JPH08178A - 低う蝕原性を有するキャンディ - Google Patents

低う蝕原性を有するキャンディ

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JPH08178A
JPH08178A JP6171520A JP17152094A JPH08178A JP H08178 A JPH08178 A JP H08178A JP 6171520 A JP6171520 A JP 6171520A JP 17152094 A JP17152094 A JP 17152094A JP H08178 A JPH08178 A JP H08178A
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candy
amylase
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JP6171520A
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Yusuke Asano
悠輔 浅野
Shigehiko Hongo
成彦 本郷
Masanori Kuno
真紀 久能
Junichi Asaoka
淳一 朝岡
Yoko Hosoi
陽子 細井
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Kanro Co Ltd
Original Assignee
Kanro Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低う蝕原性を有するキャンディを提供する。 【構成】ヒトの唾液α−アミラーゼ処理後の醗酵性糖の
生成量が、無水物換算で6重量%以下のキャンディに関
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低う蝕原性を有するキ
ャンディに関する。
【0002】
【従来の技術】う蝕(むし歯)は、ヒトの病気の中で細
胞の存在しない部位に発生する特異的な病気であり、次
のような原因で発生する。従来、キャンディは、砂糖及
び水あめから主としてつくられるが、砂糖などの醗酵性
糖質を摂取すると、歯垢(プラーク)中に棲息するスト
レプトコッカス・ミュータンスなどの口腔内細菌が、酸
に変える。そして、歯垢のpHが約5.5以下になる
と、歯の表面のエナメル質が溶解する。歯垢のpHは、
食事をとるときにも低下するが、歯垢に侵みこんだ唾液
により中和され、さらにpHが上昇し、エナメル質に燐
酸カルシウムが再沈着して歯が修復される。そのため、
食事の間又は唾液の分泌量が著しく低下する睡眠の前
に、砂糖などから作られたキャンディを食べると、歯が
修復されず、むし歯が生ずることになる。しかし、食事
の間又は睡眠の前に、キャンディのような甘いものを食
べることは、人々にとり精神上のストレスの解消や肉体
上の疲労の回復などに必要不可欠な習慣となっており、
これを止めるのは不可能と言わざるをえない。
【0003】キャンディには、周知のように、砂糖及び
水あめが使用されてきている。砂糖及び水あめは、甘味
度、味質などの味覚に優れ、物性が食品加工に適してい
るために、優れた原料であるが、その醗酵性のために、
上記のようなむし歯を形成させる欠点を有する。そのた
め、緑茶、ウーロン茶などから抽出したポリフェノール
類をむし歯原因菌の増殖抑制を目的に砂糖と併用するこ
とも行われているが、歯垢のpHは5.5以下に低下す
るので、目的を遂げることができない。また、砂糖及び
水あめは、カロリーが高く、肥満が健康に良くないこと
を考えると、その摂取はできる限り少ないことが望まし
い。
【0004】従って、砂糖及び水あめの代りに、歯垢の
pHを低下させず、砂糖に代りうるしかも砂糖と実質的
に同じ甘味度を有し、カロリーの低い原料をキャンディ
に使用すると、種々の点から有利であることが考えられ
る。現在知られている砂糖の代替物として、例えば、ア
スパルテーム又はステビアのような高甘味度甘味料があ
るが、カロリーは低いが、砂糖に比べて味覚が劣り、使
用量が少ないためキャンディのボディ感が得られない欠
点がある。又、カップリングシュガー、フラクトオリゴ
糖及びパラチノースなどの低う蝕原性のオリゴ糖も挙げ
られるが、以下の欠点を有する。砂糖に比べれば低う蝕
原性であるが、砂糖対比の甘味度が低く、さらに酸性で
の加熱処理などのキャンディ製造条件の下では変化し、
得られた最終製品を摂取すると、歯垢のpHが5.5以
下に低下するために、実質的に低う蝕原性を有するとは
いえない。さらに、ソルビトール、ラクチトール、エリ
スリトール、キシリトール、マルチトール、マルトトリ
イトール、パラチニトールなどの糖アルコールが、砂糖
及び水あめの代替物となりうる低う蝕原性の糖類として
知られており、それ単独又は高甘味度甘味料との併用で
使用されてきている。これらの中ですべてのものが低う
蝕原性とは限らない。その理由は、むし歯は、前述のよ
うに、口腔内で多数存在する徴生物による醗酵によって
生成する酸により生成するとされているが、これら微生
物により影響を受けないとされる糖アルコールでも、唾
液中のα−アミラーゼにより分解されて、醗酵性糖に変
り酸を生成するからである。その上、糖アルコールは、
砂糖対比の甘味度が低く、さらに大量に摂取すると一過
性の下痢を生ずることもあることが報告されている[鴨
井ら、栄養学雑誌、30、153−158(197
2)]。さらに、ハードキャンディの製造を行う場合、
クエン酸、乳酸などの酸を添加して約170℃で加熱濃
縮を行うと、高分子のポリオールが分解し、醗酵性の糖
を10重量%近く含んでいる場合がしばしばある。この
分解により生成した醗酵性糖は、耐熱性が悪く、容易に
カラメル化して着色したり、ビタミン又はアスパルテー
ムなどの高甘味度甘味料とメイラード反応を起こし、異
味、異臭を発してキャンディの品質を損なう。又、得ら
れた製品は、一般に吸湿性が高くなり、作業性も損なう
ことになる。
【0005】これら糖アルコールの中で知られているも
のに、例えば特開昭55−86802号公報に記載され
たものがある。この糖アルコールの混合物は、重合度が
20より大のポリオール3重量%未満、マルチトール6
0重量%未満、ソルビトール10重量%未満よりなり、
残りは重合度3−20のポリオールである。そして、そ
の成分の量の数的な限定理由として、重合度が20より
大のポリオールは、水解物のむし歯形成性の主な原因と
なるので少量でなければならず、マルチトール及びソル
ビトールは、むし歯形成性に乏しいが菓子製造時に困難
を生ずるために量を限定しなければならないとしてい
る。しかし、ここで良いとされている重合度がたとえ4
−20のポリオールであっても、唾液α−アミラーゼに
より分解されて醗酵性糖を生成する。例えば、P.Wu
erschら、Caries Res.16、90−9
5(1982)によれば、唾液α−アミラーゼを使用
し、37℃で10−30分間作用させた場合、10分間
で放出される還元糖のμモルを澱粉で100とすると、
マルチトール及びマルトトリイトールでは、零なのに対
し、平均重合度が4の還元澱粉水解物では75、平均重
合度が10のものでは20.8という値が明らかにされ
ている。さらに、ヒトの口腔内の歯垢による酸の生成に
ついては、酸の生成量(μEqH/mL/10分)を
調べると、マルチトールでは、平均0.015±0.0
011、マルトトリイトールでは平均0.03±0.0
1と零に等しいのに対し、グルコースでは平均0.34
±0.06、澱粉では平均0.44±0.05、平均重
合度が10の還元澱粉水解物では平均0.30±0.0
3と極めて高い値が示されている。又、ヒトの新鮮な唾
液による乳酸の生成については、37℃、90分間のイ
ンキュベーションにより生成する乳酸のμモルは、マル
チトールでは、平均0.03±0.02、マルトトリイ
トールでは平均0.13±0.08であるのに対し、グ
ルコースでは平均5.2±1.0、マルトースでは平均
5.1±0.9、平均重合度が10の還元澱粉水解物で
は平均5.2±1.1と極めて高い値が示されている。
別に、基質として、重合度が3のマルトトリイトール及
び重合度が4のマルトテトライトールを使用し、基質濃
度を300μg/mLとし、これに基質1mg当り10
単位の唾液α−アミラーゼ並びに基質0.75μg/μ
L当り600μLの唾液を用い、37℃で3時間作用さ
せたところ、マルトトリイトールでは、唾液α−アミラ
ーゼ及び唾液の両者において生成還元糖の量は零である
が、マルトテトライトールでは、唾液α−アミラーゼに
おいて生成還元糖の量は125μg/mL(分解率、4
1.7%)であり、唾液において生成還元糖の量は11
4μg/mL(分解率、38.0%)である。このよう
に、重合度=3のポリオールでは、糖は全く生成しない
が、重合度=4のポリオールでは、糖を生成する。以上
の説明から明らかなように、重合度=4−19のポリオ
ールでも、むし歯の形成に関与する危険があり、還元澱
粉水解物中の含量につき、厳密な規定が必要である。
【0006】
【発明の概要】本発明は、口腔内細菌及びヒトの唾液α
−アミラーゼにより分解して酸を実質的に発生すること
がないキャンディを得ることを目的とする。本発明は、
ヒトの唾液α−アミラーゼ処理後の醗酵性糖の生成量
が、無水物換算で6重量%以下のキャンディに関する。
本発明における、ヒトの唾液α−アミラーゼ処理後の醗
酵性糖の生成量が無水物換算で6重量%以下という限定
の理由は、以下の通りである。ヒトの唾液α−アミラー
ゼ処理後の醗酵性糖の生成量が、2.1−5.3重量%
の場合は、歯垢のpHか6.3−5.7を示すが、一方
ヒトの唾液α−アミラーゼ処理後の醗酵性糖の生成量
が、6.7重量%の場合は、歯垢のpHが、むし歯の生
成pHの5.5より低い5.2を示すからである。この
際、ヒトの唾液α−アミラーゼ処理は、サンプル1mg
に唾液α−アミラーゼ10単位を加え、37℃、3時間
処理した。又、歯垢のpH測定は、摂取30分後で行わ
れた。この事実から分るように、キャンディのヒトの唾
液α−アミラーゼ処理後の醗酵性糖の生成量が、無水物
換算で6重量%以下でなければならない。
【0007】本発明のキャンディを製造するには、種々
の甘味を帯びた原料を使用することができるが、その中
で還元澱粉水解物を使用するのが好ましい。還元澱粉水
解物は、澱粉糖化物例えばふどう糖、麦芽糖、水あめ並
びに還元基を有する糖類例えば乳糖を水素還元したもの
があげられる。これら還元澱粉水解物は、それに含まれ
る多くのものが前記の特許公開公報に記載された発明の
ように低う蝕原性があるものとして知られており、重合
度が低いものが、唾液α−アミラーゼによる分解によっ
て酸を生成する度合が低いとされる。しかし、前記のよ
うに、重合度が低くても、酸を生成し勝ちである。その
ため、キャンディの製造における加工条件を考慮して、
ヒトの唾液α−アミラーゼ処理後の醗酵性糖の生成量
が、無水物換算で5重量%以下であるのが好ましいこと
になる。この醗酵性糖は、還元澱粉水解物に含まれる重
合度4以上の糖アルコールが、唾液α−アミラーゼによ
り分解されて生成するものである。重合度4以上の糖ア
ルコールの中でも、重合度の大きいものほど、分解を受
けやすく、分解して生成するマルトース量も多くなる。
12種類の還元澱粉水解物を試作し、唾液α−アミラー
ゼにより処理して調べると、重合度4−19の糖アルコ
ールの含量(無水物換算の重量%)の10%、重合度2
0以上の糖アルコールの含量の100%が、α−アミラ
ーゼにより分解されると考えられる。この考えに基づく
と、唾液α−アミラーゼにより処理したときの醗酵性糖
の生成量が、無水物換算で5重量%以下であるために
は、還元澱粉水解物に含まれる重合度4以上の糖アルコ
ールは、無水物換算で25重量%以下であり、重合度2
0以上の糖アルコール含量は、無水物換算で2重量%以
下である必要がある。
【0008】還元澱粉水解物に含まれるソルビトール
は、一過性の下痢を起こすばかりか、胃腸から吸収され
るため、多量の摂取により胃腸の不快感を起こすので、
多量に含まれることは、許されない。キャンディの原料
としても、吸湿性が高く、吸湿してキャンディをべとつ
かせる原因になる。ソルビトールの下痢誘発性に関し、
下痢を誘発しない最大量について、20−30歳台の男
女各10名ずつを被験者とし、昼食2時間後の少量の粉
末コーヒーを混ぜて直ぐに摂取して、調べた。ソルビト
ールの含有量が無水物換算で8重量%未満の甘味料で
は、下痢を誘発しない最大量は、男性で0.6g/k
g、女性で1.0g/kgであり、実用的な摂取レベル
で問題を生ずることかない。そのため、本発明では、ソ
ルビトールの含有量は、無水物換算で8重量%未満、好
ましくは5重量%である必要がある。ソルビトールの甘
味度は、砂糖の60−70%であり、マルチトールの甘
味度は、砂糖の約90%であるため、還元澱粉水解物中
のソルビトール含量を無水物換算で8重量%未満、好ま
しくは5重量%以下に抑え、マルチトール含量を無水物
換算で60重量%以上とすることにより、ソルビトール
及びマルトトリイトールの甘味とあわせ、還元澱粉水解
物を含むキャンディの甘味度を、砂糖比で70−80%
とすることができる。還元澱粉水解物に含まれる重合度
4以上の糖アルコールは、キャンディの保形性を改善
し、ソルビトール、マルチトールに由来する吸湿性を低
減して、保存性を高める効果がある。又、重合度3のマ
ルトトリイトールも、口腔内細菌により資化されず、唾
液α−アミラーゼによっても分解されないばかりでな
く、甘味料としても、砂糖の50−60%の甘味度を有
する。従って、これらマルトトリイトール及び重合度4
以上の糖アルコールの含有量を確保する観点から、原料
である還元澱粉水解物に含まれるマルチトール含量は、
無水物換算で70重量%以下に抑え、60−70重量%
とすることが必要とされる。
【0009】本発明で使用される還元澱粉水解物の製造
に当っては、種々の方法があるが、例えば、前記のよう
に、常法に従って、澱粉例えばコーンスターチ、馬鈴薯
澱粉、タピオカ澱粉などを、α−アミラーゼ、β−アミ
ラーゼなど使用して糖化し、得られた糖化物を水素添加
して得ることができる。この際、糖化を、マルトース含
量60重量%以上、好ましくは65重量%以上、重合度
4以上の多糖類の含量が20重量%であり、重合度が2
0以上の多糖類の含量2重量%以下、好ましくは1重量
%以下の条件まで行うと、目的とする還元澱粉水解物を
得ることができる。
【0010】キャンディの製造に当っては、従来から使
用されている方法に従って行うことができる。製造に当
って、一般に有機酸例えばクエン酸、乳酸、及び果汁、
フレーバー、ときにはビタミン類を添加し、水分1重量
%以下に加熱濃縮する。通常、酸味成分の添加量は、ク
エン酸として1−4重量%であり、水分を1重量%以下
にするために約170−180℃に加熱することが行わ
れ、還元澱粉水解物を使用すると、分解して醗酵性の還
元糖が生成する。この現象を防ぐために、酸味成分の添
加を、熱に弱い果汁、ビタミン類とともに加熱後に行う
ことも考えられるが、保存中の変形やだれを防ぐ必要性
から、生成したキャンディの水分を1重量%以下にコン
トロールしなければならないために、加熱後の添加は行
うことができない。そのため、種々テストを行った結
果、醗酵性糖をグルコース換算で0.2重量%以下含む
還元澱粉水解物を使用し、酸、果汁などを加えて最高1
75℃の加熱及び濃縮処理されるもののpHが2.8以
上であれば、還元糖の生成は、グルコース換算で0.3
重量%以下になる。従って、得られるキャンディの還元
糖は、酸、果汁などの添加物から由来する還元糖と合わ
せても、グルコース換算で1重量%以下に抑えることが
できる。
【0011】本発明のキャンディには、さらに甘味をま
すために、砂糖以外の甘味料例えばアスパルテーム、ス
テビア、サッカリン、グルチルリチン、ソーマチン、フ
ィロズルチン、らかん果エキス及びアセスルファムKを
添加することもできる。
【0012】
【実施例】次に、実施例を示す。実施例において、還元
澱粉水解物の糖組成の分析は、高速液体クロマトグラフ
ィーにより、以下の条件で行った。 使用機器:デガッサー エルマ社 ERC−3512 ホンプ 日立 L−6200 カラムオーブン ジーエルサイエンス 556 オートサンプラー 日立 655−A40 RI検出器 日立 L−3300 インテグレーター 日立 D−2520 カラム:三菱化成製 MCI GEL CKO2AS 溶離液:水 流速:1.0mL/分 測定温度:85℃ 試料注入量:100mL 分子量分布測定のためのリテンション時間は、ソルビト
ール(分子量182、試料特級)、マルチトール(分子
量344)、マルトトリイトール(分子量506)、マ
ルトテトライトール(分子量668)は、標準試薬とし
て林原生化学研究所製を用い、マルトデカオース(分子
量1683)、マルトトリデカオース(分子量212
4)、マルトペンタデカオース(分子量2448)は、
中埜酢店中埜中研製を使用し、GPが20以上のもの
は、プルランP−5(分子量3420、3906、43
92、4878、5364、5850、6336の混合
物、昭和電工製)を、それぞれ水素添加したものを使用
して、設定した。試料溶液は、試料5gを100mL容
のメスフラスコに取り、約80mLの水を加えて、常温
で約10分間超音波処理により溶解させ、100mLに
定容し、0.45μmのメンブランフィルターで漉過し
て、調製した。データの処理については、ソルビトー
ル、マルチトール、マルトトリイトール、マルトテトラ
イトールは、標準試薬により定性し、これらより重合度
の大きいものは、各ピークのトップのリテンション時間
の分子量を分子量分布値により検索した。単純面積百分
率法により、各重合度の糖アルコール含有量の無水物換
算の重量%を求め、これを糖組成とした。
【0013】実施例 1 固形分70重量%の低う蝕原性の還元澱粉水解物(糖組
成、ソルビトール2.6重量%、マルチトール63.1
重量%、マルトトリイトール24.8重量%、重合度=
4−19のポリオール8.2重量%、重合度が20以上
のポリオール1.3重量%)153kgに、固形分濃度
30重量%の酸混合液(クエン酸対クエン酸ナトリウ
ム、5対1)をクエン酸として還元澱粉水解物の固形分
に対し2重量%添加混合し、プレクッカーにより155
℃に予備加熱後、クッカーにより175℃で加熱濃縮
し、640−680mmHgで真空濃縮させて、水分
0.8重量%以下の約150℃の糖液111kgを得
た。生成物を、冷却しつつ糖液の固形分に対し合計で
0.5重量%の水分に相当する果汁、香料、ビタミンC
を加えた。このときのpHは、3.0であった。126
−128℃で、デポジット方式でキャンディに成型し、
クーリングトンネルを通し、約20℃、相対湿度約30
%以下の条件で冷却し、5分後に離型し、約30℃、相
対湿度約30%以下の包装室で包装した。得られる製品
の量は、109kgであった。 (A)製造直後のキャンディを、カールフィッシャー法
により測定した水分は1.0重量%であり、包装前の固
形分に基づく収率は、97.4%であった。又、衛新第
71号により分析したエネルギー値は、キャンディ1g
当り2.0kカロリーであった。 (B)得られたキャンディのヒト唾液α−アミラーゼに
よる醗酵性糖の量を、以下の方法により調べた。得られ
た製品を20mモルの燐酸バッファー(pH6.8)に
より希釈し、固形分1mg当りヒト唾液アミラーゼ(シ
グマ社製、1X−A)10単位を加え、37℃、3時間
処理後、ソモギ・ネルソン法により還元性糖を定量し、
マルトースとして、重量%(無水物換算)で表示する
と、4.0%であった。 (C)次に、得られた製品の歯垢によるpHを、以下の
pHテレメトリー法により調ベた。義歯にトランジスタ
ー電極を装着し、その上に歯垢を作らせてから、自然の
状態で食品を摂取させ、摂取30分後のpHの低下を記
録し、pHが5.7以下に低下しなければ合格とする判
定基準である。得られた製品のpHは、6.2であっ
て、優れていた。ちなみに、同様にして測定した100
%砂糖液では、pHは4.7に低下していた。 (D)次いで、ストレプトコッカス属歯垢細菌による酸
の生成を、製品の固形分1%を含むフェノール・レッド
ブロス(pH7.4)で、各種細菌を37℃、72時
間培養後のブロスのpHを測定することにより、調べ
た。結果を、以下の表1に示す。同時に、グルコース、
砂糖、市販のカップリングシュガーの値も示す。
【0014】
【表1】
【0015】(E)得られた製品の砂糖に対する甘味度
は、その10重量%水溶液(22℃)では、75%であ
った。又、下痢を誘発しない最大量は、男性で0.6g
/kg、女性で1.0g/kgであり、実用に差し支え
ない。さらに、製品には 着色は認められなかった。
【0016】実施例 2 固形分70重量%の低う蝕原性の還元澱粉水解物(糖組
成、ソルビトール3.7重量%、マルチトール65.9
重量%、マルトトリイトール22.2重量%、重合度=
4−19のポリオール7.1重量%、重合度が20以上
のポリオール1.1重量%)100kgを、ウオームミ
ックスにより、約70℃に予備加熱後、クッカーにより
約170℃で加熱濃縮し、650−700mmHgで真
空濃縮させて、水分0.8重量%以下の糖液71kgを
得た。生成物を、冷却しつつ糖液の固形分に対し合計で
0.5重量%の水分に相当する果汁、香料、ビタミンC
を加え、さらに酸混合液(クエン酸対クエン酸ナトリウ
ム、5対1)をクエン酸として還元澱粉水解物の固形分
に対し2.5重量%添加混合した。このときのpHは、
3.0であった。約20−25℃の冷却板で冷却し、5
8−64℃でスタンピング成型を行い、約30℃、相対
湿度約30%以下の包装室で包装した。製品kgを得
た。 (A)製造直後のキャンディを、カールフィッシャー法
により測定した水分は1.1重量%であり、包装前の固
形分に基づく収率は、96.5%であった。 (B) 得られた製品のヒト唾液α−アミラーゼによる
醗酵性糖の量を、実施例1(B)の方法により調べた。
マルトースとして、重量%(無水物換算)で表示する
と、2.9%であった。 (C)次に、得られた製品の歯垢によるpHを、実施例
1(C)のpHテレメトリー法により調べた。得られた
製品のpHは、6.4であって、優れていた。 (D)次いで、ストレプトコッカス属歯垢細菌による酸
の生成を、実施例1(D)の方法により調べた。結果
は、実施例1の場合と同様であった。 (E)得られた製品の砂糖に対する甘味度は、その10
重量%水溶液(22℃)では、65%であった。 又、下痢を誘発しない最大量は、男性で0.6g/k
g、女性で1.0g/kgであり、実用に差し支えな
い。さらに、製品には、着色は認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細井 陽子 東京都世田谷区駒沢1−17−3今枝マンシ ョン203

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトの唾液α−アミラーゼ処理後の醗酵性
    糖の生成量が、無水物換算で6重量%以下の低う蝕原性
    を有するキャンディ。
  2. 【請求項2】重合度4以上の糖アルコールの含有量が、
    無水物換算で25重量%以下であり、重合度20以上の
    糖アルコールの含有量が、無水物換算で2重量%以下で
    ある還元澱粉水解物を含む低う蝕原性を有するキャンデ
    ィ。
  3. 【請求項3】ソルビトールの含有量が、無水物換算で8
    重量%未満であり、マルチトールの含有量が、無水物換
    算で60−70重量%である還元澱粉水解物を含む低う
    蝕原性を有するキャンディ。
  4. 【請求項4】酸及び/又は果汁を加えて加熱濃縮すると
    きのpHが2.8以上である低う蝕原性を有するキャン
    ディ。
JP6171520A 1994-06-21 1994-06-21 低う蝕原性を有するキャンディ Withdrawn JPH08178A (ja)

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JP6171520A Withdrawn JPH08178A (ja) 1994-06-21 1994-06-21 低う蝕原性を有するキャンディ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008074763A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Nitto Denko Corp 糖材料の調製方法ならびに糖材料、糖材料を含むマイクロニードルおよびマイクロニードルをそなえてなる経皮製剤

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JP2008074763A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Nitto Denko Corp 糖材料の調製方法ならびに糖材料、糖材料を含むマイクロニードルおよびマイクロニードルをそなえてなる経皮製剤

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