JPH0818233A - 窒化アルミニウム多層回路基板の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム多層回路基板の製造方法

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JPH0818233A
JPH0818233A JP6144795A JP14479594A JPH0818233A JP H0818233 A JPH0818233 A JP H0818233A JP 6144795 A JP6144795 A JP 6144795A JP 14479594 A JP14479594 A JP 14479594A JP H0818233 A JPH0818233 A JP H0818233A
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aluminum nitride
via hole
conductor line
green sheet
tungsten
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JP6144795A
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Yasushi Araki
康 荒木
Yasuhiro Sakuta
康弘 佐久田
Hidetoshi Inoue
英俊 井上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Al N多層回路基板に関し、Wの導体抵抗の
低減を目的とする。 【構成】 所定の寸法をもつAl Nグリーンシートの所
定位置にビア穴を開け、ビア穴を含め、Al Nグリーン
シート上にWペーストを印刷してビア穴を埋めると共に
配線パターンを形成し、Al Nグリーンシートを位置合
わせして積層した後に加圧して一体化し、グリーンシー
トの脱バインダ処理を行なった後、WまたはMoよりなる
焼成容器を用いて積層体をWまたはMo よりなるメッシ
ュヒータ炉の中に設置し、不活性ガス雰囲気中で焼成し
て、基板を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導体線路を低抵抗化した
窒化アルミニウム多層回路基板の製造方法に関する。
【0002】大量の情報を迅速に処理する必要から情報
処理装置は大容量化が行なわれており、LSIやVLS
Iなどの半導体集積回路をマトリックス状に配列してな
るマルチ・チップ・モジール(Multi Chip Module,略称
MCM)の実用化が進められている。
【0003】こゝで、MCMを構成するセラミック回路
基板は上部に高速信号を処理し、多大の発熱を伴う半導
体集積回路がマトリックス状に搭載されることから、耐
熱性と放熱性に優れ、また、熱膨張係数が集積回路を形
成するシリコン(Si)に近いことが望ましいが、窒化ア
ルミニウム(Al N)はこの目的に適している。
【0004】すなわち、従来より一般的に使用されてい
るアルミナ(Al23)基板の熱伝導率が20W/mKであ
るのに対し、Al Nの熱伝導率は200 W/mKと格段に
優れており、また、融点(分解温度)は2200℃と高く、
また、熱膨張係数は4.4 ×10 -6/℃とSi の熱膨張係数
である3.6 ×10-6/℃に近い。
【0005】また、電子回路を形成する導体線路の形成
材料としてはタングステン(W)が使用されているが、
これは融点が3400℃と高く、Al Nと同時焼成が可能で
あり、また、Wの熱膨張係数は4.4 ×10-6/℃とAl N
に等しいからである。
【0006】これらのことからWを導体線路とするAl
N多層回路基板がMCM用基板として望ましく、実用化
が進められている。
【0007】
【従来の技術】AlN基板の製法としてはAl N粉末に少
量の焼結助剤とバインダおよび分散媒を加え、良く混練
してスラリーを作り、ドクターブレード法によりグリー
ンシートを形成する。
【0008】次に、このグリーンシートを所要の大きさ
に打ち抜いた後、ビア(Via)形成位置をパンチングなど
の方法で穴開けし、Wペーストをスクリーン印刷法によ
り印刷して配線パターンとビアを形成する。
【0009】次に、所要の枚数のグリーンシートを正確
に位置合わせして積層した後に加圧して一体化し、これ
を酸化ジルコン(Zr O2), アルミナ( Al23)または
石英ガラス(Si O2)などの基板に載せて脱バインダ炉
に置き、窒素(N2)などの不活性ガス雰囲気中で加熱し
て脱バインダを行なう。
【0010】こうしてできた脱バインダ体は、次に、窒
化硼素(BN)容器の中のBNセッターの上に置き、不
活性ガス雰囲気中でAl Nの焼結開始温度(1800℃) に
保持し加熱することによりAl N多層回路基板が作られ
ていた。
【0011】然し、このようにして作られたAlN基板の
導体線路はWよりなることから、従来のガラスセラミッ
ク基板の導体線路などに較べると遙かに抵抗が高く、導
体線路としては好ましくなかった。
【0012】すなわち、Cuの抵抗率が1.7 μΩ/cc であ
るのに対し、Wの抵抗率は5.5 μΩ/cc と3倍以上高い
からである。そこで、発明者等はWよりなる導体線路を
多孔質化し、この孔部にCuを拡散させて充填することを
提案している。(特開昭04-217393 ) その方法はWペーストの中に焼成温度において分解する
か蒸発する有機化合物を添加しておくことにより多孔質
のW導体線路を作るもので、単にWペーストの中に溶解
分散させておくだけではバインダや分散媒と同じであっ
て、この有機化合物の沸点に達すると細い蒸発孔を残し
て蒸発し、残った孔はやがて潰れて平坦化してしまう。
【0013】そこで、この条件を満たすためには、 ペーストの中で一定の大きさの固体として分散して
いること、 沸点あるいは分解温度が高く、その分解温度では溶
剤は殆どが蒸発してペーストは高粘度状態となっている
こと、 蒸発或いは分解により汚染や腐食など化学的に悪影
響を及ぼさぬこと、 が必要であり、この見地から発明者等はテレフタール酸
を選んだ。
【0014】すなわち、テレフタール酸はWペーストに
おいて分散媒として用いられているテレピネオールに不
溶であり、融点は425 ℃と高く、300 ℃以上で昇華する
性質があり、また、安息香酸のパラの位置にカルボキシ
ル基のついた構造であるために残留して汚染や腐食を生
ずることはない。
【0015】そこで、発明者等は、これを実現する方法
として、 W粉末(主剤) ・・・・・・・・・100 g エチルセルロース(バインダ)・・・・・・・・・ 2g テレピネオール(分散媒) ・・・・・・・・・ 30 ml テレフタール酸(発泡剤) ・・・・・・・・・ 50 g を構成剤とするWペーストを作り、従来と同様にAlNグ
リーンシートの上にスクリーン印刷してビア孔を埋める
と共に導体線路を作り、乾燥した後、必要数のグリーン
シートを積層し、この積層体をN2 雰囲気中で約600 ℃
で加熱して脱脂を行い、これを従来と同様にBN焼成容
器の中のBNよりなるセッターの上に置き、カーボン炉
の中でこの積層体をN2 雰囲気中で1800℃で加熱してAl
NとWの両者を焼結することにより多孔質のW導体線路
を備えた多層回路基板を形成した。
【0016】次に、この基板のビア形成位置にCuペレッ
トを置き、還元雰囲気中で且つCuの融点(1084 ℃) 以上
にまで加熱してCuを多孔質な導体線路中に拡散浸透させ
ることにより、低抵抗な導体線路を備えた多層回路基板
を形成することができた。
【0017】然し、発明者等は、このようにして作られ
た多層回路基板の表面層または裏面層の導体線路の抵抗
が固有値に較べて著しく増加していることを見出し、研
究の結果、Al Nの焼成に使用するBN容器のBとWと
が反応して硼化タングステン(W2 B)ができているこ
とを見出した。すなわち、Al Nの焼結が進行するよう
な高温においてはBNの蒸気圧が高まり、Wとの反応が
生ずるのである。
【0018】また、Al Nの焼成には黒鉛(C)板を発
熱体とするカーボン炉が一般に焼結炉として用いられて
いるが、1800℃のような高温においてはCがWと反応し
てW 2 Cのような化合物を生じ、導体線路を高抵抗化し
ていることも明らかになっている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】Al N基板はその優れ
た特性からAl23 基板に代わる材料として実用化が進
められており、その上にパターン形成する配線材料とし
て融点が高く、また、熱膨張係数が近似しているWの使
用が適当とされている。
【0020】然し、第1の課題としては、Wペーストを
印刷したAl Nグリーンシートを焼成して回路基板とす
る際にW導体線路の抵抗が増加することが問題である。
また、第2の課題として、発明者等は先にW導体線路を
備えたAl N回路基板について、導体線路の抵抗を低減
する方法としてW導体線路をWの多孔質体で形成し、こ
の多孔質体にCuを充填することにより低抵抗化する方法
を提案しているが、この方法によっても期待するように
は導体線路の抵抗が低下しない。そこで、この解決が課
題である。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題は、図1
に製造工程図を示すように、所定の寸法をもつAl Nグ
リーンシートの所定位置にビア穴を開け、ビア穴を含
め、Al Nグリーンシート上にWペーストを印刷してビ
ア穴を埋めると共に導体線路をパターン形成し、Al N
グリーンシートを位置合わせして積層した後に加圧して
一体化し、グリーンシートの脱バインダ処理を行なった
後、積層体をWまたはモリブデン(Mo )製の焼成容器
を用いてWメッシュヒータ炉の中に設置し、不活性ガス
雰囲気中で加熱して、基板を形成するAl Nと導体線路
を形成するWの双方について焼結を進行せしめて多層回
路基板を形成することにより解決することができる。
【0022】また、第2の課題は所定寸法に切断したA
l Nグリーンシートの所定位置にビア穴を設け、このビ
ア穴を含め、Al Nグリーンシート上にテレフタール酸
を含むタングステンペーストを印刷してビア穴を埋める
と共に導体線路をパターン形成し、このAl Nグリーン
シートを位置合わせして積層した後に加圧して一体化
し、グリーンシートの脱バインダ処理を行なった後、こ
の積層体をBNよりなる焼成容器を用いてカーボン炉の
中に設置し、不活性ガス雰囲気中で加熱し、焼結させて
多孔質な導体線路を伴う多層基板を形成し、この基板の
ビア形成位置にCu ペレットを置き、還元雰囲気中で且
つCu の融点以上にまで加熱してCu を多孔質な導体線
路中に拡散浸透せしめる工程とよりなる多層回路基板の
製造工程において、積層体をWまたはMo よりなる焼成
容器に入れてWメッシュヒータ炉の中に設置し、不活性
ガス雰囲気中で加熱し、焼結させて多層回路基板を作る
ことにより解決することができる。
【0023】
【作用】Al Nは融点(分解温度)が2200℃と高く、焼
結開始温度が1800℃と高いことからAl Nグリーンシー
トを焼成する際に使用する容器およびセッター(載置
台)としては融点(昇華温度)が3000℃以上で1800℃程
度の高温でも安定なBNが用いられてきた。
【0024】然し、Wを導体線路として使用する場合、
高温焼成の際にBN蒸気とWとが反応してW2 BがW導
体線路の上層に生じ、シート抵抗を著しく増加させてい
る。そこで、発明者等はBNの蒸発を抑制する見地か
ら、加圧焼成を試みた。すなわち、容器およびセッター
としてBNを用い、カーボン炉内のN2 圧力を圧力調整
弁を用いて5kg/cm に保持して基板の焼成を行い、導体
線路の抵抗値の変化を測定した。
【0025】具体的には、Al N基板の焼成温度を1650
℃と1800℃にとり、N2 ガスを供給しながら常圧で焼成
した場合と、N2 圧力を5kg/cm に保持して焼成した場
合についてW導体線路のシート抵抗を測定した。表1は
この結果である。
【0026】
【表1】
【0027】すなわち、1650℃ではBNの蒸気圧は余り
大きくなく、加圧の効果は少ないが、1800℃ではN2
スによる加圧の効果が現れ、BNの影響を少なくしてい
ることが判る。
【0028】然し、不活性ガスの加圧雰囲気中でAl N
グリーンシートの焼成を行なうとAl Nの焼結が妨げら
れて相対密度が向上しないと云う問題がある。表2はこ
の事実を示している。
【0029】
【表2】
【0030】恐らく、焼結助剤として添加してある酸化
カルシウム(Ca O)などの蒸発が妨げられる結果とし
て相対密度が上がらないと思われるが、ともかくBNの
蒸気圧の調節は余り良い方法ではない。
【0031】そこで、本発明は高温においてWと反応し
て抵抗率の高い反応物を形成しない材料すなわち、Wか
Mo を焼成容器あるいはセッターに用い、焼成温度が18
00℃のように高温の場合はタングステンメッシュヒータ
ーを、また、焼成温度が1600℃程度と比較的低温の場合
はモリブデンメッシュヒーターを焼成炉としてAl N多
層グリーンシートの焼成を行なうものである。
【0032】こゝで、タングステンメッシュヒーターは
円筒状をしたメッシュ(Mesh) 状のW発熱体で通電部が
形成されており、この通電部を囲んで同心円状の複数の
WまたはMo 板よりなる遮蔽板を備えて形成されている
ものである。
【0033】このように、W導体線路をパターン形成し
たAl NグリーンシートをWヒータを用い、また、Wと
反応しない材料を容器またはセッターに用いて焼成を行
なうことによりWの固有抵抗に近い値をもつ導体線路を
パターン形成することが可能となる。
【0034】次に、第2の課題については、発明者等
は、多孔質な導体線路、特に、ビアにおけるAl N基板
とW導体線路との接合状態を観察した。その結果、Al
N基板とW導体線路との間に隙間が介在していることが
判った。図2はビアの部分の模式図であって、Al Nグ
リーンシート1に孔開けしてあるビア孔にテレフタール
酸2を含むWペースト3をスクリーン印刷して埋め込
み、乾燥した後、三枚のグリーンシートを位置合わせし
て積層した後、加圧して一体化した状態を示している。
(以上同図A) 次に、600 ℃程度の温度で脱バインダ処理を行なうと、
Wペースト3を構成する分散媒とバインダは蒸発または
分解し、また、テレフタール酸2も昇華する結果、ビア
の中に複雑な形状をしたガスの抜け孔5を生じ、この積
層体6をカーボン炉に移し、不活性ガス雰囲気中で1800
℃で加熱すると導体線路を構成するWと基板を構成する
Al Nのそれぞれの焼結が進行するが、W導体線路の抜
け孔5は変形するものゝそのまゝ残存している。(以上
同図B) 次に、焼結が終わって形成された基板7の導体線路(こ
の図の場合はビア8)の上にCu を置き、還元性雰囲気
中でCu の融点以上の温度に加熱して抜け穴5にCuを
拡散浸透させることにより穴埋めが行なわれている。(
以上同図C) 然し、ビア8と基板7との接合状態を仔細に観察すると
界面に隙間11が介在することが判った。
【0035】そこで、発明者等はWよりなる導体線路の
抵抗が、期待するほど低下しない理由はこの密着不良が
原因であり、この原因はBN焼成容器とカーボン炉の使
用によるものではないかと推測した。
【0036】すなわち、積層体を焼成する際に使用する
焼成容器およびセッター(載置台)としては融点(昇華
温度)が3000℃以上で、1800℃程度の温度では安定なB
Nが使用されているが、BとWとは高温で反応して硼化
タングステン(W2 B)がでることが知られている。す
なわち、Al Nの焼結が進行するような高温においては
BNの蒸気圧が高まり、Wとの反応が生ずるのである。
【0037】また、Al Nの焼成には黒鉛(C)板を発
熱体とするカーボン炉が一般に焼結炉として用いられて
いるが、1800℃のような高温においてはCがWと反応し
てW 2 Cのような化合物を生じることも知られている。
【0038】そこで、発明者等バインダ除去処理で多孔
質となったビア(W導体線路)を含む積層体をBN焼成
容器に入れてカーボン炉で焼結を行なう場合は、BN蒸
気とC蒸気が多孔質体の内部までも浸入してWと反応
し、W2 BやW2 CをWよりなる多孔質焼結体の表面に
生じ、これが、後の工程で行なわれるCu の拡散浸透を
妨げる結果としてビアと基板との間に隙間を生じている
と推定した。
【0039】そのため、焼成容器としてWやMoのよう
にWと反応しない金属を使用し、また、焼結炉としてW
メッシュヒータを使用した。このように、脱バインダ処
理を行なった積層体をWと反応しない焼成容器とセッタ
ーに用い、Wメッシュヒーター炉で焼結を行なった結
果、WとAl N基板との接着性が改良されて隙間が無く
なると共にWとCu との密着性が向上してガスの抜け穴
に沿っての溶融Cu の濡れ性が向上し、これにより導体
線路の低抵抗化を実現することができた。
【0040】
【実施例】
実施例1:Al N粉末を100 重量部、焼結助剤としてC
a Oを2重量部、バインダとしてポリビニルブチラール
(PVB)を10重量部、可塑剤としてジブチルフタレー
ト(DBP)を10重量部、分散媒としてエチルアルコー
ルを50重量部を加え、良く混練してスラリーを形成し、
次に、ドクターブレードを用い、成形ギャップを350 μ
m とし、送り速度を2.0 m/分として成形を行い、グリ
ーンシートを形成した。 次に、このグリーンシートを
60 mm 角に打抜き、この上にWペーストをスクリーン印
刷して配線パターンを形成し、乾燥させた後、6層積層
して40MPa,50 ℃,20 分の条件でプレスし、60×60×2
mmの積層体を形成した。
【0041】次に、この積層体をN2 中で温度700 ℃で
16時間加熱して脱バインダし、この脱バインダ体を100
×100 ×15 mm のW製の焼成容器の中に置き、タングス
テンメッシュヒータの中に位置決めし、N2 ガスを供給
しながら1800℃で9時間の焼成を行ってAl NとWをそ
れぞれ焼結させた。
【0042】
【表3】
【0043】表3はこのように本発明を適用して形成し
た多層基板について、Al N基板の密度と厚さが25.4μ
m のW導体線路のシート抵抗を従来の方法で形成した多
層基板と比較したもので、密度は同等であり、一方、シ
ート抵抗は5.0 mΩ/□とほぼ理論値に近く、従来に較
べて約1/15 に減少することができた。 実施例2:Al N粉末を100 重量部、焼結助剤としてC
a Oを2重量部、バインダとしてポリビニルブチラール
(PVB)を10重量部、可塑剤としてジブチルフタレー
ト(DBP)を10重量部、分散媒としてエチルアルコー
ルを50重量部を加え、良く混練してスラリーを形成し、
次に、ドクターブレードを用い、成形ギャップを350 μ
m とし、送り速度を2.0 m/分として成形を行い、グリ
ーンシートを形成した後、このグリーンシートを60 mm
角に打抜いた。
【0044】一方、Wペーストとしては市販のテレフタ
ール酸の平均粒径は150 μm と大きいので、テレフター
ル酸50gにバインダとしてエチルセルロースを2g,分
散媒としてテレピネオールを30mlを混ぜてペースト状と
し、これを三本ロールで混練してテレフタール酸の粒径
を20〜30μm に調整した後、W粉末100 gを加えてペー
ストとした。
【0045】次に、所定の位置にビア孔を打ち抜いたグ
リーンシートの上にWペーストをスクリーン印刷して導
体線路をパターンを形成し、乾燥させた後、6層積層し
て40MPa,50 ℃,20 分の条件でプレスし、60×60×2mm
の積層体を形成した。
【0046】次に、この積層体をN2 中で温度600 ℃で
16時間加熱して脱バインダし、この脱バインダ体を100
×100 ×15 mm のW製の焼成容器の中に置き、タングス
テンメッシュヒータの中に位置決めし、N2 ガスを供給
しながら1800℃で9時間の焼成を行ってAl NとWをそ
れぞれ焼結させた。
【0047】次に、ビア形成位置にCuペレットを置き、
水素(H2 )雰囲気中で1130℃で2時間の熱処理を行
い、Cu をビアを含む導体線路に拡散浸透させた。その
結果、従来のようなAl N基板とW導体線路との間の隙
間がなくなり、また、導体線路の抵抗率は3.8 μΩ/cc
と低下した。
【0048】
【発明の効果】本発明の実施により、Wを導体線路とす
るAl N多層配線基板において、固有抵抗値に近い導体
線路をもつ多層基板を製造することができる。
【0049】本発明の実施により、多孔質なWにCu を
含浸させて導体線路とするAl N多層配線基板の製造方
法において、低抵抗化した導体線路の形成が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るAl N多層回路基板の製造工
程図である。
【図2】 従来の問題点を示すビア製造工程の断面図
である。
【符号の説明】
1 Al Nグリーンシート 2 テレフタール酸 3 Wペースト 5 抜け孔 6 積層体 7 基板 9 Cu 11 隙間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウムグリーンシートの所定
    位置にビア穴を設け、 該ビア穴を含め、窒化アルミニウムグリーンシート上に
    タングステンペーストを印刷してビア穴を埋めると共に
    導体線路をパターン形成し、 該窒化アルミニウムグリーンシートを位置合わせして積
    層した後に加圧して一体化し、 該グリーンシートの脱バインダ処理を行なった後、該積
    層体をタングステンまたはモリブデンよりなる焼成容器
    に入れて、タングステンまたはモリブデンよりなるメッ
    シュヒータ炉の中に設置し、 不活性ガス雰囲気中で焼成することを特徴とする窒化ア
    ルミニウム多層回路基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウムグリーンシートの所定
    位置にビア穴を設け、 該ビア穴を含め、窒化アルミニウムグリーンシート上に
    テレフタール酸を含むタングステンペーストを印刷して
    ビア穴を埋めると共に導体線路をパターン形成し、 該
    窒化アルミニウムグリーンシートを位置合わせして積層
    した後に加圧して一体化し、 該グリーンシートの脱バインダ処理を行なった後、該積
    層体をタングステンまたはモリブデンよりなる焼成容器
    に入れてタングステンメッシュヒータ炉の中に設置し、
    不活性ガス雰囲気中で加熱し、焼結させて多孔質な導体
    線路を備えた多層基板を形成し、 該基板のビア形成位置に銅ペレットを置き、還元雰囲気
    中で且つ銅の融点以上の温度で加熱して銅を多孔質な導
    体線路中に拡散浸透せしめることを特徴とする窒化アル
    ミニウム多層回路基板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002045470A1 (en) * 2000-11-30 2002-06-06 Tokuyama Corporation Substrate and production method therefor
US6644963B1 (en) * 1996-02-19 2003-11-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. Batch-type kiln

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