JPH08183123A - フッ素樹脂を融着保持した無機繊維織布又は不織布からなる表面疎水化積層体およびその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂を融着保持した無機繊維織布又は不織布からなる表面疎水化積層体およびその製造方法

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JPH08183123A
JPH08183123A JP32770594A JP32770594A JPH08183123A JP H08183123 A JPH08183123 A JP H08183123A JP 32770594 A JP32770594 A JP 32770594A JP 32770594 A JP32770594 A JP 32770594A JP H08183123 A JPH08183123 A JP H08183123A
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JP
Japan
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woven fabric
fluororesin
inorganic fiber
laminate
hydrophobicized
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JP32770594A
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Osamu Shirasaki
治 白崎
Masaharu Kawachi
正治 河内
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フッ素樹脂ディスパージョンを含浸させる工
程を使用せずに、無機繊維織布又は不織布の表面にフッ
素樹脂層を設ける方法およびその方法によって得られる
表面疎水化積層体を提供すること。 【構成】 無機繊維織布又は不織布の表面にフッ素樹脂
粉末を載置したのち、これを焼結する表面疎水化積層体
の製造方法およびこれにより得られる表面疎水化積層
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素樹脂を融着保持
した無機繊維織布又は不織布からなる表面疎水化積層体
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は、非粘着性、防汚性、耐熱
性、耐薬品性、透明性、耐紫外線劣化性、耐候性、撥水
撥油性など、他の樹脂にはみられない優れた特性を有し
ている。ところで、一般に樹脂成形体、特にフィルム状
のものは他の材料を接着して積層体として使用されるこ
とも多いが、フッ素樹脂はその特徴である非粘着性のた
め他の材料との積層が非常に困難である。そのため、前
記のような優れた特性をもちながら、広汎に使用されて
いないのが現状である。
【0003】しかし、フッ素樹脂の中でも比較的他の材
料との接着性の良いテトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(以下PFAと呼
ぶ)又はテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(以下FEPと呼ぶ)などを使用するこ
とにより、フッ素樹脂を他の材料に容易に積層すること
ができるようになった。例えば、ガラス繊維などの無機
繊維織布又は不織布にフッ素樹脂成形体を積層する方法
については以下のような方法が知られている。
【0004】1) 無機繊維織布又は不織布の片面又は
両面をシリコン系又はフッ素樹脂系撥水撥油処理剤を用
い撥水処理した後、ポリテトラフルオロエチレン(以下
PTFEと呼ぶ)ディスパージョンを片面含浸し、乾燥
し焼結して処理する方法。
【0005】2) 無機繊維織布又は不織布にPFAフ
ィルム又はFEPフィルムを積層させ、加熱し、加圧溶
着する方法。 3) 無機繊維織布又は不織布とPTFEフィルムとの
間にPFAフィルムを積層させ、加熱し、加圧溶着する
方法。 4) 無機繊維などの基材繊維織布又は不織布表面にフ
ッ素樹脂ディスパージョンを含浸させた後、この基材繊
維織布又は不織布表面に熱溶融性フッ素樹脂粉末層を設
け、加熱焼成して熱溶融性フッ素樹脂粉末層の粉末を互
いに融着してなるフッ素樹脂積層体と、前記積層体の熱
溶融性フッ素樹脂粉末層が設けられた面にフッ素樹脂製
チューブ、フッ素樹脂製シート、又はフッ素樹脂製品が
接するように密着させた後加熱する方法(特開昭64−
20133号公報記載)。
【0006】しかし、上記方法は、次のような問題点を
有する。
【0007】1)の方法では、無機繊維織布又は不織布
を撥水撥油処理剤で撥水処理した後、水又は溶剤にPT
FE粉末を界面活性剤により分散させたPTFEディス
パージョンで片面を処理するが、撥水処理により、撥水
処理面とPTFEディスパージョン片面処理界面におけ
る焼成後の接着強度の低下が起きやすい。さらに、PT
FEディスパージョンで片面を処理することにより、無
機繊維織布又は不織布の裏面に一部のPTFEディスパ
ージョンが浸出する。このため、他の材料に接着剤を用
い無機繊維織布又は不織布を積層する際、無機繊維織布
又は不織布と他の材料界面における接着強度の低下が起
きやすい。
【0008】2)の方法では、無機繊維織布又は不織布
の凸凹面へPFAフィルム又はFEPフィルム(10〜
25μm)を融点以上で均一に付着させようとした場
合、広い面積においての均一な圧力が必要で、さらに加
熱時フイルムの熱膨張によりシワができやすく、均一に
撥水処理された織布又は不織布の製造は難しい。
【0009】3)の方法では、無機繊維織布又は不織布
とPTFEフィルムとの間にPFAフィルムを積層さ
せ、加熱し、加圧溶着する際、無機繊維織布又は不織布
の凹凸部又は無機単繊維間へPFAフィルム溶融物の浸
入が不均一であるため、PFAフィルムを介しての無機
繊維織布又は不織布とPTFEフィルムの積層には、接
着強度の低下が生じ易い。
【0010】4)の方法では、基材繊維織布又は不織布
表面に水又は溶剤にフッ素樹脂粉末を分散させたフッ素
樹脂ディスパージョンを含浸させると、水又は溶剤と同
時にフッ素樹脂粉末などの分散物が該基材繊維織布又は
不織布の裏側まで浸出し、無機繊維織布又は不織布を他
の材料(金属等)に接着したとき接着強度の低下が生じ
易い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素樹脂ディスパージョンを含浸させる工程を使用せず
に、無機繊維織布又は不織布の表面にフッ素樹脂層を設
ける方法およびその方法によって得られる表面疎水化積
層体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、無機
繊維織布又は不織布の表面にフッ素樹脂粉末を載置した
のち、これを焼結する表面疎水化積層体の製造方法であ
る。さらに本発明は、無機繊維織布又は不織布の表面に
フッ素樹脂粉末を融着させることにより片面に積層面を
設けたことを特徴とする表面疎水化積層体である。本発
明の積層体は前記表面疎水化積層体の積層面にフッ素樹
脂フィルム層を融着接着させて設けた積層体をも包含す
る。
【0013】本発明において用いられる無機繊維織布又
は不織布としては、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミ
ド繊維、金属繊維などの織布又は不織布を使用すること
ができ、このうち織布には網なども含まれる。前記材料
の中では特にガラス繊維織布又は不織布が好ましい。
【0014】本発明において用いることのできるフッ素
樹脂粉末としては、たとえば上述のPFAおよびFEP
のほか、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体
(以下ETFEと呼ぶ)、テトラフルオロエチレン−フ
ッ化ビニリデン共重合体(以下TFE/VdF共重合と
呼ぶ)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(以下EPAと呼ぶ)、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン(以下PCTFEと呼ぶ)、クロロトリフルオロエチ
レン−エチレン共重合体(以下ECTFEと呼ぶ)、ク
ロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体
(以下CTFE/VdF共重合と呼ぶ)、ポリフッ化ビ
ニリデン(以下PVdFと呼ぶ)などがあげられ、特に
PFA、FEPが好ましい。
【0015】ここで、フッ素樹脂粉末の粒径について
は、無機繊維織布又は不織布に該フッ素樹脂粉末を載置
させたとき、無機繊維の織目又は編目の山から谷の表面
全体に広がることが可能で更には単繊維間に少量浸入す
るものが好ましい。また、無機繊維織布又は不織布の織
目又は編目が粗なものに対しては、織目又は編目に存す
る小空隙より該フッ素樹脂粉末が浸出しないようある程
度粒径の大きいものが好ましい。しかし、織目又は編目
に存する小空隙より洩れるような小粒径のフッ素樹脂粉
末が混じっていても、無機繊維織布又は不織布上に止ま
る粒径の粒子が実体的に含まれている限り利用すること
ができ、場合により洩れた粒径の小さなフッ素樹脂は、
減圧吸引等により回収し再利用しても良い。
【0016】本発明の表面疎水化積層体を製造するに
は、まず、無機繊維織布又は不織布上にフッ素樹脂粉末
を載置する。載置の具体的方法としては無機繊維織布又
は不織布上にフッ素樹脂粉末を載せ、ドクターナイフを
用いて表面が均一な厚みの粉末で覆われるようにならす
方法、前記織布又は不織布表面に上からスプレーガンを
用いフッ素樹脂粉末を均一な厚みになるように散布する
方法、外周に孔を設けたロール内にフッ素樹脂粉末を入
れ前記織布又は不織布上で回転させ粉末を落とし、ドク
ターナイフを用いて表面が均一な厚みの粉末で覆われる
ようにならす方法、ボックス内にフッ素樹脂粉末を入
れ、底面より空気を吹き付けフッ素樹脂粉末を浮遊化さ
せ前記織布又は不織布に付着させる方法、さらにこれら
の方法を組み合わせた方法等を挙げることができる。次
に、上記の方法によりフッ素樹脂粉末を載置した無機繊
維織布又は不織布は、これらフッ素樹脂粉末の融点以上
の温度に設定された雰囲気中を通過させることにより焼
結する。以上の工程で、表面疎水化積層体ができる。
【0017】さらに、こうして得られた表面疎水化積層
体のフッ素樹脂粉末を焼結した面に、フッ素樹脂フィル
ムを融着させて表面疎水化積層体を製造する。ここで用
いられるフッ素樹脂フイルムのフッ素樹脂としては、た
とえばPTFE又はその変性物、PFA、FEP、ET
FE、TFE/VdF共重合体、EPA、PCTFE、
ECTFE、CTFE/VdF共重合体、PVdFなど
があげられる。また、形状については積層可能なもので
あれば特に限定されず、フィルム状やシート状、チュー
ブ状、パイプ状、ブロック状、織物状、繊維状のものな
どがあげられるが、特にフイルム状、シート状のものが
好ましい。
【0018】本発明の製造方法によって得られる表面疎
水化積層体は、この積層体のフッ素樹脂を積層していな
い面を用いて、他の材質と容易に接着することができ
る。このため、酸・アルカリ等の貯槽および輸送タン
ク、ビル地下室等の排煙道および排煙道等の接手、木
材、壁紙や紙等の防水、塗装ブースの内装など多種多様
な製品および用途に使用することができる。
【0019】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0020】実施例1 厚さ約0.2mmのガラスクロス(日東紡績(株)製:
WL−180−107)の片面に平均粒径25μmのP
FA粉末を1m2あたり30gの割合で載せ、ドクター
ナイフを用いて表面のPFA粉体の厚みが均一になるよ
うにならし、350℃で10分間焼結し表面が疎水化さ
れたガラスクロスを得た。
【0021】実施例2 厚さ約0.9mmのガラスニット(三重織物(株)製:
YEK−100)の片面に平均粒径25μmのPFA粉
末を1m2あたり120gの割合で載せ、ドクターナイ
フを用いて表面のPFA粉体の厚みが均一になるように
ならし、350℃で10分間焼結し表面が疎水化された
ガラスニットを得た。
【0022】実施例3 厚さ約0.6mmのガラスクロス(日東紡績(株)製:
WH500B120)の片面に平均粒径25μmのPF
A粉末を1m2あたり80gの割合で載せ、ドクターナ
イフを用いて表面のPFA粉体の厚みが均一になるよう
にならし、350℃で10分間焼結し表面が疎水化され
たガラスクロスを得た。
【0023】実施例4 実施例1により得られた表面疎水化ガラスクロスの疎水
化面と厚さ0.1mmのPTFEフィルムを積層し、加
熱温度380℃、圧力1kg/cm2の下で90秒間保
持し、その後90秒かけて30℃まで冷却し、疎水化面
へフッ素樹脂フィルムを融着させた積層体を得た。ガラ
スクロスとPTFEフィルムとの接合面の剥離強度は
0.7〜0.8kg/cm巾であった。
【0024】実施例5 実施例2により得られた表面疎水化ガラスニットの疎水
化面と厚さ1mmのPTFEフィルムを積層し、加熱温
度390℃、圧力1kg/cm2の下で110秒間保持
し、その後90秒かけて30℃まで冷却し疎水化面へフ
ッ素樹脂フィルムを融着させた積層体を得た。ガラスニ
ットとPTFEフィルムとの接合面の剥離強度は3.5
〜4.5kg/cm巾であった。
【0025】実施例6 実施例3により得られた表面疎水化ガラスクロスの疎水
化面と厚さ1mmのPTFEフィルムを積層し、加熱温
度390℃、圧力1kg/cm2の下で110秒間保持
し、その後90秒かけて30℃まで冷却し疎水化面へフ
ッ素樹脂フィルムを融着させた積層体を得た。ガラスク
ロスとPTFEフィルムとの接合面の剥離強度は2.5
〜3.0kg/cm巾であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素樹脂ディスパー
ジョンを含浸させる工程を使用せずに、容易にフッ素樹
脂による無機繊維織布又は不織布の表面疎水化積層体を
得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機繊維織布又は不織布の表面にフッ素
    樹脂粉末を載置したのち、これを焼結することを特徴と
    する表面疎水化積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 無機繊維織布又は不織布の表面にフッ素
    樹脂粉末を融着させることにより片面に積層面を設けた
    ことを特徴とする表面疎水化積層体。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂粉末の平均粒径が10〜
    300μmであることを特徴とする請求項2記載の表面
    疎水化積層体。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の表面疎水化積層体
    の積層面にフッ素樹脂フィルム層を融着させて設けたこ
    とを特徴とする表面疎水化積層体。
  5. 【請求項5】 前記フッ素樹脂フイルムの厚みが10〜
    500μmであることを特徴とする請求項4記載の表面
    疎水化積層体。
JP32770594A 1994-12-28 1994-12-28 フッ素樹脂を融着保持した無機繊維織布又は不織布からなる表面疎水化積層体およびその製造方法 Pending JPH08183123A (ja)

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