JPH08180327A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents

磁気抵抗効果素子

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JPH08180327A
JPH08180327A JP6318790A JP31879094A JPH08180327A JP H08180327 A JPH08180327 A JP H08180327A JP 6318790 A JP6318790 A JP 6318790A JP 31879094 A JP31879094 A JP 31879094A JP H08180327 A JPH08180327 A JP H08180327A
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JP6318790A
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Tatsuo Chiyonobu
達雄 千代延
Hitoshi Kanai
均 金井
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主に磁気ヘッドなどに用いられ、スピンバル
ブ磁気抵抗効果を利用して磁界の変化を素子の抵抗率の
変化に変換する磁気抵抗効果素子に関し、腐蝕しやすい
磁性体材料を用いず、かつ製造が容易で、信号磁界の変
化に対して電気抵抗を線形に変化させる。 【構成】 磁性層10A,10C同士が非磁性導電層1
0Bを挟んで交換相互作用により磁気的に結合している
結合型複合層10と、結合型複合層10に接して重なる
第1の非磁性導電層12と、第1の非磁性導電層12に
接して重なる第1の軟磁性層11と、第1の軟磁性層1
1の磁気抵抗の変化を検出する電流を流す電極20,2
1とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気抵抗効果素子に関
し、更に詳しくいえば、主に磁気ヘッドなどに用いら
れ、スピンバルブ磁気抵抗効果を利用して磁界の変化を
素子の抵抗率の変化に変換する磁気抵抗効果素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スピンバルブ磁気抵抗効果を利用した磁
気抵抗効果膜は、特開平4−358310で提案されて
いる。その一例を図3(a)に示す。図3(a)に示す
ように、FeMn膜からなる反強磁性層4上にNiFe膜からな
る第1の軟磁性層3と、Cu膜からなる非磁性金属層2
と、NiFe膜からなる第2の軟磁性層1とが順次積層され
ている。
【0003】第1の軟磁性層3の磁化の方向J3は、交
換相互作用により反強磁性層4と結合して反強磁性層4
の磁化方向J4と反対の向きに磁化している。また、印
加磁界がゼロのとき、最上層の第2の軟磁性層1の磁化
の方向J1は第1の軟磁性層3の磁化方向J3に対して
直交するように設定されている。そして、外部からの信
号磁界Hに応じて第1の軟磁性層3の磁化方向J1は回
転する。このとき、第2の軟磁性層1の磁化の方向J1
と第1の軟磁性層3の磁化の方向J3とのなす角度の余
弦(cosθ)に比例して、第2の軟磁性層1の電気抵
抗が変化する。なお、この場合に第2の軟磁性層1と第
1の軟磁性層3の磁化を互いに直交させているのは、信
号磁界に対して抵抗変化が線形に行われるようにするた
めである。
【0004】このように、磁界により電気抵抗の変化が
生じる効果は、スピンバルブ効果と呼ばれる。この効果
を利用した磁気抵抗効果膜は信号磁界に応じて電気抵抗
が変化する。電極を介して磁気抵抗効果膜に電流を流す
ことにより、抵抗変化を電極間の電圧として再生するこ
とで、磁界の変化を検出する。実用的にはこれを磁気ヘ
ッドの感磁部などに用いることが考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の磁気抵抗効果膜では、第2の軟磁性層1の磁化方向
J1が、反強磁性層4から漏洩する磁界によってバイア
スを受け、図4に示すように、本来磁界を印加しないと
きに向くべき方向(以下これを磁化容易軸方向J0と称
する)と一致せず、磁化容易軸方向J0と多少の角度を
もっていた。このため、信号磁界の変化に対して電気抵
抗が線形に変化せず、再生波形が歪むという問題が生じ
ていた。
【0006】また、反強磁性膜4には通常FeMn膜が用い
られるが、この膜は耐蝕性が悪く、積層膜全体を形成す
る際や、その加工時などに腐蝕しやすいという問題も生
じていた。更に、反強磁性膜4上に直接第1の軟磁性層
3を積層する必要があるが、反強磁性膜4の表面状態、
例えば表面の平坦性や絶縁膜の付着等により反強磁性膜
4から第1の軟磁性層3に及ぼされる交換相互作用が大
きく影響を受ける。このため、再現性のよい磁気抵抗効
果素子の作成が難しいという問題がある。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、腐蝕しやすい磁性体材料を用いず、かつ
製造が容易で、信号磁界の変化に対して電気抵抗を線形
に変化させることができるスピンバルブ効果による磁気
抵抗効果素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、第1
に、磁性層同士が非磁性導電層を挟んで交換相互作用に
より磁気的に結合している結合型複合層と、前記結合型
複合層に接して重なる第1の非磁性導電層と、前記第1
の非磁性導電層に接して重なる第1の軟磁性層と、前記
第1の軟磁性層の磁気抵抗の変化を検出する電流を流す
電極とを有することを特徴とする磁気抵抗効果素子によ
って達成され、第2に、磁性層同士が非磁性導電層を挟
んで交換相互作用により磁気的に結合している結合型複
合層と、前記結合型複合層に接して重なる第1の非磁性
導電層と、前記第1の非磁性導電層に接して重なる第1
の軟磁性層と、前記第1の軟磁性層に接して重なる第2
の非磁性導電層と、前記第2の非磁性導電層に接して重
なる第2の軟磁性層と、前記第2の軟磁性層の磁気抵抗
の変化を検出する電流を流す電極とを有することを特徴
とする磁気抵抗効果素子によって達成され、第3に、前
記結合型複合層は前記磁性層を3層以上有することを特
徴とする第1又は第2の発明に記載の磁気抵抗効果素子
によって達成され、第4に、前記第1の軟磁性層は、前
記第1の非磁性導電層を介さずに、直接前記結合型複合
層に接して重なっていることを特徴とする第1乃至第3
の発明のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子によって達
成され、第5に、前記結合型複合層において、前記磁性
層はFeからなり、前記非磁性導電層はCuからなることを
特徴とする第1乃至第4の発明のいずれかに記載の磁気
抵抗効果素子によって達成され、第6に、前記結合型複
合層において、前記磁性層はFeからなり、前記非磁性導
電層はCrからなることを特徴とする第1乃至第4の発明
のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子によって達成さ
れ、第7に、前記結合型複合層において、前記磁性層は
Coからなり、前記非磁性導電層はCuからなることを特徴
とする第1乃至第4の発明のいずれかに記載の磁気抵抗
効果素子によって達成され、第8に、前記結合型複合層
において、前記磁性層はCoFeからなり、前記非磁性導電
層はCuからなることを特徴とする第1乃至第4の発明の
いずれかに記載の磁気抵抗効果素子によって達成され
る。
【0009】
【作 用】本発明によれば、腐蝕しやすいFeMn膜からな
る反強磁性層を用いず、その代わりに磁性層同士が非磁
性導電層を介して交換相互作用により磁気的に結合して
いる結合型複合層を用いている。なお、磁界による抵抗
変化を検出する第1の軟磁性層と結合型複合層とは第1
の非磁性導電層を介して交換相互作用により磁気結合
し、磁化容易軸方向とのなす角を信号磁界で変化させる
ことでスピンバルブ効果を生じさせている。
【0010】このため、例えば腐蝕に強いFeを磁性層と
して用いて、Cuを非磁性金属層として用いることによっ
て、腐蝕に強い磁気抵抗効果素子を形成することが可能
になる。また、結合型複合層の磁性層としてFe膜等を用
いると、このFe膜等に接して直接第1の軟磁性層を作成
する場合、Fe膜の表面状態、例えば表面の平坦性や絶縁
膜等の付着等によらず第1の軟磁性層に均一な交換相互
作用が及ぶ。このため、磁気抵抗効果素子の作成が容易
になる。
【0011】また、結合型複合層と第1の軟磁性層とは
第1の非磁性金属層を介して重なっている。第1の非磁
性金属層を挟むことにより結合型複合層の交換相互作用
が及ぶ範囲は凡そ10Åと狭い。このため、外部への磁
界の漏洩が少なく、スピンバルブ効果に係る第1又は第
2の軟磁性層の磁化方向が磁化容易軸方向からずれるの
を抑制することが可能となる。これにより、当該磁気抵
抗効果素子の電気抵抗を線形に変化させ、再生波形の歪
みを抑制することが可能になる。
【0012】また、本発明において、結合型複合層にお
いて、磁性層を非磁性導電層を介して3層以上積層する
場合には、各々の磁性層の相加的な作用により磁気抵抗
検出にかかる軟磁性層の磁化方向が磁化容易軸方向によ
り向きやすくなり、線型性の一層の向上を図ることがで
きる。
【0013】
【実施例】
(第1の実施例)以下で本発明の第1の実施例に係る磁
気抵抗効果素子について図1(a)〜(c)を参照しな
がら説明する。図1(a)〜(c)に示す磁気抵抗効果
素子は、膜厚約30Åの鉄(Fe)膜からなる磁性層10
A,10Cの間に、膜厚約10Åの銅(Cu)膜からなる
非磁性金属層10Bが形成されて成る結合型複合層10
を有する。磁性層10Aの磁化の向きJAと、磁性層1
0Cの磁化の向きJCとは交換相互作用により互いに逆
向きになる。
【0014】本実施例に係る磁気抵抗効果素子では、図
1(a)に示すように、タンタルからなる下地層13上
に、膜厚約50〜100ÅのNiFe膜からなる第1の軟磁
性層11,膜厚約20〜100Åの銅膜からなる第1の
非磁性金属層12が順次形成され、その上に結合型複合
層10と、膜厚約50〜100Åの銅膜やタンタル膜か
らなる封止層16とが順次形成される。更に、封止層1
6の上に当該磁気抵抗効果素子に磁気抵抗を検出するた
めの電流を流す金からなる電極20,21が形成され
る。スピンバルブ効果は第1の非磁性金属層12を挟む
第1の軟磁性層11と磁性層10Cとの間で起こる。
【0015】各層はみな同一真空装置内でスパッタや蒸
着法で成膜されている。また、結合型複合膜10の各磁
性層10A,10Cや、第1の軟磁性層11の磁化容易
軸の方向は成膜のときに印加される磁場により予め付与
される。当該磁気抵抗効果膜では、電極20と電極21
の間にセンス電流を流すと、外部からの信号磁界が印加
されていないときには、磁性層10Cの磁化方向JCと
第1の軟磁性層11の磁化方向J11は直交しており、
この場合の電気抵抗は比較的低い。
【0016】外部からの信号磁界が印加されると、第1
の軟磁性層11の磁化方向JCが変化し、磁性層10C
の磁化方向JCと第1の軟磁性層11の磁化方向J11
のなす角θの余弦(cosθ)に比例して電気抵抗が変
化する。これを電極20と21の間の電圧の変化として
検出する。以上説明したように、本実施例に係る磁気抵
抗効果素子によれば、図1に示すように腐蝕しやすいFe
Mn膜などからなる反強磁性層を用いず、その代わりに、
腐蝕に強いFe膜からなる磁性層同士がCuからなる非磁性
金属層を介して磁気的結合している結合型複合層10を
用いているので、耐蝕性の強い磁気抵抗効果素子を形成
することが可能になる。
【0017】また、図1(b)に示す磁気抵抗効果素子
では、図1(a)に示す結合型複合層10の磁性層10
Cと磁気抵抗効果素子の非磁性金属層12との間に、膜
厚50〜100Åの第2の軟磁性層14を挟んでいる。
この場合には、第2の軟磁性層14の磁化方向J14は
結合型複合層10の磁性層10Cとの交換相互作用によ
って磁性層10Cの磁化方向JCと反対の向きに向く。
また、第1の軟磁性層11の磁化方向J11は、第2の
軟磁性層14の磁化方向J14に対して直交するように
成膜時に予め付与されている。
【0018】これに、外部磁場を印加することにより第
1の軟磁性層11の磁化方向J11を変化させて第2の
軟磁性層14と第1の軟磁性層11の間でスピンバルブ
効果を生じさせる。第2の軟磁性層14の磁化方向J1
4と第1の軟磁性層11の磁化方向J11とのなす角θ
により抵抗値が変化することになる。この場合にも、結
合型複合層10を用いているので、耐蝕性の強い磁気抵
抗効果素子を形成することが可能になる。また、結合型
複合層10の磁性層10CとしてFe膜を用いると、Fe膜
の表面状態、例えば表面の平坦性や絶縁膜等の付着等に
よらず、磁性層10Cと接する第2の軟磁性層14に均
一な交換相互作用が及ぶ。このため、磁気抵抗効果素子
の作成が容易になる。
【0019】さらに、図1(c)に示す磁気抵抗効果素
子では、図1(b)に示す磁気抵抗効果素子の磁性層1
0Cと第2の軟磁性層14との間に、膜厚約20〜10
0Åの第2の非磁性金属層15が挟まれている。この場
合にも、図1(b)の場合と同様に、第2の軟磁性層1
4の磁化方向J14は結合型複合層10の磁性層10C
との交換相互作用によって磁性層10Cの磁化方向JC
と反対の向きに向く。また、第1の軟磁性層11の磁化
方向J11は、第2の軟磁性層14の磁化方向J14に
対して直交するように成膜時に予め付与されている。第
2の軟磁性層14の磁化方向J14と、第1の軟磁性層
11の磁化方向J11とのなす角θによってスピンバル
ブ効果が生じる。この場合には、特に、図1(b)の場
合と異なり、第2の非磁性金属層15の膜厚によって、
交換相互作用が及ぶ範囲とその強度を調整することが可
能である。
【0020】この場合にも、結合型複合層10を用いて
いるので、耐蝕性の強い磁気抵抗効果素子を形成するこ
とが可能になる。また、第2の非磁性金属層15を介し
て結合型複合層10と第2の軟磁性層14とは重なって
いる。第2の非磁性金属層15を挟むことにより結合型
複合層10の交換相互作用が及ぶ範囲は凡そ10Åと狭
く、このため、外部への磁界の漏洩が少なく、スピンバ
ルブ効果に係る第1の軟磁性層11の磁化方向が磁化容
易軸方向からずれるのを抑制することが可能となる。こ
れにより、当該磁気抵抗効果素子の電気抵抗を線形に変
化させ、再生波形の歪みを抑制することが可能になる。
【0021】なお、本実施例の図1(a)〜(c)に示
す結合型複合層10では、Cu膜からなる非磁性導電層1
0Bを介してFe膜からなる磁性層10A,10Cを2層
重ねているが、本発明はこれに限らず、非磁性導電層を
介して磁性層を3層以上重ねたものを用いてもよい。こ
れにより、各々の磁性層の相加的な作用により磁気抵抗
検出にかかる軟磁性層の磁化方向が磁化容易軸方向によ
り向きやすくなり、線型性の一層の向上を図ることがで
きる。
【0022】(第2の実施例)以下で本発明の第2の実
施例に係る磁気抵抗効果素子について図2(a)〜
(c)を参照しながら説明する。図2(a)に示す磁気
抵抗効果素子は、図1(a)の層構成に対応するが、図
1(a)と異なり、下地層13上に直接結合型複合層1
0が形成され、その上にCuからなる第1の非磁性金属層
12,NiFeからなる第1の軟磁性層11,封止層16が
順次形成されている。更に、封止層16の上に当該磁気
抵抗効果素子に検出電流を流すAuからなる電極20,2
1が形成されて成る。なお、各層の成膜方法や膜厚や磁
化の向きは、図1(a)の場合と同じである。
【0023】この場合も、外部磁場の印加により、第1
の軟磁性層11と磁性層10Cとの間でスピンバルブ効
果を生じ、磁性層10Cの磁化方向JCと第1の軟磁性
層11の磁化方向J11のなす角θの余弦(cosθ)
に比例して電気抵抗が変化する。本実施例に係る磁気抵
抗効果素子によれば、第1の実施例と同様に、結合型複
合層10を用いているので、耐蝕性の強い磁気抵抗効果
素子を形成することが可能になる。
【0024】また、図2(b)に示す磁気抵抗効果素子
は、図1(b)の層構成に対応するが、図1(b)と異
なり、下地層13上に直接結合型複合層10が形成さ
れ、その上に第2の軟磁性層14、Cuからなる第1の非
磁性金属層12、NiFeからなる第1の軟磁性層11、封
止層16が順次形成されている。更に、封止層16の上
に当該磁気抵抗効果素子に検出電流を流すAuからなる電
極20,21が形成されて成る。なお、各層の成膜方法
や膜厚や磁化の向きは、図1(b)の場合と同じであ
る。
【0025】この場合も、外部磁場の印加により、第1
の軟磁性層11と第2の軟磁性層14との間でスピンバ
ルブ効果を生じ、第2の軟磁性層14の磁化方向J14
と第1の軟磁性層11の磁化方向J11のなす角θの余
弦(cosθ)に比例して電気抵抗が変化する。本実施
例に係る磁気抵抗効果素子によれば、第1の実施例と同
様に、結合型複合層10を用いているので、耐蝕性の強
い磁気抵抗効果素子を形成することが可能になる。ま
た、結合型複合層10の磁性層10CとしてFe膜を用い
ると、Fe膜の表面状態によらず、磁性層10Cと接する
第2の軟磁性層14に均一な交換相互作用が及ぶため、
磁気抵抗効果素子の作成が容易になる。
【0026】さらに、図2(c)に示す磁気抵抗効果素
子は、図1(c)の層構成に対応するが、図1(c)と
異なり、下地層13上に直接結合型複合層10が形成さ
れ、その上に第2の非磁性導電層15、第2の軟磁性層
14、Cuからなる第1の非磁性金属層12、NiFeからな
る第1の軟磁性層11、封止層16が順次形成されてい
る。更に、封止層16の上に当該磁気抵抗効果素子に検
出電流を流すAuからなる電極20,21が形成されて成
る。なお、各層の成膜方法や膜厚や磁化の向きは、図1
(c)の場合と同じである。
【0027】この場合も、外部磁場の印加により、第1
の軟磁性層11と第2の軟磁性層14との間でスピンバ
ルブ効果を生じ、第2の軟磁性層14の磁化方向J14
と第1の軟磁性層11の磁化方向J11のなす角θの余
弦(cosθ)に比例して電気抵抗が変化する。本実施
例に係る磁気抵抗効果素子によれば、第1の実施例と同
様に、結合型複合層10を用いているので、耐蝕性の強
い磁気抵抗効果素子を形成することが可能になる。ま
た、第2の非磁性金属層15を挟むことにより結合型複
合層10の交換相互作用が及ぶ範囲は凡そ10Åと狭
く、このため、外部への磁界の漏洩が少なく、スピンバ
ルブ効果に係る第1の軟磁性層11の磁化方向が磁化容
易軸方向からずれるのを抑制することが可能となる。こ
れにより、当該磁気抵抗効果素子の電気抵抗を線形に変
化させ、再生波形の歪みを抑制することが可能になる。
【0028】なお、本実施例の図2(a)〜(c)に示
す結合型積層膜10は、Cu膜からなる非磁性導電層10
Bを介してFe膜からなる磁性層10A,10Cを2層重
ねているが、本発明はこれに限らず、非磁性導電層を介
して磁性層を3層以上重ねたものを用いてもよい。これ
により、各々の磁性層の相加的な作用により磁気抵抗検
出にかかる軟磁性層の磁化方向が磁化容易軸方向により
向きやすくなり、線型性の一層向上を図ることができ
る。
【0029】(3)その他の実施例 上述の第1,第2の実施例では、結合型複合層10の磁
性層10A,10CにFe膜を、非磁性金属層10BにCu
膜をそれぞれ用いているが、本発明はこれに限らず、例
えば、磁性層10A,10CにFe膜を用い、非磁性金属
層10BにCr膜を用いることも可能である。また、磁性
層10A,10CにCo膜を用い、非磁性金属層10Bに
Cu膜を用いてもよい。更に、磁性層10A,10CにCo
Fe膜を用い、非磁性金属層10BにCuを用いてもよい。
これらの場合にも、上記の第1,第2の実施例と同様の
効果を奏する。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、腐
蝕しやすいFeMn膜からなる反強磁性層を用いず、その代
わりに磁性層同士が非磁性導電層を介して交換相互作用
により磁気的に結合している結合型複合層を用いてい
る。腐蝕に強いFeを磁性層として用いて、Cuを非磁性金
属層として用いることによって、腐蝕に強い磁気抵抗効
果素子を形成することが可能になる。また、結合型複合
層の磁性層の表面状態によらず、結合型複合層の磁性層
と接する第1の軟磁性層に均一な交換相互作用が及ぶた
め、磁気抵抗効果素子の作成が容易になる。
【0031】また、結合型複合層は第1の非磁性金属層
を挟んで軟磁性層と重なっている。第1の非磁性金属層
を挟むことにより結合型複合層の交換相互作用が及ぶ範
囲は狭くなるため、外部への磁界の漏洩が少なく、スピ
ンバルブ効果に係る軟磁性層の磁化方向が磁化容易軸方
向からずれるのを抑制することが可能となる。これによ
り、当該磁気抵抗効果素子の電気抵抗を線形に変化さ
せ、再生波形の歪みを抑制することが可能になる。
【0032】また、結合型複合層において、磁性層を非
磁性導電層を介して3層以上積層する場合には、各々の
磁性層の相加的な作用により磁気抵抗検出にかかる軟磁
性層の磁化方向が磁化容易軸方向により向きやすくな
り、線型性の一層向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗効果素子
を説明する断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗効果素子
を説明する断面図である。
【図3】スピンバルブ効果を用いた磁気抵抗効果膜を説
明する斜視図である。
【図4】従来の問題点を説明する斜視図である。
【符号の説明】
10 結合型複合層、 10A,10C 磁性層、 10B 非磁性金属層、 11 第1の軟磁性層、 12 第1の非磁性金属層、 13 下地層、 14 第2の軟磁性層、 15 第2の非磁性金属層、 16 封止層、 20,21 電極、 JA 磁性層10Aの磁化方向、 JC 磁性層10Cの磁化方向、 J11 第1の軟磁性層の磁化方向、 J14 第2の軟磁性層の磁化方向。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層同士が非磁性導電層を挟んで交換
    相互作用により磁気的に結合している結合型複合層と、 前記結合型複合層に接して重なる第1の非磁性導電層
    と、 前記第1の非磁性導電層に接して重なる第1の軟磁性層
    と、 前記第1の軟磁性層の磁気抵抗の変化を検出する電流を
    流す電極とを有することを特徴とする磁気抵抗効果素
    子。
  2. 【請求項2】 磁性層同士が非磁性導電層を挟んで交換
    相互作用により磁気的に結合している結合型複合層と、 前記結合型複合層に接して重なる第1の非磁性導電層
    と、 前記第1の非磁性導電層に接して重なる第1の軟磁性層
    と、 前記第1の軟磁性層に接して重なる第2の非磁性導電層
    と、 前記第2の非磁性導電層に接して重なる第2の軟磁性層
    と、 前記第2の軟磁性層の磁気抵抗の変化を検出する電流を
    流す電極とを有することを特徴とする磁気抵抗効果素
    子。
  3. 【請求項3】 前記結合型複合層は前記磁性層を3層以
    上有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 前記第1の軟磁性層は、前記第1の非磁
    性導電層を介さずに、直接前記結合型複合層に接して重
    なっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】 前記結合型複合層において、前記磁性層
    はFeからなり、前記非磁性導電層はCuからなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の磁気
    抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】 前記結合型複合層において、前記磁性層
    はFeからなり、前記非磁性導電層はCrからなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の磁気
    抵抗効果素子。
  7. 【請求項7】 前記結合型複合層において、前記磁性層
    はCoからなり、前記非磁性導電層はCuからなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の磁気
    抵抗効果素子。
  8. 【請求項8】 前記結合型複合層において、前記磁性層
    はCoFeからなり、前記非磁性導電層はCuからなることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の磁
    気抵抗効果素子。
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