JPH08181479A - ノイズフィルタ - Google Patents

ノイズフィルタ

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JPH08181479A
JPH08181479A JP32193794A JP32193794A JPH08181479A JP H08181479 A JPH08181479 A JP H08181479A JP 32193794 A JP32193794 A JP 32193794A JP 32193794 A JP32193794 A JP 32193794A JP H08181479 A JPH08181479 A JP H08181479A
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JP
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soft magnetic
noise filter
molded body
engaging
powder
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JP32193794A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Sato
義隆 佐藤
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組み立てが容易で生産性の向上と低コスト化
がはかれ、多様な形状にも容易に対応できるノイズフィ
ルタを提供せんとするものである。 【構成】 電源ライン又は信号ラインとなる導体を、導
体挿通孔を有する軟磁性成形体で包囲してなるノイズフ
ィルタにおいて、軟磁性成形体が、導体挿通孔を横切っ
て導体挿通方向に直交させて分割した複数の軟磁性分割
成形体を接合した構成であり、接合面の一方には係合凸
部が、他面には前記係合凸部に係合する係合凹部が形成
され、且つ軟磁性分割成形体が軟磁性粉を合成樹脂に配
合した高分子複合材料によって成形されたノイズフィル
タ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種通信機器を始めとす
る電子機器の発振回路から発生する電磁ノイズの外部漏
洩を防止したり、電磁ノイズが他回路に影響を与えるこ
とを防止するために用いられるノイズフィルタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、各種通信機器を始めとする電子機
器の高周波回路から発生する電磁ノイズを吸収するため
のノイズフィルタとしてはNi−Zn系フェライトの焼
結体を用いたものがあり、焼結体の形状としては、ビー
ズタイプやトロイダルタイプ等がよく知られている。ビ
ーズタイプとは図15に示すように円筒ビーズ状の焼結
体aに金属ピンbを貫設したものであり、ノイズの高周
波成分を熱に変換することによってノイズ低減をはかる
ものである。他方、トロイダルタイプとは、リング状の
焼結体に銅線を巻き付けた形態のものであり、フェライ
ト焼結体の磁気損失による高周波成分の熱変換作用に加
えてコイルインダクタンスに起因する反発磁界による相
殺作用を利用してノイズ低減をはかるものである。これ
らはいずれも最初から円筒状又はリング状の一体焼結品
を形成したうえ、この一体焼結品に金属ピンを貫通させ
たりコイルを巻くことによって作製している。
【0003】また図示しないが、二つ組み合わせると円
筒体となる導体挿通溝を有する半円筒形のフェライト焼
結体をヒンジ機構を有する樹脂カバー内にそれぞれ収納
しておき、導体挿通溝に信号線や電源線を収納した後、
樹脂カバーを閉じるものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ノイズフィルタとして
は上記構成のものが公知であるが、これらはいずれにも
欠点があった。先ず円筒ビーズ状やリング状のフェライ
ト焼結体に導体を挿通したりコイルを巻いたりするもの
は、フェライト焼結体の孔部に導体を挿通したり、コイ
ルを巻く作業が極めて煩雑で、生産性が低い問題があ
る。特にビーズタイプでは、円筒ビーズに金属ピンを緊
密状態で挿通する必要があるうえに、場合によっては金
属ピン表面に接着剤を塗布する必要もあるため、単純な
構成であるにもかかわらず生産性が極めて低かった。ま
た、既設の信号線や電源線を孔部に挿通するためには、
これら信号線や電源線を一旦回路からはずさなければな
らないという欠点もある。更にフェライト焼結体は脆い
ため金属ピン挿入時に割れや欠けが発生しやすいという
問題もあった。
【0005】一方、半円筒状のフェライト焼結体を樹脂
カバー内に内装したものでは、導体の挿通作業は容易で
はあるものの、樹脂カバーが別途必要となってコストア
ップにつながる問題がある。そして更に重要なことは樹
脂カバーを閉じたときに半円筒状フェライト焼結体相互
を密着させることが困難であり、両フェライト焼結体間
にギャップが発生しやすく、最初から一体物として形成
された円筒ビーズ体に比べると一体性に劣り電波減衰率
が小さい問題があった。
【0006】このようにフェライト焼結体を用いた従来
のノイズフィルタには種々の問題があったが、更にこれ
に加えて形状任意性に乏しいという問題もある。即ち、
ノイズ発生源は多様であり、このためノイズフィルタの
形状もその取付け箇所に対応して種々の形状に成形しう
ることが理想的であるが、フェライト焼結体では単純形
状の成形は可能であっても複雑形状には対応できず、複
雑形状に対応しようとすれば切削等の後加工が必要とな
りコストアップを招くこととなる。
【0007】本発明はかかる現況に鑑みてなされたもの
であり、組み立てが容易で且つ組み立てに際して樹脂カ
バー等の別部品を必要とせず、生産性の向上と低コスト
化がはかれ、しかも組み立て後の軟磁性成形体の一体性
にも問題がないうえに多様な形状にも容易に対応できる
ノイズフィルタを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は、電源ライン又は信号ラインとなる導体を導体挿通
孔を有する軟磁性成形体で包囲してなるノイズフィルタ
において、軟磁性成形体が、導体挿通孔を横切って導体
挿通方向に直交させて分割した複数の軟磁性分割成形体
を接合した構成であり、接合面の一方には係合凸部が、
他面には前記係合凸部に係合する係合凹部が形成され、
且つ軟磁性分割成形体が軟磁性粉を合成樹脂に配合した
高分子複合材料によって成形されたことを特徴としてい
る。導体は軟磁性成形体に遊挿される場合もあるが、ビ
ーズタイプと称されるものでは緊密な状態で挿通され
る。また組み立て後の軟磁性成形体が円筒体である場合
には、軟磁性成形体は径方向に分割される。
【0009】軟磁性分割成形体相互の組み立ては係合凸
部と係合凹部による係合に加えて接着剤を併用してもよ
いが、生産性向上の観点からは係合関係のみによって組
み立てることが望ましい。例えば高分子複合材料の弾性
を利用して係合凸部を係合凹部に無理嵌合させることが
考えられる。
【0010】また無理嵌合による抜け止め防止構造とし
ては、例えば係合凹部の内奥側に凹部口縁幅よりも幅広
部分を形成し、他方、係合凸部には前記係合凹部の形状
に対応させて、凸部基部よりも幅広い部分を基部よりも
先端側に形成することなどが考慮される。
【0011】また係合凸部の係合凹部への導入を円滑化
するために、係合凹部の口縁に嵌入案内用のアール部を
設けることが提案される。
【0012】軟磁性粉としては、特にNi−Zn系フェ
ライト粉末、パーマロイ合金粉末又はセンダスト合金粉
末のうちから選ばれる1種の磁粉又は複数種の混合磁粉
を用いることが好ましく、また軟磁性分割成形体の初透
磁率は吸収対象である電磁ノイズの周波数域において1
0〜100の範囲に設定することが望まれる。
【0013】
【作用】このようなノイズフィルタは、従来の焼結フェ
ライト製のノイズフィルタと同様、電磁ノイズ発生源と
他の回路又は外部電源との間に介在させられ、電磁ノイ
ズをその磁気損失によって吸収して熱に変換し、減衰さ
せる。またトロイダルタイプ等のコイルを巻き付けたノ
イズフィルタでは、磁気損失による熱変換に加えてコイ
ルインダクタンスに起因する反発磁界による相殺作用も
利用してノイズを低減する。
【0014】ノイズフィルタの組み立ては、組み立て後
に導体挿通孔となる凹部に金属ピン、信号線、電源線等
の導体を位置づけたうえ、軟磁性分割成形体の接合面に
形成された係合凹部に、対応する軟磁性分割成形体の係
合凸部を嵌入することによって行う。分解防止策として
は接合面に接着剤を塗布することも考えられるが作業
性、生産性の観点からは高分子複合材料の弾性を利用し
た無理嵌合のみに依るものが効率的である。無理嵌合す
る場合は係合凹部に係合凸部を押し当ててやや強い力を
加えるだけで簡単に嵌合される。そして嵌入後は高分子
複合材料の弾性復元力によって抜け止めされ、組み立て
形状の一体性が堅固に維持される。係合凹部の口縁に嵌
入案内用のアール部を設けた場合は、無理嵌合は一層容
易となる。
【0015】軟磁性粉としてNi−Zn系フェライト粉
末、パーマロイ合金粉末又はセンダスト合金粉末のうち
から選ばれる1種の磁粉又は複数種の混合磁粉を用いた
場合、低周波域から高周波域にわたる広い帯域において
優れたノイズ減衰効果を発揮させることができる。
【0016】
【実施例】次に本発明の詳細を実施例に基づき説明す
る。図1及び図2は本発明のノイズフィルタの代表的実
施例であり、図1は組み立て状態を示し、図2は組み立
て前の状態を示している。このノイズフィルタは組み立
て状態においては円筒状の軟磁性成形体1に金属ピン2
が貫設された構成であり、その軟磁性成形体1の外径寸
法は例えば外径Rがφ6mm、金属ピンを貫通させる導
体挿通孔の内径rがφ1.5mm、軸方向長さLが7〜
8mm程度のものである。外径寸法の大きさはこれに限
定されないことはいうまでもないが、近年にいたってL
SIチップと共に電子回路基板上に実装される機会が急
増していることなどから、外径寸法はより小型化する傾
向にある。このノイズフィルタの使用方法は、金属ピン
2の両端を屈曲させてその屈曲端を回路基板のスルーホ
ールに挿通してハンダ固定したり、あるいは金属ピン2
の両端に導線をハンダづけしたうえこの導線を介して高
周波回路等のノイズ発生源と他の回路との間に組み込ん
だりする。
【0017】本発明は、このようなノイズフィルタにお
いて金属ピン2を抱持する軟磁性成形体1を軟磁性分割
成形体の組み合わせによって構成し、且つ軟磁性分割成
形体のそれぞれを軟磁性粉を合成樹脂に配合した高分子
複合材料によって成形し、更に組み合わせるための係合
構造を工夫したことが特徴である。
【0018】軟磁性粉の種類は、吸収対象となるノイズ
の周波数帯域に応じて選択されるが低周波から15GH
zの高周波帯域にいたるまで10〜100程度の初透磁
率が得られる理由から、Ni−Zn系フェライト粉末、
パーマロイ合金粉末又はセンダスト合金粉末のうちから
選ばれる1種の磁粉又は複数種の混合磁粉を用いること
が好ましい。初透磁率が10未満では電磁ノイズの吸収
減衰効果が充分でなく、初透磁率が100を超えると電
波減衰の効果は飽和状態となり、実用上のメリットは認
められない。
【0019】初透磁率10〜100という数値はNi−
Zn系フェライトであっても実現できるが、より高い周
波数への対応を考慮するとNi−Fe合金であるパーマ
ロイ合金粉末又はSi−Al−Fe合金であるセンダス
ト合金粉末のいずれか一方又は両方の混合磁粉を用いる
ことがより好ましい。パーマロイ合金は10000〜1
00000程度、センダスト合金は30000程度の極
めて大きな直流初透磁率μidc を有し、交流初透磁率μ
iac も極めて大きな値を有している。したがってこのよ
うな初透磁率μiac の大きい磁粉を用いることとすれ
ば、磁粉配合量を大幅に軽減でき成形がより一層容易と
なる。
【0020】例えば、パーマロイ合金のNi−Fe比率
は通常47:53のものが使用でき、またセンダスト合
金のSi−Al−Fe比率は9%〜10%Si、5%〜
7%Al、残Feなどが使用できるが他の配合比率のも
のも適宜採用できる。パーマロイ合金とセンダスト合金
の両方を配合したり、磁気特性を向上させる目的でモリ
ブデンを微量添加してもよい。
【0021】成形法としては圧縮成形法又は射出成形法
が採用できる。圧縮成形法のほうが射出成形法よりも磁
性粉を高密度充填できるので、より大きな初透磁率μ
iac を得ることができるが、成形精度の観点からは射出
成形法を採用することが好ましい。
【0022】合成樹脂としては、圧縮成形の場合は熱硬
化性樹脂が選択され、射出成形の場合は熱可塑性樹脂が
採用できる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等が例示でき
るが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が好ましい。熱可
塑性樹脂としては、塩化ビニール樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリメチ
ルペンテン樹脂等が利用可能である。
【0023】磁性粉末の粒径は500mesh〜30m
eshの範囲に設定することが望まれる。500mes
hより小さいと磁粉の表面酸化による影響のために所望
の磁気特性が得られず、また30meshより大きいと
成形が困難となるとともに磁粉の合成樹脂への分散性が
低下するため、磁粉の充填率が下がる。また磁粉が粗い
ため成形品の表面の平滑性が劣り、粉落ちの原因とな
る。磁粉の含率は多いほど磁性材成形体の初透磁率μ
iac は大きくなるが、圧縮成形の場合は99重量%、ま
た射出成形の場合95重量%を超えると成形が不可能と
なる。他方、圧縮成形及び射出成形のいずれの場合でも
50重量%未満となるとノイズフィルタとして必要な初
透磁率μiac が得られない。したがって圧縮成形の場合
は磁性粉末の含率を50重量%〜99重量%の範囲に設
定し、また射出成形の場合は磁性粉末の含率は50重量
%〜95重量%の範囲に設定する。
【0024】軟磁性成形体1は図2に示すように略半円
筒形状の軟磁性分割成形体3,3を組み合わして構成さ
れる。軟磁性成形体3には組み合わせ後に導体挿通孔の
一部となる導体挿通溝3aが軟磁性成形体3の長手方向
に沿って形成され、且つ接合面には導体挿通溝3aを挟
んだ一方の接合面3bに係合凸部3dが形成され、他方
の接合面3cに係合凹部3eが形成されている。図例の
ものでは係合凸部3d及び係合凹部3eは軟磁性分割成
形体3の全長にわたって設けられているが、これらは軟
磁性分割成形体3の長手方向の一部に設けてもよい。図
例の軟磁性分割成形体3,3は同形状のものを左右反転
させて使用しており、両成形体を共通金型で成形してい
る。接合させるそれぞれの軟磁性分割成形体の形状は違
えてもよく、例えば図3(ロ)に示すように、接合面に
係合凸部5d,5dを形成した軟磁性分割成形体5と、
接合面に係合凹部4e,4eを形成した軟磁性分割成形
体4を組み合わすこともできる。また図例のものでは軟
磁性分割成形体は二つ割りとなっているが、分割数は3
つ以上であってもよい。軟磁性成形体は円筒形が最も一
般的であるが、図4(イ),(ロ)に示すような角筒形状
の軟磁性成形体6,7となすこともできる。
【0025】軟磁性分割成形体3,3相互の結合は係合
凸部3dを係合凹部3eに嵌入することによって行う。
接合面には接着剤を塗布してもよいが、作業性の観点か
らは塗布しないほうがよく、また本実施例では接着剤を
塗布しなくても強固な結合状態が維持できるように係合
構造が工夫されている。係合構造としては高分子複合材
料の弾性を利用した無理嵌合が採用される。係合構造の
具体例としては例えば図5で示す係合凹部3eと係合凸
部3dとの構造が採用できる。係合凸部3dは水滴形状
であり、係合凹部3eは前記係合凸部3dの形状に対応
して内奥側に凹部口縁幅d1よりも幅広部分が形成され
ている。係合凸部3dは高分子複合材料の弾性変形を利
用して係合凹部3eに嵌入され、嵌入後は、この係合構
造が有する抜け止め作用によって両軟磁性分割成形体
3,3の一体化状態が維持される。そして組み立て状態
では接合面間に間隙が発生することもなく、最初から一
体成形物を作製したのと同等の電波減衰能を発揮するこ
とができる。
【0026】軟磁性分割成形体3,3間には金属ピン2
等の導体が挟持されるが、このとき導体と導体挿通溝3
aとの間に接着剤を介在させるか否かは任意である。軟
磁性分割成形体3,3は圧縮成形や射出成形によって成
形されるため導体挿通溝3aの成形精度も高く導体の固
定には接着剤を必ずしも必要としない。
【0027】係合凹部3eの凹部口縁幅d1、最大幅d
2、凹部奥行きd3は高分子複合材料の弾性によっても
異なるが、通常はd1=0.9mm、d2=1.0m
m、d3=1.0mm程度である。
【0028】係合凹部及び係合凸部は互いに相補形状で
あり、且つ抜け止め効果を有するものであれば、他の形
状であってもよい。また、図6に示すように、係合凹部
3eへの係合凸部3dの嵌入を容易にするために係合凹
部3eの口縁部に嵌入案内用のアール部3fを設けるこ
とも好ましい実施例である。
【0029】図7は他の係合構造を示し、側部が外方に
開放した係合凹部9bと、この係合凹部9bを外方から
抱持する係合凸部9aを設けた場合である。
【0030】以上述べたものは、軟磁性成形体に1本の
金属ピンを挟持するものであったが、本発明のノイズフ
ィルタは図8に示すように電源コード等の二芯被覆コー
ド11を挟持するものや、図9に示すように複数本の金
属ピン2,2を間隔をあけて挟持するものにも適用でき
る。複数本の金属ピン2,2を間隔をあけて挟持する場
合、軟磁性成形体12の電気絶縁性に配慮する必要があ
る。
【0031】本発明は更に他の態様のノイズフィルタに
も適用できる。図10は多芯ケーブル13に外装して使
用する軟磁性成形体14である。多芯ケーブル13は軟
磁性成形体14に遊挿して使用する。図11は多芯フラ
ットケーブル15に外装して使用する軟磁性成形体16
を示している。
【0032】図12は平板状の軟磁性分割成形体17,
17に多数本の導体18を挟持した場合である。図13
は半割りリング体形状の軟磁性分割成形体19,19を
接合して構成したリング体にコイル20を巻いてトロイ
ダルタイプのノイズフィルタを構成した場合である。
【0033】以上述べたものは、組み合わせる軟磁性分
割成形体相互を完全に分離させた場合であったが、図1
4は薄肉部21を介して軟磁性分割成形体22,23を
連設したものを一体成形した場合である。この場合、薄
肉部21はヒンジとして機能し、軟磁性分割成形体2
2,23の結合は単一の係合凸部24を単一の係合凹部
25に嵌入することによって行う。
【0034】
【発明の効果】本発明のノイズフィルタは、高分子複合
材料により成形された複数の軟磁性分割成形体を接合
し、且つその結合を接合面に形成した係合凹部と係合凸
部との係合構造によって行って導体を軟磁性分割成形体
間に挟持する構成としたので、軟磁性成形体への導体の
挿通作業が格段に容易となる。また軟磁性分割成形体の
素材として高分子複合材料を用いているから圧縮成形法
や射出成形法を採用することが可能であり、成形が容易
であるとともに寸法精度にも優れ、しかも今後開発が要
望される複雑形状のノイズフィルタにも容易に対応でき
る。
【0035】また高分子複合材料の弾性を利用して係合
凸部を係合凹部に無理嵌合した場合は、組み立てに際し
て接着剤が全く不要となり、作業性及び生産性が一層向
上する。また係合凹部の口縁に嵌入案内用のアール部を
設けたときには係合凹部への係合凸部の嵌入は円滑に行
われる。
【0036】更に軟磁性粉としてNi−Zn系フェライ
ト粉末、パーマロイ合金粉末又はセンダスト合金粉末の
うちから選ばれる1種の磁粉又は複数種の混合磁粉を用
いた場合、低周波域から高周波域にわたる広い帯域にお
いて優れたノイズ減衰効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の代表的実施例であるノイズフィルタ
の組み立て状態を示す斜視図
【図2】 同実施例のノイズフィルタの組み立て前の状
態を示す斜視図
【図3】 (イ)は図1で示したノイズフィルタの平面
図、(ロ)は係合構造を変形例を示す平面図
【図4】 (イ),(ロ)は軟磁性成形体を角筒形状とな
した実施例を示す平面図
【図5】 係合凹部と係合凸部の拡大説明図
【図6】 係合凹部の変形例を示す拡大説明図
【図7】 他の実施例を示す平面図
【図8】 他の実施例を示す斜視図
【図9】 他の実施例を示す斜視図
【図10】 他の実施例を示す斜視図
【図11】 他の実施例を示す斜視図
【図12】 他の実施例を示す斜視図
【図13】 他の実施例を示す斜視図
【図14】 他の実施例を示す斜視図
【図15】 従来のビーズタイプのノイズフィルタを示
す斜視図
【符号の説明】
1 軟磁性成形体 2 金属ピン 3 軟磁性分割成形体 3a 導体挿通溝 3b,3c 接合面 3d 係合凸部 3e 係合凹部 3f アール部 4e 係合凹部 5 軟磁性分割成
形体 5d 係合凸部 6,7,8 軟磁性
成形体 9a 係合凸部 9b 係合凹部 10 二芯被覆コード 11,12 軟磁性
成形体 13 多芯ケーブル 14 軟磁性成形体 15 多芯フラットケーブル 16 軟磁性成形体 17 軟磁性分割成形体 18 導体 19 軟磁性分割成形体 20 コイル 21 薄肉部 22,23 軟磁性
分割成形体 24 係合凸部 25 係合凹部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源ライン又は信号ラインとなる導体
    を、導体挿通孔を有する軟磁性成形体で包囲してなるノ
    イズフィルタにおいて、 軟磁性成形体が、導体挿通孔を横切って導体挿通方向に
    直交させて分割した複数の軟磁性分割成形体を接合した
    構成であり、接合面の一方には係合凸部が、他面には前
    記係合凸部に係合する係合凹部が形成され、且つ軟磁性
    分割成形体が軟磁性粉を合成樹脂に配合した高分子複合
    材料によって成形されているノイズフィルタ。
  2. 【請求項2】 組み合わせ後の軟磁性成形体が円筒体で
    あり、当該軟磁性成形体の分割方向が径方向である請求
    項1記載のノイズフィルタ。
  3. 【請求項3】 導体は導体挿通孔に緊密状態で挿通され
    ている請求項1又は2記載のノイズフィルタ。
  4. 【請求項4】 係合凸部の係合凹部への係合は高分子複
    合材料の弾性を利用した無理嵌合である請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のノイズフィルタ。
  5. 【請求項5】 係合凹部の内奥側に凹部口縁幅よりも幅
    広部分が形成され、係合凸部は前記係合凹部の形状に対
    応して、凸部基部よりも幅広い部分が基部よりも先端側
    に形成されている請求項4記載のノイズフィルタ。
  6. 【請求項6】 係合凹部の口縁に嵌入案内用のアール部
    を設けてなる請求項5記載のノイズフィルタ。
  7. 【請求項7】 軟磁性粉としてNi−Zn系フェライト
    粉末、パーマロイ合金粉末又はセンダスト合金粉末のう
    ちから選ばれる1種の磁粉又は複数種の混合磁粉を用
    い、且つ軟磁性分割成形体の初透磁率が吸収対象である
    電磁ノイズの周波数域において10〜100である請求
    項1〜6のいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
JP32193794A 1994-12-26 1994-12-26 ノイズフィルタ Pending JPH08181479A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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