JPH08183027A - 熱可塑性樹脂組成物の製法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製法

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JPH08183027A
JPH08183027A JP6328665A JP32866594A JPH08183027A JP H08183027 A JPH08183027 A JP H08183027A JP 6328665 A JP6328665 A JP 6328665A JP 32866594 A JP32866594 A JP 32866594A JP H08183027 A JPH08183027 A JP H08183027A
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JP
Japan
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talc
kneading
thermoplastic resin
resin composition
weight
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JP6328665A
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English (en)
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Takao Noda
孝男 野田
Koichi Takayama
幸一 高山
Hitoshi Amita
仁 網田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/50Details of extruders
    • B29C48/505Screws
    • B29C48/52Screws with an outer diameter varying along the longitudinal axis, e.g. for obtaining different thread clearance
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/375Plasticisers, homogenisers or feeders comprising two or more stages
    • B29C48/39Plasticisers, homogenisers or feeders comprising two or more stages a first extruder feeding the melt into an intermediate location of a second extruder

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性樹脂に無機充填材を添加し、微分散
により所期の通りの物性改善を行う。 【構成】 回転円板と固定円板の間で混練する機構を付
与した連続押出機を使用して、熱可塑性樹脂とタルク
(好ましくは平均粒径3μm以下、平均アスペクト比3
以上)、任意にゴム状物質を混練する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物の製
法に係る。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポ
リスチレン系などの熱可塑性樹脂の耐熱性、剛性、寸法
安定性、流動性などの特性改良を目的として各種無機充
填材を添加することは知られている。例えば、ポリプロ
ピレン系樹脂の剛性改良、寸法安定性の向上のため無機
充填材を配合した熱可塑性樹脂組成物が、自動車のバン
パーなどの外装材、インパネなどの内装材などに使用さ
れている。
【0003】しかし、一般的に無機充填材を配合する
と、衝撃強度を低下させるという欠点を有している。こ
のため、上記のポリプロピレン系樹脂組成物の場合の例
では改良方法として、無機充填材の粒子径を細かくする
方法(特開昭57−73033号、特開昭57−730
34号)や、ポリプロピレン系樹脂と無機充填材に加え
て、ゴム状物質を添加する方法(特開昭51−1367
35号)などが提案されている。
【0004】しかし、従来の一軸や二軸押出機では、無
機充填材またゴム状物質の微分散が不十分なため、剛性
と耐衝撃性を共に満足するようなポリプロピレン系樹脂
組成物は得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記ではポリプロピレ
ン系樹脂組成物の場合を例に述べたが、熱可塑性樹脂で
は無機充填材その他を添加する場合、従来の一軸や二軸
押出機では一般的に、無機充填材の微分散が十分でない
ため無機充填材を添加しても所期の満足できる特性を得
ることができないという問題は一般的である。
【0006】樹脂と無機充填材との混練機としては、一
軸や二軸押出機以外にバンバリーミキサーや熱ロールが
挙げられるが、ともに回分式であるため、生産性に乏し
く、大量生産機としては採用が難しく、新たな製造方法
が望まれていた。前記したように、樹脂と無機充填材と
の混練機としては、生産性と品質面の両者を満足するも
のはなく、無機充填材添加による所望の物性を付与した
熱可塑性樹脂組成物を連続的に生産できる製造方法が望
まれていた。本発明は、混練能力に優れ、かつ生産性の
良い混練押出機を使用して、タルクを熱可塑性樹脂中に
微分散させることによって、満足できる物性を有する熱
可塑性樹脂組成物を製造する方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは各種混練シ
ステムを鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂中にタルクを
効率的に微分散できる方法を見い出し、本発明を完成す
るに至ったものである。すなわち、本発明は回転円板と
固定円板の間で混練する機構を付与した連続押出機を使
用して、熱可塑性樹脂とタルクを混練することを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物の製法を提供するものである。
【0008】なお、特開平6−110158号公報に熱
可塑性樹脂と二酸化チタン顔料からなる写真用熱可塑性
樹脂組成物の製法の記載がある。しかし、この公報は、
写真用途向けの樹脂組成物の製法に関するものであり、
機械的な特性の向上を狙ったものではないこと、および
タルクを添加するものではなく二酸化チタンの添加が必
須条件であることの2点で本発明とは異なるものであ
る。本発明では二酸化チタンを添加しない。
【0009】本発明の実施に用いられる熱可塑性樹脂と
は、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチ
レン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル
系樹脂、ポリアセタール系樹脂、などである。 ポリプロピレン系樹脂は自動車の内・外装材、洗濯
機の洗濯槽、冷蔵庫のトレー、TVのカバー、スピーカ
ーのハウジングなどに有用であり、本発明により機械的
強度、耐熱性、寸法精度などが顕著に向上する。
【0010】 ポリスチレン系樹脂は自動車の内・外
装材、冷蔵庫、掃除機、エアコンのハウジング、パソコ
ン、ワープロのハウジングなどに有用であり、本発明に
より機械的強度、耐熱性、寸法精度などが顕著に向上す
る。 ポリエチレン系樹脂は包装、農業用フィルム、電線
被覆材、パイプなどに有用であり、本発明により機械的
強度、耐熱性、寸法精度などが顕著に向上する。
【0011】 ポリ塩化ビニル系樹脂はパイプ、バル
ブ、容器類、農業、包装、車両用フィルム、ホース、チ
ューブなどに有用であり、本発明により機械的強度、耐
熱性、寸法精度などが顕著に向上する。 ポリアミド系樹脂は自動車部品、特にラジエータタ
ンクなどのエンジン周り部品、エアクリーナーなどの排
気系部品、ガソリンタンクなどの燃料系部品、ブレーキ
オイルタンクなどのタンク類のほか、コネクター、スイ
ッチ、ハウジング類、日用雑貨、玩具などに有用であ
り、本発明により機械的強度、耐熱性、寸法精度、表面
の平滑化などが顕著に向上する。
【0012】 ポリカーボネート系樹脂はハウジン
グ、カバー、例えばカメラや時計のボディやカバー、ま
たドアアウターハンドルなどの自動車部品などに有用で
あり、本発明により機械的強度、耐熱性、寸法安定性、
表面の平滑化などが顕著に向上する。 ポリフェニレンエーテル系樹脂は複写機のシャー
シ、ハウジング、またホイールカバー、フェンダーなど
の自動車部品などに有用であり、本発明によれば機械的
強度、耐熱性、寸法精度、表面の平滑化などが顕著に改
良される。
【0013】 ポリアセタール系樹脂はVTR、オー
ディオカセット、パソコン、プリンター、機械、建築資
材などの工業部品、キャニスター、フュエルデリバリー
などの自動車部品などに有用であり、本発明によれば機
械的強度、耐熱性、寸法精度、表面の平滑化などが顕著
に向上する。特に、バンパー、インパネなどの自動車用
途部品として使用する場合、価格や特性の面からポリプ
ロピレン系樹脂が好ましい。
【0014】ここでいうポリプロピレン系樹脂とは、ホ
モポリプロピレン、結晶性エチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体、およびエチレン−プロピレンランダム共重
合体である。特に、チグラー−ナッター型触媒によって
製造されたエチレン含有量35重量%以下、メルトフロ
ーレート1〜100g/10min の結晶性エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体、さらに好ましくは、エチレ
ン含有量30重量%以下、メルトフローレート1〜50
g/10min の結晶性エチレン−プロピレンブロック共
重合体を用いると、機械的特性の優れた熱可塑性樹脂組
成物が得られる。
【0015】本発明の実施に好ましく用いられるタルク
は、平均粒子径が3μm以下であって、かつ平均アスペ
クト比が3以上のものである。より好ましくは、平均粒
子径が1μm以下であって、かつ平均アスペクト比が8
以上のものである。平均粒子径が3μmよりも大きくな
ると、熱可塑性樹脂の核剤としての効果がなくなるの
で、たとえ熱可塑性樹脂中に微分散したとしても、熱可
塑性樹脂組成物の剛性を改善する効果は小さいし、平均
粒子径の大きなタルクは熱可塑性樹脂中で欠陥となりや
すく、機械的特性を低下させてしまうからである。ま
た、平均アスペクト比が3よりも小さくなると、曲げ応
力方向の抵抗力が小さくなるので、熱可塑性樹脂組成物
の剛性を改善する効果は小さくなってしまうからであ
る。実用性、入手容易性からは平均粒径は0.1μm以
上、平均アスペクト比は30以下であるが、これに限定
されない。ここで言うアスペクト比とは一次粒子の代表
粒子径を厚みで割った値をいう。代表粒子径としては長
径でもよいが、簡便的に円相当径が用いられる場合が多
い。
【0016】本発明の平均粒子径は、遠心沈降型粒度測
定装置、たとえば島津製作所製CP−4Lで測定するこ
とができる。平均粒子径を測定する際には花王製ポイズ
532Aなどの分散剤を添加し超音波分散してから測定
するのが好ましい。次に、タルクの平均アスペクト比の
簡便な測定方法を例示する。アマニ油中に分散したタル
クをメッシュで掬い取り、キシレンにてアマニ油を溶解
除去し、乾燥後、透過型電子顕微鏡にて粒子像を写真撮
影する。得られた写真を用いて、タルクの一次粒子を透
明なフィルムに写し取り、たとえばニレコ社製ルーゼッ
クス5000などの画像解析装置にてタルクの円相当径
(HEYWOD径)の個数規準分布を計測する。次い
で、島津製作所製フロソーブ2300などの比表面積測
定装置にて測定したタルクの比表面積と上記で得られた
円相当径の個数規準分布から平均厚みを算出する。そし
て、50%円相当径(確率分布)を算出した平均厚みで
割ることにより、タルクの平均アスペクト比が求められ
る。
【0017】本発明のタルクの製造における工程、条
件、方法は特に限定されるものではないが、例えば、次
のような方法で製造することができる。まず、タルクの
原石をチューブミル、ミクロンミル、衝撃式ミルなどで
粗粉砕する。更に、スパーミクロンミル、媒体攪拌ミル
などで微粉砕したり、ジェットミルで解砕したりする。
微粉砕は乾式でも湿式でもよいが、通常は湿式の方が好
ましい。特に、媒体攪拌ミルを使用して粉砕すると、平
均粒子径が小さく、かつアスペクト比の大きなタルクが
得られやすい。更に、必要に応じて粉砕前後の工程で分
級機を用いてタルクの粒度分布の調整を行ったりする。
【0018】本発明は、タルクの表面処理の有無により
限定されるものではなく、公知の表面処理剤を使用でき
る。例えば、シラン系カップリング剤、チタニウム系カ
ップリング剤、各種界面活性剤、各種シリコンオイル、
各種シラン化合物、金属セッケン、高級アルコールなど
が挙げられる。タルクと表面処理剤との割合は、タルク
に対して0.01〜5重量%とすればよい。
【0019】本発明のタルクの添加量は、0.1〜50
重量%である。タルクの添加量が0.1重量%よりも少
ないと、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性、剛性、寸法安定
性などの特性の改善効果が小さいし、逆に50重量%よ
りも多いと、表面の平滑化が難しく、耐衝撃特性などの
特性が著しく低下してしまうからである。本発明は、熱
可塑性樹脂組成物の耐衝撃性の改善を目的にゴム状物質
を加えることができる。ここでいうゴム状物質とは、エ
チレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジェンゴム、
イソプレンゴムなどの弾性を有する合成ゴムまたは天然
ゴムである。好ましくは、メルトフローレート0.3〜
5g/10min のエチレン−プロピレンゴム、さらに好
ましくはメルトフローレート0.5〜3.5g/10mi
n のエチレン−プロピレンゴムを用いると機械的な特性
の優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0020】ゴム状物質の添加量は、好ましくは50重
量%以下である。ゴム状物質の添加量が50重量%より
も多いと、耐熱性、剛性、表面硬度などの特性が著しく
低下してしまうからである。この場合熱可塑性樹脂にゴ
ム状物質を添加して混練時のマトリックスの粘性を高め
ることによって、剪断能力が飛躍的に向上し、タルクの
微分散をも達成し、剛性と耐衝撃性を兼ね備えた熱可塑
性樹脂組成物を提供するものである。ゴム状物質を添加
して熱可塑性樹脂中にタルクを微分散させることによっ
て、このような相乗効果が生じるとは予想不可能であっ
た。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物にはタルク、
ゴム状物質のほか、ブチル化ヒドロキシトルエンなどの
酸化防止剤・熱安定剤、ベンゾトリアゾール系の紫外線
吸収剤、ステアリン酸モノグリセライドなどの帯電防止
剤、安息香酸ナトリウムなどの造核剤、ステアリン酸カ
ルシウムなどの滑剤、酸化チタンを除くカーボンなどの
顔料、難燃剤を熱可塑性樹脂組成物に対して3重量部以
下添加しても構わない。
【0022】本発明の1つの好ましい組成物は、ポリプ
ロピレン系樹脂組成物であり、その組成としてはポリプ
ロピレン系樹脂97〜10重量%、ゴム状物質2〜50
重量%、タルク1〜40重量%である。より好ましく
は、ポリプロピレン系樹脂65〜30重量%、ゴム状物
質30〜50重量%、タルク5〜20重量%である。ゴ
ム状物質の割合が2重量%よりも少ないと、ポリプロピ
レン系樹脂組成物の耐衝撃特性の改善効果が小さいし、
逆に50重量%よりも多いと、剛性が低下し、機械的な
特性のバランスが悪くなってしまうからである。タルク
の割合が1重量%よりも少ないと、ポリプロピレン系樹
脂組成物の剛性の改善効果が小さいし、逆に40重量%
よりも多いと、耐衝撃特性が低下し、機械的な特性のバ
ランスが悪くなってしまうからである。
【0023】本発明の特徴は上記の如き熱可塑性樹脂組
成物を回転円板と固定円板の間で混練する機構を付与し
た連続混練機を使用して混練することにある。本発明で
用いる連続混練押出機は、特公昭54−24743号公
報と特公昭55−41139号公報に記載されている。
この連続押出機は、加熱手段を具備したシリンダーとこ
のシリンダー内に配置された互いに平行な回転円板と固
定円板を有するものであり、圧縮、剪断、置換の3種類
の作用が多方向に重複して繰り返し操作することにより
分散させるものである。連続混練機として一般的に使用
されている一軸、二軸押出機では、本発明の連続混練機
と比較して、圧縮、剪断、置換の3種類の作用が劣るた
め、タルクを微分散できず、また熱可塑性樹脂と粘性の
異なるゴム状物質も微分散できず、所期の特性を備えた
熱可塑性樹脂組成物が得られていない。
【0024】本発明で用いる連続混練押出機は、シリン
ダー内で回転する軸に固定した円板とこの円板に対向す
る固定円板との間に材料を通過させつつ、それぞれの円
板の面上に形成した山と谷との相互作用によって、圧
縮、剪断、置換の3種類の作用が充分に起こるように工
夫がなされたものであり、タルクのほか、ゴム状物質を
粘性の全く異なる熱可塑性樹脂中に微分散できる。その
結果、均一かつ高粘性のマトリックス中でタルクを分散
させることとなり、従来にはないタルクの微分散が達成
され、所望の特性を具備する熱可塑性樹脂組成物が得ら
れる。
【0025】本発明の混練方法を少なくとも熱可塑性樹
脂とタルクを含む熱可塑性樹脂組成物に適用することは
知られておらず、またそれによって無機充填物、特にタ
ルクの添加効果を所望に実現できることは知られていな
かった。特に、少なくともポリプロピレン系樹脂、ゴム
状物質およびタルクからなるポリプロピレン系樹脂組成
物の製法としては知られておらず、相乗効果が生まれる
ことにより、剛性と耐衝撃特性を兼ね備えたポリプロピ
レン系樹脂組成物が得られるとは予想外のことであっ
た。
【0026】以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物を得る
のに使用した装置を図面により説明する。図1に示す連
続混練押出機の一例において、この連続混練押出機22
はフィード部スクリュー10、混練部12、ベント部1
4、メータリング部16、流出部18、定量フィーダー
20から概略構成される。連続混練押出機22内には駆
動主軸24が配置され、駆動主軸24の端部(図中、右
端)は駆動モータ(図示略)に連結されている。尚、駆
動主軸24と駆動モータの間には必要に応じてギヤ等が
介在される。駆動主軸24の外周には材料送り用のスク
リュー(図示略)が形成されると共に、一定間隔で回転
円板26が固定されている。尚、各回転円板26間にも
スクリューは形成されている。材料は定量フィーダー2
0から投入されて混練されて流出部18から排出され
る。また、混練部12は図2に示すように、各回転円板
26の位置するところに混練部シリンダ28が形成さ
れ、各回転円板26の間には各々の回転円板26に対向
する固定円板30が配置されている。
【0027】尚、符号32は固定円板30内の温調用配
管であって、この温調用配管は固定円板30内の他、装
置本体内や、駆動主軸24内、回転円板26内にも適宜
配備され、混練部12だけでなく混練押出機の全体およ
び各部の温度調節をすることができる。この連続混練押
出機22を使用するには、まずこの連続混練押出機22
の各部を所定の温度に保った上で、駆動主軸24を回転
させる。そこで、定量フィーダー20から材料を供給す
る。供給された材料はフィード部スクリュー10から混
練部12に送給される。混練部12内では、回転円板2
6と固定円板30との相対向する面の相対運動によって
圧縮力および剪断力が生じる。
【0028】図3にこの混練部12に使用される固定円
板30と回転円板26の一例を示す。図3において、
(A)は扇形固定円板、(B)は扇形回転円板、(C)
は菊形固定円板、(D)は菊形回転円板、(E)は臼目
形固定円板、(F)は臼目形回転円板である。空隙率は
その高い順に扇形、菊形、臼目形であり、樹脂材料が扇
形、菊形、臼目形と流れる際に内圧が臼目形の位置で最
高に達する。これが、この連続混練押出機の場合の圧縮
作用である。また、せん断作用は回転円板と固定円板の
山と山の接するところで起こる。そして、谷間における
材料は円板の回転で回転の抵抗を受け、傾斜面に高い圧
力が発生する。そして、山と山で挟まれて噛み切るよう
なせん断を受ける。分散操作の基本作用が置換作用であ
るが、各円板の溝に材料が円板の回転によって置換され
る。
【0029】また、従来の混練押出機は混練機構を軸と
平行に、いわゆる回転体の外周に求めているが、本発明
の連続混練押出機は最小限のスペースで最大の混練効果
がでる機構を有している。即ち、回転する主軸と直角に
交差する平面の円板間に混練機能を形成することで最大
の混練効果が発揮出来る。この連続混練押出機において
は回転円板と固定円板との対向面全体において強力な作
用が行われ、かつ次の円板間への材料の移送は溝の形成
によって円滑に行われるために効果的な混練が行われ
る。
【0030】回転円板の設置数は自由に変えられ、1つ
のみでも良い。回転円板と固定円板の山と谷の形状、段
数も種類の変更が可能であり、配合の種類、割合等に応
じて設定すれば良い。また、回転円板の片側面でのみ上
記作用を行わせるようにしてもよいことは勿論である。
なお、使用材料によっては処理中にガスが発生する場合
があるが、この場合には適当な位置にガス抜きを形成さ
せればよい。かかる混練方法は熱可塑性樹脂組成物の製
造方法としては全く知られていないものである。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性
樹脂とタルクに、必要に応じてゴム状物質その他の添加
剤を加えて、上記の如く回転円板と固定円板との間で混
練する機構を付与した連続混練押出機で少なくとも1回
溶融混練してペレット化することにより得られる。ポリ
プロピレン系樹脂、ゴム状物質とタルクを別々にフィー
ダーで本発明の連続混練機に供給してもよいし、予めヘ
ンシエルミキサーなどで混合してから供給してもよい。
【0032】
【実施例】次に、本発明をさらに具体的に説明するため
に、実施例を述べる。 (実施例1)平均粒子径20μmの粗目タルクをサンド
ミルで湿式粉砕し、乾燥し、ジェッミル解砕して、平均
粒子径0.7μm、アスペクト比20のタルク微粉を得
た。
【0033】得られたタルク微粉10重量%と昭和電工
製結晶性エチレン−プロピレン共重合体(SMK711
H−3)80重量%と昭和電工製エチレン−プロピレン
ゴム(ST251C)10重量%をヘンシエルミキサー
にて5分間乾式混合した。この乾式混合物をスクリュー
式定量フィダーで連続混練押出機に定量的に供給し、溶
融混練し押し出した後、カッターで2mm程度の顆粒形状
に切断して、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。
連続押出機としては、フィード部スクリュー径80mm
φ、メータリング部スクリュー径35mmφ、混練部の円
板組数6組、回転円板径98.5mmφ、混練部のシリン
ダー径101.5mmφを使用した。押出条件は、押出量
10Kg/Hr、混練軸の回転数70rpm 、混練部の設定温
度166℃、押出部の設定温度185℃、ダイス部の設
定温度180℃とした。混練部の回転円板は、フィード
部側から扇形−扇形、扇形−菊形、菊形−菊形、菊形−
臼目形、臼目形−臼目形、臼目形−スクリューの順に取
り付けた。回転円板に相対する固定円板は、その回転円
板と同一の溝を有する固定円板とした。
【0034】次に、得られたポリプロピレン系樹脂組成
物を射出成形して、成形品の曲げ弾性率と衝撃強度を測
定した。射出成形機としては、日鋼製JC150SAを
使用し、スクリュー径46mmφ、ホッパー側からシリン
ダー温度160℃、170℃、190℃、金型温度40
℃、射出時間2秒、射出圧力130Kg/cm2 、保圧力1
30Kg/cm2 、型締力120ton 、冷却時間30秒の条
件にて射出成形を実施した。
【0035】曲げ弾性率は、テンシロンを使用して、A
STM D256に基づいて23℃にて測定した。衝撃
強度は、IZOD衝撃試験機を使用して、ASTM D
790に基づいて23℃にて測定した。溶融混練物のメ
ルトフローレートは、JISK6758に基づいて測定
した。ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率と衝撃
強度は、表1に示されるように、本発明に基づく相乗効
果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0036】(実施例2)実施例1のタルク微粉20重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)70重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。実施例1と同
様に、この乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、
射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融
混練物のメルトフローレートは実施例1と同様に測定し
た。
【0037】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように、本発明に基づく
相乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0038】(実施例3)実施例1のタルク微粉40重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)50重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。実施例1と同
様に、この乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、
射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融
混練物のメルトフローレートは実施例1と同様に測定し
た。
【0039】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように、本発明に基づく
相乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0040】(実施例4)実施例1のタルク微粉10重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)70重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)20重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。実施例1と同
様に、この乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、
射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融
混練物のメルトフローレートは実施例1と同様に測定し
た。
【0041】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように本発明に基づく相
乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0042】(実施例5)実施例1のタルク微粉5重量
%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)65重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)30重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。実施例1と同
様に、この乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、
射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融
混練物のメルトフローレートは実施例1と同様に測定し
た。
【0043】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように、本発明に基づく
相乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0044】(実施例6)実施例1のタルク微粉10重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)50重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)40重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。実施例1と同
様に、この乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、
射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融
混練物のメルトフローレートは実施例1と同様に測定し
た。
【0045】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように、本発明に基づく
相乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0046】(実施例7)実施例1のタルク微粉30重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)30重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)40重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。実施例1と同
様に、この乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、
射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融
混練物のメルトフローレートは実施例1と同様に測定し
た。
【0047】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように、本発明に基づく
相乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0048】(実施例8)実施例1のタルク微粉10重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)80重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST050C)10重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。実施例1と同
様に、この乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、
射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融
混練物のメルトフローレートは実施例1と同様に測定し
た。
【0049】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように、本発明に基づく
相乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0050】(実施例9)実施例1のタルク微粉10重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(MK412A)80重量%と昭和電工製エチレン−プ
ロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘンシエル
ミキサーにて5分間乾式混合した。実施例1と同様に、
この乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、射出成
形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融混練物
のメルトフローレートは実施例1と同様に測定した。
【0051】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように、本発明に基づく
相乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0052】(実施例10)実施例1のタルク微粉10
重量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合
体(MK811B)80重量%と昭和電工製エチレン−
プロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘンシエ
ルミキサーにて5分間乾式混合した。実施例1と同様
に、この乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、射
出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融混
練物のメルトフローレートは実施例1と同様に測定し
た。
【0053】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように、本発明に基づく
相乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0054】(実施例11)実施例1のタルク微粉10
重量%と昭和電工製ホモプロピレン(SMA710)6
0重量%と昭和電工製エチレン−プロピレンゴム(ST
251C)30重量%をヘンシエルミキサーにて5分間
乾式混合した。実施例1と同様に、この乾式混合物を連
続混練押出機で溶融混練し、射出成形して、曲げ弾性率
と衝撃強度を測定した。溶融混練物のメルトフローレー
トは実施例1と同様に測定した。
【0055】ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率
と衝撃強度は、表1に示されるように、本発明に基づく
相乗効果の発現により、共に従来になく優れていた。
【0056】(実施例12)平均粒子径20μmの粗目
タルク粉をホソカワミクロン製スパーミクロンミルで微
粉砕し、平均粒子径2μm、アスペクト比10のタルク
微粉を得た。そして、得られたタルク微粉10重量%と
昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体(SM
K711H−3)80重量%と昭和電工製エチレン−プ
ロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘンシエル
ミキサーにて5分間乾式混合した。
【0057】実施例1と同様に、この乾式混合物を連続
混練押出機で溶融混練し、射出成形して、曲げ弾性率と
衝撃強度を測定した。溶融混練物のメルトフローレート
は実施例1と同様に測定した。ポリプロピレン系樹脂組
成物の曲げ弾性率と衝撃強度は、表1に示されるよう
に、本発明に基づく相乗効果の発現により、共に従来に
なく優れていた。
【0058】(実施例13)平均粒子径20μmの粗目
タルクをサンドミルで湿式粉砕し、乾燥し、ジェッミル
解砕して、平均粒子径0.5μm、アスペクト比25の
タルク微粉を得た。そして、得られたタルク微粉10重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)80重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。
【0059】実施例1と同様に、この乾式混合物を連続
混練押出機で溶融混練し、射出成形して、曲げ弾性率と
衝撃強度を測定した。溶融混練物のメルトフローレート
は実施例1と同様に測定した。ポリプロピレン系樹脂組
成物の曲げ弾性率と衝撃強度は、表1に示されるよう
に、本発明に基づく相乗効果の発現により、共に従来に
なく優れていた。
【0060】(実施例14)実施例1のタルク微粉をさ
らにサンドミルで乾式粉砕し、乾式分級して、平均粒子
径0.3μm、アスペクト比9のタルク微粉を得た。そ
して、得られたタルク微粉10重量%と昭和電工製結晶
性エチレン−プロピレン共重合体(SMK711H−
3)80重量%と昭和電工製エチレン−プロピレンゴム
(ST251C)10重量%をヘンシエルミキサーにて
5分間乾式混合した。
【0061】実施例1と同様に、この乾式混合物を連続
混練押出機で溶融混練し、射出成形して、曲げ弾性率と
衝撃強度を測定した。溶融混練物のメルトフローレート
は実施例1と同様に測定した。ポリプロピレン系樹脂組
成物の曲げ弾性率と衝撃強度は、表1に示されるよう
に、本発明に基づく相乗効果の発現により、共に従来に
なく優れていた。
【0062】(実施例15)平均粒子径20μmの粗目
タルク粉をホソカワミクロン製スーパーミクロンミルで
微粉砕し、平均粒子径2.5μm、アスペクト比5のタ
ルク微粉を得た。そして、得られたタルク微粉10重量
%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)80重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。
【0063】実施例1と同様に、この乾式混合物を連続
混練押出機で溶融混練し、射出成形して、曲げ弾性率と
衝撃強度を測定した。溶融混練物のメルトフローレート
は実施例1と同様に測定した。表1に示されるようにポ
リプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率と衝撃強度は共
に従来になく優れていた。
【0064】(実施例16)実施例1のタルク微粉10
重量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合
体(SMK711H−3)90重量%をヘンシエルミキ
サーにて5分間乾式混合した。実施例1と同様に、この
乾式混合物を連続混練押出機で溶融混練し、射出成形し
て、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融混練物のメ
ルトフローレートは実施例1と同様に測定した。
【0065】表1に示されるようにポリプロピレン系樹
脂組成物の曲げ弾性率と衝撃強度は共に従来になく優れ
ていた。
【0066】(実施例17)実施例1のタルク微粉10
重量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合
体(MK412A)90重量%をヘンシエルミキサーに
て5分間乾式混合した。この乾式混合物を実施例1と同
様に連続混練押出機で溶融混練し、射出成形して、曲げ
弾性率と衝撃強度を測定した。
【0067】表1に示されるようにポリプロピレン系樹
脂組成物の曲げ弾性率と衝撃強度は共に従来になく優れ
ていた。
【0068】(実施例18)平均粒子径20μmの粗目
タルク粉をホソカワミクロン製スパーミクロンミルで微
粉砕し、平均粒子径6.5μm、アスペクト比12のタ
ルク微粉を得た。そして、得られたタルク微粉10重量
%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)80重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。
【0069】実施例1と同様に、この乾式混合物を連続
混練押出機で溶融混練し、射出成形して、曲げ弾性率と
衝撃強度を測定した。溶融混練物のメルトフローレート
は実施例1と同様に測定した。表1に示されるようにポ
リプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率と衝撃強度は共
に従来になく優れていた。
【0070】(比較例1)実施例1のタルク微粉10重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)80重量%と昭和電工製エチレ
ン−プロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘン
シエルミキサーにて5分間乾式混合した。この乾式混合
物を二軸混練押出機にて190℃の条件で溶融混練し、
実施例1と同様に射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度
を測定した。溶融混練物のメルトフローレートは実施例
1と同様に測定した。
【0071】実施例1と比較して、曲げ弾性率、衝撃強
度共に低かった。
【0072】(比較例2)実施例1のタルク微粉10重
量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合体
(SMK711H−3)90重量%をヘンシエルミキサ
ーにて5分間乾式混合した。この乾式混合物を二軸混練
押出機にて190℃の条件で溶融混練し、実施例1と同
様に射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。
溶融混練物のメルトフローレートは実施例1と同様に測
定した。
【0073】本発明の混練方法と比較して、曲げ弾性
率、衝撃強度共に低かった。
【0074】(比較例3)実施例12のタルク微粉10
重量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重合
体(SMK711H−3)80重量%と昭和電工製エチ
レン−プロピレンゴム(ST251C)10重量%をヘ
ンシエルミキサーにて5分間乾式混合した。
【0075】この乾式混合物を二軸混練押出機にて19
0℃の条件で溶融混練し、実施例1と同様に射出成形し
て、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融混練物のメ
ルトフローレートは実施例1と同様に測定した。実施例
12と比較して、曲げ弾性率、衝撃強度共に低かった。
【0076】(比較例4)実施例18のタルク微粉を1
0重量%と昭和電工製結晶性エチレン−プロピレン共重
合体(SMK711H−3)80重量%と昭和電工製結
晶性エチレン−プロピレンゴム(ST251C)10重
量%をヘンシェルミキサーにて5分間乾式混合した。
【0077】この乾式混合物を二軸混練押出機にて19
0℃の条件で溶融混練し、実施例1と同様に射出成形し
て、曲げ弾性率と衝撃強度を測定した。溶融混練物のメ
ルトフローレートは実施例1と同様に測定した。実施例
18と比較して、曲げ弾性率、衝撃強度共に低かった。
【0078】(比較例5)昭和タイタニウム製チタニア
粉(スーパータイタニアG)10重量%と昭和電工製結
晶性エチレン−プロピレン共重合体(SMK711H−
3)90重量%をヘンシエルミキサーにて5分間乾式混
合した。この乾式混合物を実施例1と同様に連続混練押
出機で溶融混練し、射出成形して、曲げ弾性率と衝撃強
度を測定した。溶融混練物のMFRは実施例1と同様に
測定した。
【0079】実施例16と比較して衝撃強度のみなら
ず、曲げ弾性率も著しく低かった。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂に無機充
填材としてタルクを添加し、かつ回転円板と固定円板の
間で混練する機構を付与した連続式押出機を使用して混
練を行うことにより、タルクを熱可塑性樹脂中に微分散
でき、特にタルクと共にゴム状物質をも添加した場合に
もタルクとゴム状物質の双方を微分散でき、その結果、
従来の混練法による無機充填材を添加した熱可塑性樹脂
組成物では得られなかった所望の物性、例えば剛性、耐
衝撃性、耐熱性、寸法安定性などの改良効果の高い熱可
塑性樹脂組成物を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の連続混練押出機の概略断面図であ
る。
【図2】本実施例の混練部の概略断面図である。
【図3】本実施例で使用する各円板の平面図である。
【符号の説明】
10…フィード部スクリュー 12…混練部 14…ベント部 22…連続混練押出機 24…駆動主軸 26…回転円板 28…混練部シリンダ 30…固定円板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/34 KAH // B29K 101:12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転円板と固定円板の間で混練する機構
    を付与した連続押出機を使用して、熱可塑性樹脂とタル
    クを混練することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製
    法。
  2. 【請求項2】 前記連続混練押出機が、シリンダー内で
    回転してその軸方向に流体を移送するように外周部にス
    クリューを形成した回転軸に対して回転円板をその中心
    部で固着し、この円板の少なくとも片方の面には山と谷
    とを交互に放射状に形成し、この面に対向させて同軸に
    固定円板をシリンダーに固着させ、かつ前記回転軸との
    間に隙間が形成されるように配置すると共にこの固定円
    板の回転円板に対向する面にも山と谷とを交互に放射状
    に形成し、固定円板と回転軸との間を通って送り込まれ
    た流体は両円板の谷間で両円板の境界線部によって外周
    方向に押し出され回転円板の外周部とシリンダー内面と
    の間を送り出されるように構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の樹脂組成物の製法。
  3. 【請求項3】 前記連続混練押出機が、さらに前記回転
    円板の他方の面にも山と谷とを交互に放射状に形成する
    と共にこの面に対向させて前記固定円板と同様の固定円
    板を配置し、かつこの両面間においては回転円板外周部
    からの流体が互いの山と谷との境界線部によって中心方
    向に送られ、回転軸と固定円板との隙間から押し出され
    るように構成され、かつこのような構成の回転円板と固
    定円板とをそれぞれ複数個配置されていることを特徴と
    する請求項2記載の樹脂組成物の製法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999061213A1 (fr) * 1998-05-25 1999-12-02 Sato Iron Works Co., Ltd. Dispositif de petrissage du type faible friction
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JP2010526898A (ja) * 2007-05-03 2010-08-05 マルティベイス・ソシエテ・アノニム ポリオレフィン組成物を製造する方法
JP2011026364A (ja) * 2009-07-21 2011-02-10 Kodaira Seisakusho Co Ltd 高分子組成物の混練装置及び混練方法
CN104129057A (zh) * 2014-07-17 2014-11-05 青岛科技大学 一种废橡胶连续化再生的解联塑化机及工艺方法

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