JPH08182187A - 突入電流抑制電源回路 - Google Patents

突入電流抑制電源回路

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JPH08182187A
JPH08182187A JP33626294A JP33626294A JPH08182187A JP H08182187 A JPH08182187 A JP H08182187A JP 33626294 A JP33626294 A JP 33626294A JP 33626294 A JP33626294 A JP 33626294A JP H08182187 A JPH08182187 A JP H08182187A
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circuit
power
resistor
power supply
input
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JP33626294A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Yoshioka
均 吉岡
Sadao Oba
貞雄 大場
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Yutaka Electric Mfg Co Ltd
Original Assignee
Yutaka Electric Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない部品で確実な突入電流の抑制を実現
し、低価格で、高信頼性の電源回路の突入電流抑制回路
を提供することを目的とする。 【構成】 コンデンサ入力の整流平滑回路を具備した電
源回路において、交流入力ラインと整流後の直流ライン
の少なくともいずれか一方のラインに、電力用固定抵抗
13と表面温度により抵抗値が変化する感熱抵抗素子1
8とからなる突入電流抑制回路を挿入したものである。
起動時には、電力用固定抵抗13の抵抗値と感熱抵抗素
子18の常温抵抗値がそれぞれ突入電流を抑制し、定常
運転時には、感熱抵抗素子18が通電後発熱し内部抵抗
が低下するので、比較的小さな抵抗値の電力用固定抵抗
13による電力損失だけとなり、さらに、電源回路を一
度停止した後の再起動時の突入電流も電力用固定抵抗1
3により抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタにおける印字
時と待機時のように、最大動作時の入力電流が定常動作
時のそれよりも数倍以上になるような電源回路におい
て、少ない部品で確実に突入電流を抑制するようにした
突入電流抑制電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電源回路の突入電流は、整流平滑回路が
コンデンサ入力で、この平滑コンデンサを充電する電流
により流れる。この突入電流は、特に、入力商用電圧が
最大値の時に電源スイッチを投入した場合に多く流れ、
電源スイッチの溶着やヒューズ12の溶断などを起こし
易く、突入電流の抑制は、電源回路には不可欠な機能と
なっている。
【0003】従来の電源回路における突入電流抑制回路
は、一般的につぎの4種類が知られている。 (1)図4に示すものは、交流電源50の交流入力端子
10、11をヒューズ12を介して整流回路14に接続
し、この整流回路14の出力側に平滑コンデンサ15を
介して直流出力端子16、17に接続した交流入力、直
流出力の電源回路において、(a)のように、交流入力
ラインに突入電流抑制回路としての電力用固定抵抗13
を挿入するか、または、(b)のように、整流後の直流
ラインに突入電流抑制回路としての電力用固定抵抗13
を挿入したものである。
【0004】(2)図5に示すものは、図4と同様の交
流入力、直流出力の電源回路において、(a)のよう
に、交流入力ラインに突入電流抑制回路としての感熱抵
抗素子18を挿入するか、または、(b)のように、整
流後の直流ラインに突入電流抑制回路としての熱抵抗素
子18を挿入したものである。
【0005】(3)図6(a)に示すものは、図4
(a)に示すような交流入力、直流出力の電源回路の交
流入力ラインに突入電流抑制回路としての電力用固定抵
抗13を挿入した回路において、電力用固定抵抗13と
並列にトライアック19を接続し、このトライアック1
9には、ゲート電流設定用の抵抗20と、コンデンサ2
1、抵抗22からなりトライアック19の誤動作防止用
のフィルタ回路23とを介してゲート信号入力端子2
4、25に接続したものである。この回路において、ま
ず平滑コンデンサ15を電力用固定抵抗13を介して充
電し、電源回路が起動した後、トライアック19のゲー
ト回路がオン信号を出力し、電力用固定抵抗13をバイ
パスするようにしたものである。この電力用固定抵抗1
3とトライアック19を用いた突入電流抑制回路は、突
入電流の抑制を交流入力側で行う場合に用いられ、主
に、100V系と200V系で共用される電源回路の場
合に使用される。
【0006】(4)図6(b)に示すものは、図4
(b)に示すような交流入力、直流出力の電源回路の整
流後の直流ラインに突入電流抑制回路としての電力用固
定抵抗13を挿入した回路において、電力用固定抵抗1
3と並列にサイリスタ26を接続し、このサイリスタ2
6には、図6(a)と同様に、抵抗20と、コンデンサ
21、抵抗22からなるフィルタ回路23とを介してゲ
ート信号入力端子24、25に接続したものである。こ
の回路において、まず平滑コンデンサ15を電力用固定
抵抗13を介して充電し、電源回路が起動した後、サイ
リスタ26のゲート回路がオン信号を出力し、電力用固
定抵抗13をバイパスするようにしたものである。この
電力用固定抵抗13とサイリスタ26を用いた突入電流
抑制回路は、突入電流の抑制を全波整流した後の直流ラ
インで行う場合に用いられ、主に、100V系または2
00V系それぞれ単独の入力の電源回路の場合に使用さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(1)前記図4(a)(b)に示すように、突入電流抑
制回路として電力用固定抵抗13を使用した回路では、
電流の突入を交流入力電圧の最大値に対する抵抗値で制
限するので、電源回路の入力電流で電力用固定抵抗13
による損失が決まり、比較的大きな損失となり、電源回
路を一度停止した後の再起動時にも突入電流を抑制でき
る。 例1:入力AC100V±20%、突入電流35A(0
−p)以下とすると、抵抗値は、100(V)×1.2
×√(2)÷35(A)≒4.8Ωとなり、 ∴電力用固定抵抗13として5Ω以上のものが必要であ
る。 電源回路の定常出力電力を70W、変換効率を70%と
すると、定常入力電流は、70(W)÷100(V)÷
0.7=1.0(A)となり、その時の電力用固定抵抗
13の損失は、以下のようになる。 1A2×5Ω=5W 例2:入力AC220V±20%、突入電流35A(0
−p)以下とすると、抵抗値は、220(V)×1.2
×√(2)÷35(A)≒10.7Ωとなり、 ∴電力用固定抵抗13として11Ω以上のものが必要で
ある。 電源回路の定常出力電力を70W、変換効率を65%と
すると、定常入力電流は、70(W)÷220(V)÷
0.65=0.49(A)となり、その時の電力用固定
抵抗13の損失は、以下のようになる。 0.5A2×11Ω=2.75W
【0008】(2)前記図5(a)(b)に示すよう
に、突入電流抑制回路として感熱抵抗素子18を使用し
た回路では、電流の突入を交流入力電圧の最大値に対す
る感熱抵抗素子18の表面温度による抵抗値で抑制す
る。この感熱抵抗素子18は、通電後の定常入力電流で
発熱し、図7(a)に示すように時間の経過に伴い熱時
定数τaにより内部抵抗が低下して損失を少なくする。
ところが、電源回路を一度停止した後の再起動時には、
感熱抵抗素子18の表面温度が既に高く抵抗値が低下し
ているので突入電流を抑制することができない。 例:前記(1)の例2:入力AC220Vと同様の条件
の場合には、感熱抵抗素子18の常温抵抗値として11
Ω以上のものが必要であり、例えば常温抵抗値が16Ω
のものが選定される。
【0009】図7(c)に一般的な感熱抵抗素子18の
特性を示すが、この図7(c)から常温抵抗値が16Ω
のときの飽和抵抗値は、0.73Ωであり、定常電流を
約0.5A流して自己発熱した後の抵抗値は、感熱抵抗
素子18の最大許容電流が常温(25℃)で1.9Aな
ので、 0.5(A)÷1.9(A)≒0.263=26.3% であり、図7(b)に示すように約5.4倍の飽和抵抗
係数になり、 0.73Ω×5.4≒3.94Ω≒4Ω と約4Ωまで低下しており、このときの突入電流は、 220(V)×1.2×√(2)÷4(Ω)≒約93.
3A となり、装置を定常状態で動作した後に、電源回路を再
起動した場合には突入電流は規格値(35A)以上にな
ってしまう。また、定常電流が0.5Aであるとする
と、その時の感熱抵抗素子18の損失は、以下のように
なる。 0.5A2×4Ω=1W
【0010】(3)図6(a)に示すように、突入電流
抑制回路として電力用固定抵抗13とトライアック19
を並列に接続した回路では、トライアック19という電
力用半導体素子、このトライアック19を駆動するため
のゲート信号入力端子24、25に接続された駆動回路
およびコンデンサ21、抵抗22からなる誤動作防止の
ためのフィルタ回路23などが必要である。
【0011】(4)図6(b)に示すように、突入電流
抑制回路として電力用固定抵抗13とサイリスタ26を
並列に接続した回路では、サイリスタ26という電力用
半導体素子、このサイリスタ26を駆動するためのゲー
ト信号入力端子24、25に接続された駆動回路および
コンデンサ21、抵抗22からなる誤動作防止のための
フィルタ回路23などが必要である。
【0012】(3)(4)における例:前記(1)の例
2:入力AC220Vと同様の条件の場合には、電力用
固定抵抗13の抵抗値として、11Ω以上のものが必要
である。また、入力電圧が特定期間停止した場合にサイ
リスタ26またはトライアック19がオン状態なので、
突入電流は抑制されない。このため、特定以上の時間間
隔で電源回路を再起動した場合には、サイリスタ26ま
たはトライアック19をその都度オフさせないと突入電
流を抑制することができない。
【0013】これを防止するためには、サイリスタ26
またはトライアック19のゲート電力を、平滑コンデン
サ15の後段に設けられたインバータ回路のトランスか
ら絶縁したタップで供給するのが一般的である。そこ
で、図8に示すような交流入力電圧の検出回路27が設
けられる。この回路において、入力瞬時停電があっても
特定時間以内であれば、コンデンサ32の充電電圧が常
時ツェナーダイオード33のツェナー電圧に達してお
り、トランジスタ34はオンし続け、トランジスタ35
はオフし続けてPWM−IC28のON/OFF制御端
子41がHとなりオン信号が出力し続ける。入力瞬時停
電が特定の時間以上継続すると、コンデンサ32の充電
電圧がツェナーダイオード33のツェナー電圧以下にな
り、トランジスタ34はオフし、トランジスタ35はオ
ンしてON/OFF制御端子41がLとなりオフ信号が
出力する。これにより電源回路のPWM−IC28を停
止させ、サイリスタ26またはトライアック19をその
都度オフする。
【0014】前記交流入力電圧の検出回路27を設ける
ことで突入電流の抑制に対応できるが、この突入電流抑
制回路は、極めて複雑である。このように、図4に示す
ような電力用固定抵抗13を挿入した(1)の方式で
は、この電力用固定抵抗13の損失が多く、図5に示す
ような感熱抵抗素子18を挿入した(2)の方式では、
再起動時の突入電流を抑制することができず、さらに、
図6に示すようなサイリスタ26またはトライアック1
9を用いた(3)および(4)の方式では、回路が複雑
で高価になるという問題があった。
【0015】本発明は、少ない部品で確実な突入電流の
抑制を実現し、低価格で、高信頼性の電源回路の突入電
流抑制回路を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンデンサ入
力の整流平滑回路を具備した交流入力の電源回路におい
て、電源回路の交流入力ラインと整流後の直流ラインの
少なくともいずれか一方のラインに、電力用固定抵抗1
3と表面温度により抵抗値が変化する感熱抵抗素子18
とからなる突入電流抑制回路を挿入したことを特徴とす
る突入電流抑制電源回路である。
【0017】
【作用】突入電流抑制回路として電力用固定抵抗13と
感熱抵抗素子18からなる回路構成としたので、起動時
には、電力用固定抵抗13の抵抗値と感熱抵抗素子18
の常温抵抗値がそれぞれ突入電流を抑制し、定常運転時
には、感熱抵抗素子18が通電後発熱し内部抵抗が低下
するので、比較的小さな抵抗値の電力用固定抵抗13に
よる電力損失だけとなり、さらに、電源回路を一度停止
した後の再起動時の突入電流も電力用固定抵抗13によ
り抑制することができる。したがって、感熱抵抗素子1
8だけの突入電流抑制回路を持つ電源回路のように、再
起動時の突入電流が抑制できなくなるという問題がな
く、また電力用半導体を用いたり、駆動回路や制御回路
を設ける必要がなく、少ない部品で確実な突入電流の抑
制が可能となり、さらに発熱部品を分散することができ
るため放熱処理が簡単になるなど、低価格で高信頼性の
電源回路の突入電流抑制回路を提供することができる。
【0018】
【実施例】電源回路の出力電力の大きさとして、概ね3
0〜70W程度の場合、半導体回路による突入電流抑制
回路は、価格的に高くなるので用いられない。本発明
は、このような比較的小型の電源回路の場合に、半導体
回路による突入電流抑制回路を設けることなく、電力用
固定抵抗13(固定抵抗値)と、感熱抵抗素子18(可
変抵抗値)のそれぞれ長所だけを応用し、2種類の素子
を接続した突入電流抑制回路を、交流入力の電源回路で
は、交流入力ラインまたは整流後の直流ラインに挿入
し、また直流入力の電源回路では、直流入力ラインに挿
入し、その抵抗値として電力用固定抵抗13の抵抗値
と、感熱抵抗素子18の常温抵抗値の比率を適当に選択
することにより、再起動時にも良好に突入電流を抑制で
きる突入電流抑制電源回路を提供しようとするものであ
る。
【0019】以下、本発明の具体的実施例を図面に基づ
き説明する。本発明は、電源回路の入力電流として定常
動作時と最大動作時が存在する電子機器において、突入
電流抑制回路として突入電流と平滑コンデンサ15の容
量で決まる充電電流と時間の積で破損しないような耐ラ
ッシュ電流用の電力用固定抵抗13と、表面温度により
抵抗値が負の温度係数を持つ感熱抵抗素子18(例えば
サーミスタ)を挿入した回路である。
【0020】図1(a)(b)は、本発明の第1実施例
を示すもので、交流電源50の交流入力端子10、11
をヒューズ12を介して整流回路14に接続し、この整
流回路14の出力側に平滑コンデンサ15を介して直流
出力端子16、17に接続した交流入力、直流出力の電
源回路において、交流入力ラインに、突入電流抑制回路
として感熱抵抗素子18と電力用固定抵抗13とからな
る回路を挿入して突入電流を抑制する回路を示すもので
ある。このうち、図1(a)は、交流入力ラインのいず
れか一方に、感熱抵抗素子18と電力用固定抵抗13の
直列回路を挿入した例を示している。なお、感熱抵抗素
子18と電力用固定抵抗13を互いに逆のラインに挿入
してもよい。また、図1(b)は、交流入力ラインの一
方に、感熱抵抗素子18を挿入し、交流入力ラインの他
方に、電力用固定抵抗13を挿入した例を示している。
なお、感熱抵抗素子18と電力用固定抵抗13を互いに
逆のラインに挿入してもよい。
【0021】図2(a)(b)は、本発明の第2実施例
を示すもので、前記同様の交流入力、直流出力の電源回
路において、整流後の直流ラインに、感熱抵抗素子18
と電力用固定抵抗13を挿入して突入電流を抑制する場
合を示すものである。このうち、図2(a)は、整流後
の直流ラインのいずれか一方に、突入電流抑制回路とし
て感熱抵抗素子18と電力用固定抵抗13の直列回路を
挿入した例を示している。なお、感熱抵抗素子18と電
力用固定抵抗13を互いに逆のラインに挿入してもよ
い。また、図1(b)は、整流後の直流ラインの一方
に、感熱抵抗素子18を挿入し、整流後の直流ラインの
他方に、電力用固定抵抗13を挿入した例を示してい
る。なお、感熱抵抗素子18と電力用固定抵抗13を互
いに逆のラインに挿入してもよい。
【0022】図3(a)(b)は、本発明の第3実施例
を示すもので、直流電源51の直流入力端子43、44
を、バイパスコンデンサ46、スイッチ素子47、PW
M−IC28、転流ダイオード48、リアクタ49、平
滑コンデンサ15からなるDC−DCコンバータ45に
接続し、このDC−DCコンバータ45に直流出力端子
16、17に接続した直流入力、直流出力の電源回路に
おいて、直流入力ラインに、突入電流抑制回路として感
熱抵抗素子18と電力用固定抵抗13を挿入して突入電
流を抑制する場合を示すものである。このうち、図3
(a)は、直流入力ラインのいずれか一方に、感熱抵抗
素子18と電力用固定抵抗13の直列回路を挿入した例
を示している。なお、感熱抵抗素子18と電力用固定抵
抗13を互いに逆のラインに挿入してもよい。また、図
3(b)は、直流入力ラインの一方に、感熱抵抗素子1
8を挿入し、直流入力ラインの他方に、電力用固定抵抗
13を挿入した例を示している。なお、感熱抵抗素子1
8と電力用固定抵抗13を互いに逆のラインに挿入して
もよい。
【0023】以上のような図1、図2、図3に示す回路
において、前述のように、電力用固定抵抗13は、突入
電流と平滑コンデンサ15の容量で決まる充電電流と時
間の積で破損しないような耐ラッシュ電流用であり、感
熱抵抗素子18は、表面温度により抵抗値が負の温度係
数を持つ(例えばサーミスタ)であり、これら電力用固
定抵抗13の抵抗値と感熱抵抗素子18の常温抵抗値の
比率を、1:2から1:3程度としたものである。この
ような回路構成とすることにより、定常状態で運転中に
電源を再起動しても突入電流を抑制することができ、か
つ、従来1つである発熱素子を電力固定抵抗と感熱抵抗
素子に分割して実装することが可能な突入電流抑制回路
を提供できるものである。
【0024】具体的数値により説明する。例として、入
力電圧AC100Vで定常電流が1Aで、最大電流が数
倍の装置に電力を供給する電源回路において、突入電流
を35Aに抑制するものとする。電力用固定抵抗13の
抵抗値を3.9Ω、感熱抵抗素子18の常温抵抗値を8
Ωとすると、初期の起動時突入電流の最大値は、 例1:入力AC100V±20%で、100(V)×
1.2×√(2)÷(3.9+8)(Ω)≒約14.3
Aとなる。ここで、選定した感熱抵抗素子18は、1A
の通過電流に対して自己発熱し、図7(c)による最大
許容電流による抵抗値は、1(A)÷2.7(A)≒
0.370=約37%となる。図7(b)から37%時
の飽和熱抵抗係数は、約3.6倍となり、 0.365Ω(飽和抵抗値)×3.6倍=約1.3Ω このときの突入電流は、100(V)×1.2×√
(2)÷(3.9+1.3)(Ω)=約32.6Aとな
り、規格値(35A)を満足することができる。
【0025】それぞれの損失は以下に示すようになる。 電力用固定抵抗13: 1A2×3.9Ω=3.9W 感熱抵抗素子18: 1A2×1.3Ω=1.3W これらの損失の合計は、電力用固定抵抗13だけを用い
た場合の損失と略同じであるが、損失を発生する素子を
2分割できるため、熱処理は楽にできる。
【0026】他の例として、入力電圧AC220Vで定
常電流が0.5Aで、最大電流が数倍の装置に電力を供
給する電源回路において、突入電流を35Aに抑制する
ものとする。電力用固定抵抗13の抵抗値を6.8Ω、
感熱抵抗素子18の常温抵抗値を16Ωとすると、初期
の起動時突入電流の最大値は、 例2:入力AC220V±20%で、220(V)×
1.2×√(2)÷(6.8+16)(Ω)=約16.
4Aとなる。ここで選定した感熱抵抗素子18は、0.
5Aの通過電流に対して自己発熱し、図7(c)の最大
許容電流による抵抗値は、 0.5(A)÷1.9(A)≒0.263=約26.3
% 図7(b)から26%時の飽和熱抵抗係数は、約5.4
倍となり、 0.730(Ω)×5.4倍=約4Ω このときの突入電流は、220(V)×1.2×√
(2)÷(6.8+4)(Ω)=約34.6A とな
り、規格値(35A)を満足することができる。
【0027】それぞれの損失は以下に示すようになる。 電力用固定抵抗13: 0.5A2×6.8Ω=1.7
W 感熱抵抗素子18: 0.5A2×4Ω=1W これらの損失の合計は、電力用固定抵抗13だけを用い
た場合の損失と略同じであるが、損失を発生する素子を
2分割できるため、熱処理は楽にできる。
【0028】前記図1の実施例では、交流入力ライン側
に、突入電流抑制回路として感熱抵抗素子18と電力用
固定抵抗13を挿入して突入電流を抑制する場合を示
し、また、図2の実施例では、整流後の直流ライン側
に、突入電流抑制回路として感熱抵抗素子18と電力用
固定抵抗13を挿入して突入電流を抑制する場合を示し
たが、本発明は、これに限られるものではなく、交流入
力ライン側と整流後の直流ライン側の両方に、感熱抵抗
素子18と電力用固定抵抗13をそれぞれ分割して挿入
するようにしてもよい。
【0029】前記実施例では、単相交流入力の電源回路
の場合について説明したが、これに限られるものではな
く、多相交流入力の電源回路の場合についても利用でき
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の突入電流抑制回路によれば、感
熱抵抗素子18だけの突入電流抑制回路を持つ電源回路
のように、再起動時の突入電流が抑制できなくなるとい
う問題がない。
【0031】従来のように、トライアック19やサイリ
スタ26のような電力用半導体を用いたり、駆動回路や
制御回路を設ける必要がなく、少ない部品で確実な突入
電流の抑制が可能となり、低価格で高信頼性の電源回路
の突入電流抑制回路を提供することができる。
【0032】本発明による突入電流抑制回路は、電力用
固定抵抗13だけの場合と略同一の損失であるが、発熱
部品を分散することができるため放熱処理が簡単にな
り、電源回路の信頼性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による突入電流抑制電源回路の第1実施
例を示す電気回路図を示し、(a)は、交流入力ライン
の一方に、感熱抵抗素子18と電力用固定抵抗13の直
列回路を挿入した例を示し、また、(b)は、交流入力
ラインの一方に、感熱抵抗素子18を挿入し、交流入力
ラインの他方に、電力用固定抵抗13を挿入した例を示
している。
【図2】本発明による突入電流抑制電源回路の第2実施
例を示す電気回路図を示し、(a)は、整流後の直流ラ
インの一方に、感熱抵抗素子18と電力用固定抵抗13
の直列回路を挿入した例を示し、また、(b)は、整流
後の直流ラインの一方に、感熱抵抗素子18を挿入し、
整流後の直流ラインの他方に、電力用固定抵抗13を挿
入した例を示している。
【図3】本発明による突入電流抑制電源回路の第3実施
例を示す電気回路図を示し、(a)は、直流入力ライン
の一方に、感熱抵抗素子18と電力用固定抵抗13の直
列回路を挿入した例を示し、また、(b)は、直流入力
ラインの一方に、感熱抵抗素子18を挿入し、交流入力
ラインの他方に、電力用固定抵抗13を挿入した例を示
している。
【図4】交流入力、直流出力の電源回路における従来の
突入電流抑制電源回路の電気回路図を示し、(a)は、
交流入力ラインに、電力用固定抵抗13を挿入した例を
示し、また、(b)は、整流後の直流ラインに、電力用
固定抵抗13を挿入した例を示している。
【図5】交流入力、直流出力の電源回路における従来の
突入電流抑制電源回路の電気回路図を示し、(a)は、
交流入力ラインに、感熱抵抗素子18を挿入した例を示
し、また、(b)は、整流後の直流ラインに、感熱抵抗
素子18を挿入した例を示している。
【図6】交流入力、直流出力の電源回路における従来の
突入電流抑制電源回路の電気回路図を示し、(a)は、
交流入力ラインに、電力用固定抵抗13とトライアック
19を用いた回路を挿入した例を示し、また、(b)
は、整流後の直流ラインに、電力用固定抵抗13とトラ
イアック19を用いた回路を挿入した例を示している。
【図7】感熱抵抗素子18の特性を表す図で、(a)
は、熱時定数特性線図で、(b)は、飽和抵抗係数特性
線図で、(c)は、特性の説明図ある。
【図8】半導体を用いた従来の突入電流抑制回路の制御
回路図である。
【符号の説明】
10…交流入力端子、11…交流入力端子、12…ヒュ
ーズ、13…電力用固定抵抗、14…整流回路、15…
平滑コンデンサ、16…直流出力端子、17…直流出力
端子、18…感熱抵抗素子、19…トライアック、20
…抵抗、21…コンデンサ、22…抵抗、23…フィル
タ回路、24…ゲート信号入力端子、25…ゲート信号
入力端子、26…サイリスタ、27…検出回路、28…
PWM−IC、29…ダイオード、30…ダイオード、
31…抵抗、32…コンデンサ、33…ツェナーダイオ
ード、34…第1トランジスタ、35…第2トランジス
タ、36…抵抗、37…抵抗、38…抵抗、39…コン
デンサ、40…Vcc端子、41…ON/OFF制御端
子、42…GND端子、43…直流入力端子、44…直
流入力端子、45…DC−DCコンバータ、46…バイ
パスコンデンサ、47…スイッチ素子、48…転流ダイ
オード、49…リアクタ、50…交流電源、51…直流
電源。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサ入力の整流平滑回路を具備し
    た交流入力の電源回路において、電源回路の交流入力ラ
    インと整流後の直流ラインの少なくともいずれか一方の
    ラインに、電力用固定抵抗13と表面温度により抵抗値
    が変化する感熱抵抗素子18とからなる突入電流抑制回
    路を挿入したことを特徴とする突入電流抑制電源回路。
  2. 【請求項2】 直流入力の電源回路において、電源回路
    の直流入力ラインに、電力用固定抵抗13と表面温度に
    より抵抗値が変化する感熱抵抗素子18とからなる突入
    電流抑制回路を挿入したことを特徴とする突入電流抑制
    電源回路。
  3. 【請求項3】 突入電流抑制回路は、電力用固定抵抗1
    3と感熱抵抗素子18との直列回路からなる請求項1ま
    たは2記載の突入電流抑制電源回路。
  4. 【請求項4】 突入電流抑制回路は、電力用固定抵抗1
    3と感熱抵抗素子18とを分離し、電源回路の両交流入
    力ラインと整流後の両直流ラインの少なくともいずれか
    一方に電力用固定抵抗13を挿入し、電源回路の両交流
    入力ラインと整流後の両直流ラインの少なくともいずれ
    か他方に感熱抵抗素子18を挿入してなる請求項1また
    は2記載の突入電流抑制電源回路。
  5. 【請求項5】 入力電流として定常動作時と最大動作時
    が存在する電源回路において、突入電流抑制回路を構成
    する電力用固定抵抗13の抵抗値と感熱抵抗素子18の
    常温抵抗値の比率を1:2から1:3程度としたことを
    特徴とする請求項1、2、3または4記載の突入電流抑
    制電源回路。
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