JPH08182934A - 光触媒およびその製造方法 - Google Patents

光触媒およびその製造方法

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JPH08182934A
JPH08182934A JP6339451A JP33945194A JPH08182934A JP H08182934 A JPH08182934 A JP H08182934A JP 6339451 A JP6339451 A JP 6339451A JP 33945194 A JP33945194 A JP 33945194A JP H08182934 A JPH08182934 A JP H08182934A
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雅則 友成
智行 ▲廣▼田
Satoyuki Hirota
Yoshiki Kinoshita
義樹 木下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた光触媒機能を有する光触媒およびその製
造方法を提供することを目的とする。 【構成】カリウム化合物が酸化チタン粒子の内部および
/またはその表面に含有してなることを特徴とする光触
媒およびその製造方法。また、アルミニウム化合物およ
び/またはリン化合物とカリウム化合物と酸化チタンと
を含有してなることを特徴とする光触媒およびその製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた光触媒機能を有す
る光触媒およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒にそのバンドギャップ以上のエネ
ルギーを持つ波長の光を照射すると光励起により伝導帯
に電子を、価電子帯に正孔を生じる。この光励起により
生じた電子の持つ強い還元力や正孔の持つ強い酸化力
は、有害物質の分解や浄化、水の分解、殺菌、有機物合
成などの反応に利用されている。たとえば、特公平2−
9850号公報には、光触媒を用いて廃棄物中の有害物
質を分解し、浄化することが記載されている。また、特
公平4−78326号公報には、光触媒を用いてトイレ
のし尿臭、ペットの臭い、タバコの臭い、調理臭、体臭
などを脱臭することが記載されている。さらに、特公平
−29393号公報には、光励起により生起した所定電
圧を細胞に接触印加して細胞を殺すことが記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光触媒を実際の反応に
用いるには、反応中においては光触媒が反応系から飛散
しないようにする必要があり、また、反応終了後におい
ては光触媒を反応系から分離する必要があるため、光触
媒を支持体上に固定した状態で用いている。光触媒を固
定化するためには光触媒を支持体に付着させ、次いで、
200〜1000℃の温度で焼成する方法が通常採られ
ている。しかしながら、光触媒を高温で焼成すると、焼
成前のものに比べ、光触媒機能が著しく低下するという
問題がある。また、光触媒を高温の反応で用いる場面が
増えつつあること、さらには、光触媒を再生する際に高
温で焼成する方法が考えられることなどにより、高温の
条件でも光触媒機能が低下しない光触媒が嘱望されてい
る。さらに、反応時間を短縮したり、反応に用いる装置
を小型化したりするため、一層優れた光触媒機能を有す
る光触媒が以前から嘱望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高温度の
焼成や反応条件による光触媒機能の劣化が少ない酸化チ
タン光触媒を得るべく研究した結果、(1)酸化チタン
の粒子内部および/またはその表面にカリウム化合物を
含有させることにより所望の光触媒が得られること、
(2)酸化チタンにアルミニウム化合物および/または
リン化合物とカリウム化合物とを含有させることによ
り、より好ましい光触媒が得られること、(3)前記
(1)、(2)の光触媒を製造するには、酸化チタン
と、カリウム化合物と、さらには必要に応じてアルミニ
ウム化合物および/またはリン化合物とを接触させて生
成物を得、次いで、該生成物を500〜900℃の温度
で焼成する方法が簡便で好ましいこと、(4)本発明の
光触媒を支持体に固定化するには、酸化チタンとカリウ
ム化合物と、さらには必要に応じてアルミニウム化合物
および/またはリン化合物とを接触させて生成物を得、
次いで、該生成物を支持体に付着させ、次いで、500
〜900℃の温度で焼成する方法が簡便で好ましいこと
などを見出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は優れた光触媒機能を有
する酸化チタン光触媒を提供することにある。
【0006】本発明はカリウム化合物を酸化チタン粒子
の内部および/またはその表面に含有してなる酸化チタ
ン光触媒である。本発明において酸化チタンとは、アナ
タース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化
チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸などの各種の酸
化チタンあるいは水酸化チタン、含水酸化チタン、水和
酸化チタンを意味する。酸化チタンの平均粒子径は、S
cherrerの式より算出して、好ましくは1〜50
0nm、より好ましくは5〜250nm、もっとも好ま
しくは5〜100nmである。また、本発明において、
カリウム化合物とは、カリウムの酸化物、水酸化物、硫
酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩などの化合物、さらにはカ
リウムイオンを含む。カリウムの含有量は、適宜設定で
きるが、酸化チタンのTiO2 重量基準に対して、カリ
ウム化合物をカリウム(K)基準に換算して、好ましく
は0.01〜10重量%、より好ましくは0.03〜5
重量%、もっとも好ましくは0.05〜3重量%であ
る。カリウム化合物が0.01重量%より少なかった
り、また、10重量%より多かったりすると光触媒機能
が低下する場合があるため、好ましくない。本発明の酸
化チタン光触媒は、酸化チタンとカリウム化合物との単
なる混合物とは異なり、酸化チタンの粒子表面にカリウ
ム化合物を担持あるいは被覆したり、酸化チタンの粒子
内部にカリウム化合物をドープしたりして、カリウム化
合物が酸化チタンの粒子内部および/または酸化チタン
の粒子表面に存在している状態、特に、酸化チタンの粒
子内部に少なくとも存在している状態を保持した粒子で
ある。
【0007】さらに、本発明は、アルミニウム化合物お
よび/またはリン化合物とカリウム化合物とを含有して
なる酸化チタン光触媒である。本発明において、アルミ
ニウム化合物とは、アルミニウムの酸化物、水酸化物、
硫酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩などの化合物、さらには
アルミニウムイオンを含む。また、リン化合物とは、リ
ンの酸化物、リン酸またはその塩、縮合リン酸またはそ
の塩、ホスフィン酸またはその塩、ホスホン酸またはそ
の塩、ジホスホン酸またはその塩、次リン酸またはその
塩などの化合物、さらにはリン酸イオンを含む。アルミ
ニウム化合物および/またはリン化合物の含有量は、適
宜設定できるが、酸化チタンのTiO2重量基準に対し
て、アルミニウム化合物をアルミニウム(Al)基準
に、リン化合物をリン(P)基準にそれぞれ換算した合
量が、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは
0.01〜0.8重量%、もっとも好ましくは0.01
〜0.5重量%である。アルミニウム化合物とリン化合
物の合量が0.01重量%より少なかったり、また、1
重量%より多かったりすると光触媒機能が低下する場合
があるため、好ましくない。アルミニウム化合物および
/またはリン化合物を含有させる場合のカリウム化合物
の含有量は、前記と同様に、酸化チタンのTiO2 重量
基準に対して、好ましくは0.01〜10重量%、より
好ましくは0.03〜5重量%、もっとも好ましくは
0.05〜3重量%である。アルミニウム化合物および
/またはリン化合物を含有させるには、アルミニウム化
合物、リン化合物を酸化チタンと混合したり、酸化チタ
ンの粒子表面に担持あるいは被覆したり、酸化チタンの
粒子内部にドープしたりすることができる。本発明にお
いては、アルミニウム化合物および/またはリン化合物
がカリウム化合物とともに、酸化チタンの粒子内部およ
び/または酸化チタンの粒子表面に存在している状態、
特に、アルミニウム化合物および/またはリン化合物が
酸化チタンの粒子表面に存在し、カリウム化合物が酸化
チタンの粒子内部に少なくとも存在している状態が好ま
しい。
【0008】なお、本発明においては、カリウム化合物
あるいは必要に応じてアルミニウム化合物および/また
はリン化合物のほかに銅、亜鉛、バナジウム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、
銀、金、白金などの金属またはそれらの化合物を酸化チ
タン光触媒に含有させてもよい。
【0009】カリウム化合物が酸化チタンの粒子内部お
よび/または酸化チタンの粒子表面に含有してなる、本
発明の光触媒を製造するには、カリウム化合物の溶液
を酸化チタンあるいは酸化チタンを保持した支持体に浸
漬してカリウム化合物を酸化チタンの粒子表面に存在さ
せる方法、カリウム化合物の存在下、硫酸チタン、硫
酸チタニル、硫酸チタン、塩化チタン、有機チタン化合
物などのチタン化合物を、必要に応じてさらに核形成用
種子の存在下に、加水分解あるいは中和してカリウム化
合物を酸化チタンの粒子内部および/またはその粒子表
面に存在させる方法、前記、の方法で得た生成物
を500〜900℃の温度で焼成する方法が好ましい。
特に前記の方法で得た生成物を500〜900℃の温
度で焼成すると、カリウム化合物を酸化チタンの粒子内
部に少なくとも存在させることができるため好ましい方
法である。
【0010】本発明においては、前記の〜の方法に
おいて得られた生成物を本発明の光触媒として用いるこ
とができるが、必要に応じて、該生成物を分別したり、
洗浄したり、乾燥したりしてもよい。
【0011】カリウム化合物と酸化チタンのほかに、ア
ルミニウム化合物および/またはリン化合物を含有して
なる光触媒を製造するには前記のカリウム化合物と酸化
チタンとを含有してなる光触媒の製造方法に準じた方法
で行うことができる。すなわち、前記〜の方法にお
いて、カリウム化合物とともに、アルミニウム化合物お
よび/またはリン化合物を用いるとよい。特に、本発明
においては、前記、の方法に準じて得た、アルミニ
ウム化合物および/またはリン化合物とカリウム化合物
と酸化チタンとの生成物を500〜900℃の温度で焼
成すると、アルミニウム化合物、リン化合物、カリウム
化合物を酸化チタンの粒子内部および/または酸化チタ
ンの粒子表面に存在させることができ、特に、アルミニ
ウム化合物、リン化合物を酸化チタンの粒子表面に存在
させ、カリウム化合物を酸化チタンの粒子内部に存在さ
せることができるため好ましい方法である。
【0012】本発明の光触媒を、有機物質の合成反応や
有害物質の分解反応などの種々の光触媒反応に用いるに
は、それらの処理対象物質の存在下、本発明の光触媒に
そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を
照射する。本発明の光触媒は、使用場面に応じて、溶媒
に懸濁した状態、光触媒を粉末の状態、あるいは該粉末
を粉砕した状態、さらには、該粉末を成形した状態で用
いることができる。本発明の光触媒により分解あるいは
酸化して除去する有害物質としては、人体や生活環境に
悪影響を及ぼす物質やその可能性がある物質であり、た
とえば、種々の生物学的酸素要求物質、大気汚染物質な
どの環境汚染物質や除草剤、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤
などの種々の農薬などの物質、細菌、放線菌、菌類、藻
類、カビ類などの微生物などが挙げられる。環境汚染物
質としては、有機ハロゲン化合物、有機リン化合物やそ
れ以外の有機化合物、窒素化合物、硫黄化合物、シアン
化合物、クロム化合物などの無機化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化合物としては、具体的には、ポリ塩化ビ
フェニル、フロン、トリハロメタン、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレンが例示できる。有機ハロゲン
化合物、有機リン化合物以外の有機物質としては、具体
的には、界面活性剤や油類などの炭化水素類、アルデヒ
ド類、メルカプタン類、アルコール類、アミン類、アミ
ノ酸、蛋白質が例示できる。また、窒素化合物として
は、具体的には、アンモニア、窒素酸化物が例示でき
る。バンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光と
しては、紫外線を含有した光が好ましく、たとえば、太
陽光や蛍光灯、ブラックライト、ハロゲンランプ、キセ
ノンフラッシュランプ、水銀灯などの光を用いることが
できる。特に、300〜400nmの近紫外線を含有し
た光が好ましい。光の照射量や照射時間などは処理対象
物質の量などによって適宜設定できる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例1 2.5モル/リットルの硫酸チタニル水溶液を90℃、
3時間保持して加水分解した。このようにして得た加水
分解物を濾過し、洗浄した後、110℃、5時間乾燥し
て、酸化チタン(試料1)を得た。なお、試料1のSc
herrerの式から求めた平均粒子径は6nmであっ
た。
【0014】前記の試料1をTiO2 に換算して100
g/リットルの懸濁液とし、次いで、このTiO2 に対
して、カリウム(K)が1.0重量%に相当する量の水
酸化カリウムを添加し、攪拌した後、110℃で蒸発乾
固した。このようにして得た生成物を600℃、1時間
焼成して、本発明の光触媒(試料A)を得た。なお、試
料Aはカリウム化合物が酸化チタンの粒子表面に存在し
ていると推察された。また、試料AのScherrer
の式から求めた平均粒子径は22nmであった。
【0015】実施例2 実施例1において、焼成温度を800℃としたこと以外
は、実施例1と同様に処理して、本発明の光触媒(試料
B)を得た。なお、試料Bはカリウム化合物が少なくと
も酸化チタンの粒子内部に存在していると推察された。
また、試料BのScherrerの式から求めた平均粒
子径は57nmであった。
【0016】実施例3 前記の試料1をTiO2 に換算して100g/リットル
の懸濁液とし、次いで、このTiO2 に対して、カリウ
ム(K)が0.3重量%、アルミニウム(Al)が0.
03重量%、リン(P)が0.2重量%に相当する量の
水酸化カリウム、硫酸アルミニウム(Al2 (SO4
3 )、リン酸(H3 PO4 )をそれぞれ添加し、攪拌し
た後、110℃で蒸発乾固した。このようにして得た生
成物を600℃、1時間焼成して、本発明の光触媒(試
料C)を得た。なお、試料Cはカリウム化合物、アルミ
ニウム化合物とリン化合物とが酸化チタンの粒子表面に
存在していると推察された。また、試料CのScher
rerの式から求めた平均粒子径は18nmであった。
【0017】実施例4 実施例3において、焼成温度を800℃としたこと以外
は、実施例3と同様に処理して、本発明の光触媒(試料
D)を得た。なお、試料Dはカリウム化合物が少なくと
も酸化チタンの粒子内部に存在し、アルミニウム化合物
とリン化合物とが酸化チタンの粒子表面に存在している
と推察された。また、試料DのScherrerの式か
ら求めた平均粒子径は30nmであった。
【0018】比較例1 前記の試料1を比較試料Eとして用いた。
【0019】比較例2 前記の試料1を300℃、1時間焼成して、比較試料F
を得た。なお、試料FのScherrerの式から求め
た平均粒子径は12nmであった。
【0020】比較例3 前記の試料1を600℃、1時間焼成して、比較試料G
を得た。なお、試料GのScherrerの式から求め
た平均粒子径は24nmであった。
【0021】比較例4 前記の試料1を800℃、1時間焼成して、比較試料H
を得た。なお、試料HのScherrerの式から求め
た平均粒子径は52nmであった。
【0022】比較例5 前記の試料1をTiO2 に換算して100g/リットル
の懸濁液とし、次いで、このTiO2 に対して、アルミ
ニウム(Al)が0.03重量%に相当する量の硫酸ア
ルミニウム(Al2 (SO4 3 )を添加し、攪拌した
後、110℃で蒸発乾固した。このようにして得た生成
物を600℃、1時間焼成して、比較試料Iを得た。な
お、試料IのScherrerの式から求めた平均粒子
径は23nmであった。
【0023】比較例6 前記の試料1をTiO2 に換算して100g/リットル
の懸濁液とし、次いで、このTiO2 に対してリン
(P)が0.2重量%に相当する量のリン酸(H3PO
4 )を添加し、攪拌した後、110℃で蒸発乾固した。
このようにして得た生成物を600℃、1時間焼成し
て、比較試料Jを得た。なお、試料JのScherre
rの式から求めた平均粒子径は18nmであった。
【0024】実施例および比較例で得られた試料(A〜
J)の光触媒機能を以下のようにして調べた。各試料
0.1gを純水に分散させ、TiO2 に換算して4g/
リットルの懸濁液とした。これらの懸濁液25mlに2
−プロパノール25mlを添加した後、ブラックライト
(ピーク波長365nm)を2時間照射して2−プロパ
ノールの光触媒反応を行った。光量は2mW/cm2
あった。反応前の2−プロパノールと反応後の2−プロ
パノールの濃度から、各々の試料による分解速度を算出
した。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】また、実施例および比較例で得られた試料
(D、H)のアンモニアおよび/またはアンモニウムイ
オンを含有した水溶液の処理試験を行った。すなわち、
NH3 およびNH4 + の合計濃度が1.67mmol/
lの液(pH=7.0)250mlに試料を1g入れ懸
濁液とした。この懸濁液に100W高圧水銀ランプから
放射する紫外線を照射した。なお、照射面積は137.
4cm2 であり、試料に照射される平均光量は41mW
/cm2 であった。紫外線を5時間照射して、反応前の
NH3 およびNH4 + の合計濃度と反応後のそれとか
ら、各々の試料による分解速度を算出した。その結果を
表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】これらの結果から明らかなように、本発明
の光触媒は優れた光触媒機能を有し、かつ、熱による光
触媒機能の劣化が少ないことがわかった。特に、カリウ
ム化合物が少なくとも酸化チタンの粒子内部に存在する
と優れた光触媒機能を有することがわかった。この結果
より、本発明の光触媒は、熱による光触媒機能の劣化が
少ないことから、本発明の光触媒を焼成して支持体に固
定する場合にも好適なものであることがわかった。
【0029】本発明の光触媒を支持体に固定化するに
は、酸化チタンとカリウム化合物と、さらには、必要に
応じてアルミニウム化合物および/またはリン化合物と
を接触させて生成物を得、次いで、該生成物を支持体に
付着させ、しかるのち、500〜900℃の温度で焼成
する方法が簡便であることから好ましい方法である。前
記の生成物を支持体に付着させるには、生成物の懸濁液
を調整し、ディップコーティング法、スプレーコーティ
ング法、スピナーコーティング法、ブレードコーティン
グ法、ローラーコーティング法、ワイヤーバーコーティ
ング法、リバースロールコーティング法などの通常の方
法で生成物の懸濁液を支持体上に塗布し、必要に応じて
乾燥する方法が好ましい。生成物の懸濁液を調整する際
には、生成物を硝酸、塩酸などの一塩基酸で解膠した
り、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、モノエタ
ノールアミンなどのアルカリで分散させるのが好まし
い。本発明の光触媒を固定化する支持体は、使用目的、
用途などに応じて材質、形状、大きさを適宜選択するこ
とができる。材質としては、たとえば、ガラス、金属、
セラミックスなどが挙げられ、形状、大きさとしては、
たとえば、1枚の厚板、小さな断片、ビーズのような球
状体、多孔質体などが挙げられる。光触媒を支持体に固
定化するための焼成の温度は、好ましくは200〜10
00℃、より好ましくは400〜900℃、もっとも好
ましくは500〜900℃である。焼成温度が500〜
900℃の範囲であれば、光触媒を支持体に強固に固定
化することができるとともに、優れた光触媒機能を有す
る光触媒体を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、カリウム化合物が酸化チタン
粒子の内部および/またはその表面に含有してなる光触
媒であって、カリウム化合物を酸化チタン粒子の内部お
よび/またはその表面に含有させることにより酸化チタ
ンの光触媒機能を向上させ、優れた光触媒機能を有し、
かつ、熱による光触媒機能の劣化が少ない酸化チタン光
触媒とすることができる。
【0031】また、本発明はカリウム化合物と酸化チタ
ンのほか、アルミニウム化合物および/またはリン化合
物を含有させることにより酸化チタンの光触媒機能を向
上させ、優れた光触媒機能を有し、かつ、熱による光触
媒機能の劣化が少ない酸化チタン光触媒とすることがで
きる。特に、アルミニウム化合物および/またはリン化
合物とカリウム化合物とを酸化チタン粒子の内部および
/またはその表面に含有させると、より一層酸化チタン
の光触媒機能を向上させることができるため、好ましい
実施態様である。
【0032】これらの光触媒は、それらの光触媒機能を
利用して人体や生活環境に悪影響を及ぼす物質やその可
能性がある物質を迅速、かつ、効率よく除去することが
できるので、工業用途ばかりではなく一般家庭用の脱臭
体、殺菌体などとして極めて有用なものである。また、
本発明の光触媒は、安全性が高く、さらに、廃棄しても
環境を汚さないため、種々の用途に用いることができ
る。
【0033】さらに、本発明は、酸化チタンとカリウム
化合物と、さらには必要に応じてアルミニウム化合物お
よび/またはリン化合物とを接触させて生成物を得、次
いで、該生成物を500〜900℃の温度で焼成する光
触媒の製造方法であって、優れた光触媒機能を有する光
触媒を簡便に製造することができる。
【0034】さらに、本発明の光触媒を支持体に固定化
するには、酸化チタンとカリウム化合物と、さらに必要
に応じてアルミニウム化合物および/またはリン化合物
とを接触させて生成物を得、次いで、該生成物を支持体
に付着させ、500〜900℃の温度で焼成する固定化
した光触媒の製造方法であって、優れた光触媒機能を有
する固定化光触媒を簡便に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01D 53/86 ZAB

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カリウム化合物が酸化チタン粒子の内部
    および/またはその表面に含有してなることを特徴とす
    る光触媒。
  2. 【請求項2】 アルミニウム化合物および/またはリン
    化合物とカリウム化合物と酸化チタンを含有してなるこ
    とを特徴とする光触媒。
  3. 【請求項3】 アルミニウム化合物および/またはリン
    化合物とカリウム化合物とが酸化チタン粒子の内部およ
    び/またはその表面に含有してなることを特徴とする請
    求項2に記載の光触媒。
  4. 【請求項4】 酸化チタンのTiO2 重量基準に対し
    て、カリウム化合物をカリウム基準に換算して0.01
    〜10重量%含有してなることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれか1項に記載の光触媒。
  5. 【請求項5】 酸化チタンのTiO2 重量基準に対し
    て、アルミニウム化合物とリン化合物とをそれぞれアル
    ミニウム基準、リン基準に換算した合量が0.01〜1
    重量%含有してなることを特徴とする請求項2または3
    に記載の光触媒。
  6. 【請求項6】 酸化チタンとカリウム化合物とを接触さ
    せて生成物を得、次いで該生成物を500〜900℃の
    温度で焼成することを特徴とする光触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 酸化チタンとカリウム化合物とを接触さ
    せて生成物を得、次いで該生成物を支持体に付着させ、
    500〜900℃の温度で焼成することを特徴とする支
    持体に固定化した光触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 アルミニウム化合物および/またはリン
    化合物とカリウム化合物と酸化チタンとを接触させて生
    成物を得、次いで該生成物を500〜900℃の温度で
    焼成することを特徴とする光触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 アルミニウム化合物および/またはリン
    化合物とカリウム化合物と酸化チタンとを接触させて生
    成物を得、次いで該生成物を支持体に付着させ、500
    〜900℃の温度で焼成することを特徴とする支持体に
    固定化した光触媒の製造方法。
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