。また、下端部寄りの適所にストッパ
ー装置53が設けられている。
【0029】この中間伸び軸46には、縦方向面の一つ
に上下方向に所定間隔で多数のロック孔46a(本実施
例では200mmピッチで合計6個とした)が形成され
ている。また、このうち最上位のロック孔46aと同一
高さにあって、その縦方向面とは異なる(例えば裏面側
となる)縦方向面には抜止め孔46bが形成されてい
る。
【0030】上側伸び軸47には中間伸び軸46よりも
一回り太い角パイプが用いられ、その下端部には中間伸
び軸46の場合と同様に、中間伸び軸46のロック孔4
6aと対応する縦方向面の下端部に縮退阻止装置51
が、また中間伸び軸46の抜止め孔46bと対応する縦
方向面の下端部に抜止め装置52がそれぞれ設けられて
いる。また、下端部寄りの適所にストッパー装置53が
設けられている。
【0031】この上側伸び軸47には、上層側部分3
(図1参照)の梁組8等との結合に用いられる支承装置
55が外嵌状に設けられている。この支承装置55には
適宜のクランプ構造を有したものが用いられている。な
お、この支承装置55は、上側伸び軸47に対して上下
位置を任意に変更可能となっており、例えば上層側部分
3との結合を行う場合には上側伸び軸47の上端部へ位
置付け、また梁組2(図1参照)との結合を行う場合に
は上側伸び軸47の中間乃至下部寄りへ位置付けるよう
にする。
【0032】上記縮退阻止装置51は、図7に示す(上
側伸び軸47に設けられたものを示した)ように、保持
筒58内において先端部に爪具59を有したロック軸6
0が、バネ61により上側伸び軸47(又は中間伸び軸
46)を貫通してその内方へ突出付勢されるようになっ
たものである。従ってこの爪具59は、中間伸び軸46
の各ロック孔46a(又は基部筒45の各ロック孔45
a)と係合可能になっている。
【0033】上記ロック軸60には保持筒58から軸方
向外方(図7左側)へ突出する操作部63が設けられて
おり、この操作部63を素手又は工具により回動させる
ことで、爪具59をその傾斜面59aが上向きになる姿
勢と下向きになる姿勢とに切換可能になっている。鉛直
支柱12を伸ばす場合には傾斜面59aを上、縮める場
合には傾斜面59aを下へ向ける。
【0034】一方、抜止め装置52は、縮退阻止装置5
1と略同様の構造を有したものとした。ただ、この抜止
め装置52に備えられる爪具59は、その傾斜面59a
が常に下向きとなっていればよく、従ってロック軸60
が保持筒58内で回動する構造は特に必要ではない。上
記ストッパー装置53は、蝶ボルトによって上側伸び軸
47と中間伸び軸46又は中間伸び軸46と基部筒45
とを摺動不能に固定するものであって、鉛直支柱12の
不使用時、又は伸長状態を保持させる時に上記蝶ボルト
を締め付けるようにして用いる。
【0035】このようにして成る鉛直支柱12では、基
部筒45を固定し、上下のストッパー装置53を弛めた
状態にしたうえで上側伸び軸47を引き上げるようにし
た場合、まず上側伸び軸47だけが上昇し、その縮退阻
止装置51においては爪具59が、順次、ロック孔46
aとの係合及び傾斜面59aに沿った離脱をカチャカチ
ャと音をたてながら繰り返してゆく。もし仮に、この引
き上げ途中で上側伸び軸47を解放したとしても、爪具
59は、それより下方側で最も近接した位置のロック孔
46aと係合して脱出不能となるので、上側伸び軸47
は落下しない(即ち、縮むことはない)。
【0036】上側伸び軸47が所定量上昇してその抜止
め装置52における爪具59が抜止め孔46bに係合す
ると、次に基部筒45に対して中間伸び軸46が上昇を
開始する。そして、上記と同様にその縮退阻止装置51
による縮み阻止状態が維持されたまま、その抜止め装置
52が動作するまで又は鉛直支柱12の全長が所定長さ
に達するまで、中間伸び軸46の上昇が許容される。
【0037】上記水平ブレース16,17(図3(a)
参照)及び鉛直ブレース18(図3(b)参照)は、鉛
直支柱11相互間の剛性を高め、上昇後の上層側部分3
に横揺れやねじれが生ずることがないようにするために
設けるものである。これらはいずれも、鋼線、ボルト
材、又はワイヤ等の緊締材67の中間部にターンバック
ル等の長さ調節具68を介設させたものである。
【0038】なお、これら水平ブレース16や鉛直ブレ
ース18は、鉛直支柱11相互間における高さ方向中間
部又は上部寄りに設けることも可能である。ところで、
前記実施例では、傾斜支柱11及び鉛直支柱12は建物
の外側となる位置へ設けるようにしているが、両支柱1
1,12の少なくとも一方(好ましくは双方)を、上層
側部分3において屋内スペースとなる部分へ配するよう
にしてもよい。
【0039】このようにすると、上層側部分3を上昇さ
せた後、この上層側部分3の下部へ建物外郭を構成する
柱材や壁材(内壁、外壁)等から建て込みを開始する場
合に際し、これら建て込み作業との干渉が少なく、可及
的に長い間にわたって傾斜支柱11や鉛直支柱12を付
設しておくことができるものとなる。すなわち、それだ
け上層側部分3における横揺れやねじれの防止及び落下
防止が図れるようになる利点がある。
【0040】本発明において、傾斜支柱11及び鉛直支
柱12の使用本数や使用箇所等は限定されるものではな
い。傾斜支柱11、鉛直支柱12の下端部は、建物基礎
1に対して連結することが限定されるものではなく、例
えば建物基礎1に対して固定した梁組2等の適所へ連結
することもできる。
【0041】前記実施例で説明した傾斜支柱11を鉛直
支柱12として用いたり、反対に、鉛直支柱12を傾斜
支柱11として用いたりすることも可能である。本発明
は、2階建て以上の建物は勿論、1階建にも実施可能で
ある。また、その他、本発明における細部にわたる手順
等においては実施の態様に応じて適宜変更可能である。
【0042】例えば、請求項1に係る発明においては、
鉛直支柱12を省略し、傾斜支柱11だけを用いること
ができ、この傾斜支柱11は図1に示すA点とB点のよ
うに建物の一面にひとつだけ用い、他面にはクロス(図
1のC点、D点間)するように連結することができる。
請求項2に係る発明においては、傾斜支柱11を省略
し、鉛直支柱12だけを用いることができる。更に、水
平ブレース16を用いるときは、図示の中央部分以外で
あってもよく、鉛直ブレース18については少なくとも
直交2面に用いることもできる。
【0043】
【発明の効果】本発明は、上述の構成を具備するもので
あって、上層側部分と建物基礎等との間に、伸びは許容
されるが縮みが阻止される構造を有した傾斜支柱を設け
るようにしているので、上層側部分を上昇させてゆく過
程において万が一地震や突風が生じたとしても、上層側
部分が横揺れやねじれを生じることはない。
【0044】しかも、傾斜支柱は構造的に簡潔であり、
建築中の建物に対する取り付けも容易であるため、作業
能率を低下させる原因とはならず、また建築コストを高
騰化させるおそれもない。また、上層側部分と建物基礎
等との間に、伸びは許容されるが縮みが阻止される構造
を有した鉛直支柱を設けるようにしているので、上層側
部分を上昇させてゆく過程において万が一上昇装置が故
障するようなことがあっても、上層側部分が落下するこ
とはない。
【0045】しかも、鉛直支柱は構造的に簡潔であり、
建築中の建物に対する取り付けも容易であるため、作業
能率を低下させる原因とはならず、また建築コストを高
騰化させるおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築工法の主要手順を示す側面図
である。
【図2】建築中の建物を示す概略平面図である。
【図3】(a)は鉛直支柱に対して水平ブレースを設け
た状況を示した斜視図であり、(b)は鉛直支柱に対し
て鉛直ブレースを設けた状況を示した斜視図である。
【図4】(a)は傾斜支柱を中間省略して示す一部破砕
正面図であり、(b)はその動作説明図である。
【図5】傾斜支柱が有する縮退阻止装置の別実施例を示
す正面断面図である。
【図6】鉛直支柱を中間省略して示す正面断面図であ
る。
【図7】鉛直支柱が有する縮退阻止装置を拡大して示す
正面断面図である。
【符号の説明】
1 建物基礎 2 梁組(上階部分の床となるもの) 3 小屋組(上層側部分として説明) 11 傾斜支柱 12 鉛直支柱

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物基礎に対し、建物の上層側部分を先
    ず構築し、その上層側部分を所定の高さに上昇させた後
    その下部に下層側部分を構築する建物の建築工法におい
    て、 軸方向に対し伸長を許容するが収縮が阻止される構造を
    有する支柱を準備し、 前記支柱を傾斜させて一方端を前記上層側部分の適所
    に、他方端を地盤固定物に、それぞれ枢支連結した後、
    前記上層側部分を所定の高さに上昇させることを特徴と
    する建物の建築工法。
  2. 【請求項2】 建物基礎に対し、建物の上層側部分を先
    ず構築し、その上層側部分を所定の高さに上昇させた後
    その下部に下層側部分を構築する建物の建築工法におい
    て、 軸方向に対し伸長を許容するが収縮が阻止される構造を
    有する支柱を準備し、 前記支柱を鉛直に一方端を前記上層側部分の適所に、他
    方端を地盤固定物に、それぞれ連結した後、前記上層側
    部分を所定の高さに上昇させることを特徴とする建物の
    建築工法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の傾斜姿勢の支柱と請求項
    2記載の鉛直姿勢の支柱とを適宜配置で併用することを
    特徴とする建物の建築工法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の鉛直姿勢の支柱を水平ブ
    レースで連結していることを特徴とする請求項3記載の
    建物の建築工法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の鉛直姿勢の支柱で形成さ
    れる鉛直面の少なくとも直交する鉛直面の支柱を鉛直ブ
    レースで連結していることを特徴とする請求項2記載の
    建物の建築工法。
  6. 【請求項6】 鉛直姿勢の支柱を水平ブレースで連結し
    ていることを特徴とする請求項5記載の建物の建築工
    法。
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