JPH08180733A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

Info

Publication number
JPH08180733A
JPH08180733A JP6322517A JP32251794A JPH08180733A JP H08180733 A JPH08180733 A JP H08180733A JP 6322517 A JP6322517 A JP 6322517A JP 32251794 A JP32251794 A JP 32251794A JP H08180733 A JPH08180733 A JP H08180733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
dielectric
temperature
composition
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6322517A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Shingu
雄二 新宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP6322517A priority Critical patent/JPH08180733A/ja
Publication of JPH08180733A publication Critical patent/JPH08180733A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 誘電体磁器組成物の組成割合を、BaTiO
3 100 重量部に対して、Nb2 5 を 0.8〜2.0 重量
部、ZnOを 0.3〜0.8 重量部、Y2 3 を 0.1〜0.6
重量部、SiO2 を 0.1〜2.0 重量部の割合で含有させ
たことを特徴とする。また上記組成割合の組成物に、さ
らにMnOを0.3 重量部以下の割合で含有させたことを
特徴とする。 【効果】 比誘電率が高く、かつその温度変化率が小さ
く、誘電損失が小さく、さらに絶縁抵抗が大きく、しか
も低温焼成が可能な誘電体磁器材料が得られるので、内
部電極材料のコストを低減でき、温度特性の優れた安価
な高誘電率系積層型磁器コンデンサを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比誘電率が高くかつそ
の温度特性に優れた、積層型磁器コンデンサに好適な誘
電体磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高誘電率系の積層型磁器(セラミック)
コンデンサなどに用いられる誘電体磁器組成物は、その
特性上、比誘電率εrが高くかつ誘電損失tanδが小
さく、さらに比誘電率の温度特性、すなわち温度に対す
る比誘電率の変化率が小さいことが望まれる。
【0003】従来より磁器コンデンサ用の誘電体材料と
して、BaTiO3 を主成分とした種々の誘電体磁器組
成物が多用されており、中でも比誘電率の温度特性に優
れた高誘電率系磁器コンデンサ材料としては、BaTi
3 にNb2 5 、Ta2 5 、ZnO、CoO、希土
類酸化物などを 0.1〜3重量%添加した誘電体磁器組成
物が広く実用に供されている。しかし、これらは焼成温
度が 1,200℃以上と高く、例えば温度特性としてX7
R,B特性を満たすBaTiO3 −Nb2 5 系の誘電
体磁器組成物においては、酸化雰囲気中で 1,200℃以下
での焼成は困難であった。従って、これらの組成物を積
層型磁器コンデンサに適用する場合には内部電極材料に
高価なパラジウム(Pd)を多く使用しなければなら
ず、通常はPdもしくはPd比率が70%以上の銀(A
g)−Pdが用いられている。そのため内部電極材料コ
ストが高くなるという問題点があり、積層型磁器コンデ
ンサの低コスト化のために内部電極材料の銀比率の増大
あるいは卑金属化を図るべく、 1,200℃以下の低温焼成
が可能な高誘電率系誘電体磁器組成物が望まれていた。
【0004】これに対して近年、X7R,B特性を満た
し、かつ低温で焼成できるBaTiO3 −Nb2 5
の誘電体磁器組成物として、BaTiO3 −Nb2 5
主成分にZnOまたはCo3 4 を添加し、さらに希土
類金属のLa、Nd、Sm、Gdのいずれかを添加し、
さらに焼結助剤としてSiO2 を添加した誘電体磁器組
成物が提案されている。
【0005】また特開昭62−229603号には、BaTiO
3 100モル部に対してCo2 3 を0.28〜0.56モル部、
Nb2 5 を0.53〜1.32モル部、La2 3 を0.28〜1.
04モル部、MnO2 を0.13〜0.54モル部含有させ、かつ
それらのモル比を 1.5≦Nb2 5 /Co2 3 ≦4.0
、 0.5≦La2 3 /Co2 3 ≦2.0 とした誘電体
磁器組成物が開示されている。この組成物によれば、比
誘電率が 4,000以上で−55℃〜+125 ℃の温度範囲にお
ける誘電率温度変化率が±15%以下と小さく、1,200 〜
1,250 ℃で焼成可能なものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
BaTiO3 −Nb2 5 を主成分とする組成物、ある
いは特開昭62−229603に開示された組成物は、 1,200℃
以下の焼成温度では磁器の焼結性が不十分で緻密な焼結
体が得られない傾向があり、そのため誘電率が低くなる
うえに、磁器ポア(空孔)の発生に起因して耐電圧の低
下を招いてしまうという問題点があった。
【0007】一方、内部電極材料であるAg−Pd合金
はその合金比率によって比抵抗値が変化し、例えばPd
/Ag=60/40%においては比抵抗値がPd 100%のと
きの約 4.5倍の約47μΩ・cmとなる。このように合金
中のPd比率が大きくなると比抵抗値が大きくなるた
め、積層型磁器コンデンサの等価直列抵抗(ESR)が
大きくなり、回路中での使用時にコンデンサからの発熱
を生じるなどの問題点があった。
【0008】また、内部電極材料の比抵抗値をPd 100
%のときと同等にするためには、Pd比率は40%以下で
なければならないが、Pd/Ag=40/60%の合金の融
点は約 1,200℃であるため、これを用いた積層型磁器コ
ンデンサを 1,200℃以上で焼成した場合は、内部電極材
料が溶出してしまうという問題点がある。そのため、こ
のようにPd比率を小さくした場合の誘電体磁器焼結温
度は 1,200℃以下でなければならない。
【0009】本発明は上記事情に鑑みて本発明者が鋭意
研究を進めた結果完成したもので、その目的は、比誘電
率εrが高くかつその温度変化率が小さく、しかも 1,2
00℃以下の低温焼成が可能な誘電体磁器組成物を提供す
ることにある。
【0010】また本発明の目的は、比誘電率εrが高く
かつその温度変化率が小さく、しかも 1,200℃以下の低
温焼成が可能で、さらに絶縁抵抗値が大きい高信頼性の
誘電体磁器組成物を提供することにある。
【0011】さらにまた本発明の目的は、比誘電率εr
の温度特性がX7R,B特性を満たし、内部電極材料に
Pd比率がPd/Ag=40/60%と小さなAg−Pd合
金を使用できる、高信頼性かつ低コストの積層型磁器コ
ンデンサに好適な誘電体磁器組成物を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体磁器組成
物は、BaTiO3 100 重量部に対して、Nb2 5
0.8〜2.0 重量部、ZnOを 0.3〜0.8 重量部、Y2
3 を 0.1〜0.6 重量部、SiO2 を 0.1〜2.0 重量部の
割合で含有させたことを特徴とするものである。
【0013】また本発明の誘電体磁器組成物は、上記組
成割合の組成物に、BaTiO3 100 重量部に対してM
nOを 0.3重量部以下の割合で含有させたことを特徴と
するものである。
【0014】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物(以下、本組成物と
略す)によれば、BaTiO3に対して上記Nb
2 5 、ZnO、Y2 3 、SiO2 の各酸化物を各々
所定割合で含有させることにより、比誘電率が高く、か
つその温度変化率が小さくて−55℃〜+125 ℃の温度範
囲における温度特性がX7R,B特性を満たし、しかも
1,200℃以下での低温焼成が可能な誘電体磁器組成物と
なる。
【0015】従って、積層型磁器コンデンサに適用した
場合に、内部電極材料としてPd比率の小さなAg−P
d合金を使用することができ、それにより内部電極の材
料コストを低減させることができるので、温度特性の優
れた積層型磁器コンデンサを安価に供給することが可能
となる。
【0016】また上記組成物にMnOを所定割合で含有
させることにより、上記の優れた特性に加えて誘電体磁
器の絶縁抵抗値をより高めることができ、誘電体磁器お
よび積層型磁器コンデンサの耐電圧性を高めて信頼性を
向上させることができる。
【0017】本組成物においてBaTiO3 100 重量部
に対して含有させる各酸化物の組成割合において、Nb
2 5 が 0.8重量部では比誘電率の温度変化率が大きく
なって目的とする温度特性が得られない傾向がある。他
方 2.0重量部を越えると、1,200 ℃以下の焼成温度で誘
電体磁器が十分に焼結せず、比誘電率が低下する傾向が
ある。
【0018】またZnOが 0.3重量部未満では、比誘電
率の温度変化率が大きくなって目的とする温度特性が得
られなくなり、1,200 ℃以下の焼成温度で誘電体磁器が
焼結しなくなる傾向がある。他方 0.8重量部を越える
と、1,200 ℃以下の焼成温度で誘電体磁器が十分に焼結
せず、比誘電率が低下する傾向がある。
【0019】またY2 3 が 0.1重量部未満では誘電体
磁器の焼結性が低下し、1,200 ℃以下の焼成温度で誘電
体磁器が焼結できない傾向がある。他方 0.6重量部を越
える場合も誘電体磁器の焼結性が低下する傾向があり、
比誘電率も低下してしまう。
【0020】またSiO2 が 0.1重量部未満では誘電体
磁器の焼結性が著しく低下し、電気的特性および温度特
性が大幅に低下してしまう。他方 2.0重量部を越えると
比誘電率が大きく低下する傾向があり、磁器ポアも多く
なり、耐電圧性も低下するので好ましくない。
【0021】さらにMnOは、その含有量が0重量部で
も比誘電率およびその温度特性ならびに低温焼結性につ
いて所望の特性が得られるが、MnOを含有させること
により誘電体磁器の絶縁抵抗値を大きくすることができ
るため、誘電体磁器および積層型磁器コンデンサの信頼
性を向上させることができる。ただし、0.3 重量部を越
えると1,200 ℃以下の焼成温度での誘電体磁器の焼結性
が低下し、またエージングによる誘電体磁器の比誘電率
の低下率が大きくなる傾向があるため好ましくない。な
お、MnOを含有させるための化合物としては酸化物で
あるMnOに限らず、他のMn化合物、例えばMn(O
H)2 やMn(COO)2 、Mn(NO3 2 などを用
いてもよく、それによっても同様の作用効果が得られ
る。
【0022】以上により本組成物は、比誘電率εrが高
く、かつその−55℃〜+125 ℃の温度範囲における温度
変化率がX7R,B特性の温度特性を満足し、しかも焼
成を1,200℃以下の低温で行なうことができる誘電体磁
器組成物となる。さらに絶縁抵抗も十分に大きな高信頼
性の誘電体磁器を得ることができるものとなる。従っ
て、積層型磁器コンデンサへ適用すると内部電極材料と
してPd比率の小さい安価なAg−Pd合金材料を使用
でき、温度特性に優れた高信頼性の積層型磁器コンデン
サを安価に提供することができる。
【0023】また低温焼成が可能なことから焼成のため
の電力費や燃料費用などを削減することもでき、それに
よっても製造コストを低減して、積層型磁器コンデンサ
を安価に提供することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の誘電体磁器組成物を実施例に
基づいて詳述する。 〔例1〕本組成物の原料として、BaTiO3 およびN
2 5 、ZnO、Y2 3 、SiO2 、MnOの各酸
化物粉末を用意した。各酸化物は純度が99.5%以上のも
のを用いた。
【0025】これら各酸化物粉末を、BaTiO3 100
重量部に対して表1に示した各組成になるように秤量
し、ボールミルで混合して調合した。なお表1の各組成
は重量部で示してあり、試料番号に付した*印は本発明
の範囲外の試料であることを示している。
【0026】
【表1】
【0027】次いで、調合した各粉末に分散剤としてポ
リカルボン酸アンモニウム塩を加えてポリエチレンポッ
トに入れ、20時間湿式粉砕した。この粉砕物にバインダ
を加えたものを厚み50μmのテープに成型し、積層・プ
レスして円板状に打ち抜き、その円板状成型体を大気中
で 1,190℃で2時間焼成して、それぞれ直径約20mm、
厚み 850〜900 μmの円板状焼結体を得た。
【0028】このようにして得られた各円板状焼結体の
電気的特性を評価するために、各焼結体の両主面にAg
ペーストを塗布して 800℃で焼き付けてAg電極を形成
し、円板状コンデンサ試料1〜20を作製した。
【0029】各コンデンサ試料の特性を評価するため
に、磁器の直径・厚み・重量を測定して磁器密度を算出
した。また電気的特性の測定は以下のように行なった。
まず、基準温度25℃で周波数1kHz、測定電圧 1.0V
rms の信号を入力し、デジタルLCRメータ(YHP製
4274A)を用いて静電容量および誘電損失tanδを測
定し、試料の寸法を考慮して比誘電率εrを算出した。
また比誘電率εrを−55℃〜+125 ℃の温度範囲で測定
し、+25℃における値を基準として温度変化率を求め
た。さらに絶縁抵抗率は、絶縁抵抗計を用いて直流電圧
50Vを1分間印加した時の+25℃における絶縁抵抗値を
測定し、得られた絶縁抵抗値と電極の直径および磁器厚
さとから算出した。
【0030】これらの測定結果に対しては以下の値を評
価基準とした。磁器密度は、誘電体磁器の焼結性を評価
し、耐電圧特性に最も大きく関与する、信頼性に対する
重要な特性であり、5.70g/cm3 以上のものを良好と
した。比誘電率εrは、小型で高誘電率のコンデンサを
作製するための重要な特性であり、その値が 3,200以上
のものを良好とした。比誘電率εrの温度変化率は、−
55℃〜+125 ℃の温度範囲において±15%以内であれば
良好とした。なお誘電損失tanδは、誘電体磁器のグ
リーンシートの薄膜化を実現して小型かつ大容量の積層
型磁器コンデンサを作製するための重要な特性であり、
小さい値が望ましい。例えば焼成後の電極間誘電体厚み
が10μmの製品を作製した場合のtanδが 2.5%以下
を満足するためには、誘電体単板でのtanδが約0.65
%以下であることが望ましいので、その値が0.65%以下
のものを良好とした。また絶縁抵抗率は、耐電圧特性に
関わるもので、積層型磁器コンデンサの信頼性にとって
重要な特性であり、その値が1×1012Ω・cm以上であ
れば良好とした。
【0031】これらの測定結果を表2に示す。表中にお
いて、比誘電率温度変化率の結果は、いずれも−55℃〜
+125 ℃の温度範囲における最小値および最大値を%表
示で示した。また表中において*印を付した試料番号の
ものは、表1と同じく本発明の範囲外のものである。
【0032】
【表2】
【0033】これらの結果より、試料番号2〜4、7、
8、11、12、15、16、18〜20のように、BaTiO3 10
0 重量部に対して含有させる各酸化物の組成割合が本発
明の範囲内にある場合は、全ての特性において良好な結
果を示したことが分かる。すなわち、本組成物によれば
磁器密度が5.70g/cm3 以上と大きく、比誘電率εr
が 3,200以上と高くしかもその温度変化率が−55℃〜+
125 ℃の温度範囲において±15%以内と非常に小さく、
誘電損失も小さくて、さらに+25℃での絶縁抵抗が十分
に高く、しかも 1,200℃以下での低温焼成が可能な優れ
た誘電体磁器組成物が得られることが分かる。
【0034】これに対して各酸化物の組成割合が本発明
の範囲内にない場合、試料番号1のようにNb2 5
が少ない場合には、tanδが悪化してしまう傾向が見
られた。他方、試料番号5のようにNb2 5 量が多い
場合には、誘電体磁器が低温で十分焼結せず、比誘電率
も低下する傾向が見られた。
【0035】また試料番号6のようにZnO量が少ない
場合には、誘電体磁器が低温で焼結しなくなる傾向があ
り、他方、試料番号9のようにZnO量が多い場合に
は、誘電体磁器が低温で十分焼結しない上に比誘電率も
低下する傾向が見られた。
【0036】また試料番号10のようにY2 3 量が少な
い場合には、低温での誘電体磁器の焼結性が低下し、他
方、試料番号13のようにY2 3 量が多い場合にも、誘
電体磁器が低温で十分焼結せず、比誘電率も低下する傾
向が見られた。
【0037】また試料番号14のようにSiO2 量が少な
い場合には、低温での誘電体磁器の焼結性が著しく低下
してしまい、他方、試料番号17のようにSiO2 量が多
い場合には、磁器ポアが多くなって磁器密度が低下し、
比誘電率も低下する傾向が見られた。
【0038】〔例2〕次に、本組成物である表1の試料
番号3について焼成温度を 1,170℃と 1,210℃とに変え
て焼成し、他は〔例1〕と同様にしてそれぞれ円板状コ
ンデンサ試料を作製した。
【0039】これらのコンデンサ試料について〔例1〕
と同様に測定した結果を表3に示す。なお、表3には表
2と同じ 1,190℃で焼成した試料の結果も併せて示し
た。
【0040】
【表3】
【0041】焼成温度に対する誘電体磁器の焼結性や電
気的特性の安定性は、量産時の焼成工程のばらつきに対
して安定して量産を行なうための重要な特性である。こ
の結果より、本組成物は表3のように焼成温度を変化さ
せても、得られる特性の変動が小さく、焼結性や電気的
特性の安定性が高いことが分かる。
【0042】〔例3〕本組成物として表1および表2に
示した試料番号19のものを用い、積層型磁器コンデンサ
を作製した。このコンデンサ試料としては長さ約 3.2m
m×幅約 1.6mmで静電容量の目標値が 100nF、温度
特性がX7R,B特性を満足するものを作製し、内部電
極材料にはPd/Ag=40/60%のAg−Pd合金を用
いて内部電極積層数が21層となるようにし、焼成温度
1,190℃で焼成して焼成後の内部電極間の誘電体層厚み
が15μmとなるようにした。
【0043】そして、このコンデンサ試料について+25
℃における静電容量値およびtanδ・等価直列抵抗値
・破壊電圧・絶縁抵抗値ならびに+25℃の静電容量値に
対する−55〜+125 ℃における容量値変化率の最小値と
最大値を求めた。それらの結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】本組成物によれば 3,200以上の比誘電率が
得られ、かつtanδも十分小さいので、表4の結果よ
り分かるように、本組成物を用いた積層型磁器コンデン
サにおいてもtanδは小さい。このtanδは、さら
に電極間の誘電体層を薄膜化して例えば10μm程度にし
ても 2.1〜2.3 %程度になると予想され、市場で要求さ
れる 2.5%以下の値を十分に満足できるものである。
【0046】また等価直列抵抗値はPd 100%の内部電
極を用いたものと同等の値であり、誘電体磁器のポアに
依存する破壊電圧も平均 1,050Vと高く、さらに絶縁抵
抗値も十分に大きな値が得られており、いずれも良好な
特性を示している。
【0047】そして容量値の変化率も±15%以内に余裕
をもって入っており、X7R,B特性を十分に満足して
いることが分かる。
【0048】従って上記の各実施例より分かるように、
本発明の誘電体磁器組成物によって、比誘電率εrが高
く、かつその温度変化率が−55℃〜+125 ℃の温度範囲
において±15%以内と小さくてX7R,B特性を満足
し、誘電損失tanδも小さく、さらに+25℃での絶縁
抵抗が十分に大きく、しかも 1,200℃以下ので低温焼成
が可能な優れた特性の誘電体磁器組成物が得られる組成
物とするには、上記本組成物の組成構成において含有さ
せる各酸化物の組成割合を本発明の範囲内に設定するこ
とが重要である。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、BaTiO3 に対
してNb2 5 およびZnO、Y2 3 、SiO2 なら
びにMnOを所定割合で含有させた本発明の誘電体磁器
組成物により、比誘電率εrが高く、かつその温度変化
率が非常に小さく、誘電損失tanδが小さく、さらに
絶縁抵抗が大きく、しかも 1,200℃以下での低温焼成が
可能な誘電体磁器組成物を提供することができた。
【0050】そして本発明の誘電体磁器組成物により、
比誘電率εrの温度特性がX7R,B特性を満たし、内
部電極材料にPd比率がPd/Ag=40/60%と小さい
安価なAg−Pd合金材料を使用できる、高信頼性かつ
低コストの積層型磁器コンデンサに好適な誘電体磁器組
成物を提供することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BaTiO3 100重量部に対して、N
    2 5 を0.8〜2.0重量部、ZnOを0.3〜
    0.8重量部、Y2 3 を0.1〜0.6重量部、Si
    2 を0.1〜2.0重量部の割合で含有させたことを
    特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘電体磁器組成物におい
    て、BaTiO3 100重量部に対してMnOを0.3
    重量部以下の割合で含有させたことを特徴とする誘電体
    磁器組成物。
JP6322517A 1994-12-26 1994-12-26 誘電体磁器組成物 Pending JPH08180733A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6322517A JPH08180733A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 誘電体磁器組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6322517A JPH08180733A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 誘電体磁器組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08180733A true JPH08180733A (ja) 1996-07-12

Family

ID=18144545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6322517A Pending JPH08180733A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 誘電体磁器組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08180733A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1067361C (zh) * 1998-11-20 2001-06-20 清华大学 温度稳定型高介多层陶瓷电容器材料的组成和制备方法
KR100495210B1 (ko) * 2002-07-05 2005-06-14 삼성전기주식회사 내환원성 저온소성 유전체 자기조성물, 이를 이용한적층세라믹 커패시터 및 그 제조방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1067361C (zh) * 1998-11-20 2001-06-20 清华大学 温度稳定型高介多层陶瓷电容器材料的组成和制备方法
KR100495210B1 (ko) * 2002-07-05 2005-06-14 삼성전기주식회사 내환원성 저온소성 유전체 자기조성물, 이를 이용한적층세라믹 커패시터 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001006966A (ja) セラミックコンデンサおよびその製造方法
JPH04218207A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2958817B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JP2958819B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JPH11106259A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2958818B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JP3634930B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH08180733A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2001114559A (ja) 誘電体組成物
JP3125386B2 (ja) 誘電体磁器組成物の製造方法
JP3064518B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH06227861A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2000103671A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH08337470A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2779293B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP3368599B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JP2006160531A (ja) 誘電体磁器組成物及び磁器コンデンサとそれらの製造方法
JP3109171B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JP3303453B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2958820B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JP2958826B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3318952B2 (ja) 誘電体磁器組成物とそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JP3450919B2 (ja) 温度補償用誘電体磁器組成物
JP4399703B2 (ja) 誘電体セラミック、及び積層セラミックコンデンサ
JP2958823B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物